JP2005154618A - エチレン−α−オレフィン系共重合体の製造方法 - Google Patents

エチレン−α−オレフィン系共重合体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 遷移金属触媒系の存在下にエチレン−α−オレフィンまたはエチレン−α−オレフィン−非共役ジエンを共重合させるにおいて、高い活性でエチレン−α−オレフィン系ランダム共重合体を製造する方法を提供する。
【解決手段】 、下記成分(i)と(ii)または、下記成分(i)と(ii)と(iii)とを重合させて得られる共重合体の製造方法であって、遷移金属錯体(A)と有機アルミニウム化合物(B)、不飽和結合を有する鎖状有機基含有カルボン酸誘導体である含ハロゲン化合物(C)、カルボン酸誘導体でない含ハロゲン化合物(D)及びこの系においてルイス塩基として働く成分(E)の5種の触媒成分存在下に重合することを特徴とする共重合体の製造方法。
(i):エチレン
(ii):炭素数3〜20のα−オレフィン
(iii):ポリエン
【選択図】 なし

Description

本発明は、高活性条件でエチレン−α−オレフィン系ランダム共重合体を製造する方法に関するものである。
エチレン−α−オレフィン−非共役ジエンランダム共重合体は耐熱性、耐候性、耐オゾン性等の優れた特性を有しているため、自動車用材料、建築材料、工業用材料、電線用材料などとして広く用いられており、従来から均一バナジウム系触媒により製造されている。
しかしながら、これら均一系バナジウム触媒は一般に重合時に極めて失活しやすく、実用的な重合温度では触媒活性はあまり高くない(特許文献1)。
また、特許文献2には上記バナジウム触媒系に更にルイス塩基として働く成分を添加して用いることにより、分岐を有するエチレン−α−オレフィン系共重合体を製造する方法が開示されている。一方で、有機アルミニウム化合物とバナジウム化合物、ハロゲン化炭化水素及びルイス塩基として働く成分を必須の触媒とし、有機アルミニウム化合物とバナジウム化合物及び/またはハロゲン化炭化水素とを接触させることなしに重合槽に供給して重合を行う方法が報告されている(特許文献3)。しかしながら、上記文献3の方法においては触媒活性が不十分であるという問題を有していた。なお、ここで触媒活性とは、単位触媒量当たりから得られる目的のエチレン―α-オレフィン系共重合体の量を言う。
特公昭46−21212号公報 特公昭47−23413号公報 特開平07−048412号公報
かかる状況の下、本発明が解決しようとする課題は、遷移金属触媒系の存在下にエチレン−α−オレフィンまたはエチレン−α−オレフィン−非共役ジエンを共重合させるにおいて、高い活性でエチレン−α−オレフィン系ランダム共重合体を製造する方法を提供することにある。
すなわち、本発明は、下記成分(i)と(ii)または、下記成分(i)と(ii)と(iii)とを重合させて得られる共重合体の製造方法であって、遷移金属錯体(A)と有機アルミニウム化合物(B)、不飽和結合を有する鎖状有機基含有カルボン酸誘導体である含ハロゲン化合物(C)、カルボン酸誘導体でない含ハロゲン化合物(D)及びこの系においてルイス塩基として働く成分(E)の5種の触媒成分存在下に重合することを特徴とする共重合体の製造方法に係るものである。
(i):エチレン
(ii):炭素数3〜20のα−オレフィン
(iii):ポリエン
本発明により、遷移金属触媒系の存在下にエチレン−α−オレフィンまたはエチレン−α−オレフィン−非共役ジエンを共重合させるにおいて、高い活性でエチレン−α−オレフィン系ランダム共重合体を製造する方法を提供することができる。
本発明の(i)は、エチレンである。
本発明の(ii)は、炭素数3〜20のα−オレフィンである。
α−オレフィンとしては、同時に2種類以上のモノマーを用いることもできる。α−オレフィンの具体例としては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン等の直鎖状オレフィン類、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン等の分岐オレフィン類、ビニルシクロヘキサン等が例示される。好ましくは、プロピレン、1−ブテンであり、特に好ましくはプロピレンである。
本発明の(iii)は、ポリエンであり、特に制限はない。
(iii)としては、直鎖又は環状の非共役ポリエン、共役ポリエンモノマーを用いることができるが、具体的には、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、1,5−ヘプタジエン、1,6−ヘプタジエン、1,6−オクタジエン、1,7−オクタジエン、1,7−ノナジエン、1,8−ノナジエン、1,8−デカジエン、1,9−デカジエン、1,12−テトラデカジエン、1,13−テトラデカジエン、3−メチル−1,4−ヘキサジエン、3−メチル−1,5−ヘキサジエン、3−エチル−1,4−ヘキサジエン、3−エチル−1,5−ヘキサジエン、3,3−ジメチル−1,4−ヘキサジエン、3,3−ジメチル−1,5−ヘキサジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−プロピリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、2,5−ノルボルナジエン、7−メチル−2,5−ノルボルナジエン、7−エチル−2,5−ノルボルナジエン、7−プロピル−2,5−ノルボルナジエン、7−ブチル−2,5−ノルボルナジエン、7−ペンチル−2,5−ノルボルナジエン、7−ヘキシル−2,5−ノルボルナジエン、7,7−ジメチル−2,5−ノルボルナジエン、7,7−メチルエチル−2,5−ノルボルナジエン、7−クロロ−2,5−ノルボルナジエン、7−ブロモ−2,5−ノルボルナジエン、7−フルオロ−2,5−ノルボルナジエン、7,7−ジクロロ−2,5−ノルボルナジエン、1−メチル−2,5−ノルボルナジエン、1−エチル−2,5−ノルボルナジエン、1−プロピル−2,5−ノルボルナジエン、1−ブチル−2,5−ノルボルナジエン、1−クロロ−2,5−ノルボルナジエン、1−ブロモ−2,5−ノルボルナジエン、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、(ピペリン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ヘキサジエンなどをあげることができる。更に下記の構造の環状ジエンもあげられる。












Figure 2005154618
本発明においては、これらのポリエンを1種又は2種以上組み合せて用いることもできる。入手性の観点からは、現在EPDMで多用されている5−エチリ
デン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、1,4ヘキサジエンが好ましい。
本発明の共重合体は、遷移金属錯体(A)と有機アルミニウム化合物(B)、不飽和結合を有する鎖状有機基含有カルボン酸誘導体である含ハロゲン化合物(C)、カルボン酸誘導体でないハロゲン含有化合物(D)およびこの系においてルイス塩基として働く成分(E)の存在下、上記成分(i)と(ii)または、上記成分(i)と(ii)と(iii)とを重合させて得られるものである。
本発明の共重合体は、遷移金属錯体(A)と、下記(B)と、下記(C)と、下記(D)及び下記(E)とを用いてなる触媒の存在下に最適に製造され得る。
(A):下記記載のバナジウム化合物である。
VO(OR)aCl3-a、VX
(但し、Rは炭化水素基、Xはハロゲン原子もしくは配位子となりうる含酸素化合物であり、aは0≦a≦3、bはb=3、4を満足する数を表す。)
(B):下記一般式で表せられる有機アルミニウム化合物である。
aAlZ3-a
(但し、Eは炭化水素基であり、Zは水素原子又はハロゲン原子を表す。aは0<a≦3を満足する数を表す。)
(C):下記一般式で表わせられる不飽和結合を有する鎖状有機基含有カルボン酸誘導体である含ハロゲン化合物である。

Figure 2005154618

Figure 2005154618
(但し、A、Aは、酸素、硫黄またはハロゲン原子であり、X〜Xは、ハロゲン原子であり、R、R、R4〜R6は、ハロゲン、水素または活性水素を有しない有機基であり、更にR、R7は、炭化水素基または活性水素を有しない置換基を有する炭化水素基を表わす。上記構造においてA、Aがハロゲンの時R、R7は存在せず、また、nは1〜4の数を表し、R、R7が水素となるのはnが1の場合だけである。)
(D):カルボン酸誘導体でない含ハロゲン化合物である。
(E):この系においてルイス塩基として働く成分である。
以下、上記の製造法について、更に詳しく説明する。
(A)バナジウム化合物について説明する。
バナジウム化合物(A)としては、不活性溶媒に可溶な3〜5価のバナジウム化合物が用いられる。このバナジウム化合物としては、バナジウムのハライド、オキシハライド、含酸素化合物とのキレート錯体、バナジン酸エステルが好ましい。これらの具体的化合物としては、一般式VO(OR)aCl3-aで表せられるバナジウム化合物(但し、Rは炭化水素基であり、aは0≦a≦3を満足する数を表す。)や、四塩化バナジウム(VCl)、三塩化バナジウム(VCl)、バナジウムトリスアセチルアセトネート(V(acac))、四臭化バナジウム(VBr)、三臭化バナジウム(VBr)、などがあげられる。好ましくは一般式VO(OR)aCl3-aで表せられるバナジウム化合物であり、より好ましくはオキシ三塩化バナジウム(VOCl)である。
なお、Aの替りに本発明の範疇に無い、遷移金属錯体を用いた場合、著しい組成分布を生じ、均一な溶液重合を実施できない場合がある。
(B)アルミニウム化合物について説明する。
アルミニウム化合物(B)としては、下記一般式で表せられる有機アルミニウム化合物である。
aAlZ3-a
(但し、Eは炭化水素基であり、Zは水素原子又はハロゲン原子を表す。aは0<a≦3を満足する数を表す。)
Eにおける炭化水素基としては、炭素数1〜8の炭化水素基が好ましく、アルキル基がより好ましい。
一般式 EaAlZ3-aで示される有機アルミニウム化合物(B)の具体例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム;ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジプロピルアルミニウムクロライド、ジイソブチルアルミニウムクロライド、ジヘキシルアルミニウムクロライド等のジアルキルアルミニウムクロライド;メチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、プロピルアルミニウムジクロライド、イソブチルアルミニウムジクロライド、ヘキシルアルミニウムジクロライド等のアルキルアルミニウムジクロライド;ジメチルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジプロピルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、ジヘキシルアルミニウムハイドライド等のジアルキルアルミニウムハイドライド等を例示することができる。
好ましくは、塩素を有するアルミニウム化合物であり、より好ましくは、エチルアルミニウムセスキクロライドである。
(C)不飽和結合を有する鎖状有機基含有カルボン酸誘導体である含ハロゲン化合物について説明する。
不飽和結合を有する鎖状有機基含有カルボン酸誘導体である含ハロゲン化合物(C)としては、例えば下記一般式で表せられる化合物をあげられる。
Figure 2005154618

Figure 2005154618
(但し、A、Aは、酸素、硫黄またはハロゲン原子であり、X〜Xは、ハロゲン原子であり、R、R、R4〜R6は、ハロゲン、水素または活性水素を有しない有機基であり、更にR、R7は、炭化水素基または活性水素を有しない置換基を有する炭化水素基を表わす。上記構造においてA、Aがハロゲンの時R、R7は存在せず、また、nは1〜4の数を表し、R、R7が水素となるのはnが1の場合だけである。)
具体的には、ブチル−4、4、4−トリクロロブタ−2−エノエート、エチル−4、4、4−トリクロロブタ−2−エノエート、2−エチルヘキシル−4、4、4−トリクロロブタ−2−エノエート、メチル−4、4、4−トリクロロブタ−2−エノエート、ブチル−2−メチル−4、4、4−トリクロロブタ−2−エノエート、メチル−2−メチル−4、4、4−トリクロロブタ−2−エノエート、ブチル−2−メチル−2、4、4−トリクロロブタ−3−エノエート、メチル−2−メチル−2、4、4−トリクロロブタ−3−エノエート、ブチル−2、4、4−トリクロロブタ−3−エノエート、エチル−2、4、4−トリクロロブタ−3−エノエート、2−エチルヘキシル−2、4、4−トリクロロブタ−3−エノエート、メチル−2、4、4−トリクロロブタ−3−エノエート、ブチルパークロロクロトネート等を例示することができる。好ましくはブチル−2−メチル−4、4、4−トリクロロブタ−2−エノエート、ブチル−2−メチル−2、4、4−トリクロロブタ−3−エノエート、ブチルパークロロクロトネートである。
(D)カルボン酸誘導体でない含ハロゲン化合物について説明する。
カルボン酸誘導体でない含ハロゲン化合物(D)としては、例えば下記一般式で表せられる化合物をあげられる。

Figure 2005154618
上式において、X〜X16は、各々独立にハロゲンを表わし、好ましくは塩素または臭素である。Y〜Y27は、各々独立に、ハロゲン、水素またはアルキル基、フェニル基、メトキシ基などの活性水素を有しない置換基を表わす。また、R、R9は、各々独立に、炭化水素基または活性水素を有しない置換基を有する炭化水素基を表わす。
具体的には、ベンゾトリクロライド、p−クロロ−ベンゾトリクロライド、ヘキサクロロ−m―キシレン、ヘキサクロロ―p−キシレン、ヘキサクロロアセトン、ヘキサクロロプロペン、ヘキサクロロブタジエン等を例示することができる。好ましくは、芳香環のα位の炭素上に塩素を有するベンゾトリクロライド、p−クロロ−ベンゾトリクロライド、ヘキサクロロ−m―キシレン、ヘキサクロロ―p−キシレンであり、より好ましくは、ヘキサクロロ−m―キシレンである。
(E)この系においてルイス塩基として働く成分について説明する。
この系においてルイス塩基として働く成分(E)としては、例えばエステル化合物、エーテル化合物、アミン化合物などをあげることができ、具体的には、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸ヘキシル、酢酸オクチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、カプロン酸エチル、カプロン酸ブチル、カプリル酸エチル、カプリル酸ブチル、カプリン酸エチル、カプリン酸ブチル、安息香酸エチル、安息香酸ブチル、アジピン酸ジエチルエステル、アジピン酸ジブチルエステル、アジピン酸ジヘキシルエステル、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリヘキシルアミン、N,N,N',N'−テトラメチル―1,4−ジアミノブタン、N,N,N',N'−テトラエチル―1,4−ジアミノブタン、アニリン、ジメチルアニリン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2−ジエトキシエタン、1,4−ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘキサン−1,4−ジオンなどを例示することができる。好ましくは酢酸エチル、酢酸ヘキシル、アジピン酸ジエチルエステル、シクロヘキサノン、1、4−ジオキサンであり、より好ましくは酢酸エチル、アジピン酸ジエチルエステルである。
共重合に際しては、遷移金属錯体(A)と、上記(B)と、上記(C)と上記(D)及び上記(E)とを用いてなるオレフィン重合用触媒を用いる。
各成分の使用量は通常、(A)/(B)/(C)/(D)/(E)のモル比が通常1/(2〜30000)/(0.1〜10000)/(0.1〜10000)/(0.1〜10000)、好ましくは1/(2〜2000)/(1〜1000)/(1〜1000)/(1〜1000)更に好ましくは1/(2〜200)/(1〜20)/(1〜20)/(1〜20)の範囲にあるように、各成分を用いることが望ましい。ただし、不飽和結合を有する鎖状有機基含有カルボン酸誘導体である含ハロゲン化合物(C)、カルボン酸誘導体でない含ハロゲン化合物(D)およびこの系においてルイス塩基として働く成分(E)の使用モル数が有機アルミニウム化合物(B)の使用モル数を越えると触媒活性の低下が生じるので、(B)/(C)のモル比、(B)/(D)のモル比および(B)/(E)のモル比を共に1以上とすることが好ましい。なお、成分(E)を用いなかったり、成分(E)の使用量が不飽和結合を有する鎖状有機基含有カルボン酸誘導体である含ハロゲン化合物(C)および/またはカルボン酸誘導体でない含ハロゲン化合物(D)に対して少な過ぎる場合には触媒活性が低下する場合がある。
上記のように(C)、(D)という異なった二種の含ハロゲン化合物を同時に用いることにより高い活性で共重合体を製造することができる。
各成分を溶液状態もしくは溶媒に懸濁状態で用いる場合の濃度は、重合反応器に各成分を供給する装置の性能などの条件により、適宜選択されるが、一般に、(A)が、通常0.001〜1.0μmol/g、(B)が、通常0.01〜200μmol/g、(C)が、通常0.001〜10μmol/g、(D)が、通常0.001〜10μmol/g、(E)は、通常0.001〜10μmol/gの範囲にあるように各成分を用いることが望ましい。
本発明の共重合体を製造するには、たとえば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、又はメチレンジクロライド等のハロゲン化炭化水素を溶媒として用いる溶媒重合が可能である。重合温度は、−50〜250℃の範囲を取り得るが、特に、20〜70℃が好ましい。重合圧力は、特に限定されるものではないが常圧〜10MPaが好ましい。重合時間は、一般的に、使用する触媒の種類、反応装置により適宜決定されるが、1分間〜20時間の範囲を取ることができる。また、重合体の分子量を調節するために水素等の連鎖移動剤を添加することもできる。
本発明を実施するための好ましい重合方法としては、たとえば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素を溶媒として用いる溶媒重合があげられる。
具体的には下記(I)〜(IV)の条件を満たすことが好ましい。
(I)溶液重合であること
(II)重合温度が20〜70℃であること
(III)滞留時間が5〜120分であること
(IV)重合槽圧力が常圧〜10MPaであること
本発明で製造される共重合体中のエチレン由来単位/α−オレフィン由来単位の重量比は90/10〜30/70であり、好ましくは70/30〜40/60である。該重量比が高すぎると共重合体のゴム弾性が不十分となり実用に耐えられないレベルとなる場合がある。一方で、該重量比が低すぎる場合には強度が不足する場合がある。
本発明で製造される共重合体中のよう素価は1〜40(g/100gポリマー)である。よう素価が高すぎると耐候性に劣る場合がある。
以下、実施例及び比較例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[I]測定方法
実施例における重合体の性質は、下記の方法によって測定した。
(1)プロピレン含有量
赤外分光光度計(日本分光工業社製 IR−810)を用いて赤外吸収スペクトル(IRスペクトル)により測定した。測定サンプルは、ホットプレス機を用いて約0.1mmのフィルムとして測定した。測定値は文献値(赤外吸収スペクトルによるポリエチレンのキャラクタリゼーション 高山、宇佐美 等著 又は Die Makromolekulare Chemie,177,461(1976)Mc Rae,M.A.,MadamS,W.F.等著)に順じ1150cm-1の吸収ピーク(メチル分岐)をマーカーとして3回測定した値の平均値とした。
(2)よう素価
共重合体を熱プレスして厚み0.5mmのフィルム状に成形し、ついで赤外分光計を用いて、ジシクロペンタジエン及び5−エチリデン−2−ノルボルネン由来のピーク(波数1689cm-1、1600cm-1)透過度を求め、共重合体中の二重結合のモル含量を算出し、よう素価に換算した。
(3)分子量及び分子量分布
ゲル・パーミエーション・クロマトグラフ(Water社製 150C/GPC装置)により行う。溶出温度は140℃、使用カラムは、昭和電工社製、Shodex Packed ColumnA−80M、分子量標準物質はポリスチレン(たとえば、東ソー社製、分子量500−8,400,000)を用いた。得られたポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、更にこの比(Mw/Mn)を分子量分布(Q値)とする。測定サンプルは約5mgの重合体を5mlのo−ジクロロベンゼンに溶解し、約1mg/mlの濃度とする。得られたサンプル溶液の400μlをインジェクションし、溶出溶媒流速は1.0ml/minとし、屈折率検出器にて検出した。
[II]実施例及び比較例
実施例1
攪拌羽根、コンデンサ−を備えた2Lのガラス製重合器を用いてエチレン、プロピレン、5−エチリデン−2−ノルボルネンの共重合を行った。まず重合溶媒としてヘキサンを1L、ポリエンとして5−エチリデン−2−ノルボルネン5mmolを重合器に導入する。一方、重合器上部からガス状モノマーとしてエチレンを4NL/min、プロピレン6NL/min、分子量調節の為に水素を1NL/minヘキサンにバブリングさせる形式で導入し、ウォ−タ−バスにて重合器内温を40℃になるように調整した。触媒成分は、ブチル 2−メチル−4、4、4−トリクロロブタ−2−エノエート0.12mmol、ヘキサクロロ−m−キシレン0.12mmol、アジピン酸ジエチルエステル0.12mmol、エチルアルミニウムセスキクロライド(EASC)3.2mmolの順で重合器に導入し、最後にオキシ三塩化バナジウム(VOCl)0.04mmolを添加して重合を開始し、30分経過後に0.1gのBHTを含むメタノ−ル10mlを添加して重合を停止した。重合後のポリマ−溶液を濃縮し、メタノ−ル沈殿法により共重合体を回収し、80℃にて12時間真空乾燥を行った。28.9gの共重合体が得られた(VOCl1mmolあたりに換算して723g)。詳細な結果は表1にまとめた。
比較例1
実施例1において全体の触媒量を倍にし、ブチル−2−メチル−4、4、4−トリクロロブタ−2−エノエートを重合に用いなかったこと以外は基本的に同様な方法で重合した。詳細を表1に示した。
比較例2
実施例1においてブチル−2−メチル−4、4、4−トリクロロブタ−2−エノエートの量を倍にし、アジピン酸ジエチルとヘキサクロロ−m−キシレンを重合に用いなかったこと以外は基本的に同様な方法で重合した。詳細を表1に示した。
比較例3
比較例3において、ブチル−2−メチル−4、4、4−トリクロロブタ−2−エノエートを用いず、かつエチルアルミニウムセスキクロライドを1.6mmol用いたこと以外は基本的に同様な方法で重合した。詳細を表1に示した。

































Figure 2005154618

Claims (5)

  1. 下記成分(i)と(ii)または、下記成分(i)と(ii)と(iii)とを重合させて得られる共重合体の製造方法であって、遷移金属錯体(A)と有機アルミニウム化合物(B)、不飽和結合を有する鎖状有機基含有カルボン酸誘導体である含ハロゲン化合物(C)、カルボン酸誘導体でない含ハロゲン化合物(D)及びこの系においてルイス塩基として働く成分(E)の5種の触媒成分存在下に重合することを特徴とする共重合体の製造方法。
    (i):エチレン
    (ii):炭素数3〜20のα−オレフィン
    (iii):ポリエン
  2. 請求項1記載の不飽和結合を有する鎖状有機基含有カルボン酸誘導体である含ハロゲン化合物(C)が下記構造で表わせられることを特徴とする請求項1記載の共重合体の製造方法。
    Figure 2005154618

    (但し、Aは、酸素、硫黄またはハロゲン原子であり、X、X、Xは、ハロゲン原子であり、R、Rは、ハロゲン、水素または活性水素を有しない有機基であり、更にRは、水素または活性水素を有しない有機基を表わす。上記構造においてAがハロゲンの時Rは存在せず、また、nは1〜4の数をあらわし、Rが水素となるのはnが1の場合だけである。)
  3. 請求項1記載の不飽和結合を有する鎖状有機基含有カルボン酸誘導体である含ハロゲン化合物(C)が下記構造で表わせられることを特徴とする請求項1記載の共重合体の製造方法。

    Figure 2005154618

    (但し、Aは、酸素、硫黄またはハロゲン原子であり、X、Xは、ハロゲン原子であり、R〜Rは、ハロゲン、水素または活性水素を有しない有機基であり、更にR7は、水素または活性水素を有しない有機基を表わす。上記構造においてAがハロゲンの時R7は存在せず、また、nは1〜4の数を表し、R7が水素となるのはnが1の場合だけである。)
  4. 遷移金属錯体として、下記記載のバナジウム化合物(A)を使用する請求項1記載の共重合体の製造方法。
    (A)VO(OR)aCl3-a、VX
    (但し、Rは炭化水素基、Xはハロゲン原子もしくは配位子となりうる含酸素化合物であり、aは0≦a≦3、bはb=3、4を満足する数を表す。)
  5. 遷移金属錯体として請求項4記載の(A)、有機アルミニウム化合物として下記(B)、不飽和結合を有する鎖状有機基含有カルボン酸誘導体である含ハロゲン化合物(C)、カルボン酸誘導体でない含ハロゲン化合物(D)及びこの系においてルイス塩基として働く成分(E)を用いる請求項1記載の共重合体の製造方法。
    (B)一般式 EaAlZ3-aで示される有機アルミニウム化合物
    (但し、Eは炭化水素基であり、Zは水素原子又はハロゲン原子を表す。aは 0<a≦3を満足する数を表す。)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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