JP2007064530A - 加熱調理器 - Google Patents

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臣光 野田
Kazuhiro Furuta
和浩 古田
Masaharu Yonekura
正治 米倉
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Abstract

【課題】被加熱物を急速加熱でき、且つ調理室内の清掃が容易で熱損失の少ない加熱調理器を提供する。
【解決手段】調理品を収納する箱状の調理室(10)と、ヒータ式熱源(12)とブロア(15)を有する熱風生成装置(18)と、を備え、熱風生成装置で発生させた熱風を調理室の天井板(33)に設けたノズル孔(37)から高速噴流にして調理品(38)に衝突させると共に、衝突後の熱風を調理室の左右の側壁下部に設けた吸い込み口(42、43)からブロアにて吸い込み熱風生成装置に戻して循環させる。
【選択図】図4

Description

本発明は、加熱調理器に関し、特に高速の熱風を被加熱物に衝突させて熱伝達を行なう噴流衝突熱伝達技術を応用した加熱調理器に関する。
従来、調理品の解凍から焼き上げまでの調理は、マイクロ波加熱により調理品を内部から加熱すると同時に上下方向からもヒータの輻射熱を当てて焼き上げる方法、あるいは調理室後部に配置したヒータにて発生させた熱風をファンを使って調理室内に循環させ調理室内全体を高温にして調理する方法などで行なわれてきた。
ところで、コンビニエンスストアなどではお客が買い求めた冷凍食品を60〜90秒の短時間で解凍から焼き上げまでして提供するサービスが行なわれている。上記の従来の調理方法ではそのような短時間で調理を行なうことは困難であることから、そうした調理を必要とする場合には予熱などにより調理室内を常に高温にしておくなどの対策が講じられている。しかし、調理室内を常に高温にしておくことは熱効率面で問題がある。
近年、調理品に高温熱風の噴流を衝突させ、熱風の持つ熱エネルギーを効率良く調理品に伝達する「衝突噴流熱伝達技術」を応用して解凍から焼き上げまでを短時間で調理する技術が開発され実用化が進んでいる。
例えば、特許文献1にはこの衝突噴流熱伝達技術を応用した迅速調理用オーブンが提案されている。このオーブンは調理室の上部から噴出させた熱風を調理品に吹き当てて熱風の持つ熱エネルギーで加熱し、吹き当て後の熱風は調理室下部から熱源に帰還させて再循環させる。それと並行してマイクロ波加熱により調理品を内部からも加熱して迅速調理を行なうものである。
しかしこのオーブンは調理室内部の構造が複雑である上、熱風循環路が長いため熱損失が大きい。また、調理品から出る水分などの液状物質や調理品の小片が熱風循環路に入った場合に清掃が難しいという問題を持つ。
また、特許文献2には調理室内部の部品を取り外せるようにして清掃を容易にした衝突熱伝導加熱処理装置が提案されている。しかし、この装置は部品の取り外しが面倒である上、熱風源を調理室背面に配置して熱風の吹き出しを上面、下面の双方から行なうようにしているため熱源に近い場所の温度が高くなって加熱むらを生じる。また、調理室の熱風を吸い込む熱風吸い込み口を背面に設けているため加熱に寄与しない熱風が吸い込まれて効率が悪いという問題がある。
特表平6−510849号公報 特開平7−1082634号公報
本発明はこのような従来技術の問題点を解決するためになされたもので、その課題は、噴流衝突熱伝達技術を応用して被加熱物を急速加熱でき、且つ調理室内の清掃を容易に行なえ熱損失も少ない加熱調理器を提供することにある。
前記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、調理品(38)を収納する箱状の調理室(10)と、ヒータ式熱源(12)とブロア(15)を有する熱風生成装置(18)と、を備え、前記熱風生成装置で発生させた熱風を前記調理室の天井板(33)に設けたノズル孔(37)から高速噴流にして調理品に衝突させると共に、衝突後の熱風を前記調理室の左右の側壁下部に設けた吸い込み口(42、43)から前記ブロアにて吸い込み、前記熱風生成装置に戻して循環させるようにしたことを特徴とする。
このような構成の加熱調理器は高温の熱風を高速噴流にして調理品に衝突させて加熱するため、高い熱伝達率で急速調理を行なうことができる。また、熱風は調理室の天井板に設けたノズル孔から噴射して左右の側壁下部から吸引する構造とし、調理室の底板にはノズル孔、吸引口等の構成部品を何ら設けていないため調理室内の清掃を容易に行なうことができる。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の加熱調理器において、前記調理室の底板(50)と前記天井板との間に前記調理品を載置する棚板(40)を取り付け、該棚板には上下面を貫く複数の穴(41)を設け、前記吸い込み口は該棚板より下の位置に設けたことを特徴とする。
このような棚板を設けてその上に調理品を載置すれば、棚板が下側からも加熱されて高温となる。このため調理品は下側からも加熱されることになり調理品をより高速に加熱することができる。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の加熱調理器において、前記吸い込み口から吸い込んだ熱風を前記熱風生成装置に戻す熱風帰還ダクト(20、21)を、ダクトの一面を前記調理室の側壁を共用して前記左右の側壁の外側に設けたことを特徴とする。
このような構成にすれば調理室からの熱のリークを防止できる。また、帰還する熱風の持つ熱エネルギーは調理室の側壁を加熱するため加熱室内の温度を効率良く高めることができる。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載の加熱調理器において、前記熱風生成装置を構成する前記ヒータ式熱源は周囲に放熱フィン(55)を有する複数個のU字形状のヒータを前記ブロアの吹き出す風の方向に等間隔で、且つ、奇数本目のヒータと偶数本目のヒータの位置を前記風の方向と直角方向に前記放熱フィンの外径寸法だけずらすと共に前記風の方向に見たとき隣り合うヒータの放熱フィンの外周が重なって見える角度に各ヒータを傾けて配置したことを特徴とする。
このような構成とすれば、放熱フィンと熱交換を行なうことなく通過する熱風の量を少なくすることができ、また熱風の圧力損失もさほど大きくならないため循環熱風とヒータとの熱交換を効率的に行なわせることができる。
また、請求項5に記載の発明は、請求項1又は2に記載の加熱調理器において、前記天井板に設けたノズル孔は複数個とし、それらノズル孔と調理品との間隔を2つのノズル孔から噴出させた高速噴流が調理品の表面付近にて結合してあたかも一つのノズル孔から噴出させた噴流とみなせる間隔に設定したことを特徴とする。
このような構成とすれば、調理品に衝突して熱エネルギーを減少させた熱風がノズル孔方向に戻りノズル孔から新たに噴出された熱風と混ざってその温度を低下させることが少なくなる。従って、熱風から調理品への全体としての熱伝達率を高めることができる。
また、請求項6に記載の発明は、請求項2に記載の加熱調理器において、前記棚板を金属材料で構成したことを特徴とする。
金属材料は熱伝導性が高いため棚板を金属材料とすれば棚板はより高温となる。このため調理品を下面側からより迅速に加熱することができる。
また、請求項7に記載の発明は、請求項2に記載の加熱調理器において、前記調理室の底板(50)の一部又は全部を誘電体の仕切り板(51)にて構成し、該仕切り板を通して下方よりマイクロ波を調理室内に照射するように構成したことを特徴とする。
このような構成によれば調理品はマイクロ波を吸収して内部からも加熱されるため、調理品をより急速に加熱することができる。
また、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の加熱調理器において、前記調理室の天井板に設けたノズル孔は複数個とし、その孔形状は直径が前記マイクロ波の波長の1/6の円に納まる円形又は多角形とし、それらを中心間距離で前記マイクロ波の波長の2/6以上離して配列したことを特徴とする。
天井板に設けるノズル孔の形状と配置をこのように構成すれば、ノズル孔を通って天井板の下面側から上面側に抜けるマイクロ波を大幅に減衰されることができる。
また、請求項9に記載の発明は、請求項7に記載の加熱調理器において、前記棚板を金属材料で構成し、該棚板には直径が前記マイクロ波の波長の1/1.7以上である円形の穴、又は長手方向の寸法が前記マイクロ波の波長の1/2を超える矩形の穴を複数個設けたことを特徴とする。
棚板に設ける穴の形状とその寸法をこのようにしておけば、棚板が金属材料で製作されていてもマイクロ波は棚板の下面側から上面側に抜けることができる。従って、棚板に載置した調理品を内部から加熱することができる。
また、請求項10に記載の発明は、請求項7に記載の加熱調理器において、前記調理室の左右の側壁下部に設けた吸い込み口のそれぞれに口を開閉するシャッタ(73、74)を取り付けると共に、それらシャッタを個別に開閉制御する手段を設けたことを特徴とする。
このようなシャッタを設けて加熱調理中に交互に開閉すれば、調理品下面の焼き上げ温度を高くすることができる。
以下、本発明に係る加熱調理器の一実施形態について図面を参照して説明する。図1はその加熱調理器1の外観を斜視図で示したものである。加熱調理器1の外郭としてのキャビネット2には、前面に前方に回動して開く扉3が取り付けられている。扉3の上部は操作パネル5となっており、加熱条件を設定する操作スイッチ6、設定内容や調理の経過状況を表示する表示器7が取り付けられている。
図2は、キャビネット2と扉3を取り外して背面斜め上方から内部を見た斜視図である。図3は同じ状態を前方斜め下から見た斜視図である。キャビネット2内の中央部には、扉3側が開口した箱状の調理室10が下枠11の上に据えつけられている。調理室10は後述する底板部分を除きマイクロ波を遮断する導電性材料で構成されている。
調理室10の上には第1の熱源(ヒータ式熱源)であるヒータ12を収納する熱源ボックス14が取り付けられ、その後方には熱源ボックス14に循環熱風を送り込むブロア15が、その上にはブロア15を駆動するブロアモータ16が取り付けられている。ヒータ12、熱源ボックス14、ブロア15、ブロアモータ16とにより熱風生成装置18が構成されている。
調理室10の扉3側から見た右側壁の外側には調理室10を通過した熱風を熱風生成装置18に帰還させるための熱風帰還ダクト右20が、左側壁の外側には同じ目的の熱風帰還ダクト左21が設けられている。調理室10の背面外側の上部でブロア15の下側には、熱風帰還ダクト右20と熱風帰還ダクト左21を通過した熱風を合流させてブロア15に帰還させる熱風帰還合流ダクト22が取り付けられている。
調理室10の背面外側で熱風帰還合流ダクト22の下側には、第2の熱源であるマイクロ波発生装置24と制御装置26を収納する制御箱27が配設されている。調理室10の下側にはマイクロ波発生装置24で発生したマイクロ波を調理室10の底板裏の中央付近に導く導波管28が取り付けられている。
図4、図5は加熱調理器1内の熱風の流れを模式図で表わしたもので、図4は正面から見た断面内の流れを、図5は右側壁から見た断面内の流れを示す。ブロア15によって起こされた循環風は調理室10上部に取り付けられた熱源ボックス14内に水平に吹き込まれる。熱源ボックス14内には第1の熱源であるU字状ヒータ12が吹き込まれた循環風の流れと同じ水平方向に複数個並べて取り付けられている。循環風はそれらヒータ12と熱交換して熱風となる。
ヒータ12が取り付けられた部分の下側には、循環風の流れをヒータ12の並び方向に規制するための仕切り板30が取り付けられている。仕切り板30の下側で熱源ボックス14の下面に当たる部分は開口31となっている。図6は熱源ボックス14を下側から見た斜視図である。熱源ボックス14は開口31の周縁に設けたフランジ32を利用して調理室10の天井板33に固定されている。熱源ボックス14が固定された状態では、調理室10の天井板33と仕切り板30との間に循環風を通す空間35が形成される。ヒータ12と熱交換を終えた循環風は循環熱風となって仕切り板30の下の空間35に回り込む。
調理室10の天井板33には、循環熱風を調理室10内に噴射する複数のノズル孔37が設けられている。ブロア15により起こされる循環風は風圧の強い流れであり、仕切り板30の下に回り込んだ循環熱風はノズル孔37から高速噴流となって調理室10内に噴射される。
調理室10内には、空間の下寄り部分に調理品38を載置する棚板40が水平に取り付けてある。ノズル孔37から噴射された高速噴流の熱風は調理品38に衝突し、保有する熱エネルギーを与えて調理品38を加熱する。調理品に熱風を吹き当てて加熱する場合、吹き当てる風を高速にすると熱伝達率が大きく向上することが噴流衝突熱伝達技術として知られている。本実施形態の加熱調理器1はこの噴流衝突熱伝達技術を応用している。
棚板40には表裏を貫く穴41が多数設けられている。調理品38に衝突した熱風はその穴41を通って棚板40の下側空間に流れ込む。調理室10の右側壁には棚板40の取り付け位置より下部分に熱風吸い込み口右42が、左側壁の対応する位置には熱風吸い込み口左43が設けられている。棚板40の下側空間に流れ込んだ循環熱風は、それらの吸い込み口42、43を通り調理室10の左右側壁の外側に設けられた左右の熱風帰還ダクト20、21に流れ込む。熱風帰還ダクト右20及び熱風帰還ダクト左21の調理室10側の外板は調理室10の左右側壁を構成する外板と共通になっている。即ち、調理室10の左右側壁を構成する外板は、調理室10内と左右の熱風帰還ダクト20、21とを仕切る仕切り板の役割を果たしている。
熱風帰還ダクト右20及び熱風帰還ダクト左21は共にブロア15の下側に取り付けられている熱風帰還合流ダクト22に連通している。左右の熱風帰還ダクト20、21に流れ込んだ循環熱風はそれらのダクト内を上昇して熱風帰還合流ダクト22内に流れ込み合流する。熱風帰還合流ダクト22はブロア15に連通しており、合流した循環熱風はブロア15内に吸い込まれる。そして、再びブロア15によって加速され、風圧を増して熱源ボックス14内に吹き込まれる。
熱風はブロア15によって流速を増し、このような流路を繰り返し循環する。その過程で熱風はヒータ12と接触して熱エネルギーを獲得し、調理品38と衝突した際にその熱エネルギーを調理品38に与える。これにより調理品38は表面から加熱される。
本実施形態の加熱調理器1は、調理品を循環熱風により表面から加熱することに加えマイクロ波加熱を併用して内部からも加熱する。マイクロ波は調理室10の背面外側下部に配置されたマイクロ波発生装置24で発生させられ、調理室10の下側に取り付けた導波管28を通って調理室10の底板裏の中央付近に導かれる(図5参照)。調理室10の底板50はマイクロ波を通し易いセラミックス、ガラス等の誘電体材料で製作されている。底板50の下面側にはモータ52により回転駆動される回転アンテナ53が取り付けられている。マイクロ波は回転アンテナ53により反射攪拌され底板50を透過する。こうして調理室10内にはマイクロ波が広くむらなく照射される。調理品38はそのマイクロ波を吸収して内部からも加熱される。
次に、熱源ボックス14内のヒータ12の構成について説明する。図7は、熱源ボックス14の外板の一部を取り外してヒータ12の配置状況を分かり易くした斜視図である。個々のヒータ12は図8に示すように、U字形状に形成されたシースヒータ56の周囲に循環熱風との熱交換を良くするための円板状の放熱フィン55を多数装着した構成となっている。シースヒータ56の両端にはヒータ端子57が取り付けてある。
熱源ボックス14内にはこのヒータ12がブロア15から吹き出された循環熱風の流れ方向である水平方向に6本が等間隔に並べて取り付けてある。6本のヒータ12は1本置きにそのヒータ端子57が循環熱風の進行方向に対して左右反対側に位置するように互い違いに取り付けてある(図7参照)。こうすることで進行方向の左右両端側で同じような熱交換が行なわれるようにしている。
また、6本のヒータ12は循環熱風の進行方向に対してU字面(U字形状のシースヒータ56を含む面)を傾けると共に1本置きに上下方向に位置をずらして千鳥配列されている。図9はこの取り付けの様子を説明する断面図である。即ち、奇数本目のヒータと偶数本目のヒータの位置を循環熱風の進行方向と直角方向に前記放熱フィン55の外径寸法dだけずらしている。更に、全てのヒータ12をそのU字面が循環熱風の進行方向に対して角度θをなすように傾けて取り付け、その角度θは循環熱風の進入方向に見たとき隣り合うヒータの放熱フィン55の外周が重なって見えるような角度にしてある。
その角度θは、放熱フィン55の外径寸法をd、ヒータ12のU字形状部の放熱フィン55間の間隔をkとすると次の関係式から計算される。
d=k・sinθ
6本のヒータ12をこのように取り付けると、循環熱風の進入方向からヒータ12の並び方向を見た場合に隣り合うヒータの放熱フィン55の外周が重なって見える状態となる。その状態では放熱フィン55と熱交換を行なわないで通過する熱風の量は極小化される。また、熱風の圧力損失もさほど大きくならないため循環熱風と6本のヒータ12との熱交換を効率的に行なわせることができる。なお、6本のヒータ12の発熱量は電気抵抗値の調整により熱源ボックス14の入口側から出口側に向けて小さくなるようにし、下流側ヒータの過熱を防止している。
次に、循環熱風を調理室10内に噴射するために調理室10の天井板33に設けた複数のノズル孔37の構成について説明する。図10はノズル孔37の形状及び配列の一例を示したものである。この例ではノズル孔37の断面形状を直径Bの円形としている。配列は千鳥格子状で、図の横方向に等しいピッチSで設けた1列分のノズル孔37を、図の縦方向には等しい列ピッチQ(=31/2・S/2)で且つ1列置きに横方向にS/2だけずらして配置してある。このように配列すると一つの列上で隣り合う2つのノズル孔37と、横方向位置がその中間で隣の列に属するノズル孔37とのそれぞれの中心間距離もノズル取り付けピッチSに等しくなり、その3個のノズル孔37は一辺がSの正三角の頂点に位置するようになる。
このような配列のノズル孔37を設けた鋼板製の天井板33に下方からマイクロ波を照射した場合、天井板33を通過する前後におけるマイクロ波の減衰量Aは近似的に次式で表わされることが知られている。
A=20log10(1.5S・Q・λ/(π・B3))+32t/B [db]
ここに、tは天井板33の板厚、λはマイクロ波の波長である。
調理室10の底板50を通して照射されたマイクロ波の内、調理品38に吸収されなかったマイクロ波は天井板33に達する。マイクロ波がノズル孔37を通って調理室10の上方に漏れるのを防止するには、上式で計算される減衰量Aが大きくなるようにB、S、tの値を決めておく必要がある。例えば、ノズル孔径Bを20mm、ノズル取り付けピッチSを40mm、板厚tを0.5mm、波長λを120mm(周波数2450MHzに相当)とした場合には、減衰量Aの値は20dbとなり100分の1以下に減衰させることができる。この場合、ノズル孔径Bの20mmは波長λの1/6に相当し、ノズル取り付けピッチSの40mmは波長λの2/6に相当している。
次に、調理品38を載置する棚板40の構成について説明する。棚板40には図11に示すように多数の穴41設けられている。この穴41は、天井板33のノズル孔37から噴射され調理品38に衝突した後の循環熱風を棚板40の下側に流すためのものである。また、底板50を透過して照射されたマイクロ波を棚板40に載置した調理品38に吸収させる必要から、底板50はマイクロ波が透過し易い誘電体材料で製作されている。
本実施形態の加熱調理器1は、噴流衝突熱伝達技術を応用して調理品38を表面加熱している。この噴流衝突熱伝達ではノズル孔37から噴射された熱風の持つ熱エネルギーを効率良く調理品38に伝達させる必要があり、そのためにはノズル孔37の配置及びノズル孔37と調理品38との距離を適切に設定しておく必要がある。
図12は、1個のノズル孔37から距離Hだけ離して置いた調理品38に噴流を衝突させた場合における噴流の流れの態様を模式的に表わしたものである。流れの態様は場所により異なるが、おおよそ次の4つの領域に分けて考えることができる。第1の領域はノズル孔37を離れた直後のポテンシャル領域39と呼ばれる領域で、この領域では噴流の断面積はノズル孔37の断面積とほぼ同じで流速もノズル孔37内の流速にほぼ等しい。
第2の領域は第1の領域に続く自由噴流領域39aと呼ばれる領域で、この領域では噴流は次第に拡がって断面積が増大していき流速は逆に次第に遅くなる。第3の領域は噴流が調理品38に衝突することによって形成される衝突噴流領域39bで、噴流は調理品38に当たって熱エネルギーを調理品38に与え、流れの向きを調理品38の表面に平行な方向に変える。ノズル孔37の真下に当たる調理品38の表面付近には流速の弱いよどみ点59ができる。ノズル孔37から調理品38の表面までの距離をHとすると、衝突噴流領域39bはよどみ点59を中心とする半径0.35H、高さ0.2H〜0.3Hの円盤状をなす。
第4の領域は衝突噴流領域39bの外側にできる壁噴流領域39cと呼ばれる領域で、噴流は調理品38の表面に平行に流れ流速はよどみ点59から離れるに従って遅くなる。ノズル孔37から噴射された噴流は、調理品38の表面に衝突して流速の落ちた熱風を押し退けて次々と調理品38の表面に接触する。こうして噴流の持つ熱エネルギーは調理品38に効率良く伝達され、調理品38は急速加熱される。
上述の説明はノズル孔37が1個の場合であった。これに対して本実施形態のようにノズル孔37が複数設けられている場合には、隣接するノズル孔37から噴射された複数の噴流が干渉を起こすため流れの態様は変わってくる。図13は、2つのノズル孔37の中心間距離Sを広めに設定した場合における噴流の流れの態様を示したものである。調理品38に衝突し熱エネルギーを与えて温度が低下した熱風の内、隣の噴流の方向に流れた熱風は相互干渉を起こして上昇する。そしてノズル孔37から新たに噴出された高温の噴流と混ざってその温度を低下させる。
このような現象が生ずると加熱効率が低下するだけでなく、調理品への衝突強さに大きなむらが生じて均一加熱が困難となる。これを防ぐためには衝突後の熱風がノズル孔37側に戻ることがないように中心間距離S、及びノズル孔37から調理品38の表面までの距離Hを適切な値に設定しておくことが重要となる。
図14は、調理品38が置かれていない状態で3個のノズル孔37から熱風を噴出させた場合における噴流の流れの態様を模式的に示したものである。隣り合う噴流の間には相互干渉が生じ、噴流の主要部分における流速及び方向は図中の矢印で示すようになる。特徴的なのは2つのノズル孔37の中間位置Oから下向きに引いたY線上における流速である。Y線上における流速は中間位置Oからの距離によって大きく変化する。図中に示した集中領域58における流速は、Y線を中心とするかなり広い範囲において中間位置O向きの大きな値を示す。
Y線上を中間位置Oから離れるに従って中間位置Oに向かう流速は弱まり、図中の融合点58aにおいて流速はほぼゼロとなる。この融合点58aでは各ノズル孔37の真下部分に流速の速い部分が存在する。
Y線上を中間位置Oから更に離れた図中の結合点58bでは、融合点58aにおいて存在した隣り合う2つの流速の速い部分は一つに合体する。そしてY線を中心とする下向きの流速の速い流れとなる。それ以降、この結合点58bより下側の結合領域58dではY線を中心とする部分のみに下向きに流速の速い部分が存在し、中間位置Oに向かう流速部分は存在しない。
調理品38に強い熱風を衝突させ、且つ衝突後の熱風を図13に示すように天井板33側に流さないようにするには、調理品38を図14における結合点58bより下側の結合領域58dに置けばよい。ノズル孔37から結合点58bまでの距離ycpは、次のような実験式で表わされることが知られている。
ycp=3.514B・(S/B)0.673
例えば、ノズル孔37の直径Bを20mm、2つのノズル孔37の中心間距離Sを20mmとした場合には結合点58bまでの距離ycpは110mmとなる。本実施形態では、天井板33と調理品38の表面との間の距離が上式で計算される距離ycpとなるように棚板40の取り付け位置を決めている。このようにすれば調理品38に衝突した後に天井板33方向に戻る熱風は少なくなり、加熱効率を高めることができる。
図15は、加熱調理器1の制御装置26の構成を概略的に示したものである。制御装置26は、マイクロ波発生回路部60、ヒータ回路部61、これらの回路部とブロアモータ16を制御する制御回路部62とにより構成される。マイクロ波発生回路部60はマグネトロン13を使用して周波数2450MHzのマイクロ波を発生させ、同時にそのマイクロ波を反射攪拌させる回転アンテナ53用のモータ52を駆動させる回路部分である。電源は商用電源から供給され、その開閉はスイッチ65を開閉して行なわれる。ヒータ回路部61は6本のヒータ12に電源を供給する回路部分で、商用電源をスイッチ66で開閉することにより電源供給が制御される。
制御回路部62は、制御回路63、操作スイッチ6、表示器7、温度検出手段70、異常検出手段71、モータ駆動回路72を備えて構成される。制御回路63は加熱調理器1の動作全般を制御する回路でマイクロコンピュータを用いて構成され、スイッチ65、66の開閉、ブロアモータ16の駆動はこの制御回路63により行なわれる。操作スイッチ6は調理時間、熱風温度、調理品名等を入力するためのものであり、表示器7は入力された情報、調理状況等を表示するためのものである。温度検出手段70は熱風吸い込み口右42または熱風吸い込み口左43付近の循環熱風の温度をサーミスタを用いて検出するためのもの、異常検出手段71は異常状態を検出ためのもので熱源ボックス14内に取り付けられている。なお、図中のスイッチ67、68は扉3の開閉に連動して動作する扉開閉連動スイッチである。
次に、このような構成の下での加熱調理器1の動作と作用について説明する。調理品38は調理室10内の棚板40の上に置かれた後、扉3が閉じられる。すると、扉開閉連動スイッチであるスイッチ67、68がON状態となる。制御回路63は商用電源の供給を受けて動作を開始する。続いて、操作者により調理時間、熱風温度(調理温度)、調理品名等が操作スイッチ6を介して制御回路63に入力される。
操作者により操作スイッチ6を用いて調理開始の指示が与えられると、制御回路63はスイッチ65をON状態としてマイクロ波発生回路部60を動作させる。これによりマグネトロン13によりマイクロ波の発生が開始される。同時にモータ52にも電力が供給されて回転アンテナ53が回転を始め、発生したマイクロ波は回転アンテナ53により反射攪拌され底板50を透過して調理室10を広くむらなく照射される。
制御回路63は同時にスイッチ66をON状態としてヒータ12に電源供給を行なうと共に、ブロアモータ16にもモータ駆動回路72を介して電源を供給して循環風を起こさせる。制御回路63はスイッチ66のON/OFF周期を調整して温度検出手段70にて検出した温度が操作スイッチ6から入力された設定温度に一致するように制御する。ブロアモータ16は印加電圧により回転速度を可変できる直流モータで構成されており、制御回路63は操作スイッチ6から入力された調理品名に対応した回転速度に調整する。
ヒータ12の温度が上昇するとブロア15により起こされた循環風は循環熱風に変る。循環熱風は前述したように調理室10の天井板33に設けられたノズル孔37から噴流となって調理室10内に噴射され、調理品38の表面に衝突して調理品38を表面から加熱する。調理品38に衝突した循環熱風は棚板40の下側に流れ込み、左右の熱風吸い込み口42、43に吸い込まれて左右の帰還ダクト20、21を通った後、熱風帰還合流ダクト22にて合流する。合流後は再びブロア15に入って加速され熱源ボックス14に吹き込まれる。そしてヒータ12より熱補給を受けて高温となり、調理室10内に再び噴射される。このように高温の熱風が循環しながら調理品38表面に衝突することにより、調理品38は表面から急速加熱される。この循環熱風による加熱と並行して調理室10の底板50通してマイクロ波が照射される。調理品38はそれを吸収して内部からも急速加熱される。
図16は、冷凍された調理品38を本実施形態の加熱調理器1で調理した場合における調理品38の表面と内部の温度変化を測定した例である。解凍終了後は調理品38の表面と内部の温度が共に急速上昇を開始しており、調理品38は表面と内部の両方から加熱されていることが分かる。左右の熱風吸い込み口42、43付近の熱風温度は次第に上昇していき、設定温度に到達した後はヒータ12のON/OFF周期の調整により設定温度に維持される。このような加熱状態が継続し、設定された調理時間が経過するとマイクロ波発生回路部60、ヒータ回路部61、ブロアモータ16への電源供給が絶たれて加熱が終了する。
以上のように構成され動作する本実施形態の加熱調理器1は次のような作用、効果を奏する。
(1)高温の熱風を高速噴流にして調理品38に衝突させる「衝突噴流熱伝達技術」を利用して加熱しているため、高い熱伝達率で急速加熱することができる。
(2)調理室10の底板50を通してマイクロ波を調理品38に照射し、調理品38を内部からも加熱するマイクロ波加熱を併用している。このため調理品38を一層急速に加熱することができる。
(3)循環熱風は調理室10の天井板33に設けたノズル孔37から噴射して棚板40より下の側壁下部に設けた左右の熱風吸い込み口42、43から吸引する構造としている。このため、底板50にはノズル孔、吸引口等の構成部品は何ら設けられていない。従って、調理室10内の清掃を容易に行なうことができる。
(4)調理品38を棚板40の上に載置し、棚板40には穴41を設けて高温の循環熱風が棚板40の下側に流れるようにしている。このため棚板40が加熱されて調理品38は下面からも熱を受けて一層急速に加熱される。
(5)左右の熱風吸い込み口42、43から吸引された循環熱風をブロア15に帰還させるための左右の熱風帰還ダクト20、21の一面に調理室10の側壁を共用で利用している。これにより調理室10からの熱のリークが防止される。同時に帰還する循環熱風の持つ熱エネルギーが調理室10の側壁を加熱するため、調理室10内の温度を効率良く上げることができる。
(6)熱源ボックス14内に取り付けたヒータ12の配置は、風の方向に見たとき隣り合うヒータ12の放熱フィン55の外周が重なって見える角度に各ヒータを傾けて配置している。このため放熱フィン55と熱交換を行なわないで通過する熱風の量は極小化される。また、風の流れに対する抵抗もさほど大きくならないため循環熱風とヒータ12との熱交換をより効率的に行なわせることができる。
(7)熱源ボックス14内に取り付けた複数のヒータ12は、循環熱風の下流側に位置するヒータほど発熱量が少なくなるようにしている。これによりヒータ表面温度は均一化され、より温度の高い循環熱風と接触する下流部のヒータの過熱が防止される。
(8)熱源ボックス14内にはヒータ12を取り付けた部分の下側に循環熱風の流れをヒータ12の並び方向に規制する仕切り板30を取り付けている。このため、熱源ボックス14に吹き込まれた循環風は全てのヒータ12と熱交換を行ないながら熱風ボックス14を通過するため熱交換の効率が向上する。
(9)天井板33に設けた複数のノズル孔37と調理品38表面との距離を、隣接するノズル孔37から噴出された噴流がほぼ結合する距離としてある。これにより調理品38に衝突して熱エネルギーを減少させた熱風の内、ノズル孔37方向に戻りノズル孔37から新たに噴出された熱風と混ざってその温度を低下させる熱風の量が少なくなる。従って、熱風から調理品38への熱伝達率が全体として高まる効果を奏する。
(10)循環熱風を発生させるブロア15のモータ52の回転数は、制御回路63の出力信号でもって制御できるようにしてある。このため調理品の種類、形状に応じた最適な加熱を行なうことができる。
(11)循環熱風の温度を検出する温度検出手段70は、調理室10の左右の側壁下部に設けた熱風吸い込み口42、43付近に取り付けてある。熱風吸い込み口42、43付近はヒータ12の輻射熱の影響が少ないので熱風温度を正確に検出できる。
(12)加熱源であるヒータ12とマイクロ波発生装置24の加熱出力は、独立して制御できるようにしてある。このように独立して制御できれば、調理品の種類に応じた最適な加熱を行なうことができる。また、マイクロ波のみによる加熱、ヒータのみによる加熱も行なうことができるので調理の幅が広がる。
(13)調理室の天井板に設けた複数のノズル孔は、孔形状を直径がマイクロ波波長の1/6の円に納まる円形又は多角形とし、それらを中心間距離をマイクロ波の波長の2/6以上として配列してある。このような構成はノズル孔37を通って天井板33の上方に漏れるマイクロ波を大幅に減衰させる効果を奏する。
(14)棚板40を金属材料で構成する場合には、棚板40には直径がマイクロ波の波長の1/1.7以上である円形の穴、又は長手方向の寸法がマイクロ波の波長の1/2を超える矩形の穴を複数個設けるようにしている。穴の形状と寸法がこのようにされていれば棚板が金属材料であっても、マイクロ波は棚板40の下面側から上面側に抜けることができる。従って、棚板に載置した調理品を内部からも加熱することができる。
(変形実施形態)
上述した実施形態の加熱調理器1は次のように変形して実施してもよい。
(1)前記加熱調理器1では、高速の熱風を被加熱物に衝突させて熱伝達を行なう噴流衝突熱伝達技術を応用した熱風加熱とマイクロ波加熱とを併用したが、何れか一方の加熱方式のみで加熱するようにしてもよい。例えば、マイクロ波加熱に必要な構成部品を取り除いて熱風加熱のみを行なう構成としてもよい。
(2)前記加熱調理器1では調理室10の天井板33に設けるノズル孔37は断面円形として図10のように配列したが、ノズル孔37の断面形状は矩形としてもよい。矩形とした場合、衝突後の噴流は図17の(1)、(2)に示すような方向に流れる。また、ノズル孔37の配列は図18に示すようにしてもよい。図18の(1)は正方形枡目の交点に断面円形のノズル孔37を配列した例、図18の(2)は断面円形のノズル孔37を等間隔で一列に配列した例、図18の(3)は断面矩形のノズル孔37を等間隔で一列に配列した例、図18の(4)は断面矩形のノズル孔37を2列で千鳥状に配列した例である。
また、ノズル孔37は1個のみとしてもよい。ノズル孔37を1個として大きな調理品を加熱する場合にはノズル孔37の径は大きくする。この場合、ノズル孔37の位置を時間的に移動させるようにしてもよい。
(3)前記加熱調理器1では左右側壁の外側に設けた熱風帰還ダクト20、21を通った循環熱風は、熱風帰還合流ダクト22で合流させた後、1個のブロア15にて熱源ボックス14に吹き込むようにした。このようにする代わりに左右の熱風帰還ダクト20、21から出た循環熱風をそれぞれ独立したブロアを用いて熱源ボックス14に吹き込むように構成してもよい。このようにすれば循環熱風の帰還経路を短くすることができ、帰還経路での熱損失を少なくすることができる。
(4)前記加熱調理器1では熱風吸い込み口を調理室10の左右側壁の下部に設けたが、更に背面側の側壁に追加して設けてもよい。この場合には背面側の側壁の裏側にも熱風帰還ダクトを設け、吸い込んだ循環熱風を熱風帰還合流ダクト22に合流させる。
(5)前記加熱調理器1における調理室10内に取り付けた棚板40はマイクロ波が透過しすい誘電体製としたが、アルミ材などの金属材料で製作してもよい。この場合、金属材料はマイクロ波を通さないので、棚板40に設ける穴41はマイクロ波が通過できる寸法とする。図19はそのような穴の形状と配置の例である。矩形の穴41の長手方向の長さLはマイクロ波の波長の1/2以上とする。また、穴41の形状を円形とする場合には、その径はマイクロ波の波長の1/1.7以上とする。このような形状にしておけば、マイクロ波はその穴41を通過して調理品38に到達することができる。
棚板40を金属材料で製作した場合には、マイクロ波が穴41を通過することにより穴41の周りに誘導電流が流れて穴41の回りが加熱される。従って、棚板40は熱風による加熱に加えてマイクロ波による加熱も受けて温度が高くなる効果を奏する。
(6)前記加熱調理器1では、調理室10の左右側壁の下部に熱風吸い込み口42、43を設けたが、図20に示すようにこの熱風吸い込み口42、43にその口を開閉するシャッタ72、73を設けてもよい。シャッタ72、73はモータなどで開閉駆動できるように構成し、制御回路63の出力信号で個別に開閉動作できるようにする。図20の(1)は、熱風吸い込み口右42のシャッタ72を閉じ、熱風吸い込み口左43のシャッタ73を開いた状態における循環熱風の流れを矢印で示している。図20の(2)はシャッタ72、73の開閉状態を反対にした場合の流れを示している。加熱調理中にこのようにシャッタ72、73を所定周期で交互に自動開閉すれば、調理品38の下面の焼き上げ温度を高くすることができる。
本発明の一実施形態に係る加熱調理器1の外観斜視図である。 キャビネット2と扉3を取り外して加熱調理器1を背面斜め上方から内部を見た斜視図である。 キャビネット2と扉3を取り外して加熱調理器1を前方斜め下から見た斜視図である。 加熱調理器1内の正面から見た断面内の熱風の流れを説明する模式図である。 加熱調理器1内の右側壁から見た断面内の熱風の流れを説明する模式図である。 熱源ボックス14を下側から見た斜視図である。 熱源ボックス14の外板の一部を取り外してヒータ12の配置状況が分かるようにした加熱調理器1の斜視図である。 U字形状のヒータ12の外形図である。 ヒータ12の取り付けの状況を説明する縦断面図である。 天井板33に設けたノズル孔37の形状及び配列の一例である。 棚板40の斜視図である。 1個のノズル孔37からの噴流の流れの態様の模式図である。 2つのノズル孔37の中心間距離Sを広めに設定した場合における噴流の流れの態様の模式図である。 調理品を置かない状態で複数のノズル孔37から熱風を噴出させた場合における噴流の流れの態様の模式図である。 制御装置26の回路構成図である。 冷凍調理品を加熱調理器1で調理した場合の調理品の表面と内部の温度変化を測定した例である。 ノズル孔37の断面形状を矩形とした場合における噴流の流れの態様の模式図である。 ノズル孔37の断面形状と配列の他の実施形態である。 棚板40を金属材料で製作する場合における棚板40に設ける穴41の形状と配置の例である。 熱風吸い込み口42、43にシャッタ72、73を設けて交互に開閉した場合における熱風の流れを説明する図である。
符号の説明
図面中、1は加熱調理器、10は調理室、12はヒータ(ヒータ式熱源)、15はブロア、18は熱風生成装置、20は熱風帰還ダクト右、21は熱風帰還ダクト左、33は天井板、37はノズル孔、38は調理品、40は棚板、41は穴、42は熱風吸い込み口右、43は熱風吸い込み口左、50は底板、51は仕切り板、55は放熱フィン、72、73はシャッタを示す。

Claims (10)

  1. 調理品(38)を収納する箱状の調理室(10)と、ヒータ式熱源(12)とブロア(15)を有する熱風生成装置(18)と、を備え、
    前記熱風生成装置で発生させた熱風を前記調理室の天井板(33)に設けたノズル孔(37)から高速噴流にして調理品に衝突させると共に、衝突後の熱風を前記調理室の左右の側壁下部に設けた吸い込み口(42、43)から前記ブロアにて吸い込み、前記熱風生成装置に戻して循環させるようにしたことを特徴とする熱風循環式の加熱調理器。
  2. 請求項1に記載の加熱調理器において、前記調理室の底板(50)と前記天井板との間に前記調理品を載置する棚板(40)を取り付け、該棚板には上下面を貫く複数の穴(41)を設け、前記吸い込み口は該棚板より下の位置に設けたことを特徴とする加熱調理器。
  3. 請求項1又は2に記載の加熱調理器において、前記吸い込み口から吸い込んだ熱風を前記熱風生成装置に戻す熱風帰還ダクト(20、21)を、ダクトの一面を前記調理室の側壁を共用して前記左右の側壁の外側に設けたことを特徴とする加熱調理器。
  4. 請求項1又は2に記載の加熱調理器において、前記熱風生成装置を構成する前記ヒータ式熱源は周囲に放熱フィン(55)を有する複数個のU字形状のヒータを前記ブロアの吹き出す風の方向に等間隔で、且つ、奇数本目のヒータと偶数本目のヒータの位置を前記風の方向と直角方向に前記放熱フィンの外径寸法だけずらすと共に前記風の方向に見たとき隣り合うヒータの放熱フィンの外周が重なって見える角度に各ヒータを傾けて配置したことを特徴とする加熱調理器。
  5. 請求項1又は2に記載の加熱調理器において、前記天井板に設けたノズル孔は複数個とし、それらノズル孔と調理品との間隔を2つのノズル孔から噴出させた高速噴流が調理品の表面付近にて結合してあたかも一つのノズル孔から噴出させた噴流とみなせる間隔に設定したことを特徴とする加熱調理器。
  6. 請求項2に記載の加熱調理器において、前記棚板を金属材料で構成したことを特徴とする加熱調理器。
  7. 請求項2に記載の加熱調理器において、前記調理室の底板(50)の一部又は全部を誘電体の仕切り板(51)にて構成し、該仕切り板を通して下方よりマイクロ波を調理室内に照射するように構成したことを特徴とする加熱調理器。
  8. 請求項7に記載の加熱調理器において、前記調理室の天井板に設けたノズル孔は複数個とし、その孔形状は直径が前記マイクロ波の波長の1/6の円に納まる円形又は多角形とし、それらを中心間距離で前記マイクロ波の波長の2/6以上離して配列したことを特徴とする加熱調理器。
  9. 請求項7に記載の加熱調理器において、前記棚板を金属材料で構成し、該棚板には直径が前記マイクロ波の波長の1/1.7以上である円形の穴、又は長手方向の寸法が前記マイクロ波の波長の1/2を超える矩形の穴を複数個設けたことを特徴とする加熱調理器。
  10. 請求項7に記載の加熱調理器において、前記調理室の左右の側壁下部に設けた吸い込み口のそれぞれに口を開閉するシャッタ(73、74)を取り付けると共に、それらシャッタを個別に開閉制御する手段を設けたことを特徴とする加熱調理器。
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