JP2005146269A - 接合用樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ベース樹脂が非ウレタン系熱可塑性樹脂であっても、熱可塑性ポリウレタン系樹脂部材と直接的かつ強固に接合可能な非ウレタン系熱可塑性樹脂組成物をする。
【解決手段】 非ウレタン系熱可塑性樹脂(ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂など)と、アミノ基を有する化合物(ポリアミドオリゴマーなど)とで、熱可塑性ウレタン系樹脂に対して直接接合させるための接合用樹脂組成物を構成する。前記樹脂組成物は、10mmol/kg以上の濃度でアミノ基を含んでいてもよい。前記アミノ基を有する化合物は、アミノ基濃度40〜1000mmol/kgを有していてもよい。前記アミノ基を有する化合物の割合は、非ウレタン系熱可塑性樹脂100重量部に対して、0.01〜20重量部程度であってもよい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、接着剤を用いることなく、熱可塑性ポリウレタンで構成された樹脂部材に対して一体に接合させるために有用な接合用樹脂組成物に関する。
意匠性や装飾性を向上させたり、良好な感触(例えば、ソフトな感触)を付与するため、硬度の異なる樹脂を組み合わせた複合体(複合成形体)、例えば、樹脂成形体の少なくとも一部を熱可塑性エラストマーで被覆した複合成形体などが提案されている。このような複合成形体は、通常、接着剤を介して、複数の成形部材を接着させることにより製造されている。例えば、特開平8−267585号公報(特許文献1)には、ポリアミド樹脂などで形成された複数の樹脂成形品が、ウレタンポリマーやウレタン接着剤などの表面処理剤を介して溶着された溶着樹脂成形品が開示されている。しかし、このような接着剤を使用する方法は、工程が長く不経済であるばかりでなく、有機溶剤等による環境汚染も問題となる。
一方、製造工程の合理化や環境対策の観点から、複数の成形部材を熱融着する方法も採用されている。熱融着による複合成形体は、通常、二色成形やインサート射出成形などの成形法により製造される場合が多い。しかし、熱融着が可能な異種材料の組み合わせは大きく制限されており、また、十分な接合強度を得るための成形条件の設定も容易でない。そこで、熱融着と併せて、成形部材の複合部分に凹凸部分を設け、機械的に接合する方法、接合(融着)部分にプライマーなどを塗布する方法などを組み合わせ、融着部を補強している。しかし、このような方法では、複合成形体の屈曲性が低下し、例えば、プライマー層が硬くなって屈曲により容易に割れを生じたりする。また、製造工程では、成形部材の構造を複雑化する必要が生じたり、製造工程数が増加する。
これらの問題を解決するため、複合成形体を構成する樹脂部材の材料として、熱可塑性ポリウレタンの使用が検討されてきた。熱可塑性ポリウレタンは、それ自体、比較的接着性に優れ、例えば、靴用途においては、靴底として、ポリアミド樹脂と熱可塑性ポリウレタンとからなる複合プラスチック成形体が実用化されている。また、特表平8−505333号公報(特許文献2)では、ポリエーテルアミド、ポリエーテルエステルやポリウレタンなどの熱可塑性樹脂の成形体を型内に収納した状態で、発泡剤を含有したポリアミドエラストマーを射出成形し、熱可塑性樹脂成形体(未軽量化プラスチック)とエラストマー(軽量化熱可塑性エラストマー)とを接着させることにより、軽量化された靴底が得られることが開示されている。特開平7−125155号公報(特許文献3)には、ポリプロピレンとポリアミドとのブレンド物で形成された硬質プラスチック成形部材を、熱融着により、熱可塑性ポリウレタンと可塑剤とを含む軟質プラスチックで被覆した複合成形品が開示されている。しかし、このような複合成形体(例えば、ポリウレタン樹脂を用いた複合成形体)においても、2種類の材料間の接着強度(例えば、相手材としてのポリアミドエラストマーとの接着強度)は未だ十分では無く、成形条件や使用材料の条件(例えば、製造ロット等)、さらには製品(複合成形体)の使用環境の影響を大きく受け、接着強度や複合成形体としての寿命(特に接着部位の寿命)が不安定である。
特開平8−267585号公報(特許請求の範囲) 特表平8−505333号公報(特許請求の範囲) 特開平7−125155号公報(特許請求の範囲)
従って、本発明の目的は、非ウレタン系熱可塑性樹脂をベース樹脂とするにも拘わらず、接着剤などを用いることなく、熱可塑性ウレタン系樹脂部材に対して強固に接合できる樹脂組成物を提供することにある。
本発明の他の目的は、ベース樹脂の種類によらず、熱可塑性ウレタン系樹脂部材に対する接合性を改善できる樹脂組成物を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、ベース樹脂の特性を低下させることなく、熱可塑性ウレタン系樹脂部材に対して強固に接合できる樹脂組成物を提供することにある。
本発明の別の目的は、互いに性質の異なる非ウレタン系樹脂部材及び熱可塑性ポリウレタン系樹脂部材であっても、接着剤などを用いることなく、両者が直接的かつ強固に接合した複合成形体及びその製造方法を提供することにある。
本発明のさらに別の目的は、複雑な製造工程を経ることなく、簡便な方法で、非ウレタン系樹脂部材と熱可塑性ポリウレタン系樹脂部材とが強固に熱融着した複合成形体を製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、ベースとなる非ウレタン系熱可塑性樹脂とアミノ基を有する化合物とを含む樹脂組成物が、熱可塑性ポリウレタン系樹脂に対して高い接合性を示し、互いの樹脂組成物又は樹脂で構成された部材を強固に接合できることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明の接合用樹脂組成物は、熱可塑性ウレタン系樹脂に対して直接接合させるための樹脂組成物(非ウレタン系樹脂組成物)であって、非ウレタン系熱可塑性樹脂と、アミノ基を有する化合物とを含んでいる。前記樹脂組成物は、10mmol/kg以上の濃度でアミノ基を含んでいてもよい。前記非ウレタン系熱可塑性樹脂は、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリスルホン系樹脂、熱可塑性ポリイミド系樹脂、ポリエーテルケトン系樹脂、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、及びハロゲン含有ビニル系樹脂から選択された少なくとも一種で構成してもよい。前記アミノ基を有する化合物は、分子内に複数の一級アミノ基を有していてもよい。前記アミノ基を有する化合物は、アミノ基濃度40〜1000mmol/kgを有していてもよい。前記アミノ基を有する化合物は、数平均分子量500〜10,000及びアミノ基濃度50〜700mmol/kgを有するポリアミドオリゴマーであってもよい。前記アミノ基を有する化合物の割合は、非ウレタン系熱可塑性樹脂100重量部に対して、0.01〜20重量部程度であってもよい。前記樹脂組成物は、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂及びポリフェニレンスルフィド系樹脂から選択された少なくとも一種の非ウレタン系熱可塑性樹脂と、ポリアミドオリゴマーとで構成してもよい。
本発明には、非ウレタン系樹脂組成物で構成された樹脂部材と、熱可塑性ポリウレタン系樹脂で構成された樹脂部材とが直接接合した複合成形体であって、前記非ウレタン系樹脂組成物が、非ウレタン系熱可塑性樹脂と、アミノ基を有する化合物とで構成されている複合成形体も含まれる。また、本発明には、前記非ウレタン系樹脂組成物及び熱可塑性ポリウレタン系樹脂のうち少なくとも一方を加熱して、他方と接合させ、前記複合成形体を製造する方法も含まれる。
なお、本明細書において、「樹脂」とは、「樹脂組成物」を含む意味に用いる場合がある。また、本明細書において「接着」とは、接着剤を介して複数の部材を複合化させる技術を意味し、「接合」とは、接着剤を介することなく、複数の部材を複合化させる技術を意味し、両者を区別している。(熱)融着は接合の一形態である。
本発明の樹脂組成物は、非ウレタン系熱可塑性樹脂とアミノ基を有する化合物とを含むため、非ウレタン系熱可塑性樹脂をベース樹脂とするにも拘わらず、接着剤などを用いることなく、熱可塑性ウレタン系樹脂部材に対して強固に接合できる。また、アミノ基を有する化合物を含有させるので、ベース樹脂の種類によらず、熱可塑性ウレタン系樹脂部材に対する接合性を改善できる。さらに、ポリアミドオリゴマーを樹脂組成物に含有させる場合には、ベース樹脂の特性を低下させることなく、熱可塑性ウレタン系樹脂部材に対して強固に接合できる。本発明の複合成形体では、上記のような樹脂組成物と熱可塑性ポリウレタン系樹脂とを組合せるので、互いに性質の異なる非ウレタン系樹脂部材及び熱可塑性ポリウレタン系樹脂部材であっても、接着剤を用いることなく、直接的かつ強固に接合できる。また、本発明の方法によれば、複雑な製造工程を経ることなく、簡便な方法で、非ウレタン系樹脂部材と熱可塑性ポリウレタン系樹脂部材とが強固に熱融着した複合成形体を製造できる。
[樹脂組成物]
本発明の樹脂組成物は、ベース樹脂(非ウレタン系熱可塑性樹脂)と、アミノ基を有する化合物とで構成されており、熱可塑性ウレタン系樹脂に接合させて、複合成形体を形成するのに適している。
(ベース樹脂)
樹脂組成物のベースとなる非ウレタン系熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリスルホン系樹脂[ポリスルホン、ポリ(エーテルスルホン)、ポリ(4,4′−ビスフェノールエーテルスルホン)など]、熱可塑性ポリイミド系樹脂、ポリエーテルケトン系樹脂[ポリエーテルケトン、ポリ(エーテルエーテルケトン)など]、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、及びハロゲン含有ビニル系樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は、単独で又は二種以上組合せて使用できる。
(1)ポリアミド系樹脂
前記ポリアミド系樹脂としては、脂肪族ポリアミド系樹脂、脂環族ポリアミド系樹脂、芳香族ポリアミド系樹脂などが挙げられ、各種ホモポリアミド及びコポリアミドなどが使用できる。
脂肪族ポリアミド系樹脂のうち、ホモポリアミドとしては、脂肪族ジアミン成分[テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ドデカンジアミンなどのC4-16アルキレンジアミン(好ましくはC4-14アルキレンジアミン、特にC6-12アルキレンジアミン)]と脂肪族ジカルボン酸成分[アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸などの炭素数4〜20程度のアルキレンジカルボン酸(C4-16アルキレンジカルボン酸、特にC6-14アルキレンジカルボン酸)など]との縮合物(例えば、ポリアミド46、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド1010など)、ラクタム[ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタムなどの炭素数4〜20(好ましくは炭素数4〜16)程度のラクタムなど]又はアミノカルボン酸[ω−アミノウンデカン酸などの炭素数4〜20(好ましくは炭素数4〜16)程度のアミノカルボン酸など]のホモポリアミド(例えば、ポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12など)などが例示できる。また、コポリアミドとしては、前記脂肪族ジアミン成分、脂肪族ジカルボン酸成分、ラクタム及びアミノカルボン酸などのポリアミドを構成し得るモノマー成分が共重合したコポリアミド、例えば、6−アミノカプロン酸と12−アミノドデカン酸との共重合体;6−アミノカプロン酸、12−アミノドデカン酸、ヘキサメチレンジアミン及びアジピン酸の共重合体;ヘキサメチレンジアミン、アジピン酸、水添ダイマー酸及び12−アミノドデカン酸の共重合体;ポリアミド6/11,ポリアミド6/12,ポリアミド66/11,ポリアミド66/12などが挙げられる。
脂環族ポリアミド系樹脂としては、少なくとも脂環族ジアミン及び脂環族ジカルボン酸から選択された少なくとも一種を構成成分とするホモポリアミド又はコポリアミドなどが挙げられ、例えば、ポリアミド系樹脂を構成するジアミン成分及びジカルボン酸成分のうち、少なくとも一部の成分として脂環族ジアミン及び/又は脂環族ジカルボン酸を用いることにより得られる脂環族ポリアミドなどが使用できる。前記ジアミン成分及びジカルボン酸成分として、脂環族ジアミン及び/又は脂環族ジカルボン酸と共に、前記例示の脂肪族ジアミン及び/又は脂肪族ジカルボン酸を併用するのが好ましい。このような脂環族ポリアミド系樹脂は、透明性が高く、いわゆる透明ポリアミドとして知られている。
前記脂環族ジアミンとしては、ジアミノシクロヘキサンなどのジアミノシクロアルカン(ジアミノC5-10シクロアルカンなど);ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4’−アミノシクロヘキシル)プロパンなどのビス(アミノシクロアルキル)アルカン[ビス(アミノC5-8シクロアルキル)C1-3アルカンなど]などが挙げられる。また、前記脂環族ジカルボン酸としては、シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸、シクロヘキサン−1,3−ジカルボン酸などのシクロアルカンジカルボン酸(C5-10シクロアルカン−ジカルボン酸など)などが挙げられる。
脂環族ポリアミド系樹脂のうち、前記脂肪族ジカルボン酸と脂環族ジアミンとの縮合体(ホモ又はコポリアミド)などが好ましい。
芳香族ポリアミド系樹脂には、前記脂肪族ジアミン成分及び脂肪族ジカルボン酸成分のうち少なくとも一方の成分が芳香族成分であるポリアミド、例えば、ジアミン成分が芳香族成分であるポリアミド[MXD−6などの芳香族ジアミン(メタキシリレンジアミンなど)と脂肪族ジカルボン酸との縮合体など]、ジカルボン酸成分が芳香族成分であるポリアミド[脂肪族ジアミン(トリメチルヘキサメチレンジアミンなど)と芳香族ジカルボン酸(テレフタル酸、イソフタル酸など)との縮合体など]などが含まれる。
なお、ポリアミド系樹脂には、ジアミン成分及びジカルボン酸成分が芳香族成分であるポリアミド[ポリ(m−フェニレンイソフタルアミド)など]の全芳香族ポリアミド(アラミド)などを併用してもよい。
ポリアミド系樹脂には、さらに、ダイマー酸をジカルボン酸成分とするポリアミド、少量の多官能性ポリアミン及び/又はポリカルボン酸成分を用い、分岐鎖構造を導入したポリアミド、変性ポリアミド(N−アルコキシメチルポリアミドなど)、ポリアミドブロック共重合体なども含まれる。
前記ポリアミドブロック共重合体には、ポリアミド−ポリエーテルブロック共重合体(ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリエーテルセグメント又はブロックをソフトセグメントとして含むポリアミド−ポリエーテルブロック共重合体など)などのポリアミドエラストマーなどが含まれる。ポリアミド−ポリエーテルブロック共重合体としては、反応性末端基を有するポリアミドブロックと反応性末端基を有するポリエーテルブロックとの共重縮合により得られるブロック共重合体、特に、ポリエーテルアミド(例えば、ジアミン末端を有するポリアミドブロックとジカルボキシル末端を有するポリオキシアルキレンブロックとのブロック共重合体、ジカルボキシル末端を有するポリアミドブロックとジアミン末端を有するポリオキシアルキレンブロックとのブロック共重合体など)、ポリエーテルエステルアミド(ジカルボキシル末端を有するポリアミドブロックとジヒドロキシ末端を有するポリオキシアルキレンブロックとのブロック共重合体など)などが挙げられる。なお、市販のポリアミドエラストマーは、通常、アミノ基をほとんど有していない場合が多い。
前記ポリアミド系樹脂は、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。また、ポリアミド系樹脂は、複数のポリアミド系樹脂のブレンド又はアロイであってもよい。
好ましいポリアミド系樹脂は、脂肪族ポリアミド系樹脂、脂環族ポリアミド系樹脂(特に、透明ポリアミド)などであり、これらのポリアミド系樹脂と芳香族ポリアミド系樹脂とを併用してもよい。また、ポリアミドブロック共重合体も好ましい。
ポリアミド系樹脂の数平均分子量は、6,000〜100,000、好ましくは8,000〜50,000、さらに好ましくは10,000〜30,000程度である。
なお、ベース樹脂としてポリアミド系樹脂を用いる場合、非ウレタン系熱可塑性樹脂部材(例えば、硬質樹脂部材)と熱可塑性ポリウレタン系樹脂部材(例えば、軟質樹脂部材)との間の接合力をさらに高めるためには、ポリアミド系樹脂の結晶融解熱は、100J/g以下(例えば、0〜100J/g程度)、好ましくは80J/g以下(例えば、0〜80J/kg程度)、さらに好ましくは70J/g以下(例えば、0〜70J/g程度)であってもよい。本発明では、結晶化度の低いポリアミド系樹脂を用いても、確実かつ効率よく接合できる。このようなポリアミド系樹脂の結晶融解熱は、例えば、30J/g以下(例えば、0〜30J/g程度)、好ましくは20J/g以下(例えば、0〜20J/g程度)、さらに好ましくは17J/g以下(0〜17J/g程度)から選択できる。
なお、ポリアミド系樹脂の「結晶融解熱」とは、樹脂の融解に要した融解熱ΔHmから樹脂の結晶化に伴い発生した結晶化熱ΔHfを減じた値を示す。すなわち、融解熱の測定において、昇温に伴い、結晶化熱と、その後に融解熱との双方が観察される場合には、樹脂1g当たりの融解熱の実測値ΔHmから、樹脂1g当たりの結晶化熱の実測値ΔHfを減じた値をポリアミド系樹脂の結晶融解熱とする。結晶融解熱は、JIS K7122に従って、DSC装置(示差走査熱量測定装置)を用いて測定することができる。なお、完全非晶質ポリアミドでは、結晶化熱が観測できないため、結晶融解熱は0J/gとするものとする。
このような結晶融解熱を有するポリアミド系樹脂、特に、結晶融解熱が20J/g以下のポリアミド系樹脂(例えば、透明ポリアミドなど)は、公知の成形方法により成形できる。このようなポリアミド系樹脂の詳細は、例えば、特開平8−239469号公報、特開2000−1544号公報などを参照できる。
なお、ポリアミド系樹脂のカルボキシル基濃度は、特に制限されず、例えば、0.1〜200mmol/kg、好ましくは0.5〜150mmol/kg、さらに好ましくは1〜100mmol/kg程度である。
(2)ポリエステル系樹脂
ポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのC2-4アルキレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのC2-4アルキレンナフタレートなどのポリアルキレンアリレート、又はこれらのコポリエステル[ジオール成分(エチレングリコール、ポリエチレングリコールなどの(ポリ)オキシC2-4アルキレングリコール;1,6−ヘキサンジオールなどの脂肪族C5-16ジオール;1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族ジオールなど)、ジカルボン酸成分(アジピン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸;イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸など)などを共重合成分とするコポリエステルなど]、ポリエステル系エラストマー[ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリC2-4アルキレンアリーレートをハードセグメント、ポリテトラメチレングリコールなどのポリオキシC2-4アルキレングリコールをソフトセグメントとして有するポリエステル・ポリエーテル型ポリエステルエラストマー;前記ポリC2-4アルキレンアリーレートをハードセグメント、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリブチレンアジペートなどのポリ脂肪族エステルをソフトセグメントとして有するポリエステル・ポリエステル型ポリエステルエラストマーなど]などが挙げられる。
(3)ポリカーボネート系樹脂
ポリカーボネート系樹脂としては、ジヒドロキシ化合物[脂環式ジオールやビスフェノール化合物(ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビスフェノールAなどのビス(ヒドロキシアリール)アルカン(好ましくはビス(ヒドロキシC6-10アリール)C1-6アルカンなど)の他;4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテルなどのビス(ヒドロキシC6-10アリール)エーテル;4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホンなどのビス(ヒドロキシC6-10アリール)スルホン;4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィドなどのビス(ヒドロキシC6-10アリール)スルフィド;4,4′−ジヒドロキシジフェニルケトンなどのビス(ヒドロキシC6-10アリール)ケトンなど)など]と、ホスゲン又はジフェニルカーボネートなどの炭酸エステルとの反応により得られる重合体が挙げられる。
(4)ポリフェニレンスルフィド系樹脂
ポリフェニレンスルフィド系樹脂としては、直鎖型又は架橋型ポリフェニレンスルフィド、例えば、ポリフェニレンスルフィド(ポリ−1,4−フェニレンスルフィドなど)、ポリビフェニレンスルフィド(PBPS)、ポリフェニレンスルフィドケトン(PPSK)などが挙げられる。
(5)オレフィン系樹脂
オレフィン系樹脂としては、C2-10オレフィンの単独又は共重合体(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(1−ブテン)、エチレン−プロピレン共重合体など)、オレフィンと共重合性単量体との共重合体(例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体など)、変性ポリオレフィンなど]、ポリオレフィン系エラストマー(ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンで構成されたハードセグメントと、エチレン−プロピレンゴム(EPR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)などのゴム成分で構成されたソフトセグメントとを含むエラストマーなど)などが挙げられる。
(6)スチレン系樹脂
スチレン系樹脂としては、ポリスチレン(GPPS)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(ABS樹脂)、ポリスチレン系エラストマー(スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)ブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)ブロック共重合体など)などが挙げられる。
(7)(メタ)アクリル系樹脂
(メタ)アクリル系樹脂としては、(メタ)アクリル酸又はそのエステルの単独又は共重合体(ポリメタクリル酸メチルなど)、(メタ)アクリル酸又はそのエステルと他の共重合性単量体との共重合体[(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体など]などが挙げられる。
(8)ハロゲン含有ビニル系樹脂
ハロゲン含有ビニル系樹脂としては、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体などの塩素含有ビニル系樹脂、フッ素含有ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニル系エラストマー、フッ素系熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。
非ウレタン系熱可塑性樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。前記非ウレタン系熱可塑性樹脂のうち、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリスチレン系樹脂及びポリオレフィン系樹脂などが好ましい。また、非ウレタン系熱可塑性樹脂として、熱可塑性エラストマー(ポリアミド系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、ポリ塩化ビニル系エラストマー、フッ素系熱可塑性エラストマーなど)を用いてもよい。
前記ベース樹脂は、アミノ基を有していてもよく、実質的に有していなくてもよい。ベース樹脂がアミノ基を有する場合、アミノ基を樹脂の分岐鎖に有していてもよく、主鎖の末端に有していてもよい。なお、アミノ基とは、通常、ベース樹脂(例えば、ポリアミド系樹脂)の主鎖に含まれるアミド結合や、尿素結合、ウレタン結合などに由来する−NH−(イミノ)基や−N<基などは含まず、通常、遊離アミノ基(−NH2基)を示す。
ベース樹脂のアミノ基の含有量(又は濃度)は、少なくてもよく、例えば、0〜20mmol/kg、好ましくは0〜10mmol/kg、さらに好ましくは0〜8mmol/kg程度であってもよい。
(アミノ基を有する化合物)
アミノ基を有する化合物としては、ベース樹脂と混合可能な種々のアミノ基含有化合物、例えば、ポリアミン[ジアミン類(前記例示の脂肪族ジアミン(ヘキサメチレンジアミンなどのC4-16アルキレンジアミンなど)、脂環族ジアミン及び芳香族ジアミンの他、ポリオキシエチレンジアミンなどのポリオキシアルキレンジアミン(ポリオキシC2-4アルキレンジアミンなど)など)、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどのポリアルキレンポリアミン(ポリC2-3アルキレンポリアミンなど)など)などの脂肪族ポリアミンなどのポリアミン類など]、モノアミン及びポリアミドオリゴマーなどが挙げられる。
前記ポリアミドオリゴマーとしては、慣用の方法、例えば、前記例示のポリアミド成分を用いて、重縮合条件などを調整することなどにより得られる比較的分子量の低いポリアミドなどが使用できる。例えば、原料のポリアミド成分として、前記例示のジアミン[脂肪族ジアミン(アルキレンジアミンなど)、脂環族ジアミン、芳香族ジアミンなど]とジカルボン酸(脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸など)との組み合わせ、前記ジアミン及び/又はジカルボン酸とラクタム(ω−ラウロラクタムなどの炭素数4〜20程度のラクタムなど)との組み合わせなどを用いてもよい。ポリアミドオリゴマーは、例えば、加圧下、前記ラクタムと脂肪族ジアミンとを加熱撹拌して、重合させることにより得ることができる。
ポリアミドオリゴマーの数平均分子量は、例えば、500〜10,000、好ましくは500〜8,000(例えば、1,000〜7,000),さらに好ましくは1,000〜5,000程度であり、通常、2,000〜6,000(例えば、3,000〜6,000)程度である。ポリアミドオリゴマーとして、例えば、数平均分子量1000〜10,000、好ましくは2,000〜9,000、さらに好ましくは3,000〜8,000程度であってもよい。このようなオリゴマーを用いると、熱可塑性ポリウレタンとの接合性を改善することもできる。
ポリアミドオリゴマーは、通常、主鎖の少なくとも一方の末端に遊離のアミノ基を有していてもよく、主鎖の両末端に遊離のアミノ基を有していてもよく、また、分岐鎖に遊離のアミノ基を有していてもよい。前記アミノ基含有化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
前記アミノ基含有化合物は、モノアミンなどであってもよいが、通常、同一分子内に2個以上のアミノ基(一級アミノ基)を有する化合物であるのが好ましく、接合性の点で、特に、ポリアミドオリゴマーであるのが好ましい。
アミノ基含有化合物のアミノ基濃度は、例えば、40〜1000mmol/kg、好ましくは50〜700mmol/kg、さらに好ましくは100〜500mmol/kg程度であってもよい。アミノ基含有化合物は、特に末端アミノ基を上記の範囲の含有量で含むのが好ましい。
アミノ基含有化合物の割合は、ベース樹脂100重量部に対して、例えば、0.01〜20重量部程度から選択でき、好ましくは10重量部以下(0.01〜10重量部程度)、さらに好ましくは0.1〜8重量部程度、特に、7重量部以下(0.5〜7重量部程度)であってもよい。なお、アミノ基含有化合物の割合が多すぎると、特に非ウレタン系熱可塑性樹脂組成物を硬質樹脂として用いる場合に、樹脂の特性を損なう恐れがある。
本発明の樹脂組成物は、アミノ基(通常、アミノ基含有化合物に由来するアミノ基)を含んでいるため、熱可塑性ポリウレタン系樹脂又は樹脂部材と直接的かつ強固に接合させることができる。樹脂組成物のアミノ基含有量(濃度)は、例えば、樹脂組成物1kg中、10mmol以上(例えば、10〜300mmol程度)、好ましくは15mmol以上(例えば、15〜200mmol程度)、さらに好ましくは20mmol以上(例えば、20〜150mmol程度)、特に30mmol以上(例えば、30〜100mmol程度)であってもよい。樹脂組成物は、特に末端アミノ基をこのような範囲の含有量で含むのが好ましい。なお、樹脂組成物のアミノ基濃度は、非ウレタン系熱可塑性樹脂やアミノ基含有化合物のアミノ基濃度や、これらの成分の割合により適宜調整できる。
なお、非ウレタン系熱可塑性樹脂組成物と、熱可塑性ポリウレタン系樹脂とを接合させて、複合成形体を製造する場合、接合に伴って、樹脂部材間の成形収縮率の差異により、製品に「反り」が発生する場合がある。特に、反り矯正の程度が大きい場合、接合部が破断したり、各樹脂部材にストレスクラックが発生する原因になる恐れがある。そのため、非ウレタン系熱可塑性樹脂(ポリアミド系樹脂など)は、結晶性が低い方が好ましい。
例えば、ポリアミド系樹脂の到達結晶化度(平均的な到達結晶化度)は、50%以下(例えば、5〜50%程度)、好ましくは40%以下(例えば、5〜40%程度)、さらに好ましくは30%以下(例えば、10〜30%程度)であるのが有利である。ポリアミドホモポリマーの場合を例に挙げて到達結晶化度の大小を比較すると以下の順序で到達結晶化度が小さくなる。
ポリアミド66>ポリアミド6≧ポリアミド612>ポリアミド11≧ポリアミド12
なお、到達結晶化度の点だけを考慮すると、ホモポリマーよりコポリマーが有利である。さらに、コポリマーは、一般にホモポリマーより柔軟性に優れる点においても、有利である。
ポリアミドホモポリマーをハードセグメントとし、ポリエーテルをソフトセグメントとするポリアミドブロック共重合体(ポリアミドエラストマー)の場合は、ハードセグメントとソフトセグメントとの存在比率により到達結晶化度を調整できる。ポリアミドブロック共重合体の到達結晶化度を、40%以下(例えば、5〜40%程度)、好ましくは35%以下(例えば、5〜35%程度)、さらに好ましくは30%以下(例えば、10〜30%程度)に調整すると、熱可塑性ポリウレタン系樹脂部材との組み合わせにおいて反りが発生しにくく有利であり、また、熱可塑性ポリウレタン系樹脂の柔軟性に近似させることもできる。
なお、「到達結晶化度」とは、精密熱プレス装置を用い、試料樹脂をこの樹脂の融点より20℃高い温度まで加熱し、次いで、3℃/分の冷却速度で室温まで冷却して、厚み1mmの平板を作製し、この平板を用いてX線回折分析により測定される結晶化度をいう。前記樹脂の融点は、JIS K7122に従って、DSC装置(示差走査熱量分析装置)により測定した融点である。
樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、他の樹脂、各種添加剤、例えば、フィラー又は補強剤(強化繊維など)、安定剤(紫外線吸収剤、酸化防止剤、熱安定剤など)、着色剤、可塑剤、滑剤、難燃剤、帯電防止剤などを含んでいてもよい。
このような樹脂組成物は、アミノ基を含むため、ベース樹脂が非ウレタン系熱可塑性樹脂であっても、ポリウレタン系樹脂(樹脂部材も含む)と直接かつ強固に接合させることができる。
[複合成形体]
前記非ウレタン系熱可塑性樹脂組成物を、加熱下で、熱可塑性ポリウレタン系樹脂と接合させることにより複合成形体を製造できる。
(ポリウレタン系樹脂)
前記非ウレタン系熱可塑性樹脂組成物と接合可能なポリウレタン系樹脂としては、ジイソシアネート類とジオール類と必要により鎖伸長剤との反応により得られるポリウレタン系樹脂が挙げられる。
ジイソシアネート類としては、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート類;1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、ジシクロアルキルメタン−4,4’−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)などの脂環族ジイソシアネート類;フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)などの芳香族ジイソシアネート類、キシリレンジイソシアネートなどの芳香脂肪族ジイソシアネート類などが例示できる。ジイソシアネート類として、アルキル基(例えば、メチル基)が主鎖又は環に置換した化合物を使用してもよい。ジイソシアネート類は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
ジオール類としては、ポリエステルジオール[脂肪族ジカルボン酸成分(アジピン酸などのC4-12脂肪族ジカルボン酸など)、脂肪族ジオール成分(エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコールなどのC2-12脂肪族ジオールなど)、ラクトン成分(ε−カプロラクトンなどのC4-12ラクトンなど)などから得られるポリエステルジオール(脂肪族ポリエステルジオール)、例えば、ポリ(エチレンアジペート)、ポリ(1,4−ブチレンアジペート)、ポリ(1,6−ヘキサンアジペート)、ポリ−ε−カプロラクトンなど]、ポリエーテルジオール[脂肪族ポリエーテルジオール、例えば、ポリエチレングリコール、ポリ(オキシトリメチレン)グリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなどのポリ(オキシC2-4アルキレン)グリコール類、これらのポリ(オキシアルキレン)グリコール類のブロック共重合体(ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体など);芳香族ポリエーテルジオール、例えば、ビスフェノールA−アルキレンオキサイド付加体などの芳香族ジオールのアルキレンオキサイド付加体(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドなどのC2-4アルキレンオキサイド付加体など)など];ポリエステルエーテルジオール(ジオール成分の一部として上記ポリエーテルジオールを用いたポリエステルジオール)などが利用できる。これらのジオール類は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのジオール類のうち、ポリエステルジオールや、ポリエーテルジオール(ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど)(特に、ポリエステルジオール)を用いる場合が多い。
鎖伸長剤としては、グリコール類[短鎖グリコール類、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどのC2-10アルカンジオール;ビスヒドロキシエトキシベンゼン(BHEB)など]の他、ジアミン類[エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどのC2-10アルキレンジアミンなどの脂肪族ジアミン類;イソホロンジアミンなどの脂環族ジアミン;フェニレンジアミン、キシリレンジアミンなどの芳香族ジアミン類など]も使用できる。鎖伸長剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
熱可塑性ポリウレタン系樹脂には、ジオール類とジイソシアネート類とを実質的に当量の割合で用いて得られた完全熱可塑性ポリウレタンの他、ジオール類に対して少過剰のジイソシアネート類を用いて得られた遊離(未反応)のイソシアネートが少量残存している不完全熱可塑性ポリイソシアネートも含まれる。
熱可塑性ポリウレタン系樹脂のうち、特に、ジオール類(ポリエステル単位やポリエーテル単位を有するジオール類など)と、ジイソシアネート類と、鎖伸長剤としてのグリコール類(短鎖グリコール類など)とを用いて得られる熱可塑性ポリウレタンエラストマーが好ましい。この熱可塑性ポリウレタンエラストマーは、グリコール類とジイソシアネート類とのポリウレタンで構成されたハードセグメント(ハードブロック)と、脂肪族ポリエーテルジオール(ポリ(オキシエチレン)グリコールなど)、脂肪族ポリエステルジオールなどで構成されたソフトセグメント(ソフトブロック)とを含んでいる。ポリウレタンエラストマーには、ソフトセグメントの種類に応じて、ポリエステルウレタンエラストマー、ポリエーテルウレタンエラストマーなどが含まれる。
前記熱可塑性ポリウレタン系樹脂としては、中でも、ポリエステルジオールを用いて得られるポリエステルポリウレタン、特に、ポリエステルウレタンエラストマーを用いるのが好ましい。
これらの熱可塑性ポリウレタン系樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
熱可塑性ポリウレタン系樹脂には、本発明の効果を損なわない範囲で、他の樹脂(熱可塑性樹脂、特に、ポリアミド系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマーなどの熱可塑性エラストマーなど)、安定剤(熱安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤など)、可塑剤、滑剤、充填剤、着色剤、難燃剤、帯電防止剤などを併用してもよい。
非ウレタン系熱可塑性樹脂組成物がアミノ基を含有するので、複合成形体では、接着剤を用いることなく、前記非ウレタン系熱可塑性樹脂(組成物)と熱可塑性ポリウレタン系樹脂とが強固に接合している。複合成形体の接合強度は、通常、30N/cm以上であり、非ウレタン系熱可塑性樹脂組成物で形成された樹脂部材(例えば、硬質樹脂部材)と熱可塑性ポリウレタン系樹脂部材(例えば、軟質樹脂部材)との剥離に伴って、凝集破壊する場合がある。このような複合成形体の接合強度は、通常、30N/cm〜凝集破壊、好ましくは40N/cm以上、特に50N/cm以上(50N/cm以上〜凝集破壊)である。
接合は、通常、本発明の樹脂組成物(非ウレタン系熱可塑性樹脂組成物)及び熱可塑性ポリウレタン系樹脂のうち少なくとも一方を加熱、溶融し、他方と接触させることにより行うことができる。接合は、慣用の成形法、例えば、熱成形(熱プレス成形、インジェクションプレス成形など)、射出成形(インサート射出成形、二色射出成形、コアバック射出成形、サンドイッチ射出成形など)、押出成形(共押出成形、Tダイラミネート成形など)、ブロー成形などにより、成形過程で非ウレタン系熱可塑性樹脂組成物と熱可塑性ポリウレタン系樹脂とを接合させることにより行ってもよい。
例えば、インサート射出成形、インジェクションプレス成形などの成形法では、熱可塑性ポリウレタン系樹脂を加熱溶融し、この溶融状態の熱可塑性ポリウレタン系樹脂を、非ウレタン系熱可塑性樹脂組成物で構成された樹脂部材(以下、単に非ウレタン系樹脂部材と称する場合がある)の少なくとも一部と接触させながら成形し、両者を接合させてもよく、非ウレタン系熱可塑性樹脂組成物を加熱溶融し、この溶融状態の非ウレタン系熱可塑性樹脂を、熱可塑性ポリウレタン系樹脂で構成された樹脂部材(以下、単にポリウレタン系樹脂部材と称する場合がある)の少なくとも一部と接触させながら成形し、両者を接合させてもよい。また、二色射出成形、共押出成形などの成形法では、非ウレタン系熱可塑性樹脂組成物及び熱可塑性ポリウレタン系樹脂をそれぞれ加熱溶融し、溶融状態の非ウレタン系熱可塑性樹脂組成物と溶融状態の熱可塑性ポリウレタン系樹脂とを接触させながら成形し、両者を接合させてもよい。少なくともいずれか一方の樹脂を溶融させて、非ウレタン系熱可塑性樹脂組成物と熱可塑性ポリウレタン系樹脂とを接触させ、接合させた後、通常、冷却することにより、非ウレタン系樹脂部材とポリウレタン系樹脂部材とが強固に接合した複合成形体を得ることができる。また、目的、用途などに応じて、非ウレタン系樹脂部材とポリウレタン系樹脂部材とが、少なくとも一部で接合していればよい。
なお、樹脂部材を構成する樹脂又は樹脂組成物(特に、ベース樹脂)は、樹脂の融点以上の温度に加熱することにより溶融させることができるが、実質的に結晶化しない樹脂の場合には、樹脂のガラス転移点(Tg)以上の温度に加熱することにより、溶融させることができる。
本発明では、非ウレタン系熱可塑性樹脂組成物がアミノ基(通常、アミノ基含有化合物に由来するアミノ基)を含有し、このアミノ基が熱可塑性ポリウレタン系樹脂に作用(化学的に作用)するため、異種材料を用いた複合成形体であっても、接合強度を大幅に改善でき、単に熱融着による物理的作用では得られない高い接合強度が得られる。そのため、本明細書において、「熱融着」とは、単なる熱融着だけでなく、化学反応を含む熱接着(熱接合)も含む意味で用いる。
上記のように、非ウレタン系熱可塑性樹脂組成物とポリウレタン系樹脂の何れの樹脂を溶融させるかは特に制限されず、一般に融点又はガラス転移点(Tg)のより低い軟質樹脂(ポリウレタン系樹脂)を加熱し、この軟質樹脂と融点又はTgのより高い硬質樹脂(非ウレタン系熱可塑性樹脂)で構成された硬質樹脂部材とを接合させてもよく、また、一般に融点又はTgのより高い硬質樹脂(非ウレタン系熱可塑性樹脂組成物)を加熱し、この硬質樹脂と融点又はTgのより低い軟質樹脂(ポリウレタン系樹脂)で構成された軟質樹脂部材とを接合させてもよい。
これらの方法のうち、特に、前者の方法において、本発明の効果を特徴的かつ有効に発揮でき、既存技術に比べて有利である。単なる物理的な熱融着による既存技術では、先に成形された非ウレタン系樹脂部材と、後に成形されるポリウレタン系樹脂を接合させる場合、ポリウレタン系樹脂の成形温度は、先に成形された非ウレタン系熱可塑性樹脂の融点より低くなる場合が多く熱融着は進行しにくい。また、ポリウレタン系樹脂の成形温度が、非ウレタン系熱可塑性樹脂の融点より高い場合であっても、非ウレタン系樹脂部材の表面を融解させるには熱量が不足する場合が多い。そのため、既存技術では、通常、ポリウレタン系樹脂の成形に先行して、非ウレタン系樹脂部材を成形する方法は取り得ない。しかし、このような場合であっても、非ウレタン系熱可塑性樹脂組成物に含まれるアミノ基の作用により、非ウレタン系樹脂部材と熱可塑性ポリウレタン系樹脂とをより容易に接合させることができるため、複合体の製造工程の自由度を高めることができ、製造工程を大幅に合理化することもできる。
複合成形体では、通常、硬質樹脂が非ウレタン系熱可塑性樹脂組成物であり、軟質樹脂が熱可塑性ポリウレタン系樹脂である場合が多いが、硬質樹脂が熱可塑性ポリウレタン系樹脂であり、軟質樹脂が非ウレタン系熱可塑性樹脂であってもよい。また、非ウレタン系熱可塑性樹脂組成物と熱可塑性ポリウレタン系樹脂の硬さが同程度であってもよい。
より具体的には、前記熱プレス成形では、硬質樹脂(又は組成物)及び軟質樹脂(又は組成物)のうち、少なくとも一方をプレス成形の金型内で溶融させ、双方を接触させて加圧し、接合させて複合成形体を製造できる。熱プレス成形において、硬質樹脂及び/又は軟質樹脂は、ペレット状や粉状などの形状で金型に充填してもよく、予め他の成形方法で賦形した成形品として金型に装着してもよい。
インサート射出成形法では、硬質樹脂(又は樹脂組成物)及び軟質樹脂(又は樹脂組成物)のうち、いずれか一方を射出成形、押出成形、シート成形、フィルム成形などの成形法により成形し、賦形された成形品を金型内に収納した後、この成形品と金型との間の空隙に他方を射出成形することにより複合成形体を製造できる。インサート射出成形においては、金型内に収納する成形品を予熱しておくことが好ましい。
二色射出成形法では、二台以上の射出成形機を用いて、硬質樹脂(又は樹脂組成物)及び軟質樹脂(又は樹脂組成物)のいずれか一方の成分を金型に射出成形し、金型の回転又は移動により、金型のキャビティを交換し、得られた成形品と金型との間に形成された空隙に他方の成分を射出成形することにより複合成形体を製造できる。
コアバック射出成形法では、硬質樹脂(又は樹脂組成物)及び軟質樹脂(又は樹脂組成物)のうち、いずれか一方の成分を金型に射出成形し、金型のキャビティー容積を拡大させ、得られた成形品と金型との間に形成された空隙に他方の成分を射出成形することにより複合成形体を製造できる。
これらの成形方法のうち、特に、量産性などの点から、インジェクションプレス成形法などの熱プレス成形法、射出成形法(インサート射出成形法、二色射出成形法、コアバック射出成形法、サンドイッチ射出成形法など)などが適している。
熱融着において、硬質樹脂及び/又は軟質樹脂の溶融温度(又は熱融着温度)は、両樹脂(又は樹脂組成物)の種類に応じて選択でき、例えば、100〜300℃、好ましくは120〜290℃、さらに好ましくは150〜280℃程度の範囲から選択できる。例えば、熱プレス成形法では、100〜250℃、好ましくは120〜230℃、さらに好ましくは150〜220℃程度であってもよい。また、射出成形法では、成形機シリンダー内での樹脂の温度が、例えば、200〜300℃、好ましくは220〜280℃、さらに好ましくは240〜280℃程度であってもよい。
複合成形体の構造及び形状は、特に限定されないが、意匠性、装飾性、感触性などに適した構造、例えば、軟質樹脂部材の一部又は全部を硬質樹脂部材で被覆又はラミネートした構造であってもよいが、通常、硬質樹脂部材の一部又は全部を軟質樹脂部材で被覆又はラミネートした構造(例えば、硬質樹脂部材と人体(手など)との接触部分を軟質樹脂部材で被覆した構造など)などが好ましい。また、具体的な構造には、例えば、二次元的構造(シート状、板状など)、三次元的構造(例えば、棒状、チューブ状、ケーシング、ハウジングなど)などが挙げられる。
本発明の樹脂組成物を用いると、複雑な製造工程(複合部分に凹凸部分を設ける工程、接着剤の塗布工程など)を経ることなく、熱融着により、硬質樹脂と軟質樹脂とを直接的かつ強固に接合できるため、意匠性、装飾性、良好な感触(ソフトな感触、柔軟性など)などの性質に優れるとともに、軽量で、強靱な複合成形体を簡便に得ることができる。
本発明の樹脂組成物は、熱可塑性ポリウレタン系樹脂と直接接合させて複合成形体を形成するのに有利である。また、得られた複合成形体は、各種工業部品、例えば、自動車用部品(インストルメントパネル、センターパネル、センターコンソールボックス、ドアトリム、ピラー、アシストグリップ、ハンドル、エアバッグカバーなどの自動車内装部品;モール、バンパー等の自動車外装部品;ラックアンドピニオンブーツ、サスペンションブーツ、等速ジョイントブーツなどの自動車機能部品など)、家電用部品(掃除機バンパー、リモコンスイッチ、オフィスオートメーション(OA)機器のキートップなど)、水中使用製品(水中眼鏡、水中カメラカバーなど)、工業用部品(カバー部品;密閉性、防水性、防音性、防振性等を目的とした各種パッキン付き工業用部品;工業用ゴムローラー類など)、電気・電子用部品(カールコード電線被覆、ベルト、ホース、チューブ、消音ギアなど)、スポーツ用品、靴用部品(運動靴、靴底など)、意匠性や装飾性を要する部品(例えば、サングラス、メガネなど)などに使用できる。
これらのうち、前記複合成形体は、特に靴又はロール(ゴムローラーなど)の構成部材などに適している。靴の構成部材としては、靴底(ソール)、靴アッパーなどの靴部品などが挙げられ、また、複合成形体で、運動靴、作業用靴(長靴、雨靴、ガーデニング用シューズなど)などを形成してもよい。このような靴用途では、従来困難であった硬質又はガラス繊維で強化されたポリアミド系樹脂と軟質のポリウレタン系樹脂との組合せも容易となるため、例えば、異なるグレードの素材を用いて何重にも複合化することなども可能となり、靴のデザイン性や機能性の向上に大きく寄与できる。
また、ロール(ゴムローラーなど)用途では、例えば、少なくとも表面層が非ウレタン系熱可塑性樹脂(組成物)で構成された軸(シャフト)と、この軸の周面に形成された熱可塑性ポリウレタン系樹脂層とで構成してもよい。軸は、金属シャフトの表面に非ウレタン系熱可塑性樹脂層が形成されていてもよく、非ウレタン系熱可塑性樹脂で構成された軸であってもよい。このようなローラー用途では、シャフト精度を得るための切削仕上げ及び熱可塑性ポリウレタン系樹脂の表面仕上げを同一の研磨機により一工程で仕上げることができるため、ローラーの製造工程を大幅に短縮でき、コストを飛躍的に削減することができる。また、このようなローラーは、化学的に接合されているため、接合力が高く、軸とロールとのずれがほとんどないため、高いトルクでの使用にも耐えることができる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
実施例1〜7及び比較例1
(1)非ウレタン系熱可塑性樹脂組成物の調製
(i)ポリアミド12(数平均分子量19,000、アミノ基濃度8mmol/kg)100重量部に、ポリアミド12オリゴマー(数平均分子量3,000、アミノ基濃度530mmol/kg)5重量部を添加し、二軸押出機を用いて混合し、非ウレタン系熱可塑性樹脂(A1)(アミノ基濃度20mmol/kg)を得た。
(ii)ポリアミド12オリゴマーに代えて、ヘキサメチレンジアミン0.5重量部を用いる以外は上記(i)と同様に操作を行い、非ウレタン系熱可塑性樹脂(A2) (アミノ基濃度40mmol/kg)を得た。
(iii)ポリアミド12オリゴマーに代えて、アミノ基変性ポリエーテル(サンアミールTAP−10,三洋化成(株)製)5重量部を用いる以外は上記(i)と同様に操作を行い、非ウレタン系熱可塑性樹脂(A3) (アミノ基濃度100mmol/kg)を得た。
(iv)ポリアミド12に代えて、ポリアミド6(数平均分子量23,000、アミノ基濃度17mmol/kg)を100重量部用いる以外は、上記(i)と同様に操作を行い、非ウレタン系熱可塑性樹脂(A4) (アミノ基濃度35mmol/kg)を得た。
(v) ポリエステルエラストマー(ハイトレル,東レ・デュポン(株)製)100重量部に、ポリアミド12オリゴマー(数平均分子量3,000、アミノ基濃度530mmol/kg)5重量部を添加し、二軸押出機を用いて混合し、非ウレタン系熱可塑性樹脂(A5)(アミノ基濃度15mmol/kg)を得た。
(vi)ポリエステルエラストマーに代えて、ポリカーボネート(ユーピロン,三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製)を100重量部用いる以外は、上記(v)と同様に操作を行い、非ウレタン系熱可塑性樹脂(A6) (アミノ基濃度15mmol/kg)を得た。
(vii)ポリエステルエラストマーに代えて、ポリフェニレンスルフィド(フォートロン,ポリプラスチックス(株)製)を100重量部用いる以外は、上記(v)と同様に操作を行い、非ウレタン系熱可塑性樹脂(A7) (アミノ基濃度15mmol/kg)を得た。
(viii)比較として、アミノ基濃度が5mmol/kgであるポリアミド12を単独で用いた(非ウレタン系熱可塑性樹脂(A8))。
(2)複合成形体の作製及び剥離試験
エステル系熱可塑性ポリウレタンエラストマーTPU(ET195,BASF(株)製)を射出成形機を用いて120mm×25mm×2mmのサイズの平板を作製した。この平板をサイズ120mm×25mm×4mmの射出成形用金型内に収容し、接合温度(シリンダー温度)250℃及び金型温度60℃の条件で、前記(1)で得られた非ウレタン系熱可塑性樹脂又は樹脂組成物を射出成形し、複合成形体を形成した。
このようにして得られた複合成形体を幅20mm及び長さ100mmのサイズに切り出して、アルミホイルで覆った部分を掴み代とし、掴み代を180℃方向に引張速度20mm/分で引張ることにより、引張試験を行った。この引張試験により融着界面における剥離強度を測定し、この剥離強度により非ウレタン系熱可塑性樹脂部材とウレタン系熱可塑性樹脂部材との熱融着性を評価した。
結果を表1に示す。
Figure 2005146269
表から明らかなように、実施例1〜7の複合成形体では、アミノ化合物を含まない比較例1に比べて、高い接合強度で接合されていた。

Claims (10)

  1. 熱可塑性ウレタン系樹脂に対して直接接合させるための樹脂組成物であって、非ウレタン系熱可塑性樹脂と、アミノ基を有する化合物とを含む樹脂組成物。
  2. 10mmol/kg以上の濃度でアミノ基を含む請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 非ウレタン系熱可塑性樹脂が、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリスルホン系樹脂、熱可塑性ポリイミド系樹脂、ポリエーテルケトン系樹脂、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、及びハロゲン含有ビニル系樹脂から選択された少なくとも一種で構成されている請求項1記載の樹脂組成物。
  4. アミノ基を有する化合物が、分子内に複数の一級アミノ基を有する請求項1記載の樹脂組成物。
  5. アミノ基を有する化合物が、アミノ基濃度40〜1000mmol/kgを有する請求項1記載の樹脂組成物。
  6. アミノ基を有する化合物が、数平均分子量500〜10,000及びアミノ基濃度50〜700mmol/kgを有するポリアミドオリゴマーである請求項1記載の樹脂組成物。
  7. アミノ基を有する化合物の割合が、非ウレタン系熱可塑性樹脂100重量部に対して、0.01〜20重量部である請求項1記載の樹脂組成物。
  8. ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂及びポリフェニレンスルフィド系樹脂から選択された少なくとも一種の非ウレタン系熱可塑性樹脂と、ポリアミドオリゴマーとで構成されている請求項1記載の樹脂組成物。
  9. 非ウレタン系熱可塑性樹脂組成物で構成された樹脂部材と、熱可塑性ポリウレタン系樹脂で構成された樹脂部材とが直接接合した複合成形体であって、前記非ウレタン系熱可塑性樹脂組成物が、非ウレタン系熱可塑性樹脂と、アミノ基を有する化合物とで構成されている複合成形体。
  10. 非ウレタン系熱可塑性樹脂組成物及び熱可塑性ポリウレタン系樹脂のうち少なくとも一方を加熱して、他方と接合させ、請求項9記載の複合成形体を製造する方法。
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