JP2005142343A - アルミニウム電解コンデンサ用電極箔の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電解液中の水分量が増加した場合においても、充分な耐水性が得られ、電解液中の水分と電極箔との水和反応が抑えられ、コンデンサの電気特性の悪化や、水和反応時のガス発生を防止することができる電極箔の製造方法を提供する。
【解決手段】表面を粗面化したアルミニウム箔、または表面を粗面化した後、酸化皮膜を形成したアルミニウム箔をリン酸類金属塩を含む溶液に浸漬し、熱処理を行うことを特徴とし、
上記リン酸類金属塩を形成するリン酸類が、オルトリン酸、亜リン酸、次亜リン酸であり、
上記リン酸類金属塩を形成する金属が、アルミニウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛であり、
リン酸類金属塩を含む溶液の温度が20〜50℃、リン酸類金属塩の全濃度が0.25〜50g/Lであり、熱処理温度が100〜500℃であることを特徴とする。
【選択図】なし
【解決手段】表面を粗面化したアルミニウム箔、または表面を粗面化した後、酸化皮膜を形成したアルミニウム箔をリン酸類金属塩を含む溶液に浸漬し、熱処理を行うことを特徴とし、
上記リン酸類金属塩を形成するリン酸類が、オルトリン酸、亜リン酸、次亜リン酸であり、
上記リン酸類金属塩を形成する金属が、アルミニウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛であり、
リン酸類金属塩を含む溶液の温度が20〜50℃、リン酸類金属塩の全濃度が0.25〜50g/Lであり、熱処理温度が100〜500℃であることを特徴とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、アルミニウム電解コンデンサ用電極箔の製造方法に関するものであり、特に電極箔の耐水性改善に関するものである。
一般に、アルミニウム電解コンデンサは、エッチング処理により表面積を拡大させたアルミニウム箔表面に化成処理を施し、酸化皮膜を形成させた陽極箔と陰極箔との間に、セパレータを挿入し巻回したコンデンサ素子に、駆動用電解液(以下、電解液と称す)を含浸させてケースに封入することにより構成される。
従来、電極箔が電解液中の水分と水和反応を起こし、コンデンサの特性悪化を起こすことを抑制するため、電極箔製造工程においてアルミニウム箔をリン酸類水溶液に浸漬処理し、200〜300℃の熱処理を行うことで、耐水性の高いリン酸アルミニウムの皮膜を形成させる処理が行われている。
すなわち、エッチングされたアルミニウム箔を陽極酸化処理した後に、亜リン酸、またはオルトリン酸と亜リン酸との混合溶液中に浸漬処理し、200〜300℃の加熱処理工程を経ることにより、電極箔の耐水性を高める製造方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開2001−6984号公報
しかしながら、アルミニウム電解コンデンサのESRを低減する目的で、電解液中の水分量を増加させた場合、従来より行われているリン酸類による電極箔の処理では充分な耐水性が得られず、電解液中の水分と電極箔が水和反応し、コンデンサの電気特性の悪化や、水和反応時のガス発生に伴う外観変化や弁作動を引き起こすという問題があった。
上記のような問題があったため、電解液中の水分量が増加した場合においても、充分な耐水性が得られ、電解液中の水分と電極箔との水和反応が抑えられ、コンデンサの電気特性の悪化や、水和反応時のガス発生を防止することができる電極箔の製造方法が要求されていた。
本発明は、上記課題を解決するものであり、電極箔製造工程において、リン酸類金属塩を含む溶液にアルミニウム箔を浸漬処理し、熱処理を行うことにより、耐水性が極めて良好なアルミニウム電解コンデンサ用電極箔の製造方法を提供するものである。
すなわち、表面を粗面化したアルミニウム箔をリン酸類金属塩を含む溶液に浸漬し、熱処理を行うことを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ用電極箔の製造方法である。
また、表面を粗面化した後、酸化皮膜を形成したアルミニウム箔をリン酸類金属塩を含む溶液に浸漬し、熱処理を行うことを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ用電極箔の製造方法である。
さらに、上記のリン酸類金属塩を形成するリン酸類が、オルトリン酸、亜リン酸、次亜リン酸であることを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ用電極箔の製造方法である。
そして、上記のリン酸類金属塩を形成する金属が、アルミニウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛であることを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ用電極箔の製造方法である。
また、上記のアルミニウム箔を浸漬するリン酸類金属塩を含む溶液の温度が20〜50℃、リン酸類金属塩の全濃度が0.25〜50g/Lであり、熱処理温度が100〜500℃であることを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ用電極箔の製造方法である。
リン酸類金属塩としては、上記したリン酸類および金属からなるものの第一、第二、第三リン酸類金属塩を挙げることができ、単独または二種以上を混合してもよい。また他のリン酸類と併せて使用することも可能である。
リン酸類とアルミニウム電極箔との反応は、リン酸の官能基である水酸基とアルミニウムとの反応であるが、この反応が進行するに従い、耐水性がより高くなる。
本発明においては、リン酸類の水酸基に予め金属塩が付加しているリン酸類金属塩を使用するので、従来の亜リン酸、またはオルトリン酸と亜リン酸との混合溶液による皮膜よりも強固な皮膜が形成され、電解液の水分による電極箔の水和反応を抑制でき、良好なコンデンサ特性を得ることができる。
本発明においては、リン酸類の水酸基に予め金属塩が付加しているリン酸類金属塩を使用するので、従来の亜リン酸、またはオルトリン酸と亜リン酸との混合溶液による皮膜よりも強固な皮膜が形成され、電解液の水分による電極箔の水和反応を抑制でき、良好なコンデンサ特性を得ることができる。
以下、本発明を実施例に基づき具体的に説明する。
表面をエッチングにより粗面化したアルミニウム箔を、表1に示すリン酸類金属塩処理液の組成、温度にて60秒間浸漬処理後、表1記載の温度で熱処理を行い、試料電極箔とした。
試料の耐水性を確認する試験として、電極箔を温度95℃の10%アジピン酸アンモニウム水溶液に100時間浸漬し、耐電圧(V−T)と静電容量を測定した。その結果を表1に示す。
表面をエッチングにより粗面化したアルミニウム箔を、表1に示すリン酸類金属塩処理液の組成、温度にて60秒間浸漬処理後、表1記載の温度で熱処理を行い、試料電極箔とした。
試料の耐水性を確認する試験として、電極箔を温度95℃の10%アジピン酸アンモニウム水溶液に100時間浸漬し、耐電圧(V−T)と静電容量を測定した。その結果を表1に示す。
表1より明らかなように、表面をエッチングにより粗面化したアルミニウム箔に、リン酸類金属塩による浸漬処理を行った実施例1〜21は、当該浸漬処理を行わなかった従来例1、2と比較して耐水試験後の耐電圧、静電容量の低下が小さく、電極箔に高い耐水性を付与することができる。
また、リン酸類金属塩の全濃度が0.25g/L未満である実施例1では、リン酸類金属塩のアルミニウム箔への付着量が少ないため、充分な耐水性が得られない。逆に50g/Lを超える実施例11では、過剰なリン酸類金属塩によりアルミニウム箔の皮膜が溶解するため問題がある。従って、処理液中のリン酸類金属塩の全濃度は0.25〜50g/Lであることが好ましい。
さらに、リン酸類金属塩の処理液温度が20℃未満である実施例15では、リン酸類金属塩とアルミニウム箔との反応が十分でないため、電極箔に充分な耐水性を付与することができない。逆に50℃を超える実施例17では、リン酸類金属塩がアルミニウム箔との反応が進みすぎ、粗面化により形成されたエッチングピットを溶解したり、生成した皮膜がエッチングピットを埋めるため、電極箔の耐電圧、静電容量が低下するので問題がある。従って、処理液温度は20〜50℃であることが好ましい。
また、熱処理温度が100℃未満である実施例18においては、リン酸金属塩とアルミニウム箔との皮膜形成反応が充分に進行せず問題であり、逆に500℃を超える実施例21では、皮膜形成反応が過剰になり耐電圧、静電容量の低下を引き起こすので問題がある。従って、熱処理温度は100〜500℃であることが好ましい。
次に、表面をエッチングにより粗面化したアルミニウム箔に公知の化成方法で酸化皮膜を形成させたアルミニウム化成箔についても同様の耐水性試験を行った。その試験条件および試験結果を表2に示す。
表2より明らかなように、表面をエッチング処理により粗面化した後、化成処理して酸化皮膜を形成した実施例22〜42は、当該浸漬処理を行わなかった従来例3、4と比較して耐水試験後の耐電圧、静電容量の低下が小さく、電極箔に高い耐水性を付与することができる。
また、リン酸類金属塩の全濃度が0.25g/L未満である実施例22では、リン酸類金属塩のアルミニウム箔への付着量が少ないため、充分な耐水性が得られない。逆に、50g/Lを超える実施例32では、過剰なリン酸類金属塩によりアルミニウム箔の皮膜が溶解するため問題がある。従って、処理液中のリン酸類金属塩の全濃度は0.25〜50g/Lであることが好ましい。
さらに、リン酸類金属塩の処理液温度が20℃未満である実施例36では、リン酸類金属塩のアルミニウム箔への付着量が少ないため、電極箔に充分な耐水性を付与することができない。逆に、50℃を超える実施例38では、リン酸類金属塩がアルミニウム上の酸化皮膜を溶解させるため、電極箔の耐電圧、静電容量が低下するので問題がある。従って、処理液温度は20〜50℃であることが好ましい。
また、熱処理温度が100℃未満である実施例39においては、リン酸金属塩とアルミニウム箔との皮膜形成反応が充分に進行せず問題であり、逆に500℃を超える実施例42においては、皮膜形成反応が過剰になり耐電圧、静電容量の低下を引き起こすので問題がある。従って、熱処理温度は100〜500℃であることが好ましい。
Claims (5)
- 表面を粗面化したアルミニウム箔をリン酸類金属塩を含む溶液に浸漬し、熱処理を行うことを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ用電極箔の製造方法。
- 表面を粗面化した後、酸化皮膜を形成したアルミニウム箔をリン酸類金属塩を含む溶液に浸漬し、熱処理を行うことを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ用電極箔の製造方法。
- 請求項1または請求項2記載のリン酸類金属塩を形成するリン酸類が、オルトリン酸、亜リン酸、次亜リン酸であることを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ用電極箔の製造方法。
- 請求項1または請求項2記載のリン酸類金属塩を形成する金属が、アルミニウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛であることを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ用電極箔の製造方法。
- 請求項1または請求項2記載のアルミニウム箔をリン酸類金属塩を含む溶液の温度が20〜50℃、リン酸類金属塩の全濃度が0.25〜50g/Lであり、熱処理温度が100〜500℃であることを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ用電極箔の製造方法。
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JP2003376915A JP2005142343A (ja) | 2003-11-06 | 2003-11-06 | アルミニウム電解コンデンサ用電極箔の製造方法 |
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---|---|---|---|---|
JP2007299916A (ja) * | 2006-04-28 | 2007-11-15 | Nichicon Corp | 電解コンデンサ用電極箔の製造方法 |
JP2008091358A (ja) * | 2006-09-29 | 2008-04-17 | Nichicon Corp | 固体電解コンデンサおよびその製造方法 |
CN105513803A (zh) * | 2015-12-24 | 2016-04-20 | 南通海星电子股份有限公司 | 一种高温电容器用低压电极箔制造方法 |
CN112119477A (zh) * | 2018-05-17 | 2020-12-22 | 日本轻金属株式会社 | 铝电解电容器用电极的制造方法 |
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2003
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