JP2006257194A - 共重合体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 分子量分布の狭いエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンと、任意にポリエンとの共重合体の製造方法であって、安価な触媒成分を用い且つ事前に遷移金属錯体と他成分とを反応させて合成、単離した触媒を用いる必要なく、さらに、昇温に対する活性低下が小さい状況下で製造可能という優れた特徴を有する共重合体の製造方法を提供する。
【解決手段】 遷移金属錯体(A)と、有機アルミニウム化合物(B)と、芳香環のo位に水酸基とアルコキシ基を有する化合物(C)とを重合槽に供給し、エチレンと、炭素数3〜20のα−オレフィンと、任意にポリエンとを該重合槽中で共重合させる工程からなる、エチレンと、炭素数3〜20のα−オレフィンと、任意にポリエンとの共重合体の製造方法。
【選択図】 なし
【解決手段】 遷移金属錯体(A)と、有機アルミニウム化合物(B)と、芳香環のo位に水酸基とアルコキシ基を有する化合物(C)とを重合槽に供給し、エチレンと、炭素数3〜20のα−オレフィンと、任意にポリエンとを該重合槽中で共重合させる工程からなる、エチレンと、炭素数3〜20のα−オレフィンと、任意にポリエンとの共重合体の製造方法。
【選択図】 なし
Description
本発明は、共重合体の製造方法に関するものである。さらに詳しくは、分子量分布の狭いエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンと、任意にポリエンとの共重合体の製造方法であって、安価な触媒成分を用い且つ事前に遷移金属錯体と他成分とを反応させて合成、単離した触媒を用いる必要なく、さらに、昇温に対する活性低下が小さい状況下で製造可能という優れた特徴を有する共重合体の製造方法に関するものである。
エチレン−α−オレフィン−非共役ジエンランダム共重合体は耐熱性、耐候性、耐オゾン性等の優れた特性を有しているため、自動車用材料、建築材料、工業用材料、電線用材料などとして広く用いられている。
これらエチレン−α−オレフィン−非共役ジエンランダム共重合体は分子量分布が狭くなるに従い引張強度、引張応力等が向上し、圧縮歪が良くなり、加硫速度が速くなるなど多くの利点がある。このため、分子量分布の狭いエチレン−α−オレフィン−非共役ジエンランダム共重合体の製造方法が各方面で研究されている。
分子量分布の狭いエチレン−α−オレフィン−非共役ジエンランダム共重合体を得る方法は公知である。たとえば、特許文献1には、バナジウム化合物と鎖上ジヒドロキシ炭化水素化合物との反応生成物および有機アルミニウム化合物からなる触媒成分を用いる方法が報告されている。
また、特許文献2には、上記鎖上ジヒドロキシ炭化水素化合物とは別構造のジヒドロキシ化合物とバナジウム化合物との反応性生物からなる触媒成分を用いる方法や、特許文献3には、分子内に有する2箇所の酸素配位部位のうち一つが水酸基でない化合物と遷移金属化合物との反応生成物からなる触媒成分を用いる方法が報告されている。
さらに、熱に対して安定な触媒として特許文献4のような、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドといったメタロセン化合物とアルミノオキサンからなる触媒系が知られており、このような系において分子量分布の狭いエチレン−α−オレフィン系共重合体を製造する方法が報告されている。
しかしながら特許文献1の方法では、ジオールの二つの水酸基が1分子のバナジウム化合物と反応性した化合物、ジオールの二つの水酸基の各々が別々のバナジウム化合物と反応した化合およびジオールの二つの水酸基のうち一つの水酸基しかバナジウム化合物と反応していない化合物の混合物となり、合成単離が困難であった。また、特許文献2、特許文献3および特許文献4の方法では、遷移金属錯体と配位子とを別途反応させて合成した触媒を用いており、さらに高価なメチルアルミノキサンを多量に使用するとという問題があった。
かかる状況において、本発明が解決しようとする課題は、分子量分布の狭いエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンと、任意にポリエンとの共重合体の製造方法であって、安価な触媒成分を用い且つ事前に遷移金属錯体と他成分とを反応させて合成、単離した触媒を用いる必要なく、さらに、昇温に対する活性低下が小さい状況下で製造可能という優れた特徴を有する共重合体の製造方法を提供する点にある。
すなわち本発明は、遷移金属錯体(A)と、有機アルミニウム化合物(B)と、芳香環のo位に水酸基とアルコキシ基を有する化合物(C)とを重合槽に供給し、エチレンと、炭素数3〜20のα−オレフィンと、任意にポリエンとを該重合槽中で共重合させる工程からなる、エチレンと、炭素数3〜20のα−オレフィンと、任意にポリエンとの共重合体の製造方法に係るものである。
本発明により、分子量分布の狭いエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンと、任意にポリエンとの共重合体の製造方法であって、安価な触媒成分を用い且つ事前に遷移金属錯体と他成分とを反応させて合成、単離した触媒を用いる必要なく、さらに、昇温に対する活性低下が小さい状況下で製造可能という優れた特徴を有する共重合体の製造方法を提供することができる。
本発明で用いられる炭素数3〜20のα−オレフィンとして、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン及び1−デセンのような直鎖状オレフィン;3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン及び4−メチル−1−ペンテンのような分岐オレフィン;ならびにビニルシクロヘキサン、を例示することができる。これらのα−オレフィンは、単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。中でも、好ましくはプロピレン、1−ブテンであり、特に好ましくはプロピレンである。
本発明で用いられるポリエンの種類は、特に制限されない。ポリエンとして、直鎖状の非共役ポリエン、環状の非共役ポリエン及び共役ポリエンを例示することができる。具体的なポリエンとして、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、1,5−ヘプタジエン、1,6−ヘプタジエン、1,6−オクタジエン、1,7−オクタジエン、1,7−ノナジエン、1,8−ノナジエン、1,8−デカジエン、1,9−デカジエン、1,12−テトラデカジエン、1,13−テトラデカジエン、3−メチル−1,4−ヘキサジエン、3−メチル−1,5−ヘキサジエン、3−エチル−1,4−ヘキサジエン、3−エチル−1,5−ヘキサジエン、3,3−ジメチル−1,4−ヘキサジエン、3,3−ジメチル−1,5−ヘキサジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−プロピリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、2,5−ノルボルナジエン、7−メチル−2,5−ノルボルナジエン、7−エチル−2,5−ノルボルナジエン、7−プロピル−2,5−ノルボルナジエン、7−ブチル−2,5−ノルボルナジエン、7−ペンチル−2,5−ノルボルナジエン、7−ヘキシル−2,5−ノルボルナジエン、7,7−ジメチル−2,5−ノルボルナジエン、7,7−メチルエチル−2,5−ノルボルナジエン、7−クロロ−2,5−ノルボルナジエン、7−ブロモ−2,5−ノルボルナジエン、7−フルオロ−2,5−ノルボルナジエン、7,7−ジクロロ−2,5−ノルボルナジエン、1−メチル−2,5−ノルボルナジエン、1−エチル−2,5−ノルボルナジエン、1−プロピル−2,5−ノルボルナジエン、1−ブチル−2,5−ノルボルナジエン、1−クロロ−2,5−ノルボルナジエン、1−ブロモ−2,5−ノルボルナジエン、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン(ピペリン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、及び1,3−ヘキサジエンを例示することができる。さらに、下記構造の環状ジエンを例示することができる。
これらのポリエンは、単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。中でも、入手容易性の観点から、EPDMの工業的製造で多用されている、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエンまたは1,4ヘキサジエンが好ましい。
本発明で用いられる遷移金属錯体(A)とは、一般的にZiegler−Natta触媒として用いられる周期表IV〜VII族の金属塩を意味する。
最適な遷移金属錯体(A)は、下式(1)で表されるバナジウム化合物である:
VO(OR)aCl3-a (1)
式(1)中、Rは炭化水素基であり、aは0≦a≦3を満足する数である。
式(1)におけるRの炭化水素基とは、炭素数1〜20の鎖状もしくは分岐を有する炭化水素基である。Rとして、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基およびデシル基を例示することができ、中でも、エチル基またはi−プロピル基が好ましい。
最適な遷移金属錯体(A)は、下式(1)で表されるバナジウム化合物である:
VO(OR)aCl3-a (1)
式(1)中、Rは炭化水素基であり、aは0≦a≦3を満足する数である。
式(1)におけるRの炭化水素基とは、炭素数1〜20の鎖状もしくは分岐を有する炭化水素基である。Rとして、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基およびデシル基を例示することができ、中でも、エチル基またはi−プロピル基が好ましい。
式(1)で表されるバナジウム化合物として、一般に、不活性溶媒に可溶バナジウム化合物が用いられる。中でも、バナジウムのオキシハライド、またはバナジン酸エステルが好ましい。バナジウム化合物として、オキシ三塩化バナジウム(VOCl3)、オキシトリメトキシバナジウム(VO(OMe)3)、オキシトリエトキシバナジウム(VO(OEt)3)、オキシトリイソプロポキシバナジウム(VO(OiPr)3)、オキシトリノルマルプロポキシバナジウム(VO(OnPr)3)、オキシトリノルマルブトキシバナジウム(VO(OnBu)3)、オキシトリ−tert−ブトキシバナジウム(VO(OtBu)3)、オキシクロロジメトキシバナジウム(VO(OMe)2Cl)、オキシクロロジエトキシバナジウム(VO(OEt) 2Cl)、オキシクロロジイソプロポキシバナジウム(VO(OiPr) 2Cl)、オキシクロロジノルマルプロポキシバナジウム(VO(OnPr) 2Cl)、オキシクロロジノルマルブトキシバナジウム(VO(OnBu)2Cl)、オキシクロロジ−tert−ブトキシバナジウム(VO(OtBu)2Cl)、オキシジクロロメトキシバナジウム(VO(OMe)Cl2)、オキシジクロロエトキシバナジウム(VO(OEt)Cl2)、オキシジクロロイソプロポキシバナジウム(VO(OiPr)Cl2)、オキシジクロロノルマルプロポキシバナジウム(VO(OnPr)Cl2)、オキシジクロロノルマルブトキシバナジウム(VO(OnBu)Cl2)、オキシジクロロ−tert−ブトキシバナジウム(VO(OtBu)Cl2)を例示することができる。中でも、好ましくは塩素を有する化合物であり、より好ましくオキシ三塩化バナジウム(VOCl3)である。
式(1)で表されるバナジウム化合物を用いると、均一な溶液重合をより容易に実施することができ、組成分布のより狭い共重合体が得られる。
本発明で用いられる有機アルミニウム化合物(B)とは、一般的にZiegler−Natta触媒の助触媒として用いられる炭化水素基を有するアルミニウム化合物である。
最適な有機アルミニウム化合物(B)は、下式(2)で表される有機アルミニウム化合物である:
EaAlZ3-a (2)
式(2)中、Eは炭化水素基であり;Zは水素原子またはハロゲン原子であり;aは0<a≦3を満足する数である。
EaAlZ3-a (2)
式(2)中、Eは炭化水素基であり;Zは水素原子またはハロゲン原子であり;aは0<a≦3を満足する数である。
式(2)におけるEの炭化水素基として、炭素数1〜8の炭化水素基が好ましく、アルキル基がより好ましい。該炭化水素基として、メチル基、エチル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基およびヘキシル基を例示することができる。
式(2)におけるZのハロゲン原子として、塩素原子および臭素原子を例示することができる。
式(2)で表される化合物として、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、及びトリヘキシルアルミニウムのようなトリアルキルアルミニウム;ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジプロピルアルミニウムクロライド、ジイソブチルアルミニウムクロライド、及びジヘキシルアルミニウムクロライドのようなジアルキルアルミニウムクロライド;メチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、プロピルアルミニウムジクロライド、イソブチルアルミニウムジクロライド、及びヘキシルアルミニウムジクロライドのようなアルキルアルミニウムジクロライド;ならびに、ジメチルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジプロピルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、及びジヘキシルアルミニウムハイドライドのようなジアルキルアルミニウムハイドライドを例示することができる。中でも、好ましくは塩素を有するアルミニウム化合物であり、より好ましくはエチルアルミニウムセスキクロライドである。
本発明で用いられる芳香環のo位に水酸基とアルコキシ基を有する化合物(C)とは、1、2−ジヒドロキシフェノールの1つの水酸基をエーテル化した化合物およびその誘導体である。
最適な芳香環のo位に水酸基とアルコキシ基を有する化合物(C)は、下式(3)で表される化合物である:
式(3)中、R'はアルキル基、アリール基であり、R"は水素、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリーロキシ基であり、R"はすべて同じであっても全て異なっていても良い。
式(3)中、R'はアルキル基、アリール基であり、R"は水素、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリーロキシ基であり、R"はすべて同じであっても全て異なっていても良い。
式(3)におけるR'のアルキル基とは、炭素数1〜20の鎖状もしくは分岐を有する炭化水素基であり、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基およびデシル基を例示することができる。アリール基としては無置換の芳香環やアミノ基やカルボキシル基のような活性水素を有さない置換基を有する芳香環であり、フェニル基、アニシル基、エトキシフェニル基、プロポキシフェニル基、トリル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基を例示することができる。
式(3)におけるR"のハロゲン原子としては塩素、臭素、ヨウ素を例示することができる。アルキル基とは、炭素数1〜20の鎖状もしくは分岐を有する炭化水素基であり、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基およびデシル基を例示することができる。アリール基としては無置換の芳香環や、アミノ基やカルボキシル基のような活性水素を有さない置換基を有する芳香環であり、フェニル基、アニシル基、エトキシフェニル基、プロポキシフェニル基、トリル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基を例示することができる。アルコキシ基としては炭化水素部分が炭素数1〜20の鎖状もしくは分岐を有する炭化水素基であり、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ヘキシロキシ基、オクチロキシ基、ノニロキシ基およびデシロキシ基を例示することができる。アリーロキシ基としてはアリーロキシ基の芳香環上にアミノ基やカルボキシル基のような活性水素を有さない置換基を有する構造のものであり、フェノキシ基、メトキシフェニルオキシ基、エトキシフェニルオキシ基、プロポキシフェニルオキシ基、メチルフェニルオキシ基、エチルフェニルオキシ基、プロピルフェニルオキシ基を例示することができる。
上式で表される化合物として、2−メトキシフェノール、2−エトキシフェノール、2−プロポキシフェノール、2−ブトキシフェノール、2−フェノキシフェノールを例示することができる。中でも、好ましくは、2−メトキシフェノールである。これらの化合物は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合せて用いてもよく、また、遷移金属錯体(A)とあらかじめ接触させて重合槽に供給することも可能である。
本発明において、遷移金属錯体(A)、有機アルミニウム化合物(B)および芳香環のo位に水酸基とアルコキシ基を有する化合物(C)の使用量をそれぞれ(A)、(B)および(C)で表わすと、(A)/(B)/(C)なるモル比は、通常1/2〜30000/0.1〜10000好ましくは1/2〜2000/1〜1000、更に好ましくは1/2〜200/1〜20である。(C)の量が(B)量を越えると、触媒活性が低下する可能性があるので、(B)/(C)なるモル比は1以上であることが好ましい。
本発明で用いられる触媒成分(A)、(B)および(C)を、後記の溶媒を用いた溶液または懸濁液として用いる場合、溶液や懸濁液の濃度は、それらを重合反応器へ供給するための装置にしたがって、適宜選択すればよい。
本発明の場合、通常、望ましくは、遷移金属錯体(A)の濃度は0.001〜2.0μmol/g−溶液または懸濁液、有機アルミニウム化合物(B)の濃度は0.01〜200μmol/g−溶液または懸濁液、芳香環のo位に水酸基とアルコキシ基を有する化合物(C)の濃度は0.001〜20μmol/g−溶液または懸濁液である。
本発明における好ましい共重合法として、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンおよびオクタンのような脂肪族炭化水素;ベンゼンおよびトルエンのような芳香族炭化水素;またはメチレンジクロライドのようなハロゲン化炭化水素、を溶媒として用いる溶媒重合を例示することができる。好ましい溶媒は、ヘキサン、ヘプタンおよびオクタンのような脂肪族炭化水素である。
重合温度は通常−50〜250℃、特に好ましくは20〜70℃である。重合圧力は特に限定されず、常圧〜10MPaが好ましい。重合時間は、使用する触媒の種類や重合槽にしたがって適宜決定すればよく、通常1分間〜20時間である。得られる共重合体の分子量を調節するために、水素のような連鎖移動剤を使ってもよい。
本発明における好ましい共重合条件は、(1)溶液重合であること、(2)重合温度が20〜70℃であること、(3)重合槽中の滞留時間が5〜120分であること、(4)重合槽圧力が常圧〜10MPaであること、である。
本発明の製造方法で得られる共重合体中のエチレン単位/α−オレフィン単位の重量比は、好ましくは90/10〜30/70、より好ましくは70/30〜40/60である。エチレン単位が90を超えると、得られる共重合体のゴム弾性が不十分であり、その結果、実用に耐えられない場合がある。エチレン単位が90未満であると、得られる共重合体の強度が不足する場合がある。ここで、「エチレン単位」のような用語は、「重合されたモノマーの単位」を意味する。
本発明の製造方法で得られる共重合体のよう素価は、1〜40g/100g−共重合体が好ましい。よう素価が40g/100g−共重合体を超えると、得られる共重合体の耐候性が劣る場合がある。
本発明の製造方法で製造される共重合体の代表的な用途として、自動車用材料、建築用材料、工業用材料および電線用材料を例示することができる。
以下、実施例及び比較例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。得られた共重合体の性質を、下記の方法によって測定した。
1.プロピレン単位の含有量(重量%)
以下の方法で測定した:
(1)標準品としてのポリプロピレン、ポリエチレンおよびエチレン−プロピレン共重合体(エチレン単位50重量%、プロピレン単位50重量%を含有)、ならびに、共重合体のそれぞれを、ホットプレス機を用いて、厚さ約0.1mmのフィルムに成形する、
(2)該フィルムの赤外吸収スペクトルを、赤外分光光度計(日本分光工業社製IR−810)を用いて3回採る、
(3)各赤外吸収スペクトルの1154cm-1の吸収ピーク(メチル分岐)の透過度を、高山、宇佐美等著「赤外吸収スペクトルによるポリエチレンのキャラクタリゼーション」、又は、Mc Rae,M.A.、MadamS,W.F.等著「Die Makromolekulare Chemie,177,461(1976)」に準じて求め、3回の平均値を測定値とする、
(4)各共重合体ゴムの測定値を、標準品の測定値と対比して、各共重合体ゴム中のプロピレン単位の含有量を求める。
1.プロピレン単位の含有量(重量%)
以下の方法で測定した:
(1)標準品としてのポリプロピレン、ポリエチレンおよびエチレン−プロピレン共重合体(エチレン単位50重量%、プロピレン単位50重量%を含有)、ならびに、共重合体のそれぞれを、ホットプレス機を用いて、厚さ約0.1mmのフィルムに成形する、
(2)該フィルムの赤外吸収スペクトルを、赤外分光光度計(日本分光工業社製IR−810)を用いて3回採る、
(3)各赤外吸収スペクトルの1154cm-1の吸収ピーク(メチル分岐)の透過度を、高山、宇佐美等著「赤外吸収スペクトルによるポリエチレンのキャラクタリゼーション」、又は、Mc Rae,M.A.、MadamS,W.F.等著「Die Makromolekulare Chemie,177,461(1976)」に準じて求め、3回の平均値を測定値とする、
(4)各共重合体ゴムの測定値を、標準品の測定値と対比して、各共重合体ゴム中のプロピレン単位の含有量を求める。
2.分子量及び分子量分布
共重合体約5mgをo−ジクロロベンゼン5mlに溶解して得られる溶液を用い、以下の条件下、ゲルパーミエイションクロマトグラフ(GPC)法によって測定した:
(1)GPC装置として、Waters社製の商品名150C/GPCなる装置を用いる、
(2)カラムとして、昭和電工社製の商品名Sodex Packed ColumnA−80Mなるカラムを用いる、
(3)上記溶液400μlをインジェクションする、
(4)溶出温度を140℃とする、
(5)溶出溶媒流速を1.0ml/minとする、
(6)検出器として、屈折率検出器を用いる、
(7)分子量標準物質として、東ソー社製の分子量500−8,400,000なるポリスチレンを用いる、
(8)ポリスチレンの分子鎖長に換算された値として、共重合体ゴムの重量平均分子鎖量(Mw)および数平均分子量(Mn)を求め、次いで、分子量分布Q値(Mw/Mn)を求める。
共重合体約5mgをo−ジクロロベンゼン5mlに溶解して得られる溶液を用い、以下の条件下、ゲルパーミエイションクロマトグラフ(GPC)法によって測定した:
(1)GPC装置として、Waters社製の商品名150C/GPCなる装置を用いる、
(2)カラムとして、昭和電工社製の商品名Sodex Packed ColumnA−80Mなるカラムを用いる、
(3)上記溶液400μlをインジェクションする、
(4)溶出温度を140℃とする、
(5)溶出溶媒流速を1.0ml/minとする、
(6)検出器として、屈折率検出器を用いる、
(7)分子量標準物質として、東ソー社製の分子量500−8,400,000なるポリスチレンを用いる、
(8)ポリスチレンの分子鎖長に換算された値として、共重合体ゴムの重量平均分子鎖量(Mw)および数平均分子量(Mn)を求め、次いで、分子量分布Q値(Mw/Mn)を求める。
実施例1
攪拌羽根およびコンデンサ−を備えた2Lのガラス製重合器に、ヘキサン(重合溶媒)1Lを導入した。次に、重合器の上部から、該ヘキサン中へ、エチレンガス(モノマー)を4NL/minの速度で、プロピレンガスを6NL/minの速度で、水素(分子量調節剤)を1NL/minの速度で、それぞれバブリングして供給し、重合器の内温を、ウォ−タ−バスにて、30℃に調整した。
攪拌羽根およびコンデンサ−を備えた2Lのガラス製重合器に、ヘキサン(重合溶媒)1Lを導入した。次に、重合器の上部から、該ヘキサン中へ、エチレンガス(モノマー)を4NL/minの速度で、プロピレンガスを6NL/minの速度で、水素(分子量調節剤)を1NL/minの速度で、それぞれバブリングして供給し、重合器の内温を、ウォ−タ−バスにて、30℃に調整した。
次いで、触媒成分として、エチルアルミニウムセスキクロライド(EASC)0.8mmol、およびオキシ三塩化バナジウム(VOCl3)0.05mmolと2−メトキシフェノール0.05mmolとを、滴下ロート中で1分間混合して得た混合物をこの順で重合器に導入し、重合を開始させた。
重合開始から30分経過後に、メタノ−ル10mlを添加して重合を停止した。得られた反応混合物(ポリマ−溶液)を濃縮し、メタノ−ル沈殿法によって共重合体を回収し、80℃にて12時間真空乾燥し、エチレン−プロピレンの共重合体5.45gを得た。VOCl31mmolあたりの共重合体量は110gであった。
該共重合体のプロピレン単位含量は37wt%、Q値はYYであった。結果を表1にまとめた。
重合開始から30分経過後に、メタノ−ル10mlを添加して重合を停止した。得られた反応混合物(ポリマ−溶液)を濃縮し、メタノ−ル沈殿法によって共重合体を回収し、80℃にて12時間真空乾燥し、エチレン−プロピレンの共重合体5.45gを得た。VOCl31mmolあたりの共重合体量は110gであった。
該共重合体のプロピレン単位含量は37wt%、Q値はYYであった。結果を表1にまとめた。
実施例2
重合温度を40℃にして、使用触媒量を全て2倍にしたこと以外、実施例1と同じにして、共重合体を得た。結果を表1にまとめた。
重合温度を40℃にして、使用触媒量を全て2倍にしたこと以外、実施例1と同じにして、共重合体を得た。結果を表1にまとめた。
比較例1
実施例1において、2−メトキシフェノールを用いなかったこと以外は基本的に同様な方法で重合した。詳細を表1に示した。
実施例1において、2−メトキシフェノールを用いなかったこと以外は基本的に同様な方法で重合した。詳細を表1に示した。
比較例2
実施例2において、2−メトキシフェノールを用いなかったこと以外は基本的に同様な方法で重合した。詳細を表1に示した。
実施例2において、2−メトキシフェノールを用いなかったこと以外は基本的に同様な方法で重合した。詳細を表1に示した。
上記の結果から次のことがわかる。本発明による触媒である2−メトキシフェノールを用いた実施例1、2では分子量分布が狭く、かつ昇温による活性低下度合が小さい。一方、従来の技術の触媒である比較例1、2は、分子量分布が広く、昇温による活性低下度合が大きい。
Claims (5)
- 遷移金属錯体(A)と、有機アルミニウム化合物(B)と、芳香環のo位に水酸基とアルコキシ基を有する化合物(C)とを重合槽に供給し、エチレンと、炭素数3〜20のα−オレフィンと、任意にポリエンとを該重合槽中で共重合させる工程からなる、エチレンと、炭素数3〜20のα−オレフィンと、任意にポリエンとの共重合体の製造方法。
- 遷移金属錯体(A)と芳香環のo位に水酸基とアルコキシ基を有する化合物(C)とをあらかじめ接触させて重合槽に供給することを特徴とする請求項1記載の共重合体の製造方法。
- 遷移金属錯体(A)が下式(1)で表されるバナジウム化合物である請求項1記載の共重合体の製造方法。
VO(OR)aCl3-a (1)
式(1)中、Rは炭化水素基であり、aは0≦a≦3を満足する数である。 - 有機アルミニウム化合物(B)が下式(2)で表される有機アルミニウム化合物である請求項1記載の共重合体の製造方法。
aAlZ3-a (2)
(2)中、Eは炭化水素基であり;Zは水素原子またはハロゲン原子であり;aは0<a≦3を満足する数である。 - 芳香環のo位に水酸基とアルコキシ基を有する化合物(C)が下式(3)で表される化合物である請求項1記載の共重合体の製造方法。
(3)中、R'はアルキル基、アリール基であり、R"は水素、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリーロキシ基であり、R"はすべて同じであっても全て異なっていても良い。
Priority Applications (1)
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JP2005074731A JP2006257194A (ja) | 2005-03-16 | 2005-03-16 | 共重合体の製造方法 |
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