JP2005149429A - 無線タグ回路素子収容器および無線タグ情報通信装置 - Google Patents

無線タグ回路素子収容器および無線タグ情報通信装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 UHF帯等の高周波を用いる場合であっても、簡易な構造かつ簡便な手法により書込み対象の無線タグ回路素子との間でのみ無線タグ情報の通信を行うことができる無線タグ回路素子収容器および無線タグ情報通信装置を提供する。
【解決手段】 無線タグ回路素子24aに対して、ID(識別情報)を問い合わせる信号を発信する(S1)。この問い合わせに対し複数の無線タグ回路素子24aから返答の電波を受信する(S2)。次に、受信した複数の無線タグ回路素子24aからの返答の電波に含まれるIDを抽出し(S3)、これらのIDを順次比較して(S4)、最も順番が早いIDを特定する(S5)。例えば、上記のようにIDが昇順の番号で付されている場合には、最も小さい番号を特定する。そして、特定したIDを含めた書込み命令をその無線タグ回路素子24aに書込む書込み情報に伴って送信する(S6)。
【選択図】 図10

Description

本発明は、無線通信により外部と情報の授受が可能な無線タグに関わり、特に無線タグを複数収容する無線タグ回路素子収容器および無線タグに備えられた無線タグ回路素子との間で外部より無線タグ情報の読み取り又は書込みを無線通信によって行う無線タグ情報通信装置に関する。
小型の無線タグとリーダ(読み取り装置)/ライタ(書込み装置)との間で非接触で情報の読み取り/書き込みを行うRFID(Radio Frequency Identification)システムが知られている。例えば、ラベル状の無線タグに備えられた無線タグ回路素子は、所定の情報を記憶するIC回路部と、このIC回路部に接続されて情報の送受信を行うアンテナ部とを備えており、無線タグが汚れている場合や見えない位置に配置されている場合であっても、リーダ/ライタ側よりIC回路部に対して情報の読み取り/書き込みが可能であり、商品管理や検査工程等の様々な分野において実用が期待されている。
このような無線タグ回路素子に対し情報の書込みを行うライタ(書込み装置)としては、例えば、特許文献1に記載のものが知られている。この従来技術では、所定間隔で長方形状のラベルが貼り付けられた帯状の用紙を用紙供給部から順次巻き出して筐体の一方側から供給し、筐体内のモジュールで生成した所定の情報を、上記帯状用紙の搬送路に設けた読み取り/書き込みアンテナを介してラベルに貼り付けられた無線タグ回路素子側に送信することにより、無線タグ回路素子のIC回路部に対して順次書き込みが行われ、最終的に筐体の他方側から排出する。
特開2002−2026号公報(段落番号0002〜0009、図1〜4)
無線タグとの通信においては、その周波数帯域として、従来、古くから利用されている125KHz帯、利用実績が多い13.56MHz帯等が用いられてきた。しかしながら、これらの帯域を用いたものでは通信距離が短くなるため、無線タグとしての用途が限られてしまうという難点があった。そこで、今後は、周波数帯域として、欧米で多く利用されているUHF帯等(830〜930MHz帯、2.45GHz帯等)の高周波の利用が考えられつつある。
上記従来技術においては、このような高周波帯を利用する場合についてまで特に配慮されていないため、そのままでは、通信距離が長くなることによって本来の情報書込み対象である無線タグ回路素子のみならず、後続の他の無線タグ回路までが通信可能エリア内に入ることになり、外部から対象無線タグに対して無線タグ情報の問い合わせの通信を行う場合、後続の他の無線タグ回路素子からも応答信号が発せられたりして、対象の無線タグ回路素子との間でのみ無線タグ情報の通信を行うことができないという問題点があった。
本発明の目的は、上記問題点を解決するために為されたもので、UHF帯等の高周波を用いる場合であっても、簡易な構造かつ簡便な手法により書込み対象の無線タグ回路素子との間でのみ無線タグ情報の通信を行うことができる無線タグ回路素子収容器および無線タグ情報通信装置を提供することにある。
上記課題の目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の無線タグ回路素子収容器は、アンテナ部と、識別情報を記憶する記憶部と、前記アンテナ部が受信した識別情報の問い合わせ信号に応答して前記記憶部に記憶された識別情報を送信する送信部とを備えた無線タグ回路素子を複数収容し、所定の順序で取出し可能に構成され、前記記憶部は、前記無線タグ回路素子収容器からの取出し順序に関連して予め定められた所定の規則に従う順序情報を前記識別情報として記憶するものである。
請求項2記載の無線タグ回路素子収容器は、請求項1記載の無線タグ回路素子収容器において、前記無線タグ回路素子は、前記アンテナ部を介して書込むための書込み情報を受信する受信部と、その受信部が受信した書込み情報に含まれる識別情報が前記記憶部に記憶された識別情報と一致する場合に前記書込み情報を記憶する情報記憶部とを備えている。
請求項3記載の無線タグ回路素子収容器は、請求項1又は2に記載の無線タグ回路素子収容器において、前記所定の規則の種類を識別する規則種類識別情報を記載したマークを、無線タグ回路素子収容器の外面に識別可能に設けている。
請求項4記載の無線タグ回路素子収容器は、請求項1から3のいずれかに記載の無線タグ回路素子収容器において、前記複数の無線タグ回路素子は、リボン状の基材に識別情報に対応する順序で配列されて内包されている。
請求項5記載の無線タグ回路素子収容器は、請求項1から4のいずれかに記載の無線タグ回路素子収容器において、前記順序情報は、昇順または降順に従う数字列である。
請求項6記載の無線タグ回路素子収容器は、請求項1から4のいずれかに記載の無線タグ回路素子収容器において、前記順序情報は、ビット列よりなるハミング符号により構成され、各々のビット列の少なくとも2つ隣以内に配置されたビット列のハミング距離が3以上離れているものである。
請求項7記載の無線タグ情報通信装置は、アンテナ部と、無線タグ回路素子収容器からの取出し順序に関連して予め定められた所定の規則に従う順序情報により構成される識別情報を記憶する記憶部と、その記憶部に記憶された識別情報を送信する送信部と、前記アンテナ部が受信した書込み情報を記憶する情報記憶部とを備えた無線タグ回路素子を複数収容する無線タグ回路素子収容器を収納する収納部と、複数の無線タグ回路素子が送信する複数の識別情報を受信する受信手段と、その受信手段により受信した複数の識別情報の中から、その識別情報を構成する順序情報に基づいて前記所定の規則に従っていずれかの識別情報を特定する特定手段とを備えている。
請求項8記載の無線タグ情報通信装置は、請求項7記載の無線タグ情報通信装置において、複数の無線タグ回路素子に対してそれぞれの無線タグ回路素子が有する識別情報の送信を要求する識別情報要求手段を備え、前記受信手段は、その識別情報要求手段による識別情報の要求に応答して複数の無線タグ回路素子が送信する識別情報を受信するものである。
請求項9記載の無線タグ情報通信装置は、請求項7又は8に記載の無線タグ情報通信装置において、前記無線タグ回路素子は、前記アンテナ部を介して書込むための書込み情報を受信する受信部と、その受信部が受信した書込み情報に含まれる識別情報が、前記記憶部に記憶された識別情報と一致する場合に、前記書込み情報を記憶する情報記憶部とを備えているものであって、前記特定手段により特定された識別情報を含む書込み命令を無線タグ回路素子に書込む書込み情報に伴なって送信する送信手段とを備えている
請求項10記載の無線タグ情報通信装置は、請求項7から9のいずれかに記載の無線タグ情報通信装置において、無線タグ回路素子を内包するリボン状の基材に印刷を行う印刷手段を備え、前記送信手段は、その印刷手段が印刷する内容に対応する書込み情報を送信するものである。
請求項11記載の無線タグ情報通信装置は、請求項7から10のいずれかに記載の無線タグ情報通信装置において、前記特定手段は、無線タグ回路素子収容器が有する規則種類識別情報を検出する規則種類検出手段を備え、その規則種類検出手段により検出された規則種類に応じて受信した複数の識別情報の中からいずれかの識別情報を特定するものである。
請求項12に記載の無線タグ情報通信装置は、請求項7から11のいずれかに記載の無線タグ情報通信装置において、前記受信手段が受信したハミング符号により構成される複数の識別情報に基づいて、誤りのある識別情報を認識する認識手段を備えている。
請求項13に記載の無線タグ情報通信装置は、請求項7から12のいずれかに記載の無線タグ情報通信装置において、前記特定手段は、一度特定した識別情報に基づいて、所定の規則に従う識別情報を有する無線タグ回路素子が存在するか否かを再度検出する再検出手段を備えている。
請求項14に記載の無線タグ情報通信装置は、アンテナ部と、無線タグ回路素子収容器から取出される順序に関連した順序情報により構成される識別情報を記憶する記憶部と、その記憶部に記憶された識別情報を送信する送信手段と、前記アンテナ部が受信した書込むための書込み情報に含まれる識別情報が、前記記憶部に記憶された識別情報と一致する場合に、その書込み情報を記憶する情報記憶部とを備えている無線タグ回路素子を複数収容し、取出し可能に構成されている無線タグ回路素子収容器を着脱自在に収納する収納部と、その収納部から前記無線タグ回路素子を所定の書込み位置に取出すための取出し手段と、無線タグ回路素子に対してその無線タグ回路素子が有する識別情報の送信を要求する識別情報要求手段と、その識別情報要求手段による識別情報の要求に応答して無線タグ回路素子が送信する識別情報を受信する受信手段と、その受信手段により受信した識別情報が複数個存在する場合、その複数個の識別情報の中から識別情報を構成する順序情報に基づいて前記書込み位置に取出された無線タグ回路素子の識別情報を特定する特定手段と、
その特定手段により特定された識別情報を含む書込み命令を無線タグ回路素子に書込む書込み情報に伴なって送信する送信手段とを備えている。
請求項1に記載の無線タグ回路素子収容器によれば、収容されている無線タグ回路素子は、無線タグ回路素子収容器からの取出し順序に関連して予め定められた所定の規則に従う識別情報を送信するので、無線タグ回路素子収容器からの取出し順序に対応して、無線タグ回路素子を特定することができるという効果がある。
請求項2記載の無線タグ回路素子収容器によれば、請求項1に記載の無線タグ回路素子収容器の奏する効果に加え、アンテナ部が受信した書込み情報に含まれる識別情報が、記憶部に記憶された識別情報と一致する場合に、書込み情報を記憶する情報記憶部を備えているので、書込み情報を、特定された識別情報を含む書込み情報とすることにより、特定された無線タグ回路素子のみにその書込み情報を書込むことができるという効果がある。
請求項3記載の無線タグ回路素子収容器によれば、請求項1又は2に記載の無線タグ回路素子収容器の奏する効果に加え、所定の規則に対応する規則の種類を識別する規則種類識別情報を記載したマークを無線タグ回路素子収容器に識別可能に設けたので、いずれの規則に従った識別情報を有する無線タグ回路素子を収容しているのかを識別し、その識別した規則に従って識別情報を特定することができるという効果がある。
請求項4記載の無線タグ回路素子収容器によれば、請求項1から3のいずれかに記載の無線タグ回路素子収容器の奏する効果に加え、複数の無線タグ回路素子は、リボン状の基材に識別情報に対応する順序で配列されて内包されているので、リボン状の基材を順次取出すことにより所定の順序で無線タグ回路素子を取出すことができるという効果がある。
請求項5記載の無線タグ回路素子収容器によれば、請求項1から4のいずれかに記載の無線タグ回路素子収容器の奏する効果に加え、所定の規則に従う順序情報は、昇順または降順に従う数字列であるので、簡単な演算により複数の順序情報の中から識別情報を特定することができるという効果ある。
請求項6記載の無線タグ回路素子収容器によれば、請求項1から4のいずれかに記載の無線タグ回路素子収容器の奏する効果に加え、識別情報はビット列よりなるハミング符号により構成され、各々のビット列の少なくとも2つ隣以内に配置されたビット列のハミング距離が3以上離れているものであるので、複数の識別情報を受信し、その受信した識別情報のいずれかに誤りがあった場合に、その誤りを認識することができるという効果がある。
請求項7記載の無線タグ情報通信装置によれば、無線タグ回路素子収容器からの取出し順序に関連した識別情報を記憶し、その識別情報を送信する送信部を備えた無線タグ回路素子を収納する収納部と、複数の無線タグ回路素子が送信する複数の識別情報を受信する受信手段と、その受信手段により受信した複数の識別情報の中から、その識別情報を構成する順序情報に基づいていずれかの識別情報を特定する特定手段とを備えているので、無線タグ回路素子を取出す順序に対応して無線タグ回路素子を特定することができるという効果がある。
請求項8記載の無線タグ情報通信装置によれば、請求項7に記載の無線タグ情報通信装置の奏する効果に加え、複数の無線タグ回路素子に対してそれぞれの無線タグ回路素子が有する識別情報の送信を要求する識別情報要求手段を備え、受信手段は、その識別情報要求手段による識別情報の要求に応答して複数の無線タグ回路素子が送信する識別情報を受信するものであるので、取出し順序に応じて無線タグ回路素子を特定する必要があるときに、識別情報要求手段により識別情報の送信を要求し、その時の取出し順序に応じて無線タグ回路素子を特定することができるという効果がある。
請求項9記載の無線タグ情報通信装置によれば、請求項7又は8に記載の無線タグ情報通信装置の奏する効果に加え、無線タグ回路素子は、受信部が受信した書込み情報に含まれる識別情報が、記憶部に記憶された識別情報と一致する場合に、その書込み情報を記憶する情報記憶部を備えているものであって、無線タグ通信装置は、特定手段により特定した識別情報を含む書込み命令を無線タグ回路素子に書込む書込み情報に伴なって送信する送信手段とを備えているので、取出し順序に応じて特定した無線タグ回路素子にのみ、書込み情報を書込むことができるという効果がある。
請求項10記載の無線タグ情報通信装置によれば、請求項7から9のいずれかに記載の無線タグ情報通信装置の奏する効果に加え、無線タグ回路素子を内包する基材に印刷を行う印刷手段を備え、送信手段は、その印刷手段が印刷する内容に対応する情報を送信するものであるので、印刷する情報に対応した情報を無線タグ回路素子に書込むことができるという効果がある。
請求項11記載の無線タグ情報通信装置によれば、請求項7から10のいずれかに記載の無線タグ情報通信装置の奏する効果に加え、特定手段は、無線タグ回路素子収容器が有する規則種類識別情報を検出する規則種類検出手段を備え、受信した複数の識別情報の中から、その規則種類検出手段により検出された規則種類に応じていずれかの識別情報を特定するものであるので、無線タグ情報通信装置は、種々の規則種類に従った順序情報を有する無線タグ回路素子収容器であっても、その規則種類を識別して取出し順序に応じた無線タグ回路素子を特定することができるという効果がある。
請求項12に記載の無線タグ情報通信装置によれば、請求項7から11のいずれかに記載の無線タグ情報通信装置の奏する効果に加え、受信手段が受信したハミング符号により構成される複数の識別情報に基づいて、誤りのある識別情報を認識する認識手段を備えているので、ノイズなどにより識別情報が誤って受信された場合であっても、誤って受信された識別情報を認識することができるという効果がある。
請求項13に記載の無線タグ情報通信装置によれば、請求項7から12のいずれかに記載の無線タグ情報通信装置の奏する効果に加え、特定手段は、一度特定した識別情報に基づいて、所定の規則に従う識別情報を有する無線タグ回路素子が存在するか否かを再度検出する再検出手段を備えているので、一度特定手段特定した識別情報が誤った識別識別を特定した場合であっても、正しい識別情報を特定することができるという効果がある。
請求項14に記載の無線タグ情報通信装置によれば、アンテナ部を介して書込みのための書込み情報を受信しその書込み情報を記憶する情報記憶部と、受信部が受信した書込み情報に含まれる識別情報が、前記記憶部に記憶された識別情報と一致する場合に、その書込み情報に基づき情報記憶部に書込みを行う書込み制御部とを備えている無線タグ回路素子を複数収容するものであって、受信手段が受信にした複数の識別情報から取出し順序に対応して識別情報を特定し、その特定した識別情報を含む書込み命令を無線タグ回路素子に書き込む書込み情報に伴なって送信する送信手段とを備えているので、取出し順序に応じて特定した無線タグ回路素子にのみ、書き込み情報を書込むことができるという効果がある。また、収納部に収納された無線タグ回路素子を所定の書き込み位置に取出し、識別情報の要求を行った後、受信した識別情報に基づいて書き込み位置に取出した無線タグ回路素子を特定し、その無線タグ回路素子に書き込み情報を送信することができるので、簡単な操作で、即座に無線タグラベルを作成することができるという効果もある。
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明が好適に適用される無線タグ生成システム10を説明する図である。この無線タグ生成システム10において、本発明の一実施例である複数の無線タグ情報通信装置12は、有線或いは無線による通信回線14を介してルートサーバ16、端末18、汎用コンピュータ20、及び複数の情報サーバ22に接続されている。
この無線タグ生成システム10では、端末18又は汎用コンピュータ20において、無線タグラベル24に書込む情報や無線タグラベル24の印刷範囲に印刷する文字などの情報がユーザにより入力されるとともに、情報サーバ22に記憶されている物品情報のアドレスと、ルートサーバ16におけるそれらの対応情報の格納先アドレス等が指定されることにより、無線タグ情報通信装置12により無線タグに内包される無線タグ回路素子24aに識別情報および物品情報等が書込まれ、無線タグラベル24の印刷範囲に、印刷が行われる。
図2は、上記無線タグ情報通信装置12の構成を説明する図である。この無線タグ情報通信装置12は、図4および図5に示す無線タグラベル24を作成するためのもので、後述するように所定の印字文字等の印刷を施したり、所望の書き込みID及び物品情報等をIC回路部80に書き込む等してユーザの要望に応じた無線タグラベル24を即座に作成できるようにしたもので、その無線タグラベル24の素材となるタグテープ26を生成するための後述するカバーフィルム86、インクリボン98、アンテナ部64及びIC回路部80から成る無線タグ回路素子24aが所定の間隔で帯状に配設された基材テープ92等を収納する着脱自在のカートリッジ28と、このカートリッジ28を着脱自在に収納するカートリッジホルダ31と、カートリッジ用パルスモータ30を駆動してそのカートリッジ28からタグテープ26の送出を制御するカートリッジ用パルスモータ駆動回路32と、無線タグ回路素子24aにカートリッジから取出される順序に応じた識別情報の種類を記載したカートリッジの外側に付されたマークを読み取る読取センサ33と、上記タグテープ26に印刷を行うためにサーマルヘッド34の駆動を制御する印刷駆動回路36と、そのタグテープ26を矢印で示す方向に送出するための送出ローラ38と、送出ローラ用パルスモータ40を介してその送出ローラ38の駆動を制御する送出ローラ駆動回路42と、上記タグテープ26をカートリッジ28から搬出口44へ案内するための搬送ガイド46と、ソレノイド48の駆動に応じてそのタグテープ26を所定の長さで切断して個々の無線タグラベル24に分割するカッタ50と、上記搬出口44におけるそのタグテープ26の有無を検出するセンサ52と、上記無線タグ回路素子24aとの間で通信を行うための装置側アンテナ部54と、その装置側アンテナ部54を介してその無線タグ回路素子24aに情報を書き込むための高周波回路56と、その無線タグ回路素子24aから読み出された信号を処理して情報を読み出すための信号処理回路58と、上記カートリッジ用パルスモータ駆動回路32、読取センサ33、印刷駆動回路36、送出ローラ駆動回路42、ソレノイド48、高周波回路56、及び信号処理回路58等を介して上記無線タグ情報通信装置12の駆動を制御するための制御回路60とを、備えて構成されている。その制御回路60は、入出力インターフェイス62により上記通信回線14に接続されている。
カートリッジ28は、カートリッジホルダ31に設けられた図示しない蓋を開閉し、着脱できるように構成され、幅の異なるタグテープや種々の識別情報が予め記憶された無線タグ回路素子24aを収納したカートリッジ28を収納することができる。
図3は、上記無線タグ回路素子24aの構成を説明する図である。この図3に示すように、上記無線タグ回路素子24aは、前記無線タグ情報通信装置12とUHF等の高周波を用いたRFID通信により信号の送受信を行うためのアンテナ部64と、そのアンテナ部64により受信された搬送波を整流する整流部66と、その整流部66により整流された搬送波のエネルギを蓄積するための電源部68と、上記アンテナ部64により受信された搬送波からクロック信号を抽出して制御部76に供給するクロック抽出部70と、無線タグ回路素子収容器から無線タグ回路素子24aの取出し順序に関連して予め定められた所定の規則に従う順序情報を記憶する順序情報記憶部72aと所定の情報を記憶し得る情報記憶部72bとを有するメモリ72と、上記アンテナ部64に接続された変復調部74と、上記整流部66、クロック抽出部70、及び変復調部74等を介して上記無線タグ回路素子24aの作動を制御するための制御部76とを、備えて構成されている。この制御部76は、前記無線タグ情報通信装置12と通信を行うことにより上記メモリ72に上記所定の情報を記憶する制御や、上記アンテナ部64により受信された搬送波を変復調部74において上記メモリ72に記憶された情報信号に基づいて変調したうえで反射波として上記アンテナ部64から反射返信する制御等の基本的な制御を実行する。上記整流部66、電源部68,クロック抽出部70、変復調部74、制御部76、及びメモリ72は、一つの集積回路であるIC回路部80内に形成されている。
図4は、前記無線タグラベル24の外観を示す図であり、(a)は平面図、(b)は底面図である。図4(a)に示すように、前記無線タグラベル24の片側の面(表面)には、例えば、ユーザにより入力された「RF−ID」等の印字78がカバーフィルム86に形成されている。また、図4(b)に示すように、無線タグラベル24の裏面は、剥離紙90が粘着されていて何も印刷されていない。
図5は、無線タグラベル24の断面を示す図であり、図4のV‐V視断面図である。上記整流部66、電源部68、クロック抽出部70、メモリ72、変復調部74、及び制御部76等を含むIC回路部80は、PET(ポリエチレンテレフタラート)等から成る色付きのベースフィルム82と一体的に設けられており、上記アンテナ部64は、そのベースフィルム82の表面に印刷等により形成されている。そして、そのベースフィルム82の表側には粘着層84を介して透明なカバーフィルム86が、裏側には粘着層88を介して剥離紙90がそれぞれ接着されている。上記印字78は、上記カバーフィルム86の裏面すなわち上記粘着層84側の面に印刷されている。また、前記無線タグラベル24が所定の商品等に貼り付けられる際には、上記剥離紙90が剥がされて粘着層88により接着される。
図6は、前記カートリッジ28(無線タグ回路素子収容器)の構成を詳しく説明する図である。このカートリッジ28には、一部を拡大して示すように、前記アンテナ部64及びIC回路部80等からなる無線タグ回路素子24aが所定の間隔で配置された帯状の基材テープ92が巻回された第1ロール94と、その基材テープ92と略同じ幅である前記カバーフィルム86が巻回された第2ロール96と、インクリボン98が巻回されたインクリボンロール100と、そのインクリボン98を巻き取るための巻取ローラ102と、上記基材テープ92とカバーフィルム86とを押圧してそれらを接着させつつ矢印で示す方向にテープ送りをする圧着ローラ104とが、それぞれの軸心回りに自転可能に設けられている。上記第1ロール94及び第2ロール96は、図面では同心円状に描かれているが、実際には芯に巻かれた渦巻き状になっている。上記インクリボンロール100及び巻取ローラ102は、上記カバーフィルム86の裏面側すなわち上記基材テープ92と接着される側に配設されており、上記インクリボン98は、前記無線タグ情報通信装置12本体に設けられたサーマルヘッド34に押圧されることで、上記カバーフィルム86の裏面に当接させられるようになっている。
前記タグテープ26の形成においては、前記カートリッジ用パルスモータ30の駆動により上記巻取ローラ102と圧着ローラ104とが矢印で示す方向にそれぞれ同期して自転させられる。この際に、前記印刷駆動回路36により前記サーマルヘッド34に備えられた複数の発熱素子に通電されると、前記カバーフィルム86の裏面すなわち上記基材テープ92と接着される側の面に所定の文字や記号、或いはバーコード等が印刷され、その印刷が行われたうえで上記圧着ローラ104により上記基材テープ92と接着されて前記タグテープ26として形成される。前記無線タグラベル24の作成に際しては、前記高周波回路56等によりそのタグテープ26に備えられた各無線タグ回路素子24aのIC回路部80に所定の情報が書き込まれた後、前記カッタ50により所定の長さで切断されて個々の無線タグラベル24に分割される。
個々の無線タグ回路素子24aには、カートリッジ28に収容されている順序(言い換えれば取出される順序)に応じて、所定の規則に基づいて付与された識別情報が予め記憶されている。 この所定の規則の種類が識別できるように、カートリッジ28のハウジング106の外側に、その規則の種類が認識可能なように、規則種類識別情報を記載したマークであるバーコード108が付与されている。
図7は、カートリッジ28とそのカートリッジ28のハウジング106の外側に付されたバーコードおよびそのバーコード108を読取る読取センサ33を示す図である。無線タグ情報通信装置12は、その動作を開始する際には、読取センサ33がカートリッジ28のハウジング106の外側に付されて無線タグ回路素子24aがカートリッジ28に収容されている順序に応じた識別情報の規則の種類を保持するバーコード108を読取り、どのような規則の識別情報が記憶されているのかを識別する。その後、読み書き動作を行う際にその識別情報を用いて先頭の無線タグ回路素子24aを特定し、書き込み動作を行うのである。(後に詳述する。)この識別情報としては、降順のもの、昇順のもの、後で詳細を説明するハミング符号によるもの等がある。ハミング符号を用いたものにあっては用いているハミング符号の種類も識別可能なようにバーコードによるマークが付されている。
図8は、前記無線タグ情報通信装置12の制御回路60の構成を説明する回路ブロック図である。この図8に示すように、前記制御回路60は、中央演算処理装置であるCPU140、ROM(Read Only Memory)142、及びRAM(Random Access Memory)144等から成り、RAM144の一時記憶機能を利用しつつROM142に予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行う所謂マイクロコンピュータである。I/O62は、入出力回路であり、上記読取センサ33およびセンサ52の検出信号を入力し、上記、無線タグ回路素子24aとの送受信信号を処理して情報を読み出すための信号処理回路58と情報を入出力し、カートリッジ用パルスモータ駆動回路32、印刷駆動回路36、送出ローラ駆動回路42、ソレノイド48等を駆動する信号を出力する。また、この制御回路60は、前記入出力インターフェイス62を介して前記通信回線14に接続されており、前記ルートサーバ16、端末18、汎用コンピュータ20、及び情報サーバ22等との間で情報のやりとりが可能とされている。
図9は、本発明の概要を説明する図である。第1ロール94には、複数の無線タグ回路素子24aが収納され、個々の無線タグ回路素子24aに情報を書込む場合、予め、各無線タグ回路素子24aには、収納されている順にそのメモリ72の順序情報記憶部72aに識別情報としての順序情報(以下、IDという)を記憶しておく。この図においては、第1ロール94の先頭から順に、ID:1、ID:2、というように昇順に従って順序番号からなる識別情報が記憶されている。無線タグ情報通信装置12(ライター)が、そのIDを問い合わせる電波を発信すると、その電波の到達範囲に含まれ、問い合わせた信号を受信した無線タグ回路素子24aは、自己の有するIDを応答する。無線タグ情報通信装置12は、複数のIDを受信した場合、これらの中で最も番号が小さい、すなわち順番が早い番号を特定し、その特定された無線タグ回路素子24aに対して書き込む情報を送信する。図9においては、ID:1が最も順番が早いので、ID:1という識別番号を付して書き込むべき情報を電波により送信する。
先頭に位置するID:1というIDを有する無線タグ回路素子24aは、その受信した電波に含まれるIDと、自己のIDとが一致するので、受信した電波に含まれる書込むべき情報をメモリ72の情報記憶部72bに記憶する。これ以外の無線タグ回路素子24aは、受信した電波に含まれるIDと自己のIDとが一致しないので、この電波を無視する。したがって、先頭の無線タグ回路素子24aのみに、この情報を記憶させることができる。以下、無線タグ情報通信装置12及び無線タグ回路素子24aが行う処理について説明する。
図10は、無線タグ情報通信装置12のCPU140が実行する無線タグ回路素子24aへの情報の書込み処理プログラムのフローチャートである。
まず、無線タグ回路素子24aに対して、IDを問い合わせる電波を発信する(S1)。この問い合わせに対する複数の無線タグ回路素子24aから返答の電波を受信する(S2)。次に、受信した複数の無線タグ回路素子24aからの返答に含まれるそれぞれのIDを抽出する(S3)。次に、これら複数のIDを順次比較し(S4)、最も順番が早いIDを特定する(S5)。例えば、上記のようにIDが昇順の番号で付されている場合には、最も小さい番号のIDが特定される。そして、特定されたIDを含む書込み命令をその無線タグ回路素子24aに書込む書込み情報に伴って電波により送信し(S6)処理を終了する。
一方、この書き込み情報を含む電波を受信し、処理する無線タグ回路素子24aにおける処理を図11のフローチャートを用いて説明する。
まず、IDを問い合わせる電波を受信する(S11)と、受信した電波をデジタル信号に復調し(S12)、そのデジタル信号から命令コマンドを抽出する(S13)。その命令が書込み命令か否かを判断し(S14)、書込み命令である場合には(S14:Yes)S12の処理で復調したデジタル信号からIDを抽出し(S15)、無線タグ回路素子24aが有するIDをメモリ72の順序情報記憶部72aから読み出す(S16)。次に受信したIDとメモリ72に記憶しているIDが一致するか否かを判断し(S17)、一致する場合には、受信した電波は、自己の無線タグ回路素子24aに送信されたものであるので、S12の処理で復調したデジタル信号から書き込む情報を抽出し(S18)、その情報をメモリ72の情報記憶部72bに書き込む(S19)。一方、S17の判断処理において、IDが一致しないと判断された場合(S17:No)は、この一連の処理を終了する。また、S14の書込み命令であるか否かの判断処理において、書込み命令ではないと判断された場合は(S14:No)、その命令に従って処理を行い(S20)、この一連の処理を終了する。
上記処理により、カートリッジ28に複数の無線タグ回路素子24aが収納されている場合に、収納されている順番に応じたIDが無線タグ回路素子24aに予め記憶されていれば、その収納部から取出される先頭の無線タグ回路素子24aを特定することができ、その特定された無線タグ回路素子24aにのみ所定の情報を書き込むことができる。
図10のフローチャートでは省略したが、無線タグ回路素子24aを内包する無線タグラベル24の印刷領域に、無線タグ回路素子24aに書込む情報に対応する文字や、ユーザにより入力された文字等を印刷するようにしてもよい。
IDとしては、上記実施例では、昇順規則に従うように番号の小さい方から順に搬出されるようにしたが、それとは逆に降順規則に従うように番号の大きい順に搬出されるようにしてもよいし、ABCなどのような数字以外のアルファベットや文字列でもよい。すなわち、予め定められた順序規則に従い、その搬出される順番が特定される符号であればよい。
この無線タグ回路素子24aが取出される順序に対応して付けられるIDの付け方、すなわち規則の種類が、無線タグ回路素子24aを収納しているカートリッジ28にバーコード108などのマークにより、読みとり可能に付されている。この規則種類を認識してその規則に従って先頭の無線タグを特定する無線タグ情報通信装置12における書込み処理を図12(a)のフローチャートに従って説明する。なお、図10のフローチャートと同じ処理であるステップは、図10のステップと同じ番号を付している。
まず、無線タグ回路素子24aに対して、IDを問い合わせる電波を送信し(S1)、この問い合わせに対する複数の無線タグ回路素子24aから返答のIDを含む電波を受信する(S2)。次に、受信した複数の無線タグ回路素子24aからの返答に含まれるそれぞれのIDを抽出し(S3)、次に、カートリッジ28にそのカートリッジ28から取出される無線タグ回路素子24aの識別情報の規則種類識別情報(ID順規則)を表すマークがあるか否かを判断する(S31)。そのマークがある場合には(S31:Yes)、そのマークからID順規則を読み取る(S32)。S31の処理において、マークがないと判断された場合は(S31:No)、予め設定されたID順規則をROM142から読み出す(S33)。
その規則種類が昇順である場合には複数のIDの中から番号が最も小さいIDを特定し、降順の場合には、最も大きいIDのものをカートリッジ28から取出された先頭の無線タグ回路素子24aと特定し(S34)、その特定したIDを含む書込み命令を、その無線タグ回路素子24aに書込む書込み情報に伴って送信し(S6)処理を終了する。
なお、S34において特定されたIDが正しいものであるか否かを確認する処理を行うことが望ましい。場合によっては、電波の状態が悪く、最も順序が早いIDを受信していない可能性があるからである。この確認処理を図12(b)のフローチャートに示す。
即ち、S34において最も早いIDが抽出された時、その最も早いと判断されたIDを含め、そのIDより早いIDを有する無線タグ回路素子24aに対して返答するよう問い合わせの電波を送信する(S41)。この問い合わせに対して応答されたIDの中で最も早いIDを規則に基づいて抽出し(S42)、そのIDがS34の処理において特定したIDと一致するか否かを比較する(S43)。一致した場合には(S43:Yes)確認されたものとして、S6の処理を行い、一致しない場合には(S43:No)S42で特定したIDを新たな特定したIDとし(S44)、再度そのIDを含め、そのIDより早いIDを有する無線タグ回路素子24aに対して問い合わせを行う(S41)。
以上の処理を繰り返すことにより、最も早いIDをより確実に特定することができる。
次に、このIDとしてハミング符号を用いる場合について説明する。このハミング符号は、複数ビットで表される2進数の数列で、隣り合う数値の異なるビットの数をハミング距離といい、ある数列の範囲でこのハミング距離をある所定の値以上となるように数列を設定することができる。なお、以下の説明では無線タグ回路素子収容器に収容されている順序をタグ順という。
表1は、ハミング符号がが5ビットにより構成される場合の一例を示すもので、二つ隣の範囲内の数値とのハミング距離が3以上となるように設定された数列である。例えば、タグ順が4のIDは、「10000」、タグ順が5のIDは、「01100」であり、この場合のハミング距離は、左から1、2、3ビット目が異なり、4,5ビット目は同じなので3である。同様にタグ順が6のIDは、「01011」であり、タグ順4のIDである「10000」とのハミング距離は、4である。
Figure 2005149429
このハミング符号による数列をIDとして用いると、同時に隣同士に存在する複数(例えば、3つ)のタグからの返答があり、その返答に誤りがあった場合にその誤りを修正することができる。
例えば、問い合わせに対してタグ4、5、6の応答として、「10001」、「01100」、「01011」を受信したとする。ここで、ID「10001」の前後には、「01100」と「01011」のどちらも存在しないため、「10001」は、ビット値が誤って受信されたものと推定される。次に、ID01100の前後2つを見ると、ID「01011」が存在するので、ID「01100」は、タグ順が5でありID「01011」は、タグ順が6であることが分かる。次にID「10001」について、タグ5,6の両隣のID「10000」と「10111」とのハミング距離をみると、それぞれ1と2であるので、ハミング距離が近い「10000」が誤って「10001」に読み取られたものであって、タグ順が4であると推定することができる。よって、読み取られたタグ順は4、5、6であって、タグ順4が最も早いのでID「10000」を命令に含めて書込み命令を送信することで、先頭の無線タグ回路素子24aに情報を送信することが可能となる。
図13は、このハミング符号を生成する処理をフローチャートで表したもので、2つ隣までのハミング距離が3以上の5ビットのコードを生成する処理である。
まず、初期値として1番目と2番目の値をハミング距離が3になるように設定し(S51)、求める(計算する)リスト番号(list_no)を3とする。求めるIDの一つ前のIDをid1、二つ前のIDをid2とする(S53)。次に、id1とid2で共通のビットを反転させ、求める(計算中の)ID(id0)の同じビットに代入する(S54)。次いで、id1、id2
で異なる3ビットの位置(桁)を抽出し(S55)、変数iを1とする(S56)。
S55の処理で抽出した3ビットのi番目に対応するid1の値を反転し、残りの2ビットは反転せずそのままとして、id0に代入する(S57)。こうして作成されたid0が、既に作成されたID中に存在するか否かを検出し(S58)、同じものが存在する場合(S58:Yes)は、iを1進めて(S59)S57の処理に戻る。
S58の処理において、作成されたid0と同じものが存在しない場合(S58:No)IDリストのlist_no番目にid0を代入し(S60)list_noを一つ進め(S61)、list_noの最大値である32を超えたか否かを判定し(S62)、32を超えていない場合は、S53の処理に戻り、つぎのid0を求め、32を超えた場合(S62:Yes)すべてのIDが決定されたので作成されたIDリストをRAM144にファイルとして格納する(S63)。
図14は、複数のハミング符号で記述されたIDを受信した場合に、誤りを判定して正しい順番の早いIDを特定する処理を表すフローチャートである。
まず、ID1、ID2、ID3の3つのIDを受信したとする(S71)。次に、タグ順とそのタグ順に対応したID(ハミング符号)のリストをリスト記憶部より取得する(S72)。そのリストから、ID1と一致するタグ順を抽出し、そのタグ順をn1とする(S73)。同様に、ID2、ID3についても、タグ順を取得し、それぞれn2、n3とする(S74、S75)。次にn1とn2との差が2以下であるかを判定する(S76)。
2以下であれば(S76:Yes)、n1とn3との差が2以下であるかを判定し(S77)、2以下であれば、これらの3つのIDは、正しく受信されたものと推定する(S78)。
S77の処理において、2以下ではないと判定された場合(S77:No)は、ID1とID2は正しいIDであるが、ID3は、誤りがあると推定する(S79)。また、S76の判定において、n1とn2との差が2以下ではないと判定された場合(S76:No)は、n1とn3との差が2以下であるかを判定する(S80)。2以下であると判定された場合(S80:Yes)は、n1とn3は、正しいIDであり、n2は、誤りがあると推定する(S81)。S80の処理で、n1とn3との差が2以下ではないと判定された場合(S80:No)は、n2とn3との差が2以下であるかを判定する(S82)。2以下であると判定された場合(S82:Yes)は、n2とn3は、正しいIDであるが、ID1は、正しくないと推定する(S83)。
S79、S81、S83において推定された3つの場合は、2つのIDは正しく、一つは誤りがあるとして、正しい2つのIDの前後または間のIDと誤りがあると判定されたIDとのハミング距離を計算し(S84)ハミング距離が1のIDが存在するかを判定する(S85)。存在する場合には、その誤りがあると判定したIDをハミング距離が1であるIDの誤りであると推定し、そのIDを正しいIDとし、そのタグ順を正しいタグ順とする(S86)。S78の処理およびS86の処理において、正しいと推定される3つのIDとそのタグ順が取得されたので、これらのタグ順の中で一番小さいタグ順のIDを抽出する(S87)。
一方、S82の判定でn2とn3との差が2以下ではないと判定された場合(S86:No)と、S85の判定で、ハミング距離が1であるIDが存在しないと判定された場合(S85:No)は、ビット誤りが複数あると判断し(S88)、この場合には、単純なエラーではなく、大きなエラーがあるものとして、エラー表示などを行い(S89)、先頭のIDは、検出できないとして処理を終了する。なお、図14に記載のフローチャートにおいて、破線で示した処理は、実際には処理が行われるわけではなく、次に行われる処理に進む理由を記述したものであるが、処理の流れを理解しやすいように敢えて記載したものである。
以上のように、ビット誤りが所定の範囲であれば、誤りがあったとしてもそれを認識し、修正して正しい順序を特定することができ、その特定されたIDを書込み命令に含めて送信することにより先頭の無線タグ回路素子24aに必要な情報を書込むことができる。
上記実施例では、無線タグラベルが、帯状のテープに所定間隔で配置され、カートリッジ内にロール状に収納されているものを、順次取出す場合について説明したが、図15は、カセット内に、無線タグ回路素子24aを収納したタグストラップが積み上げられ、取出す順にIDが、1、2、3というように記憶されている場合を模式的に描いている。このような場合であっても、本発明のように、無線タグ情報通信装置12から、IDを問い合わせ、応答された複数のIDの中から最も若い番号を抽出し、そのIDを書込み命令に含ませることにより、カセットから取出された先頭のタグストラップの無線タグ回路素子24aに、情報を書込むことができる。
なお、請求項7記載の特定手段は、図10のフローチャートのS9の処理、図12のフローチャートのS34、および図14のフローチャートのS87の処理が該当する。
また、請求項8記載の識別情報要求手段は、図10および図12のフローチャートのS1の処理が該当する。また、請求項10記載の規則種類検出手段は、図12のフローチャートのS32の処理が該当する。また、請求項12記載の認識手段は、図14のフローチャートのS86の処理が該当する。また、請求項13記載の再検出手段は、図11(b)に記載のフローチャートが該当する。
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記実施例では、無線タグ回路素子収納器に収納されている順序と識別情報との関係の規則を識別する情報は、カートリッジまたはテープカセットのハウジングの外側にバーコードを付し、無線タグ情報通信装置の読取りセンサがそのバーコードを検出することによりその規則を認識するものとしたが、このマークは、接触により判別されるもの、例えば、所定の位置に穴または突起が形成されていて、装置がその形状を認識する、あるいは他の光学的方法により認識する、あるいは電波などにより、その規則の情報が収納器あるいは、無線タグから発信され、装置が認識するようにしてもよい。
また、上記実施例では、識別情報の問い合わせに対して複数の無線タグ回路素子からIDを受信すると、その複数のIDの中で最も順序が早いIDを特定したが、前回取出されたIDを記憶しておいて、そのIDの次の順序のIDを特定するようにしてもよい。
この場合、カートリッジは、交換可能であるのでカートリッジ毎に識別情報を有し、いずれのカートリッジは、いずれのIDが最後に取出されたかを記憶すれば、カートリッジを交換した場合であってもIDを特定することができる。
本発明が好適に適用される無線タグ生成システムを説明する図である。 無線タグ情報通信装置の構成を示す図である。 無線タグ回路素子の構成を説明する図である。 無線タグラベルの外観を説明する図であり、(a)は平面図、(b)は底面図である。 無線タグラベルの断面図である。 カートリッジの構成を詳しく説明する図である。 カートリッジ28の外側に付されたバーコードおよびそのバーコード108を読取る読取りセンサ33を示す図である 無線タグ情報通信装置の制御回路の構成を説明する回路ブロック図である。 無線タグ情報通信装置による無線タグ回路素子への情報書き込み動作を模式的に説明する図である。 無線タグ情報通信装置による無線タグ回路素子への情報書き込み動作を説明するフローチャートである。 無線タグ回路素子による無線タグ通信装置との情報交換動作を説明するフローチャートである。 無線タグ情報通信装置による無線タグ回路素子への情報書き込み動作を説明するフローチャートである。 ハミング符号の生成処理を表わすフローチャートである。 複数のハミング符号によるID情報を受信した場合の、誤りを認識する処理を表わすフローチャートである。 カセット内に収納されたタグストラップを模式的に表わす図である。
符号の説明
12:無線タグ情報通信装置
24:無線タグラベル
24a:無線タグ回路素子
28:カートリッジ(無線タグ回路素子収容器)
31:カートリッジホルダ(収納部)
33:読取りセンサ(規則種類検出手段))
34:サーマルヘッド(印刷手段)
64:アンテナ部
72:メモリ
72a:順序情報記憶部
72b:情報記憶部
76:制御部(書込み制御部)
80:IC回路部
108:バーコード(規則種類識別情報を記載したマーク)

Claims (14)

  1. アンテナ部と、識別情報を記憶する記憶部と、前記アンテナ部が受信した識別情報の問い合わせ信号に応答して前記記憶部に記憶された識別情報を送信する送信部とを備えた無線タグ回路素子を複数収容し、所定の順序で取出し可能に構成された無線タグ回路素子収容器であって、
    前記記憶部は、前記無線タグ回路素子収容器からの取出し順序に関連して予め定められた所定の規則に従う順序情報を前記識別情報として記憶するものであることを特徴とする無線タグ回路素子収容器。
  2. 前記無線タグ回路素子は、前記アンテナ部を介して書込むための書込み情報を受信する受信部と、その受信部が受信した書込み情報に含まれる識別情報が前記記憶部に記憶された識別情報と一致する場合に前記書込み情報を記憶する情報記憶部とを備えていることを特徴とする請求項1記載の無線タグ回路素子収容器。
  3. 前記所定の規則の種類を識別する規則種類識別情報を記載したマークを、無線タグ回路素子収容器の外面に識別可能に設けていることを特徴とする請求項1又は2に記載の無線タグ回路素子収容器。
  4. 前記複数の無線タグ回路素子は、リボン状の基材に識別情報に対応する順序で配列されて内包されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の無線タグ回路素子収容器。
  5. 前記順序情報は、昇順または降順に従う数字列であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の無線タグ回路素子収容器。
  6. 前記順序情報は、ビット列よりなるハミング符号により構成され、各々のビット列の少なくとも2つ隣以内に配置されたビット列のハミング距離が3以上離れているものであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の無線タグ回路素子収容器。
  7. アンテナ部と、無線タグ回路素子収容器からの取出し順序に関連して予め定められた所定の規則に従う順序情報により構成される識別情報を記憶する記憶部と、その記憶部に記憶された識別情報を送信する送信部とを備えた無線タグ回路素子を複数収容する無線タグ回路素子収容器を収納する収納部と、
    複数の無線タグ回路素子が送信する複数の識別情報を受信する受信手段と、
    その受信手段により受信した複数の識別情報の中から、その識別情報を構成する順序情報に基づいて前記所定の規則に従っていずれかの識別情報を特定する特定手段とを備えていることを特徴とする無線タグ情報通信装置。
  8. 複数の無線タグ回路素子に対してそれぞれの無線タグ回路素子が有する識別情報の送信を要求する識別情報要求手段を備え、
    前記受信手段は、その識別情報要求手段による識別情報の要求に応答して複数の無線タグ回路素子が送信する識別情報を受信するものであることを特徴とする請求項7記載の無線タグ情報通信装置。
  9. 前記無線タグ回路素子は、前記アンテナ部を介して書込むための書込み情報を受信する受信部と、その受信部が受信した書込み情報に含まれる識別情報が、前記記憶部に記憶された識別情報と一致する場合に、前記書込み情報を記憶する情報記憶部とを備えているものであって、
    前記特定手段により特定された識別情報を含む書込み命令を無線タグ回路素子に書込む書込み情報に伴なって送信する送信手段とを備えていることを特徴とする請求項7又は8記載の無線タグ情報通信装置。
  10. 無線タグ回路素子を内包するリボン状の基材に印刷を行う印刷手段を備え、
    前記送信手段は、その印刷手段が印刷する内容に対応する書込み情報を送信するものであることを特徴とする請求項7から9のいずれかに記載の無線タグ情報通信装置。
  11. 前記特定手段は、無線タグ回路素子収容器が有する規則種類識別情報を検出する規則種類検出手段を備え、その規則種類検出手段により検出された規則種類に応じて受信した複数の識別情報の中からいずれかの識別情報を特定するものであることを特徴とする請求項7から10のいずれかに記載の無線タグ情報通信装置。
  12. 前記受信手段が受信したハミング符号により構成される複数の識別情報に基づいて、誤りのある識別情報を認識する認識手段を備えていることを特徴とする請求項7から11のいずれかに記載の無線タグ情報通信装置。
  13. 前記特定手段は、一度特定した識別情報に基づいて、所定の規則に従う識別情報を有する無線タグ回路素子が存在するか否かを再度検出する再検出手段を備えていることを特徴とする請求項7から12のいずれかに記載の無線タグ情報通信装置。
  14. アンテナ部と、無線タグ回路素子収容器から取出される順序に関連した順序情報により構成される識別情報を記憶する記憶部と、その記憶部に記憶された識別情報を送信する送信手段と、前記アンテナ部が受信した書込むための書込み情報に含まれる識別情報が、前記記憶部に記憶された識別情報と一致する場合に、その書込み情報を記憶する情報記憶部とを備えている無線タグ回路素子を複数収容し、取出し可能に構成されている無線タグ回路素子収容器を着脱自在に収納する収納部と、
    その収納部から前記無線タグ回路素子を所定の書込み位置に取出すための取出し手段と、
    無線タグ回路素子に対してその無線タグ回路素子が有する識別情報の送信を要求する識別情報要求手段と、
    その識別情報要求手段による識別情報の要求に応答して無線タグ回路素子が送信する識別情報を受信する受信手段と、
    その受信手段により受信した識別情報が複数個存在する場合、その複数個の識別情報の中から識別情報を構成する順序情報に基づいて前記書込み位置に取出された無線タグ回路素子の識別情報を特定する特定手段と、
    その特定手段により特定された識別情報を含む書込み命令を無線タグ回路素子に書込む書込み情報に伴なって送信する送信手段とを備えていることを特徴とする無線タグ情報通信装置。
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