JP2005146210A - 潤滑剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた耐摩耗性および潤滑油に求められる低温特性を有するエステル類を提供する。このエステル類は潤滑油、機能流体およびグリースを含む種々の用途に有用である。
【解決手段】長鎖脂肪酸(C23以上)の含有量が15重量%以下であるラノリン脂肪酸と炭素数1〜22のアルコールとのエステル化物であるラノリン脂肪酸エステルを含有する潤滑剤。該ラノリン脂肪酸は蒸留精製により得ることができる。
【選択図】なし
【解決手段】長鎖脂肪酸(C23以上)の含有量が15重量%以下であるラノリン脂肪酸と炭素数1〜22のアルコールとのエステル化物であるラノリン脂肪酸エステルを含有する潤滑剤。該ラノリン脂肪酸は蒸留精製により得ることができる。
【選択図】なし
Description
本発明はラノリン脂肪酸のエステル類を含有する潤滑剤に関する。
合成エステル類は、潤滑剤として多く用いられている。これらの合成エステル類は、種々の脂肪酸(例えば、牛脂、豚脂、羊脂のような動物油のケン化により得られる脂肪酸;ひまわり油、なたね油、ひまし油、オリーブ油、パーム核油、やし油などのような植物油から生成される脂肪酸;および直鎖脂肪酸(例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、およびオレイン酸などの不飽和脂肪酸)とアルコール(例えばメタノール、エタノール、1-または2-プロパノール;n-、iso-、sec-またはtert-ブチルアルコール)、ポリオール(例えば、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール)、およびポリオールエーテル(例えば、ジペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパンなど)との反応により製造される。特に潤滑基剤に使用されるエステル類の代表的なものとしては、上記脂肪酸とポリオール(例えば、ペンタエリスリトールおよびトリメチロールプロパン)との反応により製造されるポリオールエステル類が挙げられる。しかしながら上記エステル類でも、潤滑性および低温特性は十分でなく、さらに優れた潤滑剤が求められている。
またラノリン脂肪酸ポリオールエステルは潤滑剤として知られているが、低温での溶解性の劣るものであり、改善が求められていた。
またラノリン脂肪酸ポリオールエステルは潤滑剤として知られているが、低温での溶解性の劣るものであり、改善が求められていた。
この出願の発明に関する先行技術文献情報としては次のものがある。
特開昭48−102767
本発明の目的は優れた耐摩耗性および潤滑油に求められる低温特性を有するエステル類を提供することにある。このエステル類は潤滑油、機能流体およびグリースを含む種々の用途に有用である。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、長鎖脂肪酸の含有量が特定のラノリン脂肪酸のエステルが優れた耐摩耗性および潤滑油に要求される低温特性を有することを見いだし本発明を完成した。
すなわち、本発明は長鎖脂肪酸(C23以上)の含有量が15重量%以下であるラノリン脂肪酸(以下軽質ラノリン脂肪酸という)と炭素数1〜22のアルコールとのエステル化物である軽質ラノリン脂肪酸エステルを含有する潤滑剤の提供である。
すなわち、本発明は長鎖脂肪酸(C23以上)の含有量が15重量%以下であるラノリン脂肪酸(以下軽質ラノリン脂肪酸という)と炭素数1〜22のアルコールとのエステル化物である軽質ラノリン脂肪酸エステルを含有する潤滑剤の提供である。
本発明の軽質ラノリン脂肪酸エステルは、耐摩耗性および潤滑油に求められる低温特性に優れており、潤滑剤 、特に、合成潤滑油およびそれらの混合物を基にした潤滑剤を調製する際に有用である。
本発明の軽質ラノリン脂肪酸は、ラノリン脂肪酸中の長鎖脂肪酸(C23以上)含有量が15重量%以下のものである。好ましくは10重量%以下、より好ましくは8重量%以下である。
ラノリンをケン化分解して得られるラノリン脂肪酸にはイソ脂肪酸、アンテイソ脂肪酸、ノルマル脂肪酸が含まれ、これらのなかにはヒドロキシル基を有するヒドロキシ酸が約30%程含まれている。又脂肪酸の炭素数はおもに10〜30程度のものであり、非常に幅広い分布をしている。通常ラノリン脂肪酸中の炭素数23以上の長鎖脂肪酸は約25重量%程含まれている。
本発明の軽質ラノリン脂肪酸はラノリン脂肪酸を蒸留精製して長鎖脂肪酸を釜残として除くことにより得られる。またラノリン脂肪酸低級アルコール(C1−5)エステルを蒸留精製後加水分解してもよい。低級アルコールエステルとしてはメチル、エチル、イソプロピル、n−プロピル、n−ブチル、イソブチル、ペンチルエステルなどを挙げることができるが、メチルエステルが好ましい。
あるいはまた、長鎖脂肪酸を除く方法としてはラノリン脂肪酸やそのエステルをヘキサン、トルエン、メタノール、エタノール、IPA、アセトン、MEK、MIBKなどの溶剤に溶解後、冷却して析出した固形分を除去するいわゆる溶剤分別法でも得ることができる。色調および経済性からは蒸留精製法が好ましい
このような蒸留精製法として薄膜蒸留法、単蒸留法、分子蒸留法などを用いることができ、蒸留温度としては150〜250℃程度、真空度270Pa〜10Pa程度で蒸留すればよい。
ラノリンをケン化分解して得られるラノリン脂肪酸にはイソ脂肪酸、アンテイソ脂肪酸、ノルマル脂肪酸が含まれ、これらのなかにはヒドロキシル基を有するヒドロキシ酸が約30%程含まれている。又脂肪酸の炭素数はおもに10〜30程度のものであり、非常に幅広い分布をしている。通常ラノリン脂肪酸中の炭素数23以上の長鎖脂肪酸は約25重量%程含まれている。
本発明の軽質ラノリン脂肪酸はラノリン脂肪酸を蒸留精製して長鎖脂肪酸を釜残として除くことにより得られる。またラノリン脂肪酸低級アルコール(C1−5)エステルを蒸留精製後加水分解してもよい。低級アルコールエステルとしてはメチル、エチル、イソプロピル、n−プロピル、n−ブチル、イソブチル、ペンチルエステルなどを挙げることができるが、メチルエステルが好ましい。
あるいはまた、長鎖脂肪酸を除く方法としてはラノリン脂肪酸やそのエステルをヘキサン、トルエン、メタノール、エタノール、IPA、アセトン、MEK、MIBKなどの溶剤に溶解後、冷却して析出した固形分を除去するいわゆる溶剤分別法でも得ることができる。色調および経済性からは蒸留精製法が好ましい
このような蒸留精製法として薄膜蒸留法、単蒸留法、分子蒸留法などを用いることができ、蒸留温度としては150〜250℃程度、真空度270Pa〜10Pa程度で蒸留すればよい。
本発明の軽質ラノリン脂肪酸エステルは軽質ラノリン脂肪酸と炭素数1〜22のアルコールとを75℃〜250℃付近の温度で、触媒の存在下または触媒なしの常法によりエステル化して得ることもできるが、蒸留精製して得られた軽質ラノリン脂肪酸低級アルコール(C1−5)エステルとのエステル交換反応により得ることもできる。
本発明の軽質ラノリン脂肪酸エステルの原料アルコールとしては炭素数1〜22のアルコールを挙げることができる。このようなものとして、直鎖および分岐あるいは脂環式構造を含む1級アルコールたとえば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ドデカノール、ヘキサデカノール、オクタデカノール、イソオクタデカノール、エイコサノール、cis−9−オクタデセノール、cis−9−12−オクタデカジエノール、エイコセノール、ドコセノールなどが挙げられる。ポリオール類としてはエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセロール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,4-ブテンジオール、2,3-ブタンジオール、2-エチル-1,3-プロパンジオール、2-エチル-2-ブチル-1,3-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、ソルビトール、ヘキサグリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール、1,2-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、およびイノシトールが挙げられる。他の天然ポリオール(例えば、グルコース、ガラクトース、マンノース、ソルボース、およびタロース)もまた、使用され得る。
このうちトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ネオペンチルグリコールなどのネオペンチルポリオール類は好ましい。一般にネオペンチルポリオール類のエステルはヒンダードエステルとして知られ、熱安定性、酸化安定性が優れている。
本発明の軽質ラノリン脂肪酸エステルの原料アルコールとしては炭素数1〜22のアルコールを挙げることができる。このようなものとして、直鎖および分岐あるいは脂環式構造を含む1級アルコールたとえば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ドデカノール、ヘキサデカノール、オクタデカノール、イソオクタデカノール、エイコサノール、cis−9−オクタデセノール、cis−9−12−オクタデカジエノール、エイコセノール、ドコセノールなどが挙げられる。ポリオール類としてはエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセロール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,4-ブテンジオール、2,3-ブタンジオール、2-エチル-1,3-プロパンジオール、2-エチル-2-ブチル-1,3-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、ソルビトール、ヘキサグリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール、1,2-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、およびイノシトールが挙げられる。他の天然ポリオール(例えば、グルコース、ガラクトース、マンノース、ソルボース、およびタロース)もまた、使用され得る。
このうちトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ネオペンチルグリコールなどのネオペンチルポリオール類は好ましい。一般にネオペンチルポリオール類のエステルはヒンダードエステルとして知られ、熱安定性、酸化安定性が優れている。
本発明の潤滑剤には、上記エステル以外に、潤滑粘性のあるオイル,酸化防止剤,金属不活性化剤,清浄剤、分散剤、耐摩耗剤、極圧剤、粘度指数改良剤、流動点降下剤、発泡防止剤、抗乳化剤、摩擦調整剤、および腐食防止剤などの添加剤を加えてもよい。
このような潤滑粘性のあるオイルとしては、動植物油、動植物油脂肪酸エステル、鉱物油、水素化精製鉱物油、炭化水素油(ポリ−α−オレフィン)、ハロ置換炭化水素油、アルキレンオキシドポリマー、モノカルボン酸およびジカルボン酸とポリオールのエステル、リン含有酸のエステル、ポリマー性テトラヒドロフランおよびシリコンベース油があげられる。
酸化防止剤としては以下のようなものがあげられる。フェノール性物質、芳香族アミン、フェノチアジン、ジチオホスフェート、ジチオカルバメート、スルフィド、硫化オレフィン、トコフェロール、および硫化植物油などを例示することができる。
酸化防止剤の使用量は、約0.01重量%〜約5重量%が好ましい。
酸化防止剤の使用量は、約0.01重量%〜約5重量%が好ましい。
金属不活性化剤としてベンゾトリアゾールおよびベンゾトリアゾール誘導体などを例示することができる。
清浄剤としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、または遷移金属と、スルホン酸、カルボン酸(これには、ヒドロカルビル置換カルボキシアシル化剤、フェノール、または有機リン含有酸が包含される)との油溶性の中性塩および塩基性塩(すなわち、オーバーベース化塩)などを例示することができる。
分散剤としては、カルボン酸分散剤、アミン分散剤、マンニッヒ分散剤あるいはこれらの分散剤を尿素、チオ尿素、二硫化炭素、アルデヒド、ケトン、カルボン酸、炭化水素置換無水コハク酸、ニトリル、エポキシド、ホウ素含有化合物、リン含有化合物などで後処理したもの、ポリマー性分散剤などを例示することができる。
流動点降下剤としては、ポリメタクリレート、ポリアクリレート、ポリアクリルアミド、ハロパラフィンワックスと芳香族化合物との縮合生成物、ビニルカルボキシレートポリマー、スチレン−無水マレイン酸コポリマーエステル、およびフマル酸ジアルキル、脂肪酸のビニルエステルおよびアルキルビニルエーテルのポリマーなどを例示することができる。
消泡剤としては、シリコーンまたは有機ポリマーなどを例示することができる。
粘度改良剤としては、ポリイソブテン、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸エステル、ジエンポリマー、ポリアルキルスチレン、アルケニルアリール共役ジエンコポリマー(好ましくは、スチレン−無水マレイン酸コポリマーエステル)、ポリオレフィン、水素化イソプレノイド、および多官能性の粘度改良剤などを例示することができる。
耐摩耗剤、極圧剤、摩擦調整剤、および腐食防止剤としては:塩素化脂肪族炭化水素(例えば、塩素化ワックス);アルキレンオキシド(例えば、エチレンオキシドまたはプロピレンオキシド)と反応させたアルキル置換コハク酸またはその無水物;硫化アルキルフェノール;リン硫化炭化水素(例えば、硫化リンとテルペンチンまたはオレイン 酸メチルとの反応生成物);主として亜リン酸ジ炭化水素およびトリ炭化水素(例えば、亜リン酸ジブチル、亜リン酸ジヘプチル、亜リン酸ジシクロヘキシル、亜リン酸ペンチルフェニル、亜リン酸ジペンチルフェニル、亜リン酸トリデシル、亜リン酸ジステアリル、亜リン酸ジメチルナフチル、亜リン酸オレイル 4-ペンチルフェニル、ポリプロピレン(分子量500)で置換された亜リン酸フェニル、ジイソブチル置換の亜リン酸フェニル)を含めたリン含有エステル;ホウ酸エステルを包含するホウ素含有化合物;ジメルカプトチアジアゾール誘導体;アミノ−メルカプトチアジアゾール誘導体;およびモリブデン化合物。上記の酸化防止剤の多くはまた、極圧剤および腐食防止剤としても用いることができる。
さらに本発明の潤滑剤には増粘剤を用いることができる。これらの増粘剤には動植物油脂肪酸のアルカリ金属石鹸およびアルカリ土類金属石鹸が示される。これらの金属としては、ナトリウム、リチウム、カルシウム、およびバリウムで代表される。脂肪酸の例としては、ステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、ステアリン、オレイン 酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、綿実油酸、および水素化魚油などを例示することができる。
他の増粘剤としては、カルシウム ステアレート−アセテート、バリウム ステアレート−アセテート、カルシウム ステアレート−カプリレート−アセテート複合体などの塩および塩−石鹸複合体、低−中程度の分子量の酸および高分子量酸ならびにナッツ油酸のカルシウム塩および石鹸、ステアリン酸アルミニウム、およびアルミニウム複合体増粘剤などを例示することができる。有用な増粘剤には、疎水性にするためにアンモニウム化合物で処理した親水性粘土が包含される。典型的なアンモニウム化合物には、テトラアルキルアンモニウムクロライドがある。これらの粘土は、一般に、結晶性の複合シリケートである。これらの粘土には、ベントナイト粘土、アタパルジャイト粘土、ヘクトライト粘土、イライト粘土、サポナイト粘土、セピオライト粘土、ビオタイト粘土、バーミキュライト粘土、ゼオライト粘土などを例示することができる。
他の増粘剤としては、カルシウム ステアレート−アセテート、バリウム ステアレート−アセテート、カルシウム ステアレート−カプリレート−アセテート複合体などの塩および塩−石鹸複合体、低−中程度の分子量の酸および高分子量酸ならびにナッツ油酸のカルシウム塩および石鹸、ステアリン酸アルミニウム、およびアルミニウム複合体増粘剤などを例示することができる。有用な増粘剤には、疎水性にするためにアンモニウム化合物で処理した親水性粘土が包含される。典型的なアンモニウム化合物には、テトラアルキルアンモニウムクロライドがある。これらの粘土は、一般に、結晶性の複合シリケートである。これらの粘土には、ベントナイト粘土、アタパルジャイト粘土、ヘクトライト粘土、イライト粘土、サポナイト粘土、セピオライト粘土、ビオタイト粘土、バーミキュライト粘土、ゼオライト粘土などを例示することができる。
その他公知の潤滑剤に使用される成分を本発明の効果を損なわない範囲において、適宜配合することができる。
以下に代表的な実施例を示すが、これらのみに制限されるものではない。
比較例1 ラノリン脂肪酸メチルエステルの合成
ラノリン脂肪酸200g、メタノール1,400g、濃硫酸6gを攪拌機および還流管を付けた四つ口フラスコに取り、還流温度まで加熱する。2時間還流後、炭酸ナトリウムを用いて中和を行った。メタノールを蒸留回収後、ヘプタン400gを加えた。水100gで水洗を行い、水洗水が中性になるまで3回水洗を繰り返した。ヘプタンを蒸発留去させラノリン脂肪酸メチルエステル200gを得た。長鎖脂肪酸(C23以上)の含有量は25.1重量%であった。長鎖脂肪酸(C23以上)の含有量はガスクロマトグラフの面積百分率法により測定した(以下同様)。チャートを図1に示す。
GCの測定条件
測定装置 島津製作所 GC−17A
カラム キャピラリーカラム DB−5 径0.25mm 長さ 30m
検出器 FID
キャリアガス ヘリウム
カラム温度 150〜300℃ 5℃/分の昇温
ラノリン脂肪酸200g、メタノール1,400g、濃硫酸6gを攪拌機および還流管を付けた四つ口フラスコに取り、還流温度まで加熱する。2時間還流後、炭酸ナトリウムを用いて中和を行った。メタノールを蒸留回収後、ヘプタン400gを加えた。水100gで水洗を行い、水洗水が中性になるまで3回水洗を繰り返した。ヘプタンを蒸発留去させラノリン脂肪酸メチルエステル200gを得た。長鎖脂肪酸(C23以上)の含有量は25.1重量%であった。長鎖脂肪酸(C23以上)の含有量はガスクロマトグラフの面積百分率法により測定した(以下同様)。チャートを図1に示す。
GCの測定条件
測定装置 島津製作所 GC−17A
カラム キャピラリーカラム DB−5 径0.25mm 長さ 30m
検出器 FID
キャリアガス ヘリウム
カラム温度 150〜300℃ 5℃/分の昇温
実施例1 軽質ラノリン脂肪酸メチルエステルの合成
比較例1のラノリン脂肪酸メチルエステル 200gをコンデンサー付きフラスコに取り、減圧蒸留をした。33Pa、150℃から66Pa、195℃までの蒸発留分として軽質ラノリン脂肪酸メチルエステル100gを得た。長鎖脂肪酸(C23以上)の含有量は5.5重量%であった。
比較例1のラノリン脂肪酸メチルエステル 200gをコンデンサー付きフラスコに取り、減圧蒸留をした。33Pa、150℃から66Pa、195℃までの蒸発留分として軽質ラノリン脂肪酸メチルエステル100gを得た。長鎖脂肪酸(C23以上)の含有量は5.5重量%であった。
実施例2 軽質ラノリン脂肪酸トリメチロールプロパンエステルの合成
実施例1で得られた軽質ラノリン脂肪酸メチルエステル100g、トリメチロールプロパン(三菱ガス化学(株)製)16.4g、ソジウムメチラート28%メタノール溶液((株)ナカライテスク製)4gを攪拌機および蒸留留出装置を付けた四つ口フラスコに取り、減圧下(4〜5.3kPa)140℃で2時間反応を行った。この反応液を中性になるまで水洗を行った後、減圧下で脱水を行い軽質ラノリン脂肪酸トリメチロールプロパンエステル93gを得た。
実施例1で得られた軽質ラノリン脂肪酸メチルエステル100g、トリメチロールプロパン(三菱ガス化学(株)製)16.4g、ソジウムメチラート28%メタノール溶液((株)ナカライテスク製)4gを攪拌機および蒸留留出装置を付けた四つ口フラスコに取り、減圧下(4〜5.3kPa)140℃で2時間反応を行った。この反応液を中性になるまで水洗を行った後、減圧下で脱水を行い軽質ラノリン脂肪酸トリメチロールプロパンエステル93gを得た。
比較例1 オレイン酸メチルエステル((株)ナカライテスク製)を使用した。
比較例2 オレイン酸(日本油脂(株)製 NAA−34)280g、トリメチロールプロパン(三菱ガス化学製)44.7gを攪拌機および蒸留留出装置を付けた四つ口フラスコに取り、無触媒にて減圧下(4〜5.3kPa)190℃〜200℃で6時間反応を行いオレイン酸トリメチロールプロパンエステル305gを得た。
評価
1.耐摩耗性試験(シェル四球式試験)
日本石油学会の定めるJPI規格 JPI−5S−32−90 潤滑油の耐摩耗性試験方法に基づいて試験を実施した。試料は実施例1、2、および比較例1,2の各エステルを鉱物油(富士興産(株)製 NT−100)に10重量%溶解させ作成したものを用いた。
試料容器に3個の鋼球を固定し、潤滑油を入れる。固定球の中心に1個の回転球を押し付け、3点で接触させる。荷重 392ニュートン、潤滑油の油温75℃において、毎分1200回転の速度で1時間回転させ、試験後、接触点に生じた摩耗痕を測定し、摩耗防止性を評価する。摩耗面積の少ないものが耐摩耗性が優れている。
結果を表1に示す。
1.耐摩耗性試験(シェル四球式試験)
日本石油学会の定めるJPI規格 JPI−5S−32−90 潤滑油の耐摩耗性試験方法に基づいて試験を実施した。試料は実施例1、2、および比較例1,2の各エステルを鉱物油(富士興産(株)製 NT−100)に10重量%溶解させ作成したものを用いた。
試料容器に3個の鋼球を固定し、潤滑油を入れる。固定球の中心に1個の回転球を押し付け、3点で接触させる。荷重 392ニュートン、潤滑油の油温75℃において、毎分1200回転の速度で1時間回転させ、試験後、接触点に生じた摩耗痕を測定し、摩耗防止性を評価する。摩耗面積の少ないものが耐摩耗性が優れている。
結果を表1に示す。
2.低温安定性試験
各エステルを鉱物油(富士興産(株)製 NT−100)に5および10重量%溶解させたものを−5℃に放置して経時安定性を評価した。結果を表1に示す。
各エステルを鉱物油(富士興産(株)製 NT−100)に5および10重量%溶解させたものを−5℃に放置して経時安定性を評価した。結果を表1に示す。
表1から本発明の潤滑剤は耐摩耗性および低温安定性が優れているのがわかる。
本発明の軽質ラノリン脂肪酸エステルは、耐摩耗性および潤滑油に求められる低温特性に優れており、潤滑剤、特に、合成潤滑油およびそれらの混合物を基にした潤滑剤を調製する際に有用である。これらの潤滑剤はガソリンエンジンやジーゼルエンジンなどの内燃機関の潤滑剤、自動変速機油および手動変速機油、トランスアクシル潤滑剤 、ギア潤滑剤、トラクター潤滑剤、金属加工潤滑剤、油圧作動液、および他の潤滑油、ならびにグリース組成物、ワイヤーロープ、ウォーキングカム、コンベアベルト、ウォームギア、ベアリングなどの用途の潤滑剤に使用され得る。
Claims (5)
- 長鎖脂肪酸(C23以上)の含有量が15重量%以下であるラノリン脂肪酸(以下軽質ラノリン脂肪酸という)と炭素数1〜22のアルコールとのエステル化物である軽質ラノリン脂肪酸エステルを含有する潤滑剤。
- 軽質ラノリン脂肪酸エステルが軽質ラノリン脂肪酸低級アルコールエステルと炭素数1〜22のアルコールとのエステル交換反応により得られるものである請求項1に記載の潤滑剤。
- 軽質ラノリン脂肪酸エステルがラノリン脂肪酸又はラノリン脂肪酸低級アルコールエステルを蒸留精製したものから得られるものである請求項1又は2に記載の潤滑剤。
- 軽質ラノリン脂肪酸中の長鎖脂肪酸(C23以上)の含有量が8重量%以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の潤滑剤
- 軽質ラノリン脂肪酸エステルがネオペンチルポリオール類とのエステルである請求項1〜4のいずれか1項に記載の潤滑剤
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Cited By (4)
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JP2008064852A (ja) * | 2006-09-05 | 2008-03-21 | Ricoh Co Ltd | 画像形成方法 |
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JP2011006345A (ja) * | 2009-06-25 | 2011-01-13 | Nippon Fine Chem Co Ltd | エステル及びこれを含有する防錆油組成物並びに潤滑油組成物 |
JP7338918B1 (ja) | 2022-10-21 | 2023-09-05 | 築野食品工業株式会社 | イノシトール脂肪酸エステル |
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2003
- 2003-11-19 JP JP2003389426A patent/JP2005146210A/ja active Pending
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