JP2005153217A - 表皮材付成形品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 表皮材の意匠面の見栄えや触感を損なわれにくくすることができる表皮材付成形品の製造方法を提供する。
【解決手段】 表皮材付成形品の製造工程は、表皮材13を可動金型41の型面41aにセットした状態で、可動金型41と固定金型42とを型締めする型締め工程と、キャビティ45に溶融樹脂を射出する射出工程と、射出された溶融樹脂を体積膨張させる膨張工程とを備えている。射出工程では、キャビティ45の容積よりも少ない量の溶融樹脂をショートショット法により射出する。又、膨張工程では、膨張性マイクロカプセル21を膨張させて溶融樹脂の体積を膨張させることにより、同溶融樹脂をキャビティ45の隅々にまで行き渡るように充填している。
【選択図】 図2

Description

本発明は、例えば、車両の内装部品として使用される表皮材付成形品の製造方法に関するものである。
この種の表皮材付成形品は、軟質な表皮材を樹脂成形品の意匠面に備えたものであり、例えば、車両用内装部品等として用いられている。この表皮材付成形品の製造方法としては、金型の型面に表皮材を予めセットした後、膨張性マイクロカプセルを含む樹脂材料を前記金型内のキャビティに射出して、表皮材と樹脂成形品とを一体に形成する方法が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特許文献1において、射出成形機のシリンダ内にて樹脂材料に含まれる膨張性マイクロカプセルを予め体積膨張させた後に、同樹脂材料をキャビティに射出する方法が開示されている。又、特許文献2において、膨張性マイクロカプセルを含む樹脂材料を金型内のキャビティに射出し、型締めした後に同キャビティ内を加圧する方法が開示されている。
特開2000−246759号公報 特開2000−263614号公報
ところが、特許文献1では、体積膨張させた膨張性マイクロカプセルをフルショットでキャビティ内に射出するため、樹脂材料を射出する際の射出圧が大きくなり、表皮材が金型の型面に強く押し付けられ、押し潰されてしまうという問題があった。又、特許文献2においても、型締めする際の型締め圧と膨張性マイクロカプセルの膨張圧とによって、表皮材が金型の型面に強く押し付けられ、押し潰されてしまうという問題があった。このため、軟質性を有する表皮材はその見栄えや触感が損なわれてしまい、表皮材付成形品においては、良好な外観品質を確保することができなかった。
本発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その
目的とするところは、表皮材の意匠面の見栄えや触感を損なわれにくくすることができる表皮材付成形品の製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、膨張性マイクロカプセルを含む樹脂材料からなる基材の表面に表皮材を備えてなる表皮材付成形品を製造する方法であって、前記表皮材を金型の型面に保持した状態で型締めする型締め工程と、前記金型のキャビティに溶融状態の前記樹脂材料を射出する射出工程と、前記膨張性マイクロカプセルを膨張させる膨張工程とを備え、前記射出工程で射出される樹脂材料の体積を前記膨張性マイクロカプセルが膨張しない状態では前記キャビティの容積よりも小さくするとともに、前記膨張工程は膨張性マイクロカプセルが膨張可能な条件で行われることを要旨とする。
この構成によれば、射出工程では、金型のキャビティに射出される樹脂材料の体積を、膨張性マイクロカプセルが膨張しない状態でキャビティの容積よりも小さくする(即ち、ショートショット法で射出する)ことによって、射出圧によるキャビティ内の圧力上昇を小さく抑えることができる。このため、軟質な表皮材は、キャビティに射出された樹脂材料により金型の型面に強く押し付けられなくなる。よって、表皮材が押し潰されるのを抑制することができ、意匠面の見栄えや触感が損なわれるのを防止することができる。
請求項2に記載の発明は、膨張性マイクロカプセルを含む樹脂材料からなる基材の表面に表皮材を備えてなる表皮材付成形品を製造する方法であって、前記表皮材を金型の型面に保持した状態で型締めする型締め工程と、前記金型のキャビティに溶融状態の前記樹脂材料を射出する射出工程と、前記溶融状態の樹脂材料を膨張させる膨張工程とを備え、前記膨張工程は、膨張性マイクロカプセルが膨張可能な条件で行われるとともに、前記キャビティの容積を拡大する容積拡大処理を行うように構成されていることを要旨とする。
この構成によれば、膨張工程では、射出工程の後にキャビティの容積を拡大するコアバックのような容積拡大処理が行われる。このため、キャビティ内で膨張性マイクロカプセルを膨張させ樹脂材料の体積を膨張させたとしても、前記容積拡大処理を行うことによって、キャビティ内での圧力上昇を小さく抑えることができる。よって、軟質な表皮材は、キャビティ内に射出された樹脂材料の膨張圧力により金型の型面に強く押し付けられなくなる。従って、表皮材が押し潰されるのを抑制することができ、意匠面の見栄えや触感が損なわれるのを防止することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記表皮材は前記基材よりも軟質な材料からなることを要旨とする。
この構成にすれば、押し潰され塑性変形し易い表皮材を用いた場合、ショートショットや容積拡大処理によるキャビティ内の圧力上昇を抑えることで、表皮材の塑性変形を防止して、意匠面の見栄えや触感が損なわれないようにすることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1又は請求項3に記載の発明において、前記射出工程で射出される樹脂材料の体積を前記膨張性マイクロカプセルが膨張した状態では前記キャビティの容積と等しくすることを要旨とする。
この構成にすれば、射出工程では、金型のキャビティに射出される樹脂材料の体積を、膨張性マイクロカプセルが膨張した状態でキャビティの容積と等しくすることによって、材料ロスの発生を抑えることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の発明において、前記表皮材の意匠面は、熱可塑性エラストマー、ウレタン、塩化ビニル、起毛性織布、皮革、不織布、ファブリック材又は植毛シートにより構成されていることを要旨とする。
この構成によれば、熱可塑性エラストマー、ウレタン、塩化ビニル、起毛性織布、皮革、不織布、ファブリック材、植毛シートはいずれも軟らかく、高い射出圧や膨張圧が加え続けられた場合に押し潰され塑性変形し易い材料である。これらの材料を表皮材の意匠面として用いた場合、ショートショットや容積拡大処理によるキャビティ内の圧力上昇を抑えることで、表皮材の塑性変形を防止して、意匠面の見栄えや触感が損なわれないようにすることができる。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記意匠面の裏面側に発泡樹脂からなる発泡層又は前記不織布が設けられていることを要旨とする。
この構成によれば、衝撃吸収性に優れ、弾力性に富む発泡樹脂からなる発泡層又は不織布を、表皮材の意匠面の裏面に設けた場合、発泡層又は不織布の塑性変形を防止して、表皮材の意匠面の見栄えや触感が損なわれないようにすることができる。
請求項7に記載の発明は、請求項1から請求項6のうちいずれか一項に記載の発明において、前記表皮材付成形品の意匠面は、前記表皮材の表面と前記基材の表面とを備えていることを要旨とする。
この構成では、表皮材は表皮材付成形品の意匠面の一部にのみ設けられている。このとき、表皮材付成形品の意匠面全体に占める表皮材の面積が小さくなることから、表皮材全体の反発力(弾性)が小さくなる。よって、キャビティ内の圧力上昇による表皮材の塑性変形が引き起こされ易くなっている。しかしながら、ショートショットや容積拡大処理によりキャビティ内の圧力上昇を抑えることで、表皮材の塑性変形を防止して意匠面の見栄えや触感が損なわれないようにすることができる。
請求項8に記載の発明は、請求項1から請求項7のうちいずれか一項に記載の発明において、前記金型は主キャビティと副キャビティとを備え、前記主キャビティに射出ゲートを設けたことを要旨とする。
この構成によれば、主キャビティに設けられた射出ゲートを介して樹脂材料が射出されると、同樹脂材料はキャビティの隅々まで行き渡った後、同キャビティの容積を超える余分な樹脂材料が副キャビティに設けられた捨てタブに排出される。このため、キャビティ内の樹脂材料の密度調節が行い易くなるとともに、ショートショット不良を回避することが容易となる。
請求項9に記載の発明は、請求項1から請求項8のうちいずれか一項に記載の発明において、前記射出工程では前記樹脂材料をシリンダ内から射出し尽くすように構成されていることを要旨とする。
この構成によれば、射出工程では樹脂材料がシリンダ内から射出し尽されるため、キャビティ内に射出される樹脂材料の射出量の調節が行い易くなる。即ち、膨張性マイクロカプセルの膨張率に従い密度が変化するとともに、同膨張性マイクロカプセルを含む樹脂材料全体の膨張率が変化する。各射出工程でシリンダから樹脂材料を射出し尽くすようにすれば、前記樹脂材料の膨張率を常に一定にするのを容易に行える。
本発明によれば、表皮材付成形品において、表皮材の意匠面の見栄えや触感を損なわれにくくすることができる。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示すように、表皮材付成形品11は、基材12と、その基材12の表面に添設さ
れた表皮材13とを備えている。表皮材付成形品11は、インモールド成形によって、所定の形状をなす基材12と、その表面に添設される表皮材13とを一体に形成したものである。表皮材付成形品11の意匠面11aは硬質部14と軟質部15とから構成されている。この場合、硬質部14は基材12の意匠面、軟質部15は表皮材13の意匠面からなる。本実施形態の表皮材付成形品11は、例えば、コンソールボックスのリッド(蓋)、ピラーガーニッシュ、アームレスト、インストルメントパネル、ドアトリム等の車両用内装部品として使用される。
基材12は、ポリプロピレン、ABS,PC/ABS等の熱可塑性樹脂に膨張性マイクロカプセル21を含ませた樹脂材料からなる。膨張性マイクロカプセル21とは、イソブタン、イソペンタン等の炭化水素ガスを熱可塑性樹脂の殻(シェル)で被覆してなる微小な球体のことを言う。膨張性マイクロカプセル21は、周囲の温度によって殻内の炭化水素ガスが体積膨張し、それとともに粒径(殻の径)が大きくなるように構成されたものである。尚、この膨張性マイクロカプセル21は、前記樹脂材料中にて個々の独立した気泡を形成するため、気泡同士が繋がることで生じる材料強度の低下を抑制することができる。又、膨張性マイクロカプセル21の粒径は、周囲の温度のみならず、外部から加えられる圧力によっても影響を受ける。
表皮材13は、前記樹脂材料からなる基材12よりも軟質の材料で構成されている。前記軟質とは、表皮材付成形品11の硬質部14及び軟質部15をそれぞれ同じ力で押圧したとき、硬質部14よりも軟質部15の方がより深く凹むことを意味する。表皮材13は、その厚み方向に複数の層を積層させてなるシート材からなり、意匠面を構成する表皮層31と、同表皮層31の裏面に積層された発泡層32と、同発泡層32の裏面に積層されたバリア層33とを備えている。表皮材13は、表皮層31を露出させるとともに、発泡層32及びバリア層33を基材12に溶着させた状態で表皮材付成形品11の外面に設けられている。
表皮層31は、表皮材付成形品11が車両用内装部品である場合、車両の室内に露出し、かつ、乗員が手で直接触れる部分に配置されている。このため、表皮層31を構成する材料は、意匠性に優れ、感触の良さを実感できる軟質な材料が好適に使用される。表皮層31の材料としては、例えば、起毛性織布が挙げられる。
表皮層31の裏面には、同表皮層31が持つ軟質性を引き立たせるために発泡層32が所定の厚みで積層されている。この発泡層32は、衝撃吸収性に優れなおかつ弾力性に富む発泡樹脂からなり、例えば、ポリプロピレン等の合成樹脂を発泡させることにより形成されている。又、前記発泡層32の裏面にはバリア層33が所定の厚みで積層されている。このバリア層33は高剛性な材料からなり、例えばポリプロピレン等の合成樹脂を押出成形することにより形成されている。
次に、表皮材付成形品11の製造方法について説明する。
図2(a)〜(c)に示すように、表皮材付成形品11を製造するための製造装置40は、対向して配置される一対の可動金型41及び固定金型42と、樹脂材料を前記両金型41,42内に射出するシリンダ43とを備えている。ここでは、上側に配置される金型を可動金型41とし、下側に配置される金型を固定金型42としている。これら可動金型41と固定金型42とを型締めすることにより、前記両金型41、42間には閉空間が形成され、この閉空間が主キャビティとしてのキャビティ45となる。固定金型42の一端部には、シリンダ43から樹脂材料をキャビティ45内に射出するための射出ゲート46が開口しており、固定金型42の他端部には副キャビティとしての捨てタブ48が設けられている。この捨てタブ48は、固定金型42の型割り面(PL面)に設けられた流路49を介してキャビティ45と連通している。
さて、前記製造装置40を用いた表皮材付成形品11の製造工程について説明する。
表皮材付成形品11の製造工程は、可動金型41と固定金型42とを型締めする型締め工程と、可動金型41と固定金型42とを型締めすることにより形成されるキャビティ45内に樹脂材料を射出する射出工程と、前記キャビティ45内に射出された樹脂材料を膨張させる膨張工程とを備えている。
型締め工程では、まず、表皮材13を可動金型41の型面41aにセットする。このとき、表皮材13は、表皮層31を可動金型41の型面41aに密着させるとともに、バリア層33を固定金型42の型面42aに向けて配置する。そして、固定金型42に対して可動金型41を近接移動させることにより、両金型41,42の型割り面同士を接合させ、所定の型締め圧で型締めを行う。尚、ここでは、表皮材13を可動金型41の型面41aにセットしたが、同表皮材13を固定金型42の型面42aにセットしてもよい。
射出工程では、シリンダ43に装填された樹脂材料をキャビティ45内に所定の射出圧で射出する。この場合、シリンダ43内には、予め、ポリプロピレン等の合成樹脂に膨張性マイクロカプセル21を所定量添加し、これらを混練及び加熱してなる溶融状態の樹脂材料(以下、溶融樹脂と称す。)が装填されている。この場合、膨張性マイクロカプセル21の粒径は、溶融樹脂の温度やシリンダ43の内圧等の諸条件によって、殻内の炭化水素ガスが体積膨張する前の状態に保持されている。
膨張性マイクロカプセル21の含有量は、基材12を構成する溶融樹脂の2〜10wt%に設定されている。膨張性マイクロカプセル21が2wt%未満しか含有されないと、キャビティ45内に射出された溶融樹脂の体積を膨張させる効果を十分に発揮させることができない。一方、膨張性マイクロカプセル21が10wt%を超える量含有されると、溶融樹脂中では、膨張性マイクロカプセル21同士が互いに衝突し合うことが多くなる。そのため、膨張性マイクロカプセル21の殻が潰れてしまい、殻内のガスが溶融樹脂の中に混入される。その結果、基材12においては、表面に銀条痕(シルバー不良)が発生し易くなるとともに、又、気泡同士が繋がることで材料強度の低下が生じ易くなる。
又、シリンダ43内には、キャビティ45に射出される一回分の溶融樹脂が装填されている。この場合、射出される溶融樹脂の体積は、膨張性マイクロカプセル21がキャビティ45内にて体積膨張する分を考慮してキャビティ45の容積よりも小さく設定されている。尚、ここでいうキャビティ45の容積とは、可動金型41の型面41aと固定金型42の型面42aとで囲まれた閉空間のうち表皮材13が占有する空間を除いた部分の容積を指す。シリンダ43内に所定量装填された溶融樹脂は、同シリンダ43を1回駆動させることにより射出し尽くされるとともに、型締めされた両金型41、42間のキャビティ45内に射出される。このとき、キャビティ45の容積よりも少ない体積の溶融樹脂を射出することにより、意図的なショートショット法が採用される。
膨張工程では、キャビティ45に射出された溶融樹脂を膨張させるために金型を所定の条件にする。このとき、溶融樹脂はキャビティ45の隅々にまで行き渡る。前記所定の条件としては、キャビティ45内が、膨張性マイクロカプセル21の膨張可能な温度条件に設定されている。このとき、膨張性マイクロカプセル21は、キャビティ45内にて殻内の炭化水素ガスが体積膨張し、殻内の圧力と溶融樹脂による圧力とが釣り合うまで膨らみ続ける。膨張性マイクロカプセル21が膨らむに伴い、キャビティ45内に射出された溶融樹脂の体積が膨張するとともに、キャビティ45の隅々にまで行き渡るように充填される。一方、キャビティ45内に射出された溶融樹脂のうち、同キャビティ45の容積を超える余分な溶融樹脂は流路49を通過して捨てタブ48に排出される。この場合、溶融樹脂は、捨てタブ48を完全に満たさない程度の量排出されてもよく、又、捨てタブ48を完全に満たす量排出されてもよい。
最後に、キャビティ45内に射出された溶融樹脂が冷却固化され、基材12と表皮材13とが一体化した表皮材付成形品11が形成される。そして、前記両金型41、42が所定温度にまで降温した後、可動金型41と固定金型42との型開きを行い、表皮材付成形品11を取り出す。その後、通常は、上記型締め工程、射出工程、膨張工程等が繰り返し行われ、表皮材付成形品11が連続的に製造される。
前記の実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
・射出工程にて射出される溶融樹脂の体積は、膨張性マイクロカプセル21がキャビティ45内にて体積膨張する分を考慮してキャビティ45の容積よりも小さく設定されている。この場合、射出圧によるキャビティ45内の圧力の上昇を小さく抑えることができる。このため、軟質性の材料からなる表皮材13は、キャビティ45内の溶融樹脂により可動金型41の型面41aに強く押し付けられることはない。よって、表皮材付成形品11の製造工程において、その意匠面11aを構成する表皮材13が押し潰されて塑性変形してしまうのを防止することができる。従って、表皮材付成形品11は、意匠面11aの見栄えや触感が損なわれないことから、良好な外観品質を確保することができる。更には、型締め圧を低くすることもでき、射出成形機を用いた場合の単位時間当たりの成形コストを少なくすることができる。
・膨張工程では、キャビティ45内が膨張性マイクロカプセル21の膨張可能な温度条件に設定されている。このため、膨張性マイクロカプセル21を膨張させることによって、キャビティ45内に射出された溶融樹脂の体積を膨張させることができる。よって、キャビティ45の容積よりも少ない体積の溶融樹脂を射出するショートショット法が行われたとしても、射出後に溶融樹脂の体積を膨張させることで、同溶融樹脂をキャビティ45の隅々にまで行き渡るように充填することができる。
・表皮材13の表皮層31は、高い射出圧が加え続けられることで押し潰れ易い起毛性織布により構成されている。又、表皮層31の裏面には、衝撃吸収性に優れなおかつ弾力性に富む発泡樹脂からなる発泡層32が設けられている。本実施形態で示す製造方法を用いることによって、表皮層31を構成する起毛性織布の毛倒れを容易に防止することができる。このとき、表皮層31と発泡層32とが押し潰されにくくなり、表皮材13の軟らかい触感が損なわれるのを防止することができる。よって、表皮材付成形品11の意匠面11aの見栄えや触感を損なわれるのを防止することができる。
・固定金型42には、射出ゲート46の位置と反対側に捨てタブ48が設けられている。この場合、溶融樹脂は、固定金型42の一端部に設けられた射出ゲート46を介してシリンダ43からキャビティ45内に射出される。そして、射出された溶融樹脂のうちキャビティ45の容積を超える余分な溶融樹脂が、固定金型42の他端部に設けられた捨てタブ48に排出されるようになっている。このため、キャビティ45内の溶融樹脂の密度が過剰に高くなるのを防止することができる。よって、表皮材付成形品11の品質上のばらつきを小さく抑えることができる。
・シリンダ43内には、キャビティ45内に射出されるべき一回分の溶融樹脂が装填されている。この場合、射出工程では、シリンダ43内の溶融樹脂が射出し尽されるため、次の射出工程では、新たに一回分の溶融樹脂が装填されるようになっている。このため、各射出工程において、射出される溶融樹脂の膨張率を常に一定に保つことができる。よって、表皮材付成形品11の品質上のばらつきをより一層小さく抑えることができる。
・表皮材付成形品11を構成する基材12は、炭化水素等のガスを熱可塑性樹脂の殻で被覆してなる膨張性マイクロカプセル21を含有している。膨張性マイクロカプセル21を含む樹脂材料中では、ガスが熱可塑性樹脂により被覆されているため、個々に独立した気泡を均一に、なおかつ確実に分散させることができる。このため、表皮材付成形品11の軽量化を図りつつ、基材12の材料強度の低下を小さく抑えることができる。又、ガスを樹脂材料に直接混合した場合と比べ、樹脂材料中に混入された水分や空気等による銀条痕の発生を抑制することができる。このため、基材12の意匠面の見栄えが損なわれるのを防止することもできる。
以下、前記実施形態を具体化した実施例及び比較例について説明する。
図2(a)〜(c)に示す製造装置40において、シート状の表皮材13と可動金型41の型面41aとの間に感圧紙を貼着し、膨張性マイクロカプセル21を含む樹脂材料からなる成形品を成形した。樹脂材料としては、熱可塑性樹脂であるポリプロピレンに膨張性マイクロカプセル21(マツモトマイクロスフェア−F)を3wt%添加したものを使用した。又、前記樹脂材料をシリンダ43内にて混練・溶融し、溶融樹脂の射出量をキャビティ45の90%の容積に設定した。そして、射出工程において、溶融樹脂をショートショット法により射出した後、膨張工程において、膨張性マイクロカプセル21が膨らむことによりキャビティ45内の溶融樹脂を体積膨張させた。但し、製造装置40に捨てタブ48を設けないこととする。
(比較例)
上記実施例と同じ製造装置40において、表皮材13と可動金型41の型面41aとの間に感圧紙を貼着し、膨張性マイクロカプセル21を含まない樹脂材料からなる成形品を成形した。樹脂材料としては、ポリプロピレンを使用した。又、前記樹脂材料をシリンダ43内にて混練・溶融し、溶融樹脂の射出量をキャビティ45の容積と同等に設定した。そして、射出工程において、溶融樹脂をフルショット法により射出した。但し、上記実施例に示す膨張工程は行わないこととする。
キャビティ45内の圧力のピーク値について、実施例と比較例とで感圧紙を比較することにより評価を行った。すると、実施例での圧力ピーク値は、比較例での圧力ピーク値の約1/2であった。尚、実施例において、膨張性マイクロカプセル21の添加量を6%に増やした場合でも、同様の結果が得られた。このことから、膨張性マイクロカプセル21を含ませた溶融樹脂をショートショット法で射出すれば、溶融樹脂をフルショット法で射出した場合と比べ、キャビティ45内における圧力の上昇を約1/2に抑えることが可能であることが確認された。
(変形例)
なお、本実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・表皮材13の表皮層31を構成する材料は、例えば、TPO(オレフィン系熱可塑性エラストマー)、ウレタン、塩化ビニル又は皮革等であってもよい。特に、前記材料がTPOである場合、その意匠面にシボ、又は梨地模様を有するものであってもよい。その他、前記材料としては、ファブリック材、フェルト等の不織布、植毛シート等が挙げられる。これらは、特に起毛していなくてもよい。
・射出工程において、シリンダ43内に装填された溶融樹脂は、同シリンダ43を1回駆動させることにより射出し尽くされなくてもよい。
・溶融樹脂の射出後、保圧を行わない場合、溶融樹脂のシールをシリンダ43側で行ってもよく、又は固定金型42側で行ってもよい。又、膨張工程において、キャビティ45内の溶融樹脂を体積膨張させた後、必要に応じて保圧を行ってもよい。
・表皮材付成形品11の意匠面11aは表皮材13の意匠面のみから構成されたものであってもよい。この場合、意匠面11aの全体が軟質部15により構成される。
・表皮材13は、基材12よりも硬質の材料からなるものであってもよい。
・表皮材13は、表皮層31の裏面に積層された発泡層32を省略してもよい。又、表皮材13は、発泡層32の裏面に積層されたバリア層33を省略してもよい。又、発泡層32を不織布に変更してもよい。
・表皮材付成形品11の製造装置40において、捨てタブ48を省略してもよい。
・表皮材付成形品11は、例えば、家具やインテリア商品等、自動車の内装部品以外の用途に用いてもよい。
・膨張工程において、キャビティ45内に溶融樹脂を射出した後、可動金型41の型面41aと固定金型42の型面42aとを引き離すように移動させて、キャビティ45の容積を拡大するコアバックのような容積拡大処理を行ってもよい。このとき、溶融樹脂の射出方法は、ショートショット法であってもよく、又、フルショット法であってもよい。
本実施形態における表皮材付成形品の断面図。 (a)は表皮材付成形品の製造工程における型締め工程を示す金型の模式断面図。(b)は同じく射出工程を示す金型の模式断面図。(c)は同じく膨張工程を示す金型の模式断面図。
符号の説明
11…表皮材付成形品、11a…意匠面、12…基材、13…表皮材、21…膨張性マイクロカプセル、32…発泡層、41…可動金型(金型)、42…固定金型(金型)、43…シリンダ、45…キャビティ(主キャビティ)、46…射出ゲート、48…捨てタブ(副キャビティ)。

Claims (9)

  1. 膨張性マイクロカプセルを含む樹脂材料からなる基材の表面に表皮材を備えてなる表皮材付成形品を製造する方法であって、
    前記表皮材を金型の型面に保持した状態で型締めする型締め工程と、
    前記金型のキャビティに溶融状態の前記樹脂材料を射出する射出工程と、
    前記膨張性マイクロカプセルを膨張させる膨張工程とを備え、
    前記射出工程で射出される樹脂材料の体積を前記膨張性マイクロカプセルが膨張しない状態では前記キャビティの容積よりも小さくするとともに、前記膨張工程は膨張性マイクロカプセルが膨張可能な条件で行われることを特徴とする表皮材付成形品の製造方法。
  2. 膨張性マイクロカプセルを含む樹脂材料からなる基材の表面に表皮材を備えてなる表皮材付成形品を製造する方法であって、
    前記表皮材を金型の型面に保持した状態で型締めする型締め工程と、
    前記金型のキャビティに溶融状態の前記樹脂材料を射出する射出工程と、
    前記溶融状態の樹脂材料を膨張させる膨張工程とを備え、
    前記膨張工程は、膨張性マイクロカプセルが膨張可能な条件で行われるとともに、前記キャビティの容積を拡大する容積拡大処理を行うように構成されていることを特徴とする表皮材付成形品の製造方法。
  3. 前記表皮材は前記基材よりも軟質な材料からなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の表皮材付成形品の製造方法。
  4. 前記射出工程で射出される樹脂材料の体積を前記膨張性マイクロカプセルが膨張した状態では前記キャビティの容積と等しくすることを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の表皮材付成形品の製造方法。
  5. 前記表皮材の意匠面は、熱可塑性エラストマー、ウレタン、塩化ビニル、起毛性織布、皮革、不織布、ファブリック材又は植毛シートにより構成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の表皮材付成形品の製造方法。
  6. 前記意匠面の裏面側に発泡樹脂からなる発泡層又は前記不織布が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の表皮材付成形品の製造方法。
  7. 前記表皮材付成形品の意匠面は、前記表皮材の表面と前記基材の表面とを備えていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の表皮材付成形品の製造方法。
  8. 前記金型は主キャビティと副キャビティとを備え、前記主キャビティに射出ゲートを設けたことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の表皮材付成形品の製造方法。
  9. 前記射出工程では前記樹脂材料をシリンダ内から射出し尽くすように構成されているこ
    とを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の表皮材付成形品の製造方法

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