JP2005153424A - 発泡ポリイミド構造体およびその製法 - Google Patents

発泡ポリイミド構造体およびその製法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005153424A
JP2005153424A JP2003398456A JP2003398456A JP2005153424A JP 2005153424 A JP2005153424 A JP 2005153424A JP 2003398456 A JP2003398456 A JP 2003398456A JP 2003398456 A JP2003398456 A JP 2003398456A JP 2005153424 A JP2005153424 A JP 2005153424A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
foamed
polyimide
adhesive
polyimide structure
organic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2003398456A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4428034B2 (ja
Inventor
Hideo Ozawa
秀生 小澤
Shigeru Yamamoto
山本  茂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ube Industries Ltd filed Critical Ube Industries Ltd
Priority to JP2003398456A priority Critical patent/JP4428034B2/ja
Publication of JP2005153424A publication Critical patent/JP2005153424A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4428034B2 publication Critical patent/JP4428034B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

【課題】軽量化が可能で他の基材と接合する際のハンドリング性が良く、しかも発泡ポリイミド成形体自体のアウトガスが少なくアウトガス特性が良好な発泡ポリイミド構造体を提供する。
ことである。
【解決手段】300℃より高いガラス転移温度を有するポリイミドからなる発泡成形体の片面あるいは両面に有機系あるいは無機系の粘着材あるいは接着剤を積層した発泡ポリイミド構造体、前記の発泡成形体の片面あるいは両面に有機系あるいは無機系の粘着材あるいは接着剤を介して、金属材料、有機材料あるいは無機材料を積層した発泡ポリイミド構造体、前記の発泡成形体の片面あるいは両面に、有機系あるいは無機系の粘着材あるいは接着剤を積層する発泡ポリイミド構造体の製法。
【選択図】 なし

Description

この発明は、発泡ポリイミド構造体およびその製法に関し、さらに詳しくは発泡ポリイミド成形体に他の基材と接合可能ならしめた発泡ポリイミド構造体、該発泡成形体に他の基材を接合した発泡ポリイミド構造体、および他の基材と接合可能な発泡ポリイミド構造体の製法に関する。
従来、合成樹脂発泡体としては、ポリウレタン系、ポリスチレン系、ポリオレフィン系の発泡体が広く使用されている。
また、耐熱性発泡体として、ポリイミド系発泡体が種々検討されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
特に、ガラス転移温度が300℃以上のポリイミドからなる発泡ポリイミドが提案された(例えば、特許文献3参照。)。
また、前記の発泡ポリイミドの発泡倍率を制御した発泡ポリイミドおよびその製法が提案された(例えば、特許文献4参照。)。
一方、従来の発泡体の成形加工性を改良した吸音・緩衝材が提案された(例えば、特許文献5参照。)。
特開平2−24326号公報(第1頁) 特開平4−211440号公報(第1頁) 特開2002−012688号公報(第1頁) 特開2003−082100号公報(第1頁) 特開平11−210108号公報(第1頁)
しかし、ウレタン系、ポリスチレン系、ポリオレフィン系の発泡体はいずれも100℃程度の耐熱性しかなく、また発泡倍率を大きくすることが困難であり軽量化の点でも問題がある。
また、従来の発泡ポリイミドは、使用するテトラカルボン酸成分、ジアミンおよび添加剤によるアウトガスの問題が指摘されている。
そして、前記の文献に記載された発泡ポリイミドは、耐熱温度の指標となるTgが比較的低いもので、さらなる耐熱性要求がある場合には不十分である。
さらに、高耐熱性の発泡ポリイミドは、そのままでは他の基材と接合することができない。
従って、この発明の目的は、軽量化が可能で他の基材と接合する際のハンドリング性が良く、しかも発泡ポリイミド成形体自体の耐熱性が高く、アウトガスが少なくアウトガス特性が良好な発泡ポリイミド構造体を提供することである。
この発明は、300℃より高いガラス転移温度を有するポリイミドからなる発泡成形体の片面あるいは両面に有機系あるいは無機系の粘着材あるいは接着剤を積層した発泡ポリイミド構造体に関する。
また、この発明は、300℃より高いガラス転移温度を有するポリイミドからなる発泡成形体の片面あるいは両面に有機系あるいは無機系の粘着材あるいは接着剤を介して、金属材料、有機材料あるいは無機材料を積層した発泡ポリイミド構造体に関する。
さらに、この発明は、300℃より高いガラス転移温度を有するポリイミドからなる発泡成形体の片面あるいは両面に、有機系あるいは無機系の粘着材あるいは接着剤を積層する発泡ポリイミド構造体の製法に関する。
この発明の発泡ポリイミド構造体は、他の基材と接合時のハンドリング性が良好で、発泡ポリイミド成形体自体の耐熱性が高く、アウトガスが少なくアウトガス特性が良好である。
またこの発明の発泡ポリイミド構造体の製法は、前記の特長を有する発泡ポリイミド構造体を提供することを可能とする。
この発明の実施の形態を次に示す。
1)粘着材あるいは接着剤が、表面にタック性を有する上記の発泡ポリイミド構造体。
2)発泡成形体が、シ−ト状である上記の発泡ポリイミド構造体。
3)発泡成形体が、1.5〜200倍(密度900〜7.5kg/mに相当する。)の発泡倍率を有するものである上記の発泡ポリイミド構造体。
4)発泡体が、連続孔を形成しているものである上記の発泡ポリイミド構造体。
5)有機系あるいは無機系の粘着材あるいは接着剤が、有機材料あるいは無機材料を積層後に100℃以上の耐熱温度を有する上記の発泡ポリイミド構造体。
6)有機系あるいは無機系の粘着材あるいは接着剤が、フィルム状である上記の発泡ポリイミド構造体の製法。
この発明におけるポリイミドからなる発泡成形体は、ガラス転移温度が300℃より高いポリイミドからなり、シ−ト状、箱状、立方体状、球状、棒状などなどの任意の形状、好適にはシ−ト状に成形したものである。前記の発泡成形体としては、発泡倍率が1.5〜200倍(密度900〜7.5kg/mに相当する。)、特に20〜200倍(密度67.5〜6.75kg/mに相当する。)の発泡ポリイミドをシ−ト状に成形したものが好ましく、場合によっては一軸プレスによって、特に300℃以上450℃以下の温度で、圧縮加工して、発泡倍率を制御した発泡ポリイミド成形体であってもよい。
前記の発泡ポリイミドは、芳香族テトラカルボン酸成分、好適には非対象性芳香族テトラカルボン酸性分、特に2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸成分を必須成分とし、テトラカルボン酸成分として、その50〜100モル%が2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸成分であってテトラカルボン酸とその炭素数4以下の低級一級アルコ−ルのモノおよび/またはジエステルとの混合体であり、炭素数4以下の低級一級アルコ−ルによって一部モノエステル化および/またはジエステル化された芳香族テトラカルボン酸成分と芳香族ジアミンおよびアミン成分中0.1〜10モル%のジアミノシロキサンを必須成分とするアミン化合物混合体とを、テトラカルボン酸成分に対してアミノ基総量が略2:1となる割合で分子分散した固体状態のモノマ−塩であるポリイミド前駆体を加熱してイミド化および発泡させることによって得ることができる。
前記の発泡ポリイミドは、好適には次の工程によって得ることができる。
すなわち、先ず2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(以下、a−BPDAと略記することもある。)および/または2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(以下、い−BPDAと略記することもある。)のハ−フエステルとジアミン、例えば、p−フェニレンジアミン(以下、PPDと略記することもある。)、4,4’−ジアミノジフェニルエ−テル(以下、ODAと略記することもある。)などの芳香族ジアミンを主とし、発泡均一化のための成分、例えばジアミノジシロキサンおよびさらに必要ならばテトラアミノビフェニルのような分子内に3個以上のアミノ基を有するアミン化合物、例えば芳香族トリアミン化合物または芳香族テトラアミン化合物を高分子量のポリイミドとなるような組成比でエステル化溶媒、例えばメタノ−ル、エタノ−ル、n−プロパノ−ル、n−ブタノ−ルなどの低級一級アルコ−ル、好適にはメタノ−ルあるいはエタノ−ルと均一混合し、溶解する第一の工程からなる。この際に、各成分の濃度はジアミン類等の溶解度限界までは可能であるが、全量中の溶媒を除く固形分量は10%〜50%程度までである。前記の組成を有するポリイミドは、耐熱性および耐放射線性が良好である。
この混合物には、1,2−ジメチルイミダゾ−ル、ベンズイミダゾ−ル、イソキノリン、置換ピリジンなどのイミド化触媒を加えてもよい。
また、他の公知の添加剤、例えば、無機フィラ−、無機あるいは有機顔料などを加えてもよい。
次いで、上記混合物を蒸発乾固し、粉末化を行う工程からなる。実験室的にはエバポレ−タ、工業的にはスプレ−ドライヤ−などで行う。この蒸発温度は100℃未満好ましくは80℃以下の状態が保たれることが好ましい。高温乾燥では発泡性が極端に低下する。乾燥の際、常圧でも、加圧下でも、あるいは減圧下でもよい。
次いで、適当なグリ−ン体を作成する工程からなる。例えば、室温での圧縮成形、スラリ−溶液として流延乾固、マイクロ波に不活性な容器への充填を行う。この際に、蓋はしなくともよい(すなわち、完全に固める必要はない。)。概略均一な状態のグリ−ン体であれば、発泡時の均一化は達成できる。
次いで、好適にはマイクロ波加熱によって加熱する。この際に、一般的には2.45GHzで行う。これは日本の国内法(電波法)に基く。粉末重量当たりのマイクロ波出力を目安とすることが好ましい。これは実験を重ねることによって定義すべきである。例えば、100g/1kW程度で約1分で発泡を開始し、2〜3分で発泡は収束する。この状態では非常に脆い発泡体である。
上記成形体を熱風等の加熱により、200℃程度から徐々に昇温する(一応の目安として、100℃/10分程度の昇温速度)。最終はTg+αの温度にて5〜60分間、好適には10分間程度加熱する。
上記の各工程によって加熱発泡することによって、形状は不定形とはなるが、均一な発泡状態の弾力性がありかつ復元力に優れた発泡体が得られる。この発泡体は連続孔を形成している。適当な形状に切断する事により各種用途向けの部材となり得る。
前記のテトラカルボン酸成分として、a−BPDA誘導体および/またはi−BPDAが50%以上であることが好ましい。酸成分として、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(以下、s−BPDAと略記することもある)あるいは、ピロメリット酸二無水物(以下、PMDAと略記することもある)、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(以下、BTDAと略記することもある)、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エ−テル二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(2,5−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン二無水物などの芳香族テトラカルボン酸二無水物を好適には酸成分100モル%中に0〜50モル%程度の量で、得られるポリイミドのTgの調整、発泡倍率(使用量が増大すると低下する)の調整などを目的として使用してもよい。Tgが大幅に変化しない限り一般的に使用されている酸成分はすべて使用可能である。
前記のジアミン成分としては、ベンゼン環が2つ(2核)のジアミンまでを主成分とすることが好ましく、これによって発泡ポリイミドのTg300以上を達成するためことが容易になる。多置換アミン成分は高温での発泡の収縮防止、発泡強度(発泡中に割れにくい)増大のために、必須なものではないが一部含まれている方が好ましい。ジアミノジシロキサンは界面活性剤的に作用し、発泡均一化のために0.1〜10モル%の範囲、特に0.2〜5モル%使用することが好ましい。少量では発泡が均一化しづらく、多量ではTg低下および熱安定性の低下をまねく。ジアミノポリシロキサンでも発泡の均一性は達成されるが海島構造をとり、高温下では分解しやすく耐熱性が低下し好ましくない。
前記の工程において、固体状態のポリイミド前駆体の加熱を、発泡のための加熱と熱固定(高分子量化)のための加熱の2段階とすることが好ましい。
また、前記の発泡ポリイミドの製法において、発泡のための加熱を、加熱均一性向上のためにマイクロ波加熱によって行うことが好ましい。この発泡の際に、ガスが通過する遮蔽版を置いて圧縮力を加えることにより、機械的緻密化を併せて行い発泡倍率を制御することが好ましい。
そして、熱固定(高分子量化)のための加熱を、発泡ポリイミドのガラス転移温度(Tg)以上の温度で行うことが好ましく、これによってポリイミド発泡体のアウトガス量を低減させることができる。
前記の発泡工程によって得られる発泡ポリイミドは、唯一の発泡ポリイミド(SOLIMIDE:INSPEC社販売)市販品のサンプル(Tg=250℃)と比較して、Tgで少なくとも50℃高く、引張り強度で10倍程度、復元力がかなり良好という明瞭な特長がある。
前記の工程においては、前記の発泡ポリイミド、好適には発泡倍率が50以上(密度27kg/m以下に相当する。)、特に100〜200倍(密度13.5〜6.75kg/mに相当する。)の発泡ポリイミドが得られる。この発泡ポリイミドから圧縮加工によって、発泡倍率を1.5〜100倍(密度900〜13.5kg/mに相当する。)に制御してもよく、圧縮加工しなくてもよい。
前記の圧縮加工は、好適には発泡ポリイミドを一軸プレスによって行うことが好ましい。
前記の圧縮加工は、300℃以上450℃以下の温度で行うことが好ましい。
前記の発泡体から任意の成形機、例えば切断機を使用して任意の形状、例えばシ−ト状、箱状、立方体状、球状、棒状、好適にはシ−ト状に成形してポリイミドからなる発泡成形体を得る。
前記の方法によれば、ガラス転移温度が300℃より高いポリイミドからなり、発泡倍率が1.5〜200倍(密度900〜7.5kg/mに相当する。)であり、任意の形状を有する発泡ポリイミド、好適には厚みが0.1〜50mmのシ−ト状の発泡ポリイミド成形体、特に引張強度が0.05〜3MPaである発泡ポリイミド成形体を得ることができる。
また、2枚以上のポリイミド発泡成形体の1つには1つ以上の凹部および/または凸部を、他のポリイミド発泡体の少なくとも1つには前記の凹部および/または凸部に位置および形状が対応する凸部および/または凹部を設けて、凹部と凸部とを嵌め込んで接続して機械的に接合することによって、発泡ポリイミド成形体を得ることもできる。前記の凹部および/または凸部の位置および形状は、必要な強度および成形性の観点から、所定の位置および大きさを選択すればよい。
前記の方法によって機械的に接合した後圧縮加工するか、あるいは圧縮した後に接続することによって、元の形状の約2倍以上〜無限大まで形状を拡大することができる。この場合、2枚は同一形状でもよく接続する辺のみ同一形状でもよく、接続する辺の一部のみ同一形状であってもよい。
また、未圧縮あるいは一部圧縮加工した後の発泡体の1つに1つ以上の任意の形状の凹部をもう1つの同様の発泡体の1つに1つ以上の前記凹部と同一形状の凸部に穿って凹部と凸部を嵌め込んで接続した後、最終的に所望の発泡倍率となるように圧縮加工してもよく、あるいは所望の発泡倍率となるまで圧縮加工した後に前記と同様にして接続することによって2つ以上の発泡体を接続して形状を拡大することによって行うことができる。3つ以上の発泡体を接続する場合には、1辺に凹部(および/または凸部)を穿ち少なくとも反対側の辺に1つ以上の凸部(および/または凹部)を穿って3つ以上の発泡体を接続することができる。この操作を繰り返すことによって、長手方向あるいは長手方向と同時に長手方向と直角方向に4個以上の発泡体を接続して発泡ポリイミド成形体とすることもできる。
この発明の発泡ポリイミド構造体は、前記の発泡成形体の片面あるいは両面に有機系あるいは無機系の粘着材あるいは接着剤を積層することによって得られる。
前記の有機系あるいは無機系の粘着材あるいは接着剤としては、特に制限はなく一般に粘着剤あるいは接着剤として使用されているものが挙げられる。例えば、耐熱性を有する粘着剤あるいは接着剤として、一液性シリコンゴム粘着剤(商品名:RTVゴム KE3417/信越シリコ−ン社製)、二液性シリコンゴム粘着剤(商品名:RTVゴム KE1204/信越シリコ−ン社製)、二液性エポキシ接着剤(商品名:セメダイン ハイス−パ−5/セメダイン社製)、二液性エポキシ接着剤(商品名:セメダイン EP001/セメダイン社製)、二液性ウレタン接着剤などを好適に使用することができる。
この発明の発泡ポリイミド構造体は、前記の粘着剤あるいは接着剤を、直接に発泡成形体あるいはその他基材に流延させる方法、あるいは支持フィルム上に流延して発泡成形体の片面あるいは両面など発泡成形体の少なくとも一部に積層することによって得ることができる。
この発明の発泡ポリイミド構造体は、軽量でアウトガスが少ないことが必要とされ、かつ耐熱性が必要とされる保温材料(例えば、航空機、ロケット用材料)や、耐放射線性に優れた特長を活かした原子力発電所の保温材料等に適用され、またこれらの分野に限らず耐熱性であり且つ難燃性断熱材、クッション材として広く使用することができる。
また、この発明によれば、発泡体の連続孔の表面に近い部分に粘着剤が浸透することによって、また表面がタック性を有す粘着剤付き発泡ポリイミド構造体と他の基材とを接合することによって、大きな密着性を示す発泡ポリイミド構造体を得ることができる。
実施例および比較例における物性測定法を以下に示す。
ガラス転移温度:DSC(セイコ−電子工業社製、DSC220C)を用い、N雰囲気下、20℃/分の昇温速度にて測定。
発泡倍率:真密度/見かけ密度より算出。
真密度は、同一組成のポリイミドフィルムを常法により作製し、密度勾配管を用いて測定した値を用いた。
アウトガス量は、TDS分析によって求めた。
見かけ密度は、立方体または四角形シ−ト状に切断したものをノギスにより計測して体積を求め、また天秤により質量を計測し、質量/体積により求めた。
引張強度:テンシロン(東洋測器製UTM−5T)を用い、ASTM D3574(TestE)により測定。
以下の記載において、各略号は次の化合物を意味する。
a−BPDA:2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
BTDA:3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物
PPD:p−フェニレンジアミン
ODA:4,4’−ジアミノジフェニルエ−テル
DADSi:1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン
DMZ:1,2−ジメチルイミダゾ−ル
参考例1
固体状態のポリイミド前駆体の製造
ガラス製容器中で、a−BPDA、BTDA、MeOH、触媒としてDMZを仕込み、90℃オイルバス中で還流させながら60分間加熱攪拌を行い均一溶液とした。
次に、この反応液を30℃まで冷却した後、PPD、DADSi、MeOHを加え均一溶液とした。
この溶液をエバポレ−タ−で濃縮し、更に、40℃減圧乾燥器を用い乾燥し固形物を得た。更に、この固形物を、乳鉢を用いて粉砕して原料粉末とした。
発泡工程
固形物である前記の原料粉末を5mmのスペ−サ−を使用し、圧縮成型機(S−37.5 株式会社神藤金属工業所製)により、室温で圧縮成型し、この成型体を電子レンジ(MOH:ミクロ電子製)を用い、3000W、5分間のマイクロ波加熱を行い、発泡前駆体を得た。
次に、180℃に設定した加熱オ−ブンで5分間加熱後、360℃まで36分かけて昇温し、30分間加熱した。
得られた発泡体は、連続孔を形成してなり、発泡倍率150倍、見かけ密度9.0kg/m3、ガラス転位温度(Tg)373℃で、アウトガスは0.1Pa・l/s/g(300℃)、引張強度が約0.1MPaであった。
前記の発泡体をカットし、厚み約6mmのポリイミド発泡体のシ−ト状物(長さ:100mm、幅:80mm)を作製した。
剥離シ−トとして厚さ0.2mmのポリフルオロエチレン重合体フィルム上に500μmの一液性シリコンゴム粘着剤(商品名:RTVゴム KE3417/信越シリコ−ン社製、耐熱温度:300℃)をキャストした。キャスト後すぐにその上に、前記の発泡ポリイミドシ−トを積層した。室温で3時間硬化させて表面がタック性を示す粘着剤付き発泡ポリイミド構造体を得た。
この粘着剤付き発泡ポリイミド構造体から剥離シ−トを剥し、ステンレス製タンクの曲面など金属材料やガラスなどの無機材料、及びプラスチックなどの有機材料に貼り付けたところ良好な密着性を示した。
この発泡ポリイミド構造体は、発泡体と基材とを手で引張って引き剥がそうとしたところ、発泡体が千切れてしまうほど大きな密着性を示した。
実施例1において、一液性シリコンゴム粘着剤を1mm厚みのアルミニウム板にキャストした他は同様にして、アルミニウム表面を有する発泡ポリイミド構造体を得た。
アルミニウム板とポリイミド発泡体とのシ−ト間の密着性は実施例1と同様に良好であった。
実施例1において、一液性シリコンゴム粘着剤を1mm厚みのCFRPボ−ド(UPILEX−ADプリプレグ/宇部興産社製)にキャストした他は同様にして、CFRPボ−ド表面を有する発泡ポリイミド構造体を得た。
CFRPボ−ドとポリイミド発泡体のシ−ト間の密着性は実施例1と同様に良好であった。
1mm厚みのアルミニウム板上に500μmのスペ−サ−を使用して二液性エポキシ接着剤(商品名:セメダイン EP001/セメダイン社製、耐熱温度:120℃)をキャストした。キャスト後すぐにその上に、前記の発泡ポリイミドシ−トを積層した。その後、室温で3時間硬化させてアルミニウム表面を有する発泡ポリイミド構造体を得た。
アルミニウム板とポリイミド発泡体のシ−ト間の密着性は実施例1と同様に良好であった。
実施例1〜4で得られた粘着剤(接着剤)付き発泡ポリイミド構造体をカッタ−で切断して断面を観察したところ、発泡体の連続孔の表面に近い部分にのみ粘着剤が浸透していた。
[比較例1]
市販のポリウレタン系発泡体から、厚み約6mmのポリウレタンのシ−ト状物(長さ:100mm、幅:80mm)を作製した。
剥離シ−トとして厚さ0.2mmのポリフルオロエチレン重合体フィルム上に500μmの一液性シリコンゴム粘着剤を使用し、実施例1と同様にして、粘着剤付き発泡ポリウレタン構造体を得た。
この粘着剤付き発泡ポリウレタン構造体は発泡体の発泡倍率が約40倍であり、前記の発泡ポリイミド構造体の発泡体の発泡倍率に比較して約4倍の質量の重いものである。
図1は、この発明の一例の発泡ポリイミド構造体である。 図2は、この発明の他の一例である発泡ポリイミド構造体である。 図3は、この発明の他の一例である発泡ポリイミド構造体である。 図4は、この発明の他の一例である発泡ポリイミド構造体である。
符号の説明
1:発泡ポリイミド構造体
2:発泡ポリイミド成形体
3:粘着剤(あるいは接着剤)層
4:剥離シ−ト
5:金属、有機あるいは無機材料

Claims (9)

  1. 300℃より高いガラス転移温度を有するポリイミドからなる発泡成形体の片面あるいは両面に有機系あるいは無機系の粘着材あるいは接着剤を積層した発泡ポリイミド構造体。
  2. 粘着材あるいは接着剤が、表面にタック性を有する請求項1に記載の発泡ポリイミド構造体。
  3. 発泡成形体が、シ−ト状である請求項1に記載の発泡ポリイミド構造体。
  4. 発泡成形体が、1.5〜200倍(密度900〜7.5kg/mに相当する。)の発泡倍率を有するものである請求項1に記載の発泡ポリイミド構造体。
  5. 発泡成形体が、連続孔を形成しているものである請求項1に記載の発泡ポリイミド構造体。
  6. 300℃より高いガラス転移温度を有するポリイミドからなる発泡成形体の片面あるいは両面に有機系あるいは無機系の粘着材あるいは接着剤を介して、金属材料、有機材料あるいは無機材料を積層した発泡ポリイミド構造体。
  7. 有機系あるいは無機系の粘着材あるいは接着剤が、金属材料、有機材料あるいは無機材料を積層後に100℃以上の耐熱温度を有する請求項6に記載の発泡ポリイミド構造体。
  8. 300℃より高いガラス転移温度を有するポリイミドからなる発泡成形体の片面あるいは両面に、有機系あるいは無機系の粘着材あるいは接着剤を積層する発泡ポリイミド構造体の製法。
  9. 有機系あるいは無機系の粘着材あるいは接着剤が、フィルム状である請求項8に記載の発泡ポリイミド構造体の製法。
JP2003398456A 2003-11-28 2003-11-28 発泡ポリイミド構造体およびその製法 Expired - Fee Related JP4428034B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003398456A JP4428034B2 (ja) 2003-11-28 2003-11-28 発泡ポリイミド構造体およびその製法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003398456A JP4428034B2 (ja) 2003-11-28 2003-11-28 発泡ポリイミド構造体およびその製法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005153424A true JP2005153424A (ja) 2005-06-16
JP4428034B2 JP4428034B2 (ja) 2010-03-10

Family

ID=34723295

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003398456A Expired - Fee Related JP4428034B2 (ja) 2003-11-28 2003-11-28 発泡ポリイミド構造体およびその製法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4428034B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007040335A (ja) * 2005-08-01 2007-02-15 A & A Material Corp 金属被覆断熱保温材
JP2007090588A (ja) * 2005-09-28 2007-04-12 Ube Ind Ltd 多層発泡体
JP2008119974A (ja) * 2006-11-13 2008-05-29 Ube Ind Ltd ポリイミド複合材料サンドイッチパネルとその製造方法
JP2009274284A (ja) * 2008-05-13 2009-11-26 Ube Ind Ltd ポリイミド複合材料からなる耐熱性サンドイッチパネル、及びその製造方法
JP2012247066A (ja) * 2012-08-29 2012-12-13 A & A Material Corp 原子力発電プラントにおける配管設備の断熱保温方法
WO2013015370A1 (ja) * 2011-07-28 2013-01-31 宇部興産株式会社 積層体及びそれを用いた断熱材
CN107344440A (zh) * 2017-06-14 2017-11-14 南京航空航天大学 一种阻燃防火聚酰亚胺泡沫复合毡材料及其制备方法

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007040335A (ja) * 2005-08-01 2007-02-15 A & A Material Corp 金属被覆断熱保温材
JP2007090588A (ja) * 2005-09-28 2007-04-12 Ube Ind Ltd 多層発泡体
JP2008119974A (ja) * 2006-11-13 2008-05-29 Ube Ind Ltd ポリイミド複合材料サンドイッチパネルとその製造方法
JP2009274284A (ja) * 2008-05-13 2009-11-26 Ube Ind Ltd ポリイミド複合材料からなる耐熱性サンドイッチパネル、及びその製造方法
WO2013015370A1 (ja) * 2011-07-28 2013-01-31 宇部興産株式会社 積層体及びそれを用いた断熱材
JPWO2013015370A1 (ja) * 2011-07-28 2015-02-23 宇部興産株式会社 積層体及びそれを用いた断熱材
JP2012247066A (ja) * 2012-08-29 2012-12-13 A & A Material Corp 原子力発電プラントにおける配管設備の断熱保温方法
CN107344440A (zh) * 2017-06-14 2017-11-14 南京航空航天大学 一种阻燃防火聚酰亚胺泡沫复合毡材料及其制备方法
CN107344440B (zh) * 2017-06-14 2019-06-18 南京航空航天大学 一种阻燃防火聚酰亚胺泡沫复合毡材料及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4428034B2 (ja) 2010-03-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7541388B2 (en) Polyimide foams
JPH0417222B2 (ja)
WO2015093749A1 (ko) 폴리이미드 필름 및 이의 제조방법
WO2011055530A1 (ja) ポリイミド発泡体、ポリイミド粉体混合物、ポリイミド粉体、ポリイミド発泡体の製造方法、積層ポリイミド発泡成形体の製造方法、湾曲ポリイミド発泡成形体の製造方法、積層ポリイミド発泡成形体および湾曲ポリイミド発泡成形体
JP4428034B2 (ja) 発泡ポリイミド構造体およびその製法
KR101903129B1 (ko) 복합재료의 개선
JP2009274284A (ja) ポリイミド複合材料からなる耐熱性サンドイッチパネル、及びその製造方法
TWI615434B (zh) 發泡粒子、發泡成形體、纖維強化複合體及汽車用零件
JP2008119974A (ja) ポリイミド複合材料サンドイッチパネルとその製造方法
JP5446756B2 (ja) ポリイミド発泡体及びその製造方法
JP2007063380A (ja) 発泡成形用ポリイミド前駆体粉末の製法
Zhang et al. Properties and microstructure study of polyimide foam plastic
KR20220024769A (ko) 스페이서 및 그 제조 방법, 그리고 복합체
JP4192451B2 (ja) 発泡ポリイミドおよびその製法
JP2010239478A (ja) スピーカー用振動板、およびその製造方法
WO2014170255A2 (en) Thermoformed foam articles
JP4752426B2 (ja) 多層発泡体
JP2004143378A (ja) 発泡ポリイミド構造体およびその製法
JP4219762B2 (ja) フォーム・ポリイミド・コンポジット、ポリイミド多孔体、およびそれらの製造方法
JP5310345B2 (ja) 積層体
JP2011218779A (ja) ポリイミド発泡体と熱可塑性樹脂シートとの積層体の製造方法及び積層体
Xie et al. Preparation of high performance foams with excellent dielectric property based on toughened bismaleimide resin
JP5644151B2 (ja) 積層体の製造方法及び積層体
WO2023189348A1 (ja) 炭素繊維基材、プリプレグ、多孔質構造体、その製造方法、プリフォーム、繊維強化樹脂成形体、サンドイッチ構造体および航空機部材
JPS6225135A (ja) 接着強度に優れたポリエ−テルイミド発泡体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060130

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080707

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080722

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080922

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081028

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081212

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090324

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090525

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090707

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090907

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091124

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121225

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091207

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121225

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121225

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121225

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131225

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees