JP2005154606A - 金属錯体色素、光電極及び色素増感型太陽電池 - Google Patents

金属錯体色素、光電極及び色素増感型太陽電池 Download PDF

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Abstract

【課題】 優れたエネルギー変換効率を有する色素増感型太陽電池を得ることのできる、優れた光増感特性及び/又は優れたレドックス特性を有する金属錯体色素を提供すること。
【解決手段】 下記一般式(1)で表されることを特徴とする金属錯体色素。
[式(1)中、Mは、Fe等からなる群より選択される少なくとも1種の金属の原子又はそのイオン、R1及びR2は下記一般式(2);−XO(OH)
(式(2)中、XはC、S及びPからなる群より選択される少なくとも1種の原子を示し、mは1又は2の整数を示し、nは1又は2の整数を示し、かつm+nは2又は3の整数を示す。)で表される特性基、R及びRは−CF等からなる群より選択される少なくとも1種の特性基(R11は炭素数1〜12のアルキル基等、R21は水素原子等を示す。)、L及びLはF等からなる群より選択される少なくとも1種の配位子、をそれぞれ示す。a、b、c及びdは1〜4の整数、e及びfは1〜5の整数、をそれぞれ示す。]
【化1】
Figure 2005154606

【選択図】 図1

Description

本発明は、金属錯体色素、光電極及び色素増感型太陽電池に関する。
近年、地球温暖化やエネルギー問題に対する関心の高まりとともに太陽電池の様々な開発が進められている。その太陽電池の中でも、色素増感型太陽電池は、使用する材料(酸化物半導体等)が安価であること、使用する材料を高純度に精製することなく用いることができること、比較的シンプルなプロセスで製造できること、用いる増感色素の吸収波長領域がブロードなため、可視光線のほぼ全ての波長領域の光を電気に変換できること等からその実用化が期待されている。
このような色素増感型太陽電池としては、ルテニウム錯体色素を増感色素(金属錯体色素)として含む二酸化チタン多孔質薄膜を有する光電極を備える色素増感型太陽電池が知られている。上記の増感色素としては、例えば、ルテニウムを配位中心とし、2,2’−ビピリジル誘導体を配位子とするイソチオシアネート錯体(下記式(A)及び下記式(B)を参照)等が知られている(例えば、特許文献1〜2及び非特許文献1参照)。
Figure 2005154606
Figure 2005154606
米国特許第4927721号明細書 国際公開第94/04497号パンフレット Nature,1991年,第353巻,p.737〜740
しかしながら、上述した従来公知の金属錯体色素を用いた構成を採用している色素増感型太陽電池では、電池の光電変換特性に大きく影響する金属錯体色素の光増感特性及び/又はレドックス特性(電解質中に含有されるレドックス種に対するレドックス特性)が十分なものではなかったため、エネルギー変換効率の更なる向上を図るには限界があった。
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、優れたエネルギー変換効率を有する色素増感型太陽電池を得ることのできる、優れた光増感特性及び/又は優れたレドックス特性を有する金属錯体色素、かかる金属錯体色素を含有しており優れた光電変換効率を有する光電極、並びに、かかる光電極を備えており優れたエネルギー変換効率を有する色素増感型太陽電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、金属錯体色素が特定の特性基を有する2,2’−ビピリジル誘導体からなる2種類の2座配位子と、特定の2つの単座配位子とを有する構造を具備することによって、電池の光電変換特性に大きな影響を与える光増感特性及び/又はレドックス特性が優れるようになり、これを色素増感型太陽電池に用いることにより優れたエネルギー変換効率が得られることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、下記一般式(1)で表されることを特徴とする金属錯体色素を提供する。
Figure 2005154606
[式(1)中、Mは、Fe、Ru、Os、Pt、Ir、Re、Rh及びPdからなる群より選択される少なくとも1種の金属の原子又はそのイオンを示し、
1及びR2は同一であっても異なっていてもよく、下記一般式(2);
−XO(OH) …(2)
(式(2)中、XはC、S及びPからなる群より選択される少なくとも1種の原子を示し、mは1又は2の整数を示し、nは1又は2の整数を示し、かつm+nは2又は3の整数を示す。)
で表される特性基を示し、
及びRは同一であっても異なっていてもよく、−CF、−NR11 、F、Cl、Br、I、−OR11、−SR11、−C(O)R11、−CO11、−SO11、−SO11、−C(O)NR21 、−CN及び−NOからなる群より選択される少なくとも1種の特性基(R11はそれぞれ独立に炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基及び炭素数6〜16のアリール基からなる群より選択される少なくとも1種の基を示し、同一特性基中にR11が2つ存在する場合にはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。同一特性基中に2つ存在するR21は同一であっても異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基及び炭素数6〜16のアリール基からなる群より選択される少なくとも1種の基を示す。)を示し、
及びLは同一であっても異なっていてもよく、F、Cl、Br、I、−OH、−CN、−SCN、−NCS、下記一般式(3);
Figure 2005154606
(式(3)中、R31は同一であっても異なっていてもよく、炭素数1〜12のアルキル基及び炭素数6〜25のアリール基からなる群より選択される少なくとも1種の基を示す。)
で表されるβ−ジケトン及び下記一般式(4);
Figure 2005154606
(式(4)中、Xは、炭素原子、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子からなる群より選択される何れかの原子を示し、Yは窒素原子を示し、Zは、水素原子、メルカプト基及び低級アルキル基からなる群より選択される少なくとも一種の特性基を示し、mは2〜7の整数を示し、nは2〜6の整数を示し、pは0又は1の整数を示し、rは0〜2の整数を示す。)
で表される構造を有し、アルコキシ基、シアノ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい配位子からなる群より選択される少なくとも1種の配位子を示し、
a、b、c及びdはそれぞれ独立に1〜4の整数、e及びfはそれぞれ独立に1〜5の整数を示す。]
本発明の金属錯体色素は、一般式(1)で示す構造を有する2種類の2,2’−ビピリジル誘導体を2座配位子として有することから、優れた光増感特性及び/又は優れたレドックス特性を有する。そして、この金属錯体色素を色素増感型太陽電池に用いることにより、優れたエネルギー変換効率を得ることができる。
このような効果が得られる要因については明確に解明されていないが、下記の1)〜4)の要因のうちの少なくとも1以上の要因によって、金属錯体色素から金属酸化物への電子の授与、及び/又はレドックス種から金属錯体色素への電子の授与が容易になり、上述した効果が得られるものと、本発明者らは推察している。
1)上記式(A)及び上記式(B)で表される従来の金属錯体色素に比べて、金属錯体色素の光増感による励起状態におけるLUMOのエネルギー準位が上昇すること。
2)上記式(A)及び上記式(B)で表される従来の金属錯体色素に比べて、金属錯体色素の基底状態におけるHOMOのエネルギー準位が低下すること。
3)金属錯体色素から光電極を構成する半導体粒子(例えば、金属酸化物)への電子の移動速度を向上させること。
4)電解質中に存在するレドックス種から金属錯体色素への電子の移動速度を向上させること。
さらに、本発明者らは、レドックス種の酸化還元対(例えば、I /I等)の酸化体を還元体に還元する還元反応(例えば、I をIに還元する還元反応)、及び/又は還元体を酸化体に酸化する酸化反応(例えば、IをI に酸化する酸化反応)を促進させている可能性もあると考えている。
例えば、本発明の金属錯体色素が有する2種類の2座配位子に含まれる特性基R、R、R及びRに基づく効果について検証するために、本発明者は、未置換のフェニル基が結合した2,2’−ビピリジル誘導体を有する金属錯体色素を用いて色素増感型太陽電池を作製し、そのエネルギー変換効率を測定した。その結果、上述の特性基を有する金属錯体色素は、かかる特性基を有しない金属錯体色素に比べて、色素増感型太陽電池のエネルギー変換効率を向上させることができることを確認している(後述する実施例1〜27及び比較例2を参照)。
さらに、本発明者らは、フェニル基を置換する特性基数(e及びf)が大きくなるにしたがって、その金属錯体色素を有する色素増感型太陽電池はエネルギー変換効率が増大し、優れたエネルギー変換効率が得られるとの知見を得ている(後述する実施例1〜8を参照)。
また、本発明の金属錯体色素を構成する一方の2,2’−ビピリジル誘導体からなる2座配位子は−XO(OH)で表される特性基(以下、「インターロック基」という)を有している。このインターロック基は、金属酸化物表面に存在する水酸基と脱水縮合可能な特性基である。ここで、上述の水酸基と脱水縮合可能な特性基とは、上記水酸基と所定の反応条件の下で脱水縮合可能な基をいい、金属酸化物の表面に化学的に結合している場合に限らず、実際の使用環境では脱水縮合により結合せずに、水素結合により金属酸化物の表面に固定されていてもよい。このように金属錯体色素が金属酸化物の表面に化学的に結合又は固定されるために、金属錯体色素から金属酸化物への電子注入が容易になり、上述の特性基R及びRを有するフェニル基の置換基効果と相俟って、より一層優れたエネルギー変換効率を得ることができると考えられる。
なお、本発明の金属錯体色素は、配位中心に2座配位子が2つ配位した状態の錯体であるためにcis型とtrans型の異性体が存在するが、cis型、trans型の何れの構造であってもよい。
また、本発明は、受光面を有する半導体電極と、当該受光面上に隣接して配置された透明電極とを有する光電極であって、半導体電極には前述した本発明の金属錯体色素が含有されていること、を特徴とする光電極を提供する。このように、前述した本発明の金属錯体色素を半導体電極に含有させることにより、優れた光電変換効率を有する光電極を構成することができる。
更に、本発明は、受光面を有する半導体電極と当該半導体電極の前記受光面上に隣接して配置された透明電極とを有する光電極と、対極とを有しており、前記半導体電極と前記対極とが電解質を介して対向配置された色素増感型太陽電池であって、光電極が前述した光電極であること、を特徴とする色素増感型太陽電池を提供する。このように、本発明の光電極を用いることにより、上述のように優れたエネルギー変換効率を有する色素増感型太陽電池を構成することができる。
本発明によれば、優れたエネルギー変換効率を有する色素増感型太陽電池を得ることのできる、優れた光増感特性及び/又は優れたレドックス特性を有する金属錯体色素を提供することができる。また、この金属錯体色素を半導体電極に含有させることにより、優れた光電変換効率を有する光電極を構成することができる。更に、この光電極を用いることにより、優れたエネルギー変換効率を有する色素増感型太陽電池を構成することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の金属錯体色素、光電極及び色素増感型太陽電池の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、同一または相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の光電極の好適な一実施形態を示す模式断面図である。また、図2は、図1に示した光電極を備えた色素増感型太陽電池を示す模式断面図である。
図1に示す光電極10は、主として、受光面F2を有する半導体電極2と、当該半導体電極2の受光面F2上に隣接して配置された透明電極1とから構成されている。また、図2に示す色素増感型太陽電池20は、主として、図1に示した光電極10と、対極CEと、スペーサSにより光電極10と対極CEとの間に形成される間隙に充填された電解質Eとから構成されている。そして、半導体電極2は、受光面F2と反対側の面F22(以下、裏面F22という)において電解質Eと接触している。
この色素増感型太陽電池20は、透明電極1を透過して半導体電極2に照射される光L10によって半導体電極2内において電子を発生させる。そして、半導体電極2内において発生した電子は、透明電極1に集められて外部に取り出される。
透明電極1の構成は特に限定されるものではなく、通常の色素増感型太陽電池に搭載される透明電極を使用できる。例えば、図1及び図2の透明電極1は、ガラス基板等の透明基板4の半導体電極2の側に光を透過させるためのいわゆる透明導電膜3をコートした構成を有する。この透明導電膜3としては、液晶パネル等に用いられる透明電極を用いればよい。例えば、フッ素ドープSnO2コートガラス、ITOコートガラス、ZnO:Alコートガラス等が挙げられる。また、メッシュ状、ストライプ状など光が透過できる構造にした金属電極をガラス基板等の基板4上に設けたものでもよい。
透明基板4としては、液晶パネル等に用いられる透明基板を用いてよい。具体的には透明なガラス基板、ガラス基板表面を適当にあらすなどして光の反射を防止したもの、すりガラス状の半透明のガラス基板など光を透過するものが透明基板材料として挙げられる。なお、光を透過するものであれば材質はガラスでなくてもよく、透明プラスチック板、透明プラスチック膜、無機物透明結晶体などでもよい。
図1及び図2に示すように、半導体電極2は、主として半導体粒子とこの半導体粒子の表面に吸着された本発明の金属錯体色素とから構成されている。そして、優れた光増感特性及び/又は優れたレドックス特性を有する本発明の金属錯体色素を用いることにより、色素増感型太陽電池20は優れたエネルギー変換効率を得ることができる。さらに、色素増感型太陽電池20は、優れたエネルギー変換効率を長期にわたり持続することも可能になる。
この半導体電極2の構成材料となる半導体は特に限定されるものではなく、酸化物半導体、硫化物半導体等を使用することができる。酸化物半導体としては、例えば、TiO2,ZnO,SnO2,Nb25,In23,WO3,ZrO2,La23,Ta25,SrTiO3,BaTiO3等を用いることができる。硫化物半導体としては、例えば、CdS等を用いることができる。また、上記の半導体の他に、Si,GaAs等も用いることができる。
また、半導体電極2に含有させる金属錯体色素は、上述のように下記一般式(1)で表され、6配位中心となる金属又は金属イオンMと、特定の特性基を有する2,2’−ビピリジル誘導体からなる2種類の2座配位子と、2つの単座配位子L及びLと有する構造を具備している。
Figure 2005154606
上記一般式(1)におけるMは、Fe、Ru、Os、Pt、Ir、Re、Rh及びPdからなる群から選択される少なくとも1種の金属の原子又はそのイオンである。これらのなかでMとしては、VIII族元素であるFe、Ru、Osが好適であり、より好ましくはRuである。
また、R1及びR2は、下記一般式(2);
−XO(OH) …(2)
で表される特性基であり、同一であっても異なっていてもよい。上記一般式(2)におけるXは、C、S及びPからなる群より選択される少なくとも1種の原子である。また、mは1又は2の整数であり、nは1又は2の整数であり、かつm+nは2又は3の整数である。
上記一般式(2)で表される特性基としては、−COH、−SOH、−SOH、−POHが好ましい。このような特性基を有することにより、金属錯体色素から半導体電極2を構成する半導体粒子への電子注入が容易になると考えられる。
さらにまた、R及びRは、−CF、−NR11 、F、Cl、Br、I、−OR11、−SR11、−C(O)R11、−CO11、−SO11、−SO11、−C(O)NR21 、−CN及び−NOからなる群より選択される少なくとも1種の特性基であり、同一であっても異なっていてもよい。但し、同一特性基中にR11及びR21が2つ存在する場合には、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
11は炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基及び炭素数6〜16のアリール基からなる群より選択される少なくとも1種の基であり、R21は水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基及び炭素数6〜16のアリール基からなる群より選択される少なくとも1種の基である。
11及びR21におけるアルキル基としては、炭素数1〜12であれば直鎖、環状若しくは分枝鎖状でもよく、炭素数1〜9の直鎖、環状若しくは分枝鎖状のアルキル基がより好ましい。好適なアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が挙げられる。
11及びR21におけるアルケニル基としては、炭素数2〜12のアルケニル基であれば直鎖、環状若しくは分枝鎖状でもよく、炭素数2〜9の直鎖、環状若しくは分枝鎖状のアルケニル基が更に好ましい。好適なアルケニル基としては、例えば、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基が挙げられる。
11及びR21におけるアリール基としては、炭素数6〜16のアリール基であれば置換されていてもよく、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ビフェニリル基、ナフチル基、アントラニル基、ピレニル基、フェナントリル基が挙げられる。
これらのなかで好適なR及びRとしては、例えば、−CF、−NPh、−F、−OMe、−SMe、−C(O)Me、−C(O)Ph、−COMe、−SOMe、−SOMe、−C(O)NH、−CN、−NOが挙げられる。
上述の好適な特性基を選択することにより、より一層優れた光増感特性及び/又は優れたレドックス特性を有するために、色素増感型太陽電池20は優れたエネルギー変換効率が得られるようになる。
及びLは、F、Cl、Br、I、−OH、−CN、−SCN、−NCS、下記一般式(3)で表されるβ−ジケトン及び下記一般式(4)で表される構造を有する配位子からなる群より選ばれる何れかの配位子であり、同一であっても異なっていてもよい。
Figure 2005154606
上記一般式(3)中、R31は同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜12のアルキル基及び炭素数6〜25のアリール基からなる群より選択される少なくとも1種の基を示す。炭素数1〜12のアルキル基としては、炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基及びこれらの異性体が挙げられる。炭素数6〜25のアリール基としては、炭素数6〜14のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基、チオニル基、ピリジル基が挙げられる。
Figure 2005154606
上記一般式(4)中、Xは、炭素原子、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子からなる群より選択される何れかの原子を示し、Yは窒素原子を示し、Zは、水素原子、メルカプト基及び低級アルキル基からなる群より選択される少なくとも一種の特性基を示す。また、mは2〜7の整数を示し、nは2〜6の整数を示し、pは0又は1の整数を示し、rは0〜2の整数を示す。「低級アルキル基」とは炭素数1〜30のアルキル基を示し、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基が好適なアルキル基として挙げられる。
上記一般式(3)で表される好適なβ−ジケトンとしては、例えば、アセチルアセトン、ジフェニルプロパンジオン、ヘプチルプロパンジオン、フェニルペンタジオンが例示できる。また、上記一般式(4)で表される構造を有する好適な配位子としては、例えば、下記式(5)〜(15)で表される配位子が挙げられる。
Figure 2005154606
Figure 2005154606
Figure 2005154606
Figure 2005154606
Figure 2005154606
Figure 2005154606
Figure 2005154606
Figure 2005154606
Figure 2005154606
Figure 2005154606
Figure 2005154606
なお、好適なL及びLとしては、例えば、−Cl、−OH、−CN、−NCSが挙げられる。
また、a、b、c及びdはそれぞれ独立に1〜4の整数であり、好適には1〜2である。また、e及びfは、それぞれ独立に1〜5の整数である。
また、半導体電極2に含有させる金属錯体色素は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。金属錯体色素の具体例としては、例えば、下記式(16)〜(25)で表される化合物が挙げられる。なお、下記式(16)〜(25)で表される化合物の立体構造は特に限定されるものではなく、cis型又はtrans型のいずれの構造であってもよい。
Figure 2005154606
Figure 2005154606
Figure 2005154606
Figure 2005154606
Figure 2005154606
Figure 2005154606
Figure 2005154606
Figure 2005154606
Figure 2005154606
Figure 2005154606
また、半導体電極2の厚みは、3〜50μmであることが好ましく、5〜30μmであることがより好ましく、6〜18μmであることが更に好ましい。半導体電極2の厚みが3μm未満となると、色素吸着量が少なくなり光を有効に吸収できなくなる傾向が大きくなる。一方、半導体電極2の厚みが50μmを超えると、電気抵抗が大きくなり半導体に注入されたキャリアの損失量が多くなるとともに、イオン拡散抵抗が増大して、光励起されて半導体への電子注入を果した後の色素に対するI-からの電子注入によってI3 -の対極への搬出が阻害され、電池の出力特性が低下する傾向が大きくなる。
また、対極CEは、特に限定されるものではなく、例えば、シリコン太陽電池、液晶パネル等に通常用いられている対極と同じものを用いてよい。例えば、前述の透明電極1と同じ構成を有するものであってもよく、透明電極1と同様の透明導電膜3上にPt等の金属薄膜電極を形成し、金属薄膜電極を電解質Eの側に向けて配置させるものであってもよい。また、透明電極1の透明導電膜3に白金を少量付着させたものであってもよく、白金などの金属薄膜、炭素などの導電性膜などであってもよい。
更に、電解質Eの組成も光励起され半導体への電子注入を果した後の色素を還元するためのレドックス種を含んでいれば特に限定されないが、I-/I3 -等の酸化還元対からなるレドックス種を含むヨウ素系レドックス溶液が好ましく用いられる。具体的には、I-/I3 -系の電解質はヨウ素のアンモニウム塩あるいはヨウ化リチウムとヨウ素を混合したものなどを用いることができる。その他、Br-/Br3 -系、キノン/ハイドロキノン系などのレドックス電解質をアセトニトリル、炭酸プロピレン、エチレンカーボネートなどの電気化学的に不活性な溶媒(およびこれらの混合溶媒)に溶かしたものも使用できる。
また、スペーサSの構成材料は特に限定されるものではなく、例えば、シリカビーズ等を用いることができる。
次に、本発明の金属錯体色素の製造方法の一例について説明する。本発明の金属錯体色素は、例えば、Journal of The American Chemical Society Vol.123,N8.P1613-1624(2001)等の文献中に記載された公知の金属錯体の合成技術に従い合成することが可能である。
次に、図1に示した光電極10及び図2に示した色素増感型太陽電池20の製造方法の一例について説明する。
先ず、透明電極1を製造する場合は、ガラス基板等の基板4上に先に述べたフッ素ドープSnO2等の透明導電膜3をスプレーコートする等の公知の方法を用いて形成することができる。
次に、透明電極1の透明導電膜3上に半導体電極2を形成する方法としては、例えば、以下の方法がある。すなわち、先ず、酸化チタン等の半導体粒子を分散させた分散液を調製する。この分散液の溶媒は水、有機溶媒、または両者の混合溶媒など半導体粒子を分散できるものなら特に限定されない。また、分散液中には必要に応じて界面活性剤、粘度調節剤を加えてもよい。次に、分散液を透明電極1の透明導電膜3上に塗布し、次いで乾燥する。このときの塗布方法としてはバーコーター法、印刷法などを用いることができる。
そして、乾燥した後、空気中、不活性ガス或いは窒素中で加熱、焼成して半導体電極2の層(多孔質半導体膜)を形成する。このときの焼成温度は300〜800℃が好ましい。焼成温度が300℃未満であると半導体粒子間の固着、基板への付着力が弱くなり十分な強度がでなくなるおそれがある。焼成温度が800℃を超えると半導体粒子間の固着が進み、半導体電極2(多孔質半導体膜)の表面積が小さくなるおそれがある。
次に、半導体電極2中に浸着法等の公知の方法により増感色素を含有させる。増感色素は半導体電極2に付着(化学吸着、物理吸着または堆積など)させることにより含有させる。この付着方法は、例えば色素を含む溶液中に半導体電極2を浸漬するなどの方法を用いることができる。この際、溶液を加熱し還流させるなどして増感色素の吸着、堆積を促進することができる。なお、このとき、色素の他に必要に応じて、銀等の金属やアルミナ等の金属酸化物を半導体電極2中に含有させてもよい。
なお、半導体電極2内に含まれる光電変換反応を阻害する不純物を除去する表面酸化処理を、各層それぞれの形成時毎、或いは、各層全てを形成した時などに公知の方法により適宜施してもよい。
また、透明電極1の透明導電膜3上に半導体電極2を形成する他の方法としては、以下の方法がある。すなわち、透明電極1の透明導電膜3上にTiO2等の半導体を膜状に蒸着させる方法を用いてもよい。透明導電膜3上に半導体を膜状に蒸着させる方法としては公知の方法を用いることができる。例えば、電子ビーム蒸着、抵抗加熱蒸着、スパッタ蒸着、クラスタイオンビーム蒸着等の物理蒸着法を用いてもよく、酸素等の反応性ガス中で金属等を蒸発させ、反応生成物を透明導電膜3上に堆積させる反応蒸着法を用いてもよい。更に、反応ガスの流れを制御する等してCVD等の化学蒸着法を用いることもできる。
このようにして光電極10を作製した後は、公知の方法により対極CEを作製し、これと光電極10と、スペーサSを図1に示すように組み上げて、内部に電解質Eを充填し、色素増感型太陽電池20を完成させる。
[第2実施形態]
図3は、本発明の色素増感型太陽電池の第2実施形態を示す模式断面図である。以下、図3に示す色素増感型太陽電池30について説明する。なお、上述の図2に示した色素増感型太陽電池20に関して説明した要素と同一の要素については同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図3に示す色素増感型太陽電池30は、図2に示した光電極10を使用し、図2に示した対極CEと同様の対極CEを使用している。そして、図2に示した色素増感型太陽電池20においてはスペーサSにより光電極10と対極CEとの間に形成される空間に電解液Eを充填したのに比較して、図3に示す色素増感型太陽電池30においては、光電極10と対極CEとの間に多孔体層PSを配置している。
この多孔体層PSは多数の細孔を有した構造を有しており、この多孔体層PSの内部には、図2に示した色素増感型太陽電池20に使用したものと同様の電解液Eが充填されて保持されている。
また、この電解液Eは半導体電極2内や、使用する構成材料(例えば、炭素等の多孔質の導電性膜)によっては対極CEにも保持されている。そして、図3に示す色素増感型太陽電池30の半導体電極2及び多孔体層PSの側面は、電解液Eが、半導体電極2及び多孔体層PSの側面から外部に漏れることを防止するためのシール材5により被覆されている。
多孔体層PSは、電解液Eを保持可能であり、電子伝導性を有さない多孔体であれば特に限定されない。例えば、ルチル型の酸化チタン粒子により形成した多孔体を使用してもよい。また、ルチル型の酸化チタン以外の構成材料としては、ジルコニア、アルミナ、シリカ等が挙げられる。
また、シール材5としては、例えば、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂フィルム、あるいはエポキシ系接着剤を使用することができる。
次に、図3に示す色素増感型太陽電池30の製造方法の一例について説明する。先ず、図2に示した色素増感型太陽電池20と同様にして光電極10を作製する。次に、光電極10の半導体電極2を作製する場合と同様の手順により、光電極10の半導体電極2の面F22上に多孔体層PSを形成する。例えば、ルチル型の酸化チタン等の多孔体層PSの構成材料を含む分散液(スラリー)を調製し、これを半導体電極2の面F22上に塗布し乾燥させることにより形成してもよい。
また、対極CEについても、例えば、炭素等の多孔質の導電性膜を対極CEとする場合には、例えば、カーボンペーストを調製し、これを多孔体層PSの面上に塗布し乾燥させることにより形成し、公知の薄膜製造技術により導電性膜の多孔体層PSの側と反対の側の面上に基板を形成し対極CEとしてもよい。そして、半導体電極2及び多孔体層PSの側面をシール材5で被覆して色素増感型太陽電池30を完成する。なお、このような対極CEの一部である基板としては、通常の基板を用いてもよく、透明基板でもよい。
[第3実施形態]
図4は、本発明の色素増感型太陽電池の第3実施形態を示す模式断面図である。以下、図4に示す色素増感型太陽電池40について説明する。なお、上述の図2に示した色素増感型太陽電池20又は図3に示した色素増感型太陽電池30に関して説明した要素と同一の要素については同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図4に示す色素増感型太陽電池40は、以下に示す多孔体層PSの形状と対極CEの構成以外は図3に示した色素増感型太陽電池30と同様の構成を有している。すなわち、図4に示す色素増感型太陽電池40の場合、多孔体層PSが半導体電極2の裏面F22を覆う部分の他に半導体電極2の側面を密着して覆う鍔状の縁部分を有している。この鍔状の縁部分は、光電極10の透明電極1の受光面F1の法線方向に略平行となる方向にのびてその先端が透明電極1に接続されている。
この透明電極1と多孔体層PSとの接続部についてより詳細に説明すると、この接続部において、透明電極1の透明導電膜3の部分は、例えばレーザスクライブ等の技術により完全に削りとられ、透明基板4の表面があらわれる深さの溝9が形成されている。そして、この溝9の部分に多孔体層PSの鍔状に形成された縁部分が挿入されている。
また、対極CEは多孔体層PSに隣接して配置される炭素電極8と、この炭素電極8の多孔体層PSと反対側の面上に隣接して配置される基板6とから構成されている。ここで炭素電極8は、カーボンブラック粒子と、グラファイト粒子と、アナターゼ型の酸化チタン粒子よりも電気抵抗率の低い導電性酸化物粒子とを少なくとも構成材料として形成された多孔質の電極であることが好ましい。そして、この対極CEにも、多孔体層PSの鍔状の縁部分を密着して覆うための鍔状の縁部分が形成されている。この対極CEの鍔状の縁部分も、光電極10の透明電極1の受光面F1の法線方向に略平行となる方向にのびてその先端が透明電極1の透明導電膜3の表面に密着するように接続されている。
また、半導体電極2の側面のうち多孔体層PSの鍔状の縁部分で覆われていない部分、及び、多孔体層PSの側面のうち、対極CEの鍔状の縁部分で覆われていない部分は、図3に示した色素増感型太陽電池30に使用されているものと同様のシール材5を密着させて配置することによりシールされている。更に、対極CEの鍔状の縁部分の外表面に対しても図3に示した色素増感型太陽電池30に使用されているものと同様のシール材5が密着するように配置されている。
基板6とシール材5とを配置することにより、半導体電極2及び多孔体層PSのそれぞれの内部に含有されている電解質(例えば、先に述べた電解液E)の電池40外部への逸散を充分に防止することができる。なお、必要に応じて、基板6と炭素電極8との間にもシール材5を密着させて配置してもよい。これにより、対極CE内部に含有されている電解質(例えば、先に述べた電解液E)の電池40外部への逸散をより充分に防止することができる。
以上のように、この色素増感型太陽電池40は、光電極10の透明電極1に多孔体層PSと対極CEとがそれぞれ一体化された構成を有している。そして、多孔体層PSの鍔状の縁部分により、光電極10と対極CEとの電気的な接触が防止されている。
なお、光電極10と対極CEとの電気的な接触(光電極10と対極CEとの間での電子移動)が充分に防止されるのであれば、図4において、多孔体層PSの鍔状の縁部分を設けずに、半導体電極2の側面と対極CEの鍔状の縁部分の内側面とが見かけ接触している状態の構成としてもよい。この場合、溝9内には半導体電極2の構成材料が挿入される。
半導体電極2及び多孔体層PSの内部の細孔内(更に、対極CEが多孔質の電子伝導性材料から構成されている場合には、この対極CEの内部の細孔内)に含浸される電解質は、例えば、先に述べた電解液Eであってもよい。
この色素増感型太陽電池40は、光電極10を形成する際に、上記の溝9をレーザスクライブ等の公知の技術により形成させたこと以外は図3に示した色素増感型太陽電池30と同様の製造方法により形成することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、本発明の金属錯体色素の用途は、光電極或いは色素増感型太陽電池に使用される増感色素に限定されるものではなく、例えば、電子写真感光体、光−化学エネルギー変換用の色素として使用してもよい。
また、本発明の光電極の用途は、色素増感型太陽電池用の光電極に限定されるものではなく、光センサー、電子写真感光体用の光電変換素子として使用してもよい。
さらに、本発明の色素増感型太陽電池は、例えば、図5に示す色素増感型太陽電池50のように、複数の電池を併設したモジュールの形態を有していてもよい。図5に示す色素増感型太陽電池50は、図3に示した色素増感型太陽電池30又は図4に示した色素増感型太陽電池40をそれぞれ複数個直列に併設する場合の一例を示している。
図3に示した色素増感型太陽電池30に比較して、図5に示す色素増感型太陽電池50は、隣り合う太陽電池の単セルの光電極10間に設けられるシール材5と一方の単セル(以下、単セルAという)の光電極10との間に溝9が形成されている。
この溝9は、単セルAの半導体電極2を、例えばレーザスクライブなどの技術により削りとることにより形成される。この溝9のうちのシール材5の近傍部分は、半導体電極2の部分を完全に除去して透明電極1の透明導電膜3の層があらわれる深さまで達している。また、この溝9のうちの単セルAの半導体電極2の近傍部分は、半導体電極2の部分と透明導電膜3の部分を完全に除去して、透明電極1の透明基板4の層があらわれる深さまで達している。
そして、この溝のうちのシール材5の近傍部分には、隣り合う光電極10の透明導電膜3及び該透明導電膜3上の半導体電極2の部分同士が電気的に接触しないように、これらの部分の間に単セルAの多孔体層PSの鍔状に形成された縁部分が透明電極1の透明基板4に接触するようにして挿入されている。
更に、この溝のうちの単セルAの半導体電極2の近傍部分、すなわち、単セルAの多孔体層PSとシール材5との間の部分には、単セルAの対極CEの鍔状に形成された縁部分が、もう一方の単セルAの透明電極1の透明導電膜3に接触するようにして挿入されている。この色素増感型太陽電池50は、図4に示した色素増感型太陽電池40と同様の製造方法により形成することができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明の金属錯体色素、光電極及び色素増感型太陽電池について更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
(1)金属錯体色素の合成
先ず、4,4’−ジカルボキシ−2,2’−ビピリジル9mg(合成品)と、RuCl3水和物10mgとをEtOH10mLに溶解し、アルゴン雰囲気中、85℃で4時間加熱撹拌し、その後放冷した。次いで、下記一般式(26)で表されるビピリジル化合物において、2つのフェニル基の4位がそれぞれフッ素原子で置換されたビピリジル化合物13mg(合成品)を加え、85℃で4時間加熱攪拌した。
Figure 2005154606
次に、アンモニウムチオシアネート28mgをEtOH1mLに添加した溶液を調製し、これを上記の液に加えた。そして、アルゴン雰囲気下、85℃で6時間加熱し、その後、放冷した。次に、EtOHを留去して得られた残渣をイオン交換水、酢酸エチルで洗浄し、下記一般式(27)で表される金属錯体色素において、2つのフェニル基の4位がそれぞれフッ素原子で置換された金属錯体色素を得た。
Figure 2005154606
(2)光電極及び色素増感型太陽電池の製造
以下に示す手順により、図1に示した光電極10と同様の構成を有する光電極を作製し、更に、この光電極を用いた以外は図1に示す色素増感型太陽電池20と同様の構成を有する色素増感型太陽電池(受光面の面積:1cm2)を作製した。
先ず、オートクレーブの温度を230℃とした以外は、Journal of ceramic society (第80巻、第3157〜3171頁、1987年)に記載のバルベらの方法に従い、アセチルアセトン、イオン交換水、界面活性剤(Aldrich社製、商品名;「tritonX」)からなる液にTiO2粒子(Degussa社製、商品名;「P25」)を分散した半導体電極形成用のスラリー(TiO2粒子の含有量;11質量%、TiO2粒子の平均粒子径:約10nm、「スラリー1」とする)を調製した。
次に、スラリー1中に増粘剤としてポリエチレングリコール(和光純薬社製、数平均分子量;2000)を添加し混合することにより、半導体電極形成用のペースト(以下、ペースト1という)を調製した。なお、ペースト1中のTiO2粒子とポリエチレングリコールとの質量比はTiO2粒子:ポリエチレングリコール=10:3となるように調節した。
一方、ガラス基板4(透明導電性ガラス)上にフッ素ドープされたSnO2導電膜3(膜厚;600nm)を形成した透明電極1(日本板ガラス社製、表面抵抗;約10Ω/cm2、厚さ;1mm)を準備した。そして、このSnO2導電膜3上に、上述のペースト1をドクターブレードを用いて100μmの厚さとなるまで塗布し、次いで温度を25℃に保持して30分間乾燥させた。
次に、ペースト1を塗布した透明電極1を電気炉内に移して、大気中、450℃の条件のもとで30分間焼成した。次に、電気炉から透明電極1を取り出し、冷却した。このようにして、SnO2導電膜3上に図1に示す半導体電極2と同様の構成の半導体電極(受光面の面積;4cm2、半導体膜からなる層の厚さ;8μm、TiO2の塗布量:15g/m2)を形成し、色素(金属錯体色素及び有機色素)を含有していない状態の光電極を作製した。
その後、光電極の半導体電極の裏面に色素を以下のようにして吸着させた。先ず、増感色素として実施例1で得られた金属錯体色素を用い、これをエタノールとDMF{HCON(CH32}の混合溶媒(エタノールとDMFの質量比;エタノール:DMF=1:1)に溶解させた溶液(増感色素の濃度;3×10-4mol/L)を調製した。次に、この溶液に半導体電極を浸漬し、暗所、25℃の温度条件のもとで12時間放置した。次に、この溶液から半導体電極を取り出してエタノールで洗浄し、暗所にて自然乾燥させた。これにより、半導体電極2の内部に増感色素を約1.2×10-7mol/m2吸着させた光電極12を完成させた。
次に、上記の光電極と同様の形状と大きさを有する対極として、電子ビーム蒸着法によりPtが蒸着された透明導電性ガラス電極(Pt薄膜の厚さ;3nm)を作製した。
また、電解液Eとして、ヨウ素系レドックス溶液(ヨウ化テトラブチルアンモニウムの濃度;0.65mol/L、ヨウ化リチウムの濃度;0.1mol/L、ヨウ素の濃度;0.05mol/L、溶媒;アセトニトリル)を調製した。
更に、半導体電極の大きさに合わせた形状を有する三井デュポンポリケミカル社製のスペーサS(商品名:「ハイミラン」)を準備した。次に、図2に示すように、光電極12と対極CEとスペーサSを介して対向させた。そして、毛細管現象を利用することにより、スペーサSと光電極12又は対極CEとの間の隙間からスペーサS、光電極12及び対極CEによりに画成された空間に上記の電解液Eを充填し、エポキシ樹脂により各部材間をシールして、色素増感型太陽電池を完成させた。
(実施例2)
(1)金属錯体色素の合成
先ず、4,4’−ジカルボキシ−2,2’−ビピリジル9mg(合成品)と、RuCl3水和物10mgとをEtOH10mLに溶解し、アルゴン雰囲気中、85℃で4時間加熱撹拌し、その後放冷した。次いで、上記一般式(26)で表されるビピリジル化合物において、2つのフェニル基の2,4位がそれぞれフッ素原子で置換されたビピリジル化合物14mg(合成品)を加え、85℃で4時間加熱攪拌した。
次に、アンモニウムチオシアネート28mgをEtOH1mLに添加した溶液を調製し、これを上記の液に加えた。そして、これ以降の手順及び条件は、実施例1と同様にして上記一般式(27)で表される金属錯体色素において、2つのフェニル基の2,4位がそれぞれフッ素原子で置換された金属錯体色素を得た。
(2)光電極及び色素増感型太陽電池の製造
実施例1で得られた金属錯体色素のかわりに、実施例2で得られた金属錯体色素を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順により図1に示した光電極10及び図3に示した色素増感型太陽電池20と同様の構成を有する光電極及び色素増感型太陽電池を作製した。
(実施例3)
(1)金属錯体色素の合成
先ず、4,4’−ジカルボキシ−2,2’−ビピリジル9mg(合成品)と、RuCl3水和物10mgとをEtOH10mLに溶解し、アルゴン雰囲気中、85℃で4時間加熱撹拌し、その後放冷した。次いで、上記一般式(26)で表されるビピリジル化合物において、2つのフェニル基の2,3,4位がそれぞれフッ素原子で置換されたビピリジル化合物15mg(合成品)を加え、85℃で4時間加熱攪拌した。
次に、アンモニウムチオシアネート28mgをEtOH1mLに添加した溶液を調製し、これを上記の液に加えた。そして、これ以降の手順及び条件は、実施例1と同様にして上記一般式(27)で表される金属錯体色素において、2つのフェニル基の2,3,4位がそれぞれフッ素原子で置換された金属錯体色素を得た。
(2)光電極及び色素増感型太陽電池の製造
実施例1で得られた金属錯体色素のかわりに、実施例3で得られた金属錯体色素を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順により図1に示した光電極10及び図3に示した色素増感型太陽電池20と同様の構成を有する光電極及び色素増感型太陽電池を作製した。
(実施例4)
(1)金属錯体色素の合成
先ず、4,4’−ジカルボキシ−2,2’−ビピリジル9mg(合成品)と、RuCl3水和物10mgとをEtOH10mLに溶解し、アルゴン雰囲気中、85℃で4時間加熱撹拌し、その後放冷した。次いで、上記一般式(26)で表されるビピリジル化合物において、2つのフェニル基の2,3,4,5,6位がそれぞれフッ素原子で置換されたビピリジル化合物18mg(合成品)を加え、85℃で4時間加熱攪拌した。
次に、アンモニウムチオシアネート28mgをEtOH1mLに添加した溶液を調製し、これを上記の液に加えた。そして、これ以降の手順及び条件は、実施例1と同様にして上記式(16)で表される金属錯体色素を得た。
(2)光電極及び色素増感型太陽電池の製造
実施例1で得られた金属錯体色素のかわりに、実施例4で得られた金属錯体色素を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順により図1に示した光電極10及び図3に示した色素増感型太陽電池20と同様の構成を有する光電極及び色素増感型太陽電池を作製した。
(実施例5)
(1)金属錯体色素の合成
先ず、4,4’−ジカルボキシ−2,2’−ビピリジル9mg(合成品)と、RuCl3水和物10mgとをEtOH10mLに溶解し、アルゴン雰囲気中、85℃で4時間加熱撹拌し、その後放冷した。次いで、上記一般式(26)で表されるビピリジル化合物において、2つのフェニル基の4位がそれぞれメトキシ基で置換されたビピリジル化合物14mg(合成品)を加え、85℃で4時間加熱攪拌した。
次に、アンモニウムチオシアネート28mgをEtOH1mLに添加した溶液を調製し、これを上記の液に加えた。そして、これ以降の手順及び条件は、実施例1と同様にして上記一般式(27)で表される金属錯体色素において、2つのフェニル基の4位がそれぞれメトキシ基で置換された金属錯体色素を得た。
(2)光電極及び色素増感型太陽電池の製造
実施例1で得られた金属錯体色素のかわりに、実施例5で得られた金属錯体色素を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順により図1に示した光電極10及び図3に示した色素増感型太陽電池20と同様の構成を有する光電極及び色素増感型太陽電池を作製した。
(実施例6)
(1)金属錯体色素の合成
先ず、4,4’−ジカルボキシ−2,2’−ビピリジル9mg(合成品)と、RuCl3水和物10mgとをEtOH10mLに溶解し、アルゴン雰囲気中、85℃で4時間加熱撹拌し、その後放冷した。次いで、上記一般式(26)で表されるビピリジル化合物において、2つのフェニル基の3,4位がそれぞれメトキシ基で置換されたビピリジル化合物16mg(合成品)を加え、85℃で4時間加熱攪拌した。
次に、アンモニウムチオシアネート28mgをEtOH1mLに添加した溶液を調製し、これを上記の液に加えた。そして、これ以降の手順及び条件は、実施例1と同様にして上記一般式(27)で表される金属錯体色素において、2つのフェニル基の3,4位がそれぞれメトキシ基で置換された金属錯体色素を得た。
(2)光電極及び色素増感型太陽電池の製造
実施例1で得られた金属錯体色素のかわりに、実施例6で得られた金属錯体色素を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順により図1に示した光電極10及び図3に示した色素増感型太陽電池20と同様の構成を有する光電極及び色素増感型太陽電池を作製した。
(実施例7)
(1)金属錯体色素の合成
先ず、4,4’−ジカルボキシ−2,2’−ビピリジル9mg(合成品)と、RuCl3水和物10mgとをEtOH10mLに溶解し、アルゴン雰囲気中、85℃で4時間加熱撹拌し、その後放冷した。次いで、上記一般式(26)で表されるビピリジル化合物において、2つのフェニル基の2,3,4位がそれぞれメトキシ基で置換されたビピリジル化合物18mg(合成品)を加え、85℃で4時間加熱攪拌した。
次に、アンモニウムチオシアネート28mgをEtOH1mLに添加した溶液を調製し、これを上記の液に加えた。そして、これ以降の手順及び条件は、実施例1と同様にして上記一般式(27)で表される金属錯体色素において、2つのフェニル基の2,3,4位がそれぞれメトキシ基で置換された金属錯体色素を得た。
(2)光電極及び色素増感型太陽電池の製造
実施例1で得られた金属錯体色素のかわりに、実施例7で得られた金属錯体色素を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順により図1に示した光電極10及び図3に示した色素増感型太陽電池20と同様の構成を有する光電極及び色素増感型太陽電池を作製した。
(実施例8)
(1)金属錯体色素の合成
先ず、4,4’−ジカルボキシ−2,2’−ビピリジル9mg(合成品)と、RuCl3水和物10mgとをEtOH10mLに溶解し、アルゴン雰囲気中、85℃で4時間加熱撹拌し、その後放冷した。次いで、上記一般式(26)で表されるビピリジル化合物において、2つのフェニル基の2,3,5,6位がそれぞれメトキシ基で置換されたビピリジル化合物20mg(合成品)を加え、85℃で4時間加熱攪拌した。
次に、アンモニウムチオシアネート28mgをEtOH1mLに添加した溶液を調製し、これを上記の液に加えた。そして、これ以降の手順及び条件は、実施例1と同様にして上記式(17)で表される金属錯体色素を得た。
(2)光電極及び色素増感型太陽電池の製造
実施例1で得られた金属錯体色素のかわりに、実施例8で得られた金属錯体色素を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順により図1に示した光電極10及び図3に示した色素増感型太陽電池20と同様の構成を有する光電極及び色素増感型太陽電池を作製した。
(実施例9)
(1)金属錯体色素の合成
先ず、4,4’−ジカルボキシ−2,2’−ビピリジル9mg(合成品)と、RuCl3水和物10mgとをEtOH10mLに溶解し、アルゴン雰囲気中、85℃で4時間加熱撹拌し、その後放冷した。次いで、上記一般式(26)で表されるビピリジル化合物において、フェニル基の4位がそれぞれシアノ基で置換されたビピリジル化合物13mg(合成品)を加え、85℃で4時間加熱攪拌した。
次に、アンモニウムチオシアネート28mgをEtOH1mLに添加した溶液を調製し、これを上記の液に加えた。そして、これ以降の手順及び条件は、実施例1と同様にして上記式(18)で表される金属錯体色素を得た。
(2)光電極及び色素増感型太陽電池の製造
実施例1で得られた金属錯体色素のかわりに、実施例9で得られた金属錯体色素を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順により図1に示した光電極10及び図3に示した色素増感型太陽電池20と同様の構成を有する光電極及び色素増感型太陽電池を作製した。
(実施例10)
(1)金属錯体色素の合成
先ず、4,4’−ジカルボキシ−2,2’−ビピリジル9mg(合成品)と、RuCl3水和物10mgとをEtOH10mLに溶解し、アルゴン雰囲気中、85℃で4時間加熱撹拌し、その後放冷した。次いで、上記一般式(26)で表されるビピリジル化合物において、2つのフェニル基の4位がそれぞれアセチル基で置換されたビピリジル化合物15mg(合成品)を加え、85℃で4時間加熱攪拌した。
次に、アンモニウムチオシアネート28mgをEtOH1mLに添加した溶液を調製し、これを上記の液に加えた。そして、これ以降の手順及び条件は、実施例1と同様にして上記式(19)で表される金属錯体色素を得た。
(2)光電極及び色素増感型太陽電池の製造
実施例1で得られた金属錯体色素のかわりに、実施例10で得られた金属錯体色素を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順により図1に示した光電極10及び図3に示した色素増感型太陽電池20と同様の構成を有する光電極及び色素増感型太陽電池を作製した。
(実施例11)
(1)金属錯体色素の合成
先ず、4,4’−ジカルボキシ−2,2’−ビピリジル9mg(合成品)と、RuCl3水和物10mgとをEtOH10mLに溶解し、アルゴン雰囲気中、85℃で4時間加熱撹拌し、その後放冷した。次いで、上記一般式(26)で表されるビピリジル化合物において、2つのフェニル基の4位がそれぞれベンゾイル基で置換されたビピリジル化合物19mg(合成品)を加え、85℃で4時間加熱攪拌した。
次に、アンモニウムチオシアネート28mgをEtOH1mLに添加した溶液を調製し、これを上記の液に加えた。そして、これ以降の手順及び条件は、実施例1と同様にして上記一般式(27)で表される金属錯体色素において、2つのフェニル基の4位がそれぞれベンゾイル基で置換された金属錯体色素を得た。なお、表1において、フェニル基を「Ph」で示す。
(2)光電極及び色素増感型太陽電池の製造
実施例1で得られた金属錯体色素のかわりに、実施例11で得られた金属錯体色素を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順により図1に示した光電極10及び図3に示した色素増感型太陽電池20と同様の構成を有する光電極及び色素増感型太陽電池を作製した。
(実施例12)
(1)金属錯体色素の合成
先ず、4,4’−ジカルボキシ−2,2’−ビピリジル9mg(合成品)と、RuCl3水和物10mgとをEtOH10mLに溶解し、アルゴン雰囲気中、85℃で4時間加熱撹拌し、その後放冷した。次いで、上記一般式(26)で表されるビピリジル化合物において、2つのフェニル基の4位がそれぞれメチルチオ(メチルスルファニル)基で置換されたビピリジル化合物15mg(合成品)を加え、85℃で4時間加熱攪拌した。
次に、アンモニウムチオシアネート28mgをEtOH1mLに添加した溶液を調製し、これを上記の液に加えた。そして、これ以降の手順及び条件は、実施例1と同様にして上記一般式(27)で表される金属錯体色素において、2つのフェニル基の4位がそれぞれメチルチオ(メチルスルファニル)基で置換された金属錯体色素を得た。
(2)光電極及び色素増感型太陽電池の製造
実施例1で得られた金属錯体色素のかわりに、実施例12で得られた金属錯体色素を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順により図1に示した光電極10及び図3に示した色素増感型太陽電池20と同様の構成を有する光電極及び色素増感型太陽電池を作製した。
(実施例13)
(1)金属錯体色素の合成
先ず、4,4’−ジカルボキシ−2,2’−ビピリジル9mg(合成品)と、RuCl3水和物10mgとをEtOH10mLに溶解し、アルゴン雰囲気中、85℃で4時間加熱撹拌し、その後放冷した。次いで、上記一般式(26)で表されるビピリジル化合物において、2つのフェニル基の4位がそれぞれ塩素原子で置換されたビピリジル化合物14mg(合成品)を加え、85℃で4時間加熱攪拌した。
次に、アンモニウムチオシアネート28mgをEtOH1mLに添加した溶液を調製し、これを上記の液に加えた。そして、これ以降の手順及び条件は、実施例1と同様にして上記一般式(27)で表される金属錯体色素において、2つのフェニル基の4位がそれぞれ塩素原子で置換された金属錯体色素を得た。
(2)光電極及び色素増感型太陽電池の製造
実施例1で得られた金属錯体色素のかわりに、実施例13で得られた金属錯体色素を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順により図1に示した光電極10及び図3に示した色素増感型太陽電池20と同様の構成を有する光電極及び色素増感型太陽電池を作製した。
(実施例14)
(1)金属錯体色素の合成
先ず、4,4’−ジカルボキシ−2,2’−ビピリジル9mg(合成品)と、RuCl3水和物10mgとをEtOH10mLに溶解し、アルゴン雰囲気中、85℃で4時間加熱撹拌し、その後放冷した。次いで、上記一般式(26)で表されるビピリジル化合物において、2つのフェニル基の4位がそれぞれメトキシカルボニル基で置換されたビピリジル化合物16mg(合成品)を加え、85℃で4時間加熱攪拌した。
次に、アンモニウムチオシアネート28mgをEtOH1mLに添加した溶液を調製し、これを上記の液に加えた。そして、これ以降の手順及び条件は、実施例1と同様にして上記一般式(27)で表される金属錯体色素において、2つのフェニル基の4位がそれぞれメトキシカルボニル基で置換された金属錯体色素を得た。
(2)光電極及び色素増感型太陽電池の製造
実施例1で得られた金属錯体色素のかわりに、実施例14で得られた金属錯体色素を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順により図1に示した光電極10及び図3に示した色素増感型太陽電池20と同様の構成を有する光電極及び色素増感型太陽電池を作製した。
(実施例15)
(1)金属錯体色素の合成
先ず、4,4’−ジカルボキシ−2,2’−ビピリジル9mg(合成品)と、RuCl3水和物10mgとをEtOH10mLに溶解し、アルゴン雰囲気中、85℃で4時間加熱撹拌し、その後放冷した。次いで、上記一般式(26)で表されるビピリジル化合物において、2つのフェニル基の4位がそれぞれジメチルアミノ基で置換されたビピリジル化合物15mg(合成品)を加え、85℃で4時間加熱攪拌した。
次に、アンモニウムチオシアネート28mgをEtOH1mLに添加した溶液を調製し、これを上記の液に加えた。そして、これ以降の手順及び条件は、実施例1と同様にして上記式(20)で表される金属錯体色素を得た。
(2)光電極及び色素増感型太陽電池の製造
実施例1で得られた金属錯体色素のかわりに、実施例15で得られた金属錯体色素を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順により図1に示した光電極10及び図3に示した色素増感型太陽電池20と同様の構成を有する光電極及び色素増感型太陽電池を作製した。
(実施例16)
(1)金属錯体色素の合成
先ず、4,4’−ジカルボキシ−2,2’−ビピリジル9mg(合成品)と、RuCl3水和物10mgとをEtOH10mLに溶解し、アルゴン雰囲気中、85℃で4時間加熱撹拌し、その後放冷した。次いで、上記一般式(26)で表されるビピリジル化合物において、2つのフェニル基の4位がそれぞれニトロ基で置換されたビピリジル化合物15mg(合成品)を加え、85℃で4時間加熱攪拌した。
次に、アンモニウムチオシアネート28mgをEtOH1mLに添加した溶液を調製し、これを上記の液に加えた。そして、これ以降の手順及び条件は、実施例1と同様にして上記一般式(27)で表される金属錯体色素において、2つのフェニル基の4位がそれぞれニトロ基で置換された金属錯体色素を得た。
(2)光電極及び色素増感型太陽電池の製造
実施例1で得られた金属錯体色素のかわりに、実施例16で得られた金属錯体色素を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順により図1に示した光電極10及び図3に示した色素増感型太陽電池20と同様の構成を有する光電極及び色素増感型太陽電池を作製した。
(実施例17)
(1)金属錯体色素の合成
先ず、4,4’−ジカルボキシ−2,2’−ビピリジル9mg(合成品)と、RuCl3水和物10mgとをEtOH10mLに溶解し、アルゴン雰囲気中、85℃で4時間加熱撹拌し、その後放冷した。次いで、上記一般式(26)で表されるビピリジル化合物において、2つのフェニル基の4位がそれぞれメチルスルフォニル基(メタンスルフォニル基)で置換されたビピリジル化合物17mg(合成品)を加え、85℃で4時間加熱攪拌した。
次に、アンモニウムチオシアネート28mgをEtOH1mLに添加した溶液を調製し、これを上記の液に加えた。そして、これ以降の手順及び条件は、実施例1と同様にして上記一般式(27)で表される金属錯体色素において、2つのフェニル基の4位がそれぞれメチルスルフォニル基で置換された金属錯体色素を得た。
(2)光電極及び色素増感型太陽電池の製造
実施例1で得られた金属錯体色素のかわりに、実施例17で得られた金属錯体色素を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順により図1に示した光電極10及び図3に示した色素増感型太陽電池20と同様の構成を有する光電極及び色素増感型太陽電池を作製した。
(実施例18)
(1)金属錯体色素の合成
先ず、4,4’−ジカルボキシ−2,2’−ビピリジル9mg(合成品)と、RuCl3水和物10mgとをEtOH10mLに溶解し、アルゴン雰囲気中、85℃で4時間加熱撹拌し、その後放冷した。次いで、上記一般式(26)で表されるビピリジル化合物において、2つのフェニル基の4位がそれぞれメトキシスルホニル基(−SOMe基)で置換されたビピリジル化合物18mg(合成品)を加え、85℃で4時間加熱攪拌した。
次に、アンモニウムチオシアネート28mgをEtOH1mLに添加した溶液を調製し、これを上記の液に加えた。そして、これ以降の手順及び条件は、実施例1と同様にして上記一般式(27)で表される金属錯体色素において、2つのフェニル基の4位がそれぞれメトキシスルホニル基で置換された金属錯体色素を得た。
(2)光電極及び色素増感型太陽電池の製造
実施例1で得られた金属錯体色素のかわりに、実施例18で得られた金属錯体色素を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順により図1に示した光電極10及び図3に示した色素増感型太陽電池20と同様の構成を有する光電極及び色素増感型太陽電池を作製した。
(実施例19)
(1)金属錯体色素の合成
先ず、4,4’−ジカルボキシ−2,2’−ビピリジル9mg(合成品)と、RuCl3水和物10mgとをEtOH10mLに溶解し、アルゴン雰囲気中、85℃で4時間加熱撹拌し、その後放冷した。次いで、上記一般式(26)で表されるビピリジル化合物において、2つのフェニル基の4位がそれぞれカルバモイル基で置換されたビピリジル化合物15mg(合成品)を加え、85℃で4時間加熱攪拌した。
次に、アンモニウムチオシアネート28mgをEtOH1mLに添加した溶液を調製し、これを上記の液に加えた。そして、これ以降の手順及び条件は、実施例1と同様にして上記一般式(27)で表される金属錯体色素において、2つのフェニル基の4位がそれぞれカルバモイル基で置換された金属錯体色素を得た。
(2)光電極及び色素増感型太陽電池の製造
実施例1で得られた金属錯体色素のかわりに、実施例19で得られた金属錯体色素を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順により図1に示した光電極10及び図3に示した色素増感型太陽電池20と同様の構成を有する光電極及び色素増感型太陽電池を作製した。
(実施例20)
(1)金属錯体色素の合成
先ず、5,5’−ジカルボキシ−2,2’−ビピリジル9mg(合成品)と、RuCl3水和物10mgとをEtOH10mLに溶解し、アルゴン雰囲気中、85℃で4時間加熱撹拌し、その後放冷した。次いで、5,5’−ジ−p−メトキシフェニル−2,2’−ビピリジル14mg(合成品)を加え、85℃で4時間加熱攪拌した。
次に、アンモニウムチオシアネート28mgをEtOH1mLに添加した溶液を調製し、これを上記の液に加えた。そして、これ以降の手順及び条件は、実施例1と同様にして下記一般式(28)で表される金属錯体色素において、R及びRがそれぞれ5位に結合した−COH基と、2つのフェニル基がそれぞれ5位(式中では「5’」と記載)に結合したp−メトキシフェニル基とを有し、L及びLが−NCSである金属錯体色素を得た。
Figure 2005154606
(2)光電極及び色素増感型太陽電池の製造
実施例1で得られた金属錯体色素のかわりに、実施例20で得られた金属錯体色素を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順により図1に示した光電極10及び図3に示した色素増感型太陽電池20と同様の構成を有する光電極及び色素増感型太陽電池を作製した。
(実施例21)
(1)金属錯体色素の合成
先ず、5,5’−ジカルボキシ−2,2’−ビピリジル9mg(合成品)と、RuCl3水和物10mgとをEtOH10mLに溶解し、アルゴン雰囲気中、85℃で4時間加熱撹拌し、その後放冷した。次いで、5,5’−ジ−p−メトキシフェニル−2,2’−ビピリジル14mg(合成品)を加え、85℃で4時間加熱攪拌した。
次に、KCN24mgをEtOH2mLに添加した溶液を調製し、これを上記の液に加えた。そして、これ以降の手順及び条件は、実施例1と同様にして上記式(21)で表される金属錯体色素を得た。
(2)光電極及び色素増感型太陽電池の製造
実施例1で得られた金属錯体色素のかわりに、実施例21で得られた金属錯体色素を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順により図1に示した光電極10及び図3に示した色素増感型太陽電池20と同様の構成を有する光電極及び色素増感型太陽電池を作製した。
(実施例22)
(1)金属錯体色素の合成
先ず、5,5’−ジカルボキシ−2,2’−ビピリジル9mg(合成品)と、RuCl3水和物10mgとをEtOH10mLに溶解し、アルゴン雰囲気中、85℃で4時間加熱撹拌し、その後放冷した。次いで、5,5’−ジ−p−メトキシフェニル−2,2’−ビピリジル14mg(合成品)を加え、85℃で4時間加熱攪拌した。
次に、KOH21mgをEtOH2mLに添加した溶液を調製し、これを上記の液に加えた。そして、これ以降の手順及び条件は、実施例1と同様にして上記式(22)で表される金属錯体色素を得た。
(2)光電極及び色素増感型太陽電池の製造
実施例1で得られた金属錯体色素のかわりに、実施例22で得られた金属錯体色素を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順により図1に示した光電極10及び図3に示した色素増感型太陽電池20と同様の構成を有する光電極及び色素増感型太陽電池を作製した。
(実施例23)
(1)金属錯体色素の合成
先ず、5,5’−ジカルボキシ−2,2’−ビピリジル9mg(合成品)と、RuCl3水和物10mgとをEtOH10mLに溶解し、アルゴン雰囲気中、85℃で4時間加熱撹拌し、その後放冷した。次いで、5,5’−ジ−p−メトキシフェニル−2,2’−ビピリジル14mg(合成品)を加え、85℃で4時間加熱攪拌した。
次に、NHCl20mgをEtOH2mLに添加した溶液を調製し、これを上記の液に加えた。そして、これ以降の手順及び条件は、実施例1と同様にして上記式(23)で表される金属錯体色素を得た。
(2)光電極及び色素増感型太陽電池の製造
実施例1で得られた金属錯体色素のかわりに、実施例23で得られた金属錯体色素を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順により図1に示した光電極10及び図3に示した色素増感型太陽電池20と同様の構成を有する光電極及び色素増感型太陽電池を作製した。
(実施例24)
(1)金属錯体色素の合成
先ず、4,4’−ジカルボキシ−2,2’−ビピリジル9mg(合成品)と、RuCl3水和物10mgとをEtOH10mLに溶解し、アルゴン雰囲気中、85℃で4時間加熱撹拌し、その後放冷した。次いで、5,5’−ジ−p−メトキシフェニル−2,2’−ビピリジル14mg(合成品)を加え、85℃で4時間加熱攪拌した。
次に、アンモニウムチオシアネート28mgをEtOH1mLに添加した溶液を調製し、これを上記の液に加えた。そして、これ以降の手順及び条件は、実施例1と同様にして上記一般式(28)で表される金属錯体色素において、R及びRがそれぞれ4位に結合した−COH基と、2つのフェニル基がそれぞれ5位(式中では「5’」と記載)に結合したp−メトキシフェニル基とを有し、L及びLが−NCSである金属錯体色素を得た。
(2)光電極及び色素増感型太陽電池の製造
実施例1で得られた金属錯体色素のかわりに、実施例24で得られた金属錯体色素を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順により図1に示した光電極10及び図3に示した色素増感型太陽電池20と同様の構成を有する光電極及び色素増感型太陽電池を作製した。
(実施例25)
(1)金属錯体色素の合成
先ず、5,5’−ジカルボキシ−2,2’−ビピリジル9mg(合成品)と、RuCl3水和物10mgとをEtOH10mLに溶解し、アルゴン雰囲気中、85℃で4時間加熱撹拌し、その後放冷した。次いで、5,5’−ジ−p−メトキシフェニル−2,2’−ビピリジル14mg(合成品)を加え、85℃で4時間加熱攪拌した。
次に、アンモニウムチオシアネート28mgをEtOH1mLに添加した溶液を調製し、これを上記の液に加えた。そして、これ以降の手順及び条件は、実施例1と同様にして上記一般式(28)で表される金属錯体色素において、R及びRがそれぞれ5位に結合した−COH基と、2つのフェニル基がそれぞれ4位(式中では「4’」と記載)に結合したp−メトキシフェニル基とを有し、L及びLが−NCSである金属錯体色素を得た。
(2)光電極及び色素増感型太陽電池の製造
実施例1で得られた金属錯体色素のかわりに、実施例25で得られた金属錯体色素を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順により図1に示した光電極10及び図3に示した色素増感型太陽電池20と同様の構成を有する光電極及び色素増感型太陽電池を作製した。
(実施例26)
(1)金属錯体色素の合成
先ず、5,5’−ジホスホリル−2,2’−ビピリジル12mg(合成品)と、RuCl3水和物10mgとをEtOH10mLに溶解し、アルゴン雰囲気中、85℃で4時間加熱撹拌し、その後放冷した。4,4’−ジ−p−メトキシフェニル−2,2’−ビピリジル14mg(合成品)を加え、85℃で4時間加熱攪拌した。
次に、アンモニウムチオシアネート28mgをEtOH1mLに添加した溶液を調製し、これを上記の液に加えた。そして、これ以降の手順及び条件は、実施例1と同様にして上記式(24)で表される金属錯体色素を得た。
(2)光電極及び色素増感型太陽電池の製造
実施例1で得られた金属錯体色素のかわりに、実施例26で得られた金属錯体色素を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順により図1に示した光電極10及び図3に示した色素増感型太陽電池20と同様の構成を有する光電極及び色素増感型太陽電池を作製した。
(実施例27)
(1)金属錯体色素の合成
先ず、5,5’−ジスルホ−2,2’−ビピリジル12mg(合成品)と、RuCl3水和物10mgとをEtOH10mLに溶解し、アルゴン雰囲気中、85℃で4時間加熱撹拌し、その後放冷した。次いで、4,4’−ジ−p−メトキシフェニル−2,2’−ビピリジル14mg(合成品)を加え、85℃で4時間加熱攪拌した。
次に、アンモニウムチオシアネート28mgをEtOH1mLに添加した溶液を調製し、これを上記の液に加えた。そして、これ以降の手順及び条件は、実施例1と同様にして上記式(25)で表される金属錯体色素を得た。
(2)光電極及び色素増感型太陽電池の製造
実施例1で得られた金属錯体色素のかわりに、実施例27で得られた金属錯体色素を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順により図1に示した光電極10及び図3に示した色素増感型太陽電池20と同様の構成を有する光電極及び色素増感型太陽電池を作製した。
(比較例1)
(1)金属錯体色素の合成
先ず、4,4’−ジカルボキシ−2,2’−ビピリジル18mgと、RuCl3水和物10mgとをEtOH10mLに溶解し、アルゴン雰囲気下、85℃で4時間加熱し、その後放冷した。次に、アンモニウムチオシアネート28mgをEtOH1mLに添加した溶液を調製し、これを上記の液に加えた。そして、アルゴン雰囲気下、85℃で6時間加熱し、その後、放冷した。次に、EtOHを留去して得られた残渣をイオン交換水、酢酸エチルで洗浄し、上記式(A)で表される金属錯体色素を得た。
(2)光電極及び色素増感型太陽電池の製造
実施例1で得られた金属錯体色素のかわりに、比較例1で得られた金属錯体色素を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順により図1に示した光電極10及び図3に示した色素増感型太陽電池20と同様の構成を有する光電極及び色素増感型太陽電池を作製した。
(比較例2)
(1)金属錯体色素の合成
先ず、5,5’−ジカルボキシ−2,2’−ビピリジル9mgと、RuCl3水和物10mgとをEtOH10mLに溶解し、アルゴン雰囲気下、85℃で4時間加熱し、その後放冷した。次いで、5,5’−ジフェニル−2,2’−ビピリジル11mgを加え、85℃で4時間加熱攪拌した。次に、アンモニウムチオシアネート28mgをEtOH1mLに添加した懸濁液を調製し、これを上記の液に加えた。そして、アルゴン雰囲気下、85℃で6時間加熱し、その後、放冷した。次に、DMFを留去して得られた残渣をイオン交換水、アセトンで洗浄し、下記式(C)で表される金属錯体色素を得た。
Figure 2005154606
(2)光電極及び色素増感型太陽電池の製造
実施例1で得られた金属錯体色素のかわりに、比較例2で得られた金属錯体色素を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順により図1に示した光電極10及び図3に示した色素増感型太陽電池20と同様の構成を有する光電極及び色素増感型太陽電池を作製した。
[電池特性試験]
電池特性試験を行ない、実施例1〜実施例27、比較例1〜2の色素増感型太陽電池のエネルギー変換効率ηを測定した。電池特性試験は、ソーラーシミュレータ(ワコム製、商品名;「WXS−85−H型」)を用い、AMフィルター(AM−1.5)を通したキセノンランプから1000(P0、mW/cm2)の疑似太陽光を照射することにより行った。I−Vテスターを用いて電流−電圧特性を測定し、開放電圧(Voc/V)、短絡電流(Isc/mA・cm-2)、曲線因子(F.F.)及び起動開始直後におけるエネルギー変換効率(η/%)を求めた。なお、エネルギー変換効率(η/%)は、下式(Z)に基づいて求めた。
η=100×(Voc×Isc×F.F.)/P0…(Z)
実施例1〜19の試験結果を表1に示し、実施例20〜27及び比較例1〜2の試験結果を表2に示す。
Figure 2005154606
Figure 2005154606
本発明の光電極の好適な一実施形態を示す模式断面図である。 本発明の色素増感型太陽電池の第1実施形態の基本構成を示す模式断面図である。 本発明の色素増感型太陽電池の第3実施形態の基本構成を示す模式断面図である。 本発明の色素増感型太陽電池の第3実施形態の基本構成を示す模式断面図である。 図2又は図3に示した色素増感型太陽電池を複数併設する場合の一例を示す模式断面図である。
符号の説明
1…透明電極、2…半導体電極、3…透明導電膜、4…透明基板、5…シール材、6…基板、8・・・炭素電極、9・・・レーザスクライブにより形成された溝、10…光電極、20,30,40,50…色素増感型太陽電池、CE…対極、E…電解質、F1,F2,F3…受光面、F22…半導体電極2の裏面、S…スペーサ、PS…多孔体層。

Claims (3)

  1. 下記一般式(1)で表されることを特徴とする金属錯体色素。
    Figure 2005154606
    [式(1)中、Mは、Fe、Ru、Os、Pt、Ir、Re、Rh及びPdからなる群より選択される少なくとも1種の金属の原子又はそのイオンを示し、
    1及びR2は同一であっても異なっていてもよく、下記一般式(2);
    −XO(OH) …(2)
    (式(2)中、XはC、S及びPからなる群より選択される少なくとも1種の原子を示し、mは1又は2の整数を示し、nは1又は2の整数を示し、かつm+nは2又は3の整数を示す。)
    で表される特性基を示し、
    及びRは同一であっても異なっていてもよく、−CF、−NR11 、F、Cl、Br、I、−OR11、−SR11、−C(O)R11、−CO11、−SO11、−SO11、−C(O)NR21 、−CN及び−NOからなる群より選択される少なくとも1種の特性基(R11はそれぞれ独立に炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基及び炭素数6〜16のアリール基からなる群より選択される少なくとも1種の基を示し、同一特性基中にR11が2つ存在する場合にはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。同一特性基中に2つ存在するR21は同一であっても異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基及び炭素数6〜16のアリール基からなる群より選択される少なくとも1種の基を示す。)を示し、
    及びLは同一であっても異なっていてもよく、F、Cl、Br、I、−OH、−CN、−SCN、−NCS、下記一般式(3);
    Figure 2005154606
    (式(3)中、R31は同一であっても異なっていてもよく、炭素数1〜12のアルキル基及び炭素数6〜25のアリール基からなる群より選択される少なくとも1種の基を示す。)
    で表されるβ−ジケトン及び下記一般式(4);
    Figure 2005154606
    (式(4)中、Xは、炭素原子、窒素原子、硫黄原子及び酸素原子からなる群より選択される何れかの原子を示し、Yは窒素原子を示し、Zは、水素原子、メルカプト基及び低級アルキル基からなる群より選択される少なくとも一種の特性基を示し、mは2〜7の整数を示し、nは2〜6の整数を示し、pは0又は1の整数を示し、rは0〜2の整数を示す。)
    で表される構造を有し、アルコキシ基、シアノ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい配位子からなる群より選択される少なくとも1種の配位子を示し、
    a、b、c及びdはそれぞれ独立に1〜4の整数、e及びfはそれぞれ独立に1〜5の整数を示す。]
  2. 受光面を有する半導体電極と、当該受光面上に隣接して配置された透明電極とを有する光電極であって、
    前記半導体電極には請求項1に記載の金属錯体色素が含有されていること、
    を特徴とする光電極。
  3. 受光面を有する半導体電極と当該半導体電極の前記受光面上に隣接して配置された透明電極とを有する光電極と、対極とを有しており、前記半導体電極と前記対極とが電解質を介して対向配置された色素増感型太陽電池であって、
    前記光電極が請求項2に記載の光電極であること、
    を特徴とする色素増感型太陽電池。
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