JP2005145086A - シートベルトリトラクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】クラッチオフ設定時にノイズの発生を防止することのできるシートベルトリトラクタを提供する。
【解決手段】スプールを回転するモータの逆回転で、上側コネクトギヤ27が時計回りに回転し、クラッチギヤ31およびその回転軸32がともにガイド孔11gに沿って右方へ移動する。クラッチギヤ31がキャリヤギヤ17の外歯17bからはずれて、クラッチギヤ停止保持部11kの内歯に噛合する。回転軸32がガイド孔11gの右端に当接すると、クラッチギヤ31と回転軸32の右方への移動が停止するとともに、クラッチギヤ31の回転(自転)が停止する。これにより、クラッチオフの設定が達成される。そして、クラッチギヤ31の回転が停止することで、クラッチ機構および動力伝達機構8の他の回転によるノイズの発生が防止される。
【選択図】 図5

Description

本発明は、自動車等の車両に装備され、乗員を拘束保護するためのシートベルトをモータにより巻取るシートベルトリトラクタの技術分野に関し、モータの動力伝達経路を接続および遮断するクラッチ機構を備えているシートベルトリトラクタの技術分野に関するものである。
従来から自動車等の車両に装備されているシートベルト装置は、衝突時等の車両に大きな減速度が作用した場合のような緊急時に、シートベルトで乗員を拘束することにより乗員のシートからの飛び出しを阻止して、乗員を保護している。
このようなシートベルト装置においては、シートベルトを巻き取るシートベルトリトラクタが設けられている。このシートベルトリトラクタは、シートベルトを巻き取るスプールを常時巻取り方向に付勢するうず巻きばね等の付勢力付与手段を備えている。この付勢力付与手段の付勢力により、シートベルトは非装着時にはスプールに巻き取られている。また、シートベルトは装着時には付勢力付与手段の付勢力に抗して引き出されて、乗員に装着される。そして、シートベルトリトラクタは、前述のような緊急時にロック手段が作動してスプールの引出し方向の回転を阻止することにより、シートベルトの引出しが阻止される。これにより、緊急時にシートベルトは乗員を確実に拘束し、保護するようになる。
このような従来からのシートベルト装置においては、シートベルト装着時には付勢力付与手段の付勢力によるほぼ一定のベルトテンションがシートベルトに加えられている。このため、シートベルトリトラクタは自車と自車周囲の物体との間の状況に関係なくほぼ同じ態様で作動するようになっている。しかしながら、従来のシートベルト装置は前述のように緊急時に乗員を確実に拘束し保護することができるが、前述のような緊急時以外のときに乗員に対してより快適に制御されているとは言えない。しかも、緊急時に乗員を堅固に拘束して更に一層確実に保護するようにすることが望ましい。
そこで、自車と物体との間の状況を加味してモータでシートベルトリトラクタのスプールの回転を制御し、ベルトテンションを制御することにより、乗員の拘束保護をより一層効率よくかつ乗員に対してより一層快適に行うようにした乗員拘束保護システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に開示のシートベルトリトラクタにおいては、モータの駆動力をスプールに伝達するための動力伝達経路がモータの非駆動時にオフに設定されて、モータの駆動力がスプールに伝達されず、モータおよびスプールは互いに自由に回転可能とされる。シートベルトの強制巻き取り動作を行うため、モータがベルト巻き取り方向(正回転)に駆動されると、このモータの正回転で動力伝達経路が接続され、モータの駆動力がスプールに伝達可能となる。これにより、モータの駆動力でスプールがベルト巻き取り方向に回転し、シートベルトが巻き取られることで、ベルトテンションが増大するように制御される。また、動力伝達経路が接続された状態で、シートベルトの強制巻き取り動作を解除するために、モータを逆回転させると、動力伝達経路が遮断される。これにより、モータおよびスプールは互いに自由に回転可能とされ、スプールはモータの駆動力の影響を受けない。
このように、特許文献1に開示のシートベルトリトラクタは、動力伝達経路を接続するクラッチがモータの正回転によりオン(作動)に設定されて動力伝達経路が接続され、また、このクラッチがモータの逆回転によりオフ(作動解除)に設定されて動力伝達経路が遮断されるようになっている。
特開2002−104135号公報
ところで、特許文献1に開示のシートベルトリトラクタでは、モータの逆回転で動力伝達経路のクラッチがオフに設定された後、モータの駆動を停止する必要がある。そこで、従来は、一般にモータの逆回転開始からクラッチオフの設定が達成されるまでの時間に基づいてモータの逆回転時間を設定している。その場合、クラッチのオフ達成のタイミングがリトラクタの作動状況に応じて変化するため、オフ達成に最も長い時間が必要な状況におけるモータの逆回転時間をオフ達成に必要な時間として定めることにより、あらゆる状況においてクラッチオフが確実に設定されてから、モータの駆動を停止している。
しかしながら、このようにクラッチオフの設定のためのモータの逆回転時間を定めた場合、通常時最も多く起こり得るリトラクタの作動状況下では、クラッチオフの設定後にも比較的長い時間、モータの逆回転が行われてしまい、メカニカルノイズが発生する。このメカニカルノイズは、特許文献1に開示のシートベルトリトラクタを使用する場合に特に問題にならないが、可能な限りメカニカルノイズを低減することが望ましい。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、クラッチオフ設定時にノイズの発生を防止することのできるシートベルトリトラクタを提供することである。
前述の課題を解決するために、請求項1の発明は、シートベルトを巻取るスプールと、このスプールを回転させる回転トルクを発生するモータと、オンに設定されたとき、前記モータの回転トルクを前記スプールに伝達する動力伝達経路を接続し、かつオフに設定されたとき、前記動力伝達経路を遮断するクラッチ機構とを少なくとも備えているシートベルトリトラクタにおいて、前記クラッチ機構がオフに設定されたときに、ノイズが発生するのを防止するノイズ防止手段を少なくとも備えていることを特徴としている。
また、請求項2の発明は、前記クラッチ機構が、動力伝達経路を接続するクラッチオン位置と動力伝達経路を遮断するクラッチオフ位置との間で移動可能であるとともに前記モータに接続されているモータ側ギヤに常時噛合するクラッチギヤを備えており、前記ノイズ防止手段が、前記クラッチギヤが前記クラッチオフ位置となったときに、ノイズが発生するのを防止する手段であることを特徴としている。
更に、請求項3の発明は、前記ノイズ防止手段が、前記クラッチギヤが前記クラッチオフ位置となったとき、このクラッチギヤの回転を停止するクラッチギヤ停止保持手段であることを特徴としている。
更に、請求項4の発明は、前記クラッチギヤ停止保持手段が、前記クラッチギヤが噛合可能な歯で形成されていることを特徴としている。
このように構成された請求項1ないし4の発明に係るシートベルトリトラクタによれば、クラッチ機構がオフに設定されたときには、ノイズ防止手段により、クラッチ機構および動力伝達機構からノイズが発生するのを防止することができる。
特に、請求項2ないし4の発明に係るシートベルトリトラクタによれば、クラッチギヤがクラッチオフ位置となったときに、ノイズ防止手段により、クラッチ機構および動力伝達機構からノイズが発生するのを確実に防止することができる。
また、請求項3および4の発明によれば、クラッチギヤがクラッチオフ位置となったとき、クラッチギヤ停止保持手段によりクラッチギヤの回転を停止しているので、クラッチギヤの回転にともなって発生するノイズを防止できる。特に、請求項4の発明によれば、クラッチギヤ停止保持手段をクラッチギヤが噛合可能な歯で形成しているので、クラッチ機構のオフ時にクラッチギヤの回転を確実に停止することができ、簡単な構成でノイズ発生の防止を効果的に図ることができる。
以下、図面を用いて本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は本発明にかかるシートベルトリトラクタの実施の形態の一例を示す、分解斜視図、図2は、図1に示す例のシートベルトリトラクタをリテーナカバーを外した状態で示す左側面図である。なお、以下の説明において、特に断らない限り、「左」、「右」は説明に使用する図において「左」、「右」であり、また、「時計回り」、「反時計回り」は説明に使用する図において「時計回り」、「反時計回り」である。
図1に示すように、この例のシートベルトリトラクタ1は、大きく分けてフレーム2と、必要時に乗員を拘束するシートベルト3と、このシートベルト3を巻き取るスプール4と、フレーム2の一側に配設され、衝突時等の所定減速度以上の大減速度時に作動してスプール4のベルト引出し方向αの回転を阻止するロック手段5と、スプール4に付与する回転トルクを発生するモータ6と、モータ6の回転を比較的高い減速比で減速してスプール4に伝達する高減速比減速機構7aとモータ6の回転を比較的低い減速比で減速してスプール4に伝達する低減速比減速機構7bとを有するとともに、第1動力伝達経路と第2動力伝達経路とが設定されて、モータ6の回転トルクをこれらの第1動力伝達経路および第2動力伝達経路のいずれか一方を選択的に介してスプール4に伝達する動力伝達歯車機構8と、動力伝達歯車機構8を第1動力伝達経路と第2動力伝達経路のいずれか一方に選択的に切り換え設定する動力伝達モード切換機構9とからなっている。
フレーム2は、平行な一対の側壁2a,2bとこれらの側壁2a,2bを連結する背板2cとからなっている。このフレーム2内の両側壁2a,2b間には、シートベルト3を巻き取るためのスプール4が回転可能に配設されている。このスプール4は、シートベルトリトラクタ1において従来周知慣用のスプールを用いることができる。
一方の側壁2aには、ロック手段5が取り付けられている。このロック手段5もシートベルトリトラクタにおいて従来周知慣用のロック手段を用いることができる。すなわち、ロック手段5は、車両に加えられる所定減速度以上の大減速度をヴィークルセンサ(減速度感知センサ)が感知して作動したとき、あるいはシートベルト3の所定速度以上の引出し速度をウェビングセンサ(ベルト引出し速度感知センサ)が感知して作動したとき作動して、スプール4の引出し方向αの回転を阻止するようになっている。
なお、図示しないがスプール4とロック手段5との間には、ロック手段5の作動によりシートベルト3の引出しが阻止されたとき、シートベルト3の荷重を制限する従来周知慣用のフォースリミッタ機構(エネルギ吸収機構:以下、EA機構ともいう)が設けられている。このEA機構としては、例えば従来周知のトーションバーから構成することができ、ロック手段5の作動によりシートベルト3の引出しが阻止されたとき、このトーションバーがねじれ変形することで、シートベルト3の荷重が制限され、衝撃エネルギが吸収されるようになっている。
図1および図2に示すように、モータ6は、フレーム2の他方の側壁2bに3個のねじ10により取り付けられているリテーナ11のフレーム2取付面側に、一対のねじ12により取り付けられる。このモータ6のモータ回転軸6aがリテーナ11の貫通孔11aを貫通しており、リテーナ11のフレーム2側と反対側に突出したモータ回転軸6aに外歯を有するモータギヤ13がモータ回転軸6aと一体回転可能に取り付けられている。
図1に示すように、スプール4および前述のEA機構(例えば、トーションバー)の両方と減速機構7a,7bとの間には、これらを回転方向に連結するコネクタ14が設けられている。このコネクタ14は、スプール4およびEA機構の両方と回転方向に連結する第1回転連結部14aと、コネクタ側軸受け17と回転方向に連結する第2回転連結部14bと、スプライン状に形成されて減速機構7a,7bと回転方向に連結する第3回転連結部14cとから構成されている。
第1回転連結部14aは、図1に明瞭に示されていないが多角筒状に形成されており、その外面側がスプール4にこのスプール4と一体回転可能に連結されるとともに、その内面側がEA機構(例えば、トーションバー)にこのEA機構と一体回転可能に連結されるようになっている(なお、コネクタ14とスプール4およびEA機構との一体回転可能な連結構造は従来周知であるので、その具体的な説明は省略する)。
第2回転連結部14bの外周面が断面多角形状に形成されているとともに、コネクタ側軸受け15の内周面が同じ断面多角形状に形成されている。そして、コネクタ側軸受け15が第2回転連結部14bに嵌合することで、コネクタ側軸受け15はコネクタ14に相対回転不能に取り付けられる。このコネクタ側軸受け15が、リテーナ11の孔11bに相対回転不能に取り付けられるリテーナ側軸受け16に相対回転可能に支持されることにより、コネクタ14がリテーナ11に回転可能に支持されている。
第3回転連結部14cには、例えばスプライン溝のような軸方向に延びる所定数の係合溝が周方向に等間隔をおいて形成されている。
高減速比減速機構7aは、環状のキャリヤギヤ17と、このキャリヤギヤ17に回転可能に取り付けられる所定数(図示例では3個)のプラネットギヤ18と、円環状のリング部材19と、サンギヤ部材20とを備えている。
キャリヤギヤ17の内周面17aのコネクタ14側部分には、例えばスプライン溝のような軸方向に延びる所定数の係合溝が周方向に等間隔をおいて形成されている。この内周面17aの係合溝がコネクタ14の第3回転連結部14cの係合溝間の凸部に嵌合しかつ内周面17aの係合溝間の凸部がコネクタ14の第3回転連結部14cの係合溝に嵌合(スプライン嵌合と同様の嵌合)することで、キャリヤギヤ17がコネクタ14に相対回転不能に、つまりコネクタ14と一体回転可能に連結される。また、このキャリヤギヤ17の外周面には、外歯17bが形成されている。
プラネットギヤ18は減速プレート21を介して減速ピン22によりキャリヤギヤ17に回転可能に取り付けられる。
リング部材19は、内周面に形成されたインターナルギヤ19aと外周面に形成されたラチェット歯19bとを備えており、これらのインターナルギヤ19aとラチェット歯19bは互いに一体に回転するようになっている。
サンギヤ部材20は、図3(a)および(b)に示すように小径の外歯からなるサンギヤ20aと大径の外歯20bを備えており、これらのサンギヤ20aと外歯20bは互いに一体に回転するようになっている。
そして、キャリヤギヤ17に支持された各プラネットギヤ18がともにサンギヤ20aとインターナルギヤ19aとに常時噛合して、遊星歯車機構が構成されている。これにより、減速機構7は、サンギヤ20a入力でキャリヤギヤ17出力の遊星歯車減速機構として構成される。
図1に示すように動力伝達機構8は、更に、コネクトギヤ23と、一対のクラッチスプリング24と、一対のプーリ25と、外歯を有する下側コネクトギヤ26と、外歯を有する上側コネクトギヤ27と、ガイドプレート28と、外歯を有するアイドルギヤ29とを備えている。
コネクトギヤ23は、リテーナ11に立設された回転軸11cに回転可能に支持され、大径の外歯からなる第1コネクトギヤ23aと小径の第2コネクトギヤ23bを備えており、これらの第1および第2コネクトギヤ23a,23bは互いに一体に回転するようになっている。その場合、図2に示すように大径の第1コネクトギヤ23aはモータギヤ13に常時噛合されている。
図1に示すように、下側コネクトギヤ26の両側面には回転軸26aがそれぞれ突設されており(図1には、一方の回転軸26aのみ図示)、これらの回転軸26aを軸方向に貫通する貫通孔26bが穿設されている。各回転軸26aには平坦部が形成されているとともに、各プーリ25の長孔25aが平坦部の平面に沿うようにして嵌合されている。これにより、各プーリ25がともに下側コネクトギヤ26の両側面に下側コネクトギヤ26と一体回転可能に支持されている。各プーリ25には、それぞれクラッチスプリング24が第1湾曲係止部24aが係止されている。更に、下側コネクトギヤ26の一側の回転軸26aには上側コネクトギヤ27が下側コネクトギヤ26と一体回転可能に支持されている。
そして、各プーリ25、下側コネクトギヤ26および上側コネクトギヤ27がリテーナ11に立設された回転軸11dに回転可能に支持される。
ガイドプレート28は、その一対の孔28aがリテーナ11に立設された一対の支持軸11eにそれぞれ嵌合支持された状態で、一対のねじ30をガイドプレート28の対応するねじ孔28bを貫通させかつリテーナ11に穿設された一対のねじ孔11fに螺合することで、リテーナ11に取り付けられている。このガイドプレート28に立設された回転軸28cに、アイドルギヤ29が回転可能に支持されている。図2に示すように、このアイドルギヤ29は、サンギヤ部材20の外歯20b、コネクトギヤ23の小径の第2コネクトギヤ23bおよび上側コネクトギヤ27のいずれにも常時噛合されている。
そして、低減速比減速機構7bは、上側コネクトギヤ27と、下側コネクトギヤ26と、クラッチギヤ31およびキャリヤギヤ17とを備えている。
したがって、アイドルギヤ29に伝達されたモータ6の回転トルクは、アイドルギヤ29から低減速比減速機構7bを介してスプール4に伝達されるか、あるいはアイドルギヤ29から高減速比減速機構7aを介してスプール4に伝達されるようになる。
図1に示すように、動力伝達モード切換機構9は、外歯を有するクラッチギヤ31と、回転軸32と、クラッチアーム33と、クラッチパウル34と、抵抗スプリング35と、スプリングストッパ36とを備えている。
図5に示すようにクラッチギヤ31は、このクラッチギヤ31より大径のキャリヤギヤ17の外歯17bに噛合可能とされているとともに、図示しないが下側コネクトギヤ(本発明のモータ側ギヤに相当)26に常時噛合されている。回転軸32は、クラッチギヤ31の中心孔31aを貫通してこのクラッチギヤ31を回転可能に支持している。
クラッチアーム33は両側壁33a,33bと底部(不図示)とからなる断面コ字状に形成されている。両側壁33a,33bの一端側は底部が突出しており、これらの突出部に直線状の支持溝33cが形成されている。そして、両側壁33a,33bの両突出部の間にクラッチギヤ31が配置され、クラッチギヤ31の両側面から突出する回転軸32がそれぞれ対応する支持溝33cにこれらの溝33cに沿って移動可能に支持されている。更に、回転軸32の両側壁33a,33から突出する突出部分に各クラッチスプリング24の第2湾曲係止部24bが係止されている。更に、回転軸32の一端側は、リテーナ11に穿設されたガイド孔11gに嵌合支持されている。このガイド孔11gは、回転軸11dを中心とした円の円弧として形成されている。したがって、回転軸32はガイド孔11にガイドされて、回転軸11dを中心とした円の円周に沿って移動可能となっている。
また、両側壁33a,33bの他端側には、それぞれ長孔33dが穿設されているとともにほぼ円弧状の係合部33eが突設されている。更に、両側壁33a,33bの長手方向中央部には、それぞれ支持孔33fが穿設されている。クラッチアーム33は、これらの支持孔33fがリテーナ11に立設された支持軸11hに嵌合されて回動可能に支持され、Eリング37を支持軸11hに組み付けることで抜け止めされている。
クラッチパウル34は、一端側に支持孔34aが穿設されているとともに、他端側に係止爪34bが形成されている。また、クラッチパウル34の他端側つまり係止爪34b側には、係合ピン34cが立設されている。係合ピン34cはクラッチアーム33の長孔33dに嵌合されていて、クラッチアーム33に対して相対回動可能にかつ長孔33dに沿って相対移動可能とされている。図4に示すように、クラッチパウル34は、パウルピン38を支持孔34aに貫通させかつリテーナ11のピン孔11iに挿入係止させることで、リテーナ11に回動可能に取り付けられる。そして、図6に示すように係止爪34bがリング部材19の時計回り(スプール4のベルト引出し方向αに対応)の回転に対してラチェット歯19bに係止可能となっており、係止爪34bがラチェット歯19bに係止したときは、リング部材19の時計回りの回転が阻止される。
抵抗スプリング35は帯状の板ばねから構成されており、下端部がL字状に形成された支持部35aとされているとともに、長手方向中央より上方位置にコ字状の凹部35bが形成されている。この凹部35bより下方の支持部35aまでが平面とされているとともに、凹部35bより上端までが湾曲面とされている。この凹部35bには、クラッチアーム33の係合部33eが係脱可能とされている。図4に示すように、この係合部33eが凹部35bに係合した状態では、支持溝33cの延設方向がガイド孔11gの円弧の接線方向となり、回転軸32がガイド孔11gから支持溝33cへおよび逆の支持溝33cからガイド孔11gへ移動可能となっている。
そして、クラッチスプリング24,プーリ25、下側コネクトギヤ26、上側コネクトギヤ27、アイドルギヤ29、クラッチギヤ31、回転軸32、クラッチアーム33、クラッチパウル34、抵抗スプリング35により、本発明のクラッチ機構が構成されている。
スプリングストッパ36はL字状に形成されており、このスプリングストッパ36とリテーナ11に形成されたスプリング取付部11jとの間に支持部35aが挟持されることで、抵抗スプリング35がリテーナ11に上端を自由端とした片持ち支持で取り付けられている。
また、図1、図4ないし図6に示すようにリテーナ11には、内歯からなるクラッチギヤ停止保持部(本発明のノイズ防止手段およびクラッチギヤ停止保持手段に相当)11kが設けられている。後述するように回転軸32がガイド孔11gの右端に当接してクラッチギヤ31が最右位置に設定される図4に示す動力伝達遮断モードのときに、クラッチギヤ31がこのクラッチギヤ停止保持部11kの内歯に噛合することでその反時計回りの回転を停止されかつこの停止状態に保持される。
前述の減速機構7、動力伝達歯車機構8および動力伝達モード切換機構9の各構成要素が、リテーナ11のフレーム2取付側と反対側の面に形成された凹部内に組み付けられた状態で、この面にリテーナカバー39が所定数(図示例では4個)のねじ40で取り付けられて、これらの構成要素がカバーされる。
このように構成された動力伝達歯車機構8は、次の3つの動力伝達モードが設定されている。
(1)動力伝達遮断モード
図4に示すように、動力伝達遮断モードでは動力伝達モード切換機構9におけるクラッチアーム33の係合部33eが抵抗スプリング35の凹部35bに係合した状態にされる。また、係合部33eが凹部35bに係合した状態では、クラッチパウル34の係止爪34bがリング部材19のラチェット歯19bに係合されなく、リング部材19は回転自由となっている。これにより、サンギヤ部材20とキャリヤギヤ17との間のトルク伝達経路(後述するように、低速かつ高トルク伝達経路)は遮断される。
一方、回転軸32がガイド孔11gの右端に当接してクラッチギヤ31は最右位置である動力遮断位置(クラッチオフ位置)に設定される。この動力遮断位置では、クラッチギヤ31はキャリヤギヤ17の外歯17bから離れているとともにクラッチギヤ停止保持部11kの内歯に噛合し、その反時計回りの回転が停止保持された状態となっている。これにより、クラッチギヤ31とキャリヤギヤ17との間のトルク伝達経路(後述するように、高速かつ低トルク伝達経路)が遮断される。
したがって、動力伝達遮断モードはスプール4とモータ6が接続されず、モータ6の回転トルクがスプール4へ伝達されない、かつ、スプール4の回転トルクもモータ6へ伝達されない動力伝達モードである。
(2)低減速比動力伝達モード
図5に示すように、低減速比動力伝達モードでは、動力伝達遮断モードと同様にクラッチアーム33の係合部33eが抵抗スプリング35の凹部35bに係合した状態にされる。また、係合部33eが凹部35bに係合した状態では、クラッチパウル34の係止爪34bが19のラチェット歯19bに係合されなく、リング部材19は回転自由となっている。これにより、サンギヤ部材20とキャリヤギヤ17との低速かつ高トルク伝達経路は遮断される。
一方、回転軸32がガイド孔11gの中央の最高位置(スプール4の回転軸に最も接近した位置)に設定され、クラッチギヤ31も最高位置(スプール4の回転軸に最も接近した位置)に設定される。この最高位置では、クラッチギヤ31はキャリヤギヤ17の外歯17bに噛合する。これにより、クラッチギヤ31がクラッチオン位置となって、クラッチギヤ31とキャリヤギヤ17との間の高速かつ低トルク伝達経路が接続される。すなわち、モータ6は、モータギヤ13、コネクトギヤ23、アイドルギヤ29、上側コネクトギヤ27、下側コネクトギヤ26、クラッチギヤ31、キャリヤギヤ17およびコネクタ14を介してスプール4に接続されている。したがって、低減速比の動力伝達経路が設定される。また、回転軸32の最高位置では、回転軸32はクラッチアーム33の支持溝33c内に進入してクラッチアーム33に当接している。
このように、この低減速比動力伝達モードは低減速比で、高速かつ低トルク伝達経路が設定される動力伝達モードである。この低減速比動力伝達モードでは、モータ6の駆動により迅速なベルト巻取りが可能となる。
(3)高減速比動力伝達モード
図6に示すように、高減速比動力伝達モードでは、クラッチアーム33の係合部33eが抵抗スプリング35の凹部35bから脱出し、抵抗スプリング35の凹部35bより上方の湾曲部に位置した状態にされる。また、このように係合部33eが凹部35bから脱出した状態では、クラッチパウル34の係止爪34bがリング部材19のラチェット歯19bに時計回りに係合し、リング部材19は時計回りの回転が阻止されている。これにより、サンギヤ部材20とキャリヤギヤ17との低速かつ高トルク伝達経路が接続される。すなわち、モータ6は、モータギヤ13、コネクトギヤ23、アイドルギヤ29、サンギヤ部材20の外歯20b、サンギヤ20a、プラネットギヤ18、キャリヤギヤ17およびコネクタ14を介してスプール4に接続されている。したがって、遊星歯車機構により高減速比の動力伝達経路が設定される。
一方、回転軸32がガイド孔11gの左端に当接してクラッチギヤ31は最左位置に設定される。この最左位置では、クラッチギヤ31はキャリヤギヤ17の外歯17bから離れている。これにより、クラッチギヤ31とキャリヤギヤ17との間の高速かつ低トルク伝達経路が遮断される。
この高減速比動力伝達モードは高減速比で、低速かつ高トルク伝達経路が設定される動力伝達モードである。この高減速比動力伝達モードでは、モータ6の駆動により高ベルト張力でのベルト巻取りが行われる。
このように、クラッチギヤ31は、動力伝達経路を接続するクラッチオン位置と動力伝達経路を遮断するクラッチオフ位置との間で移動可能となっている。これらの動力伝達遮断モード、低減速比動力伝達モード、高減速比動力伝達モード間の動力伝達モード切換は、動力伝達モード切換機構9によって行われる。
(1)動力伝達遮断モード→低減速比動力伝達モードの動力伝達モード切換
図4に示す動力伝達遮断モードの状態から、モータ6が正回転(図4においてモータ回転軸6aが時計回り:スプール4のベルト巻取り方向βの回転に対応)すると、モータギヤ13、コネクトギヤ23、アイドルギヤ29および上側クラッチギヤ27を介して下側クラッチギヤ26とプーリ25とがそれぞれスプール4のベルト巻取り方向βに対応した方向に回転する。すると、クラッチギヤ31がベルト巻取り方向βに対応した方向、つまり図4において時計回りに回転するが、このとき、クラッチギヤ31はクラッチギヤ停止保持部11kの内歯に噛合しているとともに回転軸32が抵抗を受けないので、クラッチスプリング24がプーリ25と同方向に回動する。これにより、クラッチギヤ31および回転軸32がガイド孔11gに沿って左方に移動する。クラッチギヤ31および回転軸32が所定量左方に移動すると、クラッチギヤ31はクラッチギヤ停止保持部11kの内歯から外れて空転し、その後、図5に示すように回転軸32がクラッチアーム33に当接する。
この回転軸32がクラッチアーム33に当接した位置では、図5に示すようにクラッチギヤ31および回転軸32が前述の最高位置に設定されて、クラッチギヤ31がキャリヤギヤ17の外歯17bに噛合する。これにより、クラッチギヤ31の回転がキャリヤギヤ17に伝達され、キャリヤギヤ17が回転する。このとき、シートベルト3にスラックがあると、このキャリヤギヤ17の回転でシートベルト3がスプール4に巻き取られる。このスラックが除去されると、スプール4が回転しなくなるので、キャリヤギヤ17も回転しなくなる。このため、クラッチギヤ31もキャリヤギヤ17から抵抗を受けて回転しなくなる。
しかし、モータ6の回転トルクにより下側コネクトギヤ26が回転しようとするので、下側コネクトギヤ26の回転トルクにより、回転軸32に前述の最左位置方向に向かう力が加えられる。このとき、回転軸32がクラッチアーム33に当接しているので、この力により回転軸32がクラッチアーム33を押圧する。しかし、このときシートベルト3の張力が所定値以下であるので、回転軸32の押圧力によるクラッチアーム33を時計回りに回転させようとするモーメントが、係合部33eと凹部35bとの係合力による、この時計回りのモーメントに対向するモーメントより小さい。したがって、係合部33eが凹部35bから脱出しなく、クラッチアーム33は回動しなく、回転軸32がこのクラッチアーム33に当接した位置に停止する。
この回転軸32の停止により、クラッチギヤ31および回転軸32が図5に示す前述の最高位置に保持される。クラッチギヤ31が最高位置に保持されることで、クラッチギヤ31とキャリヤギヤ17の外歯17bとの噛合が保持され、クラッチギヤ31とキャリヤギヤ17との高速かつ低トルク伝達経路の接続が保持される。また、クラッチアーム33が回動しないので、クラッチパウル34も回動しなく、係止爪34bはラチェット歯19bに係合しない位置に保持される。これにより、リング部材19が自由となり、サンギヤ部材20とキャリヤギヤ17との低速かつ高トルク伝達経路の遮断が保持される。
こうして、動力伝達機構8の動力伝達遮断モードから低減速比動力伝達モードへの動力伝達モード切換が行われ、動力伝達機構8は低減速比動力伝達モードに設定される。
(2)低減速比動力伝達モード→高減速比動力伝達モードの動力伝達モード切換
高減速比動力伝達モードはモータ6の比較的高い回転トルクにより設定される。その場合、高減速比動力伝達モードは、動力伝達遮断モードから低減速比動力伝達モードを介して設定される。
動力伝達遮断モードから低減速比動力伝達モードの動力伝達モード切換は前述と同じである。しかし、高減速比動力伝達モードの設定ではシートベルト3の張力が所定値より大きいので、図5に示す低減速比動力伝達モードの状態で、回転軸32の押圧力によりクラッチアーム33に加えられるモーメントが、係合部33eと凹部35bとの係合力による、この時計回りのモーメントに対向するモーメントより大きくなる。このため、係合部33eが凹部35bから脱出可能となる。
したがって、クラッチスプリング24が反時計回りに更に回動すると、回転軸32がクラッチアーム33をその支持軸11hを中心に時計回りに回動させながら、ガイド孔11gに沿って左方へ移動する。これにより、クラッチギヤ31も更に左方へ移動する。回転軸32がガイド孔11gの左端に当接すると、それ以上の移動が阻止され、クラッチギヤ31、回転軸32およびクラッチスプリング24が停止する。これにより、図6に示すようにクラッチギヤ31および回転軸32は前述の最左位置に設定される。この最左位置では、クラッチギヤ31がキャリヤギヤ17の外歯17bから外れ、クラッチギヤ31とキャリヤギヤ17との高速かつ低トルク伝達経路は遮断される。
一方、クラッチアーム33の回動に連動して、クラッチパウル34がクラッチパウルピン38を中心に反時計回りに回動し、図6に示すようにその係止爪34bがラチェット歯19bに係止可能な位置に設定される。このとき、モータ6の回転トルクでサンギヤ部材20が回転してリング部材19も時計回りに回転しているので、ラチェット歯19bが係止爪34bに係止する。これにより、リング部材19の回転が停止し、サンギヤ部材20とキャリヤギヤ17との低速かつ高トルク伝達経路が接続される。
こうして、動力伝達機構8の低減速比動力伝達モードから高減速比動力伝達モードへの動力伝達モード切換が行われ、動力伝達機構8は高減速比動力伝達モードに設定される。
(3)高減速比動力伝達モード→(低減速比動力伝達モード)→動力伝達遮断モードの動力伝達モード切換
図6に示す高減速比動力伝達モードの状態で、モータ6が逆回転(図4においてモータ回転軸6aが反時計回り:スプール4のベルト引出し方向αの回転に対応)すると、下側コネクトギヤ26およびプーリ25も前述と逆回転する。すると、クラッチスプリング24も同様に前述と逆方向に回動するので、クラッチギヤ31および回転軸32がクラッチアーム33を反時計回りに回動させながらガイド孔11gに沿って右方へ移動する。
クラッチアーム33の反時計回りの回動に連動してクラッチパウル34が時計回りに回動するので、クラッチパウル34はラチェット歯19bと係合しない非係合位置となる。これにより、リング部材19が回転自由になり、低速かつ高トルク伝達経路が遮断される。
クラッチギヤ31および回転軸32が前述の最高位置になったとき、クラッチギヤ31がキャリヤギヤ17の外歯17bに噛合して一時的に図5に示す低減速比動力伝達モードとなるが、クラッチギヤ31および回転軸32の右方への移動が継続しているので、すぐにクラッチギヤ31は外歯17bから外れ、空転する。これにより、高速かつ低トルク伝達経路は一時的接続されるがすぐに遮断される。なお、高速かつ低トルク伝達経路が一時的接続されたとき、モータ6が逆回転しているので、スプール4はベルト引出し方向αに一時的に回転するが、すぐに停止する。
また、回転軸32の最高位置から右方への移動により、クラッチアーム33から脱出する。クラッチスプリング24が更なる逆方向の回動で、クラッチギヤ31および回転軸32が更に右方へ移動すると、クラッチギヤ31はクラッチギヤ停止保持部11kの内歯に噛合する。回転軸32がガイド孔11gの右端に当接すると、それ以上の移動が阻止され、クラッチギヤ31および回転軸32の右方への移動とクラッチスプリング24の逆方向の回動が停止する。これにより、クラッチギヤ31および回転軸32は前述の図4に示す最右位置である動力遮断位置に設定される。このとき、クラッチギヤ31はクラッチギヤ停止保持部11kの内歯に噛合しているので、その回転(自転)が停止する。
こうして、動力伝達機構8の高減速比動力伝達モードから動力伝達遮断モードへの動力伝達モード切換が行われ、動力伝達機構8は動力伝達遮断モードに設定される。なお、このように動力伝達機構8が動力伝達遮断モードに設定されたとき、モータ6は駆動を継続されてもよいし、駆動を停止されてもよい。
更に、この例のシートベルトリトラクタ1は、シートベルト3の次のようなベルトモードが設定されている。すなわち、シートベルト3が使用されずスプール4に完全に巻き取られている状態のベルト格納モード、シートベルト3を装着するためにスプール4から引き出す状態のベルト引出しモード、ベルト装着状態でシートベルト3を乗員にフィットさせるためフィッティング用ベルト巻取りモード、乗員が圧迫感を抱かないシートベルト3の通常装着状態の通常装着モード(コンフォートモード)、通常装着モードで車両走行中にドライバの居眠りや車輌進行方向前方の障害物を検知して、シートベルト3の巻取りを所定回数繰り返すことで、ドライバに警報を発する状態の警報モード、通常装着モードで車両走行中に車輌が障害物等に衝突するおそれがきわめて高い場合に、シートベルト3を巻き取ってきわめて強いベルト張力で乗員を拘束する緊急モード、ベルト非装着時にシートベルト3を格納状態にするために完全に巻き取る状態の格納用ベルト巻取りモードである。
このように構成されたこの例のシートベルトリトラクタ1によれば、動力伝達機構8に高速かつ低トルク動力伝達経路からなる低減速比動力伝達モードと低速かつ高トルク動力伝達経路からなる高減速比動力伝達モードとの2つの動力伝達経路を設定しているので、低減速比動力伝達モードによる、シートベルト3のスラック除去のための迅速なベルト巻取りと、高減速比動力伝達モードによる、乗員拘束のための高トルクでのベルト巻取りという2つの巻取り性能を実現することができる。
しかも、これらの2つの動力伝達経路が設定されることで、モータ6の回転トルクを効率よくスプール4に伝達することができるので、限られた消費電力でこれらの2つの巻取り性能を確実に発揮することができる。特に、乗員拘束のための高トルクでのベルト巻取りを低速かつ高トルク動力伝達経路で実現されるので、モータ6の回転トルクを従来に比して小さくすることができる。これにより、モータ6の消費電力を低減することができるとともに、より小型のモータを使用することができ、その分、シートベルトリトラクタ1をコンパクトにできる。
更に、シートベルト3の張力に応じて動力伝達機構8を低減速比動力伝達モードまたは高減速比動力伝達モードに設定しているので、モータ6の回転トルクを制御することなく、モード切換を簡単に行うことができるようになる。
更に、動力伝達機構8にモータ6の回転トルクをスプールに伝達しない動力伝達遮断モードを設定しているので、シートベルト3の引出し、シートベルト3の圧迫感のない通常装着、非装着時のシートベルト3の格納を、モータ6に影響されることなく行うことができる。
更に、高減速比減速機構7aを遊星歯車機構により構成しているので、低速かつ高トルク伝達経路をコンパクトに形成することができる。これにより、動力伝達機構8を低減速比動力伝達モードまたは高減速比動力伝達モードを有するようにしても、シートベルトリトラクタ1の大型化をより効果的に抑制することができる。
更に、高減速比減速機構7aのキャリヤと低減速比減速機構7bの外歯17bとを1つの共通のキャリヤギヤ17で構成しているので、部品点数を削減できるとともに、その分、よりコンパクトになる。
更に、シートベルト3の張力に応じて動力伝達モード切換機構9により遊星歯車機構のインターナルギヤ19aの回転制御および小径のクラッチギヤ31と大径のキャリヤギヤ17の外歯17bとの間の噛合制御を行うことで、動力伝達モードを簡単に切り換えることができるようになる。
更に、クラッチギヤ31が動力遮断位置に設定されたときはクラッチギヤ停止保持部11kの内歯に噛合するので、クラッチギヤ31の回転(自転)が停止し、このクラッチギヤ31の回転とこの回転に伴うクラッチ機構の他のギヤおよび動力伝達機構8の他のギヤの回転によるノイズを確実に防止することができる。しかも、クラッチギヤ停止保持手段をクラッチギヤ31が噛合可能な内歯で形成しているので、クラッチ機構のオフ時にクラッチギヤ31の回転を確実に停止することができ、簡単な構成でノイズ発生の防止を効果的に図ることができる。
なお、本発明のクラッチ機構ノイズ防止手段は、前述のクラッチギヤ停止保持部11kに限定されることはなく、クラッチ機構がオフに設定されたときに、クラッチ機構および動力伝達機構からノイズが発生するのを防止できるものであれば、どのようなノイズ防止手段を用いることもできる。
また、動力伝達モードの切換えは、モータ6の低トルクおよび高トルクの2つのトルクを用いた動力伝達モード切換機構9以外のソレノイド等の機構を用いることができる。
更に、高減速比減速機構7aのキャリヤと低減速比減速機構7bの外歯17bとを1つの共通のキャリヤギヤ17で構成する必要はなく、別部材で構成することもできる。
更に、前述の例のように、動力伝達モード切換時にはモータ6の回転トルクは一定であるが、フィッティング用ベルト巻取りモード、警報モード、緊急モード、格納用ベルト巻取りモード等の各モードにおいては、モータ6の回転トルクをそのモードに応じて変化するように制御することもできる。
本発明のシートベルトリトラクタは、自動車等の車両に装備され、乗員を拘束保護するためのシートベルトをモータにより巻取るシートベルトリトラクタに好適に利用することができる。
本発明にかかるシートベルトリトラクタの実施の形態の一例を示す分解斜視図である。 図1に示す例のシートベルトリトラクタをリテーナカバーを外した状態で示し、(a)は斜視図、(b)は左側面図である。 図1に示す例のシートベルトリトラクタに用いられるサンギヤ部材を示し、(a)はその斜視図、(b)は(a)におけるIIIB方向から見た斜視図である。 図1に示す例のシートベルトリトラクタにおける動力伝達遮断モードの状態を、構成要素の一部を除いて示す左側面図である。 図1に示す例のシートベルトリトラクタにおける低減速比動力伝達モードの状態を、構成要素の一部を除いて示す左側面図である。 図1に示す例のシートベルトリトラクタにおける高減速比動力伝達モードの状態を、構成要素の一部を除いて示す左側面図である。
符号の説明
1…シートベルトリトラクタ、2…フレーム、3…シートベルト、4…スプール、5…ロック手段、6…モータ、6a…モータ回転軸、7…減速機構、7a…高減速比減速機構、7b…低減速比減速機構、8…動力伝達歯車機構、9…動力伝達モード切換機構、11…リテーナ、11g…ガイド孔、11k…内歯からなるクラッチギヤ停止保持部、13…モータギヤ、17…キャリヤギヤ、18…プラネットギヤ、19…リング部材、19a…インターナルギヤ、19b…ラチェット歯、20…サンギヤ部材、20a…サンギヤ、23…コネクトギヤ、24…クラッチスプリング、25…プーリ、26…下側コネクトギヤ、27…上側コネクトギヤ、29…アイドルギヤ、31…クラッチギヤ、32…回転軸、33…クラッチアーム、34…クラッチパウル

Claims (4)

  1. シートベルトを巻取るスプールと、このスプールを回転させる回転トルクを発生するモータと、オンに設定されたとき、前記モータの回転トルクを前記スプールに伝達する動力伝達経路を接続し、かつオフに設定されたとき、前記動力伝達経路を遮断するクラッチ機構とを少なくとも備えているシートベルトリトラクタにおいて、
    前記クラッチ機構がオフに設定されたときに、ノイズが発生するのを防止するノイズ防止手段を少なくとも備えていることを特徴とするシートベルトリトラクタ。
  2. 前記クラッチ機構は、動力伝達経路を接続するクラッチオン位置と動力伝達経路を遮断するクラッチオフ位置との間で移動可能であるとともに前記モータに接続されているモータ側ギヤに常時噛合するクラッチギヤを備えており、
    前記ノイズ防止手段は、前記クラッチギヤが前記クラッチオフ位置となったときに、ノイズが発生するのを防止する手段であることを特徴とする請求項1記載のシートベルトリトラクタ。
  3. 前記ノイズ防止手段は、前記クラッチギヤが前記クラッチオフ位置となったとき、このクラッチギヤの回転を停止するクラッチギヤ停止保持手段であることを特徴とする請求項2記載のシートベルトリトラクタ。
  4. 前記クラッチギヤ停止保持手段は、前記クラッチギヤが噛合可能な歯で形成されていることを特徴とする請求項3記載のシートベルトリトラクタ。
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