JP2005148542A - 透明反射防止積層体及びそれを用いたディスプレイ用前面板 - Google Patents

透明反射防止積層体及びそれを用いたディスプレイ用前面板 Download PDF

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Abstract

【課題】防汚性、耐磨耗性と、反射防止機能とを兼ね備えたディスプレイ用前面板及びそれを成形するための透明反射防止積層体を提供する。
【解決手段】透明基材2の一側に、波長500nm〜650nmにおける最小反射率が0.4%〜1%である透明樹脂層3を積層し、前記透明基材2の他側に、波長500nm〜650nmにおける最小反射率が0.3%以下である透明樹脂層4を積層してなる構成を備えた透明反射防止積層体1とする。また、透明反射防止積層体1からディスプレイ用前面板を成形する
【選択図】 図1

Description

本発明は、ディスプレイ(陰極線管、液晶表示装置、プラズマ表示装置など)や建材、自動車部品等の透明基材部分などに用いる透明反射防止積層体に関し、ディスプレイの前面に反射防止のために設置するディスプレイ用前面板に関する。
近年、陰極線管テレビジョン(CRT)に代わり、軽量・大画面のリアプロジェクションテレビ、プラズマディスプレイ(PDP)や液晶ディスプレイ(LCD)などが急速に普及している。これらのディスプレイは大型かつ平面であり、CRT方式に比べて画像の輝度が低いため、反射による周辺環境や人の映り込みが画面上に見られ、画像の視認性が低下する傾向があった。
そこで、視認性の低下を防止するため、ディスプレイを保護するために取り付けてあるディスプレイ用前面板の表面に反射防止層を設け、反射防止機能を高めて映り込みを無くすことが行われている。具体的には、透明基材の片面又は両面に、粘着層を介してプラスチックフィルム層を積層し、その表面に反射防止層を形成したもの(例えば、特許文献1参照)や、基材の表面に高屈折率層及び低屈折率層を積層したもの(例えば、特許文献2及び特許文献3参照)などが開示されている。
これら反射防止層の形成方法としては、プラスチック基板上にコーティング液を塗布し、これを乾燥、焼成、UV照射などを用いて固化させて薄膜を形成する湿式方法が用いられている。湿式方法は、大きな面積の基板に、低コストで膜を形成できることから反射防止フィルムの製法として広く利用されている。
特開平9−314757号公報 特開2001−315242号公報 特開2001−359024号公報
ところで、反射防止層は、ディスプレイ表面で使用するものであるため、耐磨耗性、帯電防止効果、撥水性といった表面保護機能を備えているのが好ましいが、かかる表面保護機能を反射防止層に付与とすると光学特性に影響を与え、反射防止機能が低下するという問題があった。つまり、上記ディスプレイ用前面板は、反射防止機能を高めると防汚性や耐磨耗性が低下し、逆に防汚性や耐磨耗性を高めると反射防止機能が低下するといった具合に、表面保護機能と反射防止機能とを両立させるのが難しいという課題を抱えていた。
そこで本発明者らは、先ず第一に、反射防止機能をより一層良好なものとして周辺環境の映り込みが小さくて視認性に優れたディスプレイ用前面板を提案し、第二に、相反する特性である防汚性、耐磨耗性と、反射防止機能とを兼ね備えたディスプレイ用前面板及びそれを成形するための透明反射防止積層体を提供せんとするものである。
本発明は、透明基材2の一側に、波長500nm〜650nmにおける最小反射率が0.4%〜1%である透明樹脂層3を積層し、前記透明基材の他側に、波長500nm〜650nmにおける最小反射率が0.3%以下である透明樹脂層4を積層してなる構成を備えた透明反射防止積層体を提案する。
かかる構成構成を備えた透明反射防止積層体において、透明反射防止積層体の波長500nm〜650nmにおける最小反射率は0.4%〜1%であるのが好ましい。
このような構成を備えた透明反射防止積層体であれば、周辺環境の映り込みが小さく、視認性に優れたディスプレイ用前面板を成形することができる。そこで本発明は、かかるディスプレイ用前面板も同時に提案する。
上記透明樹脂層3としては、JIS L 0823に準じた堅ろう度試験機を用い、8枚重ねにしたオオギガーゼを試験台に取付け、17N/cm2の一定荷重によって試験体と面接触させ、試験台を一定速度で往復させ、目視にて、表面に反射防止膜の剥離或いは傷が確認されるまでの往復回数を評価する試験において、往復150回以上の耐磨耗性を備えているものが好ましい。透明樹脂層3がこのような耐磨耗性を備えていれば、透明反射防止積層体は、優れた反射防止機能のほかに耐磨耗性を兼ね備えることになる。そこで本発明は、当該透明反射防止積層体を成形してなるディスプレイ用前面板も同時に提案する。
また、透明樹脂層3としては、粒径2mmの蒸留水水滴を測定面に滴下し30秒後の接触角を測定する試験方法において、蒸留水に対する接触角が90度以上の撥水性を備え、かつJIS K−6911の試験方法により求められる表面抵抗値が1012Ω/□以下の帯電防止機能を備えているものが好ましい。透明樹脂層3がこのような撥水性と帯電防止機能とを備えていれば、優れた反射防止機能のほかに、優れた撥水性と帯電防止機能とを兼ね備えることになる。そこで本発明は、当該透明反射防止積層体を成形してなるディスプレイ用前面板も同時に提案する。
なお、本発明における数値範囲の上限値及び下限値は、本発明が特定する数値範囲から外れる場合であっても、当該数値範囲内と同様の作用効果を備えている限り本発明の均等範囲に含める意を包含する。
以下、本発明の一実施形態を図面を用いて説明する。なお、本発明は、下記実施形態に限定されるものではない。
図1は、本発明の透明反射防止積層体を示した側断面図である。
本発明の一例に係る透明反射防止積層体1は、透明基材2の視認側に透明樹脂層3を積層し、裏面側(すなわち視認側の反対側)に透明樹脂層4を積層するようにして構成することができる。
(透明基材2)
透明基材2としては、透明乃至半透明の無機基材や樹脂基材などを使用することができる。なかでも、軽量・薄型である樹脂基材が好ましい。透明基材2は、可視光の透過率が90%以上、かつヘイズ値が0.5%以下であることが好ましい。具体的には、無機基材の無機ガラスや、樹脂基材のポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ(メタ)アクリル樹脂エステル系樹脂又はポリスチレン系樹脂などがあり、特にヘイズ値が小さく、吸湿による寸法変化の少ないメタクリル酸メチル−スチレン共重合樹脂が好ましい。これら化合物を2種以上配合して形成してもよい。
透明基材2の厚さは、特に限定するものではないが、好ましくは0.5mm〜10mm、より好ましくは0.8mm〜3mmである。
透明基材2は、従来公知の方法、Tダイ成形、ポリシング成形、カレンダー成形、プレス成形などや有機溶剤に溶融させてキャスティングする方法などにより成形することができる。
透明基材2には、従来公知である添加剤、例えばフェノール系、リン系などの酸化防止剤、ハロゲン系、リン系などの難燃剤、耐熱老化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤等を配合してもよい。
(透明樹脂層3)
本例における透明樹脂層3は、耐磨耗性、防汚性などを高めた層であり、他側面に積層される透明樹脂層4よりも耐磨耗性及び防汚性が高い層であると定義できる。
透明樹脂層3の構成例としては、例えばプラスチック基材3aの一側面(図1では、透明基材2側)に粘着剤層3bを積層し、他側面にハードコート層3c、反射防止層3d及び防汚層3eを順次積層してなるものを挙げることができる。
プラスチック基材3aは、透明乃至半透明の樹脂フィルム又はシートであり、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリ(メタ)アクリレート、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、アセテートブチレートセルロース、ポリエーテルサルホン、ポリスルホン、ポリエーテル、ポリトリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリアクリロニトリル、ポリ乳酸などを使用することができる。
プラスチック基材3aの厚さは、特に限定するものではないが、好ましくは25μm〜400μm、より好ましくは80μm〜200μmとするのがよい。
プラスチック基材3aは、従来公知の方法、Tダイ成形、カレンダー成形などにより成形することができる。
粘着剤層3bは、プラスチック基材3aを透明基材2に接着する層であり、従来公知の接着剤、粘着剤などを使用することができる。例えば、ポリイソプレンゴム、ポリイソブチレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンアクリロニトリルゴムなどのゴム系樹脂や、(メタ)アクリル酸エステル系樹脂、ポリビニルエーテル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニル/酢酸ビニル共重合系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、シリコン系樹脂、ウレタン系樹脂などにロジン、ダンマル、重合ロジン、テルペン変性体、石油系樹脂、シクロペンタジエン系樹脂などの粘着付与剤を添加したものを挙げることができる。
粘着剤層3bをプラスチック基材3aの一側面に積層する方法は、特に限定するものではないが、従来公知のスプレーコート法やロールコート法などにより塗付することができる。
粘着剤層3bの厚さは、特に限定するものではないが、好ましくは25μm〜400μm、より好ましくは25μm〜50μmとするのがよい。
ハードコート層3cは、耐磨耗性を高める層であり、市販品のハードコート剤を積層することにより形成できる。例えば、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、グリセリントリアクリレートなどを含有するものを使用することができる。ハードコート層3cのヘイズ値は、特に限定するものではないが、0.5%以下、好ましくは0.2%以下とするのがよい。
ハードコート層3cをプラスチック基材3aの他側面に積層する方法は、従来公知の方法でよく、例えばスプレーコート法やロールコート法などにより塗付することができる。
ハードコート層3cの厚さは、特に限定するものではないが、好ましくは1μm〜10μm、より好ましくは3μm〜6μmとするのがよい。
反射防止層3dは、反射防止機能を高める層であると同時に、耐磨耗性、帯電防止機能、撥水性の機能を高める層である。
反射防止層3dは、無機物質(光学用フィラー)、バインダー樹脂、添加剤、溶剤等を配合させた液を塗布することにより形成することができる。
反射防止層3dをハードコート層3cの表面に積層する方法は、特に限定するものではないが、従来公知のスプレーコート法やロールコート法などにより塗付することができる。反射防止層3dの層数としては単層或いは2〜3層で積層するのがよい。
反射防止層3dの厚さは、その組成(塗布材料)によって適切な膜厚が異なるため特に限定するものではない。波長500nm〜650nmにおける最小反射率が0.4%〜1%になるように組成(塗布材料)に応じて適宜膜厚設計するのがよい。
防汚層3eは、防汚性を高める層であり、従来公知のもの、例えば、フッ素系シランカップリング剤を使用することができる。反射防止層3dの材質により撥水機能を有していれば、特に防汚層3eを設けなくともよい。
防汚層3eを反射防止層3dの表面に積層する方法は、特に限定するものではないが、従来公知のスプレーコート法やロールコート法などにより塗付することができる。
防汚層3eの厚さは、特に限定するものではないが、好ましくは0.005μm以下、より好ましくは0.003μm以下とするのがよい。
透明樹脂層3の厚さは、特に限定するものではないが、好ましくは100μm〜500μm、より好ましくは100μm〜150μmとするのがよい。
この透明樹脂層3は、波長500nm〜650nmにおける最小反射率が0.4%〜1%、なかでも0.4〜0.6%であるのが好ましい。
また、この透明樹脂層3は、JIS L 0823に準じた堅ろう度試験機を用い、8枚重ねにしたオオギガーゼを試験台に取付け、17N/cm2の一定荷重によって試験体と面接触させ、試験台を一定速度で往復させ、目視にて、表面に反射防止膜の剥離或いは傷が確認されるまでの往復回数を評価する試験において、往復150回以上、なかでも往復300回以上、そのなかでも特に往復500回以上の耐磨耗性を備えているのが好ましい。
また、この透明樹脂層3は、蒸留水の水滴の粒径を2mmとし、測定面に滴下30秒後の接触角を測定する試験方法によって求められる、蒸留水に対する接触角が90度以上、なかでも100度以上、そのなかでも特に105度以上の撥水性を備えているのが好ましい。
さらにまた、この透明樹脂層3は、JIS K−6911の試験方法によって求められる表面抵抗値が1012Ω/□以下、なかでも1010Ω/□以下、そのなかでも特に109Ω/□以下の帯電防止機能を備えていることが好ましい。
この他に、透明樹脂層3の材料特性として、耐薬品性、耐擦傷性、耐指紋性、耐汗性、撥油性などの機能を備えていればさらによい。上記特性を有していれば、透明樹脂層3にハードコート層3cを設けなくともよい。
(透明樹脂層4)
透明樹脂層4は、透明樹脂層3よりも反射防止機能を高めた層であると定義でき、具体的には、波長500nm〜650nmにおける最小反射率が0.3%以下であるが好ましく、0.2%以下であればさらに好ましい。
透明樹脂層4は、例えば、プラスチック基材4aの透明基材2側に粘着剤層4bを積層し、プラスチック基材4aの他側(透明基材2とは反対側)にハードコート層4c、反射防止層4dを順次積層し、この際、透明樹脂層4における反射防止層4dの反射防止機能を、透明樹脂層3における反射防止層3dの反射防止機能よりも高めるようにして形成することができる。
なお、反射防止層4dの一側面に防汚層を積層してもよい。
プラスチック基材4a、粘着剤層4b、ハードコート層4cは、それぞれ上記透明樹脂層3のプラスチック基材3a、粘着剤層3b、ハードコート層3cと同一の材料から形成することができる。
反射防止層4dは、プラスチック基材4a或いはハードコート層4c上に、基板よりも低屈折率の物質からなる層を形成するか、或いは基板よりも低屈折率の物質からなる層に高屈折率の物質からなる層を積層するかして、最小反射率が所定範囲になるように反射防止層を形成することができる。この際、基板よりも低屈折率の物質としては、例えば含フッ素化合物、有機ケイ素化合物の硬化物例えば溶媒可溶性の非結晶性共重合体であるアクリル酸含フッ素アルキルエステル重合体やテトラエトキシシランなどが挙げられ、高屈折率の物質としては、分子中に不飽和二重結合を2個以上有する化合物と金属アルコシドとの組成物からなるもの、例えば、エチレングリコールジアクリレートとチタニアゾルとの組成物などが挙げられる。また、薄膜形成方法としてはこれらの材料を溶剤に溶解した溶液を塗布、乾燥させる方法や重合開始剤などを添加し、活性エネルギー線照射等により重合させるなど公知の方法が採用できる。
なお、ハードコート材層4cは、省くことも可能であり、これにより廉価に透明反射防止積層体1を形成できる。
透明樹脂層4の厚さは、特に限定するものではないが、好ましくは100μm〜500μm、より好ましくは100μm〜150μmとするのがよい。
(透明反射防止積層体1の製造方法)
透明基材2の一側面に透明樹脂層3の粘着剤層3bを、他側面に透明樹脂層4の粘着剤層4bを、圧着ローラーなどを用いて貼り付けることにより透明反射防止積層体1を形成することができる。
本実施形態では、透明樹脂層3及び透明樹脂層4に粘着剤層3b、4bを積層して貼り付けてあるが、これに限定するものではなく、透明基材2の両面に粘着材層を積層して貼り付けたり、プラスチック基材3a、4aと透明基材2との間隙に粘着シートを介してニップロール等でラミネートしたりしてもよい。
透明反射防止積層体1の厚さは、特に限定するものではないが、好ましくは0.8mm〜11m、より好ましくは1mm〜5mmとするのがよい。
透明反射防止積層体1は、波長500nm〜650nmにおける最小反射率が0.4〜1%であるのが好ましく、0.4%〜0.7%とするのが最適である。
(透明反射防止積層体1の用途)
透明反射防止積層体1をディスプレイ用前面板に成形し、透明樹脂層3を視認側、すなわち視覚者側に向くようにしてCRT、LCD、PDPなどのディスプレイの前面に設置すれば、視覚者側の透明樹脂層3により汚れ・傷を防ぐことができ、裏面側の透明樹脂層4により周辺環境の映り込み等を防ぐことができる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定するものではない。
[実施例1]
メタクリル酸メチル−スチレン共重合樹脂(三菱樹脂株式会社製「オプトクリア」)からなる透明基材2の一側面に、波長500nm〜650nmにおける最小反射率が0.6%となるように形成した透明樹脂積層フィルム3Aを重ね、透明基材2の他側面に、波長500nm〜650nmにおける最小反射率が0.3%の透明樹脂積層フィルム4A(日本油脂株式会社製の商品名リアルック8201UV)を重ね、圧着ローラーにより貼り合わせて積層シートを形成し、これより略矩形状のディスプレイ用前面板を成形した。
[実施例2]
メタクリル酸メチル−スチレン共重合樹脂(三菱樹脂株式会社製「オプトクリア」)からなる透明基材2の一側面に、波長500nm〜650nmにおける最小反射率が0.6%となるように形成した透明樹脂積層フィルム3Aを重ね、透明基材2の他側面に、波長500nm〜650nmにおける最小反射率が0.2%の透明樹脂積層フィルム4B(住友大阪セメント株式会社製の商品名クリアラスARF−300)を重ね、圧着ローラーにより貼り合わせて積層シートを形成し、これより略矩形状のディスプレイ用前面板を成形した。
[実施例3]
メタクリル酸メチル−スチレン共重合樹脂(三菱樹脂株式会社製「オプトクリア」)からなる透明基材2の一側面に、波長500nm〜650nmにおける最小反射率が0.6%となるように形成した透明樹脂積層フィルム3Aを重ね、透明基材2の他側面に、波長500nm〜650nmにおける最小反射率が0.3%の透明樹脂積層フィルム4C(株式会社麗光製の商品名ビジュアライト#188(T2930−M))を重ね、圧着ローラーにより貼り合わせて積層シートを形成し、これより略矩形状のディスプレイ用前面板を成形した。
[比較例1]
メタクリル酸メチル−スチレン共重合樹脂(三菱樹脂株式会社製「オプトクリア」)からなる透明基材2の両側面に、波長500nm〜650nmにおける最小反射率が0.6%となるように形成した透明樹脂積層フィルム3Aを重ねて圧着ローラーにより貼り合わせて積層シートを形成し、これより略矩形状のディスプレイ用前面板を成形した。
[比較例2]
メタクリル酸メチル−スチレン共重合樹脂(三菱樹脂株式会社製「オプトクリア」)からなる透明基材2の両側面に、波長500nm〜650nmにおける最小反射率が0.3%の透明樹脂積層フィルム4A(日本油脂株式会社製の商品名リアルック8201UV)を重ね、圧着ローラーにより貼り合わせて積層シートを形成し、これより略矩形状のディスプレイ用前面板を成形した。
[比較例3]
メタクリル酸メチル−スチレン共重合樹脂(三菱樹脂株式会社製「オプトクリア」)からなる透明基材2の両側面に、波長500nm〜650nmにおける最小反射率が0.2%の透明樹脂積層フィルム4B(住友大阪セメント株式会社製の商品名クリアラスARF−300)を重ね、圧着ローラーにより貼り合わせて積層シートを形成し、これより略矩形状のディスプレイ用前面板を成形した。
[比較例4]
メタクリル酸メチル−スチレン共重合樹脂(三菱樹脂株式会社製「オプトクリア」)からなる透明基材2の両側面に、波長500nm〜650nmにおける最小反射率が1.2%の透明樹脂積層フィルム4D(日本化薬株式会社製「ARS−N450T−125」)を重ね、圧着ローラーにより貼り合わせて積層シートを形成し、これより略矩形状のディスプレイ用前面板を成形した。
[比較例5]
メタクリル酸メチル−スチレン共重合樹脂(三菱樹脂株式会社製「オプトクリア」)からなる透明基材2の両側面に、波長500nm〜650nmにおける最小反射率が0.3%の透明樹脂積層フィルム4C(株式会社麗光製の商品名ビジュアライト#188(T2930−M))を重ね、圧着ローラーにより貼り合わせて積層シートを形成し、これより略矩形状のディスプレイ用前面板を成形した。
[比較例6]
メタクリル酸メチル−スチレン共重合樹脂(三菱樹脂株式会社製「オプトクリア」)からなる透明基材2の一側面に、波長500nm〜650nmにおける最小反射率が1.2%の透明樹脂積層フィルム3B(日本化薬株式会社製「ARS−N450T−125」)を重ね、透明基材2の他側面に、波長500nm〜650nmにおける最小反射率が0.3%の透明樹脂積層フィルム4A(日本油脂株式会社製の商品名リアルック8201UV)を重ね、圧着ローラーにより貼り合わせて積層シートを形成し、これより略矩形状のディスプレイ用前面板を成形した。
上記実施例1〜3及び比較例1〜6を用いて、下記評価を行った。
(1)光学特性
全光線透過率及びヘイズに関しては、村上色彩技術研究所(HR−100)を用いて測定した。分光スペクトルに関しては分光光度計日立製作所(U−4000)を用いて評価した。
反射スペクトルに関しては、ディスプレイ用前面板の背面に黒色板を設置した場合の反射スペクトルとディスプレイ用前面板を透過した光による黒色板の反射スペクトルの測定を行い、下記式1より、波長λの5nmおきにディスプレイ用前面板の反射率Rを算出し反射スペクトルを得た。
R=RT−RK×T ・・・式1
T:ディスプレイ用前面板と黒色板の反射率
K:ディスプレイ用前面板を透過した光による黒色板の反射率
T:ディスプレイ用前面板の透過率
但し、透明樹脂層3及び透明樹脂層4の最小反射率は、各層を構成するフィルムを厚さ2mmのメタクリル酸メチル−スチレン共重合樹脂(三菱樹脂株式会社製:オプトクリア)の両面に貼り合わせて上記の如く反射率を測定し、測定された最小反射率の1/2の値を各層の最小反射率とした。
最小反射率の評価基準:
◎:最小反射率が0.5%以下
○:最小反射率が1%未満
×:最小反射率が1%以上
YI(イエローインデックス)については、透過スペクトルより三刺激値XYZを算出し、JIS K−7103より求めた。
(2)耐磨耗性
染色物摩擦堅牢度試験機((株)大栄科学精器製作所)を改良したものを試験機として用い、ガーゼ(大崎衛生材料株式会社、オオギガーゼ(品番:00055))を8枚重ねにし、17N/cm2の圧力を加えながら反射防止フィルム付透明基板の透明樹脂層3側の面を往復させて(ストローク約11cm)、目視で表面に反射防止膜の剥離或いは傷が確認されるまでの往復回数で評価した。測定回数NとしてN≧3とした。
耐磨耗性の評価基準:
◎:往復 300回以上
○:往復150〜300回
×:往復 30〜150回
(3)帯電防止機能
デジタル超高抵抗微小電流計(アドバンテスト社製)を用いて表面抵抗値を測定し、評価した。試験方法は、JIS K−6911の試験方法に基づいて行った。
表面低抗の評価基準:
◎:表面低抗値が109Ω/□以下
○:表面低抗値が1010〜1012Ω/□の範囲
×:表面抵抗値が1013Ω/□以上
(4)蒸留水に対する接触角
協和界面科学株式会社製接触角計(CA−A形式)を用いて蒸留水の接触角を測定し、評価を行った。測定条件として、蒸留水の水滴の粒径を2mmとし、測定面に滴下30秒後の接触角を測定した。
接触角の評価基準:
◎:接触角100度以上
○:接触角90度〜100度
×:接触角90度未満
上記評価の結果を表1に示し、図2には、実施例1〜3及び比較例1〜2の可視光領域での反射スペクトルを、図3には、比較例1〜3の可視光領域での反射スペクトルを、図4には、比較例4〜6の可視光領域での反射スペクトルを示す。
Figure 2005148542
実施例1〜3は、最小反射率、耐磨耗性、表面抵抗及び接触角の全ての項目で好適な結果が得られた。
一方、比較例1〜6は、全ての項目を満足するものはなかった。
実施例1〜3と比較例2、3及び5とをそれぞれ比較すると、両側面に同一のフィルムを積層した場合よりも、本発明のように表面に耐磨耗性及び防汚性などに優れた反射防止フィルムを積層し、背面に反射防止機能に優れた反射防止フィルムを積層した場合の方がYI(イエローインデックス)の値でも改善され色調も良くなっていることが分かった。
これより、透明基材の表面に耐磨耗性及び防汚性などに優れた反射防止フィルム乃至シートを積層し、背面に反射防止機能に優れた反射防止フィルム乃至シートを積層することで、耐磨耗性及び防汚性に優れ、映り込みが小さく、色調も良好な透明反射防止積層体となることが確認できた。
本発明の透明反射防止積層体を模式的に示した側断面図である。 実施例1〜3及び比較例1〜2の可視光領域での反射スペクトルを示す図であり、横軸は波長λ、縦軸は反射率Rを示す。 比較例1〜3の可視光領域での反射スペクトルを示す図であり、横軸は波長λ、縦軸は反射率Rを示す。 比較例4〜6の可視光領域での反射スペクトルを示す図であり、横軸は波長λ、縦軸は反射率Rを示す。
符号の説明
1 透明反射防止積層体
2 透明基材
3 透明樹脂層
3a プラスチック基材
3b 粘着剤層
3c ハードコート層
3d 反射防止層
3e 防汚層
4 透明樹脂層
4a プラスチック基材
4b 粘着剤層
4c ハードコート層
4d 反射防止層

Claims (6)

  1. 透明基材2の一側に、波長500nm〜650nmにおける最小反射率が0.4%〜1%である透明樹脂層3を積層し、前記透明基材の他側に、波長500nm〜650nmにおける最小反射率が0.3%以下である透明樹脂層4を積層してなる構成を備えた透明反射防止積層体。
  2. 透明基材2がメタクリル酸メチル−スチレン共重合樹脂からなることを特徴とする請求項1に記載の透明反射防止積層体。
  3. 透明反射防止積層体の波長500nm〜650nmにおける最小反射率が0.4%〜1%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の透明反射防止積層体。
  4. 透明樹脂層3は、JIS L 0823に準じた堅ろう度試験機を用い、8枚重ねにしたオオギガーゼを試験台に取付け、17N/cm2の一定荷重によって試験体と面接触させ、試験台を一定速度で往復させ、目視にて、表面に反射防止膜の剥離或いは傷が確認されるまでの往復回数を評価する試験において、往復150回以上の耐磨耗性を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の透明反射防止積層体。
  5. 透明樹脂層3は、粒径2mmの蒸留水水滴を測定面に滴下し30秒後の接触角を測定する試験方法において、蒸留水に対する接触角が90度以上の撥水性を備え、かつJIS K−6911の試験方法によって求められる表面抵抗値が1012Ω/□以下の帯電防止機能を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の透明反射防止積層体。
  6. 請求項1〜5のいずれかの透明反射防止積層体から成形したディスプレイ用前面板。

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