JP2005150705A - コンデンサの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 容量出現率が良好で低ESR値を示すコンデンサの製造方法を提供する。
【解決手段】 表面に誘電体層を形成した細孔を有する導電体を一方の電極(陽極)とし、電解液中で通電手法によって導電体上に形成した半導体層を他方の電極(陰極)とするコンデンサの製造方法において、通電前に細孔内に半導体層形成用前駆体を含浸し、細孔内の半導体層形成用前駆体濃度を電解液中の半導体層形成用前駆体より高濃度にすることを特徴とするコンデンサの製造方法、その方法で作製されたコンデンサ、そのコンデンサを使用した電子回路及び電子機器。
【選択図】なし

Description

本発明は、容量出現率が良好で低ESRであるコンデンサの製造方法に関する。
パソコン等に使用される中央演算処理装置(CPU)の回路に使用されるコンデンサは、電圧変動を抑え、高リップル(ripple)通過時の発熱を低くするために、高容量かつ低ESR(等価直列抵抗)のものが求められていて、一般にアルミ固体電解コンデンサや、タンタル固体電解コンデンサが使用されている。
固体電解コンデンサは、表面層に微細な細孔を有するアルミニウム箔や、内部に微小な細孔を有するタンタル粉の焼結体を一方の電極(導電体)として、該電極の表層に形成した誘電体層と該誘電体層上に設けられた他方の電極(通常は、半導体層)とから構成されている。
誘電体層上に半導体層が形成される割合は、半導体の代わりに電解液を含浸させた時に出現する容量に対する半導体層形成時の容量の比(100分率)で定義される含浸率で示される。
半導体層を誘電体層の上に形成する方法として通電による方法がある。例えば、直流通電で金属酸化物からなる半導体層を形成する方法(特許第1985056号公報;特許文献1)、交流通電で導電性化合物からなる半導体層を得る方法(特許第2826341号公報;特許文献2)、導電性高分子を予め設けた化学重合層の上に別途用意した外部電極を接触させて直流通電により導電性高分子からなる半導体層を形成する方法(特許第1988457号公報;特許文献3)がある。
特許第1985056号公報 特許第2826341号公報 特許第1988457号公報
前記特許文献1または2の方法によれば、ESRは良好であるが、半導体層形成に長時間を有し、通常の時間内では含浸率を大きくできない。
特許文献2の方法では、多数個の導電体に同時に半導体層を形成する工業的な生産規模では対極を必要とするが、その対極にも半導体層が付着するという欠点がある。
特許文献3の方法は、多数個の導電体に同時に半導体層を形成する場合に応用すると、化学重合層が薄い時には通電によって半導体層を厚くする必要があるが、外部電極からの通電であるために導電体表層に形成された半導体層が導電体の細孔内部への半導体層形成用前駆体の拡散を邪魔するためか通電による半導体層がうまく形成されないものが出現する。化学重合層が厚い時には、通電による半導体層が容易に形成される傾向にあるが、厚い化学重合層を形成しているためにESR値が良好でないという問題点がある。
したがって、さらにESRが改良され、かつ容量の拡大されたコンデンサ製造方法が求められている。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、通電前に細孔内に半導体層形成用前駆体を含浸し、細孔内の半導体層形成用前駆体濃度を電解液中の半導体層形成用前駆体より高濃度にして電解液中で通電することによって本課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下のコンデンサの製造方法及びそのコンデンサの製造法により作製したコンデンサに関する。
1.表面に誘電体層を形成した細孔を有する導電体を一方の電極(陽極)とし、電解液中で通電手法によって導電体上に形成した半導体層を他方の電極(陰極)とするコンデンサの製造方法において、通電前に細孔内に半導体層形成用前駆体を含浸し、細孔内の半導体層形成用前駆体濃度を電解液中の半導体層形成用前駆体より高濃度にすることを特徴とするコンデンサの製造方法。
2.電解液が半導体層形成用前駆体を含まない電解液である前記1に記載のコンデンサの製造方法。
3.導電体が、金属、無機半導体、有機半導体及びカーボンから選ばれる少なくとも1種またはそれらの混合物である前記1に記載のコンデンサの製造方法。
4.導電体が、金属、無機半導体、有機半導体及びカーボンから選ばれる少なくとも1種またはそれらの混合物の導電体を表層に有する積層体である前記1に記載のコンデンサの製造方法。
5.導電体が、タンタル、ニオブ及びアルミニウムから選ばれる少なくとも1種を主成分とする金属あるいは合金、または酸化ニオブである前記3または4に記載のコンデンサの製造方法。
6.導電体が、CV値10万μF・V/g以上のタンタルである前記1乃至5のいずれかに記載のコンデンサの製造方法。
7.導電体が、CV値15万μF・V/g以上のニオブである前記1乃至5のいずれかに記載のコンデンサの製造方法。
8.導電体の大きさが、5mm3以上である前記1、3乃至7のいずれかに記載のコンデンサの製造方法。
9.導電体が箔形状であり、エッチングによる細孔深さが200μm以上である前記1、3乃至8のいずれかに記載のコンデンサの製造方法。
10.誘電体層が、Ta25、Al23、TiO2及びNb25から選ばれる少なくとも1つを主成分とするものである前記1に記載のコンデンサの製造方法。
11.半導体層形成用前駆体が、アニリン誘導体(ポリアニリンの原料)、フェノール誘導体(ポリオキシフェニレンの原料)、チオフェノール誘導体(ポリフェニレンサルファイドの原料)、チオフェン誘導体(ポリチオフェンの原料)、フラン誘導体(ポリフランの原料)、及びピロール誘導体(ポリピロール、ポリメチルピロールの原料)から選ばれる少なくとも1種である前記1または2に記載のコンデンサの製造方法。
12.半導体層形成用前駆体が、ピロール、または3,4−エチレンジオキシチオフェンである前記11に記載のコンデンサの製造方法。
13.半導体層形成用前駆体が、通電によって酸化または還元されて、無機半導体になる化合物である前記1または2に記載のコンデンサの製造方法。
14.半導体層が、有機半導体層及び無機半導体層から選ばれる少なくとも1種である前記1に記載のコンデンサの製造方法。
15.有機半導体が、ベンゾピロリン4量体とクロラニルからなる有機半導体、テトラチオテトラセンを主成分とする有機半導体、テトラシアノキノジメタンを主成分とする有機半導体、下記一般式(1)または(2)
Figure 2005150705
(式(1)及び(2)において、R1〜R4は各々独立して、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数1〜6のアルコキシ基を表し、Xは酸素、イオウまたは窒素原子を表し、R5はXが窒素原子のときのみ存在して水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、R1とR2及びR3とR4は、互いに結合して環状になっていてもよい。)
で示される繰り返し単位を含む高分子にドーパントをドープした導電性高分子を主成分とした有機半導体から選択される少なくとも1種である前記14に記載のコンデンサの製造方法。
16.一般式(1)で示される繰り返し単位を含む導電性高分子が、下記一般式(3)
Figure 2005150705
(式中、R6及びR7は各々独立して、水素原子、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和のアルキル基、または該アルキル基が互いに任意の位置で結合して、2つの酸素原子を含む少なくとも1つ以上の5〜7員環の飽和炭化水素の環状構造を形成する置換基を表す。また、前記環状構造には置換されていてもよいビニレン結合を有するもの、置換されていてもよいフェニレン構造のものが含まれる。)
で示される構造単位を繰り返し単位として含む導電性高分子である前記15に記載のコンデンサの製造方法。
17.導電性高分子が、ポリアニリン、ポリオキシフェニレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリピロール、ポリメチルピロール、及びこれらの置換誘導体及び共重合体から選択される前記16に記載のコンデンサの製造方法。
18.導電性高分子、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)である前記17に記載のコンデンサの製造方法。
19.無機半導体が、二酸化モリブデン、二酸化タングステン、二酸化鉛、及び二酸化マンガンから選ばれる少なくとも1種の化合物である前記14に記載のコンデンサの製造方法。
20.半導体の電導度が10-2〜103S/cmの範囲である前記14乃至19のいずれかに記載のコンデンサの製造方法。
21.前記1乃至20のいずれかに記載のコンデンサの製造方法によって作製されたコンデンサ。
22.含浸率が90%以上である前記21に記載のコンデンサ。
23.前記21または22に記載のコンデンサを使用した電子回路。
24.前記21または22に記載のコンデンサを使用した電子機器。
本発明のコンデンサの製造方法及びコンデンサの一形態を説明する。
本発明に使用される導電体の例としては、金属、無機半導体、有機半導体、カーボンから選ばれた少なくとも1種の導電体またはそれらの混合物、またはそれらの表層に導電体を積層した積層体が挙げられる。
金属として、タンタル、ニオブ及びアルミニウムから選ばれる少なくとも1種を主成分とする金属あるいは合金が挙げられる。
無機半導体として、二酸化鉛、二酸化モリブデン、二酸化タングステン、一酸化ニオブ、二酸化スズ、一酸化ジルコニウム等の金属酸化物が挙げられ、有機半導体としてポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン及びこれら高分子骨格を有する置換体、共重合体等の導電性高分子、テトラシアノキノジメタンとテトラチオテトラセンとの錯体、テトラシアノキノジメタン(TCNQ)塩等の低分子錯体が挙げられる。また、表層に導電体を積層した積層体としては、紙、絶縁性高分子、ガラス等に前記導電体を積層した積層体が挙げられる。
導電体として金属を使用する場合、LC値を低下させる等のコンデンサ特性の改良のために金属の一部を、炭化、燐化、ホウ素化、窒化及び硫化から選ばれる少なくとも1種の処理を行ってから使用してもよい。
導電体の形状は特に限定されず、箔状、板状、棒状、あるいは粉状の導電体を成形し、または成形後に焼結して用いられる。導電体表面をエッチング等で処理して、微細な細孔を有するようにしてもよい。コンデンサの単位体積当たりの容量が大きくなることから、粉状の導電体の焼結体形状のもの、または表面に微細な細孔を有するようにして導電体の表面積を増加させたものがとりわけ好ましい。粉状の導電体を成形または成形後焼結した場合には、成形時の圧力を適当に選択することによって、成形または焼結後の導電体の内部に微小な細孔を設けることができる。
本発明の方法は、半導体の含浸がしにくい導電体、すなわち細孔が微小で細孔の奥行きが長い導電体に利用すると効果的である。例えば、焼結体形状の導電体の場合、タンタル金属粉材料の焼結体ではCV値(電解液で測定したときの容量と化成電圧の積)が10万μF・V/g以上、ニオブ金属粉材料の焼結体ではCV値が15万μF・V/g以上で、各々の大きさが5mm3以上の導電体について応用すると効果的である。また、エッチングされた箔形状の導電体の場合、1000μF・V/cm2以上でエッチングによる細孔深さが200μm以上の導電体に応用すると効果的である。
導電体には引き出しリードを直接接続することが可能であるが、粉状の導電体を成形または成形後焼結した形状とする場合は、成形時に別途用意した引き出しリード(リード線またはリード箔)の一部を導電体と共に成形し、引き出しリードの成形外部の箇所を、コンデンサの一方の電極の引き出しリードとすることもできる。
本発明の導電体表面に形成される誘電体層としては、Ta25、Al23、TiO2、Nb25等の金属酸化物から選ばれる少なくとも1つを主成分とする誘電体層、セラミックコンデンサやフイルムコンデンサの分野で従来公知の誘電体層が挙げられる。前者の金属酸化物から選ばれる少なくとも1つを主成分とする誘電体層の場合、金属酸化物の金属元素を有する前記導電体を鉱酸や有機酸を含有した電解液中で化成することによって誘電体層を形成すると、得られるコンデンサは、極性を持つ電解コンデンサとなる。セラミックコンデンサやフイルムコンデンサで従来公知の誘電体層の例としては、特開昭63-29919号公報、特開昭63-34917号公報に記載された誘電体層を挙げることができる。また、金属酸化物から選ばれる少なくとも1つを主成分とする誘電体層やセラミックコンデンサやフイルムコンデンサで従来公知の誘電体層を複数積層して使用してもよい。また、金属酸化物から選ばれる少なくとも1つを主成分とする誘電体やセラミックコンデンサやフイルムコンデンサで従来公知の誘電体を混合した誘電体層でもよい。
誘電体層上に電解液中で通電手法によって半導体層を形成して他方の電極とするが、本発明においては、半導体層の形成割合を高めるための前処理として、通電前に細孔内に半導体層形成用前駆体を含浸し、細孔内の半導体層形成用前駆体濃度を電解液中の半導体層形成用前駆体より高濃度にしておくことが重要である。
半導体層形成用前駆体とは、通電により半導体となる原料物質のことであり、例えば後述する有機半導体の場合、原料モノマーまたはオリゴマーであり、無機半導体の場合、通電によって酸化または還元されて、無機半導体になる化合物のことである。半導体層形成用前駆体は、2種以上を使用してもよい。また、半導体層形成用前駆体と共に、後述するドーパント(例えば、アリールスルホン酸または塩、アルキルスルホン酸または塩、各種高分子スルホン酸または塩、及び前記の各置換基を有する化合物等の公知のドーパント)を1種以上加えておいてもよい。
半導体層形成用前駆体を、表面に誘電体層を形成した導電体の細孔内に含浸する方法としては、例えば、半導体層形成用前駆体を適当な溶媒に溶かした溶液を含浸する方法を挙げることができる。含浸後、導電体を空気中に放置するか乾燥することにより溶媒量を任意に管理して、導電体細孔内の半導体層形成用前駆体濃度を高濃度にすることができる。溶媒を完全に飛散させてもよい。半導体層形成用前駆体が室温または加熱して液体である場合には、溶媒を完全に飛散させたものを含浸させることも可能である。
電解液中での通電による従来の半導体層形成方法の場合には、半導体層形成用前駆体が溶解した電解液に導電体を浸漬して通電するために、導電体細孔内と電解液中の半導体層形成用前駆体濃度はおおよそ等しくなるが、本発明では、上述したように通電前に細孔内に半導体層形成用前駆体を高濃度に含浸しておくため細孔内の半導体層形成用前駆体濃度が、電解液中での半導体層形成用前駆体濃度よりも大きくなる。導電体細孔内の半導体層形成用前駆体濃度が大きい状態で通電手法により半導体層を形成すると、従来の方法より細孔内で半導体が多量に形成され、その結果作製されたコンデンサの半導体含浸率は87%以上、好ましくは90%以上という良好なものとなる。
工業的なレベルで多数個の導電体に同時に半導体層を形成する場合、電解液の溶媒としては、通電時の火災等の安全を考慮して水が使用されるが、水への溶解度が小さな半導体層形成用前駆体、例えば有機半導体形成用の前駆体を使用する時に本発明の方法は、大きな効力を発揮することができる。一例を挙げると、ピロールや、3,4−エチレンジオキシチオフェンなどのモノマーを使用して導電性高分子からなる半導体層を形成する場合、モノマーの水への溶解度が比較的小さいので、予めアルコール等の溶解度が大きな溶媒に溶解しておき通電前に、導電体細孔内に含浸した後アルコールを飛散させて細孔内にモノマーを多量に残るようにして、引き続き行う水溶媒電解液中での通電による半導体層形成で含浸率が良好な半導体層を形成することができる。
本発明で、通電前に細孔内に半導体層形成用前駆体を含浸した後に、通電手法により形成する半導体としては、有機半導体及び無機半導体から選ばれる少なくとも1種の化合物が挙げられる。
有機半導体の具体例としては、下記一般式(1)または(2)で示される繰り返し単位を含む高分子にドーパントをドープした導電性高分子を主成分とした有機半導体が挙げられる。
Figure 2005150705
式(1)及び(2)において、R1〜R4はは各々独立して、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数1〜6のアルコキシ基を表し、Xは酸素、イオウまたは窒素原子を表し、R5はXが窒素原子のときのみ存在して水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、R1とR2及びR3とR4は、互いに結合して環状になっていてもよい。
さらに、本発明においては、前記一般式(1)で示される繰り返し単位を含む導電性高分子は、好ましくは下記一般式(3)で示される構造単位を繰り返し単位として含む導電性高分子が挙げられる。
Figure 2005150705
式中、R6及びR7は各々独立して、水素原子、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和のアルキル基、または該アルキル基が互いに任意の位置で結合して、2つの酸素原子を含む少なくとも1つ以上の5〜7員環の飽和炭化水素の環状構造を形成する置換基を表す。また、前記環状構造には置換されていてもよいビニレン結合を有するもの、置換されていてもよいフェニレン構造のものも含まれる。
このような化学構造を含む導電性高分子は、荷電されており、ドーパントがドープされる。ドーパントは特に限定されず公知のドーパントが使用できる。
式(1)〜(3)で示される繰り返し単位を含む高分子としては、例えば、ポリアニリン、ポリオキシフェニレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリピロール、ポリメチルピロール、及びこれらの置換誘導体や共重合体などが挙げられる。中でもポリピロール、ポリチオフェン及びこれらの置換誘導体(例えば、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)等)が好ましい。
式(1)〜(3)で示される繰り返し単位を含む高分子半導体層形成用前駆体としてはアニリン誘導体、フェノール誘導体、チオフェノール誘導体、チオフェン誘導体、フラン誘導体、及びピロール誘導体が挙げられる。これらの中でも、ピロール、1−メチルピロール、3−メチルピロール、及び3,4−エチレンジオキシチオフェンが挙げられる。
無機半導体の具体例として、二酸化モリブデン、二酸化タングステン、二酸化鉛、二酸化マンガン等から選ばれる少なくとも1種の化合物が挙げられる。これらの無機半導体層形成用前駆体の具体例としては、酢酸鉛、酢酸マンガン、モリブデン酸ナトリウム、タングステン酸ナトリウム等が挙げられる。
上記有機半導体及び無機半導体として、電導度10-2〜103S/cmの範囲のものを使用すると、作製したコンデンサのESR値が小さくなり好ましい。
前述した半導体層は、通電操作を行わない純粋な化学反応(溶液反応、気相反応及びそれらの組み合わせ)によって形成したり、通電手法によって形成したり、あるいはこれらの方法を組み合わせて形成するが、本発明では、半導体層形成工程で少なくとも1回は通電手法を採用する。
上記半導体層を導電体に形成する場合の一例について説明する。半導体層形成用前駆体が含浸された導電体を別途用意した半導体層形成溶液に漬け、導電体を陽極として、もしくは、導電体に接触してあるいは近傍に配置された外部電極を陽極として半導体層形成溶液中に設けられた陰極板に対して通電することにより半導体層が形成される。通電手法として定電圧法、定電流法またはこれらの組み合わせがあるが、多数個の導電体を同時に通電して半導体層を形成する場合は、半導体層を安定に形成するために定電流法を用いることが好ましい。
通電時間や所定電流値は、使用する導電体の種類、大きさ、密度、形成した誘電体層の種類、厚さ、形成する半導体層の種類等によって変化するために、予備実験によって決定される。予備実験の1手法として、半導体層の質量を管理することによって所定定電流値の良否を判断することができる。予め各定電流値で通電時間に対する半導体質量のプロットを行い、このプロットが飽和値に達した半導体質量が最大になるときの定電流値を選択する方法を挙げることができる。
また、定電流法を用いた場合、通電時の初期の電圧値は、所定定電流値によって決まる値をもつ。前述した化成によって形成した誘電体層の場合、初期電圧値は、化成電圧以上になることもある。
半導体層形成溶液には、通電により半導体となる原料や、場合によっては前述したドーパント(例えば、アリールスルホン酸または塩、アルキルスルホン酸または塩、各種高分子スルホン酸または塩、及び前記の各置換基を有する化合物等の公知のドーパント)が溶解していて通電することにより誘電体層上に半導体層が形成される。
本発明では、通電前に導電体の細孔内に半導体層形成用前駆体を高濃度で含浸させることができるので、半導体層形成溶液に半導体となる原料を入れないでおくことも可能である。
半導体層形成溶液の温度・pHは、予備実験によって半導体層が形成しやすい条件が決定されるが、半導体層形成溶液が空気酸化されて劣化することを緩和するために低温で通電を行うことが望ましい場合がある。半導体層形成溶液中に設ける陰極板は、通電時の対陰極として使用されるもので、導電性材料、特に金属の箔や板が用いられる。複数個の導電体に同時に半導体層を形成する場合は、少なくとも1箇所の給電部に電気的に接続している複数枚の陰極板を使用して、半導体層形成溶液に漬けられた複数個の導電体全てに均一に配電できるように配置することが好ましい。
半導体層形成溶液は、溶液が均一になるように撹拌して使用してもよいし、撹拌しないで用いてもよい。また、半導体層形成溶液が使用される容器は、半導体層形成溶液が常に流れ出るような大きさに設計されていてもよく、あるいは、半導体層形成溶液の体積以上であってもよい。
本発明においては、通電した後に、半導体層が形成されたことによって生じる誘電体層の微小な欠陥を修復するために、再化成(誘電体層を化成で形成しない場合は、1回目の化成)を行ってもよい。また、通電と再化成を複数回繰り返してもよいし、繰り返し時の通電条件を変更してもよい。通常、通電を止める場合、半導体層形成溶液から導電体を引き上げて洗浄・乾燥を行うが、通電・通電停止・洗浄・乾燥工程の繰り返しを複数回行ってから再化成工程に入れてもよい。理由は定かでないが、続けて通電を行うよりも通電時間を同じにして通電・通電停止・洗浄・乾燥を行うことを繰り返すほうが、半導体層質量が上昇する場合がある。前記通電を複数回行う場合は、各通電の前に、または任意の通電の前に導電体の細孔内に半導体層形成用前駆体を含浸しておくことが好ましい。
再化成は、前述した化成による誘電体層の形成方法と同様にして行うことができる。再化成電圧は、化成電圧以下で行われる。
本発明では、前述した方法等で形成された半導体層の上に電極層が設けられる。電極層は、例えば、導電ペーストの固化、メッキ、金属蒸着、耐熱性の導電樹脂フィルムの付着等により形成することができる。導電ペーストとしては、銀ペースト、銅ペースト、アルミニウムペースト、カーボンペースト、ニッケルペースト等が好ましい。これらは1種を用いても2種以上を用いてもよい。2種以上を用いる場合は混合してもよく、または別々の層として重ねてもよい。導電ペーストを適用した後、空気中に放置するか、または加熱して固化させる。固化後の導電ペースト層の厚さは、一層あたり通常約0.1〜約200μmである。
導電性ペーストは、通常導電粉を40〜97質量%含む。40質量%未満であると作製した導電ペーストの導電性が小さく、97質量%を超えると、導電ペーストの接着性が不良になるために好ましくない。導電ペーストに前述した半導体層を形成する導電性高分子や金属酸化物の粉を混合して使用してもよい。
メッキとしては、ニッケルメッキ、銅メッキ、銀メッキ、金メッキ、アルミニウムメッキ等が挙げられる。また蒸着金属としては、アルミニウム、ニッケル、銅、銀、金等が挙げられる。
具体的には、例えば半導体層が形成された導電体の上にカーボンペースト、銀ペーストを順次積層し電極層が形成される。
このようにして電極層まで積層して陰極部を形成したコンデンサ素子が作製される。
以上のような構成の本発明のコンデンサ素子は、例えば、樹脂モールド、樹脂ケース、金属性の外装ケース、樹脂のディッピング、ラミネートフイルムによる外装などの外装により各種用途のコンデンサ製品とすることができる。これらの中でも、とりわけ樹脂モールド外装を行ったチップ状コンデンサが、小型化と低コスト化が簡単に行えるので好ましい。
樹脂モールド外装に使用される樹脂の種類としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等固体電解コンデンサの封止に使用される公知の樹脂が採用できるが、各樹脂とも一般に市販されている低応力樹脂を使用すると、封止時におきるコンデンサ素子への封止応力の発生を緩和することができるために好ましい。また、樹脂封口するための製造機としてトランスファーマシンが好んで使用される。
このように作製されたコンデンサは、電極層形成時や外装時の熱的及び/または物理的な誘電体層の劣化を修復するために、エージング処理を行ってもよい。エージング方法は、コンデンサに所定の電圧(通常、定格電圧の2倍以内)を印加することによって行われる。エージング時間や温度は、コンデンサの種類、容量、定格電圧によって最適値が変化するので予め実験によって決定されるが、通常、時間は、数分から数日、温度は電圧印加冶具の熱劣化を考慮して300℃以下で行われる。エージングの雰囲気は、空気中でもよいし、Ar、N2、He等のガス中でもよい。また、減圧、常圧、加圧下のいずれの条件で行ってもよいが、水蒸気を供給しながら、または水蒸気を供給した後に前記エージングを行うと誘電体層の安定化が進む場合がある。水蒸気の供給方法の1例として、エージングの炉中に置いた水溜めから熱により水蒸気を供給する方法が挙げられる。
電圧印加方法は、直流、任意の波形を有する交流、直流に重畳した交流やパルス電流等の任意の電流を流すように設計することができる。エージングの途中に一旦電圧印加を止め、再度電圧印加を行うことも可能である。
本発明で製造されたコンデンサは、例えば、中央演算回路や電源回路等の高容量で低ESRのコンデンサを必要とする回路に好ましく用いることができる。これらの回路は、パソコン、サーバー、カメラ、ゲーム機、DVD、AV機器、携帯電話等の各種デジタル機器や、各種電源等の電子機器に利用可能である。本発明で製造されたコンデンサは、高容量でESR性能がよいことから、これを用いることにより性能が良好な電子回路及び電子機器を得ることができる。
本発明は、表面に誘電体層を形成した細孔を有する導電体を一方の電極とし、電解液中で通電手法によって導電体上に形成した半導体層を他方の電極とするコンデンサの製造方法において、通電前に細孔内に半導体層形成用前駆体を含浸し、細孔内の半導体層形成用前駆体濃度を電解液中の半導体層形成用前駆体より高濃度にすることを特徴とするコンデンサの製造方法を提供したものである。
本発明によれば、容量出現率が良好なために高容量で低ESRであるコンデンサを得ることができる。
以下、本発明の具体例についてさらに詳細に説明するが、以下の例により本発明は限定されるものではない。
実施例1:
CV(容量と化成電圧の積)14万μF・V/gのタンタル粉と0.24mmφのタンタルリード線を使用して成形し、大きさ4.5×1.0×1.5mmの焼結体を作製した(焼結温度1300℃、焼結時間20分、焼結体密度6.2g/cm3、焼結体の1.0×1.5mmの面中央部に垂直にTaリード線が焼結体内部に4mm入り、外部に10mm出るように植設されている。)。
別途用意した長さ250mm幅30mm厚さ2mmのポリイミド製樹脂板(印刷配線により、表面に32個の導電体用の接続端子と定電流ダイオードの各アノードを接続して板左側の給電端子に至る回路、及び裏面に表面の導電体用の接続端子とのみ電気的に接続し、整流ダイオードを介して板右側の化成用給電端子に至る回路が設けられている)に左右30mmを残して前記焼結体32個の各リード線を等間隔かつ等寸に整列接続した。このような樹脂板20枚を5mm間隔に並列に並べ、樹脂板の左右15mmのところで電気的に接続するように金属製フレーム(左右中央部が絶縁されていて、樹脂板に設けた表裏左右の給電端子が絶縁される)に配設した。金属製フレームに焼結体が640個等間隔に配置されていて、各焼結体はリード線を通して金属性フレームに設けた左右の給電端子に電気的に接続されている。該金属製フレームに連なった焼結体を1ロットとして以下の各種操作を行った。
該焼結体を1%燐酸水溶液中にリード線の一部を除いて浸漬し、リード線を陽極とし、水溶液中に配置したTa陰極板との間に9Vを印加し、80℃で8時間化成してTa25からなる誘電体酸化皮膜層を形成した。この焼結体のリード線を除いて、モリブデン酸アンモニウム30gと硫酸ニッケル6水和物200gを水800gに溶解させ1N水酸化アンモニウムを250ml加えて作製した溶液に浸漬し、リード線側を陽極に、前記溶液中に設けたTa板を陰極として室温下2.2Vで150分電解反応した。
その後焼結体を溶液から引き上げ水洗乾燥した後、0.1%燐酸水溶液中で8V、80℃、30分の再化成を行った。再化成終了後、焼結体を水洗・乾燥を行った。
次にリード線を除いて焼結体を3,4−エチレンジオキシチオフェンモノマーの15%エタノール溶液に浸漬し引き上げ、80℃で乾燥しエタノールを飛散させ、焼結体の細孔内に半導体層形成用前駆体を含浸させた。
続いてリード線を除いて焼結体をエチレンジオキシチオフェン(モノマーが飽和濃度以下となる水溶液として使用)とアントラキノンスルホン酸が溶解した水と20%エチレングリコール電解液(半導体層形成溶液)に漬け、金属製フレームの表面左側の給電端子を利用しリード線から電解液中に配置した負極のタンタル電極板との間に室温で20mAの直流定電流を30分流し、半導体層を形成するための通電を行った。引き上げ水洗・エタノール洗浄・乾燥した後、金属製フレームの裏面右側の給電端子を利用し、1%燐酸水溶液中で誘電体層の微小なLC(漏れ電流)の欠陥を修復するための再化成(80℃、30分、8V)を行った。前記半導体層形成用前駆体の含浸と通電と再化成を11回繰り返した(最後2回の通電は、60分行った。)後水洗・エタノール洗浄・乾燥して半導体層を形成した。さらにリード線が植設されている面を除いて半導体層上にカーボンペーストと銀ペースト)を順に付着させ乾燥し電極層を設けて陰極部を形成し固体電解コンデンサ素子を作製した。
別途用意した、厚さ100μmの銅合金リードフレーム(表面に厚さ平均1μmの銅メッキさらにその上に厚さ平均7μmの錫メッキされている。幅3.4mmの一対の先端部が32個存在し、電極層が形成された導電体が収まるように一方の先端が0.5mmの段差を有するポケット加工がされている。両先端部には同一平面に投影して1.0mmの隙間がある。)の一対の先端部の上面に、前記した固体電解コンデンサ素子2個の陰極部面(4.5mm×1.5mmの面)と陽極リード線(一部切断除去した。)とを各々方向を揃えて隙間無く載置し、前者は陰極部と同一の銀ペーストの固化で、後者はスポット溶接で電気的・機械的に接続した。ついで前記リードフレームの一部を残してエポキシ樹脂でトランスファー成形して樹脂外装し、さらに、リードフレームの樹脂外部の所定部を切断後外装部に沿って折り曲げ加工した。引き続き185℃で外装樹脂を硬化させた後に、105℃、3.5Vで4時間エージング処理を行い、大きさ7.3×4.3×1.8mmのチップ状固体電解コンデンサを320個作製した。
比較例1:
実施例1で誘電体層を形成した焼結体細孔内に半導体層形成用前駆体の含浸を行うことなしに半導体層を形成してチップ状固体電解コンデンサを320個作製した。
実施例2:
実施例1でタンタル焼結体の代わりにニオブ焼結体(CV25万μF・V/gの粉、窒化量1.1万ppm、表面に自然酸化酸素量8.1万ppm、焼結温度1280℃、焼結時間30分、焼結体密度3.4g/cm3)を、タンタルリード線の代わりにニオブリード線を使用して、23Vの化成でNb25からなる誘電体酸化皮膜層を形成した。次に焼結体を2%エチレンジオキシチオフェンアルコール溶液に浸漬した後引き上げ放置後18%ナフタレンスルホン酸鉄アルコール溶液に浸漬し引き上げ40℃で30分放置後エタノールに浸漬するという一連の操作を7回繰り返した。次に、0.1%酢酸水溶液中で17V、80℃、30分再化成し、水洗・乾燥した。
ついでリード線を除いて焼結体を3,4−エチレンジオキシチオフェンモノマーの25%アルコール溶液に浸漬し引き上げ、80℃で乾燥しアルコールを飛散させ、焼結体の細孔内に半導体層形成用前駆体を含浸させた。
その後、実施例1と同様にして通電・再化成(14V)を繰り返して半導体層形成を行い、さらに陰極層形成・エージング(85℃、6V、4時間)してチップ状固体電解コンデンサを320個作製した。
比較例2:
実施例2で使用したエチレンジオキシチオフェンアルコール溶液の濃度を20%にし、さらにアルコールに漬けることを行わずに、18%ナフタレンスルホン酸鉄アルコール溶液との浸漬を交互に30回行い、誘電体層を設けた導電体に化学重合層を形成したことと、焼結体細孔内に半導体層形成用前駆体の含浸を行わなかったこと以外は実施例2と同様にしてチップ状固体電解コンデンサを216個(半導体層形成が比較的に良好であった432個のコンデンサ素子から)作製した。
以上作製した各コンデンサについて容量、含浸率、ESR値、及びLC値を以下の方法により測定した。測定結果(平均値)を表1に示す。
コンデンサの容量:ヒューレットパッカード社製LCR測定器を用い、室温120Hzで測定した。
含浸率:前記コンデンサ容量を、誘電体層を形成した各導電体を30%硫酸中で測定した容量で除した数値の百分率。
ESR値:コンデンサの等価直列抵抗。室温100kHzで測定した。
LC値:室温において、所定の定格電圧(実施例1及び比較例1は2.5V値、実施例2及び比較例2は4V値)を作製したコンデンサの端子間に30秒間印加し続けた後に測定した。
Figure 2005150705
実施例1と比較例1、実施例2と比較例2を比べることにより、半導体層形成の通電前に細孔内に半導体層形成用前駆体を含浸し、細孔内の半導体層形成用前駆体濃度を電解液中の半導体層形成用前駆体より高濃度にすると、容量出現率が良好で低ESR値を示すコンデンサが得られることがわかる。

Claims (24)

  1. 表面に誘電体層を形成した細孔を有する導電体を一方の電極(陽極)とし、電解液中で通電手法によって導電体上に形成した半導体層を他方の電極(陰極)とするコンデンサの製造方法において、通電前に細孔内に半導体層形成用前駆体を含浸し、細孔内の半導体層形成用前駆体濃度を電解液中の半導体層形成用前駆体より高濃度にすることを特徴とするコンデンサの製造方法。
  2. 電解液が半導体層形成用前駆体を含まない電解液である請求項1に記載のコンデンサの製造方法。
  3. 導電体が、金属、無機半導体、有機半導体及びカーボンから選ばれる少なくとも1種またはそれらの混合物である請求項1に記載のコンデンサの製造方法。
  4. 導電体が、金属、無機半導体、有機半導体及びカーボンから選ばれる少なくとも1種またはそれらの混合物の導電体を表層に有する積層体である請求項1に記載のコンデンサの製造方法。
  5. 導電体が、タンタル、ニオブ及びアルミニウムから選ばれる少なくとも1種を主成分とする金属あるいは合金、または酸化ニオブである請求項3または4に記載のコンデンサの製造方法。
  6. 導電体が、CV値10万μF・V/g以上のタンタルである請求項1乃至5のいずれかに記載のコンデンサの製造方法。
  7. 導電体が、CV値15万μF・V/g以上のニオブである請求項1乃至5のいずれかに記載のコンデンサの製造方法。
  8. 導電体の大きさが、5mm3以上である請求項1、3乃至7のいずれかに記載のコンデンサの製造方法。
  9. 導電体が箔形状であり、エッチングによる細孔深さが200μm以上である請求項1、3乃至8のいずれかに記載のコンデンサの製造方法。
  10. 誘電体層が、Ta25、Al23、TiO2及びNb25から選ばれる少なくとも1つを主成分とするものである請求項1に記載のコンデンサの製造方法。
  11. 半導体層形成用前駆体が、アニリン誘導体(ポリアニリンの原料)、フェノール誘導体(ポリオキシフェニレンの原料)、チオフェノール誘導体(ポリフェニレンサルファイドの原料)、チオフェン誘導体(ポリチオフェンの原料)、フラン誘導体(ポリフランの原料)、及びピロール誘導体(ポリピロール、ポリメチルピロールの原料)から選ばれる少なくとも1種である請求項1または2に記載のコンデンサの製造方法。
  12. 半導体層形成用前駆体が、ピロール、または3,4−エチレンジオキシチオフェンである請求項11に記載のコンデンサの製造方法。
  13. 半導体層形成用前駆体が、通電によって酸化または還元されて、無機半導体になる化合物である請求項1または2に記載のコンデンサの製造方法。
  14. 半導体層が、有機半導体層及び無機半導体層から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載のコンデンサの製造方法。
  15. 有機半導体が、ベンゾピロリン4量体とクロラニルからなる有機半導体、テトラチオテトラセンを主成分とする有機半導体、テトラシアノキノジメタンを主成分とする有機半導体、下記一般式(1)または(2)
    Figure 2005150705
    (式(1)及び(2)において、R1〜R4は各々独立して、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数1〜6のアルコキシ基を表し、Xは酸素、イオウまたは窒素原子を表し、R5はXが窒素原子のときのみ存在して水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、R1とR2及びR3とR4は、互いに結合して環状になっていてもよい。)
    で示される繰り返し単位を含む高分子にドーパントをドープした導電性高分子を主成分とした有機半導体から選択される少なくとも1種である請求項14に記載のコンデンサの製造方法。
  16. 一般式(1)で示される繰り返し単位を含む導電性高分子が、下記一般式(3)
    Figure 2005150705
    (式中、R6及びR7は各々独立して、水素原子、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和のアルキル基、または該アルキル基が互いに任意の位置で結合して、2つの酸素原子を含む少なくとも1つ以上の5〜7員環の飽和炭化水素の環状構造を形成する置換基を表す。また、前記環状構造には置換されていてもよいビニレン結合を有するもの、置換されていてもよいフェニレン構造のものが含まれる。)
    で示される構造単位を繰り返し単位として含む導電性高分子である請求項15に記載のコンデンサの製造方法。
  17. 導電性高分子が、ポリアニリン、ポリオキシフェニレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリピロール、ポリメチルピロール、及びこれらの置換誘導体及び共重合体から選択される請求項16に記載のコンデンサの製造方法。
  18. 導電性高分子、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)である請求項17に記載のコンデンサの製造方法。
  19. 無機半導体が、二酸化モリブデン、二酸化タングステン、二酸化鉛、及び二酸化マンガンから選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項14に記載のコンデンサの製造方法。
  20. 半導体の電導度が10-2〜103S/cmの範囲である請求項14乃至19のいずれかに記載のコンデンサの製造方法。
  21. 請求項1乃至20のいずれかに記載のコンデンサの製造方法によって作製されたコンデンサ。
  22. 含浸率が90%以上である請求項21に記載のコンデンサ。
  23. 請求項21または22に記載のコンデンサを使用した電子回路。
  24. 請求項21または22に記載のコンデンサを使用した電子機器。
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