JP2005147831A - 電流検出回路及び電流検出方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電気を機械エネルギーに変換して振動する振動体1に交流電圧を印加して、振動体1の振動に寄与する電流成分である機械腕電流を検出する検出回路であって、振動体1にコンデンサ4を直列に接続した直列回路と、この直列回路と並列に接続され、直列回路の両端に印加される電圧を分圧して取り出す分圧回路5,6と、分圧された電圧のうち、直列回路の両端以外の端子の電圧と、直列回路における振動体とコンデンサとの接続部の電圧との差を検出する検出回路7とを具備する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、上記課題に鑑みてなされ、その目的は、電流検出抵抗を必要とせず、圧電振動子の振動に影響を与えないで、機械腕電流を検出できる技術を提供することである。
図1は第1の実施形態の機械腕電流検出回路図で、1は圧電振動子、2は圧電振動子1に後述するCPU11からの周波数指令に対応する周波数のパルスを出力するパルス発生手段、3は突入電流を抑えるためのインダクタ素子、4は圧電振動子1に流れる機械腕電流検出用コンデンサ、5,6は機械腕電流検出用分圧抵抗、7は圧電振動子1とコンデンサ4の接続部の電圧と分圧抵抗5,6の接続部の電圧との差を検出するための差動アンプ、8は圧電振動子1の両端に印加される電圧を検出する差動アンプ、9は差動アンプ7の出力電圧の振幅を検出する振幅検出手段、10は圧電振動子1への印加電圧と差動アンプ7の出力電圧の位相差を検出する位相差検出手段、11は振幅検出手段8と位相差検出手段10からの振幅及び位相差情報を入力し、パルス発生手段2に周波数指令信号を出力するCPUである。
この方法によれば、従来の抵抗による電流検出方法と比較して、圧電振動子1に流れる電流経路に抵抗がない分、電力ロスが少なくて済み、また、制動アドミタンスのインピーダンスを利用して検出することになるので、比較的大きな電圧を検出できる。例えば、C0を10[nF]とした場合、aを1として周波数を30KHzとすれば、機械腕電流の振幅を275倍して検出できる。ここで、R1、R2は単なる分圧手段として用いているので、抵抗素子だけでなく、コンデンサやインダクタ等で分圧回路を構成しても良い。
このように、微分回路を付加することによって正確な機械腕電流を検出でき、簡単な回路構成で微分演算を行うことができる。
G1は式6の振幅に相当し、角周波数ωに依存しない機械腕電流の振幅に対応した値となる。また、予め周波数がわかっているので、機械腕電流を検出した後に検出値に周波数を乗算すれば周波数に依存しない機械腕電流の振幅に対応した値を求めることができる。また、振動型アクチュエータの機械腕電流を検出する場合、通常振動型アクチュエータは複数相の駆動電圧を持つため、複数相個々の機械腕電流が検出できる。しかし、複数相の電流がほぼ同じなら代表として1つの相の機械腕電流を検出し、他の相の値はほぼ検出した相の値と同じとしても大きな問題はない。
図6は第2実施形態の機械腕電流検出回路図で、16は圧電振動子1とコンデンサ4の接続部の電圧振幅を検出する振幅検出手段、17は分圧抵抗5,6の接続部の電圧振幅を検出する振幅検出手段、18は圧電振動子1とコンデンサ4の接続部の電圧と分圧抵抗5,6の接続部の電圧の位相差を検出する位相差検出手段、19は圧電振動子1に印加される電圧と圧電振動子1とコンデンサ4の接続部の電圧との位相差を検出する位相差検出手段、20は振幅検出手段16,17の出力と、位相差検出手段18,19の出力を入力し、圧電振動子1とコンデンサ4の接続部の電圧と分圧抵抗5,6の接続部の電圧との差の電圧の振幅と位相を求める演算手段である。演算手段20は、この差の電圧と圧電振動子1の両端に印加される電圧との位相差PSと、差の電圧の振幅VSを演算により求めている。振幅検出手段16の出力をVC、振幅検出手段17の出力をVR、位相差検出手段18の出力をφ、位相差検出手段19の出力をφ0とすれば、
このように、圧電振動子1とコンデンサ4の接続部の電圧と分圧抵抗5,6の接続部の電圧のそれぞれの振幅と相対的な位相差を個々に求めることによっても波形の差の振幅と位相を求めることが可能である。また、PSの値は実際の機械腕電流に対して90°ずれた値となるので、第1実施形態と同様にして90°位相をずらして共振状態を検出する必要がある。尚、一般に共振状態での印加電圧と機械腕電流の位相差は90°である。また、90°位相をずらす方法としては、単純に減算を行なう他に、第1実施形態と同様に微分手段を用いる方法がある。第1実施形態では微分手段を差動アンプ7の出力に挿入したが、本実施例では、振幅検出手段16,17の後にそれぞれ挿入する。また、微分回路の構成としては、図3及び図4の方法がある。
図7は第3実施形態の機械腕電流検出回路図である。上記実施形態では圧電振動子1とコンデンサ4の直列回路にインダクタを介して圧電振動子1に印加すると共に、コンデンサ4はグランドに接地する構成であったが、本実施形態ではトランスを介して圧電振動子1とコンデンサ4の直列回路の両端に電圧を印加すると共に、圧電振動子1とコンデンサ4の接続部をグランドに接地する構成とした。
位相差検出手段10は印加電圧V3と機械腕電流に相当する電圧V4の位相差を検出しており、これによって圧電振動子1の共振状態を検出することができる。尚、分圧抵抗5,6の接続部の電圧は機械腕電流の位相に対して90°進んでいるので、共振状態の検出にはこの90°のずれを考慮する必要がある。また上記実施形態と同様に分圧抵抗5,6の接続部の出力電圧を微分することで90°の位相ずれを補正してもよい。
図9は第4実施形態の機械腕電流検出回路図である。本実施例は分圧抵抗が3つ以上の例を示している。もちろん分圧用の素子には抵抗の他にコンデンサやインダクタを用いても良い。23は分圧手段で複数の分圧率に対応する出力端子を持っている。24は分圧手段の複数の出力端子の出力電圧から1つを選択する選択手段、25は温度センサである。圧電振動体1の制動アドミタンスC0の値が温度によって変化するので、コンデンサ4のCSの値との比が変化してしまう。そのため分圧手段の分圧比をこの変化に合わせて変更する必要がある。そこで、予め温度センサ25で検出される温度と最適分圧比の関係を求めてデータを記憶しておき、機械腕電流を検出する際には温度センサ25で検出した温度に応じて記憶されたデータから分圧比を決定し、その分圧比に対応した分圧手段23の出力端子を選択手段24で選択して出力する構成になっている。
第4実施形態では、事前に温度と分圧比の関係を求めていたが、本実施形態では圧電振動子1がほとんど振動しない所定の周波数の交流電圧を印加し、分圧手段23から出力される電圧が所定の振幅より小さくなるように分圧比を設定する方法を採用している。つまり、ほとんど振動しない場合には機械腕電流も小さな値となるので、分圧手段23の出力端子の内最も小さな振幅となる端子を選択手段24で選択するようにすれば良い。
2 パルス発生手段
3 インダクタ素子
4 コンデンサ
5,6 分圧抵抗
7,8 差動アンプ
9,16,17,29 振幅検出手段
10,18,19 位相差検出手段
11 CPU
12 オペアンプ
13 コンパレータ
14 比較電圧発生手段
15 パルス計測手段
20 演算手段
21,22 トランス
23 分圧手段
24 選択手段
25 温度センサ
26,27 ローパスフィルタ
28 バンドパスフィルタ
Claims (10)
- 電気を機械エネルギーに変換して振動する振動体に交流電圧を印加して、当該振動体の振動に寄与する電流成分である機械腕電流を検出する検出回路であって、
前記振動体にコンデンサを直列に接続した直列回路と、
前記直列回路と並列に接続され、当該直列回路の両端に印加される電圧を分圧して取り出す分圧手段と、
前記分圧された電圧のうち、前記直列回路の両端以外の端子の電圧と、前記直列回路における振動体とコンデンサとの接続部の電圧との差を検出する検出手段とを具備することを特徴とする電流検出回路。 - 前記分圧手段は、2つ以上の分圧比を有する分圧回路と、前記分圧された電圧のいずれかを選択する選択手段とを備え、
前記検出手段は、前記選択された電圧と、前記振動体とコンデンサとの接続部の電圧との差を検出することを特徴とする請求項2に記載の電流検出回路。 - 前記検出手段は、前記接続部の電圧と前記分圧された電圧をそれぞれ独立して検出すると共に、両電圧間の位相差を検出し、これらの値を用いて両出力電圧の差を検出することを特徴とする請求項1又は2に記載の電流検出回路。
- 前記分圧回路は複数の抵抗素子が直列に接続されて構成されることを特徴とする請求項2又は3に記載の電流検出回路。
- 前記検出手段による出力電圧の検出値を微分する微分手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電流検出回路。
- 前記微分手段は、前記接続部の電圧と前記分圧された電圧の各々を微分する第1及び第2の微分手段を備え、
前記検出手段は、前記第1及び第2の微分手段の各微分値の差を検出することを特徴とする請求項5に記載の電流検出回路。 - 前記微分手段は、前記検出手段の検出値の平均値近傍の傾きを検出することを特徴とする請求項5又は6に記載の電流検出回路。
- 電気を機械エネルギーに変換して振動する振動体にコンデンサを直列に接続した直列回路と、前記直列回路と並列に接続され、当該直列回路の両端に印加される電圧を分圧する分圧手段とを備える回路において、当該振動体に交流電圧を印加して当該振動体の振動に寄与する電流成分である機械腕電流を検出する方法であって、
前記分圧された電圧のうち、前記直列回路の両端以外の端子の電圧を取り出し、
前記取り出された電圧と前記直列回路における振動体とコンデンサとの接続部の電圧との差を検出し、
前記検出結果を用いて機械腕電流を検出することを特徴とする方法。 - 前記分圧手段は、2つ以上の分圧比を有する分圧回路を備え、
前記分圧された電圧のいずれかを選択し、
前記選択された電圧と、前記振動体とコンデンサとの接続部の電圧との差を検出することを特徴とする請求項8に記載の方法。 - 前記選択は、所定周波数の交流電圧を印加したときに、前記分圧された電圧のうち、最も小さな振幅となる電圧を選択することを特徴とする請求項9に記載の方法。
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