JP2005140878A - 反応現像画像形成法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明は、基板上に側鎖にカルボニル基を有するポリマー及び光酸発生剤から成るフォトレジスト層を設け、所望のパターンでマスクする段階、このパターン面に紫外線を照射する段階、該フォトレジスト層を下式
MO−R−X
(式中、Mはアルカリ金属又はアルカリ土類金属、Rはアルキレン基、Xは1級アミノ基、2級アミノ基又は3級アミノ基を表す。)で表される金属アルコキシドを含む第1現像液で処理する第1現像段階、及びその後このフォトレジスト層を酸を含む第2現像液で処理する第2現像段階から成る反応現像画像形成法である。
【選択図】 なし
Description
ミクロ電子工学の半導体集積部品の製造において回路構造を作るために半導体基材はフォトレジストで被覆されるフォトレジスト層の画像形成露光及びこれに続く現像はフォトレジストレリーフ構造を作り出す。このレリーフ構造は半導体基材上に、金属又は他の半導体又は絶縁基材を用いたエッチング−ドーピング、被覆により実際の回路パターンを作るためのマスクとして使用される。その後、フォトレジストマスクは通常除かれる。複数のかかる加工サイクルを用いてマイクロチップのレリーフ構造は基材に形成される。
異なる2種のフォトレジスト、即ちポジ型レジストとネガ型レジストが知られている。2種の違うところはポジ型フォトレジストの露光域は現像プロセスにより除去され、未露光域が基材上に層として残る。一方、ネガ型作用フォトレジストの照射域はレリーフ構造として残ることにある。ポジ型フォトレジストは本質的に高い画像分解能を有していて、VLSI(超大規模集積回路)の製造に使用されている。
この「反応現像画像形成法」は、ポジ型のフォトレジスト技術の一種であり、まず、フォトレジスト層をヘテロ原子に結合したカルボニル基(C=O)を主鎖に含む樹脂と光酸発生剤とから成る混合物により形成した後に、この層を適宜所望のパターンにマスクした後に、紫外線を照射する。この紫外線照射により光酸発生剤は酸を発生させる。これをアルカリ(特に、求核性のアミン)を含む現像液で洗浄すると、このアルカリ(特に、求核性のアミン)が生成した酸と反応することにより、塩が生成し、露光域の極性が増大する。その結果、現像液中のアルカリ(特に、求核性のアミン)がこの露光域のポリマーの主鎖を構成するヘテロ原子に結合したカルボニル基を攻撃する。この攻撃により該カルボニル基の箇所で主鎖は切断される。この主鎖の切断により、ポリマーは低分子化され、現像液に溶解する。
MO−R−X
(式中、Mはアルカリ金属又はアルカリ土類金属、Rはアルキレン基、Xは1級アミノ基、2級アミノ基又は3級アミノ基を表す。)で表される金属アルコキシドを含む第1現像液で処理する第1現像段階、及びその後このフォトレジスト層を酸を含む第2現像液で処理する第2現像段階から成る反応現像画像形成法である。
また、本発明は、基板上に膜厚が0.1〜500μmのフォトレジスト層を有するフォトレジスト構造物であって、該フォトレジスト層が、側鎖にカルボニル基を有し、但し側鎖に酸や塩基と反応してカルボキシル基やフェノール性水酸基を発生できるような反応性基(例えば、保護基と結合したエステルやフェノール型エーテル等)を有さないポリマー及び光酸発生剤から成ることを特徴とするフォトレジスト構造物である。この構造物は上記反応現像画像形成法により、フォトレジスト層が所望のパターンのレリーフ構造を形成することができる。
光酸発生剤が光照射されると、この光酸発生剤からカルボン酸等の酸が生成する。この酸は本発明の金属アルコキシドと反応し、塩を生成する。この塩はポリマーの親水性を高める効果を持つ。
親水性の上がったポリマーは上記金属アルコキシドが浸入することを容易にし、次段の現像工程において、ポリマー中のカルボニル基とこの金属アルコキシドが反応することを可能にする。一方、光照射されず、このような反応が起きなかったポリマー部分は、疎水性であるため、ポリマーに上記金属アルコキシドが浸入することができず、次段の現像工程において、ポリマー中のカルボニル基と金属アルコキシドとの反応が起きない。
側鎖にカルボニル基(C=O)を有するポリマーは、そのポリマーがカルボニル基を含む置換基を有すればよく、このような置換基としては、下式
主鎖にヘテロ原子に結合したカルボニル基(C=O)を含む縮合型ポリマーは本発明者らの他の反応現像画像形成法(特許文献4)によるフォトレジストの対象であるが、このようなポリマーであっても側鎖にカルボニル基(C=O)を有するものであれば本発明の方法が適用されうる。
ポリマーにカルボニル基を導入するために、このポリマーにカルボキシル基、エステル基等のカルボニル基を有する置換基を公知の方法で導入してもよいし、マレイン酸、無水マレイン酸、マレインアニリド、マレインアニル(N-フェニルマレイミド)、マレインアニル酸、マレインアミド、マレインアミド酸、マレイミド、又はこれらエステル等の誘導体等のカルボニル基を有するモノマーを付加重合させてポリマーを得てもよい。
光酸発生剤はフォトレジスト中に全固形含量に基づいて5〜50重量%、好ましくは10〜40重量%、より好ましくは20〜30重量%用いられる。
本発明のフォトレジストはそれ自身公知の方法により成分を溶剤又は溶剤混合物中に混合又は溶解することにより配合される。一旦成分は溶液中に溶解され、得られたフォトレジスト溶液は0.1〜1μmの細孔を有するろ過膜を用いてろ過してもよい。
基板上への被覆は通常、浸漬、噴霧、ロール塗り又はスピンコーティングによって行われる。生じた層の厚さはフォトレジスト溶液の粘度、固形分含量及びスピンコーティング速度に依存する。本発明のフォトレジストは0.1〜500μm、好ましくは1〜100μmの層厚を持つ層及びレリーフ構造を作ることができる。多層回路における薄層は一時の間に合わせのフォトレジストとして又は絶縁層として1〜50μmにすることができる。
フォトレジストを基材に塗布した後、これに普通50〜120℃の温度範囲で予備乾燥させる。オーブン又は加熱プレートを使用できる。オーブン中での乾燥時間は5〜60分である。
普通、輻射は紫外線ランプを用いて行われる。市販で入手できる輻射装置、例えば接触又は非接触露光機、走査投光型露光装置又はウエハステッパーを使用することが好ましい。
第1の現像工程においては、フォトレジスト層を、下式
MO−R−X
で表される金属アルコキシドを含む第1の現像液で現像処理を行う。
Mはアルカリ金属又はアルカリ土類金属、好ましくはアルカリ金属、より好ましくはナトリウム又はカリウムである。
Rはアルキレン基を表す。Rの炭素数は2〜6、特に2〜4が好ましく、Rは更にアルキル基、アリール基、アリールアルコキシ基、アリールアミノ基等の置換基を有していてもよい。
なお、MOはアルキレン基(R)の1級、2級又は3級炭素のいずれに結合していてもよいが、1級又は2級炭素に結合していることが好ましく、1級炭素に結合していることが最も好ましい。
Xは1級アミノ基(−NH2)、2級アミノ基(−NHR3)又は3級アミノ基(−N(R4)2)を表す。ここでR3とR4はアルキル基又はアリール基、好ましくはアルキル基、より好ましくは炭素数が3以下のアルキル基を表し、R4はそれぞれ同じであっても異なってもよい。Xは好ましくは1級アミノ基又は2級アミノ基、最も好ましくは1級アミノ基である。
この第1の現像液は、通常HO-R-NH2(Rは上記と同様)中にナトリウムを投入して調製するため、主溶媒はHO-R-NH2である。このときのMO-R-NH2/HO-R-NH2(M、Rは上記と同様)の濃度は約5-20mol%(標準として10mol%)が好ましい。これに更に別の溶媒を混合してもよい。後から加える溶媒としてはN-メチル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエンなどが挙げられる。HO-R-NH2:後から加える溶媒の重量比は好ましくは約15:1〜25:1程度、最も好ましくは20:1程度である。
なお、一旦このようにHO-R-NH2中で作った金属アルコキシドを単離したのちに溶媒に溶解させて現像液として用いることも可能である。その場合の溶媒としては、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエンなどが使用可能である。
有機溶剤は、親水性の増したポリマーを溶解し、光酸発生剤や各種添加物を溶解する性能を持つ溶媒が用いられる。好ましい例として、アルコール類、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、ブチロラクトン、ジアセトキシエチレングリコール、シクロヘキサノン等が用いられる。なお、溶解性の強い溶媒を用いる場合には未露光部が溶解しないように適宜水等の溶媒で希釈して用いてもよい。
第2の現像液中の酸の濃度は通常0.5〜5M程度である。
現像後、酸を含まない適当な溶媒で洗浄してもよい。
本発明のポジ型フォトレジストは0.1〜500μm、好ましくは1〜100μmの層厚を有するポリマー被膜及び鋭い輪郭丸みを付けられたれレリーフ構造をとることができる。
本実施例においては、以下の方法でフォトレジストを形成させて観察した。フォトレジストは、各実施例のフォトレジスト配合物を3ミクロン細孔径の濾過膜で濾過して製造した。このフォトレジスト配合物を、表面処理していない直径10cmの銅箔(三井金属株式会社製品、35ミクロン厚さ)の表面上に、スピンコート法で塗布した。ついで、赤外線熱風乾燥機中で90℃ 10分間乾燥した。このフォトレジスト膜の厚さは、約15μmである。このフォトレジスト配合塗布膜上に、ポジ型フォトマスク用のテストパターン(10, 15, 20, 25, ---, 200μmのスルーホール及びラインアンドスペースパターン)を置き、2kw超高圧水銀灯照射装置(オーク製作所製品:JP-2000G)を用いて、画像が得られる露光量で照射した(紫外線照射 2000mJ/cm2)。
現像液中に、上記照射後の塗布膜を浸漬した後、アルコールで洗浄し、赤外線ランプで乾燥後、解像度を観察した。いくつかの実施例においては、形成したフォトレジストをSEM(日本電子製、走査型電子顕微鏡:SM-5500LV、加速電圧:10kV)により観察した。
このフォトレジストのSEM写真を図3に示す。
Claims (4)
- 基板上に側鎖にカルボニル基を有するポリマー及び光酸発生剤から成るフォトレジスト層を設け、所望のパターンでマスクする段階、このパターン面に紫外線を照射する段階、該フォトレジスト層を下式
MO−R−X
(式中、Mはアルカリ金属又はアルカリ土類金属、Rはアルキレン基、Xは1級アミノ基、2級アミノ基又は3級アミノ基を表す。)で表される金属アルコキシドを含む第1現像液で処理する第1現像段階、及びその後このフォトレジスト層を酸を含む第2現像液で処理する第2現像段階から成る反応現像画像形成法。 - 基板上に膜厚が0.1〜500μmのフォトレジスト層を有するフォトレジスト構造物であって、該フォトレジスト層が、側鎖にカルボニル基を有し、但し側鎖に酸や塩基と反応してカルボキシル基やフェノール性水酸基を発生できるような反応性基を有さないポリマー及び光酸発生剤から成ることを特徴とするフォトレジスト構造物。
- 前記フォトレジスト層が所望のパターンのレリーフ構造が形成されたものである請求項2に記載のフォトレジスト構造物。
- 請求項1に記載の方法により、フォトレジスト層が所望のパターンのレリーフ構造が形成されたものであるフォトレジスト構造物であって、該フォトレジスト層の膜厚が0.1〜500μmであり、前記ポリマーが側鎖に酸や塩基と反応してカルボキシル基やフェノール性水酸基を発生できるような反応性基を有さないフォトレジスト構造物。
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