JP2005137214A - サーキュレータとそのサーキュレータを用いるきのこ栽培における環境維持方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 きのこ人工栽培法における培養、育成、芽出、発生等の室内天井付近から加湿空気を噴霧すると共に、各室内に間隔をおいて、多数の瓶詰め培地をコンテナ19に収容し段積して格納したラック20、20間に立設され、かつ縦方向に複数の吸込口17を有する中空台16に送風機ユニット18を載せてなるサーキュレータ15により、室内に循環空気吹き出してきのこ栽培における環境を維持する。
【選択図】 図1
Description
一方、植物の成育に必要な湿度を与えるため、水噴霧形の加湿器で空気導出空間から第1ダクト部内に還流され空気を同湿度に加湿して送風機6側の熱交換器を介して植物の成育に適した所定の湿度にコントロールして戻すサーキュレータを使用して室温の温度分布の偏差を抑制することも知られている(例えば、特許文献2)。
上記特許文献1は、単に暖房時の天井付近の暖気を床面に、冷房時の床面冷気を天井付近に還流させ室内の湿度分布の偏差を抑制するものであって、きのこ栽培室では複数段の棚に保管育成されるきのこにはきめこまかく温・湿度管理が出来なく成育が不ぞろいとなるという問題がある。また、特許文献2は、きのこ栽培室が大形化した場合に温・湿度のコントロールがきのこの成育にむらが出来るという問題がある。
本発明は、従来のきのこの人工栽培では栽培室の温度等を常時所定の条件に維持するために相当の設備費とランニングコストがかかっていたことに鑑み、栽培室等で使用するサーキュレータと、栽培室等の温度、湿度等の管理を確実に維持して高品質で、安定的に収穫できる、きのこの人工栽培設備を提供することを目的としている。
請求項2は、前記中空台が中空台の下部近くに少なくとも1つの吸込口を有していること、請求項3は、中空台が、1又は2つの側壁母線方向に間隔をあけて複数の吸込口を有し、かつ各吸込口の吸込量がほぼ一定になるよう下位置から上位置に向かって吸込口径を小さくしていることを特徴とする。
また、請求項4は、きのこ人工栽培における培養室の天井部から加湿空気をそれぞれ噴霧すると共に、前記室内に間隔をおいて、多数の瓶詰め培地をコンテナに収容して段積み格納し、各段積み格納部間に充分な間隔をおいて配置された中空台の側壁に形成した吸込口から前記加湿空気を吸込んで、前記中空台の上部に配置したサーキュレータから室内に循環空気を吹出すようにした、ことを特徴とするきのこ栽培における環境維持方法でる。
また、栽培における培養室等の天井部から加湿空気をそれぞれ噴霧する際に、室内に間隔をおいて、多数の瓶詰め培地を樹脂製かごに収容して段積み格納し、各段積み格納部間に充分な間隔をおいて配置された複数の中空台の側壁から加湿空気を吸込んで中空台の上部に配置したサーキュレータから室内に循環空気吹き出させることにより、きのこ栽培における環境を維持し、高品質で、安定的に収穫できる栽培方法を提供することができる。
きのこ人工栽培法における培養、育成、芽出、発生等の室10内天井の吹出口12から空調空気を吹出させ、天井下付近に配置した通水管13のノズル14から加湿空気を噴霧する一方、各室内に間隔をおいて、多数の瓶詰め培地をコンテナ19に収容し段積して格納したラック20、20間に立設され、かつ縦方向に複数の 吸込口17、17を有する中空台16に送風機ユニット18を載せてなるサーキュレータ15により、室内に循環空気を吹出してきのこ栽培における環境を維持する。
きのこ栽培室のラック(棚)には樹脂製のかご又はパレット単位で保管するための各棚の気流を確実に還流させないと、ポリプロピレン製培養瓶(PPビン)のきのこの成育にばらつきを生じ、そのため各棚段の気流がかごを通過しなければならなく、サーキュレータ15を用いて各棚段に合った位置に吸込用の開口部(吸込口17)があり、サーキュレータの中空台内に空気を吸込んでファン(送風機ユニット)18により室内に循環させる。さらに、きのこの成育に必要な湿度を水・空気の2流体混合により天井付近に多数配された噴霧ノズル14により細霧を吹付け、栽培ハウス内の温・湿度を、例えば20〜23℃、湿度80%〜100%に維持する。
サーキュレータ15は、室内の冷暖房兼用ヒートポンプ式空調機(PAC)により直接天井部の吹出口12より室内に吹出されて空調空気が加湿細霧とまじり合って室内の温・湿度調整を行う。戻り空気は天井開口部のリターンチャンバに戻り再度室内に給気され、外気取入れはフィルタを介してダクトからリターンチャンバに送られる。給気はPACに送気され、排気の一部は循環され、きのこ栽培に適した環境づくりができる。
天井11の下部に沿って通水管13を配設するとともに、この通水管13は天井全体に配され、所定の間隔を隔て複数の噴霧ノズル14を取付け、これら噴霧ノズル14から横向き或いは斜め下向きに空気・水の2流体で細霧状に噴霧させる。その噴霧された細霧をきのこ栽培室内で空気の循環流に乗せて、浮動させ散布状態のばらつきが少なく、全てのきのこに対しほぼ均等に加湿、散布する。この細霧はきのこの栽培の成長を良好にするうえで、温度・湿度を適正に管理することは非常に重要である。室内にはきのこを育成するためのPPビンで菌糸の培養を行う棚が配され、各棚には樹脂製のかご又はパレット19が置かれて菌糸をまん延させる。
これを助けるのがサーキュレータ15で室10内に複数個配され、棚の裏面・側部にあり細霧によって空調空気は比重が重くなり、棚および樹脂製かご間を通過しきのこに十分な温度・湿度を与えつつ流下し、やがてサーキュレータに各棚の位置で吸込まれ、天井部付近から吹出し還流が行われる。このサーキュレータ15の吸込口17は各棚段で異なる口径をなしていて、吸込口17の位置は各棚段の位置に合ったものである。空調機およびサーキュレータ15の吸込空気を天井部で放出し、この空気に載せて十分な加湿を行うことができる。なお、サーキュレータ15は、室10内に所定位置に固定することに限らず、室内の任意の位置に移動可能であるように構成されている。
ラック20、20間にサーキュレータ15を配置する場合には中空台16が両サイドに吸込口17をあけた中空台16が使用されるが、図2に示すように、サーキュレータ15を壁近くに置く場合には、吸込口は縦1列にあけた中空台21が使用される。このように、培養、育成室、芽出室及び発生室では瓶詰め培地は樹脂製のかご単位で各棚(ラック)に格納され、棚間に十分なスペースを保って、加湿空気の流れをよくしてある。
製品培養室は、PACで直接天井部より室内に吹出し、戻り空気は天井開口部のリターンチャンバに戻り再度室内に給気される。外気取入れはフィルタを介してダクトからリターンチャンバに送られ、給気はPACで冷暖房兼用空調機もしくは暖房・冷房空調機別体形を併設する場合は天井部から吹出し、室内にはサーキュレータを配置する。
育成室はサーキュレータおよび加湿用噴霧ノズルのついた室で、例えば室温23℃(19〜23℃)、相対湿度80%(60〜90%)、室圧9.3Pa、CO2濃度1,500ppm以内で8日間育成する。育成後、培地の一部を残して掻き出し、漏斗状のキャップを掛け17〜23℃、湿度100%、露点14〜17℃で12日間ビンを逆にして芽出しを行う。この育成処理から芽出、発生を行う作業室の各天井部に空調空気噴霧ノズルを設けて保持する。
なお、芽出室では天井部に防水型蛍光灯(シーリングライト、40W,100V、60Hz)を設け、上段250ルックス、中段130ルックス、下段70ルックス照射する。また、後記発生室は上段430ルックス、中段80ルックス、中段90ルックス照射する。
12 吹出口 13 通水管
14 噴霧ノズル 15 サーキュレータ
16、21 中空台 17 吸込口
18 送風機ユニット 19 コンテナ
20 ラック
Claims (4)
- 室内環境を維持するため天井部から噴霧された加湿空気を循環させるための固定式または移動式空気循環器であって、室内に少なくとも1台または間隔をおいて複数の中空台を配置し、該中空台の上部に送風機ユニットを設けると共に側壁に吸込口をあけ、送風機ユニットの運転により前記吸込口から室内の加湿空気を吸込んで中空台上部から循環空気を吹出すようにした、ことを特徴とするサーキュレータ。
- 前記中空台は、中空台の下部近くに少なくとも1つの吸込口を有している請求項1に記載のサーキュレータ。
- 前記中空台は、1又は2つの側壁母線方向に間隔をあけて複数の吸込口を有し、かつ各吸込口の吸込量がほぼ一定になるよう下位置から上位置に向かって吸込口径を小さくしている請求項1または2に記載のサーキュレータ。
- きのこ人工栽培における培養室の天井部から加湿空気をそれぞれ噴霧すると共に、前記室内に間隔をおいて、多数の瓶詰め培地をコンテナに収容して段積み格納し、各段積み格納部間に充分な間隔をおいて配置された中空台の側壁に形成した吸込口から前記加湿空気を吸込んで、前記中空台の上部に配置したサーキュレータから室内に循環空気を吹出すようにした、ことを特徴とするきのこ栽培における環境維持方法。
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