JP2005314521A - シリルノルボルネン−オレフィン共重合体およびその製造方法 - Google Patents
シリルノルボルネン−オレフィン共重合体およびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005314521A JP2005314521A JP2004133174A JP2004133174A JP2005314521A JP 2005314521 A JP2005314521 A JP 2005314521A JP 2004133174 A JP2004133174 A JP 2004133174A JP 2004133174 A JP2004133174 A JP 2004133174A JP 2005314521 A JP2005314521 A JP 2005314521A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- copolymer
- silylnorbornene
- same
- olefin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
- Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)
Abstract
【課題】 耐油性、他のゴムとの相溶性を改質し得るシリルノルボルナン骨格を高分子鎖上に有するエチレン−α−オレフィン系共重合体、およびその共重合体を製造するにおいて、シリルノルボルネンを用いることで、従来より少ない工程でシリル基含有オレフィン共重合体を製造する方法を提供する。
【解決手段】 下記化学式(式1)で表されるシリル基がノルボルナン環に直結したシリルノルボルナン骨格を高分子鎖中に含有するシリルノルボルネン−オレフィン共重合体。
(但し、Xはハロゲン、アルコキシ基、水酸基またはシロキシ基であり、Xは全て同じでも良いし、全て異なっていても良い。また、Rはアルキル基であり、Rは全て同じでも良いし、全て異なっていても良い。また、nは1≦n≦3を満足する整数を表す。)
【選択図】 なし
【解決手段】 下記化学式(式1)で表されるシリル基がノルボルナン環に直結したシリルノルボルナン骨格を高分子鎖中に含有するシリルノルボルネン−オレフィン共重合体。
(但し、Xはハロゲン、アルコキシ基、水酸基またはシロキシ基であり、Xは全て同じでも良いし、全て異なっていても良い。また、Rはアルキル基であり、Rは全て同じでも良いし、全て異なっていても良い。また、nは1≦n≦3を満足する整数を表す。)
【選択図】 なし
Description
本発明は、エチレン−α−オレフィン−ジエン共重合体改質用のシリルノルボルネン−オレフィン共重合体、およびその製造方法に関するものである。
エチレン−α−オレフィン系共重合体は耐熱性、耐候性、耐オゾン性等の優れた特性を有しているため、自動車用材料、建築材料、工業用材料、電線用材料などとして広く用いられている。
しかしながら、これらエチレン−α−オレフィン系共重合体を合成するにあたり、極性基を有するモノマーは重合反応が進行し難く、エチレン−α−オレフィン系共重合体中に極性基を導入することは困難である。その為、極性基等の導入によるエチレン−α−オレフィン系共重合体の改質、特に耐油性、あるいは接着性や他のゴムとの相溶性の改良などが望まれる。
近年、末端ビニル基含有ノルボルネンを第三成分として用いて、エチレン−α−オレフィン系共重合体を合成し、その後、その末端ビニル基にヒドロシランをヒドロシリル化させることでエチレン−α−オレフィン系共重合体中にシリル基を導入する方法が報告されている(特許文献1)。しかしながら、これらの方法においては重合反応に加え更に1工程の反応(ヒドロシリル化)が必要であり、且つヒドロシリル化が高分子反応となるため、反応が充分に進行しない可能性がある。
かかる状況の下、本発明が解決しようとする課題は、耐油性、他のゴムとの相溶性を改質し得るシリルノルボルナン骨格を高分子鎖上に有するシリルノルボルネン−オレフィン共重合体、およびその共重合体を製造するにおいて、シリルノルボルネンを用いることで、従来より少ない工程でシリル基含有オレフィン共重合体を製造する方法を提供することにある。
すなわち、本発明のうち第一の発明は、下記化学式(式1)で表されるシリル基がノルボルナン環に直結したシリルノルボルナン骨格を高分子鎖中に含有するシリルノルボルネン−オレフィン共重合体に係るものである。
(但し、Xはハロゲン、アルコキシ基、水酸基またはシロキシ基であり、Xは全て同じでも良いし、全て異なっていても良い。また、Rはアルキル基であり、Rは全て同じでも良いし、全て異なっていても良い。また、nは1≦n≦3を満足する整数を表す。)
(但し、Xはハロゲン、アルコキシ基、水酸基またはシロキシ基であり、Xは全て同じでも良いし、全て異なっていても良い。また、Rはアルキル基であり、Rは全て同じでも良いし、全て異なっていても良い。また、nは1≦n≦3を満足する整数を表す。)
また、第二の発明は、第一の発明の共重合体を、遷移金属錯体と有機アルミニウム化合物の存在下に、下記成分(i)を必須成分とし、その他の成分として下記成分(ii)と(iii)と(iv)の内の少なくとも1つ以上とを重合させることを特徴とするシリルノルボルナン骨格を高分子鎖中に含有するシリルノルボルネン−オレフィン共重合体の製造方法に係るものである。
(i):シリルノルボルネン
(ii): エチレン
(iii):炭素数3〜20のα−オレフィン
(iv): ポリエン
(i):シリルノルボルネン
(ii): エチレン
(iii):炭素数3〜20のα−オレフィン
(iv): ポリエン
本発明により、耐油性、他のゴムとの相溶性を改質し得るシリルノルボルナン骨格を高分子鎖上に有するエチレン−α−オレフィン系共重合体、およびその共重合体を製造するにおいて、シリルノルボルネンを用いることで、従来より少ない工程でシリル基含有オレフィン共重合体を製造する方法を提供することができる。
本発明で製造される共重合体中のシリルノルボルナン骨格(式1)の含有量は0.1〜30重量%である。シリルノルボルナン骨格含有量が低すぎると耐油性が不十分となる場合がある。一方で、シリルノルボルナン骨格含有量が高すぎるとゲル分の生成が起きやすくなり、物性上あるいは貯蔵上、更にはコスト的に不利になるので好ましくない。
(但し、Xはハロゲン、アルコキシ基、水酸基またはシロキシ基であり、Xは全て同じでも良いし、全て異なっていても良い。また、Rはアルキル基であり、Rは全て同じでも良いし、全て異なっていても良い。また、nは1≦n≦3を満足する整数を表す。)
本発明の共重合体中のエチレン由来単位/α−オレフィン由来単位の重量比は90/10〜30/70であり、好ましくは70/30〜40/60である。該重量比が高すぎると共重合体のゴム弾性が不十分となり実用に耐えられないレベルとなる場合がある。一方で、該重量比が低すぎる場合には強度が不足する場合がある。
(但し、Xはハロゲン、アルコキシ基、水酸基またはシロキシ基であり、Xは全て同じでも良いし、全て異なっていても良い。また、Rはアルキル基であり、Rは全て同じでも良いし、全て異なっていても良い。また、nは1≦n≦3を満足する整数を表す。)
本発明の共重合体中のエチレン由来単位/α−オレフィン由来単位の重量比は90/10〜30/70であり、好ましくは70/30〜40/60である。該重量比が高すぎると共重合体のゴム弾性が不十分となり実用に耐えられないレベルとなる場合がある。一方で、該重量比が低すぎる場合には強度が不足する場合がある。
本発明の共重合体のGPC測定におけるQ値(重量平均分子鎖長/数平均分子鎖長)は4以上である必要があり、好ましくは10以上である。Q値が過少であると、得られる該共重合体の加工性が悪化する場合がある。
また、ここで上記(式1)のXとしては、塩素、臭素、ヨウ素、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、フェノキシ基、水酸基、トリメチルシロキシ基、トリエチルシロキシ基、トリ−n−プロピルシロキシ基、トリイソプロピルシロキシ基、トリ−n−ブチルシロキシ基、トリ−sec−ブチルシロキシ基、トリ−tert−ブチルシロキシ基、トリフェニルシロキシ基、トリメトキシシロキシ基、トリエトキシシロキシ基、トリ−n−プロポキシシロキシ基、トリイソプロポキシシロキシ基、トリ−n−ブトキシシロキシ基、トリ−sec−ブトキシシロキシ基、トリ−tert−ブトキシシロキシ基、トリフェノキシシロキシ基、(式1)のRとしては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、フェニル基などがあげられる。また、高分子鎖内の二つのシリルノルボルナン骨格間でシロキシ結合を生成していても良い。
本発明の共重合体は、下記成分(i)を必須成分とし、その他の成分として下記成分(ii)と(iii)と(iv)の内の少なくとも1つ以上とを、後記のとおり触媒系の存在下に重合させることにより製造し得る。
本発明の(i)は、下記(式2)で表せられるシリルノルボルネンである。
(但し、Yはハロゲン、アルコキシ基、水酸基またはシロキシ基であり、Yは全て同じでも良いし、全て異なっていても良い。また、Rはアルキル基であり、全て同じでも良いし、全て異なっていても良い。nは1≦n≦3を満足する整数を表す。)
(但し、Yはハロゲン、アルコキシ基、水酸基またはシロキシ基であり、Yは全て同じでも良いし、全て異なっていても良い。また、Rはアルキル基であり、全て同じでも良いし、全て異なっていても良い。nは1≦n≦3を満足する整数を表す。)
ここで(式2)のYとしては、塩素、臭素、ヨウ素、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、フェノキシ基、水酸基、トリメチルシロキシ基、トリエチルシロキシ基、トリ−n−プロピルシロキシ基、トリイソプロピルシロキシ基、トリ−n−ブチルシロキシ基、トリ−sec−ブチルシロキシ基、トリ−tert−ブチルシロキシ基、トリフェニルシロキシ基、トリメトキシシロキシ基、トリエトキシシロキシ基、トリ−n−プロポキシシロキシ基、トリイソプロポキシシロキシ基、トリ−n−ブトキシシロキシ基、トリ−sec−ブトキシシロキシ基、トリ−tert−ブトキシシロキシ基、トリフェノキシシロキシ基、(式2)のRとしては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、フェニル基などがあげられる。具体的には、5−トリクロロシリル−2−ノルボルネン、5−ジクロロメチルシリル−2−ノルボルネン、5−クロロジメチルシリル−2−ノルボルネン、5−トリブロモシリル−2−ノルボルネン、5−ジブロモメチルシリル−2−ノルボルネン、5−ブロモジメチルシリル−2−ノルボルネン、5−ジクロロエチルシリル−2−ノルボルネン、5−クロロジエチルシリル−2−ノルボルネン、5−トリメトキシシリル−2−ノルボルネン、5−トリエトキシシリル−2−ノルボルネン等が例示される。好ましくは、ケイ素原子上の置換基としてハロゲン原子を有する化合物であり、特に好ましくはケイ素原子上の置換基として塩素を有する化合物であり5−トリクロロシリル−2−ノルボルネンが挙げられる。ここで上記に示したシリルノルボルネンの中で、モノマーとしてハロゲン化シリルノルボルネンを用いて合成した場合、共重合体の回収時にアルコールを用いた沈殿法を採用することで、ハロゲン化シリル基を、より極性の高いアルコキシシリル基に変換することも可能である。
本発明の(ii)は、エチレンである。
本発明の(iii)は、炭素数3〜20のα−オレフィンである。
α−オレフィンとしては、同時に2種類以上のモノマーを用いることもできる。α−オレフィンの具体例としては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネンおよび1−デセンの直鎖状オレフィン類、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン等の分岐オレフィン類、ビニルシクロヘキサン等が例示される。好ましくは、プロピレン、1−ブテンであり、特に好ましくはプロピレンである。
本発明の(iv)は、ポリエンであり、特に制限はない。
(iv)としては、直鎖又は環状の非共役ポリエン、共役ポリエンモノマーを用いることができるが、具体的には、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、1,5−ヘプタジエン、1,6−ヘプタジエン、1,6−オクタジエン、1,7−オクタジエン、1,7−ノナジエン、1,8−ノナジエン、1,8−デカジエン、1,9−デカジエン、1,12−テトラデカジエン、1,13−テトラデカジエン、3−メチル−1,4−ヘキサジエン、3−メチル−1,5−ヘキサジエン、3−エチル−1,4−ヘキサジエン、3−エチル−1,5−ヘキサジエン、3,3−ジメチル−1,4−ヘキサジエン、3,3−ジメチル−1,5−ヘキサジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−プロピリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、2,5−ノルボルナジエン、7−メチル−2,5−ノルボルナジエン、7−エチル−2,5−ノルボルナジエン、7−プロピル−2,5−ノルボルナジエン、7−ブチル−2,5−ノルボルナジエン、7−ペンチル−2,5−ノルボルナジエン、7−ヘキシル−2,5−ノルボルナジエン、7,7−ジメチル−2,5−ノルボルナジエン、7,7−メチルエチル−2,5−ノルボルナジエン、7−クロロ−2,5−ノルボルナジエン、7−ブロモ−2,5−ノルボルナジエン、7−フルオロ−2,5−ノルボルナジエン、7,7−ジクロロ−2,5−ノルボルナジエン、1−メチル−2,5−ノルボルナジエン、1−エチル−2,5−ノルボルナジエン、1−プロピル−2,5−ノルボルナジエン、1−ブチル−2,5−ノルボルナジエン、1−クロロ−2,5−ノルボルナジエン、1−ブロモ−2,5−ノルボルナジエン、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン(ピペリレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンおよび1,3−ヘキサジエンをあげることができる。更に下記の構造の環状ジエンもあげられる。
本発明においては、これらのポリエンを1種又は2種以上組み合せて用いることもできる。入手性の観点からは、現在EPDMで多用されている5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、1,4ヘキサジエンが好ましい。
本発明の共重合体は、遷移金属錯体と有機アルミニウム化合物の存在下、上記成分(i)と上記成分(ii)と(iii)と(iv)の内の少なくとも1つ以上とを重合させて得られるものである。
本発明の共重合体は、遷移金属錯体(A)と、下記(B)とを用いてなる触媒の存在下に最適に製造され得る。
(A):下記一般式で表される遷移金属錯体である。
VO(OR)aCl3-a
(但し、Rは炭化水素基であり、aは0≦a≦3を満足する数を表す。)
(B):下記一般式で表せられる有機アルミニウム化合物である。
EaAlZ3-a
(但し、Eは炭化水素基であり、Zは水素原子又はハロゲン原子を表す。aは0<a≦3を満足する数を表す。)
以下、上記の製造法について、更に詳しく説明する。
(A):下記一般式で表される遷移金属錯体である。
VO(OR)aCl3-a
(但し、Rは炭化水素基であり、aは0≦a≦3を満足する数を表す。)
(B):下記一般式で表せられる有機アルミニウム化合物である。
EaAlZ3-a
(但し、Eは炭化水素基であり、Zは水素原子又はハロゲン原子を表す。aは0<a≦3を満足する数を表す。)
以下、上記の製造法について、更に詳しく説明する。
(A):遷移金属錯体について説明する。
遷移金属錯体(A)としては、下記一般式で表せられるバナジウム化合物である。
VO(OR)aCl3-a
(但し、Rは炭化水素基であり、aは0≦a≦3を満足する数を表す。)
好ましくはオキシ三塩化バナジウム(VOCl3)である。
VO(OR)aCl3-a
(但し、Rは炭化水素基であり、aは0≦a≦3を満足する数を表す。)
好ましくはオキシ三塩化バナジウム(VOCl3)である。
一般式VO(OR)aCl3-aで置換基Rにおけるアルキル基としては、炭素原子数1〜20のアルキル基が好ましく、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などがあげられる。
なお、Aの替りに本発明の範疇に無い、遷移金属錯体を用いた場合、著しい組成分布を生じ、均一な溶液重合を実施できない場合があるが、メタロセン触媒のような他の金属錯体を用いても充分製造され得る。
(B)アルミニウム化合物について説明する。
アルミニウム化合物(B)としては、下記一般式で表せられる有機アルミニウム化合物である。
EaAlZ3-a
(但し、Eは炭化水素基であり、Zは水素原子又はハロゲン原子を表す。aは0<a≦3を満足する数を表す。)
Eにおける炭化水素基としては、炭素数1〜8の炭化水素基が好ましく、アルキル基がより好ましい。
EaAlZ3-a
(但し、Eは炭化水素基であり、Zは水素原子又はハロゲン原子を表す。aは0<a≦3を満足する数を表す。)
Eにおける炭化水素基としては、炭素数1〜8の炭化水素基が好ましく、アルキル基がより好ましい。
一般式 EaAlZ3-aで示される有機アルミニウム化合物(B)の具体例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウムのようなトリアルキルアルミニウム;ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジプロピルアルミニウムクロライド、ジイソブチルアルミニウムクロライド、ジヘキシルアルミニウムクロライドのようなジアルキルアルミニウムクロライド;メチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、プロピルアルミニウムジクロライド、イソブチルアルミニウムジクロライド、ヘキシルアルミニウムジクロライドのようなアルキルアルミニウムジクロライド;エチルアルミニウムセスキクロライドのようなアルミニウムセスキクロライド;ならびにジメチルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジプロピルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライドおよびジヘキシルアルミニウムハイドライドのようなジアルキルアルミニウムハイドライドを例示することができる。
好ましくは、塩素を有するアルミニウム化合物であり、より好ましくは、エチルアルミニウムセスキクロライドである。
共重合に際しては、遷移金属錯体(A)及び(B)とを用いてなるオレフィン重合用触媒を用いる。
各成分の使用量は通常、(B)/(A)のモル比が通常2〜50、好ましくは5〜20の範囲にあるように各成分を用いることが望ましい。
各成分を溶液状態もしくは溶媒に懸濁状態で用いる場合の濃度は、重合反応器に各成分を供給する装置の性能などの条件により各成分を溶液状態もしくは溶媒に懸濁状態で用いる場合の濃度は、重合反応器に各成分を供給する装置の性能などの条件により、適宜選択されるが、一般に、(A)が、通常0.01〜2.0μmol/g、(B)が、通常0.1〜8μmol/gの範囲にあるように各成分を用いることが望ましい。
本発明の共重合体を製造するには、たとえば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、又はメチレンジクロライド等のハロゲン化炭化水素を溶媒として用いる溶媒重合が可能である。重合温度は、−50〜250℃の範囲を取り得るが、特に、20〜70℃が好ましい。重合圧力は、特に限定されるものではないが常圧〜10MPaが好ましい。重合時間は、一般的に、使用する触媒の種類、反応装置により適宜決定されるが、1分間〜20時間の範囲を取ることができる。また、重合体の分子量を調節するために水素等の連鎖移動剤を添加することもできる。
本発明を実施するための好ましい重合方法としては、たとえば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素を溶媒として用いる溶媒重合があげられる。
具体的には下記(I)〜(IV)の条件を満たすことが好ましい。
(I)溶液重合であること
(II)重合温度が20〜70℃であること
(III)滞留時間が5〜120分であること
(IV)重合槽圧力が常圧〜10MPaであること
(I)溶液重合であること
(II)重合温度が20〜70℃であること
(III)滞留時間が5〜120分であること
(IV)重合槽圧力が常圧〜10MPaであること
以下、実施例及び比較例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[I]測定方法
実施例における重合体の性質は、下記の方法によって測定した。
実施例における重合体の性質は、下記の方法によって測定した。
(1)プロピレン含有量およびシリルノルボルナン含量
プロトン核磁気共鳴装置(ブルカー社製 AVANCE600)を用いてプロトン核磁気共鳴スペクトル(1H−NMRスペクトル)により測定した。測定サンプルは、約10mgの共重合体を、5mm径の試料管に入れ、0.5mlのオルトジクロロベンゼン−d4に溶解し、135℃で測定した。プロピレン単位の定量には、1H−NMRスペクトルの0.7から1.1ppmに観測されるシグナルの積分値を用いた。シリルノルボルナン単位の定量には、1H−NMRスペクトルの0.4から0.5ppmに観測されるシグナルの積分値を用いた。
プロトン核磁気共鳴装置(ブルカー社製 AVANCE600)を用いてプロトン核磁気共鳴スペクトル(1H−NMRスペクトル)により測定した。測定サンプルは、約10mgの共重合体を、5mm径の試料管に入れ、0.5mlのオルトジクロロベンゼン−d4に溶解し、135℃で測定した。プロピレン単位の定量には、1H−NMRスペクトルの0.7から1.1ppmに観測されるシグナルの積分値を用いた。シリルノルボルナン単位の定量には、1H−NMRスペクトルの0.4から0.5ppmに観測されるシグナルの積分値を用いた。
(2)分子量及び分子量分布
ゲル・パーミエーション・クロマトグラフ(Water社製 150C/GPC装置)により行う。溶出温度は140℃、使用カラムは、昭和電工社製、Shodex Packed ColumnA−80M、分子量標準物質はポリスチレン(たとえば、東ソー社製、分子量500−8,400,000)を用いた。得られたポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、更にこの比(Mw/Mn)を分子量分布(Q値)とする。測定サンプルは約5mgの重合体を5mlのo−ジクロロベンゼンに溶解し、約1mg/mlの濃度とする。得られたサンプル溶液の400μlをインジェクションし、溶出溶媒流速は1.0ml/minとし、屈折率検出器にて検出した。
ゲル・パーミエーション・クロマトグラフ(Water社製 150C/GPC装置)により行う。溶出温度は140℃、使用カラムは、昭和電工社製、Shodex Packed ColumnA−80M、分子量標準物質はポリスチレン(たとえば、東ソー社製、分子量500−8,400,000)を用いた。得られたポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、更にこの比(Mw/Mn)を分子量分布(Q値)とする。測定サンプルは約5mgの重合体を5mlのo−ジクロロベンゼンに溶解し、約1mg/mlの濃度とする。得られたサンプル溶液の400μlをインジェクションし、溶出溶媒流速は1.0ml/minとし、屈折率検出器にて検出した。
[II]実施例及び比較例
実施例1
攪拌羽根、コンデンサ−を備えた2Lのガラス製重合器を用いてエチレン、プロピレン、5−トリクロロシリル−2−ノルボルネンの共重合を行った。まず重合溶媒としてヘキサンを1L、シリル基含有ノルボルネンとして5−トリクロロシリル−2−ノルボルネン5mmolを重合器に導入する。一方、重合器上部からガス状モノマーとしてエチレンを4NL/min、プロピレン6NL/min、分子量調節の為に水素を1NL/minヘキサンにバブリングさせる形式で導入し、ウォ−タ−バスにて重合器内温を30℃になるように調整した。その後、エチルアルミセスキクロライド(EASC)を1.6mmol添加し、最後にオキシ三塩化バナジウム(VOCl3)0.2mmolを添加して重合を開始し、30分経過後に0.1gのBHTを含むメタノ−ル10mlを添加して重合を停止した。重合後のポリマ−溶液を濃縮し、メタノ−ル沈殿法により共重合体を回収し、80℃にて12時間真空乾燥を行った。4.92gの共重合体が得られた(VOCl31mmolあたりに換算して25g)。以上の操作により、プロピレン含量が46重量%、シリルノルボルネン含量が6重量%のエチレン/プロピレン/シリル基含有ノルボルネン共重合体が得られ、GPC測定の結果、Q値=11.7であった。詳細な結果は表1にまとめた。
実施例1
攪拌羽根、コンデンサ−を備えた2Lのガラス製重合器を用いてエチレン、プロピレン、5−トリクロロシリル−2−ノルボルネンの共重合を行った。まず重合溶媒としてヘキサンを1L、シリル基含有ノルボルネンとして5−トリクロロシリル−2−ノルボルネン5mmolを重合器に導入する。一方、重合器上部からガス状モノマーとしてエチレンを4NL/min、プロピレン6NL/min、分子量調節の為に水素を1NL/minヘキサンにバブリングさせる形式で導入し、ウォ−タ−バスにて重合器内温を30℃になるように調整した。その後、エチルアルミセスキクロライド(EASC)を1.6mmol添加し、最後にオキシ三塩化バナジウム(VOCl3)0.2mmolを添加して重合を開始し、30分経過後に0.1gのBHTを含むメタノ−ル10mlを添加して重合を停止した。重合後のポリマ−溶液を濃縮し、メタノ−ル沈殿法により共重合体を回収し、80℃にて12時間真空乾燥を行った。4.92gの共重合体が得られた(VOCl31mmolあたりに換算して25g)。以上の操作により、プロピレン含量が46重量%、シリルノルボルネン含量が6重量%のエチレン/プロピレン/シリル基含有ノルボルネン共重合体が得られ、GPC測定の結果、Q値=11.7であった。詳細な結果は表1にまとめた。
Claims (6)
- 請求項1記載のシリルノルボルナン骨格の含量が0.1〜30重量%、エチレン由来単位/α−オレフィン由来単位の重量比が90/10〜30/70であることを特徴とする請求項1記載の共重合体。
- GPC測定におけるQ値(重量平均分子鎖長/数平均分子鎖長)が4以上であることを特徴とする請求項1記載の共重合体。
- 遷移金属錯体と有機アルミニウム化合物の存在下に、下記成分(i)を必須成分とし、その他の成分として下記成分(ii)と(iii)と(iv)の内の少なくとも1つ以上とを重合させることを特徴とする請求項1記載のシリルノルボルナン骨格を高分子鎖中に含有するシリルノルボルネン−オレフィン共重合体の製造方法。
(i):シリルノルボルネン
(ii):エチレン
(iii):炭素数3〜20のα−オレフィン
(iv):ポリエン - 遷移金属錯体として下記(A)、有機アルミニウム化合物として下記(B)を用いる請求項4記載の製造方法。
(A)一般式VO(OR)aCl3-aで表されるバナジウム化合物。(但し、Rは炭化水素基であり、aは0≦a≦3を満足する数を表す。)
(B)一般式 EaAlZ3-aで示される有機アルミニウム化合物
(但し、Eは炭化水素基であり、Zは水素原子又はハロゲン原子を表す。aは0<a3を満足する数を表す。)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004133174A JP2005314521A (ja) | 2004-04-28 | 2004-04-28 | シリルノルボルネン−オレフィン共重合体およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004133174A JP2005314521A (ja) | 2004-04-28 | 2004-04-28 | シリルノルボルネン−オレフィン共重合体およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005314521A true JP2005314521A (ja) | 2005-11-10 |
Family
ID=35442283
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004133174A Pending JP2005314521A (ja) | 2004-04-28 | 2004-04-28 | シリルノルボルネン−オレフィン共重合体およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005314521A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018530659A (ja) * | 2015-10-12 | 2018-10-18 | 中国科学院化学研究所Institute Of Chemistry, Chinese Academy Of Sciences | 有機シランの使用、並びにポリオレフィン樹脂及びその製造方法 |
-
2004
- 2004-04-28 JP JP2004133174A patent/JP2005314521A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018530659A (ja) * | 2015-10-12 | 2018-10-18 | 中国科学院化学研究所Institute Of Chemistry, Chinese Academy Of Sciences | 有機シランの使用、並びにポリオレフィン樹脂及びその製造方法 |
JP7045312B2 (ja) | 2015-10-12 | 2022-03-31 | 中国科学院化学研究所 | ポリオレフィン樹脂及びその製造方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP0855413B1 (en) | Ethylene copolymer rubber composition | |
CN108864348B (zh) | 一种乙烯-α烯烃-非共轭二烯烃聚合物及其制备方法 | |
US11220566B2 (en) | Catalyst composition for preparing elastic copolymer, and method for preparing elastic copolymer, which comprises ethylene and alpha-olefin or ethylene, alpha-olefin and unconjugated diene, by using same | |
WO2005105867A1 (ja) | 非共役ポリエン系共重合体、ゴム組成物およびこれらの用途 | |
US20080207852A1 (en) | Process for producing ethylene -alpha- olefin copolymer | |
JP2005314521A (ja) | シリルノルボルネン−オレフィン共重合体およびその製造方法 | |
US6525150B1 (en) | Olefin polymerization catalysts and olefin polymer production methods using said olefin polymerization catalysts | |
JP4487541B2 (ja) | エチレン−α−オレフィン系共重合体の製造方法 | |
JP2004224911A (ja) | エチレン−α−オレフィン系共重合体の製造方法 | |
KR102363189B1 (ko) | 혼성 담지 메탈로센 촉매를 이용한 폴리올레핀의 제조 방법 | |
JP3562598B2 (ja) | エチレン・α−オレフィン・非共役ジエン共重合体ゴム組成物 | |
WO2016191076A1 (en) | Process to form ethylene/alpha-olefin interpolymers | |
US20040106760A1 (en) | Copolymer rubber, and foamed article, vulcanized rubber, profile extrusion molded rubber and hose for water comprising said copolymer rubber | |
JP2004231777A (ja) | エチレン−α−オレフィン系共重合体の製造方法 | |
JP2004224912A (ja) | エチレン−α−オレフィン系共重合体の製造方法 | |
JP2004231776A (ja) | エチレン−α−オレフィン系共重合体の製造方法 | |
JP2004196976A (ja) | エチレン−α−オレフィン系共重合体の製造方法 | |
JP2004196975A (ja) | エチレン−α−オレフィン系共重合体の製造方法 | |
JP3744087B2 (ja) | シール材用ゴム組成物 | |
JP2005036042A (ja) | エチレン−α−オレフィン系共重合体の製造方法 | |
JP2006257194A (ja) | 共重合体の製造方法 | |
JP2002212232A (ja) | エチレン−α−オレフィン系共重合体の製造方法 | |
JP2006257193A (ja) | 共重合体の製造方法 | |
JP2005154618A (ja) | エチレン−α−オレフィン系共重合体の製造方法 | |
US7482409B2 (en) | Process for producing ethylene-α-olefin-polyene copolymer |