JP2005155802A - スラスト動圧軸受 - Google Patents
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Abstract
【課題】 製造コストが低くて生産性に優れ、かつ、負荷容量も大きいスラスト動圧軸受を提供すること。
【解決手段】 バンプフォイル2の表面および裏面の夫々に、周方向に略等間隔に離間されると共に、径方向に延びる凹部4,5を、エッチングによって複数形成する。このとき、上記表面の周方向に隣接する凹部4の間のランド6の周方向の位相と、上記裏面の周方向に隣接する凹部5の間のランド7の周方向の位相とが異なるようにする。また、トップフォイル3のバンプフォイル2側の面に、周方向に略等間隔に離間されると共に、径方向に延びる凹部12を、エッチングによって複数形成する。上記トップフォイル3の凹部12に、該凹部12に対向しているバンプフォイル2のランド6を固定することによって、スラスト動圧軸受を形成する。
【選択図】 図1
【解決手段】 バンプフォイル2の表面および裏面の夫々に、周方向に略等間隔に離間されると共に、径方向に延びる凹部4,5を、エッチングによって複数形成する。このとき、上記表面の周方向に隣接する凹部4の間のランド6の周方向の位相と、上記裏面の周方向に隣接する凹部5の間のランド7の周方向の位相とが異なるようにする。また、トップフォイル3のバンプフォイル2側の面に、周方向に略等間隔に離間されると共に、径方向に延びる凹部12を、エッチングによって複数形成する。上記トップフォイル3の凹部12に、該凹部12に対向しているバンプフォイル2のランド6を固定することによって、スラスト動圧軸受を形成する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、バンプフォイルとトップフォイルとを有するスラスト動圧軸受に関する。
従来、スラスト動圧軸受としては、特開平1−242816号公報(特許文献1)に記載されたものがある。
このスラスト動圧軸受は、中空の円板形状の三つのフォイル、すなわち、バネフォイル、軸受フォイルおよびシムフォイルから構成されている。
上記バネフォイルには、周方向に等間隔に6つの貫通孔である窓領域が形成されている。また、上記バネフォイルの窓領域の間の部分である6つのランド部分の夫々には、上面と下面の双方に、径方向に延びる突起部が形成されている。
上記軸受フォイルは、上記バネフォイルの下に配置されるようになっている。上記軸受フォイルは、周方向に等間隔に配置された6つの略扇形のパッド片を有している。詳細には、この扇形のパッド片は、軸受フォイルの表面に、エッチングにより6つの逆コ字状のスリット溝を形成した後、この逆コ字状のスリット溝に囲まれた舌片を、弾性がなくならない程度、軸受フォイルの表面から折り曲げることによって形成されている。また、上記軸受フォイルの隣接する扇形のパッド片の夫々の間には、径方向に延びるスリット溝が形成されている。
上記シムフォイルは、上記軸受フォイルの下に配置されるようになっている。上記シムフォイルの上面には、上記扇形のパッド片に対向する部分に、6個の枕状の突起が形成されている。また、上記シムフォイルには、上記軸受フォイルのスリット溝に対向する箇所に、流体供給穴が形成されている。
上記スラスト動圧軸受は、上記軸受フォイルの上記6つの扇形のパッド片の夫々を、弾力を有する状態で上記バネフォイルの上記窓領域に下側から上側に挿通させて、上記窓領域の上側に突出しているパッド片部分を上記バネフォイルの上面の突起部の上側に位置させて、この突起部の上側のパッド片部分の夫々を、回転軸の端面直下に配置すると共に、軸受ケース上に配置された上記シムフォイルの枕状の突起と、上記バネフォイルの下面から突出している突起部とを接触させた状態で、軸受ケース側から上記流体供給穴および上記スリット溝を介して上記バネフォイルの上面側に流体を供給することにより、回転軸を上記バネフォイルの上面側に浮上させて、回転軸を支持するようになっている。
従来のスラスト動圧軸受は、このように、複雑な構造を有する3つのフォイルを使用することによって、受けることができるスラスト荷重の負荷容量を大きくするようにしている。
しかしながら、上記従来のスラスト動圧軸受は、受けることができるスラスト荷重の負荷容量が大きい一方、バネフォイル、軸受フォイル、シムフォイルから構成されるので、部品点数が多くなり材料コストが高いという問題がある。また、上記三つのフォイルに、多数の貫通穴や突起部を形成しなければならないので、製造に要する工数が多くなって、上記従来のスラスト動圧軸受の製造コストが高くなると共に、個数あたりの生産時間で定義されるタクトタイムが大きいという問題がある。
特開平1−242816号公報
そこで、本発明の課題は、製造コストが低くて生産性に優れ、かつ、負荷容量も大きいスラスト動圧軸受を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明のスラスト動圧軸受は、
略径方向に延びる凹部が、表面および裏面の夫々に周方向に離間された状態で複数設けられ、かつ、上記表面の周方向に隣接する上記凹部の間のランドの周方向の位相が、上記裏面の周方向に隣接する上記凹部の間のランドの周方向の位相と異なっているバンプフォイルと、
周方向に離間して複数配置される厚肉の部分と、周方向に隣接する上記厚肉の部分の間に存在すると共に、上記バンプフォイルの上記表面の上記ランドの少なくとも1つが夫々の裏面に固定されている複数の薄肉の部分とを有するトップフォイルと
を備えることを特徴としている。
略径方向に延びる凹部が、表面および裏面の夫々に周方向に離間された状態で複数設けられ、かつ、上記表面の周方向に隣接する上記凹部の間のランドの周方向の位相が、上記裏面の周方向に隣接する上記凹部の間のランドの周方向の位相と異なっているバンプフォイルと、
周方向に離間して複数配置される厚肉の部分と、周方向に隣接する上記厚肉の部分の間に存在すると共に、上記バンプフォイルの上記表面の上記ランドの少なくとも1つが夫々の裏面に固定されている複数の薄肉の部分とを有するトップフォイルと
を備えることを特徴としている。
尚、この明細書では、上記ランドを、頂面で定義することにする。
上記発明によれば、表面と裏面の夫々に周方向に間隔をおいて凹部が形成されているバンプフォイルと、厚肉の部分と薄肉の部分とを有するトップフォイルとを組み合わせて、スラスト動圧軸受を構成しているので、スラスト動圧軸受の部品点数を大幅に低減できると共に、バンプフォイルとトップフォイルの加工工数も大幅に低減できる。したがって、スラスト動圧軸受の生産性を向上させることができると共に、スラスト動圧軸受の材料および製造コストを大幅に低減することができる。
また、上記バンプフォイルの表面側のランドの位相と、上記裏面側のランドの位相とが異なるようにしたので(上記表面側のランドの位相と、裏面側のランドの位相が、夫々のランドの周方向の幅の全領域に亘って重ならないようにしたので)、バンフフォイルの厚さ方向の可撓性を増大させることができて、スラスト動圧軸受の厚さ方向の弾性を向上させることができる。したがって、回転軸等の被スラスト荷重支持部材とトップフォイルとの間に発生する動圧を、場所に寄らない均一なものに近づけることができるので、スラスト動圧軸受の運転中に被スラスト荷重支持部材に略均一な圧力をかけることができると共に、受けることができるスラスト荷重の負荷容量を大きくすることができる。
また、上記各薄肉の部分の裏面の夫々に、上記バンプフォイルの上記表面の上記ランドの少なくとも1つを固定する一方、上記全ての厚肉の部分の裏面の夫々に、この厚肉の部分の裏面に対向する上記バンプフォイルの上記表面の上記ランドを固定しないようにすることによって、スラスト動圧軸受の厚さ方向の可撓性を更に向上させることができて、スラスト動圧軸受の負荷容量を更に向上させることができる。
また、一実施形態のスラスト動圧軸受は、上記トップフォイルの表面は、一平面である一方、上記トップフォイルの裏面には、周方向に離間された複数の凹部が形成され、この複数の凹部の底面を含む部分から成る薄肉の部分の該底面に、上記バンプフォイルの表面の上記ランドの内の少なくとも1つを固定したことを特徴としている。
上記実施形態によれば、上記トップフォイルの表面が一平面であり、上記トップフォイルの裏面に形成された凹部の夫々に、上記バンプフォイルの表面の上記ランドの内の少なくとも1つを固定するようにしたので、被スラスト荷重支持部材に対向する側のトップフォイルの表面が、凹部を有さない滑らかな面になる。このことから、トップフォイルの表面側の流体の流れをよりいっそうスムーズにできるので、よりいっそう均一な動圧を発生させることができる。
また、一実施形態のスラスト動圧軸受は、上記トップフォイルの上記凹部が、エッチングによって形成されていると共に、上記バンプフォイルの上記薄肉の部分が、エッチングによって形成されていることを特徴としている。
上記実施形態によれば、上記バンプフォイルの凹部およびトップフォイルの薄肉の部分がエッチングによって形成されているので、トップフォイルおよびバンプフォイルが、所望の形状と略同じ形状になる。また、上記バンプフォイルの凹部およびトップフォイルの薄肉の部分がエッチングによって形成されているので、エッチング前の部材として厚さが略同一の部材を用いることにより、トップフォイルおよびバンプフォイルの厚さが、略一定になる。したがって、エッチング前の部材として厚さが略同一の部材を用いることにより、スラスト動圧軸受の厚さ方向の寸法のばらつきを、抑制することができるので、スラスト動圧軸受の浮上特性を、更に優れたものにすることができると共に、負荷容量を、更に大きくすることができる。
上記のスラスト動圧軸受によれば、表面と裏面の夫々に周方向に間隔をおいて凹部が形成されているバンプフォイルと、厚肉の部分と薄肉の部分とを有するトップフォイルを組み合わせて、スラスト動圧軸受を構成しているので、スラスト動圧軸受の部品点数を大幅に低減できると共に、バンプフォイルとトップフォイルの加工工数も大幅に低減できる。したがって、スラスト動圧軸受の生産性を向上させることができると共に、スラスト動圧軸受の材料および製造コストを大幅に低減することができる。
また、上記バンプフォイルの表面側のランドの位相と、上記裏面側のランドの位相とが異なるようにしたので、バンフフォイルの厚さ方向の可撓性を増大させることができて、パンプフォイルの厚さ方向の弾性を向上させることができる。したがって、回転軸等の被スラスト荷重支持部材とトップフォイルとの間に発生する動圧を、場所に寄らない均一なものに近づけることができて、スラスト動圧軸受の負荷容量を大きくすることができる。
また、上記厚肉の部分にバンプフォイルのランドを固定せずに、上記薄肉の部分のみにバンプフォイルのランドを固定するようにすると、スラスト動圧軸受の厚さ方向の可撓性を更に向上させることができて、スラスト動圧軸受の負荷容量を更に向上させることができる。
以下、本発明を図示の形態により詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態のスラスト動圧軸受を示す側面図である。詳細には、図1は、回転している円板状のプレート1のスラスト荷重を受けている本発明の一実施形態のスラスト動圧軸受を示す図である。
このスラスト動圧軸受は、バンプフォイル2とトップフォイル3とを備える。
上記バンプフォイル2は、紙面の下側に存在する図示しない軸受ケースに支持されている。上記バンプフォイル2は、被スラスト荷重支持部材、すなわち、プレート1側で定義される表面側に複数個の凹部4を有すると共に、上記軸受ケース側である裏面側に複数個の凹部5を有している。また、図1に示すように、表面側の隣接する凹部4の間に存在しているランド6と、裏面側の隣接する凹部5の間に存在しているランド7とは、互い違いに配置されている。
上記凹部4,5は、厚さが略一定の金属部材の表面および裏面の夫々を部分的にエッチングすることによって形成されており、エッチングされていないところがランド6,7になっている。このことから、このスラスト動圧軸受は、荷重を受けている状態における、表面側のランド6の先端から裏面側のランド7の先端までの、図1に矢印Aで示すスラスト動圧軸受の軸方向の厚さa’が、略一定になっている。
図1において、表面側のランド6の先端から裏面側のランド7の先端までの、スラスト動圧軸受の矢印Aで示す軸方向の厚さa’は、荷重を受けているため小さくなっている。つまり、荷重を受けていない状態では、図5において、表面側のランド6の先端から裏面側のランド7の先端までの、矢印Cで示す軸方向の厚さaは、上記a’よりも大きい。図5に示す厚さaは、上記厚さが略一定の金属部材の厚さに略一致している。
上記トップフォイル3は、バンプフォイル2の表面側に配置されている。上記トップフォイル3は、厚肉の部分10と、この厚肉の部分10に連なる薄肉の部分11とから成る。上記薄肉の部分11は、厚さが略一定の金属部材のバンプフォイル2側である裏面側をエッチングして、エッチングを行った場所に凹部12を形成することによって、この凹部12が設けられた部分でもって構成されている。このことから、上記トップフォイル3のプレート1側の表面は、一平面になっている。また、上記薄肉の部分11には、この薄肉の部分11に対向するバンフフォイル2の表面側のランド6が固定されており、図1に示すように、薄肉の部分11が、バンプフォイル2側の方に撓んだ状態になっている。
上記バンプフォイル2は、荷重を受けていない状態における厚さである上記aの値が、0.05mm〜2mmの範囲に設定されており、表面または裏面のエッチングの深さが、0.01mm〜1.0mmの範囲に設定されており、(表面または裏面のエッチングの深さ/厚さ(上記aの値))が、0.02〜0.5の範囲に設定されている。一方、上記トップフォイル3は、厚肉の部分の厚さが、0.05mm〜1mmの範囲に設定されており、裏面側のエッチングの深さが、0.01mm〜0.5mmの範囲に設定されており、(エッチングの深さ/厚肉の部分の厚さ)は、0.01〜0.8の範囲に設定されている。この実施形態のスラスト動圧軸受では、このように、バンプフォイル2における(表面または裏面のエッチングの深さ/厚さ)を、0.02〜0.5の範囲に設定すると共に、トップフォイル3における(エッチングの深さ/厚肉の部分の厚さ)を、0.01〜0.8の範囲に設定することによって、スラスト動圧軸受の厚さ方向の可撓性を格段に大きくして、受けることが可能なスラスト荷重の負荷容量を大幅に増大させるようにしている。
図2は、上記バンフフォイル2の詳細な構造を示す部分斜視図であり、図3は、図2に示すバンプフォイル2の一部分に対応する上記トップフォイル3の一部分の詳細な構造を示す部分斜視図である。
図2に示すように、上記表面側のランド6と裏面側のランド7の夫々は、Bで示すバンプフォイル2の径方向に延びている。また、表面側のランド6の周方向の位相と、裏面側のランド7の周方向の位相とは異なっており、表面側のランド6が形成された場所に対応する裏面側には、ランド7が存在しないようになっている。この実施形態のスラスト動圧軸受は、このように、表面側のランド6の周方向の位相と、裏面側のランド7の周方向の位相とを異なったものにすることにより、バンプフォイルの厚さ方向の可撓性を向上させて、被スラスト荷重支持部材(例えば、図1のプレート1)と、該スラスト動圧軸受との間に、場所に寄らない均一な動圧を発生させるようにしている。
また、図3に示すように、トップフォイル3において1つの薄肉の部分11を形成するために行われるエッチングの領域は、バンプフォイル2において1つの凹部4,5を形成するために行われるエッチングの領域よりも大きくなっている。そして、図3に示す部分の薄肉の部分の裏面には、図2に示されている7つのバンプフォイル2のランド6のうちの3つが固定されるようになっている。
図4は、上記トップフォイル3の上面図である。
図4に示すように、上記薄肉の部分11は、開口形状が略円形の貫通穴41を有する円環部15と、この円環部15の外径側の周方向の等間隔な6箇所から略径方向に延びる6つの接合部16と、この接合部16に連なる本体部17とから構成されている。
上記接合部16の片方の縁部は、上記円形の開口の略中心を通過する直線の一部分から構成されている。
また、上記本体部17の周囲は、上記円形の開口の略中心を略中心とする第1の円弧35と、上記開口の略中心を略中心とすると共に、上記第1の円弧よりも径が大きい第2の円弧36と、上記片方の縁部の延長線37と、この延長線37と平行な直線38とから構成されている。
一方、上記厚肉の部分10の周囲は、上記直線38と、第2の円弧36に連なる第3の円弧39と、厚肉の部分10における直線38と反対側の薄肉の部分11の該厚肉の部分10側の直線37と平行な直線50とから構成されている。
また、図4に示すように、上記薄肉の部分11と、この薄肉の部分11の接合部16側の厚肉の部分10との間には、溝42が形成されている。詳細には、上記溝42は、円環部15の外径側の縁と、上記本体部17の第1の円弧35の間に形成されて周方向に延びる円弧部分47と、この円弧部分47における接合部16側と反対側の部分から径方向に延びる直線部分48とから成っている。
図4に示すように、この実施形態では、上記厚肉の部分10の表面積と、薄肉の部分11の表面積の値とを、略同程度の大きさに設定することによって、動圧を均一に発生させると共に、スラスト荷重の負荷容量を向上させるようにしている。
上記構成において、図1に示すように、プレート1が、中心軸Zの回りに回転すると、プレート1の一端面13とトップフォイル3の表面との間に、矢印Bで示す向きの流体の流れが発生して、トップフォイル3の表面側とプレートの間に動圧が発生する。この実施形態のスラスト動圧軸受は、上記動圧により、プレート1をトップフォイル3の表面に対して浮上させて、プレート1のスラスト荷重を受けるようになっている。
上記実施形態のスラスト動圧軸受によれば、表面と裏面の夫々に周方向に間隔をおいて凹部4,5が形成されているバンプフォイル2と、厚肉の部分10と薄肉の部分11とを有するトップフォイル3とを組み合わせるだけで、スラスト動圧軸受を構成しているので、スラスト動圧軸受の部品点数を大幅に低減できると共に、バンプフォイル2とトップフォイル3の加工工数を大幅に低減できる。したがって、スラスト動圧軸受の生産性を向上させることができると共に、スラスト動圧軸受の製造コストを大幅に低減することができる。
また、上記実施形態のスラスト動圧軸受によれば、上記バンプフォイル2の表面側のランド6の位相と、上記裏面側のランド7の位相とが異なるようにしたので、バンフフォイル2の厚さ方向の可撓性を増大させることができて、パンプフォイル2の厚さ方向の弾性を大きくすることができる。したがって、スラスト動圧軸受の厚さ方向の弾性を大きくすることができるので、プレート1とトップフォイル2との間に発生する動圧を、場所に寄らず均一なものにすることができて、スラスト動圧軸受の運転中に被スラスト荷重支持部材に均一な圧力をかけることができる。
また、上記実施形態のスラスト動圧軸受によれば、上記各薄肉の部分11の裏面の夫々に、この薄肉の部分11の裏面に対向するバンプフォイル2の上記表面のランド6を固定することによって、バンプフォイル2とトップフォイル3とを接続するようにしたので、スラスト動圧軸受の厚さ方向の可撓性を更に向上させることができる。
また、上記実施形態のスラスト動圧軸受によれば、上記トップフォイル3の片側の面に形成された凹部12の夫々に、この凹部12に対向するバンプフォイル2の表面側のランド6を固定するようにしたので、図1および図3に示すように、トップフォイル3のプレート1側の表面を、凹部12がない滑らかな面にすることができる。したがって、トップフォイル3のプレート1側である表面側の流体の流れをスムーズなものにできて、場所に寄らない均一な動圧を発生させることができるので、スラスト動圧軸受の浮上特性を優れたものにすることができる。
また、上記実施形態のスラスト動圧軸受によれば、トップフォイル3およびバンプフォイル2を、厚さが略同一の部材を部分的にエッチングして、形成しているので、バンプフォイル2における表面側のランド6から裏面側のランド7の間の寸法を、略一定値(バンプフォイル2の厚さを、略一定値)にすることができると共に、トップフォイル3の厚肉の部分10の厚さを略一定にすることができる。したがって、スラスト動圧軸受の厚さのばらつきを、小さくすることができるので、スラスト動圧軸受の浮上特性を更に優れたものにすることができて、スラスト動圧軸受の負荷容量を更に優れたものにすることができる。
上記実施形態のスラスト動圧軸受では、図2,3および4に示すように、バンプフォイル2およびトップフォイル3の略中央に流体を流すための貫通穴(トップフォイル3の貫通穴は図4に41で示されている)を形成して、流体をこの貫通穴を通じて流すようにしたが、この発明のスラスト動圧軸受では、バンプフォイルおよびトップフォイルにおける流体を流すための貫通穴を省略しても良い。
また、上記実施形態のスラスト動圧軸受では、図2,3および4に示すように、バンプフォイル2およびトップフォイル3に、周方向および径方向に延びる溝(トップフォイルの溝は図4に42で示されている)を形成して、バンプフォイル2およびトップフォイル3の周方向の可撓性を向上させるようにしたが、この発明のスラスト動圧軸受では、バンプフォイルおよびトップフォイルに、周方向および径方向に延びる溝を形成しなくても良い。
また、上記実施形態のスラスト動圧軸受では、トップフォイル3の薄肉の部分11と厚肉の部分10の表面積の値を略同一にしたが、この発明のスラスト動圧軸受では、トップフォイルの薄肉の部分と厚肉の部分の表面積の値を、異なる値に設定しても良い。
また、上記実施形態のスラスト動圧軸受では、トップフォイル3の周方向に略均等に間隔をおいて、トップフォイル3の6箇所をエッチングして、薄肉の部分11を形成する一方、図1に示すように、バンプフォイル2の表面側の周方向に略均等に間隔をおいて、バンプフォイル2の表面側の48箇所をエッチングして、バンプフォイル2の表面側の凹部4を形成すると共に、バンプフォイル2の裏面側の周方向に略均等に間隔をおいて、バンプフォイル2の裏面側の42箇所をエッチングして、バンプフォイル2の裏面側の凹部4を形成したが、この発明のスラスト動圧軸受では、トップフォイルの周方向に略均等に間隔をおいて、トップフォイルの6箇所以外の複数箇所をエッチングして、薄肉の部分を形成しても良い。また、バンプフォイルの表面側の周方向に略均等に間隔をおいて、バンプフォイルの表面側の48箇所以外の複数箇所をエッチングして、バンプフォイルの表面側の凹部を形成すると共に、バンプフォイルの裏面側の周方向に略均等に間隔をおいて、バンプフォイルの裏面側の42箇所以外の複数箇所をエッチングして、バンプフォイルの裏面側の凹部を形成しても良い。また、この発明のスラスト動圧軸受では、トップフォイルやバンプフォイルに、周方向に等間隔でない間隔の凹部を形成しても良い。
また、上記実施形態のスラスト動圧軸受では、トップフォイル3の裏面側のみをエッチングして薄肉の部分11を形成したが、この発明のスラスト動圧軸受では、トップフォイルの表面側と裏面側の両方をエッチングして、薄肉の部分を形成しても良い。
また、上記実施形態のスラスト動圧軸受では、トップフォイル3の裏面側のみをエッチングして薄肉の部分11を形成し、この薄肉の部分11の裏面側(エッチング側)に、バンプフォイル2の表面側のランド6を固定するようにしたが、この発明のスラスト動圧軸受では、トップフォイルの表面側のみをエッチングして薄肉の部分を形成し、この薄肉の部分の裏面側(非エッチング側)に、バンプフォイルの表面側のランドを固定しても良い。
図6は、他の実施形態のスラスト動圧軸受を示す図である。詳細には、図6(A)は、トップフォイル63の周方向の略1/6の部分上面図であり、図6(B)は、このトップフォイル63を用いたスラスト動圧軸受におけるトップフォイル63のエッチング部分を通る軸方向の断面図である。
図6(A)に示すように、トップフォイル63は、該トップフォイル63の表面側の一部分がポケット形状にエッチングされており、このエッチングされた部分が、薄肉の部分61になっている。上記薄肉の部分61の径方向の幅は、トップフォイル63の外周よりも径方向の内側の第1箇所67と、この第1箇所67が存在するトップフォイル63の直径上における上記第1箇所67よりも径方向の内側で、かつ、トップフォイル63の貫通穴69の径よりも径方向の外側の第2箇所68との間の長さになっている。また、上記薄肉の部分61は、周方向に一定の幅を有している。
この実施形態のスラスト動圧軸受は、図6(B)に示すように、トップフォイル63の表面側(被スラスト荷重支持部材側)における周方向に間隔をおいた複数箇所のみをポケット形状にエッチングして薄肉の部分61を形成し、この薄肉の部分61の非エッチング側である裏面側に、バンプフォイル62の表面側のランド70を固定するようにしている。このように、トップフォイル63の表面側における周方向の互いに間隔が置かれた複数箇所のみを、ポケット形状にエッチングすると、効果的に動圧を発生させることができる。
尚、上記2つの実施形態のスラスト動圧軸受は、プレート1の一端面の荷重を受けるような形式であったが、この発明のスラスト動圧軸受は、トップフォイルおよびバンプフォイルの夫々に、回転軸等の被スラスト荷重支持部材を貫通させる貫通穴を設けて、上記回転軸等の被スラスト荷重支持部材を、これら二つの貫通穴を挿通させて、上記回転軸等の被スラスト荷重支持部材のフランジ部(鍔部)の荷重を受けるような形式であっても良いことは勿論である。
2,62 バンフフォイル
3,63 トップフォイル
4,5,12 凹部
6,7,70 ランド
10 厚肉の部分
11,61 薄肉の部分
3,63 トップフォイル
4,5,12 凹部
6,7,70 ランド
10 厚肉の部分
11,61 薄肉の部分
Claims (3)
- 略径方向に延びる凹部が、表面および裏面の夫々に周方向に離間された状態で複数設けられ、かつ、上記表面の周方向に隣接する上記凹部の間のランドの周方向の位相が、上記裏面の周方向に隣接する上記凹部の間のランドの周方向の位相と異なっているバンプフォイルと、
周方向に離間して複数配置される厚肉の部分と、周方向に隣接する上記厚肉の部分の間に存在すると共に、上記バンプフォイルの上記表面の上記ランドの少なくとも1つが夫々の裏面に固定されている複数の薄肉の部分とを有するトップフォイルと
を備えることを特徴とするスラスト動圧軸受。 - 請求項1に記載のスラスト動圧軸受において、
上記トップフォイルの表面は、一平面である一方、上記トップフォイルの裏面には、周方向に離間された複数の凹部が形成され、
この複数の凹部の底面を含む部分から成る薄肉の部分の該底面に、上記バンプフォイルの表面の上記ランドの内の少なくとも1つを固定したことを特徴とするスラスト動圧軸受。 - 請求項1または2に記載のスラスト動圧軸受において、
上記トップフォイルの上記凹部は、エッチングによって形成されていると共に、上記バンプフォイルの上記薄肉の部分は、エッチングによって形成されていることを特徴とするスラスト動圧軸受。
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