JP2007159833A - ゲーム機の施錠装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】スムーズに施錠と解錠を行なうことができ、針金などの不正器具を差し込んで行う不正解錠を効果的に防止することができるゲーム機の施錠装置を提供する。
【解決手段】施錠杆7に揺動ロック部材8が揺動可能に軸支され、揺動ロック部材8には、カム部材6との係合部8aが設けられると共に、施錠杆7の解錠側への移動を阻止するための係合凸部8bが設けられる。受け金具の係止部に係合可能な摺動ロック部材9が、施錠杆に沿って摺動可能に配設される。揺動ロック部材の係合凸部8bに係合して施錠杆7の解錠側への移動を阻止する固定係止部18が基枠体に設けられる。摺動ロック部材9には、揺動ロック部材8の係合凸部8bに係合して揺動ロック部材を揺動させ、係合凸部8bと固定係止部18の係合を外して施錠杆7の解錠側への移動を可能とするための先端係合部9aが設けられる。
【選択図】図2

Description

本発明は、スロットマシン、パチンコ機などゲーム機の前扉の内側に取り付けられ、前扉を本体枠(キャビネット)に対し施錠する施錠装置に関する。
ゲーム機の前扉を本体枠に対し施錠する施錠装置として、断面L字状またはコ字状の取付板と支持板を有した長尺の基枠体内に、連結杆が摺動可能に配設され、支持板の上部と下部に鉤部材が連結杆に連結されて傾動可能に枢支され、取付板の中間部にシリンダ錠がその錠軸を取付板に設けた孔から内側に差し込むように固定され、錠軸の先端に連結杆と係合するカム板が固定された構造の施錠装置が、広く使用されている。
この種の施錠装置は、シリンダ錠の錠軸をキーにより回すことにより、カム板を回動させ、カム板に係合する連結杆を上下に摺動させ、これにより、連結杆の上下端に連結される鉤部材を傾動させ、鉤部材の受け金具との係合を外して解錠する構造である。しかしながら、施錠状態つまり鉤部材が受け金具と係合した状態であっても、鉤部材に直接力を加えて動かせば、それを傾動させることができるため、ゲーム機の前扉の自由端側と本体枠との間に隙間が生じた場合、その隙間から針金などの不正器具を差し込み、不正器具により鉤部材又は連結杆に直接力を加えてそれらを動かすと、キーを用いずに前扉が不正に解錠される可能性があった。
そこで、下記特許文献1などにおいて、施錠完了時に連結杆の動きをロックするために、係合部材とクラッチ部材を連結杆に揺動可能に枢支して配設し、施錠状態において、係合部材の一部を連結杆に係合させて、連結杆の解錠方向への動きをロックし、解除時にはその係合部材の係合を解除して解錠を可能とする施錠装置が提案されている。
特開2001−38026号公報
上記施錠装置は、基枠体内にはね出しプレートをカム部材に係合して摺動可能に配設し、さらに係合部材とクラッチ部材という2個の部材を揺動可能に連結杆に枢着させて構成されている。そして、前扉の閉鎖時には、鉤部材の傾動動作と共に、これらの2つの係合部材とクラッチ部材を揺動させながら、施錠位置に連結杆を移動させて施錠し、キーによる解錠動作時には、カム部材の回動によってはね出しプレートを押下げて、係合部材、クラッチ部材及び連結杆を解錠方向に移動させて解錠し、前扉が完全に閉鎖された施錠状態において、係合部材の係合片によって連結杆の移動をロックし、不正解錠を防止しようとするものであった。
しかしながら、不正解錠防止装置として、はね出しプレート、係合部材、及びクラッチ部材を基枠体内に、連結杆に対し軸支して取り付けることとなるため、また、部品点数が比較的多く、複雑な構造の部品を、各部材の係合を調整しながら組み付ける必要があって、組み付け工数も多くなるという課題があった。さらに、前扉の内側に、その閉鎖時に係合部材を押し込むための部材とその部材の所定位置への取付作業が必要となるなどの課題があった。
本発明は、上述の課題を解決するものであり、スムーズに施錠と解錠を行なうことができると共に、針金などの不正器具を差し込んで行う不正解錠を効果的に防止することができるゲーム機の施錠装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のゲーム機の施錠装置は、基枠体の支持板に沿って施錠杆が摺動可能に配設され、該施錠杆の上部と下部に鉤部が背面側に突出すように形成され、該基枠体にシリンダ錠が取り付けられ、該シリンダ錠の錠軸に該施錠杆と係合可能なカム部材が固定され、該基枠体がゲーム機の前扉の自由端側に縦に取り付けられ、該ゲーム機の本体枠側に取り付けた受け金具の係止部に該鉤部が係止されて前扉を施錠する施錠装置において、該施錠杆に揺動ロック部材が揺動可能に枢支されると共に、該揺動ロック部材には、該カム部材が係合する係合部が設けられると共に、該施錠杆の解錠側への移動を阻止するための係合凸部が設けられ、該受け金具の係止部に係止可能な傾斜係合部を有した摺動ロック部材が、該施錠杆の長手方向に沿って摺動可能に配設され、該基枠体側には、該揺動ロック部材の係合凸部に係合して該施錠杆の解錠側への移動を阻止する固定係止部が設けられ、該摺動ロック部材には、該揺動ロック部材の係合凸部に係合して該揺動ロック部材を揺動させると共に、該係合凸部と固定係止部の係合を外して該施錠杆の解錠側への移動を可能とするための先端係合部が設けられ、該前扉を閉鎖して該施錠杆の鉤部を該受け金具の係止部に係止させて施錠したとき、該揺動ロック部材の該係合凸部が該固定係止部に係止されて該施錠杆の解錠方向への移動が阻止され、解錠時に該カム部材が解錠側に回動したとき、該揺動ロック部材が揺動して該係合凸部と該固定係止部との係合を外してロックを解除することを特徴とする。
ここで、上記施錠装置において、上記施錠杆、揺動ロック部材、摺動ロック部材及びカム部材は、基枠体の支持板の正面視左側に配設することができる。
また、上記基枠体の正面視右側には、基枠体を断面略コ字状とするように、防護壁部を背面側に直角に曲折して形成することができる。
上記構成の施錠装置によれば、前扉を閉鎖し施錠した状態では、揺動ロック部材の係合凸部が基枠体側の固定係止部に係合すると共に、揺動ロック部材が枢支された施錠杆の解錠方向への移動をロックするから、施錠状態において、前扉と本体枠の隙間から差し込まれた針金などの不正器具により、施錠杆を解錠側に無理やり移動させようとしても、施錠杆を移動させることはできず、不正解錠を防止することができる。
さらに、施錠杆、揺動ロック部材、摺動ロック部材及びカム部材を、支持板の正面視左側に配設する構造とすれば、前扉の自由端側(正面視右端)に取り付けられる施錠装置にとって、前扉の自由端と本体枠間の隙間から挿入される不正器具に対し支持板が防護壁となり、施錠杆などに不正器具を到達させることが難しく、不正解錠を防止することができる。
また、基枠体を断面略コ字状とするように、基枠体の正面視右側に防護壁部を背面側に直角に曲折して形成すれば、前扉の自由端側(正面視右端)に取り付けられる施錠装置にとって、前扉の自由端と本体枠間の隙間から挿入された不正器具に対し防護壁部が防護壁となり、施錠杆などに不正器具を到達させることが難しく、不正解錠を防止することができる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明を、スロットマシンの下前扉の施錠具として適用した施錠装置の右側面図を、図2はその左側面図を、図3はその背面図を示し、図4はその斜視図を示している。
この下前扉用施錠具としての施錠装置は基本フレームとして基枠体3を有し、基枠体3は、断面略コ字形の略チャンネル状に形成され、その正面側は平坦な取付板1として形成され、取付板1の左側面を背面側に直角に曲折して支持板2が形成され、取付板1の右側には同様に背面側に直角に曲折して防護壁部4が形成されている。取付板1の上部寄りには、シリンダ錠5を取り付けるための補助取付板1aが正面視で左側に突き出して取付板1に固定されている。
このように、シリンダ錠5用の補助取付板1aを、基枠体3の正面視左側に配置し、後述のカム部材6、施錠杆7、揺動ロック部材8、摺動ロック部材9をその正面視左側に設けることにより、前扉の自由端(正面視右端)に取り付けられる基枠体の左端部を、本体枠と前扉間の自由端側の隙間から離れた位置に配置している。これにより、その間に防護壁部4と支持板2を防護壁として形成し、隙間から挿入される可能性のある針金などの不正器具が、後述のカム部材6、施錠杆7、揺動ロック部材8、摺動ロック部材9に到達しにくくしている。
その補助取付板1aにはシリンダ錠5の嵌挿用の孔が形成され、その孔にフランジ5b付きのシリンダ錠5がその錠軸5aを内側に挿入するように嵌挿され、フランジ5bを補助取付板1aにねじ止めしてシリンダ錠5は正面側に突出すように固定される。図3のように、錠軸5aの先端に、第1係合凸部6aと第2係合凸部6bを有したカム部材6が固定される。カム部材6に形成された第1係合凸部6aは、カム部材6の回動時に、後述の揺動ロック部材8と施錠杆7の係合部7dに係合し、第2係合凸部6bはスイッチ作動杆10の係合部10aに係合可能であり、揺動ロック部材8はカム部材6により揺動し、スイッチ作動杆10はカム部材6により摺動する。
基枠体3の支持板2における正面視で左側に、施錠杆7がその支持板2に沿って摺動可能に取り付けられている。図5に示すように、施錠杆7の上端寄りとその下端部にフック状の鉤部8、9が背面側に突出すように形成されている。この鉤部8,9の頭部傾斜面と係止部は上方に向けて形成され、施錠時には施錠杆7が受け金具35の係止部36,37に接触して一旦下方に摺動した後、鉤部8,9は上方に戻って後述の受け金具35の係止部36,37に係止され、施錠される。施錠杆7には、鉤部8,9の付け根部分及び上端部にガイド孔7a〜7cが形成され、それらのガイド孔7a〜7cにガイドピン17a〜17cが挿入されてその先端が支持板2に固定される。これにより、施錠杆7は所定の範囲でその摺動をガイドされ、上下に摺動可能である。また、施錠杆7の上部には、カム部材6の第1係合凸部6aが係合する係合部7dが正面側に突設されている。
施錠杆7の上端寄りの左側面に、揺動ロック部材8が軸ピン8dによって揺動可能に軸支される。この揺動ロック部材8は、施錠状態における施錠杆7の解錠側への移動をロックするための部材であり、そこにはガイド孔8cが縦方向に形成され、ガイド孔8cに上記ガイドピン17aが挿通され、これにより、カム部材6との係合時に所定の角度範囲内で揺動可能とされる。揺動ロック部材8の上部には、カム部材6の第1係合凸部6aと係合可能な係合部8aが形成され、さらに、その下部には固定係止部18及び摺動ロック部材9の先端係合部9aと係合する係合凸部8bが設けられる。固定係止部18は基枠体3の補助取付板1aの下方に背面側に突出して設けられている。
さらに、揺動ロック部材8の下側位置に、摺動ロック部材9が施錠杆7の左側面に添って上下摺動可能に取り付けられる。この摺動ロック部材9は、施錠の際に施錠杆7が摺動するとき、揺動ロック部材8の係合凸部8bと固定係止部18の係合を解除するように、揺動ロック部材8を揺動させるために配設される。このために、摺動ロック部材9は、図5に示すように、上端に揺動ロック部材8の係合凸部8bに係合する先端係合部9aを設け、背面側の上部に、後述のキャビネット30側の受け金具35の係止部36に接触し且つ係合する傾斜係合部9bを設けて形成される。また、摺動ロック部材9にはガイド孔9c、9dが縦方向に形成され、ガイド孔9c、9dにガイドピン19a、19bが挿通され、これにより、所定の角度範囲内で上下に摺動する。
また、下前扉を閉じて施錠する際、下前扉側の受け金具35の係止部36が傾斜係合部9bに接触しながら、この摺動ロック部材9を押下げ、閉鎖状態になったとき、揺動ロック部材8は、固定係止部18に係止されて施錠杆7をロック状態とする。また、摺動ロック部材9と揺動ロック部材8間にはコイルばね15が掛け渡されて摺動ロック部材9は上側に付勢され、揺動ロック部材8はロック位置側に付勢されている。
さらに、施錠杆7と摺動ロック部材9の間で且つ揺動ロック部材8の正面側には、スイッチ作動杆10が上下摺動可能に配設される。このスイッチ作動杆10は、スロットマシンのリセット用の非接触スイッチS1を動作させるための部材で、施錠杆7との間にコイルばね16が掛け渡される。このコイルばね16により、施錠杆7は常にその係止部11,12を係止させる側に付勢され、スイッチ作動杆10は常に下方の非作動側に付勢されている。
図5に示すように、スイッチ作動杆10には、ガイド孔10c、10dが縦方向に形成され、そこに上記のガイドピン19a、19bが挿入され、所定の範囲で上下に摺動するように支持されている。スイッチ作動杆10の上端部にカム部材6の第2係合凸部6bと係合する係合部10bが設けられ、カム部材6がシリンダ錠5によって図3の時計方向に回動されたとき、第2係合凸部6bが係合部10bに係合してスイッチ作動杆10を上方に摺動させる。スイッチ作動杆10の中間部には、左側面に突出すように、作動片10aが突設され、その作動片10aが非接触スイッチS1をオンオフ動作させる。非接触スイッチS1は、図2,3に示すように、基枠体1の補助取付板1aの下方に取り付けられる。
なお、シリンダ錠5は円筒部を有した長尺の錠として形成され、シリンダ錠5の先端が下前扉31の正面側に露出して位置するようにしている。また、支持板2の中間部に形成した幅広部に、支持ローラ14が回転自在に軸支され、この支持ローラ14は下前扉31の閉鎖時に、キャビネット30側に取付けられた受け金具35の滑り板38上にのり上げ、下前扉31を持ち上げるように動作し、開閉動作を容易にする。
また、支持ローラ14の上方の支持板2には、直角に曲折する形態で、下前扉31の開閉を電気的に検出する非接触スイッチS2のための被検出部13が支持板2と一体的に形成され、受け金具35には、その被検出部13に対応した位置に、近接スイッチなどの非接触スイッチS2が取り付けられる。
本施錠装置は、スロットマシンの下前扉用施錠具として、図8に示すように、スロットマシンにおける下前扉31の自由端側(正面視で右端)の内側に、その基枠体3の取付板1を固定ねじなどで固定して縦に装着される。シリンダ錠5は下前扉31内を貫通し、その先端が下前扉の前面に露出する。
この状態で、下前扉31の自由端側の端部に取り付けられた施錠装置は、その基枠体3の防護壁部4が下前扉31の自由端の端部側に位置し、施錠杆7、揺動ロック部材8、及び摺動ロック部材9が下前扉31の反自由端側に位置することになる。また、下前扉31の自由端側とキャビネット30の隙間に近い施錠装置の部分が防護壁部4によりガードされることになる。
このため、針金などの不正器具を下前扉の自由端側とキャビネットの隙間から差し込んで、不正解錠を行なおうとしても、防護壁部4と支持板2によって針金などの進入が阻止され、施錠杆7、揺動ロック部材8、摺動ロック部材9まで不正器具を到達させることができず、不正解錠を防止することができる。
一方、キャビネット30側には、図7に示すような受け金具35が固定される。この受け金具35は、上下の鉤部11,12に対応した位置の上部と下部に、係止部36、37を設けて形成され、受け金具35の中間部には上記支持ローラ14が乗り上げる滑り板38が設けられる。また、滑り板38の上方には、上記支持板2の被検出部13を閉鎖時に検出する近接スイッチなどの非接触スイッチS2が取り付けられる。
キャビネット30に対し下前扉31を閉じると、図8、図9に示すように、受け金具35の係止部36,37の縁部が、先ず摺動ロック部材9の傾斜係合部9bに接触して、これを押下げ、これにより、摺動ロック部材9の先端係合部9aが揺動ロック部材8の係合凸部8bを外側に動かす。これによって、係合凸部8bの固定係止部18に対する係合が外れ、揺動ロック部材8を含む施錠杆7は下方に移動可能となる。
そしてさらに、受け金具の係止部36が施錠杆7の鉤部11,12の傾斜面に接触することにより、施錠杆7が押下げられ、鉤部11,12の凹部に係止部36,37が進入したとき、施錠杆7がコイルばね16の付勢力により上方に移動し、鉤部11,12が係止部36,37に完全に係止され、施錠状態となる。このとき、同様に摺動ロック部材9の傾斜係合部9bが係止部36の縁部により、コイルばね15の付勢力に抗して押下げられ、摺動ロック部材9が下限まで移動したとき、傾斜係合部9bの上端が係止部36の下縁部に係止され、先端係合部9aが揺動ロック部材8の係合凸部8bに係合し、図10に示すように、摺動ロック部材9は押下げられた状態で停止する。
この状態で、施錠状態となるが、図10の如く、揺動ロック部材8の係合凸部8bが固定係止部18の縁部に係合し、揺動ロック部材8の下方への移動を阻止する。揺動ロック部材8は施錠杆7に対して軸支され、施錠杆7と共に移動するため、施錠杆7は解錠方向である下方へ移動がロックされる。したがって、針金などの不正器具を下前扉31の自由端側とキャビネット30の隙間から差し込んで、施錠杆7を解錠方向である下方に移動させようとしても、施錠杆7は、揺動ロック部材8と固定係止部18との係合によって、下方に移動することができず、不正解錠は防止される。
一方、施錠装置を解錠する場合、キーをシリンダ錠5に差し込み右に回すと、錠軸5aに固定されたカム部材6が同方向に回動し、カム部材6の第1係合凸部6aが図11のように、揺動ロック部材8の係合部8aを押下げ、僅かに図11の時計方向に回動させる。これにより、揺動ロック部材8の係合凸部8bが、固定係止部18の係合位置から外れると共に、摺動ロック部材9の先端係合部9aを係止する位置から外側に外れる。これによって、揺動ロック部材8及び施錠杆7が下方に移動可能な状態となる。
そして、さらにキーを右に回すと、カム部材6がさらに回動し、カム部材6の第1係合凸部6aが施錠杆7の係合部7dに係合して、図12のように、施錠杆7を押下げる。この結果、図12のように、施錠杆7の鉤部11,12が下方に移動して、受け金具35の係止部36,37との係合が外れて解錠され、図13のように、受け金具35の係止部36,37が施錠装置から離れ、下前扉31が開放される。
またこのとき、摺動ロック部材9の先端係合部9aと揺動ロック部材8の係合凸部8bとの係合は外れており、図13のように、摺動ロック部材8はコイルばね15の付勢力により上方に付勢されて移動する。これにより、摺動ロック部材9の上端の先端係合部9aは、揺動ロック部材8の係合凸部8bを越えて上方に達する。
この後、キーによる錠軸5aの回動操作が終了し、キーが元の位置に戻され、錠軸5aとカム部材6が元の位置、つまり第1係合凸部6aが揺動ロック部材8と施錠杆7から離れた位置に戻ると、揺動ロック部材8は、コイルばね15の付勢力により、図14のように、反時計方向に僅かに回動し、元の位置つまり図15の状態に戻り、解錠動作が終了する。
図15の状態は、開放されたときの施錠装置の状態であり、この状態で、再び下前扉31を閉じると、上述のように、先ず、受け金具35の係止部36により、摺動ロック部材9の傾斜係合部9bが、コイルばね15の付勢力に抗して押下げされ、このとき、摺動ロック部材9の先端係合部9aが揺動ロック部材8の係合凸部8bに作用して、揺動ロック部材8を図11のようにその時計方向に回動させ、これにより、係合凸部8bと固定係止部18との係合が解除される。このため、施錠杆7は下方への移動が可能となり、さらに受け金具35の係止部36,37の縁部が施錠杆7の鉤部11,12の傾斜面に接触して、施錠杆7が押下げられる。そして、鉤部11,12の凹部に係止部36,37が進入して、コイルばね16の付勢力により施錠杆7が施錠位置に戻ることにより、鉤部11,12が係止部36,37に完全に係止され、施錠状態となる。
一方、キーをシリンダ錠5に差し込み左に回すと、錠軸5aに固定されたカム部材6が同方向に回動し、カム部材6の第2係合凸部6bがスイッチ作動杆10の上端の係合部10bに係合して、これを上方に摺動させる。このとき、スイッチ作動杆10の作動片10aが上方に移動して、非接触スイッチS1に作用し、非接触スイッチS1がスイッチング動作し、リセット信号などが出力される。
このように、施錠状態においては、施錠杆7が、揺動ロック部材8の係合凸部8bが固定係止部18の縁部に当接して、解錠方向への移動がロックされ、針金などの不正器具を用いた不正解錠は防止されると共に、キーとシリンダ錠5を使用した解錠操作は、円滑に行なうことができる。また、キャビネット30側の受け金具35などにおいては、施錠杆7の鉤部11,12を係止させるのみで、特別な嵌合部や係止部分を設ける必要がないなどの利点がある。
なお、上記では本発明をスロットマシンの下前扉用施錠具に適用した例を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、スロットマシンの前扉用施錠具、パチンコ機の前面枠・ガラス枠用施錠具などに適用することもできる。
本発明の一実施形態を示す施錠装置の右側面図である。 同施錠装置の左側面図である。 同施錠装置の背面図である。 同施錠装置の背面側からの斜視図である。 同施錠装置の分解右側面図である。 同施錠装置の分解背面図である。 受け金具の斜視図である。 使用状態を示す開放時の左側面図である。 使用状態を示す施錠時の左側面図である。 施錠状態の部分拡大左側面図である。 解錠動作時の部分拡大左側面図である。 解錠動作時の部分拡大左側面図である。 解錠動作時の部分拡大左側面図である。 解錠動作時の部分拡大左側面図である。 解錠状態の部分拡大左側面図である。
符号の説明
1 取付板
2 支持板
3 基枠体
4 防護壁部
5 シリンダ錠
6 カム部材
7 施錠杆
8 揺動ロック部材
9 摺動ロック部材
11、12 鉤部



Claims (3)

  1. 基枠体の支持板に沿って施錠杆が摺動可能に配設され、該施錠杆の上部と下部に鉤部が背面側に突出すように形成され、該基枠体にシリンダ錠が取り付けられ、該シリンダ錠の錠軸に該施錠杆と係合可能なカム部材が固定され、該基枠体がゲーム機の前扉の自由端側に縦に取り付けられ、該ゲーム機の本体枠側に取り付けた受け金具の係止部に該鉤部が係止されて前扉を施錠する施錠装置において、
    該施錠杆に揺動ロック部材が揺動可能に枢支されると共に、該揺動ロック部材には、該カム部材が係合する係合部が設けられると共に、該施錠杆の解錠側への移動を阻止するための係合凸部が設けられ、該受け金具の係止部に係合可能な傾斜係合部を有した摺動ロック部材が、該施錠杆の長手方向に沿って摺動可能に配設され、該基枠体側には、該揺動ロック部材の係合凸部に係合して該施錠杆の解錠側への移動を阻止する固定係止部が設けられ、該摺動ロック部材には、該揺動ロック部材の係合凸部に係合して該揺動ロック部材を揺動させると共に、該係合凸部と固定係止部の係合を外して該施錠杆の解錠側への移動を可能とするための先端係合部が設けられ、該前扉を閉鎖して該施錠杆の鉤部を該受け金具の係止部に係止させて施錠したとき、該揺動ロック部材の該係合凸部が該固定係止部に係止されて該施錠杆の解錠方向への移動が阻止され、解錠時に該カム部材が解錠側に回動したとき、該揺動ロック部材が揺動して該係合凸部と該固定係止部との係合を外してロックを解除することを特徴とするゲーム機の施錠装置。
  2. 前記施錠杆、揺動ロック部材、摺動ロック部材及びカム部材は、前記基枠体の支持板の正面視左側に配設されたことを特徴とする請求項1記載のゲーム機の施錠装置。
  3. 前記基枠体には正面視右側に防護壁部が、該基枠体を断面略コ字状とするように、背面側に直角に曲折されて形成されたことを特徴とする請求項1記載のゲーム機の施錠装置。

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