JP2005154523A - 表面改質方法および該表面改質方法で改質した樹脂材を接着した接着体 - Google Patents

表面改質方法および該表面改質方法で改質した樹脂材を接着した接着体 Download PDF

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【課題】 瞬間接着剤に対して難接着性である樹脂材に、接着性に優れた表面改質処理を行うことができる表面改質方法を提供する。
【解決手段】 瞬間接着剤に対して難接着性であるポリプロピレン樹脂より形成されるPPシート5を大気圧近傍下でプラズマ処理して、その表面を改質する方法は、プラズマ処理装置1の電極2,3間の放電空間4にグロー放電させるようにパルス電界を印加し、アンモニアを含む処理ガスをガス導入容器7からガス排出容器8に流し、処理ガス中でプラズマ処理を行い、PPシートの表面に極性基を導入する。前記プラズマ処理が大気圧近傍下で行われ、処理ガス中のアンモニア濃度を、0.1〜15vol%とすることが好ましく、さらに0.5〜5vol%とすることが好ましい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、接着剤に対して難接着性である樹脂シートや樹脂フィルム等の表面を改質して易接着性とする表面改質方法に係り、特に、ポリプロピレン等の樹脂材と瞬間接着剤との接着性を向上できる表面改質方法と、該方法で表面を改質した樹脂材を瞬間接着剤で接着した接着体に関する。
従来、この種の表面改質方法としては、特許文献1に記載の大気圧プラズマ表面処理法がある。この処理法は、対向する電極の少なくとも一方の電極の表面に固体誘電体を配設してなる誘電体被覆電極を有するプラズマ反応装置に気体を導入し、大気圧下プラズマ励起を行って、対向する電極の間に位置する被処理体の表面処理を行う表面処理法で、導入する気体がアルゴン並びにヘリウム及び/またはアセトンから本質的になる気体組成物であることを特徴としている。このプラズマ処理装置は、ポリプロピレン基材をアルゴンとヘリウムを用いて大気圧近傍の圧力環境でプラズマ処理し親水性を付与している。
また、コロナ放電による処理として、特許文献2に記載の合成樹脂成形体のコロナ放電処理方法は、合成樹脂成形体をより小さいピーク電流とより大きいピーク電圧による、より小さい実効出力で印加した電極下に置いて、コロナ放電を行うことを特徴とするものであり、処理ガスに空気(いわゆる窒素と酸素)を使用して放電処理している。
特開平4−74525号公報 特開平10−259261号公報
ところで、特許文献1に記載の大気圧プラズマ表面処理法は、ポリプロピレンに親水性を付与することができるが、そのレベルが低く接着剤による接合は弱いものとなっていた。また、特許文献2に記載のコロナ放電処理方法は、瞬間接着剤との接着性が低く、経時変化が大きく長期に亘る接着強度が低いという問題があった。さらに、大気圧下でコロナ放電処理し表面を酸化する方法は、表面処理が非常に局所的であるため、耐久性のある親水性が得られないという問題があった。従って、ポリプロピレンシートを用いた折曲げ容器などにあってはプライマー処理が必須であった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、接着剤、特に、シアノアクリレート系の瞬間接着剤に対して難接着性である樹脂材に、接着性に優れた表面改質処理を行うことができる表面改質方法を提供することにある。また、前記の表面改質方法で処理した樹脂材を、同質材または別体の部材と瞬間接着剤で強固に接着した接着体を提供することにある。さらに、前記の表面改質方法で処理した樹脂材表面を、インキや塗料で印刷または塗装することで、密着性を高めた塗装体を提供することにある。
前記目的を達成すべく、本発明に係る表面改質方法は、瞬間接着剤に対して難接着性である樹脂材を大気圧近傍下でプラズマ処理して、その表面を改質する方法で、プラズマ処理はアンモニアを含む処理ガス中で行われ、易接着性を付与することを特徴とする。特に、前記瞬間接着剤はシアノアクリレート系瞬間接着剤であり、前記樹脂材はポリプロピレン樹脂より形成されることを特徴としている。また、樹脂材としては、樹脂シートや樹脂フィルム、種々の形状の樹脂成形品等を適用することができる。
前記のごとく構成された本発明の表面改質方法は、例えばポリプロピレン樹脂成形品や、ポリプロピレンシート等の樹脂材の表面をプラズマ処理し、樹脂材の表面に極性基を導入し改質して易接着性を付与するため、例えばシアノアクリレート系瞬間接着剤を用いて接合すると接着強度は高レベルで、しかも長期間に亘って接着状態を安定させることができる。この表面改質方法により、樹脂材と同質材または他の部材とを瞬間接着剤で強固に接着した接着体を製造することができる。
また、本発明に係る表面改質方法の好ましい具体的な態様としては、処理ガス中のアンモニア濃度を、0.1〜15vol%とすることを特徴としており、残りは窒素やアルゴン等の不活性ガスとしている。特に、好ましくはアンモニア濃度を、0.5〜5vol%に設定する。このようにアンモニア濃度を設定することで、対向する電極間における放電を安定させることができ、プラズマ状態が安定して表面に導入した極性基が均一状態となり、樹脂材の易接着性を均質とすることができる。
本発明に係る接着体は、前記の表面改質方法で改質した樹脂材を、同質材または別体の部材と瞬間接着剤で接着したことを特徴とする。樹脂材は前記の表面改質方法で極性基が導入されて易接着性が付与されており、同質材同士やこの樹脂材と他の別体の樹脂材や金属等の部材とを瞬間接着剤で接着しているため、接着強度が高く、長期に亘って安定させることができ、接着体の品質を安定させることができる。特に、シアノアクリレート系瞬間接着剤で、ポリプロピレン樹脂材を接着したものが好適である。本発明に係る塗装体は、前記の表面改質方法で改質した樹脂材表面を、インキや塗料で印刷または塗装したことを特徴とする。このようにして形成された塗装体は、インキや塗料の密着性が高いため長期間に亘って剥離することがなく、耐久性を向上させることができる。
前記したように、本発明によれば、特にポリプロピレン樹脂より形成される樹脂材を、シアノアクリレート系瞬間接着剤で高い接着強度をもって接着することができる。しかもプライマー処理を行うことなく、接着強度は長期間に亘って安定しているため、瞬間接着剤で接合された接着体の品質を安定させることができる。また、インキや塗料で印刷または塗装した塗装体は密着性が高く、耐久性を向上できる。
以下、本発明に係る表面改質方法の一実施形態を図面に基づき詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る表面改質方法に使用する表面処理装置としてグロー放電プラズマ処理装置の要部構成図である。図1において、グロー放電プラズマ処理装置(以下、プラズマ処理装置という)1は、表面改質処理を行う樹脂材として、ポリプロピレン樹脂(以下、PPという)シートを使用し、表面に例えばOH,COOH,NH等の極性基を導入して親水性を付与し、易接着性を付与するものである。
プラズマ処理装置1は、PPシートを搬送するロール状電極2と、このロール状電極の凸円弧電極面2aと対向する部分円弧状の凹円弧電極面3aを有する曲面電極3とを備えており、ロール状電極2の凸円弧電極面2aと曲面電極3の凹円弧電極面3aとが均一の間隔を有して対向し、放電空間4を形成している。放電空間4を形成するロール状電極2と、曲面電極3との電極面2a,3aには、固体誘電体の層が形成されている。固体誘電体としては、少なくとも一方の対向面に形成されればよく、アルミナ等の薄膜が好適である。
ロール状電極2は図示していない回転手段により任意の回転速度で回転することができる構成であり、表面改質処理が行われる樹脂材としてPPシート5の場合は、PPシート5を密着させることにより搬送することができ、搬送しながら処理することができる。すなわち、PPシート5は巻き出しロール5aから供給されて放電空間4内に入り、放電空間で処理された後、巻き取りロール5bで巻き取られる構成となっている。PPシート5を、ロール状電極2に密着させる構成としては、例えばロール状電極の表面に吸着用の孔を穿設し負圧により吸着するように構成してもよく、また静電気を帯電させて吸着させてもよい。
ロール状電極2及び曲面電極3は容器6内に収容されており、容器内には放電空間4の入口側にガス導入容器7が設置され、放電空間4の出口側にガス排出容器8が設置されている。ガス導入容器7には、放電プラズマ処理の処理ガスとしてアンモニアを含む処理ガスがガスボンベ9から供給され、ガス排出容器8で処理に使用したガスを回収し、図示していない回収容器内に廃棄するように構成されている。したがって、処理ガス中で放電プラズマを発生させてPPシート5の表面が改質処理されるように構成されている。処理ガスはアンモニアと、窒素やアルゴン等の不活性ガスを混合したものが使用される。
つぎに、前記のプラズマ処理装置1にパルス電界を印加する電源回路の一例として、電源回路10について図2のブロック図を参照して説明する。電源回路10は所定の周波数のパルス信号を出力するパルス発振回路11と、パルス信号が入力されるスイッチングインバータ回路12、このスイッチングインバータ回路にプラス電源とマイナス電源を供給する+DC電源回路13、および−DC電源回路14とを備え、スイッチングインバータ回路12からの出力信号が昇圧トランス15で増幅され、一方の出力端子16から出力されると共に、他方の出力端子は接地される。この出力端子16は、例えば図1のプラズマ処理装置1の上部の曲面電極3に接続され、下部のロール状電極2は接地されている。このように、曲面電極3がホット電極を構成し、ロール状電極2がアース電極を構成し、放電空間4にパルス電界を印加する構成となっている。
この実施形態のプラズマ処理装置1は、大気圧近傍の圧力下で処理が行われることが好ましい。大気圧近傍の圧力とは、100〜800Torr(約1.333×104〜10.664×104Pa)の圧力であり、実際には圧力調整が容易で、かつ放電プラズマ処理に使用される装置が簡便となる、700〜780Torr(約9.331×104〜10.397×104Pa)の圧力が好ましい。また、表面改質処理される樹脂材であるPPシート5の表面に、放電プラズマを接触させて活性化する際には、樹脂材は加熱されていても、冷却されていてもよく、室温に保たれていてもよい。
放電プラズマ処理に要する時間は、放電空間4に印加される印加電圧の大きさや、使用される処理ガスの割合や流量、処理する樹脂材や用途等によって適宜設定される。放電プラズマ処理により、アンモニアを含む処理ガスが樹脂材であるPPシート5と反応することによって、PPシート5の表面に極性基が導入され、PPシート5の表面を改質して易接着性を付与することができる。PPシート5は、放電空間4で発生した放電プラズマに接触した部位が処理されるため、この実施形態のプラズマ処理装置1ではPPシート5の上面のみが改質処理される。
この実施形態のプラズマ処理装置1では、ロール状電極2はPPシート5の搬送速度と同じに回転されており、ロール状電極2の回転に沿って処理ガスも移動するため、ガスの供給は低圧でも安定して行うことができ、プラズマ状態が安定して改質処理が均一となる。また、ロール状電極2に沿わせて放電プラズマを発生させるため、放電状態が安定してアーク放電の発生を防止することができる。そして、PPシート5を連続して処理することができるため、処理時間を短縮して効率を高めることができる。
前記のように構成された本発明のプラズマ処理による表面改質方法によれば、改質処理されたPPシート5の表面に、シアノアクリレートを主成分とする瞬間接着剤が塗布されると、PPシート5表面の吸着水が接着剤中に拡散して単量体両性イオンを形成し、アニオン重合が始まり、硬化、接着する。このアニオン重合は、水やアミン等(N,N−ジメチルホルムアルデヒド、トリメチルアミン等)弱塩基および金属イオン等も重合性を促進していると考えられている。ここで、PPシート5にNHのプラズマ処理を行うと、アミド基等の弱塩基が形成され重合性を促進することと、その極性基により空気中の水分が樹脂材の表面に吸着水として捕獲されることによりアニオン重合が促進され、硬化、接着されるものと考えられる。
本発明の表面改質方法で、表1に示すプラズマ処理条件A,Bで処理ガスを流して表面改質処理を行い、表2に示すような実施例1,2、比較例1,2の結果を得た。処理ガスとして、アンモニアガスを1L/minの流量で流すと共に、窒素ガスを16L/min,34L/minの流量で流して、アンモニア濃度を2.86vol%,5.88vol%とした。
Figure 2005154523
Figure 2005154523
PPシート5として、出光ユニテック(株)製、透明PPシート「スーパーピュアレイ」(SG−240TN T=0.3mm)を使用し、実施例1,2、比較例1では未処理のまま使用し、比較例2ではコロナ放電処理をした。電極として、トーカロ製のAL203、ニトフロンテープ有りのものを使用した。対向する電極2,3の電極面2a,3aに、固体誘電体の層としてアルミナのコーティングを行い、電極間距離を1.8mmに設定した。パルス電界を発生する電源回路10のDC電源に210〜230Vの直流電圧を印加し、電極間に周波数10kHz、Vpp16.09kVのパルス電界を印加して30秒間放電プラズマ処理を行った。
実施例1では、アンモニアガスを1L/minの流量で流すと共に窒素ガスを34L/minの流量で流して、アンモニア濃度を2.86vol%とした処理条件Aでプラズマ処理を行った。実施例2では、アンモニアガスを1L/minの流量で流すと共に窒素ガスを16L/minの流量で流して、アンモニア濃度を5.88vol%とした処理条件Bでプラズマ処理を行った。これに対し、比較例1では、未処理PPシートをプラズマ処理せず、比較例2では、コロナ処理を実施したのみでプラズマ処理を実施しなかった。
前記の実施例1,2のPPシートと、比較例1,2のPPシートの水の接触角度を測定したところ、実施例1,2はそれぞれ51.4度、50.5度であった。また、比較例1,2では、それぞれ101.6度、72.8度であった。実施例1,2、比較例1,2のPPシートのプラズマ処理面を重ね合せて、瞬間接着剤としてシアノアクリレート系瞬間接着剤の(株)アルテコ製 MC−1を使用して接着して接着体(図示せず)を構成し、接着部分を剥離して接着強度を判断した。実施例1、実施例2の接着力は、基材の材料破壊になるほどの強固なものであった。また、この特性は4ヵ月後であっても維持されていた。比較例1、比較例2の接着力は、基材−接着剤界面で容易に剥離するほど弱いものであった。
前記のようにして、表面改質された実施例2のPPシート5の親水性の経時変化について、図3を参照して説明する。図3において、横軸は経過日数を示し、縦軸は水の接触角を示している。実験のデータとしては、処理直後の接触角は47.5度であり、1日後は50.3度、2日後は49.4度、3日後は49.5度、8日後は49.3度、14日後は47.2度、17日後は50.3度、30日後は49.6度、45日後は48.5度、60日後は46.5度と親水性の経時変化は小さいものであることが表されている。なお、図3は一例として表2に示す実施例2の親水性の経時変化を示しているが、実施例1についても、同様に親水性の経時変化が少ないという結果が得られた。
本発明の表面改質方法の別の効果として、改質された樹脂材表面を、インキや塗料で印刷または塗装した際の、塗膜の密着性向上が挙げられる。実施例2、比較例1および比較例2のPPシートを東洋インキ製造株式会社製の各種紫外線硬化型オフセットインキ(FDカルトンACE GT(紙用)、FD OニューPT(PET用)、FD OニューKR2(PP用))を用いて印刷し、その密着性をセロテープ剥離試験法で評価した。その結果を表3に示す。実施例2ではすべてのインキに対して実用上問題のない密着性を示したのに対し、比較例では十分な密着性の得られるインキの範囲が極めて限定されており、本発明の表面改質方法による密着性の向上が大きいことが確認された。
Figure 2005154523
つぎに、グロー放電プラズマ処理装置の他の例を図4に基づき詳細に説明する。図4は本発明に係る表面改質方法を行うグロー放電プラズマ処理装置の他の例の要部構成図である。なお、この実施形態は前記した例のグロー放電プラズマ処理装置1に対し、被処理物であるPPシートを平面的に搬送することを特徴とする。そして、他の実質的に同等の構成については同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
図4において、グロー放電プラズマ処理装置20は、対向する上下の電極21,22はそれぞれ上面および下面が平坦で、放電空間23は平坦に形成されている。そして、対向する電極の少なくとも一方の面には固体誘電体の層が形成されている。この例では、上下の電極21,22の対向面にアルミナのコーティング層21a,22aが形成されている。上部の電極21には電源回路10からパルス電界が印加され、下部の電極22は接地されている。この例では、PPシート5は巻き出しロール5aから放電空間23に供給され、巻き取りロール5bで巻き取られる構成であり、下部の電極22に接触した状態で平面的に移動される。放電空間23にはガス導入容器24から処理ガスが供給され、ガス排出容器25で回収される。
この例のグロー放電プラズマ処理装置20においても、表1に示すプラズマ処理条件A,Bでアンモニアガスを流して、図2に示す電源回路10で対向する上下の電極21,22にパルス電界を印加し、放電空間23にグロー放電を発生させることにより、前記した図1に示すプラズマ処理装置1と同様にPPシート5の表面に極性基を導入することができ、経時変化の少ない表面改質処理を施すことができた。表面改質したPPシートに瞬間接着剤を塗布し、他の部材(図示せず)と強固に接着し、一体化した接着体(図示せず)を得た。この接着体も強固に接着され剥離強度の大きいものであった。
以上、本発明の一実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。例えば、アンモニアガスと同時に流すガスとして窒素の例を示したが、アルゴン等の不活性ガスを流してもよい。また処理構成として、複数の電極を使用した多段処理や、両面同時処理を行うこともできる。
また、表面改質処理を行う樹脂材として、樹脂シートを巻回したロールから連続的に供給する例を示したが、例えば板状の樹脂材をベルトコンベアで搬送して供給するように構成してもよい。さらに、電極に印加されるパルス電界は、インパルス型、矩形波型、変調波型等、適宜の波形とすることができ、正又は負のいずれかの極性側に電圧を印加する、いわゆる片波状の波形を用いてもよい。
本発明に係る表面改質方法の一実施形態を行う表面処理装置としてグロー放電プラズマ処理装置の要部構成図。 図1の処理装置にパルス電界を印加する電源回路のブロック図。 表2の実施例2の親水性の経時変化を示すグラフ図。 グロー放電プラズマ処理装置の他の例の要部構成図。
符号の説明
1,20:グロー放電プラズマ処理装置、2:ロール状電極(アース電極)、3:曲面電極(ホット電極)、2a,3a,21a,22a:電極面(固体誘電体層)、4,23:放電空間、5:PPシート(樹脂材)、7,24:ガス導入容器、8,25:ガス排出容器、9:ガスボンベ(処理ガス)、10:電源回路、21,22:電極

Claims (5)

  1. 瞬間接着剤に対して難接着性である樹脂材を大気圧近傍下でプラズマ処理して、その表面を改質する方法であって、
    前記プラズマ処理は、アンモニアを含む処理ガス中で行われることを特徴とする表面改質方法。
  2. 前記瞬間接着剤はシアノアクリレート系瞬間接着剤であり、前記樹脂材はポリプロピレン樹脂より形成されることを特徴とする請求項1に記載の表面改質方法。
  3. 前記処理ガス中のアンモニア濃度を、0.1〜15vol%とすることを特徴とする請求項1または2に記載の表面改質方法。
  4. 前記請求項1〜3のいずれかに記載の表面改質方法で改質した樹脂材を、同質材または別体の部材と瞬間接着剤で接着したことを特徴とする接着体。
  5. 前記請求項1〜3のいずれかに記載の表面改質方法で改質した樹脂材表面を、インキや塗料で印刷または塗装した塗装体。
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