JP2019199068A - 樹脂材と金属材との接合体およびその製造方法 - Google Patents

樹脂材と金属材との接合体およびその製造方法 Download PDF

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【課題】高密度かつ長尺なプラズマジェットを生成することができる装置を用いて樹脂材と金属材との無接着剤接合を実現する。【解決手段】大気中において、樹脂材と金属材の少なくともいずれか一方の表面にプラズマ生成装置から発生するプラズマを照射する照射工程と、樹脂材と金属材とを表面において互いに接触させる接触工程とを実施する。【選択図】図13

Description

本発明は電極に高周波電位を印加することでプラズマを生成する装置を用いた樹脂材と金属材との接合体の製造方法、樹脂材と金属材との接合体、プラズマ生成装置を用いた樹脂材、およびプラズマ生成装置を用いた金属材に関するものである。
プラズマ生成装置を使用して、接着剤を用いることなく樹脂材と金属材という異素材同士の接合を行う方法が知られている。
例えば、特許文献1には、チャンバー内において雰囲気ガスを管理された環境下でポリテトラフルオロエチレンシート(PTFEシート)にプラズマを照射した後、PTFEシートを金属部材に接合させることについて記載されている。特許文献1では、PTFEシートは、距離5mm以下で対向する電極間に載置されて当該電極間にプラズマを発生させることにより表面改質がなされている。また、対向電極は、雰囲気ガスと温度が厳密に制御されたチャンバーの中に置かれたものである。
特開2016−56363号
特許文献1に記載されている樹脂材と金属材との接合方法では一定の接合強度が達成されているが、例えば、自動車の組立てラインや航空機部品の製造ライン等において樹脂材と金属材の接合を行う際には、チャンバーを用いることや狭い対向電極の間に部品を載置することが困難である場合が想定される。
本発明の樹脂材と金属材との接合体の製造方法は、チャンバー(真空設備)内ではなく大気環境下において高密度かつ長尺なプラズマジェットを生成することができる装置を用いて樹脂材と金属材の接合を行う方法を提供することを目的とするものである。
本発明の発明者らは、大気環境下において様々なプラズマ発生装置を試作する中で、特定プラズマ生成装置が高密度かつ長尺なプラズマジェットを生成できることを見いだし、更にこのプラズマを樹脂材と金属材の少なくとも一方に照射することにより樹脂−金属の強固な接合を実現した。
上記課題を解決し得た本発明の樹脂材と金属材との接合体の製造方法は、大気中において、樹脂材と金属材の少なくともいずれか一方の表面に下記特定プラズマ生成装置から発生するプラズマを照射する照射工程と、前記樹脂材と前記金属材とを前記表面において互いに接触させる接触工程と、を有することを特徴とする樹脂材と金属材との接合体の製造方法である。
[特定プラズマ生成装置]
先端と後端を有しており、前記先端側からプラズマを噴出させるための管状体と、
前記管状体に接続されて、前記管状体内に媒質ガスを供給するガス供給部と、
前記管状体の外表面に設けられ、接地電位を含む定電位に接続されている第1電極と、
前記管状体の外表面であって前記第1電極の後端よりも後方に設けられ、100kHz以上の高周波電位が印加される第2電極と、を有し、
前記管状体の長軸方向において前記第1電極の長さL1が前記第2電極の長さL2よりも短いプラズマ生成装置。
本発明では特定プラズマ生成装置により得られる高密度かつ長尺なプラズマジェットを用いて大気中で樹脂材や金属材の表面処理をすることができ、接着剤を使用しない樹脂材と金属材との接合を実現できるものである。
上記製造方法では、前記照射工程において、前記樹脂材の表面と前記金属材の表面の両方に前記プラズマを照射することが好ましい。
上記製造方法では、前記照射工程において、前記樹脂材に1.0kV以上1.7kV以下の第1高周波電位の印加で生成されたプラズマを30秒間以上照射した後、前記金属材に前記第1高周波電位よりも高い第2高周波電位の印加で生成されたプラズマを1分間以上照射することが好ましく、前記第2高周波電位は、1.8kV以上3.0kV以下であることが好ましい。ここで、「高周波電位」は電位波形の極小値と極大値の差(以下、「ピークピーク値」と記載する)を表している。
上記製造方法では、前記接触工程において、前記樹脂材と前記金属材を10MPa以下の圧力で互いに押圧することが好ましい。
上記製造方法では、前記照射工程において使用されるプラズマは、照射面におけるプラズマ密度が1012cm−3以上1017cm−3以下であり、ガス温度が60度以上500度以下にすることが好ましい。
樹脂材と金属材とが接着剤を介さずに直接接合されている接合体であって、前記樹脂材がポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂から選択される一種以上の樹脂からなり、前記樹脂材と前記金属材との引張りせん断強度が5MPa以上である接合体が好ましく利用できる。
樹脂材と金属材とが接着剤を介さずに直接接合されている接合体であって、前記樹脂材がポリプロピレン系樹脂であり、前記樹脂材と前記金属材との引張りせん断強度が0.5MPa以上である接合体が好ましく利用できる。
上記接合体において、前記樹脂材が、炭素繊維と樹脂とを含む混合体であることが好ましい。
上記課題を解決し得た本発明の樹脂材は、大気中において下記特定プラズマ生成装置から発生するプラズマが表面に照射されたものである。
[特定プラズマ生成装置]
先端と後端を有しており、前記先端側からプラズマを噴出させるための管状体と、
前記管状体に接続されて、前記管状体内に媒質ガスを供給するガス供給部と、
前記管状体の外表面に設けられ、接地電位を含む定電位に接続されている第1電極と、
前記管状体の外表面であって前記第1電極の後端よりも後方に設けられ、100kHz以上の高周波電位が印加される第2電極と、を有し、
前記管状体の長軸方向において前記第1電極の長さL1が前記第2電極の長さL2よりも短いプラズマ生成装置。
上記樹脂材であって、炭素繊維と樹脂とを含む混合体が好ましく利用される。
上記課題を解決し得た本発明の金属材は、大気中において下記特定プラズマ生成装置から発生するプラズマが表面に照射されたものである。
[特定プラズマ生成装置]
先端と後端を有しており、前記先端側からプラズマを噴出させるための管状体と、
前記管状体に接続されて、前記管状体内に媒質ガスを供給するガス供給部と、
前記管状体の外表面に設けられ、接地電位を含む定電位に接続されている第1電極と、
前記管状体の外表面であって前記第1電極の後端よりも後方に設けられ、100kHz以上の高周波電位が印加される第2電極と、を有し、
前記管状体の長軸方向において前記第1電極の長さL1が前記第2電極の長さL2よりも短いプラズマ生成装置。
本発明に用いる特定プラズマ生成装置は、上記の特徴を有するものであるが更に以下の改良を加えることができる。
上記特定プラズマ生成装置の第2電極の長さL2に対する第1電極の長さL1の比率(L1/L2)が0.8以下であることが好ましい。このようにL1/L2を設定することによって長尺なプラズマジェットが得られやすくなる。
上記特定プラズマ生成装置の管状体の長軸方向において、第1電極の長さL1が0.5mm以上50mm以下であることが好ましい。第1電極の長さL1を上記範囲に設定することによって長尺なプラズマジェットが得られやすくなる。
上記特定プラズマ生成装置の管状体の長軸方向において、第1電極の後端から第2電極の先端までの長さが、第1電極の長さの0.1倍以上であることが好ましい。このように第1電極の後端から第2電極の先端までの長さを設定することで、第1電極と第2電極の間で放電が起こりやすくなる。
上記特定プラズマ生成装置の管状体の長軸方向における第2電極の長さL2が、管状体の外径の1倍以上の長さであることが好ましい。管状体の外径と第2電極の長さを上記範囲に設定することによって長尺なプラズマジェットが得られやすくなる。
上記特定プラズマ生成装置の第1電極の先端が、管状体の先端から20mm以内の領域に設けられていることが好ましい。このように第1電極の先端を設けることにより、管状体の先端から噴出するプラズマジェットの長さを確保することができる。
上記特定プラズマ生成装置の第1電極の外表面および第2電極の外表面が絶縁体により被覆されていることが好ましい。このように第1電極と第2電極の双方が絶縁体により被覆されていれば、管状体の外側でのプラズマジェットや他の電極との間での意図しない放電の発生を抑制することができる。
上記特定プラズマ生成装置の管状体の外表面であって第2電極の後端よりも後方に設けられ、接地電位を含む定電位に接続されている第3電極と、管状体の外表面であって第3電極の後端よりも後方に設けられ、直流パルス電位または低周波電位が印加される第4電極と、を有していてもよい。このように第3電極と第4電極を設けることにより、第3電極と第4電極間で放電が起こりプラズマが生成される。生成されたプラズマ中の荷電粒子や励起粒子が第2電極付近まで到達することにより、これら荷電粒子や励起粒子が第1電極と第2電極の間の放電における種火として機能するため、第1電極と第2電極との間で放電が起こりやすくなる。
上記特定プラズマ生成装置を用いて、管状体の先端からプラズマを噴出させる方法であって、第1媒質ガスを管状体内に供給するステップAと、第4電極に直流パルス電位または低周波電位を印加するステップBと、さらに第2媒質ガスを管状体内に供給するステップCと、第1媒質ガスの供給を停止するステップDと、第2電極に高周波電位を印加するステップEと、第4電極への直流パルス電位または低周波電位の印加を解除するステップFと、を実行することが好ましい。該方法により、高密度かつ長尺なプラズマジェットを生成することができる。なお、上記プラズマ生成方法において、第1媒質ガスがヘリウムガス、アルゴンガス、またはヘリウムとアルゴンの混合ガスであり、第2媒質ガスがアルゴンガスであることが好ましい。
上記特定プラズマ生成装置によれば、管状体の先端から発生するプラズマ(プラズマジェット)を高密度かつ長尺に形成することができる。このように形成された長尺のプラズマジェットを樹脂材或いは金属材に照射することにより表面改質し、接着剤を用いないで樹脂材と金属材との接合体を製造することができる。また、長尺のプラズマジェットを用いるためプラズマ照射領域を特定エリアに絞ることも可能である。
本発明において用いる特定プラズマ生成装置を示す正面図を表す。 本発明において用いる特定プラズマ生成装置の他の例を示す正面図を表す。 本発明において用いる特定プラズマ生成装置によるプラズマ生成方法を示す模式図を表す。 本発明において用いる特定プラズマ生成装置によるプラズマ生成方法を示す模式図を表す。 本発明において用いる特定プラズマ生成装置によるプラズマ生成方法を示す模式図を表す。 本発明において用いる特定プラズマ生成装置によるプラズマ生成方法を示す模式図を表す。 本発明において用いる特定プラズマ生成装置によるプラズマ生成方法を示す模式図を表す。 本発明において用いる特定プラズマ生成装置によるプラズマ生成方法を示す模式図を表す。 従来のプラズマ生成装置を示す正面図を表す。 第1電極および第2電極の長さ比とジェット長の関係を示すグラフを表す。 第2電極への印加電圧とジェット長の関係を示すグラフを表す。 アルゴンガスの流量とジェット長の関係を示すグラフを表す。 成型されている樹脂材に特定プラズマ生成装置のプラズマジェットを照射する態様の一例を示す。 接合体の引張りせん断強度試験に用いる試験片を示す。
以下、本発明のより詳細な具体例を説明するが、本発明は以下の具体例のみに限定されず、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。なお、本発明における樹脂材と金属材との接合体の製造方法、樹脂材、および金属材は、いずれも本発明における特定プラズマ生成装置を使用したものであるため、まずは、本発明において使用する特定プラズマ生成装置(以下、単に「プラズマ生成装置」という場合がある。)について説明する。
1.特定プラズマ生成装置
まず、図1を参照して特定プラズマ生成装置の構成について説明する。本発明の実施の形態におけるプラズマ生成装置1(1A)は、先端と後端を有しており、先端側からプラズマ20(プラズマジェット21)を噴出させるための管状体2と、管状体2に接続されて、管状体2内に媒質ガスを供給するガス供給部5と、管状体2の外表面に設けられ、接地電位を含む定電位に接続されている第1電極11と、管状体2の外表面であって第1電極11の後端よりも後方に設けられ、100kHz以上の高周波電位が印加される第2電極12と、を有し、管状体2の長軸方向において、第1電極11の長さL1が第2電極12の長さL2よりも短いものである。なお、本発明では、管状体2の長軸方向において、管状体2の先端から露出しているプラズマジェット21の長さを「プラズマジェット長」あるいは「ジェット長」と称することがある。
管状体2は、先端と後端を有しており、先端側からプラズマ20を噴出させる。ここで、管状体2の先端側とはプラズマ20が噴出する側であり、管状体2の後端側とは先端側と反対側である。図1において、紙面上方向が管状体2の後端側に相当し、紙面下方向が管状体2の先端側に相当する。
管状体2は、管状に形成されている誘電体であることが好ましく、例えば、石英管等のガラス管、プラスチックパイプであることが好ましく、石英管であることがより好ましい。石英管は金属の不純物が少なく耐熱温度が高いことから適している。
管状体2の外径は、生成したいプラズマジェットの長さや径に応じて設定すればよいが、例えば、4mm以上、5mm以上、または6mm以上であってもよく、100mm以下、80mm以下、または50mm以下とすることもできる。
ガス供給部5は、管状体2に接続されて、管状体2内に媒質ガスを供給するものである。ガス供給部5は、例えば、媒質ガスボンベと、当該媒質ガスボンベと管状体2を接続するチューブから構成される。チューブには、媒質ガスの流量を監視するための流量計や、媒質ガスの流量を制御するための制御弁が好ましく設けられる。プラズマの生成原料である媒質ガスとしてはアルゴンガスやヘリウムガスを用いることができる。ガス供給部5は、管状体2の長軸方向の中心位置よりも後方に接続されていることが好ましく、より好ましくは管状体2の後端に接続される。
管状体2の外表面には少なくとも第1電極11と第2電極12が設けられる。以下、第1電極11と第2電極12をまとめて「電極」と称することがある。電極は、導電性を有する電極材料から構成されていればよく、例えばAl、Ag、C、Ni、Au、Cu等の金属材料から構成される。電極は、蒸着、スパッタリング、塗布、フォトリソグラフィ等の方法で形成されてもよく、別途形成されたシート状や円筒状の電極部材を管状体2の外表面に固定することで形成されていてもよい。
電極は、管状体2の周方向の一部にのみ設けられていてもよく、周方向の全体にわたって設けられていてもよいが、周方向の全体にわたって設けられて環状に形成されていることが好ましい。これにより、管状体2の全周方向から電子を加速することができるため、効率良くプラズマを生成することができる。
第1電極11は、管状体2の外表面に設けられ、接地電位を含む定電位に接続されている。第1電極11に付与される定電位は時間的に一定の電位とすることができ、第2電極12に付与される電位に対して十分低い値であることが好ましい。第1電極11は、例えば、2V以下、または1V以下の定電位に接続されていることが好ましく、より好ましくは接地電位(0V)に接続されている。
管状体2の長軸方向において、第1電極11の長さL1は特に制限されないが、電極を容易に形成するためには例えば0.5mm以上、1mm以上、または2mm以上にすることができる。また、第1電極11の長さL1は、50mm以下、40mm以下、30mm以下、20mm以下、10mm以下、8mm以下、または5mm以下であってもよい。第1電極の長さL1が短い程、プラズマジェット長は増大する。このように第1電極11の長さL1を上記範囲に設定しても長尺なプラズマジェットが得られる。
管状体2の長軸方向において、第1電極11が設けられる位置は特に制限されないが、第1電極11の先端が、管状体2の先端から20mm以内の領域に設けられていることが好ましく、より好ましくは10mm以内、さらに好ましくは8mm以内、さらにより好ましくは5mm以内の領域に設けられる。第1電極11の先端が、管状体2の先端から20mm以内の領域に設けられることにより、ジェット長を確保することができる。
第1電極11の外表面は絶縁体により被覆されていることが好ましい。これにより、第1電極11とプラズマジェット21との間の管状体2の外側での意図しない放電の発生を抑制できる。
第1電極11の外表面の一部のみが絶縁体に被覆されていてもよく、例えば、第1電極11の外表面の長軸方向の中心位置よりも先端側のみが被覆されていてもよい。このように第1電極11の一部のみが被覆されていることでも第1電極11とプラズマジェット21の間の管状体2の外側での意図しない放電を抑制することができる。より確実に放電を抑制するためには、第1電極11の外表面の全部が絶縁体に被覆されていることが好ましい。
第2電極12は、管状体2の外表面であって第1電極11の後端よりも後方に設けられ、100kHz以上の高周波電位が印加されるものである。第2電極12が第1電極11の先端よりも先方に設けられた場合、プラズマジェットが管状体2の特に後端側に向かって伸びる傾向にあるため、第2電極12は、第1電極11の後端よりも後方に設けられる。
第2電極12への印加電位の周波数は、100kHz以上であればよく、500kHz以上、1MHz以上、10MHz以上であってもよく、また、1GHz以下や100MHz以下であってもよい。印加電位の周波数が高いほど、低い電圧でも長尺なジェットが得られるため、プラズマ生成装置の小型化に有利である。第2電極12の印加電位の周波数は、可変であってもよく、一定であってもよい。第2電極12への電位印加には、公知の高周波高電圧電源を用いることができる。
第2電極12への印加電位は特に制限されないが、0.3kV以上、0.5kV以上、または1kV以上であることが好ましい。第2電極12への印加電圧が大きいほどプラズマ密度やジェット長は増大する。また、第2電極12への印加電位は特に制限されないが、例えば100kV以下、または10kV以下であってもよい。ここで、印加電位はピークピーク値を表している。
管状体2の長軸方向における第2電極12の長さは特に限定されないが、例えば、5mm以上、10mm以上、または15mm以上であってもよく、50mm以下、40mm以下、または30mm以下であってもよい。
本発明のプラズマ生成装置1は、管状体2の長軸方向において、第1電極11の長さL1が第2電極12の長さL2よりも短いものである。このように第1電極11の長さを第2電極12の長さよりも短くすることによって、プラズマ20が管状体2外の空間に向かって伸びやすくなる。このため、管状体2の先端から噴出するプラズマ20(プラズマジェット21)を高密度かつ長尺に生成することができる。また、印加電位の周波数、電極の長さ等のパラメータを調整し、さらにアルゴンガスに、例えば微量の酸素ガス及び窒素ガスを添加することで、生成されたプラズマを照射した細胞培養液等の溶液に含まれる活性種濃度比(例えばNO /H)を制御することができるため、がん細胞を死滅させるのに適した活性種濃度比に調整することができ、そのためがん細胞を選択的に殺傷することも期待できる。
第2電極12の長さL2に対する第1電極11の長さL1の比率(L1/L2)は小さければ小さいほどよく、例えば、0.8以下であることが好ましく、0.7以下であることがより好ましく、0.3以下であることがさらに好ましい。第2電極12の長さL2に対する第1電極11の長さL1の比率(L1/L2)が小さいほどジェット長は増大するからである。第2電極12の長さL2に対する第1電極11の長さL1の比率(L1/L2)の下限値は特に限定されず、0を超えていればよく、0.01以上、0.05以上、あるいは0.1以上であってもよい。
管状体2の長軸方向における第2電極12の長さL2が、管状体2の外径の1倍以上の長さであることが好ましく、より好ましくは1.3倍以上、さらに好ましくは1.5倍以上、さらにより好ましくは3倍以上である。管状体2の外径と第2電極12の長さL2を上記範囲に設定することによって長尺なプラズマジェットが得られやすくなる。また、管状体2の外径に対して第2電極12の長さL2が大きいほどジェット長が増大しやすくなる。管状体2の外径に対する第2電極12の長さL2の上限は特に制限されないが、例えば、第2電極12の長さL2は管状体2の外径の10倍以下、8倍以下、または5倍以下の長さにすることもできる。
管状体2の外径は、管状体2の長軸方向における第2電極12の長さL2よりも短く、管状体2の長軸方向における第1電極11の長さL1よりも長くてもよい。このように管状体2の外径と電極の長さを設定することにより、長尺なプラズマジェットが得られる。
管状体2の長軸方向において、第1電極11の後端から第2電極12の先端までの長さ、すなわち第1電極11と第2電極12の間隔が、第1電極11の長さの0.1倍以上、0.5倍以上、1倍以上、または2倍以上であってもよく、10倍以下、または5倍以下であってもよい。具体的には、第1電極11の後端から第2電極12の先端までの長さは、例えば0.5mm以上、1mm以上、または2mm以上であってもよく、10mm以下、8mm以下、または6mm以下であってもよいが、より好ましくは5mm以下である。このように第1電極11の後端から第2電極12の先端までの長さを設定することで、第1電極11と第2電極12の間で放電が起こりやすくなる。
第2電極12の外表面が絶縁体により被覆されていてもよい。これにより、管状体2の外側で他の電極との間での意図しない放電が発生することを抑制できる。第2電極12の外表面の一部のみが絶縁体に被覆されていてもよく、例えば、第2電極12の外表面の端部分が被覆されていてもよい。このように第2電極12の一部のみが被覆されていることでも管状体2の外側で第2電極12と他の電極との間での意図しない放電を抑制することができる。より確実に放電を抑制するためには、第2電極12の外表面の全部が絶縁体に被覆されていることが好ましい。また、第1電極11の外表面および第2電極12の外表面が絶縁体により被覆されていてもよい。このように第1電極11と第2電極12の双方が絶縁体により被覆されていれば、管状体2の外側でのプラズマジェットや他の電極との間の意図しない放電の発生を抑制することができる。
次に、図2を用いて、第1電極11および第2電極12に加えてさらに複数の電極が設けられるプラズマ生成装置1の構成例を説明する。プラズマ生成装置1(1B)は、さらに管状体2の外表面であって第2電極12の後端よりも後方に設けられ、接地電位を含む定電位に接続されている第3電極13と、管状体2の外表面であって第3電極13の後端よりも後方に設けられ、直流パルス電位または低周波電位が印加される第4電極14と、を有していてもよい。このように第3電極13と第4電極14を設けることにより、第3電極13と第4電極14間で放電が起こりプラズマが生成される。生成されたプラズマ中の荷電粒子や励起粒子が第2電極12付近まで到達することにより、これら荷電粒子や励起粒子が第1電極11と第2電極12の間の放電における種火として機能するため、第1電極11と第2電極12との間で放電が起こりやすくなる。
第3電極13は、管状体2の外表面に設けられ、接地電位を含む定電位に接続されている。第3電極13に付与される定電位は時間的に一定の電位とすることができ、第4電極14に付与される電位に対して十分低い値であることが好ましい。第3電極13は、例えば、2V以下、または1V以下の定電位に接続されていることが好ましく、より好ましくは接地電位(0V)に接続されている。
第4電極14は、管状体2の外表面であって第3電極13の後端よりも後方に設けられ、直流パルス電位または低周波電位が印加されるものである。
第4電極14への印加電位の周波数は、例えば50kHz以下であり、10kHz以下、または5kHz以下であってもよく、下限は特に限定されないが、例えば0.1kHz以上、または1kHz以上に設定することもできる。第4電極14の印加電位の周波数は、可変であってもよく、一定であってもよい。第4電極14への電位印加には、公知の直流パルス電源や低周波高電圧電源を用いることができる。
第4電極14への印加電位は特に制限されないが、0.3kV以上、0.5kV以上、または1kV以上であってもよく、100kV以下、または10kV以下であってもよい。
第3電極13と第4電極14は、上述した第1電極11と第2電極12と同様の材料から構成することができ、また、第1電極11および第2電極12と同様の方法で形成することができる。第3電極13と第4電極14は、それぞれ管状体2の周方向の一部にのみ設けられていてもよく、周方向の全体にわたって設けられていてもよいが、周方向の全体にわたって設けられて環状に形成されていることが好ましい。これにより、管状体2の全周方向から電子を加速することができるため、効率良くプラズマを生成することができる。
第3電極13の外表面および第4電極14の外表面が絶縁体により被覆されていることが好ましい。このように第3電極13と第4電極14の双方が絶縁体により被覆されていれば、管状体2の外側での第3電極13と第4電極14との間の意図しない放電の発生を抑制することができる。第3電極13の外表面および第4電極14の外表面の一部のみが絶縁体に被覆されていてもよく、例えば、第3電極13の外表面の後端と第4電極14の先端が被覆されていてもよい。このように第3電極13および第4電極14の一部のみが被覆されていることでも管状体2の外側での意図しない放電を抑制することができる。
管状体2の長軸方向において、第3電極13と第4電極14の長さは同じであってもよく、異なっていてもよいが、第3電極13の長さL3が第4電極14の長さL4よりも短いことが好ましい。中でも、第4電極14の長さL4に対する第3電極13の長さL3の比率(L3/L4)は0.1以上、0.25以上、0.5以上、0.75以上、または1以上であってもよい。一方、第4電極14の長さL4に対する第3電極13の長さL3の比率(L3/L4)の上限値は特に限定されないが、例えば、5以下、4以下、または3以下であってもよい。このように第3電極13と第4電極14の長さを設定することで、第3電極13および第4電極14により生成されたプラズマが第2電極12付近まで到達しやすくなり、第1電極11と第2電極12の間で放電が起こりやすくなる。
第2電極12の後端から第3電極13の先端までの長さD2は、第1電極11の後端から第2電極12の先端までの長さD1よりも長いことが好ましい。このように第1電極11〜第3電極13を配置することにより、第2電極12と第3電極13の間での意図しない放電が起こることを抑制する。第2電極12と第3電極13の放電により生成されるプラズマは管状体2の後方側に伸びる傾向にあるため、ジェット長が短くなるおそれがあるからである。D1に対するD2の比率(D2/D1)は1.2以上であることが好ましく、より好ましくは1.5以上、さらに好ましくは2以上である。一方、第3電極13と第4電極14により生成されたプラズマを第2電極12付近に到達させやすくする、またはプラズマ生成装置1が過度に長尺になることを抑制するためには、D2/D1は5以下であることが好ましく、より好ましくは4以下、さらに好ましくは3以下である。
管状体2の長軸方向において、第3電極13の後端から第4電極14の先端までの長さD3、すなわち第3電極13と第4電極14の間隔が、第3電極13の長さの0.1倍以上、1倍以上、または2倍以上であってもよく、10倍以下、または5倍以下であってもよい。具体的には、第3電極13の後端から第4電極14の先端までの長さは、例えば0.5mm以上、1mm以上、または2mm以上であってもよく、10mm以下、8mm以下であってもよいが、より好ましくは8mm以下である。このように第3電極13の後端から第4電極14の先端までの長さを設定することで、第3電極13と第4電極14の間で放電が起こりやすくなる。
上記電極間隔D1〜D3は、D1<D2=D3、D1<D3<D2、D3<D1<D2、D1=D3<D2、または、D1<D2<D3の関係を有していてもよい。いずれの場合であっても、第2電極12と第3電極13の間での意図しない放電を抑制することができる。
次に、第1電極11〜第4電極14を有するプラズマ生成装置1(1B)を用いて管状体2の先端からプラズマを噴出させる方法について図3〜図8を用いて説明する。以下の方法を第1の生成方法と称する。
まず、図3に示すように、第1媒質ガスを管状体2内に供給する(ステップA)。第1媒質ガスは、第3電極13と第4電極14の間で放電を発生させるために供給されるものである。第1媒質ガスの供給流量は、0.5L/min以上であることが好ましく、より好ましくは1L/min以上、更に好ましくは2L/min以上、更により好ましくは3L/min以上であり、また、6L/min以下、または5L/min以下であってもよい。第1媒質ガスとしてはヘリウムガス、アルゴンガス、またはヘリウムとアルゴンの混合ガスを用いることが好ましく、ヘリウムガスを用いることがより好ましい。図3では、第1媒質ガスがヘリウムガスの例を示した。
次いで、図4に示すように、第4電極14に直流パルス電位または低周波電位を印加する(ステップB)。具体的には直流パルス電源8または低周波高電圧電源(図示せず)をONにして第4電極14に電位を印加する。これにより、第3電極13と第4電極14の間で放電が起こり管状体2内にプラズマ20が生成される。ステップBは、第3電極13と第4電極14で放電を発生させることを意図しているため、第2電極12には高周波電位を印加していないことが好ましい。なお、ステップAとステップBはいずれのステップを先に行ってもよい。
図5に示すように、さらに第2媒質ガスを管状体2内に供給する(ステップC)。第2媒質ガスは、第1電極11と第2電極12の間で放電を発生させるために供給されるものである。第2媒質ガスとしては、アルゴンガスを用いることが好ましい。第1媒質ガスと第2媒質ガスの混合比は特に制限されないが、例えば1:99〜99:1であってもよく、30:70であってもよく、また、50:50であってもよい。ここで第1媒質ガスと第2媒質ガスの合計流量は、0.5L/min以上であることが好ましく、より好ましくは1L/min以上、更に好ましくは2L/min以上、更により好ましくは3L/min以上であり、また、10L/min以下、または8L/min以下であってもよい。
図5では、第2媒質ガスがアルゴンガスである例を示した。
図6に示すように、第1媒質ガスの供給を停止する(ステップD)。ステップA〜Bにおいて、第3電極13と第4電極14の間の放電によりプラズマ20が生成されているため、第1媒質ガスの供給を停止しても、第2媒質ガスによってプラズマ20の生成を継続できる。この場合、第2媒質ガスの流量を、ステップCで供給していた第1媒質ガスと第2媒質ガスの合計流量まで増やすことが好ましい。長尺なプラズマジェットを得るにはステップDにおける第2媒質ガスの流量は1L/min以上であることが好ましく、より好ましくは2L/min以上、さらに好ましくは3L/min以上であり、また、6L/min以下であってもよく、5L/min以下であってもよい。
図7に示すように、第2電極12に高周波電位を印加する(ステップE)。これにより、第1電極11と第2電極12の間で放電が起こりプラズマが生成される。なお、ステップDとステップEは、いずれのステップを先に行ってもよい。
図8に示すように、第4電極14への直流パルス電位または低周波電位の印加を解除する(ステップF)。ステップEにおいて、第1電極11と第2電極12の間で放電が起こりプラズマ20(プラズマジェット21)が生成されるため、第4電極14への電位の印加を解除しても、必要なジェット長が得られる。
第1電極11〜第2電極12を有するプラズマ生成装置1(1A)では、以下の第2の
生成方法によっても管状体2の先端からプラズマを噴出させることができる。
まず、第2媒質ガスを管状体2内に供給する(ステップG)。ステップGは、上記ステップCと同様の方法で行うことができる。
第2電極12に高周波電位を印加する(ステップH)。ステップHは、上記ステップEと同様の方法で行うことができる。
第2の生成方法によれば、第3電極13〜第4電極14によって第1電極11と第2電極12の間の放電における種火となる荷電粒子や励起粒子を生成する必要がないため、簡易な構成のプラズマ生成装置で高密度かつ長尺なプラズマジェットを得ることが可能である。
2.特定プラズマ生成装置を用いた接合体の製造方法
次に、本発明の実施形態にかかる接合体の製造方法について説明する。当該製造方法は、(1)大気中において、樹脂材と金属材の少なくともいずれか一方の表面に下記特定プラズマ生成装置から発生するプラズマを照射する照射工程と、(2)樹脂材と金属材とを表面において互いに接触させる接触工程と、を有するものである。
(大気中)
「大気中」というのは、チャンバー等の密閉装置内ではなく、「大気に通じている空間」の意味である。したがって、例えば工場の建屋内や室内であっても、大気に通じている空間であればこれに該当する。例えば自動車組立工場において、屋内空間に置かれた特定プラズマ生成装置から発生する長尺のプラズマジェットを、屋内に置かれた樹脂材と金属材の少なくともいずれか一方の表面に照射する。
プラズマジェットは、もちろん樹脂材と金属材の両方に照射してもよく、例えば一つの特定プラズマ生成装置を用いて樹脂材と金属材に交互に1回ずつ、若しくは複数回ずつ照射することもできる。
(樹脂材)
「樹脂材」には広くあらゆる樹脂材料を用いることができ、例えば熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂を用いることができるが、中でも熱可塑性樹脂を好ましく使用することができる。熱可塑性樹脂の中では、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ABS樹脂、AS樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド6(ナイロン6)、ポリアミド66(ナイロン66)、ポリカーボネート、ポリアセタール、変成ポリフェニリンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニリンスルファイド、ポリアリレート、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、液晶ポリマー、ポリイミドから選ばれる少なくとも1種以上を用いることができる。この他にも、例えば、フッ素樹脂、熱可塑性エラストマー、ポリメチルペンテン、生分解性プラスチック(バイオプラスチック)、繊維素系プラスチックを用いることができる。また、樹脂と無機物質との混合物を樹脂材として使用することもできる。無機物質としては、粒子状のもの、繊維状のものを好ましく使用することができ、炭素繊維と樹脂とを含む混合体(CFRP(炭素繊維強化プラスチック)、CFRTP(炭素繊維強化熱可塑性プラスチック))も好ましく使用することができる。
樹脂材の形状は特に制限されず、シート状のもの、板状のものだけでなく、工業製品の各種部品により異なる複雑な形状を有していてもよい。上記特定プラズマ生成装置から発生するプラズマジェットが長尺であるため、各種部品の表面と特定プラズマ生成装置先端部との距離や照射角度の自由度が高く、そのため各種部品の形状に沿ってプラズマジェットを照射しやすいためである。特定プラズマ生成装置による照射操作は手作業であっても良いし、特定プラズマ生成装置をロボットアームに取り付け、当該ロボットアームの動きにより各種部品の形状に沿ってロボットアームを制御すれば、各種部品の所望の位置にプラズマジェットを照射することができる。図13は、成型されている樹脂材51に特定プラズマ生成装置1のプラズマジェット21を照射する態様の一例を示すものである。プラズマジェット21が長尺であるため、凹凸のある樹脂材51に対してもプラズマジェット21を照射しやすい。照射対象が金属材であっても同様である。
(樹脂材の表面)
樹脂材の表面に存在する極性官能基(例えば、水酸基(OH)、アミノ基(NH)、カルボキシル基(COOH)、アミド基(CONH))は、金属材(或いは金属材表面の金属酸化膜)との間で水素結合する。上記特定プラズマ生成装置は、樹脂材の表面に存在する極性官能基を付与すると同時に樹脂材の表面を加熱(例えば60℃〜500℃)することができるため、樹脂材表面のプラズマ処理とは別途に樹脂材の加熱工程を設ける必要がなく工程の簡略化が可能となるものである。また樹脂材の加熱温度は、樹脂材の融点以上であって樹脂材が発泡しない温度とすることが好ましい。
(媒質ガス)
樹脂材の表面に極性官能基を生成するために、特定プラズマ生成装置に、アルゴン、ヘリウム、酸素、窒素、水素等のガスを供給することが好ましい。なお、特定プラズマ生成装置は大気中で使用するものであるので酸素、窒素については自ずと供給されることとなる。樹脂材の表面に極性官能基を生成するためには、酸素源となる酸素ガスがある程度存在することが好ましい。したがって特定プラズマ生成装置に供給するアルゴンガス、ヘリウムガスについては必ずしも高純度のものを使う必要はなく、例えば純度80%以上99%以下のものを使用することも可能である。
(金属材)
本発明の実施の形態における接合体の製造方法においては使用する金属材の種類に特段の制限はなく、例えば、銅、銀、アルミ、チタン、鋼、これらの単体又は合金を使用することができる。金属材の表面は樹脂材との間の水素結合力を増すために酸化膜が存在していることが望ましいが、金属材の表面に元々酸化膜が存在しない場合であっても、特定プラズマ生成装置から生成されるプラズマを金属材の表面に照射することにより酸化膜が形成され、樹脂材との接合力が大きくなる。
(樹脂材と金属材との接触工程)
上記照射工程の終了後、樹脂材と金属材とを照射表面において互いに接触させる。上記特定プラズマ生成装置の照射により樹脂材或いは金属材は既に加熱されているため、放冷冷却する前に樹脂材と金属材とを接触させれば別途加熱工程を設けることなく樹脂材と金属材とを強固に接合させることができる。
以上、特定プラズマ生成装置を用いた大気中におけるプラズマ照射工程と接触工程とを有する樹脂材と金属材との接合体の製造方法について説明したが、次に説明するように当該製造方法にさらなる工夫を加えることによりいっそう優れた方法が提供される。
プラズマの照射工程において、樹脂材に1.0kV以上1.7kV以下の第1高周波電位の印加で生成されたプラズマを30秒間以上照射した後、金属材に第1高周波電位よりも高い第2高周波電位の印加で生成されたプラズマを1分間以上照射することにより、より強固な接合体を製造することができる。第2高周波電位は、1.8kV以上3.0kV以下であることが好ましく、より好ましくは2.0kV以上2.5kV以下である。ここで、「高周波電位」はピークピーク値を表している。
樹脂材と金属材との接触工程において、樹脂材と金属材を10MPa以下の圧力で互いに押圧することが好ましい。樹脂材と金属材とを強固に接合させるためには、両者を大きな力で互いに押圧することが必要であると一見考えられるが、樹脂材と金属材との押圧力を高くし過ぎると、両者の接合強度がむしろ低下する。押圧力を高くし過ぎると軟化した樹脂材の表面にせっかく生成された極性官能基の部分が金属材により滑り削がれ、その結果、金属材との接合に寄与しにくい樹脂材の内部が金属材に接触すると考えられる。樹脂材と金属材とのより好ましい押圧力は、8.5MPa以下、さらに好ましくは5MPa以下である。一方、樹脂材と金属材との接合を確実に行うため、押圧力の下限値は好ましくは0.5MPa以上、より好ましくは1.0MPa以上、さらに好ましくは1.5MPa以上である。
照射工程において使用されるプラズマは、照射面におけるプラズマ密度が1012cm−3以上1017cm−3以下、好ましくは5.0×1012cm−3以上0.5×1017cm−3以下、さらに好ましくは1.0×1013cm−3以上1.0×1016cm−3以下であり、ガス温度は60度以上500度以下、好ましくは80度以上400度以下、さらに好ましくは100度以上300度以下である。
樹脂材が、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂から選択される一種以上の樹脂からなる場合では、接着剤を用いることなく樹脂材と金属材とを直接接合する方法において初めて、樹脂材と金属材との引張りせん断強度が5MPa以上である接合体を得ることができた。引張りせん断強度は、好ましくは7MPa以上、より好ましくは9MPa以上、さらに好ましくは11MPa以上、いっそう好ましくは13MPa以上である。また、樹脂材がポリプロピレン樹脂である場合では、接着剤を用いることなく樹脂材と金属材とを直接接合する方法において初めて、樹脂材と金属材との引張りせん断強度が0.5MPa以上である接合体を得ることができた。引張りせん断強度は、好ましくは0.6MPa以上、より好ましくは0.7MPa以上、さらに好ましくは0.8MPa以上、いっそう好ましくは0.9MPa以上である。
なお、大気中において表面に特定プラズマ生成装置から発生するプラズマが照射された樹脂材の表面には極性官能基が形成されているため、プラズマ照射の直後に金属材に接触させる工程を経なくとも、後日に金属材に接合する場合においても有効に金属材に接合できるため有用である。したがって、特定プラズマ生成装置によるプラズマ処理済み樹脂材自体、産業上有用である。同様に、大気中において下記特定プラズマ生成装置から発生するプラズマが表面に照射された金属材自体も、産業上有用である。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
(特定プラズマ生成装置の作製)
[実施例1〜12、比較例1〜3]
管状体2としては、外径6mm、内径4mmのガラス管を用いた。第1電極11〜第2電極12の長さを表1のように設定した。第3電極13の長さは15mm、第4電極14の長さは45mmであった。各電極としては銅板をガラス管の外表面に周方向全体にわたって延在するように円筒状に巻き付けたものを用いた。第1電極11の先端は管状体2の先端から5mmの位置に配置した。管状体2の長軸方向における第1電極11と第2電極12の間隔は5mm、第2電極12と第3電極13の間隔は15mm以上、第3電極13と第4電極14の間隔は8mmに設定した。第2電極12は高周波高電圧電源7に、第4電極14は直流パルス電源8に接続した。第1電極11、第3電極13はいずれも接地電位(0V)に接続した。高周波高電圧電源7は、アジレント・テクノロジー社製の型番81150Aの高周波信号発生装置とサムウェイ社製の型番T145―5768Bの高周波増幅装置で構成した。直流パルス電源8としては、栗田製作所社製の型番MPS―01K01Cの直流パルス電源装置を用いた。
[比較例4]
比較例4で製造した従来のプラズマ生成装置100の正面図を図9に示す。管状体2としては、外径6mm、内径4mmのガラス管を用いた。先端側電極31の長さL31を45mm、後端側電極32の長さL32を15mmとした。各電極としては、銅板をガラス管の外表面に周方向全体にわたって延在するように円筒状に巻き付けたものを用いた。先端側電極31の先端は、管状体2の先端から4mmの位置に配置した。管状体2の長軸方向における先端側電極31と後端側電極32の間隔(D5)は8mmに設定した。先端側電極31は直流パルス電源8に接続し、後端側電極32は接地電位(0V)に接続した。直流パルス電源8は、エヌエフ回路設計ブロック社製の型番WF1974の電圧波形発生装置とエヌエフ回路設計ブロック社製の型番HVA4321の電圧増幅装置で構成した。
Figure 2019199068
(電極比依存性)
表1に示すプラズマ生成装置1について、上述したプラズマ生成方法の第1の生成方法(ステップA〜F)に従って、第1電極11および第2電極12によりプラズマを生成した。第2電極12への印加電圧を1.77kV(ピークピーク値)、第2媒質ガスをアルゴンガス、第2媒質ガスの流量を3L/minとして、第1電極11と第2電極12の長さを変化させたときの第1電極11の長さ/第2電極12の長さ(L1/L2)とジェット長の関係を求めた。結果を表1および図10に示す。L1/L2が1の場合と比較して、L1/L2が1未満の場合にはジェット長が大きくなる。このようにL1をL2よりも短くすることによって、長尺なプラズマジェットを生成することができた。
(第1電極長、ならびに印加電圧(ピークピーク値)依存性)
実施例6〜7、9、比較例2で製造したプラズマ生成装置1について、上述したプラズマ生成方法の第1の生成方法(ステップA〜F)に従って、第1電極11および第2電極12によりプラズマを生成した。第2電極12への印加電圧(ピークピーク値)に対するジェット長の変化を測定した。結果を表2および図11に示す。
Figure 2019199068
(原子状酸素密度、電子密度の測定)
実施例7で製造したプラズマ生成装置1について、上述したプラズマ生成方法の第1の生成方法(ステップA〜F)に従って、第1電極11および第2電極12によりプラズマを生成した。このとき、第2媒質ガスとしては3L/minのアルゴンガスを用いた。また、比較例4で製造した従来型の低周波プラズマジェット生成装置について、媒質ガスとして5L/minのヘリウムガスを用いて、プラズマを生成した。実施例7、比較例4で製造したプラズマ生成装置で生成したプラズマについて、NUシステム社製の真空紫外線源(型番DPLS―NU)と分光器(型番VUV−NU)を用いて真空紫外吸収分光法により、原子状酸素密度を測定した。従来型の低周波プラズマジェット生成装置は、直流パルス電源の周波数5kHz、印加電圧10kVのときに原子状酸素密度は9.8×1012cm−3、これに対して、実施例7のプラズマ生成装置において、高周波高電圧電源の周波数13.56MHz、印加電圧3kVのときに原子状酸素密度は9.3×1014cm−3であった。また、アルゴンガス3L/minに水素ガス9sccm(1.521×10−3Pa・m/sec)を微量添加し、水素原子からの発光スペクトル線を分光器(マクファーソン社製、型番2035)で測定し、そのスペクトル線のシュタルク広がりを用いて電子密度を測定した。実施例7のプラズマ生成装置において、周波数80MHzのときに電子密度は7×1013cm−3であった。
(ガス流量依存性)
実施例7で製造したプラズマ生成装置について、上述したプラズマ生成方法の第1の生成方法(ステップA〜F)に従って、第1電極11および第2電極12によりプラズマを生成した。高周波高電圧電源の周波数を13.56MHz、印加電圧を2.6kV(ピークピーク値)として、第2媒質ガスであるアルゴンガスの流量を変化させたときのジェット長の変化を測定した。結果を表3および図12に示す。
Figure 2019199068
(特定プラズマ生成装置を用いた接合体の製造)
特定プラズマ生成装置を用いることによる本発明の接合体の製造実施例として、下記表4に示す異なる素材の樹脂材と下記表5に示す異なる素材の金属材を複数準備した。そして大気中において、これら樹脂材と金属材の表面に特定プラズマ生成装置から発生する300℃以上のガス温度を有するプラズマを照射した。具体的には、最初に樹脂材に60MHzの高周波電位1.5kV(ピークピーク値)の印加で生成されたプラズマを1.5分間照射し、その後、金属材に60MHzの高周波電位1.9kV(ピークピーク値)の印加で生成されたプラズマを3〜4分間照射した。プラズマ照射後、樹脂材と金属材とを2〜4MPaの圧力で互いに接触させて樹脂材と金属材との接合体を作製した。なお樹脂材と金属材の表面にプラズマ(プラズマジェット)を照射する際には、特定プラズマ生成装置のガラス管の先端から樹脂材と金属材の表面までの距離を10〜20mmに保ち、樹脂材と金属材を平行移動させながら接合領域全体に順次かつ繰り返しプラズマを照射した。樹脂材のプラズマ照射領域にフィゾー・テクノロジー社製の光ファイバー温度センサーFOT−L−SDを設置し温度を測定したところ、高周波電位1.5kV、照射時間1.5分のプラズマ照射条件で、約220℃であった。また、接合体作製時の金属温度は、プラズマ照射時にプラズマ照射領域(接合領域)から1.5cm離れた場所にフィゾー・テクノロジー社製の光ファイバー温度センサーFOT−L−SDを設置し、随時測定した。
Figure 2019199068
Figure 2019199068
(比較例の接合体の製造)
一方比較例として、実施例と同様の樹脂材と金属材を準備し、金属材をカートリッジヒーターにより加熱し樹脂材と接触させる熱圧着により各種の接合体を得た。接合体作製時の金属温度は、ヒーターとの接触部(接合領域)から1.5cm離れた場所にフィゾー・テクノロジー社製の光ファイバー温度センサーFOT−L−SDを設置し、随時測定した。同様に比較例として、接着剤(エポキシ系接着剤アラルダイトラピッド:ARALDITE RT30)による各種の接合体を得た。
(接合体の引張りせん断強度)
樹脂材と金属材との接合体の引張りせん断強度試験を行った。図14に、この試験に用いる試験片(樹脂材52と金属材53との接合体)と、引張り方向を示す。この試験の実施には島津製作所製の卓上形精密万能試験機AGS−10kNXを使用した。測定結果は、接合体の剥離時の強度(N)で得られるが、樹脂材と金属材との接合面積(表4)に基づき規格化して、表6〜表8の実施例21〜40、比較例21〜44に示すようにMPaにて表記した(100N/cmが1MPaに相当する)。
Figure 2019199068
Figure 2019199068
Figure 2019199068
表6の実施例27の例では、樹脂材にプラズマ照射した後、樹脂材を47時間放置してから金属材との接触工程に付したものであるが接合体は強固な接合力を示していることから、特定プラズマ生成装置によりプラズマ照射処理された樹脂材は、それ単独でも産業上の有用性を有している。表6の実施例28についてはプラズマ生成のための媒質ガスとしてアルゴン(流量3slm)を用い、その他の全ての実施例(表6〜8)については媒質ガスとしてアルゴン(流量3slm)と酸素(流量5sccm)の混合ガスを用いた。
表6〜8から、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂では、従来の熱圧着法による接合体よりも約2〜8倍高い引張りせん断強度を達成している。また、ポリプロピレン系樹脂では、従来の熱圧着法では可能ではなかった対金属接合を可能としている。さらに、高強度軽量部材として期待の高いCFRTPにおいても従来の熱圧着法による接合体よりも約2倍高い引張りせん断強度を実現している。
1、1A、1B:特定プラズマ生成装置
2:管状体
5:ガス供給部
7:高周波高電圧電源
8:直流パルス電源
11:第1電極
12:第2電極
13:第3電極
14:第4電極
20:プラズマ
21:プラズマジェット
31:従来のプラズマ生成装置の先端側電極
32:従来のプラズマ生成装置の後端側電極
51:樹脂材
52:樹脂材(試験片)
53:金属材(試験片)
L1:第1電極の長さ
L2:第2電極の長さ
L3:第3電極の長さ
L4:第4電極の長さ
L31:先端側電極の長さ
L32:後端側電極の長さ
100:従来のプラズマ生成装置

Claims (8)

  1. 大気中において、樹脂材と金属材の少なくともいずれか一方の表面に下記特定プラズマ生成装置から発生するプラズマを照射する照射工程と、前記樹脂材と前記金属材とを前記表面において互いに接触させる接触工程と、を有することを特徴とする樹脂材と金属材との接合体の製造方法。
    [特定プラズマ生成装置]
    先端と後端を有しており、前記先端側からプラズマを噴出させるための管状体と、
    前記管状体に接続されて、前記管状体内に媒質ガスを供給するガス供給部と、
    前記管状体の外表面に設けられ、接地電位を含む定電位に接続されている第1電極と、
    前記管状体の外表面であって前記第1電極の後端よりも後方に設けられ、100kHz以上の高周波電位が印加される第2電極と、を有し、
    前記管状体の長軸方向において前記第1電極の長さL1が前記第2電極の長さL2よりも短いプラズマ生成装置。
  2. 前記照射工程において、前記樹脂材の表面と前記金属材の表面の両方に前記プラズマを照射する請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記接触工程において、前記樹脂材と前記金属材を10MPa以下の圧力で互いに押圧する請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記照射工程において使用されるプラズマは、照射面におけるプラズマ密度が1012cm−3以上1017cm−3以下であり、ガス温度が60度以上500度以下である請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. 樹脂材と金属材とが接着剤を介さずに直接接合されている接合体であって、前記樹脂材がポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂から選択される一種以上の樹脂からなり、前記樹脂材と前記金属材との引張りせん断強度が5MPa以上であることを特徴とする接合体。
  6. 樹脂材と金属材とが接着剤を介さずに直接接合されている接合体であって、前記樹脂材がポリプロピレン系樹脂であり、前記樹脂材と前記金属材との引張りせん断強度が0.5MPa以上であることを特徴とする接合体。
  7. 大気中において下記特定プラズマ生成装置から発生するプラズマが表面に照射された樹脂材。
    [特定プラズマ生成装置]
    先端と後端を有しており、前記先端側からプラズマを噴出させるための管状体と、
    前記管状体に接続されて、前記管状体内に媒質ガスを供給するガス供給部と、
    前記管状体の外表面に設けられ、接地電位を含む定電位に接続されている第1電極と、
    前記管状体の外表面であって前記第1電極の後端よりも後方に設けられ、100kHz以上の高周波電位が印加される第2電極と、を有し、
    前記管状体の長軸方向において前記第1電極の長さL1が前記第2電極の長さL2よりも短いプラズマ生成装置。
  8. 大気中において下記特定プラズマ生成装置から発生するプラズマが表面に照射された金属材。
    [特定プラズマ生成装置]
    先端と後端を有しており、前記先端側からプラズマを噴出させるための管状体と、
    前記管状体に接続されて、前記管状体内に媒質ガスを供給するガス供給部と、
    前記管状体の外表面に設けられ、接地電位を含む定電位に接続されている第1電極と、
    前記管状体の外表面であって前記第1電極の後端よりも後方に設けられ、100kHz以上の高周波電位が印加される第2電極と、を有し、
    前記管状体の長軸方向において前記第1電極の長さL1が前記第2電極の長さL2よりも短いプラズマ生成装置。
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