JP2005142490A - 半導体装置、電気光学装置及び電子機器 - Google Patents

半導体装置、電気光学装置及び電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】
バンプ電極間の電気的短絡を防ぎ、かつ、接着強度を向上させることができる半導体装置、この半導体装置を搭載した電気光学装置、電子機器及び半導体装置の製造方法を提供すること。
【解決手段】
XドライバIC7を基板2上に熱圧着する際に、導電粒子11及び樹脂10が出力バンプ電極7bの側面に堰き止められて出力バンプ電極7bの周りに滞留することなく、出力バンプ電極7bの傾斜面7d、7eに沿って流動することが可能となる。これにより、出力バンプ電極7b間の電気的短絡を防止することができ、かつ、内部応力の発生を抑えて接着強度を向上させることができる。
【選択図】 図3



Description

本発明は、例えば携帯電話、携帯情報端末等の電子機器、これら電子機器に用いられる電気光学装置、及び半導体装置に関する。
携帯電話や携帯情報端末等の電子機器の表示部には、電気光学装置として例えば液晶装置等が用いられる。液晶装置は、例えばガラス基板間に液晶材料が保持された液晶パネルがこのガラス基板上に搭載された液晶駆動用ICと電気的に接続されて構成される(COG方式:Chip On Glass)。COG方式では、例えばガラス基板上に形成された端子と液晶駆動用ICに形成されたバンプ電極との間に異方性導電膜(ACF:Anisotropic Conductive Film)を介在させて熱圧着することで接続が行われている(特許文献1参照)。
特開2003−86634号公報
しかしながら、圧着時に接着剤が液晶駆動用ICの外側に流出する際にバンプ電極の側面に堰き止められることがあり、その場合は凝固したときに接着剤の分布が偏り、内部応力が発生し接着強度が低下するという問題がある。また特に、異方性導電膜を介在させ熱圧着により接続する場合には、異方性導電膜が溶解して液晶駆動用ICの外側に流出する際に、導電粒子やACF樹脂がバンプ電極の側面に堰き止められることがある。各バンプ電極で導電粒子が堰き止められて滞留していくと、異なるバンプ電極同士が導電粒子により導通し、電気的短絡が生じるという問題がある。また、ACF樹脂の流出が堰き止められると、凝固したときにACF樹脂の分布が偏り、内部応力が発生し接着強度が低下するという問題がある。
図16は、そのような場合の液晶駆動用IC7の一部を実装面から見た図である。
例えば、出力バンプ電極7bのX方向の側面が、Y方向に平行な平面Fにより形成される場合には、熱圧着の際、平面Fにより導電粒子11及び樹脂10が堰き止められることがある。この結果、例えば導電粒子11が滞留すると、隣接する出力バンプ電極7b同士が導通し、電気信号を出力する際に電気的短絡が生じることがある。また、樹脂10が堰き止められると、出力バンプ電極7b間に偏って分布することになり、熱圧着工程が終了したとき、凝固した樹脂10に内部応力が生じて接着力が弱くなってしまう。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、接着強度を向上させ、かつ、バンプ電極間の電気的短絡を防ぐことができる半導体装置、この半導体装置を搭載した電気光学装置、電子機器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る半導体装置は、複数のバンプ電極がN列に配列されている半導体素子と、前記複数のバンプ電極と対向するように配列された端子電極を備えた基板と、前記半導体素子及び前記基板の間に介在された接着剤とを備えた半導体装置において、前記バンプ電極の側面に、N+1の個数の前記複数のバンプ電極を結ぶ線分に対して傾斜し、角部を形成する傾斜面を有することを特徴とする。
本発明では、バンプ電極の側面が傾斜面を有しているので、半導体装置を基板上に圧着する際に、バンプ電極の側面で樹脂の流出が堰き止められ滞留することなく、バンプ電極の側面の傾斜面に沿って流動することが可能となる。これにより、凝固したときに樹脂が偏りなく分布し、内部応力の発生を抑えて接着強度を向上させることができる。
特に、異方性導電膜を介在させ熱圧着により接続する場合には、異方性導電膜内の導電粒子及び異方性導電膜を形成する樹脂がバンプ電極の一側面に堰き止められてバンプ電極の周りに滞留することなく、バンプ電極の一側面の傾斜面に沿って流動することが可能となる。これにより、バンプ電極間の電気的短絡を防止することができ、かつ、内部応力の発生を抑えて接着強度を向上させることができる。
ここで、側面とは、例えば図4における7d,7e,H,Gの全ての面を指し、傾斜面とは、バンプ電極の中心部Jに対して傾斜している面7d,7eを指す。また、本発明における、線分とは、例えばN=2の場合、2列(N列)である前記複数のバンプ電極の配列に対して、3個(N+1)以上の前記複数のバンプ電極を結ぶ直線であり、複数のバンプ電極の中心部を結ぶ線分である。例えば図14(a)に示すように、バンプ電極が2列配列されているので、少なくとも3個のバンプ電極の中心部を結ぶ線分を意味する。また、(b)でも同様であり、バンプ電極が1列配列されているので、2個以上のバンプ電極の中心部を結ぶ線分を意味する。
また、傾斜面が接着剤又は導電粒子及び樹脂がバンプ電極間から流出する際の下流側に設けられている場合は、下流側の側面が傾斜面を有することで、この下流側のバンプ電極間の間隔を広げることができる。これにより、圧着の際、接着剤又は導電粒子及び樹脂がバンプ電極間の下流側からスムーズに流出することができる。また、下流側のバンプ電極間の領域で接着剤等が上流から中流への間のバンプ電極間の領域より低圧となるので、バンプ電極間の詰まりやすい領域から接着剤が下流側へ引かれることになり、流速が早くなる。その結果、流動性が向上されるので、導電粒子の滞留及び樹脂の分布の偏りを抑制することができる。
傾斜面が接着剤又は導電粒子及び樹脂がバンプ電極間から流出する際の上流側に設けられている場合は、上流側の側面が傾斜面を有することで、この上流側のバンプ電極間の間隔を広げることができる。これにより、圧着の際、接着剤又は導電粒子及び樹脂がバンプ電極間の上流側からスムーズに流入することができるので、導電粒子の滞留及び樹脂の分布の偏りを抑制することができる。
本発明の別の観点に係る半導体装置は、複数のバンプ電極がN列に配列されている半導体素子と、前記複数のバンプ電極と対向するように配列された端子電極を備えた基板と、前記半導体素子及び前記基板の間に介在された接着剤とを備えた半導体装置において、前記複数のバンプ電極の側面に、N+1の個数の前記複数のバンプ電極を結ぶ線分に対して傾斜し、角部を形成する傾斜面を有し、前記傾斜面は湾曲した形状を有していることを特徴とする。
このような構成によれば、傾斜面によりバンプ電極の角部を形成し、又はバンプ電極の傾斜面が楕円形状とすることにより、傾斜面の角部をより鋭角にすることができるので、電気的接続の安定性を確保しつつ、接着剤の流動性を向上させることができる。
本発明の一の形態によれば、前記バンプ電極は、その中心を挟んで前記傾斜面の反対側にも傾斜面を有することを特徴とする。
このような構成によれば、接着剤は出力バンプ電極により堰き止められることなく、かつ、広くなった下流側からスムーズに流出することができる。これにより、導電粒子の滞留及び樹脂の分布の偏りを一層抑制することができる。
本発明の一の形態によれば、前記複数のバンプ電極は、近接した少なくとも2列以上の配列からなることを特徴とする。
このような構成によれば、例えば、出力バンプ電極が一方向に沿って2列以上形成される場合のように、一の端子電極に対して2以上の出力バンプ電極が接続されるので、接続の安定性が確保される。
本発明の一の形態によれば、前記出力バンプ電極は千鳥状に配列されていることを特徴とする。
このような構成によれば、熱圧着の際、導電粒子及び樹脂が千鳥状の手前側の出力バンプ電極間を流出し、奥側の出力バンプ電極に向けて集中して流れたときであっても、奥側の出力バンプ電極の傾斜面に沿って流れることができるので、スムーズに半導体素子の外側に流出することができる。また、下流側に傾斜面を有する場合では、導電粒子及び樹脂が傾斜面に沿って拡散されるように流れるので、奥側の出力バンプ電極に集中して流れることを抑制することができる。これにより、出力バンプ電極間の電気的短絡を抑制し、接着強度の向上を図ることができる。なお、傾斜面を有しない構成だと、手前側の出力バンプ電極間を流出した導電粒子及び樹脂が奥側の出力バンプ電極に集中して流れ、当該奥側の出力バンプ電極の一側面に滞留しやすくなるので、出力バンプ電極を千鳥に配列したときに一側面が傾斜面を有するように構成するのは特に効果的である。
本発明の一の形態によれば、前記バンプ電極は、前記半導体素子の一辺側に配列された入力バンプ電極と、前記一辺と対向する他辺側に配列された出力バンプ電極とを有し、前記出力バンプ電極の前記一側面が前記傾斜面を有することを特徴とする。
このような構成によれば、入力バンプ電極と比べて特に狭い間隔で配列される出力バンプ電極の一側面が傾斜面を有するので、出力バンプ電極の周りに導電粒子及び樹脂が滞留するのを抑制することができ、電気的短絡及び接着強度向上を図ることができる。
本発明の別の観点に係る半導体装置は、複数のバンプ電極が配列された半導体素子と、前記複数のバンプ電極と対向するように配列された端子電極を備えた基板と、前記半導体素子及び前記基板の間に介在された接着剤とを備えた半導体装置において、前記バンプ電極はその中心を通る短手方向の幅と長手方向の幅との比率が、1:2〜1:12である楕円形状であることを特徴とする。
このような構成によれば、バンプ電極が接着剤の流れる方向に向かって延びる形状であり、その側面がより急に湾曲しているので、接着剤が側面に沿って流れやすくなる。
本発明の一の形態によれば、前記接着剤は異方性導電膜であり、隣接する前記バンプ電極間の距離が、前記異方性導電膜内に散在する導電粒子の直径の3倍〜500倍の長さであることを特徴とする。
このような構成によれば、出力バンプ電極間の距離が十分に確保されるので、導電粒子及び樹脂がスムーズに流れることができる。3倍以上としたのは、出力バンプ電極間に導電粒子が詰まらないための距離を十分に確保できるからであり、500倍以下としたのは、端子電極の本数を十分に確保できるからである。
また、これらの半導体装置が用いられる本発明に係る電気光学装置は、上記の半導体装置と、半導体装置用基板と対向するように設けられた対向基板と、前記半導体装置用基板と前記対向基板との間に挟持された電気光学物質とを具備することを特徴とする。
さらに、本発明に係る電子機器は、上記の半導体装置又は上記の電気光学装置を搭載したことを特徴とする。
本発明の別の観点に係る半導体装置の製造方法は、一方向に沿って端子電極が配列された基板と、前記各端子電極と対向するようにバンプ電極が配列された各バンプ電極の前記一方向と略直交する方向の一側面が傾斜面を有する半導体素子との間に異方性導電膜を介挿する工程と、前記異方性導電膜が介挿された前記半導体素子と前記基板とを熱圧着する工程とを具備することを特徴とする。
このような構成によれば、異方性導電膜内の導電粒子及び異方性導電膜を形成する樹脂が一側面に堰き止められることなく傾斜面に沿って流動し、あるいは広げられたバンプ電極の下流側からスムーズに流出するように熱圧着を行うことができる。これにより、例えば熱圧着の工程に要する時間の短縮が可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の一実施形態に係る液晶装置の斜視図である。
液晶装置1は、シール材4を介して対向するように貼り合わされた一対の基板2及び基板3と、両基板の間隙にシール材4により封止された液晶(図示省略)とを有する。必要に応じてバックライト等の照明装置やその他の付帯機器が付設される(図示省略)。ここで、液晶装置1としては、TFT(Thin Film Transistor)アクティブマトリクス型、パッシブマトリクス型、TFD(Thin Film Diord)アクティブマトリクス型の液晶装置などのいずれであってもよい。
以下、液晶装置1としてTFTアクティブマトリクス型を例にあげて説明する。
基板2及び基板3は、例えばガラスや合成樹脂といった透光性を有する材料からなる板状部材である。基板2の内側(液晶側)表面にはX方向にゲート電極5が形成され、Y方向にソース電極6が形成されている。また、図示しない画素電極が画素ごとに形成されている。ゲート電極5及びソース電極6は、例えばITO(Indium Tin Oxide:インジウムスズ酸化物)などの透明導電材料によって形成される。ソース電極6は、例えば図1に示すように上半分が左側に、下半分が右側に引き廻されて形成される。また、各画素ごとに、ゲート電極5、ソース電極6及び画素電極に3端子のそれぞれが接続されたトランジスタTが設けられる。一方、基板3の内側表面には共通電極3aが形成されている。
また、基板2は、基板3の外周縁から張り出した領域(以下、「張り出し部」と表記する)2aを有する。張り出し部2aの面上には、出力端子5a、6aや入力端子5b、6b等の配線パターンが形成され、液晶駆動用のXドライバIC7及びYドライバIC8が実装されている。出力端子5a、6aはそれぞれゲート電極5、ソース電極6に接続され、例えば13μm〜15μmの間隔をおいて配列される。入力端子5b、6bは、例えばフレキシブル基板P等を介して図示しない回路基板等の外部機器に接続される。
図2は、図1に示した液晶装置1におけるA−A断面図である。以下、出力端子5a、入力端子5b及びXドライバIC7の構成を中心に述べ、ほぼ同様の構成である出力端子6a、入力端子6b及びYドライバIC8の構成については説明を省略する。
XドライバIC7の裏面(実装面)7aには、張り出し部2aの面上の各配線パターンに接続される複数のバンプ電極(出力バンプ電極7b及び入力バンプ電極7c)が設けられている。XドライバIC7は、例えば、エポキシまたはアクリルを主成分とする樹脂10内部に、球状の樹脂コアの周りにNi/Auメッキされた導電粒子11を分散させた異方性導電膜(ACF:Anisotropic Conductive Film)9を介して基板2に接合される。導電粒子11を介して、出力バンプ電極7bは出力端子5aと、また入力バンプ電極7cは入力端子5bとそれぞれ電気的に接続されている。
図3は、基板2に実装されたXドライバIC7を実装面から見た図である。
出力バンプ電極7bは、例えばXドライバIC7の一辺に沿って2列に配列され、各出力電極5aに1個ずつ接続される。なお、出力端子1個に対してバンプ電極7bが2個ずつ接続されるように形成しても良い。出力バンプ電極7bはX方向の両端にそれぞれ傾斜面7d、7eを有する。傾斜面7d、7eは、例えば出力バンプ電極7b両端のY方向の中央部から両側面に向かって形成される。入力バンプ電極7cは、出力バンプ電極7bと対向する側に例えば1列に配列される。
図4は出力バンプ電極7bの拡大図である。
出力バンプ電極7bのY方向の長さe1は5〜100μm、X方向の長さe2は5〜200μmとすることが好ましい。最大値をそれぞれ100μm又は200μmとしたのは、出力バンプ電極7bのY方向の長さがこの値よりも大きいと、出力バンプ電極7b間のY方向の距離を確保することが困難となるからである。また、最小値をそれぞれ5μmとしたのは、出力バンプ電極7bのY方向の長さがこの値よりも小さいと、出力端子5aとの接続が不安定になる虞があり、また、出力バンプ電極7bを形成すること自体が困難となるからである。本実施形態では、例えばe1は22μm、e2は125μmとしている。傾斜面7d、7eは、角部Iの角度θが例えば90度である直角二等辺三角形の一辺であるが、流動性の向上の観点から、この角度θを90度よりも小さくしても構わない。このように形成されることで、圧着の際、樹脂10又は導電粒子11が出力バンプ電極7b間の上流側から下流側にスムーズに流れることができるので、導電粒子11の滞留及び樹脂10の分布の偏りを抑制することができる。
X方向における出力バンプ電極7bの距離d1は、例えば導電粒子11の径の3倍〜500倍、好ましくは導電粒子11の径の3.2倍〜3.3倍となるように配列する。具体的には、導電粒子11の径4μmに対して、距離d1はY方向では12.8〜13.2μm、X方向では50μmであることが好ましい。出力バンプ電極7b間の距離とは、出力バンプ電極7bの外周部間の最短距離をいう。3倍以上としたのは、出力バンプ電極7b間に導電粒子11が詰まらないために必要な距離を確保できるからであり、500倍以下としたのは、必要な出力端子5aの本数を確保するためである。
ここで、図5は、出力バンプ電極7b間の距離と電気的短絡の発生率との関係を示すグラフであり、本発明者らが実験により求めたものである。図5より、出力バンプ電極7b間の距離が導電粒子11の径の3倍以上のとき電気的短絡の発生率がほぼ0になっていることがわかる。
次に、XドライバIC7を基板2に実装する工程を図6のフローチャートに基づいて説明する。
実装工程は、基板2とXドライバIC7とを位置合わせする工程と(ステップ601)、XドライバIC7と基板2とをACF9を介して熱圧着する工程と(ステップ602)を有する。
ステップ601では、まず、ACF9を基板2の接合部分に貼り付け、例えば図示しないCCDカメラ等により、基板2側から、例えば予め基板2及びXドライバICに付しておいたアライメントマークの位置を撮像しつつ、両者のアライメントマークが一致するように位置を調整する。なお、この後に基板2とXドライバIC7とを仮固定しても良い。
ステップ602では、基板2及びXドライバICの位置を合わせた状態で、例えば図示しない加熱ヘッド等をXドライバIC7に接触させて基板2の方向に圧力を加える。加熱ヘッドからXドライバIC7を伝わる熱によりACF9が軟化し、出力バンプ電極7bには出力端子5a、入力バンプ電極7cには入力端子5bがそれぞれ導電粒子11を介して電気的に接続されるように、XドライバIC7が基板2に接着される。
図7は、熱圧着工程(ステップ602)でのXドライバIC7及びACF9の様子を実装面から見た図である。
ACF9が熱により軟化している状態で圧力をかけると、樹脂10がXドライバIC7の外側(X方向)に向けて流れ、樹脂10に含まれる導電粒子11も樹脂の流れに従って同様に流れる。1列目の出力バンプ電極7bに到達すると、傾斜面7dに沿って出力バンプ電極7bの側面に流れ、さらに側面から傾斜面7eに沿って拡散するように流れる。2列目の出力バンプ電極7bに到達した場合にも同様に傾斜面7d、7eに沿って流れ、XドライバIC7の外側に流出する。この際に、出力バンプ電極7b間の中央部分の流速は、出力バンプ電極7bの側面付近の流速に比べて速くなる。
本実施形態によれば、XドライバIC7を基板2上に熱圧着する際に、導電粒子11及び樹脂10が出力バンプ電極7bの側面に堰き止められて出力バンプ電極7bの周りに滞留することなく、出力バンプ電極7bの傾斜面7d、7eに沿って流動することが可能となる。これにより、出力バンプ電極7b間の電気的短絡を防止することができ、かつ、内部応力の発生を抑えて接着強度を向上させることができる。
(第2実施形態)
図8は、本発明の第2の実施形態に係る基板に実装されたXドライバICを実装面から見た図である。この図は第1の実施形態における図3に相当するものであるが、異方性導電膜については省略している。この実施形態におけるXドライバICが第1の実施形態のそれと重複する部分については同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態において、傾斜面7d及び7eを有する出力バンプ電極7bは、例えばXドライバIC7の一辺に沿って千鳥状に配列されている。このとき、隣接する出力バンプ電極7bの距離d2が導電粒子11の径の3倍〜500倍、好ましくは導電粒子11の径の3.2倍〜3.3倍となるようにする。
このように傾斜面7d及び7eを有する出力バンプ電極7bを千鳥状に配列することにより、熱圧着の際、導電粒子11及び樹脂10が千鳥状の手前側の出力バンプ電極7f間を流出し、奥側の出力バンプ電極7gに向けて集中して流れ込んだときであっても、奥側の出力バンプ電極7gの傾斜面7d及び7eに沿って流れることができるので、スムーズにXドライバIC7の外側に流出することができる。これにより、出力バンプ電極7b間の電気的短絡を抑制し、接着強度の向上を図ることができる。なお、傾斜面7d又は7eを有しない構成だと、手前側の出力バンプ電極7f間を流出した導電粒子11及び樹脂10が奥側の出力バンプ電極7gに集中して流れ、当該奥側の出力バンプ電極7fの一側面に滞留しやすくなるので、出力バンプ電極7bを千鳥状に配列したときに、傾斜面7d、7eを設けることはとくに有効である。
(第3実施形態)
図9は、本発明の第3の実施形態に係る基板に実装されたXドライバICを実装面から見た図である。第2実施形態の場合と同様、異方性導電膜については図示を省略し、第1の実施形態の構成要素と重複する部分については同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態のように、傾斜面7d及び7eを有する出力バンプ電極7bを、例えばXドライバIC7の一辺に沿ってY方向に一列に配列させてもよい。このような構成により、XドライバIC7をY方向に2列に配列させたときよりも導電粒子11及び樹脂10の停留が軽減される。
(第4実施形態)
図10は、本発明の第4の実施形態に係る基板に実装されたXドライバICを実装面から見た図である。異方性導電膜については図示を省略し、第1の実施形態の構成要素と重複する部分については同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態では、傾斜面7d及び7eを有する出力バンプ電極7bが、例えばXドライバIC7の一辺に沿って、外側が一列に、内側が千鳥状になるように配列されている。これにより、一の出力端子5aに対して2以上の出力バンプ電極7bを接続することが可能となるので、接続の安定性が確保される。なお、このような接続の安定性の観点から、XドライバIC7の一辺に沿って、傾斜面7d、7fを有する出力バンプ電極7bを平行に3列以上配列してもよい(図示省略)。
(第5実施形態)
図11は、本発明の第5の実施形態に係る基板に実装されたXドライバICを実装面から見た図である。異方性導電膜については図示を省略し、第1の実施形態の構成要素と重複する部分については同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態では、出力バンプ電極7bがXドライバIC7の一辺に沿って2列に配列されているが、傾斜面7d、7eが外側に凸になるように湾曲するように形成されており、実装面から見て例えば楕円形となっている点で、第1の実施形態とは異なっている。この場合、出力バンプ電極7bの短軸(Y方向)の長さは、例えば21〜100μm、具体的には22μmとするのが好ましい。最大値を100μmとしたのは、出力バンプ電極7bの短軸の長さが100μmよりも大きいと、出力バンプ電極7b間の距離を確保することが困難となるからである。また、最小値を21μmとしたのは、出力バンプ電極7bの短軸の長さが21μmよりも小さいと、出力端子5aとの接続が不安定になる虞があり、また、出力バンプ電極7bを形成すること自体が困難となるからである。
また、出力バンプ電極7bの長軸(X方向)の長さは、例えば50〜240μm、具体的には、169μmとするのが好ましい。流動性の向上の観点から、樹脂10又はACF9の流れる方向に向かって延びる形状である方が好ましく、さらに、その側面がより急な湾曲を描いている方が好ましいからである。従って、短軸方向の幅と長軸方向の幅との比率は、1:2〜1:12の範囲であることが好ましい。
ここで、出力バンプ電極7bの形状を単なる円状ではなく楕円状としたのは、導電粒子11が引っかかりにくく、樹脂10又は導電粒子11の流動性が向上するからである。この場合、安定した導通を確保するため、上記のように出力バンプ電極7bに一定の幅を持たせる必要がある。
図12及び図13は、実装面から見たときの出力バンプ電極7bの形状を示したものである。
上記のように出力バンプ電極7bの形状としては、楕円形の他にも様々な形状が考えられる。例えば、一方の側面に、Y方向の中央から両側面にかけて傾斜面7dを有する形状(図12(a))、この形状よりさらに急峻に傾斜し、他方の側面に至るまで傾斜面7dを有する形状(図12(b))、一方の側面に、一の側面から他の側面にかけて傾斜面7dを有する形状(図12(c))、さらに急峻に傾斜し、他方の側面に至るまで傾斜面7dを有する形状(図12(d))、例えば図12(c)の形状において、傾斜面7dが外側に凸になるように湾曲した形状(図12(e))、湾曲部分が他方の側面にかけて形成される形状(図12(f))、両方の側面に形成された傾斜面7d、7eが、それぞれ一方の側面から、他方の側面のX方向の中央にかけて形成された形状(図12(g))、Y方向に延びる平面7hを備え、この平面の両端から両側面にかけて傾斜面7dを有する形状(図12(h))、又は、平面7hの一端から一の側面にかけて傾斜面7dを有する形状(図12(i))等としても構わない。
また、例えば、隣接する一対の出力バンプ電極7bの傾斜面7d同士又は傾斜面7e同士が向き合うように配置されていてもよい(図13(a)(b))。これにより、上流側又は下流側の少なくとも一方がより広くなるので、接着剤の流動性が向上する。
また、隣接する出力バンプ電極7bの形状が異なるように例えば傾斜面7dについては中央から両側面にかけて傾斜面を有する形状とし、傾斜面7eを一の側面から他の側面にかけて傾斜面を有する形状又は外側に湾曲した形状としても良い(図13(c))。さらに、隣接する出力バンプ電極7bの傾斜面の形状が異なるように例えば傾斜面7d1を外側に湾曲した形状とし、隣接する出力バンプ電極7bの傾斜面7d2を一の側面から他の側面にかけて傾斜面を有する形状としても良い(図13(d))。
なお、上記に示した出力バンプ電極7bの各形状においては傾斜面、平面及び側面の境界が角部となって形成されるが、熱圧着の際には、この角部が流動する樹脂10及び導電粒子11を側面側に掻き分けることにより、樹脂10及び導電粒子11が傾斜面に沿って流れるように促進されるので、樹脂10及び導電粒子11の滞留を抑制することができる。
上記のように傾斜面7d、7eを形成しても、熱圧着の際、樹脂10及び導電粒子11が傾斜面7d、7eに沿って流れるので、滞留を抑制することができ、出力バンプ電極7b間の電気的短絡を防止することにより、接着強度の向上を図ることができる。
なお、図12及び図13に示した形状及び配列形態は例示に過ぎず、これらの他にも様々な形状および配列形態が考えられる。
本発明は、以上説明した実施形態には限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
図14は、上記実施形態に係る基板に実装されたXドライバIC7を実装面から見た図である。
例えば矩形等に形成された出力バンプ電極7bが、それぞれの出力バンプ電極7bの中心部を結んだ線分に対して斜めに配置されて配列している場合(図14(a))であっても、樹脂10及び導電粒子11の流動性を向上することが可能である。
また、例えば端部の出力バンプ電極7bには傾斜面7d、7eを設けず、中央部の出力バンプ電極7bに傾斜面7d、7eを設ける場合(図14(c))のように、一つの面7a上に、互いに異なる形状を有する出力バンプ電極7bが配列されている場合であっても、樹脂10及び導電粒子11の流動性を向上することが可能である。この場合、出力バンプ電極7bが密に配置されている中央部において樹脂10及び導電粒子11の流動性を向上させることが可能となる。
さらに、上記実施形態においては、出力バンプ電極7bを対象として説明したが、出力バンプ電極7bと対向するように配列された出力端子5aが傾斜部を有する場合であっても本発明の適用が可能であり、樹脂10及び導電粒子11の流動性を向上させることができる。また、出力バンプ電極7bと出力端子5aの双方に傾斜部を設けることにより流動性を一層向上させることも可能である。
また、上記の実施形態においては、樹脂10及び導電粒子11の流動する上流側の出力バンプ電極7bの側面E及び下流側の側面Fの、それぞれの中央部から両側面G、Hに向かう傾斜面7d、7eが形成されているが、例えば、中央部ではなくどちらかの側面方向に寄った点を頂点としても良い。
なお、上記の実施形態においては、TFTアクティブマトリクス型液晶装置を例にあげて説明したが、本発明は、パッシブマトリクス型、TFD(Thin Film Diode)アクティブマトリクス型の液晶装置などのいずれであってもよい。更に、液晶装置に限らず他の電気光学装置、例えば無機あるいは有機のエレクトロルミネッセンス装置、プラズマディスプレイ装置、電気泳動ディスプレイ装置、電子放出素子を用いた装置などにも適用可能である。
(電子機器)
図15は、本発明に係る電子機器の一実施形態である携帯電話を示す。この携帯電話600は、操作部601と、表示部602とを有する。操作部601の前面には複数の操作ボタンが配列され、送話部の内部にマイクが内蔵されている。また、表示部602の受話部の内部にはスピーカが配置されている。
上記の表示部602においては、ケース体の内部に上述の液晶装置1が実装されている。ケース体内に設置された液晶装置1は、表示窓60Aを通して表示面を視認することができるように構成されている。
なお、本発明に係る液晶装置を適用可能な他の電子機器としては、液晶テレビ、ビューファインダ型・モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置,ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、ディジタルスチルカメラなどが挙げられる。
本発明に係る液晶装置の実施形態の全体構成を示す概略斜視図である。 図1の線A−Aで切断したときの矢視方向の断面構造を模式的に示す縦断面図である。 図1に示したXドライバICの実装面を示す概念的な平面図である。 出力バンプ電極を拡大して示した平面図である。 出力バンプ電極間の距離と電気的短絡の発生率との関係を示したグラフである。 図1に示した基板上にXドライバICを実装する工程を示すフローチャートである。 熱圧着時のXドライバICの様子を示す平面図である。 本発明の第2の実施形態に係るXドライバICの実装面を概略的に示す平面図である。 本発明の第3の実施形態に係るXドライバICの実装面を概略的に示す平面図である。 本発明の第4の実施形態に係るXドライバICの実装面を概略的に示す平面図である。 本発明の第5の実施形態に係るXドライバICの実装面を概略的に示す平面図である。 出力バンプ電極の形状を例示的に示す平面図である。 出力バンプ電極の形状を例示的に示す平面図である。 出力バンプ電極の形状及び配列を例示的に示す平面図である。 本発明に係る電子機器の一例である携帯電話の外観を示す概略斜視図である。 傾斜面を有しない出力バンプ電極が形成されたXドライバICの構成を示す平面図である。
符号の説明
1…液晶装置 2…基板 5a、6a…出力端子 5b、6b…入力端子 7…XドライバIC 7a…裏面 7b…出力バンプ電極 7d、7e…傾斜面 7f、7g…出力バンプ電極群 9…ACF 10…樹脂 11…導電粒子 600…携帯電話

Claims (11)

  1. 複数のバンプ電極がN列に配列されている半導体素子と、
    前記複数のバンプ電極と対向するように配列された端子電極を備えた基板と、
    前記半導体素子及び前記基板の間に介在された接着剤とを備えた半導体装置において、
    前記バンプ電極の側面に、N+1の個数の前記複数のバンプ電極を結ぶ線分に対して傾斜し、角部を形成する傾斜面を有することを特徴とする半導体装置。
  2. 複数のバンプ電極がN列に配列されている半導体素子と、
    前記複数のバンプ電極と対向するように配列された端子電極を備えた基板と、
    前記半導体素子及び前記基板の間に介在された接着剤とを備えた半導体装置において、
    前記複数のバンプ電極の側面に、N+1の個数の前記複数のバンプ電極を結ぶ線分に対して傾斜し、角部を形成する傾斜面を有し、
    前記傾斜面は湾曲した形状を有していることを特徴とする半導体装置。
  3. 前記バンプ電極は、その中心を挟んで前記傾斜面の反対側にも傾斜面を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体装置。
  4. 前記複数のバンプ電極は、近接した少なくとも2列以上の配列からなることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の半導体装置。
  5. 前記複数のバンプ電極は、千鳥状に配列されていることを特徴とする請求項4に記載の半導体装置。
  6. 前記複数のバンプ電極は、前記半導体素子の一辺側に配列された入力バンプ電極と、前記一辺と対向する他辺側に配列された出力バンプ電極とを有し、前記出力バンプ電極の前記一側面が前記傾斜面を有することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の半導体装置。
  7. 複数のバンプ電極が配列された半導体素子と、
    前記複数のバンプ電極と対向するように配列された端子電極を備えた基板と、
    前記半導体素子及び前記基板の間に介在された接着剤とを備えた半導体装置において、
    前記バンプ電極はその中心を通る短手方向の幅と長手方向の幅との比率が、1:2〜1:12である楕円形状であることを特徴とする半導体装置。
  8. 前記接着剤は異方性導電膜であり、
    隣接する前記バンプ電極間の距離が、前記異方性導電膜内に散在する導電粒子の直径の3倍〜500倍の長さであることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の半導体装置。
  9. 複数のバンプ電極が配列された半導体素子と、
    前記複数のバンプ電極と対向するように配列され、側面が傾斜面を有する端子電極を備えた基板と、前記半導体素子及び前記基板の間に介在された接着剤とを具備することを特徴とする半導体装置。
  10. 請求項1乃至請求項9のいずれに記載の半導体装置と、
    前記基板及び前記基板に対向するように設けられた対向基板の間に挟持された電気光学物質とを具備することを特徴とする電気光学装置。
  11. 請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の半導体装置、又は請求項10に記載の電気光学装置を搭載したことを特徴とする電子機器。
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