JP2005153424A - 発泡ポリイミド構造体およびその製法 - Google Patents
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Abstract
ことである。
【解決手段】300℃より高いガラス転移温度を有するポリイミドからなる発泡成形体の片面あるいは両面に有機系あるいは無機系の粘着材あるいは接着剤を積層した発泡ポリイミド構造体、前記の発泡成形体の片面あるいは両面に有機系あるいは無機系の粘着材あるいは接着剤を介して、金属材料、有機材料あるいは無機材料を積層した発泡ポリイミド構造体、前記の発泡成形体の片面あるいは両面に、有機系あるいは無機系の粘着材あるいは接着剤を積層する発泡ポリイミド構造体の製法。
【選択図】 なし
Description
また、耐熱性発泡体として、ポリイミド系発泡体が種々検討されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
特に、ガラス転移温度が300℃以上のポリイミドからなる発泡ポリイミドが提案された(例えば、特許文献3参照。)。
また、前記の発泡ポリイミドの発泡倍率を制御した発泡ポリイミドおよびその製法が提案された(例えば、特許文献4参照。)。
一方、従来の発泡体の成形加工性を改良した吸音・緩衝材が提案された(例えば、特許文献5参照。)。
また、従来の発泡ポリイミドは、使用するテトラカルボン酸成分、ジアミンおよび添加剤によるアウトガスの問題が指摘されている。
そして、前記の文献に記載された発泡ポリイミドは、耐熱温度の指標となるTgが比較的低いもので、さらなる耐熱性要求がある場合には不十分である。
さらに、高耐熱性の発泡ポリイミドは、そのままでは他の基材と接合することができない。
従って、この発明の目的は、軽量化が可能で他の基材と接合する際のハンドリング性が良く、しかも発泡ポリイミド成形体自体の耐熱性が高く、アウトガスが少なくアウトガス特性が良好な発泡ポリイミド構造体を提供することである。
また、この発明は、300℃より高いガラス転移温度を有するポリイミドからなる発泡成形体の片面あるいは両面に有機系あるいは無機系の粘着材あるいは接着剤を介して、金属材料、有機材料あるいは無機材料を積層した発泡ポリイミド構造体に関する。
さらに、この発明は、300℃より高いガラス転移温度を有するポリイミドからなる発泡成形体の片面あるいは両面に、有機系あるいは無機系の粘着材あるいは接着剤を積層する発泡ポリイミド構造体の製法に関する。
またこの発明の発泡ポリイミド構造体の製法は、前記の特長を有する発泡ポリイミド構造体を提供することを可能とする。
1)粘着材あるいは接着剤が、表面にタック性を有する上記の発泡ポリイミド構造体。
2)発泡成形体が、シ−ト状である上記の発泡ポリイミド構造体。
3)発泡成形体が、1.5〜200倍(密度900〜7.5kg/m3に相当する。)の発泡倍率を有するものである上記の発泡ポリイミド構造体。
4)発泡体が、連続孔を形成しているものである上記の発泡ポリイミド構造体。
5)有機系あるいは無機系の粘着材あるいは接着剤が、有機材料あるいは無機材料を積層後に100℃以上の耐熱温度を有する上記の発泡ポリイミド構造体。
6)有機系あるいは無機系の粘着材あるいは接着剤が、フィルム状である上記の発泡ポリイミド構造体の製法。
すなわち、先ず2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(以下、a−BPDAと略記することもある。)および/または2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(以下、い−BPDAと略記することもある。)のハ−フエステルとジアミン、例えば、p−フェニレンジアミン(以下、PPDと略記することもある。)、4,4’−ジアミノジフェニルエ−テル(以下、ODAと略記することもある。)などの芳香族ジアミンを主とし、発泡均一化のための成分、例えばジアミノジシロキサンおよびさらに必要ならばテトラアミノビフェニルのような分子内に3個以上のアミノ基を有するアミン化合物、例えば芳香族トリアミン化合物または芳香族テトラアミン化合物を高分子量のポリイミドとなるような組成比でエステル化溶媒、例えばメタノ−ル、エタノ−ル、n−プロパノ−ル、n−ブタノ−ルなどの低級一級アルコ−ル、好適にはメタノ−ルあるいはエタノ−ルと均一混合し、溶解する第一の工程からなる。この際に、各成分の濃度はジアミン類等の溶解度限界までは可能であるが、全量中の溶媒を除く固形分量は10%〜50%程度までである。前記の組成を有するポリイミドは、耐熱性および耐放射線性が良好である。
また、他の公知の添加剤、例えば、無機フィラ−、無機あるいは有機顔料などを加えてもよい。
上記の各工程によって加熱発泡することによって、形状は不定形とはなるが、均一な発泡状態の弾力性がありかつ復元力に優れた発泡体が得られる。この発泡体は連続孔を形成している。適当な形状に切断する事により各種用途向けの部材となり得る。
また、前記の発泡ポリイミドの製法において、発泡のための加熱を、加熱均一性向上のためにマイクロ波加熱によって行うことが好ましい。この発泡の際に、ガスが通過する遮蔽版を置いて圧縮力を加えることにより、機械的緻密化を併せて行い発泡倍率を制御することが好ましい。
そして、熱固定(高分子量化)のための加熱を、発泡ポリイミドのガラス転移温度(Tg)以上の温度で行うことが好ましく、これによってポリイミド発泡体のアウトガス量を低減させることができる。
前記の圧縮加工は、好適には発泡ポリイミドを一軸プレスによって行うことが好ましい。
前記の圧縮加工は、300℃以上450℃以下の温度で行うことが好ましい。
前記の発泡体から任意の成形機、例えば切断機を使用して任意の形状、例えばシ−ト状、箱状、立方体状、球状、棒状、好適にはシ−ト状に成形してポリイミドからなる発泡成形体を得る。
前記の方法によって機械的に接合した後圧縮加工するか、あるいは圧縮した後に接続することによって、元の形状の約2倍以上〜無限大まで形状を拡大することができる。この場合、2枚は同一形状でもよく接続する辺のみ同一形状でもよく、接続する辺の一部のみ同一形状であってもよい。
前記の有機系あるいは無機系の粘着材あるいは接着剤としては、特に制限はなく一般に粘着剤あるいは接着剤として使用されているものが挙げられる。例えば、耐熱性を有する粘着剤あるいは接着剤として、一液性シリコンゴム粘着剤(商品名:RTVゴム KE3417/信越シリコ−ン社製)、二液性シリコンゴム粘着剤(商品名:RTVゴム KE1204/信越シリコ−ン社製)、二液性エポキシ接着剤(商品名:セメダイン ハイス−パ−5/セメダイン社製)、二液性エポキシ接着剤(商品名:セメダイン EP001/セメダイン社製)、二液性ウレタン接着剤などを好適に使用することができる。
また、この発明によれば、発泡体の連続孔の表面に近い部分に粘着剤が浸透することによって、また表面がタック性を有す粘着剤付き発泡ポリイミド構造体と他の基材とを接合することによって、大きな密着性を示す発泡ポリイミド構造体を得ることができる。
ガラス転移温度:DSC(セイコ−電子工業社製、DSC220C)を用い、N2雰囲気下、20℃/分の昇温速度にて測定。
発泡倍率:真密度/見かけ密度より算出。
真密度は、同一組成のポリイミドフィルムを常法により作製し、密度勾配管を用いて測定した値を用いた。
アウトガス量は、TDS分析によって求めた。
引張強度:テンシロン(東洋測器製UTM−5T)を用い、ASTM D3574(TestE)により測定。
a−BPDA:2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
BTDA:3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物
PPD:p−フェニレンジアミン
ODA:4,4’−ジアミノジフェニルエ−テル
DADSi:1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン
DMZ:1,2−ジメチルイミダゾ−ル
固体状態のポリイミド前駆体の製造
ガラス製容器中で、a−BPDA、BTDA、MeOH、触媒としてDMZを仕込み、90℃オイルバス中で還流させながら60分間加熱攪拌を行い均一溶液とした。
次に、この反応液を30℃まで冷却した後、PPD、DADSi、MeOHを加え均一溶液とした。
この溶液をエバポレ−タ−で濃縮し、更に、40℃減圧乾燥器を用い乾燥し固形物を得た。更に、この固形物を、乳鉢を用いて粉砕して原料粉末とした。
固形物である前記の原料粉末を5mmのスペ−サ−を使用し、圧縮成型機(S−37.5 株式会社神藤金属工業所製)により、室温で圧縮成型し、この成型体を電子レンジ(MOH:ミクロ電子製)を用い、3000W、5分間のマイクロ波加熱を行い、発泡前駆体を得た。
次に、180℃に設定した加熱オ−ブンで5分間加熱後、360℃まで36分かけて昇温し、30分間加熱した。
得られた発泡体は、連続孔を形成してなり、発泡倍率150倍、見かけ密度9.0kg/m3、ガラス転位温度(Tg)373℃で、アウトガスは0.1Pa・l/s/g(300℃)、引張強度が約0.1MPaであった。
剥離シ−トとして厚さ0.2mmのポリフルオロエチレン重合体フィルム上に500μmの一液性シリコンゴム粘着剤(商品名:RTVゴム KE3417/信越シリコ−ン社製、耐熱温度:300℃)をキャストした。キャスト後すぐにその上に、前記の発泡ポリイミドシ−トを積層した。室温で3時間硬化させて表面がタック性を示す粘着剤付き発泡ポリイミド構造体を得た。
この粘着剤付き発泡ポリイミド構造体から剥離シ−トを剥し、ステンレス製タンクの曲面など金属材料やガラスなどの無機材料、及びプラスチックなどの有機材料に貼り付けたところ良好な密着性を示した。
この発泡ポリイミド構造体は、発泡体と基材とを手で引張って引き剥がそうとしたところ、発泡体が千切れてしまうほど大きな密着性を示した。
アルミニウム板とポリイミド発泡体とのシ−ト間の密着性は実施例1と同様に良好であった。
CFRPボ−ドとポリイミド発泡体のシ−ト間の密着性は実施例1と同様に良好であった。
アルミニウム板とポリイミド発泡体のシ−ト間の密着性は実施例1と同様に良好であった。
実施例1〜4で得られた粘着剤(接着剤)付き発泡ポリイミド構造体をカッタ−で切断して断面を観察したところ、発泡体の連続孔の表面に近い部分にのみ粘着剤が浸透していた。
市販のポリウレタン系発泡体から、厚み約6mmのポリウレタンのシ−ト状物(長さ:100mm、幅:80mm)を作製した。
剥離シ−トとして厚さ0.2mmのポリフルオロエチレン重合体フィルム上に500μmの一液性シリコンゴム粘着剤を使用し、実施例1と同様にして、粘着剤付き発泡ポリウレタン構造体を得た。
この粘着剤付き発泡ポリウレタン構造体は発泡体の発泡倍率が約40倍であり、前記の発泡ポリイミド構造体の発泡体の発泡倍率に比較して約4倍の質量の重いものである。
2:発泡ポリイミド成形体
3:粘着剤(あるいは接着剤)層
4:剥離シ−ト
5:金属、有機あるいは無機材料
Claims (9)
- 300℃より高いガラス転移温度を有するポリイミドからなる発泡成形体の片面あるいは両面に有機系あるいは無機系の粘着材あるいは接着剤を積層した発泡ポリイミド構造体。
- 粘着材あるいは接着剤が、表面にタック性を有する請求項1に記載の発泡ポリイミド構造体。
- 発泡成形体が、シ−ト状である請求項1に記載の発泡ポリイミド構造体。
- 発泡成形体が、1.5〜200倍(密度900〜7.5kg/m3に相当する。)の発泡倍率を有するものである請求項1に記載の発泡ポリイミド構造体。
- 発泡成形体が、連続孔を形成しているものである請求項1に記載の発泡ポリイミド構造体。
- 300℃より高いガラス転移温度を有するポリイミドからなる発泡成形体の片面あるいは両面に有機系あるいは無機系の粘着材あるいは接着剤を介して、金属材料、有機材料あるいは無機材料を積層した発泡ポリイミド構造体。
- 有機系あるいは無機系の粘着材あるいは接着剤が、金属材料、有機材料あるいは無機材料を積層後に100℃以上の耐熱温度を有する請求項6に記載の発泡ポリイミド構造体。
- 300℃より高いガラス転移温度を有するポリイミドからなる発泡成形体の片面あるいは両面に、有機系あるいは無機系の粘着材あるいは接着剤を積層する発泡ポリイミド構造体の製法。
- 有機系あるいは無機系の粘着材あるいは接着剤が、フィルム状である請求項8に記載の発泡ポリイミド構造体の製法。
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