JP2005143966A - 遊技機用施錠装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】筐体に対し前扉をがたつきなく閉鎖して隙間が生じないように堅固にロックすることができると共に、不正解錠を防止することができる遊技機用施錠装置を提供する。
【解決手段】受け部21,22には歯車部3,4を進入させる進入凹部23、24が形成されると共に、進入凹部23,24の内面にラック25,26が歯車部3,4の進入方向に向けて形成される。歯車部3,4には、係合歯車5,6が回転可能に軸支されると共に、係合歯車5,6の軸と同軸上にラチェット歯車7,8が軸支される。ラチェット歯車7,8のラチェット爪9,10を非噛合側に揺動させるための解錠部材11が摺動可能に配設される。解錠部材11をシリンダ錠13の錠軸に固定したカム板12に連係可能とし、解錠部材11には解錠方向への移動を阻止するロック部11bがカム板側に突設されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、パチンコ機、スロットマシンなどの遊技機の前面枠(前扉)を本体枠(筐体体)に対し施錠する施錠装置に関し、特に前面枠を本体枠に対しがたつきなく閉鎖し施錠することができ、また不正解錠を防止し得る遊技機用施錠装置に関する。
遊技機の前面枠(前扉)を本体枠に対し施錠する施錠装置として、略断面L字状の取付板と支持板からなる基枠の内側に、摺動杆が摺動可能に配設され、支持板の上部と下部に鉤部が摺動杆に連結されて傾動可能に枢支され、取付板の中間部にシリンダ錠がその錠軸を取付板に設けた孔から内側に差込むように固定され、錠軸の先端に摺動杆と係合するカム部材が固定されてなる施錠装置が、一般に使用されている(例えば下記特許文献1などを参照)。
実公昭58−41998号公報
この種の施錠装置は、遊技機の前面枠の自由端の内側に、その鉤部を本体枠側に向けて縦に固定され、本体枠の内側には、上下の鉤部に対向する位置に、受け部が固定される。そして、前面枠を閉じたとき、その鉤部が受け部に当って傾動しまたは平行移動した後、ばねの付勢力により元の係止姿勢に戻ることにより、鉤部が受け部に係止され施錠される。
しかしながら、このような構造の施錠装置では、鉤部が受け部に対し係止動作を行う際、鉤部の傾動または平行移動を良好にするために、通常、鉤部と受け部の間に僅かな隙間を生じるようにし、或いはばねの付勢力に抗して鉤部が動き得る状態にしている。このため、施錠された遊技機の前面枠を持って開放方向に引いた場合、僅かではあるが前面枠にがたつきが生じ、それによって、前面枠と本体枠の間に隙間が生じる場合があった。このような隙間が前面枠と本体枠の間に生じた場合、その隙間から針金などを差し込んで不正解錠が行なわれる間題があった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、筐体に対し前扉をがたつきなく閉鎖して隙間が生じないように堅固にロックすることができると共に、不正解錠を防止することができる遊技機用施錠装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1の施錠装置は、筐体の内側に固定された受け部内のラックに、前扉の内側に固定された装置本体の歯車部を噛合させて前扉を施錠する遊技機用施錠装置であって、受け部には歯車部を進入させる進入凹部が形成されると共に、進入凹部の内面にラックが歯車部の進入方向に向けて形成され、歯車部には、係合歯車が回転可能に軸支されると共に、係合歯車の軸と同軸上にラチェット歯車が軸支され、ラチェット歯車のラチェット爪を非噛合側に揺動させるための解錠部材が摺動可能に配設され、解錠部材をシリンダ錠の錠軸に固定したカム板に連係可能とし、解錠部材にはカム板の非回動時にカム板に係合して解錠部材の解錠方向への移動を阻止するロック部がカム板側に突設されたことを特徴とする。
ここで、上記施錠装置においては、請求項2のように、受け部は受け基枠の上部と下部に取り付けられると共に、歯車部は装置本体の基枠の上部と下部に取り付けられ、装置本体の基枠にシリンダ錠を取り付け、ラチェット歯車の歯数を係合歯車の歯数より多く形成するとよい。
また、上記施錠装置においては、請求項3のように、解錠部材のロック部は、カム板の略軸上を通り基枠の長手方向に沿った軸線上に位置するカム板の端部に当接するように、カム板側に突き出して配置するとよい。
この遊技機用施錠装置は、遊技機の前扉を筐体に対し閉じると、前扉側の歯車部の係合歯車が筐体側の受け部の進入凹部内に進入する。このとき、装置本体側の係合歯車が、進入凹部内のラックに噛合して内部に進入する。ラックには多数の鋸歯が進入方向に向かって配置され、係合歯車にはラチェット歯車が同軸上に配設されるため、係合歯車は後戻りすることができない。
このため、前扉を筐体に対して閉じるに応じて、歯車部が受け部の奥まで進入し、その進入位置を保持するように係合歯車がラックに噛合すると共に、ラチェット歯車が係合歯車の開放側への回動を強固にロックする。このため、前扉は施錠状態となり、前扉をがたつきなく堅固に施錠することができる。
さらに、施錠状態では、解錠部材のロック部がカム板の当接部に当接して解錠方向の移動を阻止するため、針金などを差し込んで解錠部材に引っ掛けそれを解錠方向に引くなどして行われる不正解錠を防止することができる。
この場合、請求項3のように、解錠部材のロック部は、カム板の略軸上を通り基枠の長手方向に沿った軸線上に位置するカム板の当接部に当接可能とするように、カム板側に突き出して配置した場合、カム板の当接部がシリンダ錠の回動方向のがたつきの影響を受けにくい状態で、ロック部を当接部に当接可能とすることができ、解錠部材の解錠方向への移動を確実にロックして、不正解錠を防止することができる。
さらに、ラチェット歯車の歯数を係合歯車の歯数より多くすることにより、前扉を筐体側に閉じる閉鎖力に応じて、係合歯車が噛合するラックのピッチより小さいピッチで、歯車部を受け部に対しロックすることができる。つまり、ラチェット歯車が係合歯車より細かい角度でロックすることができるため、係合歯車のピッチつまりラックの歯のピッチより細かいピッチで係合歯車のロックが可能となり、歯車部を有する装置本体の僅かな移動に応じて、ラックに噛合する係合歯車をロックすることができる。
したがって、前扉を筐体側に押して閉じたとき、閉じる動作に応じてラックのピッチより細かいピッチでラチェット歯車つまり係合歯車がロックされるため、前扉は筐体に対しがたつきなく、堅固に施錠することができる。またこれによって、係合歯車とラックの歯は、ある程度大きく強固に製作することができ、強度の高い施錠装置とすることができる。
前扉を解錠する場合は、キーによってシリンダ錠を回し、カム部材を所定方向に回転させると、カム部材の回動によって、それに連係された解錠部材が摺動してラチェット歯車のラチェット爪を外す方向に回動させる。これにより、ラチェット歯車の爪が外れて回動自在の状態となり、係合歯車が回動可能な状態となって前扉が解錠され、歯車部が回動しながら後退して受け部の進入凹部内から退出し、前扉は開放される。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図1は前扉に取り付けられる装置本体1の右側面図を示し、図2はその背面図を示し、図3はその分解図を示している。この施錠装置は、概略的には、筐体側の内側に固定された受け部21,22に、前扉側の内側に固定された装置本体1の歯車部3,4を進入させながらロックして前扉を施錠するように構成される。
装置本体1は、縦長の基枠2を有し、基枠2は、長尺の取付板2aと支持板2bを直角に曲折してL型アングル状または断面コ字状に形成される。その支持板2bの上部と下部に歯車取付部2dが背面側に突出して形成され、その歯車取付部2dに歯車部3,4の係合歯車5,6とラチェット歯車7,8が同軸(水平軸)上で回転可能につまり垂直状態で回転可一能に軸支されている。図9に示すように、係合歯車5,6は歯車取付部2dの内側に、ラチェット歯車7,8は歯車取付部2dの外側に同軸上に軸支されている。
さらに、ラチェット歯車7,8は係合歯車5,6より大径に、係合歯車5,6はラチェット歯車7,8より小径に形成され、ラチェット歯車7,8の歯数は係合歯車5,6の歯数より多く形成され、ラチェット歯車7,8の歯のピッチは係合歯車5,6の歯のピッチより小さく形成され、後述のラック25,26の1ピッチより小さいピッチで施錠ロックがかかるようにしている。
さらに、上部と下部のラチェット歯車7,8には、各々その上方に、ラチェット爪9,10が軸9a,軸10aにより揺動可能に軸支され、上部と下部のラチェット爪9,10は各ラチェット歯車7,8に係合している。これにより、各ラチェット歯車7,8は、通常時、図1の反時計方向には、ラチェット爪9,10の係止作用により回転を阻止され、時計方向にのみ回転可能である。したがって、各ラチェット歯車7,8と同軸上の係合歯車5,6は、通常時、図1の時計方向にのみ回転可能である。
さらに、基枠2の支持板2bの内側に、支持板2bの長手方向にそって長尺の解錠部材11が摺動可能に配設され、そめ解錠部材11の上端と下端には、連結ピン9b,10bを介してラチェット爪9,10の端部が連結され、解錠部材11を上下に摺動させたとき、ラチェット爪9,10がその軸9a,10aを軸にして揺動可能である。
解錠部材11は支持板2bの内側で、ガイドピンとガイド長孔或いは支持板の一部を切起して形成したガイド部などにより、所定の範囲で上下摺動可能に支持されている。解解錠部材11と支持板2bとの間には、ばね部材(コイルばね)14が掛けられ、解錠部材11はばね部材14により上方に付勢されている。
したがって、通常時には、解錠部材11が上昇端に位置し、上部と下部のラチェット爪9,10はその先端の爪部を図1の下側に押し付け、ラチェット歯車7,8に係合させる状態にあり、解錠のためにシリンダ錠13とカム板12により解錠部材11を下方に移動させると、ラチェット爪9,10がその軸9a,10aを軸に上方に回動し、ラチェット歯車7,8との係合を外すように動作する。解錠部材11の中間部には、後述のカム板12と係合可能な係合部11aが形成され、さらに、解錠部材11の上部にはロック部11bが支持板2bに設けた開口部から外側に突き出すように設けられている。
さらに、図2、図4に示すように、基枠2の取付板2aの略上部には、支持板2bの外側に突き出すように、補助取付板2cがシリンダ錠13を取り付けるために固定されている。シリンダ錠13は、その補助取付板2cに形成された凹部に挿入され、その元部のフランジ部13aを板12c上に固定ねじなどで締め付け固定して取り付けられる。
シリンダ錠13の錠軸13bには、当接部12aと係合部12bを設けたカム板12が固定され、当接部12aは上記解錠部材11のロック部11bの真下に位置し、その係合部12bは錠軸13bの回動時、上記解錠部材11の係合部11aに係合可能である。解錠部材11のロック部11bは、図14に示すように、カム板12の略軸上を通り基枠の長手方向に沿った軸線L上に略位置するカム板12の当接部12aに当接可能なように、カム板12側に突き出して配置される。
これにより、カム板12とシリンダ錠13の錠軸13bのがたつきの影響を少なくして、施錠状態では解錠部材11の解錠方向への移動を、ロック部11bとカム板12の当接部12aの当接により阻止し、不正解錠を効果的に防止するようにしている。
また、カム板12の係合部12bと反対側にはスイッチ作動部材17用の係合部12cが設けられる。一方、筐体30側に固定される受け具は、図6〜図9に示すように、縦長の枠状に形成された受け基枠20の上部と下部に、受け部21,22を設けて形成される。
その受け部21,22には、装置本体1の係合歯車5,6を進入させるための進入凹部23,24が各々形成され、進入凹部23,24の内面底部にラック25,26が固定ねじ28によって固定されている。
受け部21,22は板材を略コ字状に曲折して形成され、上部に上板部21a,22aが形成され、その内側に、矩形断面形状の進入凹部23,24が形成される。ラック25,26はその進入凹部23,24の底部に水平に且つ歯の並設方向を前後方向に配置して固定されている。ラック25,26は各々上記係合歯車5,6と同じピッチの鋸歯を有し、その歯車と噛合可能である。
また、受け部21,22の進入凹部23,24はその前部を開口して進入口を形成している。装置本体1側の係合歯車5,6が進入凹部23,24内に進入しラック25,26に噛合したとき、係合歯車5,6をラック25,26と上板部21a,22aとの間に強固に保持し、施錠状態とする構造である。
なお、図2に示すように、装置本体1の補助取付板2c上には、非接触スイッチ18が遊技機のリセット用などのために取り付けられ、このスイッチ18をキー操作によりオンオフするために、基枠2の内側の解錠部材11と支持板2bとの間に、スイッチ作動部材17が摺動可能に配設されている。
このスイッチ作動部材17には、スイッチ作動部17aが補助取付板2c側に突出して設けられ、また、その内側には、カム板12と係合可能な係合部17b(図3)が設けられている。さらに、このスイッチ作動部材17と解錠部材11間には、ばね部材(コイルばね)14が掛けられ、スイッチ作動部材17を下方に付勢し、解錠部材11を上方に付勢している。
このように構成された施錠装置は、図11〜図13に示すように、その装置本体1が、遊技機における例えば合成樹脂製の前扉31の内側に、シリンダ錠13の先端を前面に露出させ、装置本体1を遊技機の箇体30側に突出した状態に、縦方向に取り付けられる。その取り付けは、取付板2aに設けた固定孔に固定ねじなどを通し、前扉31の中間部にねじ込むなどして行われる。
一方、筐体30の内側の装置本体1に対応した上下位置(側壁の一部)には、図11に示すように、受け具の受け基枠20がその受け部21,22の進入凹部23,24の進入口を前方に向けて、固定ねじなどで固定される。
このような遊技機用施錠装置は、遊技機における前扉31を筐体30に対し閉じると、図11、図12に示すように、装置本体1の上部と下部の歯車部3,4の係合歯車5,6が、筐体30側の受け部21,22の進入凹部23,24内に進入する。このとき、装置本体1の歯車部3,4の係合歯車5,6は、受け部23,24の内側のラック25,26に噛合して回転しながら進入していく。
このとき、歯車部3,4では、係合歯車5,6と同軸上に軸支されたラチェット歯車7,8が回転し、ラチェット歯車7,8は回転可能な方向(図1、図12の時計方向)のみに回転し、ラチェット爪9,10の作用により逆方向には回転しない。このため、係合歯車5,6はラック25,26上を前進方向(図12の右方向)のみに回転しながら進み、前扉31が筐体30に密に閉鎖されたとき、その閉鎖状態がロックされる。また、係合歯車5,6がラック25,26上を噛合して前進するとき、後退方向への動きはラチェット歯車7,8により阻止されるが、ラチェット歯車7,8の歯数は係合歯車5,6の歯数より多く形成され、ラチェット歯車7,8の歯のピッチは係合歯車5,6の歯のピッチより小さく形成されている。
このため、係合歯車5,6がラック25,26上を噛合して進むとき、ラチェット歯車7,8の歯の移動数は、係合歯車5,6の歯の移動数より多くなる。したがって、例えばラック25,26のピッチが1mmと比較的大きいピッチであっても、係合歯車5,6の移動ピッチは0.5mmという細かいピッチでロックすることができるため、ラック25,26、及び係合歯車5,6の歯は、比較的大きくして形成して強度を上げながら、閉鎖ピッチは細かくすることができる。
このように、係合歯車5,6がラック25,26上を噛合して前進しながら、前扉31が筐体30に対し閉じられるが、装置本体1の係合歯車5,6が、ラック25,26の鋸歯の例えば半ピッチという細かい押し込み量で、装置本体1が受け部21,22に対し徐々にロックされていくため、最終的に前扉31を閉じた状態では、扉と筐体の間に殆ど隙間が生じず、前扉31はがたつきのない状態で筐体30に対し堅固にロックされる。
前扉31を解錠する場合は、図13に示すように、キーをシリンダ錠13に差し込みその錠軸13bを回し、カム板12を図14の反時計方向に回転させると、カム板12の回転により、カム板12の係合部12aが同方向に回動して、支持板2bの開口部を通して、解錠部材11の係合部11aに係合し、それを下方に摺動させる。
このとき、解錠部材11が下降することにより、その上端と下端に連結されたラチェット爪9,10が図13の反時計方向に回動し、ラチェット爪9,10とラチェット歯車7,8の係合が外れる。
これにより、ラチェット歯車7,8がフリーな状態となり・上下の歯車部3・4の係合歯車5,6のロックが解除され、図示しない開方向への付勢手段あるいは開操作により、係合歯車5,6が受け部21,22のラック25,26上を回転しながら、進入凹部23,24内から退出し、前扉31は開放される。
一方、シリンダ錠13に挿入したキーを左側に回すと、カム板12が図2の時計方向に回動し、カム板12の下部の係合部が支持板2bの内側に進入し、スイッチ作動部材17に係合してそれを上方に摺動させる。これにより、スイッチ作動部材17のスイッチ作動部17aが補助取付板2c上の非接触スイッチ18内に進入し、それをオンオフ動作させ、遊技機のリセットなどが行われる。
この施錠装置は、施錠状態において、図14(a)に示すように、解錠部材11のロック部11bがカム板12の当接部12aの真上に位置しているため、不正解錠を目的として針金などを筐体内に差し込み、解錠部材11を引っ掛けて解錠方向(下方)に摺動させようとしても、ロック部11bがカム板12の当接部12aに当り、下方に摺動させることができず、不正解錠を防止することができる。
また、このロック部11bは、図14(a)に示すように、カム板12の軸つまり錠軸13bの軸心位置を通る長手方向(解錠部材11の摺動方向)に沿った軸線L上に略位置する部分で、カム板12の当接部12aと当接するようにしている。
シリンダ錠の錠軸は一般に、その回転方向にがたつきが生じやすいが、錠軸の軸と垂直方向にはがたつきが少ない構造であるため、上記のように、錠軸13bの軸心位置を通る長手方向(解錠部材11の摺動方向)に沿った軸線L上に略位置するカム板12の当接部12aで、ロック部11bを当ててロックすることにより、シリンダ錠13の錠軸のがたつきの影響を受けずに、施錠状態にある解錠部材11の摺動をロックして不正解錠を阻止することができる。
なお、施錠状態におけるロック部11bとカム板12の当接部12aとの隙間は、ゼロに限りなく近い状態が理想であるが、ロック部11bが当接部12aに接触していても、カム板12が回動可能な状態であれば間題はなく、また、不正解錠により解錠部材11を摺動させたとき、ラチェット爪が外れない範囲で、解錠部材11が摺動する程度の幅であれば、隙間があっても間題はない。
このように、本施錠装置では、前扉31を筐体30に対し閉じるに応じて、上下の歯車部3,4の係合歯車5,6が受け部21,22内に進入し、その内側のラック25,26に噛合しながら奥に進入していく。
このために、筐体30に対し前扉31を閉じて押し込んだとき、その押し込み量に応じて、装置本体1が受け部21,22側に進入しロックされる状態となり、最終的に前扉31を閉じた状態では、筐体30と前扉31との間に殆ど隙間が生じない状態となり、前扉31を箇体30に対しがたつきのない状態で堅固にロックすることができる。
また、受け部21,22内に設けたラック25,26の鋸歯はそのピッチが大きい場合でも、ラチェット歯車7,8の歯数を係合歯車5,6の歯数より多くし、ラチェット歯車7,8の歯のピッチを係合歯車5,6の歯のピッチより小さくすることにより、係合歯車5,6を例えば半ピッチで進めることができ、細かい押し込み量でロックすることが可能となり、筐体30に対し前扉31を一層隙間なく且つがたつきなく施錠することができる。
さらに、施錠状態では、解錠部材11の解錠方向への摺動が、カム板側に突き出したロック部11bとカム板12の当接部12aとの当接により阻止されるため、針金などを差し込んで行う不正解錠を防止することができる。
以上説明したように、本発明の遊技機用施錠装置によれば、ラチェット歯車と同軸上に軸支された係合歯車とラックの噛合により前扉が施錠状態となるから、前扉を筐体側に押し付けるように閉鎖して施錠した場合、前扉と筐体の間に殆ど隙間が生じず、前扉をがたつきのない状態で、堅固に施錠することができる。
また、ラチェット歯車の歯数を係合歯車の歯数より多くし、ラチェット歯車の歯のピッチを係合歯車の歯のピッチより小さくすることにより、係合歯車の歯のピッチより細かい押し込み量で前扉をロックすることが可能となり、筐体に対し前扉を一層隙間なく且つがたつきなく施錠することができる。
さらに、施錠状態において、解錠部材の解錠方向への摺動が、カム板側に突き出したロック部とカム板の当接部との当接により阻止されるため、針金などを差し込んで行う不正解錠を防止することができる。
本発明の一実施形態を示す施錠装置の装置本体1の右側面図である。 装置本体1の背面図である。 装置本体1の分解右側面図である。 装置本体1の分解背面図である。 受け具の右側面図である。 受け具の分解右側面図である。 受け具の背面図である。 受け具の分解背面図である。 装置本体上部と受け具上部の部分斜視図である。 装置本体上部の分解斜視図である。 施錠装置の使用状態を示す右側面図である。 施錠状態を示す右側面図である。 解錠時の右側面図である。 (a)は解錠部材のロック部11bがカム板の当接部12aに当接してロックした状態を示す説明図、(b)(c)はキーによりシリンダ錠を操作して解錠したときのカム板の動きを示す説明図である。
符号の説明
1 装置本体
2 基枠
2a 取付板
2b 支持板
3,4 歯車部
5,6 係合歯車
7,8 ラチェット歯車
9,10 ラチェット爪
11 解錠部材
11b ロック部
12 カム板
12a 当接部
13 シリンダ錠
21,22 受け部
23,24 進入凹部
25,26 ラック

Claims (3)

  1. 筐体の内側に固定された受け部内のラックに、前扉の内側に固定された装置本体の歯車部を噛合させて前扉を施錠する遊技機用施錠装置であって、該受け部には歯車部を進入させる進入凹部が形成されると共に、該進入凹部の内面にラックが歯車部の進入方向に向けて形成され、該歯車部には、係合歯車が回転可能に軸支されると共に、該係合歯車の軸と同軸上にラチェット歯車が軸支され、該ラチェット歯車のラチェット爪を非噛合側に揺動させるための解錠部材が摺動可能に配設され、該解錠部材をシリンダ錠の錠軸に固定したカム板に連係可能とすると共に、該解錠部材には該カム板の非回動時に該カム板に係合して解錠部材の解錠方向への移動を阻止するロック部が該カム板側に突き出して設けられたことを特徴とする遊技機用施錠装置。
  2. 前記受け部は受け基枠の上部と下部に取り付けられると共に、前記歯車部は装置本体の基枠の上部と下部に取り付けられ、該装置本体の基枠に前記シリンダ錠が取り付けられ、前記ラチェット歯車の歯数が前記歯車部の係合歯車の歯数より多く形成されていることを特徴とする請求項1記載の遊技機用施錠装置。
  3. 前記解錠部材のロック部は、前記錠軸の略軸心上を通り前記解錠部材の摺動方向に沿った軸線上に略位置する前記カム板の当接部に当接可能に、該カム板側に突き出されている請求項1記載の遊技機用施錠装置。
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