JP2005145383A - 車両内装部材 - Google Patents

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【課題】乗員保護機能を有すると共に、乗員室の内外で発生する種々騒音を好適に吸収し得るようにする。
【解決手段】フットパネル30は、衝撃吸収部材40と吸音部材50とから構成される。衝撃吸収部材40は、裏側へ貫通する複数の開口46を有すると共に裏側に複数のリブ44を有し、表側から乗員が衝突した際に該リブ44の変形により適宜に圧潰する。吸音部材50は、騒音を吸収し得る素材を材質とし、衝撃吸収部材40に対し裏側から取付けられると共に、各開口46を介して衝撃吸収部材40の表側へ臨むようになる。なお吸音部材50には、リブ44の嵌入を許容する所要深さの係止溝52が形成され、リブを係止溝52へ嵌入することで衝撃吸収部材40に対する吸音部材50の取付けが図られる。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両内装部材に関し、更に詳細には、自動車の乗員室内において乗員の近傍に配設される車両内装部材に関するものである。
例えば図9に例示するように、乗用車等の自動車における乗員室10内において、シート12に着座する乗員Pの近傍には、ドアトリム14、ステアリングのコラムカバー16、フットパネル18等の車両内装部材が取付けられている。これらドアトリム14、コラムカバー16、フットパネル18は、衝突事故が発生した際に、衝撃による反動や車体の変形等により当該乗員Pが激しく衝突してしまう虞があるため、衝突時における乗員Pの傷害軽減を図ることが要求されている。図10および図11は、前述したフットパネル18の一例を示した概略斜視図であって、例えばポリスチレンとポリエチレンの混合樹脂ビーズ発泡体等からなる板状の衝撃吸収材20を主体としており、乗員Pが衝突して衝撃を伴う外力を受けた際に圧潰変形して衝撃を吸収する構造となっている。なお衝撃吸収材20の材質は、これ以外に硬質ウレタン発泡体、ポリプロピレン発泡体等も採用される。
一方、走行中の自動車では、エンジンノイズやタイヤノイズ等に代表される種々騒音が乗員室10へ侵入するようになるため、これら騒音を遮蔽または吸収して乗員室10内の静粛性を高めることが希求されている。このため、隔壁パネルやフロアパネル等の車体パネル22には、図9に例示したように、フェルト等から形成された吸音シート材24が敷設されると共に、更に乗員Pの足元にはフロアマット26が敷設されるようになっている。ここで前述したフットパネル18は、インストルメントパネルの下方において隔壁パネルとフロアパネルとの境界部位に配設され、乗員Pの足を直接的に当て受けるようになるものであり、乗員Pが足で押してもずれ動かないよう固定する必要があるために車体パネル22へ直接的に取付けられるようになっている。なお、このようなフットパネルに関する技術は、例えば特許文献1に開示されている。
特開2001−347872号公報
ところで、図10および図11に例示したフットパネル18は、このフットパネル18を構成する衝撃吸収材20が前述の材質からなっているため、特に優れた吸音性能を有していない。しかも、フットパネル18を車体パネル22へ直接的に取付けるために、このフットパネル18を取付ける部位では、前述した吸音シート材24の敷設が不可能となっている。このため、フットパネル18が取付けられている部位では、車外で発生する種々騒音が車体パネル22を介して乗員室10内へ侵入することを防止し得ず、これに伴って乗員室10の静粛性が低下してしまう不都合が発生していた。またフットパネル18には、当然のことながら、乗員室10内で発生する種々騒音の吸音も図り得ない。
従って本発明では、衝撃吸収部材と吸音部材とから構成することで、乗員保護機能を有すると共に、乗員室の内外で発生する種々騒音を好適に吸収し得るようにした車両内装部材を提供することを目的とする。
前記課題を解決し、所期の目的を達成するため本発明は、自動車の乗員室内において乗員の近傍に配設される車両内装部材であって、
裏側へ貫通する複数の開口を有すると共に裏側に複数のリブを有し、表側から乗員が衝突した際に該リブの変形により適宜に圧潰する衝撃吸収部材と、
騒音を吸収し得る素材を材質とし、前記衝撃吸収部材に対し裏側から取付けられる吸音部材とからなり、
前記吸音部材には、前記リブの突出形状に対応的に合致して、該リブの嵌入を許容する所要深さの係止溝が形成され、
前記リブを前記係止溝へ嵌入することで衝撃吸収部材に対する吸音部材の取付けが図られ、前記各開口を介して該吸音部材を表側へ臨ませるよう構成したことを特徴とする。
本発明に係る車両内装部材によれば、衝突事故発生時においては、乗員が衝突して衝撃を伴った外力が加わると、各リブが座屈的に変形して衝撃吸収部材が適宜に圧潰することでその衝撃を好適に吸収するようになり、乗員の負傷度合の軽減を図り得る利点がある。
一方、本発明に係る車両内装部材では、車外で発生して乗員室内へ侵入する種々騒音を吸音部材で好適に吸収させ得るため、乗員室の静粛性向上に寄与する利点がある。更に、吸音部材が各開口を介して乗員室の側へ臨んでいるため、乗員室内で発生する種々騒音をもこの吸音部材で好適に吸収させ得るため、これにより乗員室の静粛性向上を一段と効率的に図り得る。
なお、衝撃吸収部材に設けたリブの突出寸法と吸音部材に設けた係止溝の深さ寸法との設定により、衝撃吸収部材とこの裏側に取付けた吸音部材との間に、開口を介して表側へ連通する空間を画成し得る利点がある。
次に、本発明に係る車両内装部材につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。本願が対象とする車両内装部材は、自動車の乗員室10内において乗員Pの近傍に配設される車両内装部材であって、具体的には図9および図10に例示したフットパネル18等が挙げられる。そこで後述する実施例では、車両内装部材としてフットパネルを例示することとし、図9〜図11に既出の部材・部位と同一の部材・部位については同一の符号を付して説明する。
図1は、好適実施例に係る車両内装部材としてのフットパネルを、概略的な外形形状で例示した斜視図、図2は図1のII−II線断面図、図3はフットパネルの分解斜視図である。本実施例のフットパネル30は、衝撃吸収性能に優れた構造に形成された衝撃吸収部材40と、吸音性能に優れた素材から形成されて衝撃吸収部材40に対し裏側から取付けられる吸音部材50とから構成されている。なお外形形状は、装着される自動車の乗員室10のフロア形状に合わせて決定されるものであり、運転席側と助手席側で異なると共に車種毎にも異なる場合が多い。
衝撃吸収部材40は、例えばポリプロピレン(PP)等の合成樹脂を材質とするインジェクション成形品であって、乗員室10のフロア形状を前提とした形状・サイズに形成された薄肉の足掛板部42の裏側に、格子状に複数のリブ44を突設した形態に一体成形された所謂EAリブ構造を呈している。足掛板部42および各リブ44の厚み(肉厚)は、部分的に多少の差異はあるものの1〜1.5mmの範囲内に設定されており、リブ44の突出寸法(高さ寸法)Hが30mm程度に設定してあるため、フットパネル30の厚みは30mm程度となっている。リブ44は、足掛板部42の外部輪郭に沿って形成された輪郭リブと、足掛板部42の横方向へ延在すると共に縦方向へ50mm程度の間隔毎に形成されている横リブと、足掛板部42の縦方向へ延在すると共に横方向へ50mm程度の間隔毎に形成されている縦リブとからなり、各横リブと各縦リブとは略直角に交差した格子状を呈しており、足掛板部42の裏側に複数の区画部48が画成されている。
また足掛板部42には、衝撃吸収部材40の表側から裏側へ貫通した複数の開口46が開設されている。これら開口46は、直径Dが20mm前後とされた円形とされて、リブ44の形成位置から外れた位置に開設されており、衝撃吸収部材40の裏側に取付けられた吸音部材50をこの衝撃吸収部材40の表側へ臨ませ得るようになっている。なお衝撃吸収部材40は、足掛板部42に複数の開口46が開設されていたとしても、この衝撃吸収部材40に要求される通常使用時の剛性および衝撃力作用時の衝撃吸収性能の低下は殆ど無視できる程度となっている。
すなわちEAリブ構造とされた衝撃吸収部材40は、足掛板部42に対して表側から衝撃を伴わない外力が作用した場合、すなわち走行時に乗員Pが足を掛ける等の通常使用状態には、前述したリブ44が所謂補強リブとして機能して足掛板部42の陥凹的な変形を規制するため、フットパネル30として要求される剛性が確保されている。一方、足掛板部42に対して表側から衝撃を伴った外力が作用した場合、すなわち衝突事故発生時に乗員Pの足が衝突した場合等の衝撃力作用状態には、前述した各リブ44が座屈的に変形することに伴って足掛板部42が陥凹的に変形し、これにより衝撃吸収部材40が適宜に圧潰することで効果的な衝撃吸収が図られるようになる。
なお前述したリブ44は、図3に例示した形態の格子構造に限定されるものではなく、通常使用時の剛性および衝撃力作用時の衝撃吸収機能の両立が図られるようになれば、これ以外の構造であってもよい。また前述した開口46も、図1に例示した開設位置、開口形状、開口サイズに限定されるものではなく、楕円形、矩形状等としてもよい。
吸音部材50は、衝撃吸収部材40の外形形状と同一の外形形状に形成され、この衝撃吸収部材40の厚みが前述したように30mmに設定されている場合、その厚みWが15〜30mmの範囲内で設定されている。この吸音部材50は、例えばポリウレタンを40倍程度に発泡させて得られた密度が11±2kg/m程度の軟質ウレタンフォーム(低密度ウレタンフォーム)から形成されたもので、内部に多数の連続気泡(連泡)が形成されて見掛け密度が小さくなっているため軽量で柔軟性に優れている。そして、外部から入射した騒音が連続気泡部分で粘性摩擦を生ずるため、音エネルギーの一部が熱エネルギーに変換されて吸音作用を発現するようになる。
そして実施例の吸音部材50では、衝撃吸収部材40の裏側へ指向する側(裏側へ挿入される側)に、前述したリブ44の突出形状に対応的に合致して、このリブ44の嵌入を許容する所要深さの係止溝52が形成されている。これにより、リブ44を係止溝52へ整合させつつ嵌入することで(図4)、係止溝52により便宜上分割された各ブロック部54が区画部48へ嵌合し、衝撃吸収部材40に対する吸音部材50の取付けおよび保持が図られる(図5)。衝撃吸収部材40の裏側へ略完全に収容された状態で取付けられた吸音部材50は、衝撃吸収部材40の裏側へ全体的に露出した状態となる一方、衝撃吸収部材40の表側へは前述した各開口46を介して臨むようになる。なお図示の吸音部材50は、リブ44の幅(肉厚)と略同一の開口幅とした係止溝52を例示しているが、吸音部材50の柔軟性を考慮した場合、単にカッター等の刃具で切込みを入れて形成するようにしてもよい。
ここで本実施例のフットパネル30では、厚みWを20mmに設定した吸音部材50を実施しており、この吸音部材50に形成される係止溝52の深さ寸法Sはリブ44の突出寸法Hより小さく設定されている。具体的に係止溝52の深さ寸法Sは、厚みWを考慮して17mm程度に設定されており、この係止溝52が形成された最薄部位である連設部56の厚みW1は3mm程度となっている。従って、リブ44を係止溝52へ整合させて完全に嵌入した際には、図2および図5に例示したように、衝撃吸収部材40とこれに取付けられた吸音部材50との間に、開口46に連通する空間58が画成されるようになっている。各空間58は、リブ44によって仕切られて個々が独立しており、リブ44の突出寸法H(30mm)と係止溝52の深さ寸法S(17mm)の関係から空間高さが13mm程度となっている。
従って本実施例のフットパネル30は、衝撃吸収部材40と吸音部材50との間に、各開口46を介して表側(乗員室10側)へ開口した複数の空間58が画成された構造となっているため、所謂「ヘルムホルツ型レゾネータ」としての機能を発現させ得る。このため、開口46の直径Dや長さ、形成位置や形成個数、空間58の容積等を総合的に設定調整することにより、乗員室10で発生する様々な周波数帯域の騒音または特定の周波数帯域の騒音を効果的に低減することを可能とし得る。
なお、衝撃吸収部材40に対する吸音部材50の取付けは、係止溝52の幅をリブ44の幅より小さめに設定しておけば、吸音部材50の形状復元性(柔軟性)による係着力により接着剤等を使用する必要はない。但し、必要に応じて接着剤等を使用すれば、衝撃吸収部材40に対する吸音部材50の取付けが一段と確実となる。
前述したように構成された本実施例のフットパネル30は、吸音部材50を取付けた裏側を車体パネル22に接触させるようにして、適宜の取付手段を利用して車体パネル22に取付固定される。これにより通常使用状態においては、衝撃吸収部材40の足掛板部42がフロアマット26を介して乗員室10の側へ臨むようになるため、この衝撃吸収部材40が具有する剛性によりフットパネル30として好適に機能するようになる。また、衝突事故発生時においては、乗員Pの足が衝突して衝撃を伴った外力が足掛板部42へ加わると、各リブ44が座屈的に変形すると共に足掛板部42が陥凹的に変形し、これに伴って衝撃吸収部材40が適宜に圧潰することでその衝撃を好適に吸収するようになり、乗員の負傷度合の軽減を図り得るようになる。なお吸音部材50は、柔軟性に富んでいるために衝撃吸収部材40の圧潰が規制されることはなく、寧ろ乗員Pが衝突した際に緩衝材としての機能が発現されることもある。
また本実施例のフットパネル30は、吸音部材50が、車体パネル22の側へ全面的に臨んでいるため、車外で発生して車体パネル22を介して乗員室10内へ侵入する種々騒音をこの吸音部材50で好適に吸収させ得るため、乗員室10の静粛性向上に寄与する。一方、吸音部材50が各開口46を介して乗員室10の側へ臨んでいるため、乗員室10内で発生する種々騒音をもこの吸音部材50で好適に吸収させ得るため、乗員室10の静粛性向上に一段と寄与し得る。
なお図6に例示するように、厚みWを30mm以上(具体的には33mm程度)に設定した吸音部材50を使用しようした場合には、係止溝52の深さ寸法Sをリブ44の突出寸法Hと同一乃至大きく設定することが可能となる。例えば、係止溝52の深さ寸法Sをリブ44の突出寸法Hと同一とした場合、リブ44を係止溝52へ整合させつつ完全に嵌入した際には、衝撃吸収部材40に取付けられた吸音部材50が、足掛板部42の裏面へ密着して各開口46へ隙間なく臨むようになる。すなわち変更例のフットパネル30は、衝撃吸収部材40と略同一サイズの吸音部材50を取付けた構造となるため、レゾネータとしての機能は殆ど発現されないものの、吸音部材50の厚みが大きくなったことにより吸音機能の更なる向上が期待される。
すなわち本実施例のフットパネルFPは、衝撃吸収部材40に設けたリブ44の突出寸法Hと吸音部材50に設けた係止溝52の深さ寸法Sとの設定により、衝撃吸収部材40とこの裏側に取付けた吸音部材50との間に、開口46を介して表側へ連通する空間58を画成することが可能である。
(吸音性能試験)
次に、本願発明者が実施した吸音性能試験について説明する。先ず本願発明者は、本実施例のフットパネル30の吸音性能を検証するために、次に例示した合計5タイプに対する垂直入射吸音率の測定試験を夫々行なった。なお測定方法は、JIS A 1405「管内法による建築材料の垂直入射吸音率測定方法」に準拠する。
(1)図5に例示した空間58を有するタイプのフットパネル30(第1実施例品)、
(2)図6に例示した空間58を有さないタイプのフットパネル30(第2実施例品)、
(3)吸音部材50を有さない衝撃吸収部材40だけとしたフットパネル30(参考品)、
(4)従来実施のフェルト等から形成された吸音シート材24(第1従来品)、
(5)図10に例示した混合樹脂ビーズ発泡体から形成された従来のフットパネル18(第2従来品)、
なお、試験条件は次のようである。
・第1実施例品および第2実施例品の厚み:30mm
・第1実施例品の吸音部材50の厚みW:15mm
・第2実施例品の吸音部材50の厚みW:30mm
・衝撃吸収部材40の開口46の直径D:22mm
・吸音部材50の材質:軟質ウレタンフォーム(低密度ウレタンフォーム)
・第1従来品および第2従来品の厚み:30mm
表1は、前述した5タイプ(第1実施例品、第2実施例品、参考品、第1従来品、第2従来品)に関して実施した垂直入射吸音率の測定結果を纏めたものであり、また図7は、この測定結果をもとに作成したグラフである。
Figure 2005145383
吸音性能に優れた吸音シート材24である第1従来品では、予想された結果であるが、周波数が高くなる程に吸音率が向上するようになり、2500〜3150Hzの音の吸音率は略98%以上になった。一方、混合樹脂ビーズ発泡体から形成された従来のフットパネル18である第2従来品では、800Hz以下の音の吸音率は10%以下であり、3200Hzまでの音の吸音率も20%以下に留まっており、極めて吸音性能が低いことが確認された。
これに対し、空間58を有する本実施例のフットパネル30である第1実施例品では、1250Hz程度において若干の低下はあるものの、全周波数帯域において吸音率が第1従来品と略同等となっており、2500Hz前後の音の吸音率は実に99.3%になっている。これは、吸音部材50の厚みWが小さいものの、前述した各空間58がレゾネータとして機能し、吸音率が向上するようになったものと思われる。すなわち、空間58を画成した本実施例のフットパネル30は、吸音性能が優れた従来実施の吸音シート材24と略同等の吸音性能を発揮しており、衝撃吸収性能と吸音性能の両方を高次元で兼備していることが確認された。
また、空間58を有さない本実施例のフットパネル30である第2実施例品では、2000Hz前後の周波数における音の吸音率が90%以上でピークとなり、この2000Hz以上の周波数における音の吸音率は前述した吸音シート材24の吸音率よりも若干低下するものの、逆に2000Hz以下の周波数における音の吸音率は吸音シート材24の吸音率よりも良好となることが判明した。この第2実施例品の吸音部材50の厚みWは、第1従来品の厚みと略同一の30mmであることから、この吸音部材50の吸音特性が反映されていると思われる。
この測定結果から、従来の吸音シート材24と同等の吸音性能を得る必要がある場合は、空間58を有する形態のフットパネル30とすればよく、また2000Hz以下の周波数の音の吸音率を高めたい場合には、空間58を有さない形態のフットパネル30とすればよいと結論付けることができる。なお、吸音部材50を取付けない参考品では、当然のことながら吸音率が低く、第2従来品と略同等の吸音率となった。
なお、フェルトから形成された吸音シート材24は、実際には厚みを10mm程度としたものが実施に供されており、厚みを30mmとすることは重量が嵩んで車重増加を招来するため、実際の使用には現実的とはいえない。従って、10mm程度の厚みとした場合には、前述した測定結果よりも吸音率が低下するものと思われる。しかしながら、本実施例のフットパネル30では、吸音部材50の厚みWを30mmとした場合でも重量増加は少なく抑えることができるため、軽量化を図りつつも吸音性能を大幅に高め得る。
一方、表2は、図5に例示した空間58を有するタイプのフットパネル30および図6に例示した空間58を有さないタイプのフットパネル30に関し、同一寸法で材質が異なる3種類の吸音部材50を取付けた場合の垂直入射吸音率の測定結果を纏めたものであり、また図8は、この測定結果をもとに作成したグラフである(但し、グラフには空間58を有するタイプのフットパネル30に関する測定結果だけを表示してある)。すなわち吸音部材50は、(1)前述した低密度ウレタンフォーム(密度が11±2kg/m程度)を材質とするもの(第1実施例品)、(2)高密度ウレタンフォーム(密度が25±2kg/m程度)を材質とするもの(第3実施例品)、(3)チップウレタン(ウレタン再生圧縮材)を材質とするもの(第4実施例品)、である。
Figure 2005145383
図8に例示したように、第1実施例品、第3実施例品、第4実施例品ともに、多少の差異はあるものの、全体的には吸音率に大きな差がないことが判明した。従って、本実施例のフットパネルFPは、吸音効果のある材質から形成された吸音部材50であれば、どのような材質のものであっても騒音の好適な吸収を図ることができ、軽量化、コスト等を考慮して材質を決定すればよい。
なお前述した実施例では、車両内装部材としてフットパネルを例示したが、本願が対象とする車両内装部材はこれに限定されるものではなく、これ以外に前述したドアトリム14やコラムカバー16、これ以外のピラーガーニッシュや天井パネル等も対象とされる。
本発明に係る車両内装部材は、自動車の乗員室内において乗員の近傍に配設される車両内装部材であって、例えばフットパネル、ドアトリム、コラムカバー、ピラーガーニッシュおよび天井パネル等が対象とされ、これらが実施される種々タイプの自動車に実施可能である。
本発明の好適実施例に係る車両内装部材であるフットパネルを、概略形状で例示した概略斜視図である。 図1のII−II線断面図である。 衝撃吸収部材および吸音部材からなるフットパネルの分解斜視図である。 衝撃吸収部材の裏側へ吸音部材を取付ける状態を示した説明断面図である。 衝撃吸収部材の裏側へ吸音部材を取付けた状態を示した説明断面図であって、衝撃吸収部材と吸音部材との間に、開口を介して表側へ連通する空間が画成されるタイプのフットパネルを例示している。 衝撃吸収部材の裏側へ吸音部材を取付けた状態を示した説明断面図であって、吸音部材が足掛板部の裏側に密着して開口に臨むようになるタイプのフットパネルを例示している。 本願発明者が実施した垂直入射吸音率測定方法の測定結果を例示したグラフである。 本願発明者が実施した別の垂直入射吸音率測定方法の測定結果を例示したグラフである。 車両内装部材である従来のフットパネルの実施状態を例示した説明断面図である。 混合樹脂ビーズ発泡体から形成された従来のフットパネルの一例を例示した概略斜視図である。 図10のX−X線断面図である。
符号の説明
10 乗員室
40 衝撃吸収部材
44 リブ
46 開口
50 吸音部材
52 係止溝
58 空間
H 突出寸法(リブ44の)
S 深さ寸法(係止溝52の)
P 乗員

Claims (3)

  1. 自動車の乗員室(10)内において乗員(P)の近傍に配設される車両内装部材であって、
    裏側へ貫通する複数の開口(46)を有すると共に裏側に複数のリブ(44)を有し、表側から乗員(P)が衝突した際に該リブ(44)の変形により適宜に圧潰する衝撃吸収部材(40)と、
    騒音を吸収し得る素材を材質とし、前記衝撃吸収部材(40)に対し裏側から取付けられる吸音部材(50)とからなり、
    前記吸音部材(50)には、前記リブ(44)の突出形状に対応的に合致して、該リブ(44)の嵌入を許容する所要深さの係止溝(52)が形成され、
    前記リブ(44)を前記係止溝(52)へ嵌入することで衝撃吸収部材(40)に対する吸音部材(50)の取付けが図られ、前記各開口(46)を介して該吸音部材(50)を表側へ臨ませるよう構成したことを特徴とする車両内装部材。
  2. 前記係止溝(52)の深さ寸法(S)は前記リブ(44)の突出寸法(H)より小さく設定され、前記衝撃吸収部材(40)とこれに取付けられた前記吸音部材(50)との間に、前記開口(46)に連通する空間(58)が画成されるようになっている請求項1記載の車両内装部材。
  3. 前記係止溝(52)の深さ寸法(S)は前記リブ(44)の突出寸法(H)と同一乃至大きく設定され、前記衝撃吸収部材(40)に取付けられた前記吸音部材(50)が、前記開口(46)へ隙間なく臨むようになっている請求項1記載の車両内装部材。
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