JP2007064531A - 加熱調理器 - Google Patents
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Abstract
【課題】調理品を急速加熱でき、調理室内の清掃が容易で調理品の裏面にも焦げ目を付けることのできる加熱調理器を提供する。
【解決手段】調理品を収納する調理室(10)と、調理室内に調理品を置くための板であって1乃至複数の穴(41)を有する棚板(40)と、熱風を生成する熱風生成装置(18)と、調理室の底板(50)を透過して調理室内にマイクロ波を照射するマイクロ波加熱手段(24)と、を備え、熱風生成装置で発生させた熱風を調理室の天井板(33)に設けたノズル孔(17)から高速噴流にして棚板に載置した調理品に吹き当てて加熱し、棚板の穴を通って棚板下側に流れた熱風を調理室の左右側壁下部に設けた熱風吸い込み口(42、43)からブロア(15)にて吸い込み熱風生成装置に戻して循環させると同時に、マイクロ波加熱手段によっても棚板に載置した調理品を加熱する。
【選択図】図4
【解決手段】調理品を収納する調理室(10)と、調理室内に調理品を置くための板であって1乃至複数の穴(41)を有する棚板(40)と、熱風を生成する熱風生成装置(18)と、調理室の底板(50)を透過して調理室内にマイクロ波を照射するマイクロ波加熱手段(24)と、を備え、熱風生成装置で発生させた熱風を調理室の天井板(33)に設けたノズル孔(17)から高速噴流にして棚板に載置した調理品に吹き当てて加熱し、棚板の穴を通って棚板下側に流れた熱風を調理室の左右側壁下部に設けた熱風吸い込み口(42、43)からブロア(15)にて吸い込み熱風生成装置に戻して循環させると同時に、マイクロ波加熱手段によっても棚板に載置した調理品を加熱する。
【選択図】図4
Description
本発明は、加熱調理器に関し、特に高速の熱風を被加熱物に衝突させて熱伝達を行なう噴流衝突熱伝達技術を応用した加熱調理器に関する。
従来、調理品の解凍から焼き上げまでの調理は、マイクロ波加熱により調理品を内部から加熱すると同時に上下方向からもヒータの輻射熱を当てて焼き上げる方法、あるいは調理室後部に配置したヒータにて発生させた熱風をファンを使って調理室内に循環させ調理室内全体を高温にして調理する方法などで行なわれてきた。
ところで、コンビニエンスストアなどではお客が買い求めた冷凍食品を60〜90秒の短時間で解凍から焼き上げまでして提供するサービスが行なわれている。上記の従来の調理方法ではそのような短時間で調理を行なうことは困難であることから、そうした調理を必要とする場合には予熱などにより調理室内を常に高温にしておくなどの対策が講じられている。しかし、調理室内を常に高温にしておくことは熱効率面で問題がある。
近年、調理品に高温熱風の噴流を衝突させ、熱風の持つ熱エネルギーを効率良く調理品に伝達する「衝突噴流熱伝達技術」を応用して解凍から焼き上げまでを短時間で調理する技術が開発され実用化が進んでいる。
例えば、特許文献1にはこの衝突噴流熱伝達技術を応用した迅速調理用オーブンが提案されている。このオーブンは調理室の上部から噴出させた熱風を調理品に吹き当てて熱風の持つ熱エネルギーで加熱し、吹き当て後の熱風は調理室下部から熱源に帰還させて再循環させる。それと並行してマイクロ波加熱により調理品を内部からも加熱して迅速調理を行なうものである。
しかしこのオーブンは調理室内部の構造が複雑であり調理品から出る水分などの液状物質や調理品の小片が熱風循環路に入った場合の清掃が難しいという問題がある。
また、特許文献2には調理室内部の部品を取り外せるようにして清掃を容易にした衝突熱伝導加熱処理装置が提案されている。しかし、この装置は部品の取り外しが面倒である上、熱風源を調理室背面に配置して熱風の吹き出しを上面、下面の双方から行なうようにしているため、熱源に近い場所の温度が高くなって加熱むらを生じ易い。
また、特許文献2には調理室内部の部品を取り外せるようにして清掃を容易にした衝突熱伝導加熱処理装置が提案されている。しかし、この装置は部品の取り外しが面倒である上、熱風源を調理室背面に配置して熱風の吹き出しを上面、下面の双方から行なうようにしているため、熱源に近い場所の温度が高くなって加熱むらを生じ易い。
また、特許文献3には調理室の後板の上下2箇所に設けた熱風吐出口から吹き出した熱風を上下2段の棚板に載置した調理品に吹きつけて加熱し、加熱後の熱風を後板中央部に設けた吸い込み口から吸引する加熱調理器が提案されている。しかし、この装置は吸い込み口の近くに置かれた調理品は早く、遠くに置かれた調理品は遅く加熱されるため加熱むらを生じ易い。また、調理品を棚板の上に直接載置しているため調理品の下面には焼き色が着きにくいという問題がある。
特表平6−510849号公報
特開平7−1082634号公報
実開平5−90202号公報
本発明はこのような従来技術の問題点を解決するためになされたもので、その課題は、加熱むらを生ずることなく調理品を急速加熱でき、且つ調理品の表面全体にほぼ均等に焦げ目を着けることができ、調理室内の清掃も容易な加熱調理器を提供することにある。
前記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、調理品を収納する箱状の調理室(10)と、該調理室内に調理品を置くための板であって1乃至複数の穴(41)を有し誘電体材料で製作された棚板(40)と、ヒータ式熱源(12)とブロア(15)を有する熱風生成装置(18)と、前記調理室の底板(50)を透過して調理室内にマイクロ波を照射するマイクロ波加熱手段(24)と、を備え、前記熱風生成装置で発生させた熱風を前記調理室の天井板(33)に設けたノズル孔(17)から高速噴流にして前記棚板に載置した調理品に吹き当てて加熱し、前記棚板の穴を通って棚板下側に流れた熱風を前記調理室の左右側壁下部に設けた熱風吸い込み口(42、43)から前記ブロアにて吸い込み前記熱風生成装置に戻して循環させると同時に、前記マイクロ波加熱手段によっても前記棚板に載置した調理品を加熱するように構成したことを特徴とする。
このような構成の加熱調理器は高温の熱風を高速噴流にして調理品に吹き当てて加熱するため、高い熱伝達率で急速加熱を行なうことができる。また、熱風は調理室の天井板に設けたノズル孔から噴射して左右の側壁下部から吸引する構造とし、調理室の底板にはノズル孔、吸引口等の構成部品を何ら設けていないため調理室内の清掃を容易に行なうことができる。また、調理品を棚板の上に載置し、棚板には穴を設けて高温の熱風が棚板の下側に流れるようにしている。このため棚板が加熱されて調理品は下面からも熱を受けるため調理品を一層急速に加熱することができる。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の加熱調理器において、前記棚板の表面には調理品を支えるための凸部(41、41a)を1乃至複数個設けたことを特徴とする。
このような凸部を設ければ調理品の下面と棚板の上面との間に隙間ができ、その隙間に熱風が入り込む。このため調理品の下面を熱風加熱することができ、調理品の下面にも上面と同じように焦げ目を付けることができる。
このような凸部を設ければ調理品の下面と棚板の上面との間に隙間ができ、その隙間に熱風が入り込む。このため調理品の下面を熱風加熱することができ、調理品の下面にも上面と同じように焦げ目を付けることができる。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の加熱調理器において、前記棚板は前記調理室の側壁を利用して取り付けた金属枠(45)に載せて収納するように構成したことを特徴とする。
このように調理品を載せる棚板を金属枠に載せて収納するようにすれば、棚板を取り外すことができるため棚板の清掃が容易となる効果を奏する。
このように調理品を載せる棚板を金属枠に載せて収納するようにすれば、棚板を取り外すことができるため棚板の清掃が容易となる効果を奏する。
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の加熱調理器において、前記棚板の裏面に位置決め用凸部(55)を設け、前記金属枠には該位置決め用凸部を受け入れる嵌め合い部(56)を設け、前記位置決め用凸部が該嵌め合い部に嵌まることにより前記棚板の位置ずれが防止されるように構成したことを特徴とする。
このような構成とすれば、棚板の位置ずれを防止することができる。
このような構成とすれば、棚板の位置ずれを防止することができる。
また、請求項5に記載の発明は、請求項3又は4に記載の加熱調理器において、前記金属枠は前記棚板を載せた状態で前方に引き出せるように構成したことを特徴とする。
このように棚板を引き出すことができれば、調理室への調理品の装入、取り出しを容易に行なうことができる。
このように棚板を引き出すことができれば、調理室への調理品の装入、取り出しを容易に行なうことができる。
また、請求項6に記載の発明は、請求項3又は4に記載の加熱調理器において、前記金属枠の下側には該金属枠と前記調理室の底板との間に調理品が置かれるのを防止する調理品載置防止枠(67)を取り付けたことを特徴とする。
このような防止枠を設けておけば、調理品が底板の上に直接に載置されることを防止することができる。
このような防止枠を設けておけば、調理品が底板の上に直接に載置されることを防止することができる。
また、請求項7に記載の発明は、請求項2に記載の加熱調理器において、調理品を支えるための前記凸部は前記棚板に設けた穴(41)の周縁に設けたことを特徴とする。
このような構成によれば、請求項2に記載の発明と同様の効果が得られる。
このような構成によれば、請求項2に記載の発明と同様の効果が得られる。
また、請求項8に記載の発明は、請求項1又は3に記載の加熱調理器において、前記調理室の底板の上に調理品から滴る水、油等を受ける受け皿(68)を配置したことを特徴とする。
このような受け皿を配置すれば、調理品から滴る水、油等が調理室の底板上に直接滴下して調理室を汚すことを防止することができる。
このような受け皿を配置すれば、調理品から滴る水、油等が調理室の底板上に直接滴下して調理室を汚すことを防止することができる。
以下、本発明に係る加熱調理器の一実施形態について図面を参照して説明する。図1はその加熱調理器1の外観を斜視図で示したものである。加熱調理器1の外郭としてのキャビネット2には、前面に前方に回動して開く扉3が取り付けられている。扉3の上部は操作パネル5となっており、加熱条件を設定する操作スイッチ6、設定内容や調理の経過状況を表示する表示器7が取り付けられている。
図2は、キャビネット2と扉3を取り外して背面斜め上方から内部を見た斜視図である。図3は同じ状態を前方斜め下から見た斜視図である。キャビネット2内の中央部には、扉3側が開口した箱状の調理室10が下枠11の上に据えつけられている。調理室10は後述する底板部分を除きマイクロ波を遮断する導電性材料で構成されている。
調理室10の上には第1の熱源(ヒータ式熱源)であるヒータ12を収納する熱源ボックス14が取り付けられ、その後方には熱源ボックス14に循環熱風を送り込むブロア15が、その上にはブロア15を駆動するブロアモータ16が取り付けられている。ヒータ12、熱源ボックス14、ブロア15、ブロアモータ16とにより熱風生成装置18が構成されている。
調理室10の扉3側から見た右側壁の外側には調理室10を通過した熱風を熱風生成装置18に帰還させるための熱風帰還ダクト右20が、左側壁の外側には同じ目的の熱風帰還ダクト左21が設けられている。調理室10の背面外側の上部でブロア15の下側には、熱風帰還ダクト右20と熱風帰還ダクト左21を通過した熱風を合流させてブロア15に帰還させる熱風帰還合流ダクト22が取り付けられている。
調理室10の背面外側で熱風帰還合流ダクト22の下側には、第2の熱源であるマイクロ波発生装置(マイクロ波加熱手段)24と制御装置26を収納する制御箱27が配設されている。調理室10の下側にはマイクロ波発生装置24で発生したマイクロ波を調理室10の底板裏の中央付近に導く導波管28が取り付けられている。
図4、図5は加熱調理器1内の熱風の流れを模式図で表わしたもので、図4は正面から見た断面内の流れを、図5は右側壁から見た断面内の流れを示す。ブロア15によって起こされた循環風は調理室10上部に取り付けられた熱源ボックス14内に水平に吹き込まれる。熱源ボックス14内には第1の熱源であるU字状ヒータ12が吹き込まれた循環風の流れと同じ水平方向に複数個並べて取り付けられている。循環風はそれらヒータ12と熱交換して熱風となる。
ヒータ12が取り付けられた部分の下側には、循環風の流れをヒータ12の並び方向に規制するための仕切り板30が取り付けてある。仕切り板30の下側で熱源ボックス14の下面に当たる部分は開口31となっている。図6は熱源ボックス14を下側から見た斜視図である。熱源ボックス14は開口31の周縁に設けたフランジ32を利用して調理室10の天井板33に固定されている。熱源ボックス14が固定された状態では、調理室10の天井板33と仕切り板30との間に循環風を通す空間35が形成される。ヒータ12と熱交換を終えた循環風は循環熱風となって仕切り板30の下の空間35に回り込む。
調理室10の天井板33には、循環熱風を調理室10内に噴射する複数のノズル孔37が設けられている。ブロア15により起こされる循環風は風圧の強い流れであり、仕切り板30の下に回り込んだ循環熱風はノズル孔37から高速噴流となって調理室10内に噴射される。
調理室10内には調理品38を載置する棚板40が水平に取り付けられている。棚板40の構成と取り付け方については後で詳述する。ノズル孔37から噴射された高速噴流の熱風は調理品38に衝突し、保有する熱エネルギーを与えて調理品38を加熱する。調理品に熱風を吹き当てて加熱する場合、吹き当てる風を高速にすると熱伝達率が大きく向上することが噴流衝突熱伝達技術として知られている。本実施形態の加熱調理器1はこの噴流衝突熱伝達技術を応用している。
棚板40には表裏を貫く穴41(後述の図7参照)が多数設けられている。調理品38に吹き当たった熱風はその穴41を通って棚板40の下側空間に流れ込む。調理室10の右側壁には棚板40の取り付け位置より下部分に熱風吸い込み口右42が、左側壁の対応する位置には熱風吸い込み口左43が設けてある。棚板40の下側空間に流れ込んだ循環熱風は、それらの熱風吸い込み口42、43を通り調理室10の左右側壁の外側に設けられた左右の熱風帰還ダクト20、21に流れ込む。
熱風帰還ダクト右20及び熱風帰還ダクト左21は共にブロア15の下側に取り付けられている熱風帰還合流ダクト22に連通している。左右の熱風帰還ダクト20、21に流れ込んだ循環熱風はそれらのダクト内を上昇して熱風帰還合流ダクト22内に流れ込み合流する。熱風帰還合流ダクト22はブロア15に連通しており、合流した循環熱風はブロア15内に吸い込まれる。そして、再びブロア15によって加速され、風圧を増して熱源ボックス14内に吹き込まれる。
熱風はブロア15によって流速を増し、このような流路を繰り返し循環する。その過程で熱風はヒータ12と接触して熱エネルギーを獲得し、調理品38と衝突した際にその熱エネルギーを調理品38に与える。調理品38はこれにより表面から加熱される。
本実施形態の加熱調理器1は、調理品を循環熱風により表面から加熱することに加えマイクロ波加熱を併用して内部からも加熱する。マイクロ波は調理室10の背面外側下部に配置されたマイクロ波発生装置24で発生させられ、調理室10の下側に取り付けた導波管28を通って調理室10の底板裏の中央付近に導かれる(図5参照)。調理室10の底板50はマイクロ波を通し易いセラミックス、ガラス等の誘電体材料で製作されている。底板50の下面側にはモータ52により回転駆動される回転アンテナ53が取り付けられている。マイクロ波は回転アンテナ53により反射攪拌され底板50を透過する。こうして調理室10内にはマイクロ波が広くむらなく照射される。調理品38はそのマイクロ波を吸収して内部からも加熱される。
次に、調理品38を載置する棚板40の構成とその取り付け方について説明する。棚板40は調理室10から取り外しできるように図7に示すような略矩形の板状に形成してある。図7の(1)は調理品38を載せる側である上面、図7の(2)は裏面を示している。棚板40には、その上に載置した調理品38に吹き当たった後の熱風を棚板40の下側に流すための多数の穴41が設けてある。
図8は、図7の(1)におけるA−A’部の断面図である。図に示しように穴41の周縁には上面側に調理品を支えるための凸部41aが設けられている。調理品38はその凸部41aによって支えられるため、調理品38と棚板40表面との間に隙間ができる。隙間には熱風が流れ込み、流れ込んだ熱風は調理品38を下面から加熱する。このため調理品38の下面も上面と同じように焼くことができ、下面にも上面と同じような焦げ目を付けることができる。
図9は、棚板40の断面構成の他の実施形態で、この場合には調理品38を支える凸部41bを穴41の周縁ではなく隣接する穴41の中間位置に設けている。この場合も調理品38と棚板40表面との間に隙間ができるため、調理品38の下面にも上面と同じような焦げ目を付けることができる。
なお、棚板40は底板50を透過して照射されたマイクロ波を棚板40に載置した調理品38に到達させる必要から、マイクロ波が透過し易い誘電体材料で製作されている。
棚板40は、図10に示すような形状の金属枠45に図11に示すように載せた状態で調理室10内に収納される。金属枠45は、金属棒を折り曲げ端部を溶接して形成した矩形の外枠46に2本の補強棒47、48を溶接で取り付けたものである。2本の補強棒47、48は、外枠46の左右の枠(金属枠45を調理室10内に取り付けた状態で扉3側から見て左右となる枠)に平行で左右の枠から等距離の位置に取り付けてある。右側の補強棒47には後で説明するストッパ49が取り付けてある。
棚板40は、図10に示すような形状の金属枠45に図11に示すように載せた状態で調理室10内に収納される。金属枠45は、金属棒を折り曲げ端部を溶接して形成した矩形の外枠46に2本の補強棒47、48を溶接で取り付けたものである。2本の補強棒47、48は、外枠46の左右の枠(金属枠45を調理室10内に取り付けた状態で扉3側から見て左右となる枠)に平行で左右の枠から等距離の位置に取り付けてある。右側の補強棒47には後で説明するストッパ49が取り付けてある。
棚板40の裏面の四隅には、図7の(2)に示すように棚板40を金属枠45の中央に位置決めして位置ずれを防止するためのL形凸部55が形成してある。棚板40を金属枠45に載置した状態では、この4個のL形凸部55が外枠46の前後の枠と前記2本の補強棒47、48により形成される矩形の内枠56の内側に嵌まり、L形凸部55の外周面がその内枠56の四隅内側に当接した状態で位置決めされる。即ち、矩形の内枠56がL形凸部55を受け入れる嵌め合い部56を構成しており、L形凸部55がこの嵌め合い部56に嵌まることにより、棚板40は金属枠45の中央部に位置ずれしないようにして支持される。
棚板40を載せた金属枠45は、調理室10内に前後移動可能に取り付けられる。その取り付け構造を図12、図13を参照して説明する。なお、図12、図13は調理室10の右側壁58部分の取り付け構造を説明する模式図である。右側壁58の内側で熱風吸い込み口右42の上方部分には、金属製の支え板60が側壁に張り付く形で取り付けられ、その支え板60の調理室10を望む面には断面矩形で細長の金属製桟63が水平に取り付けられている。その金属製桟63の手前端部(扉3側の端部)64は、下方に折れ曲がった形状にされている。
金属枠45はその桟63により外枠46の左右部分を支持された状態で調理室10内に収納される。図13は金属枠45の支持状態を調理室10の中央側から右側壁58方向に見た図である。図13の(1)は金属枠45が調理室10内の奥に押し込まれ、その外枠46の左右部分のほぼ全体が桟63により支持されている状態を示している。調理品38の加熱は調理品38を載せた棚板40を前記嵌め合いにより金属枠45に載せ、図13の(1)に示すような位置に押し込んだ状態で行なわれる。
調理品38を載せたり取り出したりする際には、棚板40を載せる金属枠45は手前に引き出される。図13の(2)は、金属枠45を手前に引き出した状態の位置関係を示している。引き出し過ぎにより金属枠45が落下するのを防ぐため、前記右側の補強棒47に取り付けたストッパ49が桟63の下方に折れ曲がった手前端部64に当接してそれ以上の引き出しを阻止するようにしてある。
ストッパ49は、図12に示すように金属棒を「コ」の字状枠部65を形成するように折り曲げ、更にその面が横から見てL字形となるように折り曲げたもので右側の補強棒47の後ろ寄り下側に溶接で固着されている。「コ」の字状枠部65は、面が金属枠45の面に平行で金属枠45の外方向に延び、その先端部は金属枠45の枠内に納まるようにしてある。「コ」の字状枠部の面と金属枠45の面との間隔は、支え板60に取り付けた桟63の上下方向厚みより僅かに大きくしてある。
金属枠45が前方に引き出されると、桟63は金属枠45とストッパ49の「コ」の字状枠部65の面との隙間に図13の(2)に示すように嵌まり込む。このため金属枠45が手前に引き出され、重心が桟63の前端を外れて金属枠45が下に傾こうとしても、金属枠45とストッパ49の「コ」の字状枠部65とが桟63を挟んで金属枠45の傾きを阻止する。従って、金属枠45の手前部が支持されなくても金属枠45は水平を保つことができる。
このように補強棒47に取り付けられたストッパ49は、この金属枠45を引き出す際の落下防止と引き出し状態での水平維持との2つの役割を果たす。
図14は、金属枠45の変形実施形態である。この金属枠45aには、手前の枠に調理品載置防止枠67が下向きに追加取り付けてしてある。この調理品載置防止枠67は、調理品38が調理室10の底板50の上に直接載置されるのを防止するためのものである。
図14は、金属枠45の変形実施形態である。この金属枠45aには、手前の枠に調理品載置防止枠67が下向きに追加取り付けてしてある。この調理品載置防止枠67は、調理品38が調理室10の底板50の上に直接載置されるのを防止するためのものである。
図15は、調理室10の底板50の上に置く受け皿68を示している。この受け皿68は、調理品38から滴る水、油等を受けるためのものである。受け皿68は底板50の下方から照射されるマイクロ波を透過させるために誘電体材料で製作されている。図16は、棚板40、金属枠45a、受け皿68を調理室10内に収納した状態を示している。
図17は、加熱調理器1の制御装置26の構成を概略的に示したものである。制御装置26は、マイクロ波発生回路部70、ヒータ回路部71、これら回路部とブロアモータ16を制御する制御回路部72とにより構成される。マイクロ波発生回路部70はマグネトロン13を使用して周波数2450MHzのマイクロ波を発生させ、同時にそのマイクロ波を反射攪拌させる回転アンテナ53用のモータ52を駆動させる回路部分である。電源は商用電源から供給され、その開閉はスイッチ75を開閉して行なわれる。ヒータ回路部71は6本のヒータ12に電源を供給する回路部分で、商用電源をスイッチ76で開閉することにより電源供給が制御される。
制御回路部72は、制御回路73、操作スイッチ6、表示器7、温度検出手段80、異常検出手段81、モータ駆動回路82を備えて構成される。制御回路73は加熱調理器1の動作全般を制御する回路でマイクロコンピュータを用いて構成され、スイッチ75、76の開閉、ブロアモータ16の駆動はこの制御回路63により行なわれる。操作スイッチ6は調理時間、熱風温度、調理品名等を入力するためのものであり、表示器7は入力された情報、調理状況等を表示するためのものである。温度検出手段80は熱風吸い込み口右42または熱風吸い込み口左43付近の循環熱風の温度をサーミスタを用いて検出するためのもの、異常検出手段81は異常状態を検出ためのもので熱源ボックス14内に取り付けられている。なお、図中のスイッチ77、78は扉3の開閉に連動して動作する扉開閉連動スイッチである。
次に、このような構成の下での加熱調理器1の動作と作用について説明する。調理品38は調理室10内の棚板40の上に置かれた後、扉3が閉じられる。すると、扉開閉連動スイッチであるスイッチ77、78がON状態となる。制御回路73は商用電源の供給を受けて動作を開始する。続いて、操作者により調理時間、熱風温度(調理温度)、調理品名等が操作スイッチ6を介して制御回路73に入力される。
操作者により操作スイッチ6を用いて調理開始の指示が与えられると、制御回路73はスイッチ75をON状態としてマイクロ波発生回路部70を動作させる。これによりマグネトロン13によりマイクロ波の発生が開始される。同時にモータ52にも電源が供給されて回転アンテナ53が回転を始め、発生したマイクロ波は回転アンテナ53により反射攪拌され底板50を透過して調理室10を広くむらなく照射する。
制御回路73は同時にスイッチ76をON状態としてヒータ12に電源供給を行なうと共に、ブロアモータ16にもモータ駆動回路72を介して電源を供給して循環風を起こさせる。制御回路73はスイッチ76のON/OFF周期を調整して温度検出手段80にて検出した温度が操作スイッチ6から入力された設定温度に一致するように制御する。ブロアモータ16は印加電圧により回転速度を可変できる直流モータで構成されており、制御回路73は操作スイッチ6から入力された調理品名に対応した回転速度に調整する。
ヒータ12の温度が上昇するとブロア15により起こされた循環風は循環熱風に変る。循環熱風は前述したように調理室10の天井板33に設けられたノズル孔37から噴流となって調理室10内に噴射され、調理品38の表面に衝突して調理品38を表面から加熱する。調理品38に衝突した循環熱風は棚板40の下側に流れ込み、左右の熱風吸い込み口42、43に吸い込まれて左右の帰還ダクト20、21を通った後、熱風帰還合流ダクト22にて合流する。合流後は再びブロア15に入って加速され熱源ボックス14に吹き込まれる。そしてヒータ12より熱補給を受けて高温となり、調理室10内に再び噴射される。
このように高温の熱風が循環しながら調理品38表面に衝突することにより、調理品38は表面から急速加熱される。この循環熱風による加熱と並行して調理室10の底板50通してマイクロ波が照射される。調理品38はそれを吸収して内部からも急速加熱される。
以上、説明したような本実施形態の加熱調理器1においては、高温の熱風を高速噴流にして調理品に吹き当てて加熱するため高い熱伝達率で急速加熱を行なうことができる。また、熱風は調理室10の天井板33に設けたノズル孔37から噴射して左右の側壁下部から吸引する構成とし、調理室10の底板50にはノズル孔、吸引口等の構成部品を何ら設けていないため調理室10内の清掃を容易に行なうことができる。また、調理品を載せる棚板40は金属枠45に載せて前方への引き出しと取り外しのできる構成としてあるため、調理品の収納、取り出しを容易に行なうことができる。
図面中、1は加熱調理器、10は調理室、12はヒータ(ヒータ式熱源)、15はブロア、18は熱風生成装置、20は熱風帰還ダクト右、21は熱風帰還ダクト左、24はマイクロ波発生装置(マイクロ波加熱手段)、26は制御装置、33は天井板、37はノズル孔、38は調理品、40は棚板、41は穴、42は熱風吸い込み口右、43は熱風吸い込み口左、45は金属枠、50は底板、55は位置決め用凸部、56は嵌め合い部、67は調理品載置防止枠、68は受け皿を示す。
Claims (8)
- 調理品を収納する箱状の調理室(10)と、
該調理室内に調理品を置くための板であって1乃至複数の穴(41)を有し誘電体材料で製作された棚板(40)と、
ヒータ式熱源(12)とブロア(15)を有する熱風生成装置(18)と、
前記調理室の底板(50)を透過して調理室内にマイクロ波を照射するマイクロ波加熱手段(24)と、を備え、
前記熱風生成装置で発生させた熱風を前記調理室の天井板(33)に設けたノズル孔(17)から高速噴流にして前記棚板に載置した調理品に吹き当てて加熱し、前記棚板の穴を通って棚板下側に流れた熱風を前記調理室の左右側壁下部に設けた熱風吸い込み口(42、43)から前記ブロアにて吸い込み前記熱風生成装置に戻して循環させると同時に、前記マイクロ波加熱手段によっても前記棚板に載置した調理品を加熱するように構成したことを特徴とする加熱調理器。 - 請求項1に記載の加熱調理器において、前記棚板の表面には調理品を支えるための凸部(41、41a)を1乃至複数個設けたことを特徴とする加熱調理器。
- 請求項1に記載の加熱調理器において、前記棚板は前記調理室の側壁を利用して取り付けた金属枠(45)に載せて収納するように構成したことを特徴とする加熱調理器。
- 請求項3に記載の加熱調理器において、前記棚板の裏面に位置決め用凸部(55)を設け、前記金属枠には該位置決め用凸部を受け入れる嵌め合い部(56)を設け、前記位置決め用凸部が該嵌め合い部に嵌まることにより前記棚板の位置ずれが防止されるように構成したことを特徴とする加熱調理器。
- 請求項3又は4に記載の加熱調理器において、前記金属枠は前記棚板を載せた状態で前方に引き出せるように構成したことを特徴とする加熱調理器。
- 請求項3又は4に記載の加熱調理器において、前記金属枠の下側には該金属枠と前記調理室の底板との間に調理品が置かれるのを防止する調理品載置防止枠(67)を取り付けたことを特徴とする加熱調理器。
- 請求項2に記載の加熱調理器において、調理品を支えるための前記凸部は前記棚板に設けた穴(41)の周縁に設けたことを特徴とする加熱調理器。
- 請求項1又は3に記載の加熱調理器において、前記調理室の底板の上に調理品から滴る水、油等を受ける受け皿(68)を配置したことを特徴とする加熱調理器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005249215A JP2007064531A (ja) | 2005-08-30 | 2005-08-30 | 加熱調理器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005249215A JP2007064531A (ja) | 2005-08-30 | 2005-08-30 | 加熱調理器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2007064531A true JP2007064531A (ja) | 2007-03-15 |
Family
ID=37926930
Family Applications (1)
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JP2005249215A Pending JP2007064531A (ja) | 2005-08-30 | 2005-08-30 | 加熱調理器 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2007064531A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010133634A (ja) * | 2008-12-04 | 2010-06-17 | Sharp Corp | 引出し型加熱調理器 |
-
2005
- 2005-08-30 JP JP2005249215A patent/JP2007064531A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010133634A (ja) * | 2008-12-04 | 2010-06-17 | Sharp Corp | 引出し型加熱調理器 |
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