JP2005136507A - 無線基地局装置、及び、送信データ制御方法 - Google Patents

無線基地局装置、及び、送信データ制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 マルチレート対応無線通信システムにおいて、効率的にデータ伝送を行い、一定の伝送品質を保つための無線基地局装置、及び、送信データ制御方法を提供する。
【解決手段】 無線基地局10は、配下の全ての無線端末20との間のトラヒック状況に応じて無線端末20への伝送レートを決定する一括制御時伝送レート決定機能1341と、無線端末20との間の通信環境に応じて無線端末20への伝送レートを決定する個別制御時伝送レート決定機能1342とを備えており、データ・フレーム送信の成否に応じて、何れか一方の機能を選択し無線端末20への伝送レートを決定する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、配下の無線端末にデータ・フレームを送信する際に、複数の伝送レートを用いることが可能なマルチレート制御対応の無線基地局装置、及び、無線基地局が送信するデータ・フレームの伝送レートを制御する送信データ制御方法に関するものである。
無線基地局と無線端末間との通信環境に応じて、無線基地局と無線端末間の伝送レートを動的にスイッチングする、マルチレート対応の無線通信システムとしては、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)802.11委員会により規定されているIEEE802.11システムが、従来より知られている(非特許文献1参照)。
このIEEE802.11システムでは、アクセス制御手順としてCSMA/CA(Carder Sense Multiple Access with Collision Avoidance)が規定されており、このうちのひとつの手順としてDCF(Distributed Coordinated Function;分散制御手順)が規定されている。DCFとは、複数の無線端末と1つの無線基地局とがデータの送受信を行う際に、フレームの衝突が起きないように各無線端末がキャリア・センスしながらデータの送受信を行う手順である。
図9は、DCFによる無線アクセス制御の手順を示す図である。同図においては、無線端末201,202,203から無線基地局100に対してデータ・フレームを送信する際の、各装置における無線アクセス手順を示している。
ここでT1区間においては、各無線端末201,202,203は、DIFS(DCF Interframe Space;分散制御用フレーム間隔)と自端末に与えられたBackoff時間分とをキャリア・センスして、無線基地局100のチャネルがアイドル状態であれば、無線基地局100に対してデータ・フレームの送信を行う。
ここでは、無線端末201,202,203の中で、無線端末201のBackoff時間が一番短いために、無線端末201は、キャリア・センスを行った後にデータ・フレームD1の送信を行う。無線基地局100は、SIFS(Short Interframe Space)時間待機した後、データ・フレームD1に対する肯定応答であるACKフレームを無線端末201に対して送信し、通信を完了する。
次に、T2区間においては、無線端末202と無線端末203は、DIFS時間待機後、T1区間で持ち越されたBackoff時間のBackoff制御を行う。ここで、Backoff時間は一定区間内での乱数値にて決定される。
具体的には、Backoff時間は、以下の計算式にて求められる。
Backoff時間=DIFS+CW/2×Slottime
(DIFS;データ・フレームの送信時に最低限必要な送信待ち時間、CW(Contention Window);パケットに衝突した場合の再送の回数に応じて決定される送信待ち時間を決定するパラメータ。無線基地局は、規定の範囲内0〜CWまでの範囲内において、一様に分布するパラメータを発生させる。CWは、15(CWmin:最小CW)から1023(CWmax:最大CW)までの間で決定され、再送毎に指数関数的に増加する、Slottime;CWで決定された乱数値を減らしていく一定時間のこと。Slottime毎に乱数値を減らしていき、最初に0になった無線端末がデータの送信を行うことができる。上記の計算式でCW/2としているのは、各無線端末の乱数値の平均としてCW/2と決定しているためである。)
図9に示す例では、無線端末202と無線端末203とに与えられた乱数値が一致したため、両無線端末202,203は、データ・フレームD2,D3を同時に送信してしまい、データ・フレームD2,D3の衝突が発生する。衝突が発生した場合、無線基地局100はACKフレームを送信しないので、無線端末202と無線端末203とはデータ・フレームの再送手順を行う。
最後に、T3区間では、無線端末202と無線端末203とは、Backoff時間を再度設定する。再送信時には、指数関数的にCWの範囲を広げることにより、同時送信における再衝突の確率を低減する。ここでは、図9に示すように、無線端末202のBackoff時間の方が無線端末203のBackoff時間より短いので、無線端末202は、キャリア・センス後にデータ・フレームを送信し、無線基地局100よりACKフレームを受信して通信を完了する。連続した再送を繰り返す毎に、CWの範囲は広がり再衝突の確率が低減する。
なお、IEEE802.11の規定では、無線基地局1台と無線端末1台との1対1の通信においては、データ・フレームを送信した無線基地局または無線端末が、送信先である無線基地局または無線端末から当該データ・フレームに対する肯定応答であるACKフレームを受信した場合にデータ・フレームの送信成功となり、データ・フレームの衝突などが原因で、ACKデータを受信出来なかった場合にはデータ・フレームの送信失敗となる。
次に、図10には、従来のマルチレート制御による通信手順の例を示す。同図は、無線基地局100と無線端末201,202,203との間でデータ・フレームの送受信が行われる際の、各装置におけるマルチレート制御手順を示している。
ここで、無線端末201,202,203から無線基地局100へのデータ・フレームの伝送レートは、複数の伝送レートR1,R2,R3の中から選択可能であるものとする。
同図に示すように、無線端末201から無線基地局100宛のデータ・フレームD11からD13については、無線基地局100にて正常に受信されている。このため、無線基地局100は、受信したデータ・フレームD11,D12,D13各々に対するACKフレームを、無線端末201宛に送信している。つまり、この状態はデータ・フレームの送信が連続的に成功したことを示している。
ここで、無線端末201は、データ・フレームD11からデータ・フレームD13まで連続してデータ送信が成功しているので、データ・フレームD14については、データ・フレームD13までの伝送レートR2より高速な伝送レートである伝送レートR1にて送信を行う。
これは、データ・フレームD11からデータ・フレームD13まで連続して送信が成功しているため、データ・フレームD14をより高速な伝送レートR1で送信することにより、データ送信時間を短縮し、無線ネットワークにおける伝送効率を向上させるためである。
次に、無線端末202は無線基地局100に対して、データ・フレームD21からデータ・フレームD23までのデータ・フレームを送信しているが、データ・フレームD22については無線基地局100よりACKフレームが受信されていない。この場合、データ・フレームD22についてはデータ・フレームの送信が失敗したことを示している。
そこで、無線端末202は、送信が失敗したデータ・フレームD22と同様の内容のデータを含み、ヘッダ内に再送を示すRetryビットを立てたデータ・フレームD23を生成して、送信する。
無線端末202は、再送データ・フレームD23について無線基地局100よりACKフレームを受信していることから、送信成功であると判断し、次のデータ・フレームD24も通常通りの伝送を行う。
最後に、無線端末203は、無線基地局100宛に、データ・フレームD31からデータ・フレームD34までの連続するデータ・フレームを送信している。データ・フレームD31については、無線基地局100からACKフレームが無線端末202宛に送信されていないため、無線端末203は、データ送信失敗と判断し、再送フレームであるデータ・フレームD32を送信する。さらに、データ・フレームD33についてACKフレームが送信されていないことから、無線端末203は、データ送信失敗であると判断する。
ここで、無線端末203は、データ・フレームD31からデータ・フレームD33まで連続してデータ送信が失敗しているため、データ・フレームD34については、データ・フレームD31からデータ・フレームD33までの伝送レートR2より低速である伝送レートR3で送信している。
これはフレームD31からフレームD33まで連続して送信が失敗したために、フレームD34については、より低い伝送レートで確実に無線基地局100へ届くように送信し、データ・フレームの再送信の確率を低くすることにより、無線ネットワークにおける伝送効率を向上させるためである。
なお、以上の説明では、無線端末201,202,203より無線基地局100にデータ・フレームを送信する場合のマルチレート制御について説明したが、無線基地局100から無線端末201,202,203にデータ・フレームを送信する場合にも、無線基地局100は、無線端末201,202,203と同様のマルチレート制御を行う。
このように、上記に示した通り、従来のマルチレート制御においては、無線基地局と無線端末間の伝送レートは通信環境により決定され、無線基地局と無線端末間の通信環境が悪い場合には低速の伝送レートで送受信を行う一方で、無線基地局と無線端末間の通信環境が良い場合には高速な伝送レートで送受信を行うことにより、無線区間でのデータ伝送の効率の向上を図っていた。
また、通信環境により決定されたデータ・フレームの伝送レートに応じて、データ・フレームを送信する際の優先順位を設定することにより、スループットを向上させて無線通信ネットワーク全体の高パフォーマンス化を実現するための技術が開示されている(例えば、特許文献1)。
IEEE Std 802.11:"Wireless LAN Medium Access Control(MAC) and Physical Layer(PHY) Specification",IEEE,Nov,1999. 特開2003−110575号公報(要約)
しかしながら、無線LAN(Local Area Network)通信を始めとする無線通信においては、無線端末が移動可能である性質上、無線端末と無線基地局との間の距離や、無線端末の設置位置により、通信環境は大きく変動する。
そのため、従来のように、伝送レートを通信環境だけで決定する方法では、無線端末の通信環境により伝送レートが頻繁に変わるため、無線端末と無線基地局間のデータ・フレームの伝送遅延時間の揺らぎが大きくなり、安定した伝送レートにてデータ・フレームの送受信を行うことが困難であるといった欠点があった。
また、従来のマルチレート制御においては、特許文献1のように、データ通信において高いスループットを実現することを目的としているが、リアルタイム通信においては、高いスループットを実現するよりも、一定間隔でデータ・フレームを、誤りなく伝送することが重要である。このため、従来のマルチレート制御方法では、音声データなどのリアルタイムデータの通信品質を向上させることに対しては、効果が少ないといった問題があった。
さらに、マルチレート制御による伝送レートの決定は、各無線端末と無線基地局とにおいて個別に行われるものであり、無線基地局が配下の無線端末全体の伝送状態を監視して、最適となる伝送レートを決定することは出来なかった。
ここで、無線区間のトラヒックの増加が発生した場合、無線基地局と無線端末との間でデータ・フレームの送受信を行う際に、他の無線端末が送受信を行っているデータ・フレームと衝突する可能性が高くなる。さらにデータ・フレームの衝突が起きた場合には、送信データ・フレームに対する肯定応答であるACKフレームはデータ送信側の装置に送信されないため、データ送信側の装置はパケット・ロスであると判断し、データ・フレームの再送信を行う。
このとき、データ・フレームの再衝突の確率を低減させるために、Backoff時間は再送毎に指数関数的に増加する。このとき、データ・フレームの伝送レートを下げると、パケットの衝突確率はさらに高くなり、再びデータ・フレームが衝突した際には、さらに送信待ち時間は長くなるといった悪循環が起きる。
このように、従来のようなデータ・フレームの伝送レートを無線端末と無線基地局装置との間の通信環境だけで決定するマルチレート制御方式では、無線端末と無線基地局装置との間の通信環境が頻繁に変わることや、全体のトラヒック量が増加した場合にデータ・フレームの衝突が起きることによって伝送レートが下がること等により、一定の通信品質を保つことが困難であった。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、マルチレート対応の無線通信システムにおいて、効率的にデータ伝送を行い、一定の伝送品質を保つための無線基地局装置、及び、送信データ制御方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、配下の無線端末宛に送信するデータ・フレームの伝送レートを、複数の伝送レートの中から決定することが可能なマルチレート対応の無線基地局装置において、前記配下の全ての無線端末との間のトラヒック状況に応じて、前記伝送レートを決定する一括制御時伝送レート決定手段と、前記無線端末との間の通信環境に応じて、前記伝送レートを決定する個別制御時伝送レート決定手段とのうちの何れか一方を、データ・フレーム送信の成否に応じて選択し、該選択された手段によって前記伝送レートを決定することを特徴とする無線基地局装置を提供する。
請求項1に記載の発明によれば、無線基地局装置は、一括制御時伝送レート決定手段と個別制御時伝送レート決定手段とのうちの何れか一方を、データ・フレーム送信の成否に応じて選択し、選択された手段によってデータ・フレームの伝送レートを決定するため、配下の無線端末各々との間の通信環境のみならず、配下の全ての無線端末とのトラヒック状況に応じて、伝送レートを制御することができる。このような伝送レートの制御により、データ・フレーム同士の衝突確率を低下させ、データ・フレーム送信先への到達確率を向上させて、伝送遅延時間を短くすることができる。これにより、データ・フレームの伝送を効率的に行うことができ、一定の伝送品質を保つことが可能となる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の無線基地局装置において、前記一括制御時伝送レート決定手段は、データ・フレームの送信が成功し、かつ、前記配下の無線端末全ての平均トラヒック流量が増加することにより、データ・フレームの伝送品質が劣化していると判断された場合には、前記配下の無線端末のうち、データ・フレームの伝送が成功している全ての無線端末へのデータ・フレームの伝送レートを高くすることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、一括制御時伝送レート決定手段は、データ・フレームの送信が成功している場合にも、配下の全ての無線端末の平均トラヒック流量が増加することにより、データ・フレームの伝送品質が劣化していると判断された場合には、配下の無線端末のうち、データ・フレームの伝送が成功している全ての無線端末のデータ・フレームの伝送レートを高くするため、データ・フレーム同士の衝突確率を低くすることができる。このため、データ・フレームの再送回数が減り、データ・フレームの伝送を効率的に行うことができ、伝送品質を一定に保つことができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の無線基地局装置において、前記個別制御時伝送レート決定手段は、データ・フレームの送信が失敗し、かつ、前記無線端末との通信環境が悪化することにより、データ・フレームの伝送品質が劣化していると判断された場合には、該無線端末へのデータ・フレームの伝送レートを低くすることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、伝送レートの一括制御に加えて、データ・フレームの伝送が失敗した無線端末への伝送レートを低くすることにより、データ・フレームの到達確率を高くすることができるため、配下の無線端末全体へのデータ・フレームの伝送を効率的に行うことができ、一定の伝送品質を保つことができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の無線基地局装置において、前記配下の無線端末宛のデータ・フレームの送信が成功した場合には、該無線端末に対する伝送レート制御方法を一括制御として管理し、前記配下の無線端末宛のデータ・フレームの送信が失敗した場合には、該無線端末に対する伝送レート制御方法を個別制御として管理する接続端末管理手段と、前記一括制御時伝送レート決定手段により決定された伝送レートを管理する一括制御時伝送レート管理手段と、前記個別制御時伝送レート決定手段により決定された伝送レートを管理する個別制御時伝送レート管理手段と、前記配下の無線端末宛のデータ・フレームを受信した場合に、前記接続端末管理手段により管理されている前記無線端末に対する伝送レート制御方法が一括制御として管理されている場合には、前記一括制御時伝送レート管理手段により管理されている伝送レートによって前記無線端末にデータ・フレームを送信し、前記接続端末管理手段により管理されている前記無線端末に対する伝送レート制御方法が個別制御として管理されている場合には、前記個別制御時伝送レート管理手段により管理されている伝送レートによって前記無線端末にデータ・フレームを送信するデータ・フレーム送信手段とをさらに備えることを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、接続端末管理手段は、配下の無線端末宛のデータ・フレームの送信が成功したか否かによって、無線端末に対する伝送レート制御方法が一括制御か個別制御かを管理し、データ・フレーム送信手段は、配下の無線端末宛に送信すべきデータ・フレームを受信した場合に、接続端末管理手段により管理されている無線端末に対する伝送レート制御方法に応じて、一括制御時伝送レート管理手段又は個別制御時伝送レート管理手段により管理されている伝送レートによって、無線端末にデータ・フレームを送信するため、無線基地局装置は、個別制御時伝送レート決定手段又は一括制御時伝送レート決定手段によって決定された伝送レートでデータ・フレームを送信することができる。これにより、無線基地局装置は、配下の無線端末宛のデータ・フレームを受信したときに、無線端末に対する伝送レート制御方法や、通信環境やトラヒック状況に応じて決定された伝送レートを用いて、適切な伝送レートを選択し、データ・フレームを送信することができるため、データ・フレームの伝送を効率的に行うことができ、伝送品質を保つことができる。
請求項5に記載の発明は、無線基地局装置が、伝送レートを複数の選択可能な伝送レートの中から選択し、該選択された伝送レートにより、配下の無線端末宛にデータ・フレームの送信を行う送信データ制御方法において、前記無線基地局装置が、前記配下の無線端末宛のデータ・フレームを受信した場合に、該無線端末に対する伝送レート制御方法が、前記配下の全ての無線端末との間のトラヒック状況に応じて伝送レートを制御する一括制御と、前記無線端末との間の通信環境に応じて伝送レートを制御する個別制御との何れであるかを取得する伝送レート制御方法取得ステップと、前記伝送レート制御方法取得ステップにおいて取得した伝送レート制御方法に対応する伝送レートを取得する伝送レート取得ステップと、前記伝送レート取得ステップにおいて取得した伝送レートによって、前記無線端末宛にデータ・フレームを送信するデータ・フレーム送信ステップと、
前記データ・フレーム送信ステップにおいて送信されたデータ・フレームの送信が成功しているか否かによって、前記無線端末に対する伝送レート制御方法を決定する伝送レート制御方法決定ステップと、前記伝送レート制御方法決定ステップにおいて決定された伝送レート制御方法とデータ・フレームの送信に関する伝送状態とに応じて、伝送レートを決定する伝送レート決定ステップとを有する送信データ制御方法を提供する。
請求項5に記載の送信データ制御方法によれば、無線基地局装置は、配下の無線端末宛のデータ・フレームを受信した場合に、該無線端末に対する伝送レート制御方法に応じた伝送レートを、トラヒック状況や通信環境に応じて決定され管理されている伝送レートの中から選択し、選択した伝送レートによりデータ・フレームを送信するため、配下の各々の無線端末との間の通信環境のみならず、配下の全ての無線端末との間のトラヒック状況に応じて、伝送レートを制御することが可能となる。この伝送レートの制御により、データ・フレームの衝突確率を低下させ、データ・フレームの到達確率を向上させ、到達遅延時間を短縮させることことができる。これにより、データ・フレームの伝送を効率的に行い、一定の伝送品質を保つことが可能となる。
本発明によれば、無線基地局装置は、配下の無線端末各々との間の通信環境と、配下の全ての無線端末との間のトラヒック状況とに応じて、無線端末へのデータ・フレームの伝送レートの制御を行うため、データ・フレーム同士の衝突や無線装置へのデータ・フレームの未到達や伝送遅延等を防いで、データ・フレームの伝送を効率的に行うことができる。これにより、一定の伝送品質を保つことが可能となる。
次に、図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態について説明する。なお、以下の説明において参照する各図においては、他の図と同等部分に同一符号が付されている。
[1.構成]
[1.1.全体構成]
図1は、本発明の実施形態に係る無線通信システム1の構成を示すブロック図である。当該無線通信システム1は、無線LAN通信を行う通信ネットワークである。また、当該無線通信システム1は、データ・フレームの伝送レートを複数の伝送レートの中から選択して送信することが可能なマルチレート対応の通信システムである。同図に示すように、無線通信システム1は、無線基地局10と、無線基地局10配下の無線端末20とを含んで構成される。なお、ここで、「無線端末20が無線基地局10の配下にある」とは、「無線端末20が無線基地局10のサービスエリア内に位置している(在圏している)」ということを意味している。
また、同図においては、無線基地局10と無線端末20とを各々一つずつしか図示していないが、実際には多数存在する。以下の説明において、複数の無線端末20を各々区別する必要がある場合には、符号の末尾に数字1、2、・・・、を付加して、「無線端末201」、「無線端末202」、・・・・、のように表すことで区別する。
無線基地局10は、無線LAN通信においてアクセスポイントとなる装置であり、配下の無線端末20と他装置との間のデータ・フレームの送受信を中継する。
無線端末20は、無線LANカードを備えたパーソナルコンピュータである。無線LANカードには、無線LAN通信を行う際に、無線端末20を識別するためのMAC(Media Access Control)アドレスが記憶されている。無線端末20が送受信するデータ・フレームのヘッダには、送信先端末情報や送信元端末情報としてMACアドレスが記述される。
なお、無線端末20は、パーソナルコンピュータ以外にも、無線LAN通信が可能な通信端末であればよく、例えば、PDA(Personal Digital Assistance)や携帯電話機であってもよい。
[1.2.無線基地局]
次に、無線基地局10の構成について説明する。無線基地局10は、一般的なコンピュータのハードウェア構成を備えている。具体的には、無線基地局10は、無線基地局10全体を制御するCPU(Central Processing Unit)、起動時に実行されるプログラム等が記憶されるROM(Read Only Memory)とデータを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)とを含む記憶部、及び、無線端末20と無線LAN通信を制御する通信インターフェースを備えている。
無線基地局10の記憶部には、各種データやプログラムが記憶されている。
例えば、無線基地局10の記憶部には、通信が接続された無線端末20の端末管理情報を記憶しておくための接続端末管理リストL1が記憶されている。図2には、接続端末管理リストL1のデータ構成を示す。
同図に示すように、接続端末管理リストL1は、無線基地局10の配下の無線端末20のうち接続されている無線端末20の名称を表す「接続無線端末」、無線端末20の通信アドレスである「MACアドレス」、無線端末20に送信したデータ・フレーム数の合計を表す「送信データ・フレーム数総計」、送信したデータ・フレームのデータサイズを表す「平均パケットサイズ」、無線端末20から受信するデータ・フレームの電波強度を表す「受信レベル」、無線端末20にデータ・フレームを送信する際に使用可能な伝送レートを表す「使用可能伝送レート」、及び、無線端末20に対する伝送レート制御方法が、配下の全ての無線端末20との間のトラヒック状況に応じて伝送レートが制御される“一括制御”か、無線端末20との間の通信環境に応じて伝送レートが決定される“個別制御”かを表す「伝送レート制御方法」を表すデータを含んで構成される。
この接続端末管理リストL1には、無線基地局10の配下の無線端末20のうち、無線基地局10と通信が接続された無線端末20についての端末管理情報が登録される。上記端末管理情報のうち、「送信データ・フレーム数総計」、「平均パケットサイズ」、「受信レベル」は、予め定められた所定時間毎に、伝送状態の統計値で更新される。
また、無線基地局10の記憶部には、データ・フレームの伝送レートを一括制御する際に使用する伝送レート管理表L2が記憶されている。図3には、伝送レート管理表L2のデータ構成を示す。同図に示すように、伝送レート管理表L2は、無線基地局10配下の無線端末20のうち、接続されている無線端末20の数を表す「無線基地局配下の無線端末の数」、接続されている配下の無線端末20のうち一括制御対象の無線端末20の数を表す「一括制御端末数」、接続されている配下の無線端末20のうち個別制御対象の無線端末20の数を表す「個別制御端末数」、接続されている配下の無線端末20との間のトラヒック流量の平均である「全端末平均トラヒック流量Sa」、無線端末20に送信するデータ・フレームの平均遅延時間である「平均データ・フレーム伝送遅延時間Ta」、伝送状態によって制御され、無線端末20にデータ・フレームを送信する際に用いられる「送信伝送レートDa」、通常時に用いる伝送レートとして予め定められている「通常時伝送レートDa2」、及び、無線端末20にデータ・フレームを送信する際に使用可能な伝送レートである「使用可能伝送レートDa3」を表すデータを含んで構成される。
これらの伝送レート管理表L2のデータ項目のうち、「通常時伝送レートDa2」と「使用可能伝送レートDa3」とには、予め定められた値が記憶される。その他のデータ項目は、予め定められた所定時間毎に、伝送状態の統計値で更新される。
また、無線基地局10の記憶部には、データ・フレームの伝送レートを個別制御する際に使用する伝送レート管理表L3が記憶されている。図4には、伝送レート管理表L3のデータ構成を示す。同図に示すように、伝送レート管理表L3は、無線基地局10の配下にある無線端末20のうち、接続されている無線端末20の名称を表す「接続無線端末」、伝送状態によって制御され、無線端末20へデータ・フレームを送信する際に使用される「使用データ・フレーム伝送レートDb」、通常時に用いる伝送レートとして予め定められている「通常時データ・フレーム伝送レートDb2」、「使用可能なデータ・フレーム伝送レートDb3」、「データ・フレーム伝送遅延時間T3」、「受信レベルLv3」を表すデータで構成されている。
これらの伝送レート管理表L3のデータ項目のうち、「通常時データ・フレーム伝送レートDb2」と「使用可能なデータ・フレーム伝送レートDb3」とには、予め定められた値が記憶される。その他のデータ項目は、予め定められた所定時間毎に、伝送状態の統計値で更新される。
また、無線基地局10の記憶部には、各種プログラムが記憶されている。無線基地局10のCPUがこれらのプログラムを実行することにより実現される機能と、上述した無線基地局10が備えるハードウェアの機能とにより、図5に示す機能が無線基地局10に実現される。図5に示す無線基地局10の機能ブロック図を参照しながら、無線基地局10が備える各機能について説明する。
データ・フレーム受信部11は、配下の無線端末20宛のデータ・フレームを受信する。また、データ・フレーム受信部11は、受信したデータ・フレームのヘッダから、送信先端末情報である宛先MACアドレスを取得し、接続端末管理部12に通知する。
接続端末管理部12は、配下の無線端末20のうち、無線基地局10と通信が接続された無線端末20を管理する。具体的には、接続端末管理部12は、配下の無線端末20とデータ・フレームを送受信するための通信が接続された場合には、接続端末管理リストL1に、無線端末20に関する端末管理情報を追加する。
また、接続端末管理部12は、配下の接続されている無線端末20に対する伝送レート制御方法を管理する。具体的には、接続端末管理部12は、無線端末20宛のデータ・フレームの送信が連続して予め定められた所定回数成功した場合に、接続端末管理リストL1の無線端末20の「伝送レート制御方法」を“一括制御”に変更する。また、接続端末管理部12は、無線端末20宛のデータ・フレームの送信が連続して予め定められた所定回数失敗した場合には、接続端末管理リストL1の無線端末20の「伝送レート制御方法」を“個別制御”に変更する。また、接続端末管理部12は、伝送レートの制御を行う際の通知要求に応答して、接続端末管理リストL1に記憶されている無線端末20の「伝送レート制御方法」を、伝送レート制御部13に通知する。
なお、ここでは、上述したように、無線端末20宛のデータ・フレームの送信が成功した場合とは、送信したデータ・フレームに対するACKフレームを無線端末20から正常に受信した場合をいい、無線端末20宛のデータ・フレームの送信が失敗した場合とは、送信したデータ・フレームに対するACKフレームを無線端末20から受信できなかった場合をいう。
また、接続端末管理部12は、データ・フレーム受信部11より通知を受けた、データ・フレームの宛先MACアドレスと、接続端末管理リストL1内のMACアドレスとを照合し、一致するものがあった場合には、接続端末管理リストL1より、一致するMACアドレスを含む端末管理情報を取得する。接続端末管理部12は、取得した端末管理情報に含まれる「伝送レート制御方法」を伝送レート制御部13に通知する。
伝送レート制御部13は、配下の無線端末20宛に送信するデータ・フレームの伝送レートを制御する。具体的には、伝送レート制御部13は、接続端末管理部12より通知を受けた、無線端末20の「伝送レート制御方法」が“一括制御”を表している場合には、一括制御時の伝送レート管理表L2より「送信伝送レートDa」を取得し、当該「送信伝送レートDa」で表される伝送レートでデータ・フレームを送信するように無線データ・フレーム送信部15に指示する。一方、伝送レート制御部13は、接続端末管理部12より通知を受けた、無線端末20の「伝送レート制御方法」が“個別制御”を表している場合には、個別制御時の伝送レート管理表L3より「使用データ・フレーム伝送レートDb」を取得し、当該「使用データ・フレーム伝送レートDb」で表される伝送レートでデータ・フレームを送信するように無線データ・フレーム送信部15に指示する。
また、伝送レート制御部13は、伝送状態管理手段131と、一括制御時伝送レート管理手段132と、個別制御時伝送レート管理手段133と、伝送レート決定手段134とを備えている。伝送状態管理手段131は、データ・フレームの伝送状態を管理する。具体的には、伝送状態管理手段131は、データ・フレーム受信部11と無線データ・フレーム送信部15とより、無線端末20への送信データ・フレーム数、送信パケットサイズ、受信レベル、データ・フレーム伝送遅延時間、トラヒック流量、データ・フレーム伝送遅延時間等の、伝送状態に関する情報を逐次収集すると共に、無線端末20全体の平均値を算出して、伝送状態の統計値を作成する。伝送状態管理手段131は、所定時間毎に、接続端末管理部12と一括制御時伝送レート管理手段132と個別制御時伝送レート管理手段133とに対して、伝送状態の統計値を通知する。
また、伝送状態管理手段131は、データ・フレーム受信部11で受信されるACKフレームを監視することにより、送信データ・フレームに対するACKフレームを正しく受信できたか否かの確認を行う。伝送状態管理手段131は、連続して所定回数データ・フレームの送信が成功した場合、かつ、接続端末管理リストL1で管理されている、データ・フレーム送信先無線端末20の「伝送レート制御方法」が“個別制御”であった場合には、無線端末20に対する伝送レート制御方法を一括制制御に変更する指示を接続端末管理部12に行う。一方、伝送状態管理手段131は、連続して所定回数データ・フレームの送信が失敗した場合、かつ、接続端末管理リストL1で管理されている、データ・フレーム送信先の無線端末20の「伝送レート制御方法」が“一括制御”であった場合には、無線端末20に対する伝送レート制御方法を個別制御に変更する指示を接続端末管理部12に行う。
一括制御時伝送レート管理手段132は、一括制御時に使用する伝送レート管理表L2を管理する。具体的には、一括制御時伝送レート管理手段132は、伝送状態管理手段131から通知される伝送状態の統計値で伝送レート管理表L2を更新する。また、一括制御時伝送レート管理手段132は、一括制御時伝送レート決定機能1341により決定された伝送レートで、伝送レート管理表L2の「送信伝送レートDa」を更新する。また、一括制御時伝送レート管理手段132は、伝送レート制御部13からの通知要求に応答して、伝送レート管理表L2に記憶されている、「送信伝送レートDa」を通知する。
個別制御時伝送レート管理手段133は、個別制御時に使用する伝送レート管理表L3を管理する。具体的には、個別制御時伝送レート管理手段133は、伝送状態管理手段131から通知される伝送状態の統計値で伝送レート管理表L3を更新する。また、個別制御時伝送レート管理手段133は、個別制御時伝送レート決定機能1342により決定された伝送レートで、伝送レート管理表L3の「使用データ・フレーム伝送レートDb」を更新する。また、個別制御時伝送レート管理手段133は、伝送レート制御部13からの通知要求に応答して、伝送レート管理表L3に記憶されている、該当する無線端末20の「使用データ・フレーム伝送レートDb」を通知する。
伝送レート決定手段134は、無線端末20に送信するデータ・フレームの伝送レートを決定する。伝送レート決定手段134は、一括制御時伝送レート決定機能1341と個別制御時伝送レート決定機能1342とを備えている。
一括制御時伝送レート決定機能1341は、配下の無線端末20へのデータ・フレームの送信が連続して所定回数成功し、かつ、配下の無線端末20全ての平均トラヒック流量が増加することにより、データ・フレームの伝送品質が劣化していると判断した場合に、配下の無線端末20のうち、データ・フレームの伝送が成功している全ての無線端末20へのデータ・フレームの伝送レートを高くする。なお、ここでは、一括制御時伝送レート決定機能1341は、伝送レート管理表L2の「全端末平均トラヒック流量Sa」と「平均データ・フレーム伝送遅延時間Ta」とが予め定められた一定の基準値以下である場合に、配下の無線端末20全ての平均トラヒック流量が増加することにより、データ・フレームの伝送品質が劣化していると判断する。
個別制御時伝送レート決定機能1342は、無線端末20宛のデータ・フレームの送信が連続して所定回数失敗し、かつ、無線端末20との通信環境が悪化することにより、データ・フレームの伝送品質が劣化していると判断した場合には、無線端末20へのデータ・フレームの伝送レートを低くする。なお、個別制御時伝送レート決定機能1342は、伝送レート管理表L3の「データ・フレーム伝送遅延時間T3」が予め定められた基準値以上であり、かつ、「受信レベルLv3」が予め定められた基準値以下の場合に、無線端末20との通信環境が悪化することにより、データ・フレームの伝送品質が劣化していると判断する。
アクセス制御部14は、上述したIEEE802.11に規定されているCSMA/CAを用いたDCF等の方式に従って、アクセス制御を行う。すなわち、アクセス制御部14は、データ・フレームの送信に先立ち、DIFSとBackoff時間分とをキャリア・センスして、無線基地局10のチャネルがアイドル状態であれば、無線基地局10に対してデータ・フレーム送信を許可するといったアクセス制御を行う。
無線データ・フレーム送信部15は、データ・フレーム受信部11が受信したデータ・フレームの送信を行う。このときに、無線データ・フレーム送信部15は、アクセス制御部14により行われるアクセス制御に従ってデータ・フレームを送信する。
また、無線データ・フレーム送信部15は、一括制御時伝送レート管理手段132及び個別制御時伝送レート管理手段133により管理されている伝送レートに従って、データ・フレームを送信する。具体的には、無線データ・フレーム送信部15は、データ・フレーム受信部11が無線端末20宛のデータ・フレームを受信したときに、接続端末管理リストL1に記憶されている無線端末20の「伝送レート制御方法」が“一括制御”を表していた場合には、伝送レート制御部13から一括制御時の「送信伝送レートDa」の通知を受け、当該通知された伝送レートでデータ・フレームを送信する。一方、接続端末管理リストL1に記憶されている、無線端末20の「伝送レート制御方法」が“個別制御”を表していた場合には、無線データ・フレーム送信部15は、伝送レート制御部13から個別制御の「使用データ・フレーム伝送レートDb」の通知を受け、当該通知を受けた伝送レートでデータ・フレームを送信する。
[2.動作]
次に、図6、図7及び図8を参照しながら、上記構成における動作を説明する。
前提として、以下の説明において、無線基地局10が、記憶部に記憶されている接続端末管理リストL1、伝送レート管理表L2及び伝送レート管理表L3を参照する際には、図2、図3及び図4に示す内容のデータが記憶されているものとする。
[2.1.送信データ制御手順]
図6を参照しながら、無線基地局10が配下の無線端末20宛のデータ・フレームを受信した場合のデータ制御手順について説明する。
まず始めに、無線基地局10のデータ・フレーム受信部11がデータ・フレームを受信した場合に (ステップS001;Yes)、当該受信したデータ・フレームのヘッダより、送信先端末情報である宛先MACアドレスを取得し(ステップS002)、接続端末管理部12に通知する。
接続端末管理部12は、データ・フレームの送信先端末情報が接続端末管理リストL1内に存在するか否かを判定する(ステップS003)。具体的には、接続端末管理部12は、記憶部の接続端末管理リストL1を検索して、データ・フレーム受信部11より受信した宛先MACアドレスと一致するMACアドレスが、接続端末管理リストL1に存在しているか否かを判定する。接続端末管理リストL1に存在している場合には(ステップS003;Yes)、接続端末管理部12は、接続端末管理リストL1より、一致するMACアドレスを含む端末管理情報を取得する(ステップS004)。接続端末管理部12は、取得した端末管理情報に含まれる「伝送レート制御方法」を伝送レート制御部13に通知する。
伝送レート制御部13は、通知を受けた「伝送レート制御方法」が、“一括制御”を表しているか、“個別制御”を表しているかを参照する。「伝送レート制御方法」が“一括制御” を表している場合には(ステップS005;Yes)、伝送レート制御部13は、一括制御時伝送レート管理手段132に対して、一括制御時の送信伝送レートの通知を要求する。一括制御時伝送レート管理手段132は、一括制御時の伝送レート管理表L2より、「送信伝送レートDa」(この場合は“2Mbit/s”)を取得し、伝送レート制御部13に通知する。伝送レート制御部13は、通知を受けた「送信伝送レートDa」を無線データ・フレーム送信部15に通知する。一方、「伝送レート制御方法」が“個別制御” を表している場合には(ステップS005;No)、伝送状態管理手段131は、個別制御時伝送レート管理手段133に対して、個別制御時の送信伝送レートの通知を要求する。個別制御時伝送レート管理手段133は、個別制御時の伝送レート管理表L3より、「使用データ・フレーム伝送レートDb」(この場合は“2Mbit/s”)を取得し(ステップS008)、伝送レート制御部13に通知する。伝送レート制御部13は、通知を受けた「使用データ・フレーム伝送レートDb」を無線データ・フレーム送信部15に通知する。
アクセス制御部14は、データ・フレームのアクセス制御を行う。無線データ・フレーム送信部15は、アクセス制御部14によるアクセス制御に従い、かつ、伝送レート制御部13より通知を受けた伝送レートに従って、無線端末20にデータ・フレームを送信する(ステップS009)。
また、データ・フレームのヘッダに含まれるの宛先MACアドレスが接続端末管理リストL1に無い場合には(ステップS003;No)、伝送レート制御部13は、一括制御時伝送レート管理手段132に対して、現在の送信伝送レートの通知を要求する。一括制御時伝送レート管理手段132は、伝送レート管理表L2の「送信伝送レートDa」(ここでは“2Mbit/s”)を伝送レート制御部13に通知する。伝送レート制御部13は、この「送信伝送レートDa」を無線データ・フレーム送信部15に通知する。無線データ・フレーム送信部15は、「送信伝送レートDa」で表される一括制御時の伝送レートで、データ・フレームを送信する(ステップS010)。その後、接続端末管理部12は、接続端末管理リストL1に、データ・フレーム送信先の無線端末20に関する端末管理情報を追加する(ステップS011)。
無線端末20宛にデータ・フレームを送信した後、ステップS012に進み、伝送状態管理手段131は、データ・フレーム受信部11で受信されるACKフレームを監視することにより、送信したデータ・フレームに対するACKフレームが受信できたか否かの確認を行う。ACKフレームを正しく受信できた場合には(ステップS012;Yes)、伝送状態管理手段131は、接続端末管理部12に対して、無線端末20に対する伝送レート制御方法を通知するよう要求する。接続端末管理部12は、接続端末管理リストL1より、当該無線端末20の「伝送レート制御方法」を取得し(ステップS013)、伝送状態管理手段131に通知する。伝送状態管理手段131は、取得した無線端末20の「伝送レート制御方法」が“個別制御”を表しており(ステップS014;Yes)、さらに、連続して予め定められた所定回数ACKフレームの受信が成功したならば(ステップS015;Yes)、無線端末20に対する伝送レート制御方法を一括制御に変更する指示を接続端末管理部12に送信する。接続端末管理部12は、接続端末管理リストL1の無線端末20の「伝送レート制御方法」を“個別制御”から“一括制制御”へと変更する(ステップS016)。
一方、無線端末20宛のデータ・フレームに対するACKフレームを正しく受信できずに(ステップS012;No)、その後も連続してACKフレームの受信が失敗した場合には(ステップS017;Yes)、伝送状態管理手段131は、接続端末管理部12に対して、無線端末20に対する伝送レート制御方法を通知するよう要求する。接続端末管理部12は、接続端末管理リストL1より、当該無線端末20の「伝送レート制御方法」を取得し(ステップS018)、伝送状態管理手段131に通知する。伝送状態管理手段131は、取得した無線端末20の「伝送レート制御方法」が“一括制御”を表していた場合には(ステップS019;Yes)、無線端末20に対する伝送レート制御方法を個別制御に変更する指示を接続端末管理部12に送信する。接続端末管理部12は、接続端末管理リストL1の無線端末20の「伝送レート制御方法」を“一括制御”から“個別制御”へと変更する(ステップS020)。
接続端末管理部12は、最後に、上記のステップで変更された内容で接続端末管理リストL1を更新する(ステップS021)。
[2.2.一括制御]
次に、図7を参照しながら、無線端末20に対する伝送レート制御方法が、個別制御から一括制御に変更された場合に行われる伝送レート制御手順について説明する。
図6に示す手順に従って処理を行い、伝送レート制御方法が個別制御から一括制御へと変更された無線端末20が発生した場合には(ステップS101)、無線基地局10の一括制御時伝送レート管理手段132は、伝送レート管理表L2の「一括制御端末数」(ここでは“6”)と、「個別制御端末数」(ここでは“1”)を更新する(ステップS102)。具体的には、一括制御時伝送レート管理手段132は、「一括制御端末数」で表される端末数に“1”加算した値で「一括制御端末数」を更新し、「個別制御端末数」で表される端末数より“1”減算した値で「個別制御端末数」を更新する。
次に、一括制御時伝送レート決定機能1341は、一括制御時伝送レート管理手段132に対して、接続されている配下の全無線端末20の統計値「平均データ・フレーム伝送遅延時間Ta」と「全端末平均トラヒック流量Sa」との通知を要求する。一括制御時伝送レート管理手段132は、伝送レート管理表L2より、「平均データ・フレーム伝送遅延時間Ta」(ここでは“0.5msec”)と「全端末平均トラヒック流量Sa」(ここでは“1.5Mbit/s”)を取得し(ステップS103)、一括制御時伝送レート決定機能1341に通知する。一括制御時伝送レート決定機能1341は、これらの統計値より伝送状態を判断する(ステップS104)。具体的には、「平均データ・フレーム伝送遅延時間Ta」、「全端末平均トラヒック流量Sa」ともに、予め定められた一定の基準値を超えている場合には、一括制御時伝送レート決定機能1341は、無線基地局10と無線端末20との間の無線区間におけるトラヒック増によって発生するパケット衝突が原因となって、伝送品質が劣化していると判断する(ステップS105)。
そして、一括制御時伝送レート決定機能1341は、一括制御時伝送レート管理手段132に対して、一括制御時に使用している伝送レートと、使用可能な伝送レートとを通知するよう要求する。一括制御時伝送レート管理手段132は、伝送レート管理表L2より「送信伝送レートDa」(ここでは“2Mbit/s”)と「使用可能伝送レートDa3」(ここでは“1、2、5.5Mbit/s”)とを取得し、一括制御時伝送レート決定機能1341に通知する。一括制御時伝送レート決定機能1341は、「使用可能伝送レートDa3」のうち、現在使用している「送信伝送レートDa」より高い伝送レート(ここでは“5.5Mbit/s”)を、送信伝送レートとして使用することに決定する(ステップS106)。一括制御時伝送レート決定機能1341は、一括制御時伝送レート管理手段132に対して、決定した伝送レート“5.5Mbit/s”を通知する。一括制御時伝送レート管理手段132は、伝送レート管理表L2の「送信伝送レートDa」を伝送レート“5.5Mbit/s”に変更する(ステップS107)。
一方、ステップS104において、「平均データ・フレーム伝送遅延時間Ta」、「全端末平均トラヒック流量Sa」ともに一定基準値以下である場合には、一括制御時伝送レート決定機能1341は、トラヒック増加によって発生するパケット衝突が原因による伝送品質低下の可能性は低いと決定する(ステップS108)。そして、一括制御時伝送レート決定機能1341は、一括制御時伝送レート管理手段132に対して、現在使用している伝送レートと通常時に使用する伝送レートとを通知するよう要求する。一括制御時伝送レート管理手段132は、伝送レート管理表L2より、「送信伝送レートDa」と「通常時伝送レートDa2」とを取得し(ステップS109)、一括制御時伝送レート決定機能1341に通知する。一括制御時伝送レート決定機能1341は、「送信伝送レートDa」と「通常時伝送レートDa2」とで表される値を比較し、現在の伝送レート「送信伝送レートDa」が、「通常時伝送レートDa2」(ここでは“2Mbit/s”)よりも高い場合には(ステップS110;Yes)、「送信伝送レートDa」を「通常時伝送レートDa2」の値に変更するよう、一括制御時伝送レート管理手段132に指示する。一括制御時伝送レート管理手段132は、伝送レート管理表L2の「送信伝送レートDa」を「通常時伝送レートDa2」の値に変更する(ステップS011)。なお、ステップS108からステップS111までの処理は、ステップS105からステップS107までの処理で高く設定された伝送レートを元の伝送レートに戻す役割を果たしている。
[2.3.個別制御]
次に、図8を参照しながら、接続されている配下の無線端末201に対する伝送レート制御方法が、一括制御から個別制御へと変更された場合に行われる伝送レート制御手順について説明する。
図6に示す手順に従って処理を行い、伝送レート制御方法が一括制御から個別制御へと変更された無線端末201が発生した場合に(ステップS201)、個別制御時伝送レート決定機能1342は、個別制御時伝送レート管理手段133に対して、無線端末201のデータ・フレーム伝送遅延時間と受信レベルとを通知するよう要求する。個別制御時伝送レート管理手段133は、個別制御時の伝送レート管理表L3から、無線端末201の「データ・フレーム伝送遅延時間T3」(この場合“0.5msec”)と「受信レベルLv3」(この場合“-60dBm”)とを取得し(ステップS202)、個別制御時伝送レート決定機能1342に通知する。個別制御時伝送レート決定機能1342は、取得した「データ・フレーム伝送遅延時間T3」と「受信レベルLv3」とに基づいて、無線端末201との間の伝送状態を判定する(ステップS203)。具体的には、「データ・フレーム伝送遅延時間T3」が予め定められた一定の基準値以上であり、かつ、「受信レベルLv3」が予め定められた一定の基準値下である場合には(ステップS203;Yes)、個別制御時伝送レート決定機能1342は、無線端末201宛のデータ・フレーム送信失敗の原因が、無線基地局10と無線端末201間における通信環境の劣化により伝送品質が低下したためであると判断する(ステップS204)。そして、個別制御時伝送レート決定機能1342は、個別制御時伝送レート管理手段133に対して、使用可能な伝送レートを通知するよう要求する。個別制御時伝送レート管理手段133は、伝送レート管理表L3より「使用可能なデータ・フレーム伝送レートDb3」(この場合は“1、2、5.5、11Mbit/s”)を取得し(ステップS205)、個別制御時伝送レート決定機能1342に通知する。個別制御時伝送レート決定機能1342は、通知を受けた「使用可能なデータ・フレーム伝送レートDb3」の中から、現在使用している「使用データ・フレーム伝送レートDb」(ここでは、“2Mbit/s”)より低い伝送レート(ここでは、“1Mbit/s”)をデータ・フレーム伝送レートに決定して、個別制御時伝送レート管理手段133に通知する。個別制御時伝送レート管理手段133は、通知を受けたデータ・フレーム伝送レート“1Mbit/s”で、伝送レート管理表L3の「使用データ・フレーム伝送レートDb」を更新する。
一方、ステップS203において、「データ・フレーム伝送遅延時間T3」が一定基準値未満、または、「受信レベルLv3」が一定基準値超である場合には(ステップS203;No)、個別制御時伝送レート決定機能1342は、無線端末201宛のデータ・フレーム送信失敗の原因が、無線区間のトラヒックが増加したことにより伝送品質が低下してしまったためであると判断し(ステップS207)、個別制御時伝送レート管理手段133に、現在使用している送信レートを通常時の伝送レートに変更するよう要求する。個別制御時伝送レート管理手段133は、伝送レート管理表L3に記録されている「通常時データ・フレーム伝送レートDb2」(この場合“2Mbit/s”)を取得する(ステップS208)。そして、個別制御時伝送レート管理手段133は、伝送レート管理表L3の「使用データ・フレーム伝送レートDb」を、取得した「通常時データ・フレーム伝送レートDb2」の値“2Mbit/s”で更新する(ステップS209)。なお、ステップS207からステップS209までの処理は、ステップS204からステップS206までの処理で低く設定された伝送レートを元の伝送レートに戻す役割を果たしている。
以上説明したように、無線基地局10は、データ・フレームの伝送レートを制御する手段として、2つの手段を有している。すなわち、無線基地局10は、接続されている配下の無線端末20全てとの間における伝送状態の統計値から伝送レートを決定し、伝送が成功している全ての無線端末20に対して同一の伝送レートを指定する手段と、各無線端末20毎の通信環境に応じて、無線基地局10と各無線端末20との伝送レートを個別に制御する手段とを有し、当該2つの手段を併用して伝送レートを制御する。
このため、無線端末20宛に送信したデータ・フレームの送信が失敗した場合に、無線端末20宛の伝送レートを変更することによって、送信データ・フレームの到達確率を高くできるだけではなく、送信が成功している場合にも、無線基地局10配下の無線端末20全てのデータ伝送状況を把握し、他の無線端末20のデータ・フレームの伝送によるトラヒック増加によって伝送状態が劣化していると判断できる場合には、配下の無線端末20全ての伝送レートを制御することができる。これにより、配下の無線端末20宛へのデータ・フレームの伝送を効率的に行い、一定の伝送品質を保つことが出来る。
[3.変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は係る実施形態に限定されるものではなく、その技術思想の範囲内で様々な変形が可能である。変形例としては、例えば、以下のようなものが考えられる。
(1)上述した実施形態における無線通信システム1の通信は、無線LAN通信であるとして説明したが、無線による通信であればよく、無線LANに限定されるものではない。例えば、無線端末20が移動通信端末であり、無線基地局10と無線端末20とが、移動パケット通信網を介してデータの送受信を行う形態であってもよい。
(2)上述した図6、図7及び図8に示す送信データ制御や伝送レート制御の手順は一例に過ぎない。配下の全ての無線端末20との間のトラヒック状況に応じて伝送レートを決定する一括制御時伝送レート決定手段と、各々の無線端末20との間の通信環境に応じて伝送レートを決定する個別制御時伝送レート決定手段とのうちの何れか一方を、データ・フレーム送信の成否に応じて選択し、選択された手段によってデータ・フレームの伝送レートを制御する手順であれば、上述した実施形態に限定されない。
例えば、上述した実施形態においては、連続して所定回数ACKフレームを受信した場合や、連続して所定回数ACKフレームの受信が失敗した場合に、伝送レート制御方法を変更するようにしたが、例えば、1回の送信データ・フレームに対してACKフレームを受信した場合に伝送レート制御方法を変更するようにしてもよいし、ACKフレームを受信した確率によって伝送レート制御方法を変更するようにしてもよい。
また、上述した実施形態においては、トラヒック状況や通信環境等の伝送状態を判定する指標として、データ・フレーム伝送遅延時間、平均トラヒック流量、及び、受信レベルを用いたが、伝送状態を判定する指標はこれに限定されず、理論や経験則によって最適な指標を選択することができる。また、これらの指標が予め定められた一定の基準値より高いか低いかによって伝送状態を判定したが、判定条件はこれに限定されず、また、予め定めておく一定の基準値には、伝送効率を向上させるために最も適した基準値を選択することができる。
(3)上述した実施形態における接続端末管理リストL1、伝送レート管理表L2、及び、伝送レート管理表L3のデータ構成は一例である。例えば、接続端末管理リストL1では、各無線端末20の「伝送レート制御方法」のみを管理するようにして、各種統計値は伝送レート管理表L3で管理するようにしてもよいし、接続端末管理リストL1と伝送レート管理表L3をひとつのリストに統合してもよい。また、配下の無線端末20の接続が切断された場合に、接続端末管理リストL1から削除するようにしてもよい。
本発明の実施の形態に係る無線通信システムの全体構成を示すブロック図である。 同実施の形態に係る接続端末管理リストのデータ構成を示す図である。 同実施の形態に係るデータ・フレームの伝送レートを一括制御する際に使用する伝送レート管理表のデータ構成を示す図である。 同実施の形態に係るデータ・フレームの伝送レートを個別制御する際に使用する伝送レート管理表のデータ構成を示す図である。 同実施の形態に係る無線基地局の機能ブロック図である。 同実施の形態に係る無線基地局がデータ・フレームを受信した場合のデータ制御手順を示すフローチャートである。 同実施の形態に係る伝送レート制御方法が一括制御の場合の伝送レート制御手順を示すフローチャートである。 同実施の形態に係る伝送レート制御方法が個別制御の場合の伝送レート制御手順を示すフローチャートである。 従来技術のIEEE802.11システムにおけるDCFによる無線アクセス制御の手順を示す図である。 従来技術のマルチレート制御による送信手順を示す図である。
符号の説明
1 無線通信システム
10 無線基地局
11 データ・フレーム受信部
12 接続端末管理部
13 伝送レート制御部
14 アクセス制御部
15 無線データ・フレーム送信部
20、201 無線端末
131 伝送状態管理手段
132 一括制御時伝送レート管理手段
133 個別制御時伝送レート管理手段
134 伝送レート決定手段
1341 一括制御時伝送レート決定機能
1342 個別制御時伝送レート決定機能
Da 送信伝送レート
Da2 通常時伝送レート
Da3 使用可能伝送レート
Db 使用データ・フレーム伝送レート
Db2 通常時データ・フレーム伝送レート
Db3 データ・フレーム伝送レート
L1 接続端末管理リスト
L2 伝送レート管理表
L3 伝送レート管理表
Lv3 受信レベル
Sa 全端末平均トラヒック流量
T3 データ・フレーム伝送遅延時間
Ta 平均データ・フレーム伝送遅延時間

Claims (5)

  1. 配下の無線端末宛に送信するデータ・フレームの伝送レートを、複数の伝送レートの中から決定することが可能なマルチレート対応の無線基地局装置において、
    前記配下の全ての無線端末との間のトラヒック状況に応じて、前記伝送レートを決定する一括制御時伝送レート決定手段と、
    前記無線端末との間の通信環境に応じて、前記伝送レートを決定する個別制御時伝送レート決定手段と
    のうちの何れか一方を、データ・フレーム送信の成否に応じて選択し、該選択された手段によって前記伝送レートを決定することを特徴とする無線基地局装置。
  2. 前記一括制御時伝送レート決定手段は、
    データ・フレームの送信が成功し、かつ、前記配下の無線端末全ての平均トラヒック流量が増加することにより、データ・フレームの伝送品質が劣化していると判断された場合には、前記配下の無線端末のうち、データ・フレームの伝送が成功している全ての無線端末へのデータ・フレームの伝送レートを高くすることを特徴とする請求項1に記載の無線基地局装置。
  3. 前記個別制御時伝送レート決定手段は、
    データ・フレームの送信が失敗し、かつ、前記無線端末との通信環境が悪化することにより、データ・フレームの伝送品質が劣化していると判断された場合には、該無線端末へのデータ・フレームの伝送レートを低くすることを特徴とする請求項1又は2に記載の無線基地局装置。
  4. 前記配下の無線端末宛のデータ・フレームの送信が成功した場合には、該無線端末に対する伝送レート制御方法を一括制御として管理し、
    前記配下の無線端末宛のデータ・フレームの送信が失敗した場合には、該無線端末に対する伝送レート制御方法を個別制御として管理する接続端末管理手段と、
    前記一括制御時伝送レート決定手段により決定された伝送レートを管理する一括制御時伝送レート管理手段と、
    前記個別制御時伝送レート決定手段により決定された伝送レートを管理する個別制御時伝送レート管理手段と、
    前記配下の無線端末宛のデータ・フレームを受信した場合に、
    前記接続端末管理手段により管理されている前記無線端末に対する伝送レート制御方法が一括制御として管理されている場合には、前記一括制御時伝送レート管理手段により管理されている伝送レートによって前記無線端末にデータ・フレームを送信し、
    前記接続端末管理手段により管理されている前記無線端末に対する伝送レート制御方法が個別制御として管理されている場合には、前記個別制御時伝送レート管理手段により管理されている伝送レートによって前記無線端末にデータ・フレームを送信するデータ・フレーム送信手段と
    をさらに備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の無線基地局装置。
  5. 無線基地局装置が、伝送レートを複数の選択可能な伝送レートの中から選択し、該選択された伝送レートにより、配下の無線端末宛にデータ・フレームの送信を行う送信データ制御方法において、
    前記無線基地局装置が、前記配下の無線端末宛のデータ・フレームを受信した場合に、該無線端末に対する伝送レート制御方法が、前記配下の全ての無線端末との間のトラヒック状況に応じて伝送レートを制御する一括制御と、前記無線端末との間の通信環境に応じて伝送レートを制御する個別制御との何れであるかを取得する伝送レート制御方法取得ステップと、
    前記伝送レート制御方法取得ステップにおいて取得した伝送レート制御方法に対応する伝送レートを取得する伝送レート取得ステップと、
    前記伝送レート取得ステップにおいて取得した伝送レートによって、前記無線端末宛にデータ・フレームを送信するデータ・フレーム送信ステップと、
    前記データ・フレーム送信ステップにおいて送信されたデータ・フレームの送信が成功しているか否かによって、前記無線端末に対する伝送レート制御方法を決定する伝送レート制御方法決定ステップと、
    前記伝送レート制御方法決定ステップにおいて決定された伝送レート制御方法とデータ・フレームの送信に関する伝送状態とに応じて、伝送レートを決定する伝送レート決定ステップと
    を有する送信データ制御方法。
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