JP2005138828A - シートベルト引き戻し器の係止機構の車両感応性作動方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 シートベルト係止機構の新規な車両感応性作動の方法を提供する。
【解決手段】 マイクロコントローラを備えた制御ユニット(6)により発生される作動信号により、車両内のシートベルト引き戻し器のための係止機構の車両感応性作動が発揮される。測定信号は車両の状況を検出するセンサ(5)から制御ユニットへ伝達される。制御ユニット内の抑制アルゴリズムが、シートベルトが使用されていないこと、車両が停止していること、車両速度がある限界値以上でないこと、または、垂直方向において測定した車両加速度のみがあるトリガ限界値を越えたことを決定した場合、作動信号が抑制される。
【選択図】 図2
【解決手段】 マイクロコントローラを備えた制御ユニット(6)により発生される作動信号により、車両内のシートベルト引き戻し器のための係止機構の車両感応性作動が発揮される。測定信号は車両の状況を検出するセンサ(5)から制御ユニットへ伝達される。制御ユニット内の抑制アルゴリズムが、シートベルトが使用されていないこと、車両が停止していること、車両速度がある限界値以上でないこと、または、垂直方向において測定した車両加速度のみがあるトリガ限界値を越えたことを決定した場合、作動信号が抑制される。
【選択図】 図2
Description
本発明は、マイクロコントローラを備えた制御ユニットによって発生される作動信号により、車両内のシートベルト引き戻し器のための係止機構に車両感応性作動をさせる方法に関する。
シートベルト引き戻し器においては、係止機構は自動車製造者または政府の規制により定められた所定のトリガ基準に従って作動させなければならない。車両感応性トリガ基準は、たとえば、ある車両の減速または車両のある傾斜角の過剰度である。近代の車両においては、車両の状況は中央のセンサまたは車両全体に亘って分布する数個のセンサにより検出され、その測定信号は母線を介してシートベルト引き戻し器の制御ユニットに伝達される。係止機構のためのトリガ基準は測定信号のその評価を通して制御ユニットにより特定される。車両内に配置されたセンサは、慣性センサに加えて、特に、スリップ制御にも使用されるABS装置のセンサまたはベルトバックル上のスイッチおよびベルト引き戻し器上の回転角度インジケータを含む。
各係止手順は機械的な部品、特にシートベルト引き戻し器の制御ディスクの外歯に係合するトリガ爪の運動を必要とする。基本的には、機械的な素子のいかなる運動も磨耗を生じさせる。トリガ爪のラッチ止めは、特にシート内に組み込まれ従って車両の乗員の頭部の近傍に位置するベルト引き戻し器において、しばしば悩まされるものとなる作動ノイズに関連する。
本発明は、係止機構の作動の発生を著しく減少させる、シートベルト引き戻し器内の係止機構の車両感応性作動の方法を提供する。車両内に分布した複数のセンサにより車両の状況を検出するような本発明の第1の実施の形態によれば、係止機構のためのトリガ基準は測定信号の評価により特定される。しかし、トリガ基準は満たされるが測定信号が次の条件のうちの1つを示した場合は、作動信号が抑制される。上記の条件とは、
− シートベルトが使用されていないとき;
− 車両が停止しているとき;
− 車両速度が所定の限界値よりも大きくないとき;
− 垂直方向で測定された車両加速度のみが所定のトリガ限界値を越えたとき;
である。
− シートベルトが使用されていないとき;
− 車両が停止しているとき;
− 車両速度が所定の限界値よりも大きくないとき;
− 垂直方向で測定された車両加速度のみが所定のトリガ限界値を越えたとき;
である。
これらすべての場合において、係止機構の作動は実際上必要ではなく、したがって抑制される。これは係止機構の機械的な素子の保存になると思われ、不必要な作動ノイズの回避につながる。
この第1の発明的なアプローチの好ましい実施の形態においては、車両の加速度値は中央のセンサユニットにより3つの直交軸に沿って検出され、対応する測定値は母線を介して車両内に設置されたシートベルト引き戻し器に分配される。この測定は、センサの重複を回避しながら、車両内に設置されたすべてのシートベルト引き戻し器の機能の良好な相関関係を生じさせる。
車両加速度および車両の傾斜角が中央の慣性センサにより検出され、車両の状態を検出するための付加的なセンサが車両内に存在するような本発明の第2のアプローチによれば、車両の所定の加速度値または傾斜角を越えた場合に、トリガ信号は中央の慣性センサから母線を介してシートベルト引き戻し器の制御ユニットに伝達される。制御ユニットはまた母線を介して他のセンサから測定信号を受け取り、トリガ基準は満たされるが測定信号が次の条件のうちの1つを示した場合に作動信号が抑制されるような態様でトリガ信号を測定信号に組み合わせる。上記の次の条件とは、
− シートベルトが使用されていないとき;
− 車両が停止しているとき;
− 車両速度が所定の限界値よりも大きくないとき;
− 垂直方向で測定された車両加速度のみが所定のトリガ限界値を越えたとき;
である。
− シートベルトが使用されていないとき;
− 車両が停止しているとき;
− 車両速度が所定の限界値よりも大きくないとき;
− 垂直方向で測定された車両加速度のみが所定のトリガ限界値を越えたとき;
である。
これらすべての場合において、係止機構の作動は実際上必要ではなく、したがって抑制される。これは係止機構の機械的な素子の保存になると思われ、不必要な作動ノイズの回避につながる。
互いに関して直角な少なくとも2つの方向において車両の動的及び静的な加速度を検出し、各軸のためのパルス幅変調信号を放出する容量性加速度センサを使用することが特に有利である。これらの信号に基づき、低性能のマイクロコントローラさえも空間的な座標系の3つの軸において車両の加速度値および傾斜角を決定できる。
本発明に係る方法は引き戻し器のシャフト上に位置する外歯を備えた制限された回転を行うことのできる制御ディスクを有する係止機構を持つシートベルト引き戻し器と一緒に使用するのに特に適し、係止機構は制御ディスクと相互作用するトリガ爪を有し、トリガ爪は制御ディスクの外歯と係合するようにバネ偏倚されるかまたは電磁石の励磁中制御ディスクの外歯から係合解除するように電磁石により保持される。このような係止機構により、電磁石がオンおよびオフする度に生じる作動ノイズを煩わしくないレベルにすることができる。
図1はスイッチ1、電磁石2、外歯を有する制御ディスク3および係止爪4を備えたベルト引き戻し器のための係止機構を示す。スイッチを開くことにより実施される電流の中断は電磁石2の励磁を中断させ、バネにより与えられる力は制御ディスク3の外歯に対して係止爪4を押し付ける。
図2は機械的なセンサ5、制御ユニット6およびスイッチ1を有する、本発明に係る方法を実施するのに適した構造体を示す。スイッチ1を開くのに必要とされる作動信号は制御ユニット6の出力Oで放出される。マイクロコントローラを含む制御ユニット6は、その入力17で、たとえばシートベルトの係止をトリガするための普通の装置に既に使用されている形式のボールセンサのような機械的なセンサ5の電気信号を受け取る。車両内に分布した他のセンサの出力信号7は入力I1ないしI6に適用される。
衝撃センサの信号は入力I1に適用される。
シートベルトバックルスイッチからの信号は入力I2に適用される。
ロールオーバーセンサからの信号は入力I3に適用される。
シートベルトバックルスイッチからの信号は入力I2に適用される。
ロールオーバーセンサからの信号は入力I3に適用される。
ABSセンサの信号は入力I4に適用される。
スリップセンサの信号は入力I5に適用することができる。
車両感応性センサの信号は入力I6に適用される。
スリップセンサの信号は入力I5に適用することができる。
車両感応性センサの信号は入力I6に適用される。
列挙したセンサ信号7のいくつかは車両に利用できる他のセンサ信号に置き換えることができ、または、一層多い/少ない入力において一層多い/少ない入力信号を提供することができる。
これらの入力信号は制御ユニット6内の2つの異なるアルゴリズムにより処理される。トリガアルゴリズムはシートベルトを係止するためのトリガ基準が満たされているか否かを確かめる。トリガ基準は法定の規則及び(又は)仕様により定められる。所定の傾斜角または所定の加速度値を越えた場合に、作動信号が発生する。抑制アルゴリズムは、測定信号に基づき、次の状態のうちの1つが存在するか否かを決定する:例えばシートベルトバックルスイッチの信号に基づき認識される、シートベルトが使用されていない場合;車両が停止している場合;車両速度がある限界値より大きくない場合;または、垂直方向で測定された車両の加速度のみがあるトリガ限界値を越えた場合、である。これらの状態の1つが認識された場合、トリガアルゴリズムにより発生された作動信号は抑制され、制御ユニットの出力Oに到達しない。
乗員(パッセンジャー)座席が空の場合、乗員シートベルト係止はトリガすべきでない。抑制アルゴリズムは作動信号を抑制する。
車両が傾斜路で駐車した場合、トリガアルゴリズムは作動信号を発生させる。車両が停止していることを示す入力I6での車両感応性センサの測定信号に基づき、抑制アルゴリズムは出力Oへの作動信号の放出を阻止する。したがって、シートベルトを締める動作ができることを保証する。
車両が傾斜路で駐車した場合、トリガアルゴリズムは作動信号を発生させる。車両が停止していることを示す入力I6での車両感応性センサの測定信号に基づき、抑制アルゴリズムは出力Oへの作動信号の放出を阻止する。したがって、シートベルトを締める動作ができることを保証する。
極めて遅い車両速度で、交通渋滞時に生じるような形式の急制動の場合、トリガアルゴリズムは同様に、係止機構が応答すべきである場合に煩わしいノイズを生じさせる作動信号を発生させる。ここでもまた、測定信号を評価することにより、抑制アルゴリズムは、速度がある所定の最小値以下であることを認識し、作動信号の放出を抑制する。
機械的なセンサ5としてのボールセンサは垂直加速度と水平加速度とを区別せず、そのため、自動車がでこぼこ道を走行しているときに、作動信号が発生する。車両感応性センサ、ABSセンサ及び(又は)衝撃センサの信号に基づき、抑制アルゴリズムは水平加速度が無い場合を認識でき、作動信号を適当に遮断することができる。
図3はスイッチ1のための複数の制御ユニット6、母線(バス)8および中央のセンサユニット9を備えた実施の形態を示す。中央のセンサユニット9の測定信号は母線8を介して車両内に位置する数個のシートベルト引き戻し器へ分配される。中央のセンサユニット9においては、車両の加速度値は3つの直交軸に沿って決定される。制御ユニット6は図2に関連して既に述べた測定信号の評価に基づき対応する出力Oで放出された作動信号は適当なスイッチ1を開き、既に述べたように係止機構をトリガする。
図4の実施の形態においては、車両全体にわたって分布したセンサ11ないし16、中央の慣性センサ18及びスイッチ1と母線10とを備えた制御ユニット17がある。車両の所定の加速度値または傾斜角を越えた場合、中央の慣性センサ18はトリガ信号を発生させる。このトリガ信号は母線10を介してマイクロコントローラを備えた1または任意の数の複数の制御ユニット17へ運ばれる。さらに、測定信号11ないし16はこの母線内へ供給される。センサは、たとえば衝撃センサ、シートベルトバックルセンサ、ロールオーバーセンサ、ABSセンサ、スリップセンサまたは車両感応性センサのような車両全体に亘って分布したセンサである。上述のセンサのいくつかを他のセンサに置き換えることが可能であり、一層多い/少ない測定信号を母線内へ送ることが可能である。シートベルトを使用していない場合に作動信号を抑制するように、トリガ信号および測定信号は制御ユニット17内で組み合わされる。同様にして、車両が停止している場合、作動信号は放出されない。車両速度がある限界値を越えない場合または例えばくぼみにより生じる垂直方向で測定した車両の加速度のみがあるトリガ限界値を越える場合は、係止機構の作動は同様に意味がない。これらの場合においても、トリガ信号および種々の測定信号の組み合わせは作動信号の抑制を生じさせる。図2に関連する説明はここでも同様に当てはまる。
ここでは、上述の実施の形態において必要とされる加速度センサ5、9、18は中央の容量性加速度センサに置き換えることができる。このセンサは互いに関して直角な少なくとも2つの方向における車両の動的および静的な加速度を検出し、次いで、各軸のためのパルス幅変調信号を放出する。スタンバイ状態においては、デューテイサイクルは1:1である。感応性方向からのセンサの角度変位はデューテイサイクルを変えることのできる信号を発生させる。部分的なサイクル周期は時間関連関係を伴う等距離区分に分割され、次いで、マイクロコントローラはデューテイサイクルを評価するために計数装置を使用する。このセンサは加速度と共に傾斜角の決定を許容する。このようなセンサの例はアナログ・デバイシズ社(Analog Devices, Inc)により作られたADXL202である。マイクロコントローラによる処理は、傾斜角を評価するために静的なアルゴリズムを用い、加速度値を評価するために動的なアルゴリズムを用いて行われる。処理のために異なるアルゴリズムを使用することにより、傾斜角および加速度は異なる重み付けをすることができ、このようにして、傾斜角および加速度のためのトリガ基準は車両依存様式で狭い限界内で定めることができる。
図5は、例として、4つの時間線図に基づく本発明に係る方法のシーケンス即ち順序を示す。曲線19は現在の速度についての情報を提供するセンサ信号を表し、破線20は予め選択された速度しきい値を示す。曲線21はトリガ信号の経時展開を示し、曲線22は抑制アルゴリズムの出力を示し、曲線23は制御ユニットの出力で提供される作動信号を示す。
曲線19において、車両はその速度をゆっくり減少している。時間Aの時点で、速度は破線20により示される所定の速度値以下に落ち、このようにして、抑制アルゴリズムは抑制信号22を発生させる。時間Bの時点で、車両は急激に制動され、機械的なセンサを応答させ、すなわち、トリガ基準が満たされ、作動信号21が発生する。時間Aの時点までに存在した抑制信号のため、制御ユニットの出力Oにおいて制御信号23は提供されない。車両の低速においては不必要なため、係止機構は応答しない。
5 センサ
6 制御ユニット
7 センサ信号
8 母線
9 センサユニット
10 母線
11−16 センサ
17 制御ユニット
18 センサ
6 制御ユニット
7 センサ信号
8 母線
9 センサユニット
10 母線
11−16 センサ
17 制御ユニット
18 センサ
Claims (5)
- 車両の状態を検出する複数のセンサから測定信号を伝達されるマイクロコントローラを備えた制御ユニットによって発生される作動信号により、上記車両内のシートベルト引き戻し器のための係止機構を車両感応性作動させる方法において、
上記係止機構のためのトリガ基準が上記測定信号を評価することにより特定され、上記トリガ基準が満たされ、かつ、当該測定信号が次の条件のうちの1つを示した場合に、上記作動信号が抑制され、上記条件とは、
− シートベルトが使用されていないとき;
− 上記車両が運動していないとき;
− 車両速度が所定の限界値よりも大きくないとき;
− 垂直方向で測定された車両加速度のみが所定のトリガ限界値を越えたとき;
であることを特徴とする方法。 - 車両加速度の値が中央のセンサユニットにより3つの直交軸に沿って検出され、対応する測定値が母線を介して複数のシートベルト引き戻し器に分配されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 車両の所定の加速度値または傾斜角を越えた場合に母線を介して中央の慣性センサからトリガ信号を伝達され、マイクロコントローラを備えた制御ユニットにより発生される作動信号を使用して、車両内のシートベルト引き戻し器のための係止機構を車両感応性作動させる方法において、
上記制御ユニットがまた、母線を介して他のセンサから測定信号を受け取り、かつ、上記測定信号が次の条件のうちの1つを示した場合に上記作動信号が抑制されるような態様で上記トリガ信号を上記測定信号に組み合わせ、上記条件とは、
− シートベルトが使用されていないとき;
− 上記車両が運動していないとき;
− 車両速度が所定の限界値よりも大きくないとき;
− 垂直方向で測定された車両加速度のみが所定のトリガ限界値を越えたとき;
であることを特徴とする方法。 - 互いに関して直角な少なくとも2つの方向において上記車両の動的及び静的な加速度を検出し、次いで各軸のためのパルス幅変調信号を放出するために、容量性加速度センサが使用されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の方法。
- 上記シートベルト引き戻し器の上記係止機構が上記引き戻し器のシャフトに装着された外歯を備えた制限された回転を行うことのできる制御ディスクを有し、当該係止機構が上記制御ディスクと相互作用するトリガ爪を有し、同トリガ爪が当該制御ディスクの上記外歯と係合するようにバネ偏倚されるかまたは電磁石の励磁中に該制御ディスクの当該外歯から係合解除されるように上記電磁石により保持されることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の方法。
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