JP2005136155A - 半導体レーザダイオードの駆動方法及び発光装置 - Google Patents

半導体レーザダイオードの駆動方法及び発光装置 Download PDF

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Abstract


【課題】 半導体レーザの緩和振動の影響を低減し、発光立ち上がり速度を飛躍的に高め高速・高周波変調可能な半導体レーザの駆動をする。
【解決手段】 半導体レーザダイオードを駆動回路を介して発光させる半導体レーザダイオードの駆動方法であって、駆動回路から半導体レーザダイオードに第一の駆動電流を印加する第1の工程と、第一の駆動電流に引き続いて駆動回路から半導体レーザダイオードに第二の駆動電流を印加する第2の工程と、を含み、第一の駆動電流に対応する第一の光出力と第二の駆動電流に対応する第二の光出力が重畳されて1パルス状光出力として出力され、第一の光出力の立ち上がり部、ピーク部、又は立ち下がり部から、第二の光出力が立ち上がることを特徴とするレーザダイオードの駆動方法である。
【選択図】図9


Description

本発明は、半導体レーザダイオードの駆動方法及び発光装置にかかわり、特に好ましくは窒化物半導体レーザダイオードの高速・高周波パルス駆動に関わる発明である。
従来の半導体レーザ駆動においては、駆動電流として、入力信号に対応するパルス電流だけで駆動する方法が知られている(図2(a)参照)。この方法は、入力信号に対し矩形のパルス電流が半導体レーザの駆動電流として与えられる。しかしこの場合には、パルス電流の立ち上がり時の急激な駆動電流変動に対して『緩和振動』と言われる光出力の脈動が観察(図2(b)参照)され、この緩和振動による発光強度や発光スペクトルの変動等により、例えば光通信デバイスに用いた場合には送受信時の通信エラー等の誤作動を招くなど通信の信頼性低下の原因となっていた。
また、この緩和振動を小さくするために半導体レーザに例えば抵抗とコンデンサからなる高周波バイパス回路を設けたり、半導体レーザに整合抵抗を介して先端を開放した伝送線路を並列接続する付加回路を設けることにより、矩形のパルス駆動電流の立ち上がりや立ち下り時の急激な駆動電流変動をそれぞれ一部吸収/放出して階段状にし緩和する駆動回路や(特開昭64−9676)、光出力の緩和振動に同調する共振周波数を有する共振部を発光素子に並列に設けたり(特開昭53−8584)する対策がとられている。さらには、入力信号に対応したパルス電流の流れ出しより微小な時間Δt早くバイアス電流を流し始め、該バイアス電流はパルス電流の流れ終わりまで流し、該バイアス電流とパルス電流との和の電流を駆動電流として半導体レーザを駆動することにより、発光遅延の低減をはかり消光比を大きく保つことを目的とする駆動が知られている(特開平9−83050)。
さらには、高速通信用の半導体レーザ駆動方法として、国際公開第01/11740号パンフレットに記載されるようなパルス駆動においてパルス駆動電流の立ち上がりより幾分早く立ち上がる第二バイアスを半導体レーザダイオードに供給し、バーストデータを高速かつ確実に送信できる半導体レーザの駆動回路および駆動方法を提供することを達成しようとするものが知られている。この方法においては、半導体レーザに対して、少なくともデータの非発出時には第一バイアス電流が供給され、また、データの発出直前には第二バイアス電流を供給して、バーストデータの発出に備えて半導体レーザが自然発光領域で駆動される。そして、第二バイアス電流の供給開始後に所定の時間が経過すると、パルス電流が半導体レーザに供給されデータ信号に対応したバースト光信号が半導体レーザから出力されるようになるものであって、これによって、半導体レーザの光出力波形はバーストデータの先頭波形から、発振遅延等によって波形が劣化することなく立ち上がり、高速なバーストデータの発出を行うことができるというものである。
また、高出力半導体レーザの温度上昇を低減させ長寿命化を図れる駆動方法としては、特開平7−38184に開示されるようにレーザを駆動するパルス電流を印加する直前に、半導体レーザダイオードのしきい値未満の電流値のパルスバイアス電流を印加することにより、レーザ駆動用トランジスタのハイゲートパルス電流の立ち上がり時間を光サイリスタ点弧に必要な1μsec以下にすることを可能とすると共に、バイアス電流による半導体レーザ活性層の温度上昇を抑えるというものが知られている。これは、半導体レーザが駆動回路から第二のパルス電流を得る前に駆動回路にバイアスを与えるので、第二のパルス電流の立ち上がり時間が短縮され、高速駆動されるという効果もあると記載されているものである。
国際公開第01/11740号パンフレット 特開平7−38184 特開昭64−48481 特開2000−138415
半導体レーザを入力信号に基づいて、高速データ変調する場合には例えばパルス状の矩形波の駆動電流を供給したとき、急激な駆動電流の変動による過渡現象が生じ、いわゆる緩和振動が発生する。
この緩和振動は駆動電流の大きさと電流立ち上げ速度に対応して大きくなり、発光強度や発光スペクトルの変動等により、例えば光通信デバイスに用いた場合には送受信時の通信エラーを招く原因となる欠点がある。また、従来技術に記載されるような方法で緩和振動を低減させ得たとしても、今度は光出力の立ち上がり及び立ち下りが遅くなる問題点があった。これは、駆動電流の立ち上がりが高周波バイパス回路等の時定数などに従って遅れるためであり、通信等エラーの発生原因となるとともに、緩和振動抑制のために緩やかな駆動電流の立ち上がりとした場合など高速・高周波の駆動の妨げとなっていた。
さらには、図5に示すようにパルス駆動時の発光出力立ち下り時に駆動電流の電流反射によると思われる“なまり”が生じる現象があり、この“なまり”の存在により特に高速・高周波変調駆動が妨げられるという課題が見出された。すなわち、高速・高周波変調駆動を実現するためには、駆動電流に対応する速やかな光出力の立ち上がり、立ち下り応答特性が要求されるものであるが、この“なまり”が存在するために光出力の立ち下りが駆動電流に対し遅れることになる。
これによって、次の駆動電流による光出力の立ち上がり開始までの時間間隔は、光出力が充分低下して消光(又は減光)されてから、実施するため短くできず、限界が生じる。さらには、“なまり”により充分に光出力が低下していない状態で次の駆動電流を供給して光出力を高発光状態に立ち上げようとすると、消光比を充分に保てず、駆動電流の供給とは無関係に常時高発光状態となってしまうことになり、すなわち高速・高周波駆動に対応することができなかった。
また、窒化物系半導体レーザは微分抵抗値が大きいのでパルス駆動時発光出力立ち上がり、立ち下りに遅延が発生しやすいという問題もある。半導体レーザダイオードの高速/高周波変調駆動においては、変調速度の増大とともに記録密度と書き込む情報量も上げることができるものであるが、高速/高周波変調が妨げられると、例えば窒化物系半導体レーザを用いた記憶媒体への高記録密度化を図る際の限界となり、問題となるものである。
本発明は、駆動電流のパルス波形に基づく発光遅延、減光遅延を低減させた光出力波形を得るとともに、緩和振動を低減しかつ光出力立ち下り時のなまりを低減し、光出力のオーバーシュートやアンダーシュートの発生を防止し、消光比を減ずることなく安定で通信や書き込み等エラーの少ない、かつ動作速度が速く高速/高周波変調が可能な光出力立ち上がり及び立ち下り速度が速い半導体レーザを駆動をすることにある。
すなわち、本発明の目的は半導体レーザの緩和振動の影響を低減するなど従来の赤色系半導体レーザ等において公知の課題を解決すると同時に、立ち下り特性を向上した高速・高周波変調可能な低消費電力半導体レーザの駆動方法と発光装置を提供することにある。
さらには、自然発光状態であるしきい値電流未満のプリバイアスを印加する駆動方法においては、パルス信号印加時に緩和振動が発生するとともにパルス発光の立ち上がりの高速化に問題が生じるものである。すなわち、国際公開第01/11740号パンフレットや特開平7−38184に記載される駆動方法においては、プリバイアスにより半導体レーザダイオード内のキャリア密度がしきい値キャリア密度付近にまで達するのでバーストデータの送信時において発振遅延が低減されると記載されるものではあるが、バーストデータがしきい値電流以上の駆動電流として半導体レーザに入力されてからのレーザ発振の開始となるため発振遅延は依然として残存するとともに、バーストデータ入力によるレーザ発振時に緩和振動が発生するという問題があった。
本発明においては、半導体レーザダイオードの消光遅延を低減させるとともに、パルスデータ駆動電流印加時等の半導体レーザダイオードの応答性を従来よりさらに大きく向上させ、すなわち光出力立ち上がり時間を大きく短縮させ、かつ緩和振動による影響を最大限低減させるとともに、光出力のオーバーシュートやアンダーシュートを防止した実用性のあるパルス光出力波形を得ることを目的とする。
以上のような課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、半導体レーザダイオードを駆動回路を介して発光させる半導体レーザダイオードの駆動方法であって、駆動回路から半導体レーザダイオードに第一の駆動電流を印加する第1の工程と、第一の駆動電流に引き続いて駆動回路から半導体レーザダイオードに第二の駆動電流を印加する第2の工程と、を含み、第一の駆動電流に対応する第一の光出力と第二の駆動電流に対応する第二の光出力が重畳されて1パルス状光出力として出力され、第一の光出力の立ち上がり部、ピーク部、又は立ち下がり部から、第二の光出力が立ち上がることを特徴とするレーザダイオードの駆動方法である。
この発明により、レーザダイオードのパルス発光立ち上がり時において立ち上がり時間が、大いに短縮されるとともに光出力のオーバーシュートやアンダーシュートも無く、かつ緩和振動の影響が無視できる程度に低減されるパルス光出力波形を実現できるので、高信頼性の高速/高周波駆動が可能となる。
請求項2に記載の発明は、第二の光出力は、第一の光出力の極大値から立ち上がる半導体レーザダイオードの駆動方法である。これにより、第二の光出力の立ち上がり拠点に自由度ができるので、光出力波形の設計に自由度があるようなレーザダイオードのパルス発光立ち上がり時において立ち上がり時間が、大いに短縮されるとともに緩和振動の影響が無視できる程度に低減された光出力の立ち上がり波形を実現できるので、高信頼性の高速/高周波駆動が可能となる。なお、本件明細書における「極大値」とは、微分値が実質的に0となるような値であり、必ずしも最大値を示すものではない。
請求項3に記載の発明は、第二の光出力は、第一の光出力の最大値から立ち上がるレーザダイオードの駆動方法である。この発明により、レーザダイオードのパルス発光立ち上がり時において立ち上がり時間が、本発明において最大限短縮されるとともに緩和振動の影響が無視できる程度に低減された光出力の立ち上がり波形を実現することができるので、高信頼性の高速/高周波駆動が可能となる。
請求項4に記載の発明は、第一の駆動電流の電流値が第二の駆動電流の電流値より小さいレーザダイオードの駆動方法である。これにより、半導体レーザダイオードのパルス発光立ち上がり時において立ち上がり時間が、大いに短縮されるとともに緩和振動の影響が無視できる程度に低減される光出力波形を実現でき、高信頼性の高速・高周波駆動が可能となる。
請求項5に記載の発明は、第一の駆動電流と第二の駆動電流に重畳してバイアス電流を供給するレーザダイオードの駆動方法である。
請求項6に記載の発明は、第一の駆動電流の供給時間と第二の駆動電流の供給時間が互いに独立した供給時間であるレーザダイオードの駆動方法である。これにより光出力のオーバーシュートの発生が抑えられる。
請求項7に記載の発明は、半導体レーザダイオードと、半導体レーザダイオードを駆動する駆動回路と、を備える半導体レーザダイオードの発光装置であって、半導体レーザダイオードの発光装置は、駆動回路から半導体レーザダイオードに第一の駆動電流を印加する第1の電流印加手段と、第一の駆動電流に引き続いて駆動回路から前記半導体レーザダイオードに第二の駆動電流を印加する第2の電流印加手段と、第一の駆動電流に対応する第一の光出力と第二の駆動電流に対応する第二の光出力が重畳されて1パルス状光出力として出力される所望のデータを記憶する記憶手段と、を有し、第一の光出力の立ち上がり部、ピーク部、又は立ち下がり部から、第二の光出力が立ち上がることを特徴とするレーザダイオードの発光装置である。
この発明により、レーザダイオードのパルス発光立ち上がり時において立ち上がり時間が、大いに短縮されるとともに緩和振動の影響が無視できる程度に低減され光出力のオーバーシュートやアンダーシュートのない光出力波形を実現できるので、高信頼性の高速・高周波駆動が可能となります。また、記憶手段にこの駆動状態を再現するための設定値を記憶させることができるので、必要時に記憶装置から設定値を読み出し設定値に基づく駆動を実現できるので、毎回の設定が必要でなく再現性よく、簡易な回路で繰り返しパルス等の複数の本発明に関わるパルス発光を実現可能な発光装置とすることができる。
請求項8に記載の発明は、第二の光出力は、第一の光出力の極大値から立ち上がるレーザダイオードの発光装置である。これにより、第二の光出力の立ち上がり拠点に自由度ができるので、光出力波形の設計に自由度があるようなレーザダイオードのパルス発光立ち上がり時において立ち上がり時間が、大いに短縮されるとともに緩和振動の影響が無視できる程度に低減される光出力立ち上がり波形を実現できるので、高信頼性の高速・高周波駆動が可能となる。
請求項9に記載の発明は、第二の光出力は、第一の光出力の最大値から立ち上がるレーザダイオードの発光装置である。この発明により、レーザダイオードのパルス発光立ち上がり時において立ち上がり時間が、本発明において最大限短縮されるとともに緩和振動の影響が無視できる程度に低減される光出力の立ち上がり波形を実現することができるので、高信頼性の高速/高周波駆動が可能となる。
請求項10に記載の発明は、第一の駆動電流の電流値が第二の駆動電流の電流値より小さいレーザダイオードの発光装置です。これにより、レーザダイオードのパルス発光立ち上がり時において立ち上がり時間が、大いに短縮されるとともに緩和振動の影響が無視できる程度に低減された光出力の立ち上がり波形を実現でき、高信頼性の高速・高周波駆動が可能となる。
請求項11に記載の発明は、第一の駆動電流と第二の駆動電流に重畳してバイアス電流を供給するバイアス電流供給回路を備えるレーザダイオードの発光装置です。
(第一の駆動電流)
パルス駆動光波形の立ち上がりのトリガーとするための予備駆動のための駆動電流のことである。この駆動電流は矩形波や三角波、サイン波など、パルス状であれば波形の形は限定されるものではない。パルス駆動発光させる第二の駆動電流に先立ち供給されるのがこのパルス状の第一の駆動電流でありこの電流値はしきい値電流以上であれば良い。パルス状の第一の駆動電流がしきい値以上であれば、第一の駆動電流に対応する第一の光出力の立ち上がりも早くなるので好ましいものであるが、第一の駆動電流がレーザダイオード(以下、「LD」ともいう)に第一の光出力においてレーザ発振を開始させる程度の大きさと時間において供給される駆動電流であれば特に好ましく、さらには第一の駆動電流が第一の光出力に緩和振動を発生させる程度に大きく急峻な立ち上がりを有するようなパルス状であれば、第一の光出力の立ち上がり時間も極めて短くなるのでさらに非常に好ましい。
典型的には第一の光出力が1パルス状の緩和振動として発光観測される電流値と供給時間であれば最も望ましく、具体的には、この第一の駆動電流は、半導体LDのI−L特性曲線における3mWから6mW光出力又は、定格光出力の10〜20%くらいに相当するだけの電流値を設定値として流すことで、第一の光出力が第二の光出力立ち上がりのベースとなり急峻な立ち上がりを実現できる上で特に好ましい。第一の駆動電流の好ましい印加時間は、LD周波数応答特性によっても異なるが、周波数応答特性の良好なLDにおいては注入電流を減らしてより短時間の供給でよく、すなわち時間積分電流値を小さくでき、また周波数特性の悪いLDではより長時間供給したり、より大きめの電流としたりする、すなわち時間積分電流値を大きくすることで、好ましい第一の光出力とすることができる。ただし、第一の駆動電流の供給時間が短く瞬間的なパルス状であれば、設定どおりの光出力は観測されないこともあり、実際に設定して供給する電流値が流れているかどうか正確に確認することはできないこともある。
このパルス状の第一の駆動電流は、図9に示すように第二の駆動電流と時間的に分離/独立されていても良いし、時間的に一部重複されていても良い。パルス状の第一の駆動電流に対応する第一の光出力の立ち上がり部、好ましくはピーク値から第二の光出力の立ち上がりが開始されるように第一の駆動電流と第二の駆動電流の供給条件(例えば駆動電流値あるいはパルス駆動電流最大値や供給時間と相対供給タイミングなど)が調整されていれば良いものである。
(第二の駆動電流)
図9に典型例を図示するように、予備駆動電流である第一の駆動電流に引き続いてレーザダイオードに供給するパルス駆動電流を第二の駆動電流という。典型的には第二の駆動電流は第一の光出力の立ち上がり部またはピーク値又は立ち上がり部から第二の光出力の立ち上がりが開始されるように、第一の駆動電流との関係において供給条件が調整されて第二の駆動電流として、レーザダイオードに供給される。
(第一の光出力)
第一の駆動電流はしきい値以上で供給されるので、第一の光出力が観察される。例えばI−L特性曲線で3〜6mW、又は定格光出力の10〜20%光出力に相当する駆動電流を供給設定したとしても、設計どおりの光出力は必ずしも観察されなくてもよい。第一の光出力は、望ましくは緩和振動が一発発出されるだけであるが、複数の緩和振動ピーク値が観測される光出力としても良い。典型的には、第二の光出力より小さいピーク値を持つ一つのパルスピークが緩和振動として観測される状態が最も好ましい。
(第二の光出力)
パルス駆動としての本来期待する光出力を第二の光出力とし、その駆動電流を第二の駆動電流という。パルス駆動電流の波形は、サイン波、矩形波、三角波、のこぎり波など必要とされる、第二の光出力に応じて所望の発光出力を得られる第二の駆動電流とすればいいので、その形状に本発明の実施上依存しない。
(重畳された1パルス状光出力)
典型的には、図9に示す光出力であり、第一の光出力と第二の光出力が重畳され実質的に1パルス状となるものである。
(第一の光出力の立ち上がり部、ピーク部又は立ち下がり部)
第一の光出力の最大値である例えば、一発目の緩和振動のピーク値から第二の光出力が立ち上がることが最も好ましいものであるが、必ずしもこれに限定されることはない。二発目、三発目の緩和振動ピーク部(極大値)からでも充分に速い立ち上がり特性等を実現可能である。また、効果は多少落ちるがピーク部でなくても、ピーク部近傍の立ち上がり部や立ち下り部でも同様である。
(所望の設定値)
設定値とは、供給条件であり典型的には第一の駆動電流の供給時間と電流値と第一と第二の相対供給タイミングであり、望ましい第一の駆動電流の大きさと供給時間と供給タイミング等となるよう、パルス駆動の第二の駆動電流との関係において、設定値が調整されるものである。第一の駆動電流の望ましい値としては、半導体レーザダイオードの3〜6mW光出力に相当する駆動電流値又は、定格光出力の10〜20%光出力に相当する駆動電流値である。
(記憶手段)
ICメモリ、EEPROM、フラッシュメモリ、RAMなど汎用されている記憶装置であれば使用可能である。
(発光装置)
本発明にいう発光装置とは、半導体レーザダイオードを有し、半導体レーザダイオードを発光させることのできる装置をすべて含むものである。発光装置外部へのLD光の取り出しの可否によらず装置内部でLD発光を利用する装置や、装置外部に発光を出射させる発光装置でも良い。典型的には、通信用発光装置や、光集積モジュール、光ストレージ系書き込み装置(ディジタルビデオディスク書き込み装置など)、レーザ露光技術を用いたミニラボでも良い。光ストレージ系書き込み装置として利用した場合には、高速/高周波で分解能/SN比が優れた書き込み用光源となり、より高密度、高精度なノイズやエラーの低減された正確な記録が期待できる。また、写真現像用のレーザ露光技術を用いたミニラボや新聞等の版下用のCTP印刷機等においては、小型軽量の露光用光源としてより、高精細で高密度で正確、クリアな印刷、印字が可能となる。光ストレージ系書き込み装置としては、CD、DVD、Blu−ray、UDO、MOなどに適用することができる。
(第一の駆動電流の供給時間と第二の駆動電流の供給時間が互いに独立した)
ここでいう独立とは、第一の駆動電流と第二の駆動電流の供給時間が互いに、時間的にオーバーラップされておらず、すなわち重なっておらず、すなわち第一の駆動電流と第二の駆動電流が両方同時に供給されている時間が存在しないということである。図10に示すように、本発明の駆動電流作成方法においては特に、独立型の第一の駆動電流と第二の駆動電流において、両者の時間間隔を適宜長短させることにより、第一の駆動電流に対応する第一の光出力の発光から第二の駆動電流に対応する第二の光出力が立ち上がるように駆動電流の波形を調整することが望ましいものである。
(入力信号)
本発明に言う入力信号とは、半導体レーザを発光制御するための駆動電流を制御するための信号であり、例えば“0”と“1”からなるディジタル信号による入力信号においては、それぞれ低発光状態(又は/及び非発光状態)、高発光状態に駆動するパルス電流を発生させ、これをバイアス電流に重畳して半導体レーザの駆動電流として供給するように設定することができるものである。入力信号を高速かつ、高周波で入力することにより入力信号に対応させて駆動電流を高速かつ、高周波として発光制御するように設定することもできる。
(駆動電流)
半導体レーザを駆動するため、例えば入力信号に基づき半導体レーザに供給する電流のことを指す。この駆動電流により、半導体レーザは、実際に発光/消光等の動作を直接制御されるものである。駆動電流の波形としては、正弦波、矩形波、パルス波、三角波、方形波など特に限定されることはなく、さらに前記の各波形を加算処理若しくは減算処理、あるいは積算処理、除算処理等の各種演算処理を施した駆動電流でもよい。あるいは、各種波形の電流を所定のバイアス電流に重畳した電流を駆動電流として半導体レーザに供給することもできる。
複数の階段ステップ状の立ち上がり電流とは、例えば、図1に示すような電流駆動装置により、入力信号に基づき矩形状のパルス波形電流を分岐し該波形電流から一定時間遅延させた波形電流と波形処理された電流とを合成することにより作成される図4に示されるような波形を示す駆動電流のことを言う。階段状ステップは1段以上の複数段作成される波形も可能である。さらに該電流に、バイアス電流を重畳してその電流を新たな駆動電流として窒化物半導体レーザに供給することもできる。
この場合図6に示すような駆動電流波形となるが、図6の電流波形において立ち上がり時の、閾値電流以上で駆動する最初のステップ電流値であるBレベルの電流値は、閾値以上であり使用する半導体レーザダイオードのI−L特性曲線において3〜6mW程度の発光出力が得られる程度の駆動電流値として設定することが望ましい。また、この電流と相応する発光は精密に測定するには短時間でかつ小さい電流値であり測定困難なので、定量的に3〜6mW発光が確認できなくとも、半導体レーザダイオードのI−L特性曲線における3〜6mW電流値を設定することで充分である。Bレベルがあまり高いとAバイアスレベルからBレベルに立ちあげた際に緩和振動が発生しやすくかつ大きくなりすぎて、所望の光パルス出力(特に第二の光出力)を超えてしまうことがあるので好ましくない。
また、消光比を大きく保ちかつ、明確に発光を明暗2段階に保つためには、周波数応答特性の良好な半導体LDを使用した場合にはBレベルの時間が短いほうが、最適な注入電流量を設定する上でより好ましい。
上記構成をとることにより、安定した消光比を保ちながら、消費電力を増大させることなく、光出力の立ち下りのなまりを改善し高速・高周波駆動を可能とするとともに、これまでにないすばやい光出力立ち上がりを緩和振動を低減させた上で実現し、最適なバイアス電流によって不必要な半導体レーザの発熱を抑止できるので、レーザの寿命を延ばすことが可能となる。この光出力のすばやい立ち上がり時間は、10%−90%での評価(ピーク、ボトムから各々10%値間に要する時間を測定)において、1ns以下とすることも可能である。
また、駆動電流の供給装置としてはバイアス電流供給装置と矩形波などのパルス電流を供給する電流供給装置を別個の装置とすることもできるし、同一の装置に機能を持たせ、まとめて一つの装置として構成することも可能である。
(バイアス電流)
半導体レーザの駆動電流のうち、入力信号の“0”、“1”等に従って供給される矩形波、正弦波、方形波、パルス波、各種演算処理等された波形信号電流とは異なり、前記入力信号に従い供給される前記各種波形のパルス信号電流に重畳して供給される電流のことである。バイアス電流が全く無ければ、光出力立ち上がり時の緩和振動の発生する状況が増えすなわち緩和振動が発生しやすくなり、バイアス電流が大きすぎると光出力立ち下り時の“なまり”が増大する要因となりまた、直接、発光には寄与しない消費電力の増大や、不要な発熱等の原因ともなり素子劣化を促進させる要因となる。バイアス電流の好適な値は典型的には閾値電流未満であり、小さければ小さいほど光出力立ち下り時の“なまり”が低減され、より好ましい光出力波形が得られることが判明している。
さらに好ましくは常時供給するバイアス電流値は閾値電流値未満であり、かつ“0”より大きい電流値とすることにより、より好適な動作を実現できることが確認できている。バイアス電流値が“0”であれば、トランジスタ等の回路内各デバイスがOFF(非駆動状態)となることにより、駆動電流がノイズ等外乱の影響を受け易い状態となるので好ましくない。すなわち、上記のバイアス電流値により、緩和振動の低減された速やかな光出力立ち上がりと、立ち下りを確実に実現でき消光遅延/減光遅延などの原因となる“なまり”の影響を低減できることが確認できた。
(閾値電流値)
本発明に言う閾値電流値とは、図3に示すがごとく一般に駆動対象となる半導体レーザのレーザ発振が開始される電流値のことであるが、より厳密にはレーザ素子の駆動電流対光出力関係を示すI―L特性曲線における変曲点における電流値のことである。
本発明によれば、半導体レーザダイオードのパルス光出力の立ち上がりが非常に早く短時間で立ち上がりつつすなわち発光遅延のない極めて応答速度が早く、また緩和振動を低減したままで、かつパルス光出力を実現できるので、高速・高周波駆動に対応する半導体レーザダイオード駆動を実現するとともにS/N比や消光比が特段に優れたパルス発光駆動を実現することが可能となります。すなわち、緩和振動の影響が実質的に無視できる程度に小さいにも関わらずパルス応答速度の極めて早いパルス発光を実現することができる。
また、本発明により、駆動電流の立ち下り応答特性の良好かつ消光比の大きな光出力立ち上がり時間の短い半導体レーザ高速・高周波駆動を実施することができる。
以下に、実施例を示す。
(実施例1)
図18に実施例1の構成模式図を示す。この構成は、パルス発生器としてアジレント社製81130A Pulse Pattern Generator(以下PPG)(180)を用いて、このPPG(180)からのパルス信号入力が半導体レーザダイオード駆動用IC(187)のPulse1(181)、Pulse2(182)に入力されている。また、定電流源I1(183)、I2(184)、I3(185)からの電流入力がそれぞれ半導体レーザダイオード駆動用IC(187)のIIN1、IIN2、IIN3に入力するように接続されている。
ここで、I1(183)はバイアス電流として設定(本実施例では1mA)し、I2(184)は第一の駆動電流として設定し(本実施例では51mA)、I3(185)はパルス発光時の要求される発光量に応じた電流(本実施例では100mA)として設定する。半導体レーザダイオード(187)はこの駆動用IC(187)で出力処理された駆動電流の電流出力端子Iout(188)に接続されており、この半導体レーザダイオード(187)の発光出力波形は浜松ホトニクス社製SAMPLING−OSCILLOSCOPE OOS−1(以下OOS−1)(186)にてリアルタイムにモニターしている。
次に、動作と手順の概略説明を以下に記載する。PPG(180)からPulse1(181)、Pulse2(182)にそれぞれ図19の動作タイミングチャートに記載するタイミングにてパルス信号を出力する。定電流源I1(183)、I2(184)、I3(185)に、それぞれバイアス電流Iout1、第一の駆動電流Iout2、第二の駆動電流Iout3が流れるように調整する。Iout1、Iout2、Iout3の電流値は図19のチャートに示すようにそれぞれ本実施例においては、バイアス電流1mA、第一の駆動電流の電流値51mA、第二の駆動電流の電流値100mAと設定している。
つづいて、以下に述べる手順により図19のタイムチャートに示す半導体レーザダイオード(187)の駆動電流Iout(188)が本発明のごとく調整される。まず第一の駆動電流として半導体レーザダイオード(187)のI−L特性曲線において3〜6mWが発光する程度の駆動電流を決定し、その電流値を第一の駆動電流としてIout2としてI2(184)に設定する。本実施例においては、Iout2はI−L特性曲線において4mW光出力相当である51mAとした。このとき、1パルス分の第一の駆動電流を流す供給時間は、OOS−1(186)において発光波形の緩和振動が一発出力されるように、OOS−1(186)等光出力波形計測器を観測しながらPPG(180)を調整しパルス信号供給時間を調整する。
また、第二の駆動電流は所望の光出力パワーが得られるような駆動電流が流れるようにIout3を設定する。本実施例では、I−L特性曲線において50mW光出力を得るために100mAの駆動電流をIout3として設定し、その100mA電流値にI3(185)を調整した。その後、第二の駆動電流の立ち上がりエッジ部を第一の駆動電流の立ち下りエッジ部に近づけ、第一の駆動電流によって得られた第一の光出力のピーク値近傍から、第二の光出力が立ち上がるようにOOS−1(186)を観測しながらPPG(180)のパルス出力タイミングを調整する。
また、第二の駆動電流値は一気に0mA近傍にまで立ち下げることにより、駆動回路とLD間のインピーダンス不整合による電流反射の影響を、光出力へ及ぼさずすなわち、消光遅延やなまり現象を実質的に無くすことができる。この実施例においては、1mAのIout1、すなわちバイアス電流まで100mAのIout3すなわち第二の駆動電流から一気に立ち下げる駆動電流としている。以上の手順により、従来窒化物系半導体レーザダイオードでも実現不可能とされていた、パルス駆動における光出力立ち上がり/立ち下り時間を同時に1nsecより小さくする駆動が可能となった。
さらに、以下に図18に示す同回路構成を用いた別の図20に示すタイミングチャートに関わるパルス駆動の動作説明について説明する。図20に示す駆動電流は、第一の駆動電流の供給時間と第二の駆動電流の供給時間が重畳している場合、すなわちPulse1(181)とPulse2(182)のパルス供給時間が図20に示すように重なっている場合の駆動電流作成である。
まずPPG(180)から、Pulse1(181)、Pulse2(182)にそれぞれ図20に記載のタイミングで出力する。ここで、スイッチSW1(189)、スイッチSW2(1810)はそれぞれ、High Level電圧を入力した時にスイッチがONし、Low Level電圧を入力したときにOFFするものとする。次に、定電流源I1(183)、I2(184)、I3(185)にそれぞれ図20に示すバイアス電流Iout1、第一の駆動電流Iout2、第二の駆動電流Iout3が流れるように調整する。上記の手順により、図20に記載する半導体レーザダイオード(1811)の駆動電流Iout(188)が得られる。
その後、第一の駆動電流として、半導体レーザダイオード(1811)のI−L特性曲線より3〜6mWの光出力に相当する駆動電流を半導体レーザダイオード(1811)に流れるようにIout2を設定し、その設定値にI2を調整する。第一の駆動電流を流す期間は、緩和振動が一発出力されるように、OOS−1(186)等光波形計測器を使用して光応答波形を観測しながらPPG(180)を調整する。また、第二の駆動電流は所望の光出力パワーが得られるような電流が流れるようにIout3を調整する。その後、第二の駆動電流の立ち上がりエッジ部を第一の駆動電流の立ち下りエッジ部に近づけ、第一の駆動電流によって得られた光出力のピーク値付近から、第二の光出力が立ち上がるように調整する。
また、第二の駆動電流は一気に0mA付近にまで立ち下げることにより、駆動回路と半導体LD間のインピーダンス不整合による電流反射の影響を、光出力へは及ぼさなくすることができる。以上により、従来窒化物系半導体レーザダイオードでも実現不可能とされていた、パルス駆動における立ち上がり、立ち下り時間を同時に1nsecを切る駆動が可能となった。
(実施例2)
第二の実施例として、図7に示す回路を構成して窒化物系半導体レーザをパルス駆動した。図7に示す回路構成により半導体レーザに供給される駆動電流は、(図4)に示す駆動電流波形と同等の駆動電流波形とすることができるものである。以下に回路の動作説明をする。アノード側が電流源に接続されたダイオード(D3)により、常時バイアス電流(I3)を供給するようにする。
クロック1(CK1)とクロック2(CK2)を入力すると、クロックがHiの時にトランスファーゲート(T1)、(T2)が、クロック(CK1)、(CK2)のタイミングに応じて、ONとなる。そうすると各入力電流(I1)、(I2)、(I3)はダイオード(D1)、(D2)、(D3)を経由して、レーザダイオード(LD)のアノード側に、((I1)+(I2)+(I3))なる電流が駆動電流(ID)の最高値として供給される。この駆動電流においては、(I3)がすなわちバイアス電流であり、バイアス電流値から1ステップ上昇した電流値がすなわち(I1+I3)の電流値であり、この(I1+I3)電流値は閾値電流以上の値が立ち上がり光出力の応答改善と緩和振動の抑制の観点から好ましく、さらにはできる限り閾値電流値近傍の値である方が、消費電力低減及び消光比の観点からは望ましい。
また、バイアス電流の(I3)は、閾値電流より小さいと“なまり”が解消される方向に改善されるものであるが、この(I3)バイアス電流値が小さければ小さいほど、光出力の立ち下り特性がより改善され、“なまり”もなくより好適な光出力特性を得られるが、(I3)電流値が“0”であればノイズ等外乱の影響を受けやすくなるので好ましくない。
この駆動電流の供給による窒化物系半導体レーザの駆動によって、実施例1と同等の立ち下り時の“なまり”と緩和振動を低減した光出力が確認できた。
また、実施例に関わる駆動回路は図15に示すパルス駆動回路においても実現することができる。以下その動作を説明する。スイッチ1SW1(151)はパルス1PULSE1(152)からの信号がHIGHレベル(例えば5V)であればスイッチ1SW1(151)がONし、LOWレベル(例えば0V)であればOFFする構成となっている。またスイッチ2SW2(153)も同様の構成としている。
外部からの定電流源I1(154)から抵抗R1(155)に電流を流して発生した電圧を、オペアンプ1OPAMP1(156)、トランジスタ1Tr1(157)、抵抗R2(158)からなる電圧−電流変換回路へ入力し、それによってトランジスタTr4(159)を経由して電流が流れる。ここで、トランジスタ4Tr4(159)とトランジスタ5Tr5(1510)はカレントミラー回路になっているため、トランジスタ4Tr4(159)で流れた電流と同じ大きさの電流が、トランジスタ5Tr5(1510)へも流れ最終的には、その電流が半導体レーザダイオードLD(1511)へも流れる(Iout1とする)。
ここで、パルス1PULSE1(152)にHIGHレベルの電圧信号を入力すするとスイッチ1SW1(151)が閉じ、I2(1512)の電流量に応じた電流が、オペアンプ2OPAMP2(1513)、トランジスタ2Tr2(1514)、抵抗R4(1515)からなる電圧−電流回路によって発生する。この電流、すなわちIout2もまたトランジスタ4Tr4(159)を介して流れるため、前記Iout1と重畳され、半導体レーザダイオード(1511)へは(Iout1+Iout2)の電流が流れることになる。
次に、パルス2PULSE2(1516)にHIGHレベルの電圧を入力すると、スイッチ2(SW2)がOFFになり、I3(1517)の電流量に応じた電流が、オペアンプOPAMP3(1518)、トランジスタ3Tr3(1519)、抵抗R6(1520)からなる電圧−電流回路によって発生する。この電流すなわちIout3もまた、トランジスタ4Tr4(159)を介して流れるため、先述の(Iout1+Iout2)と重畳され、半導体レーザダイオード(1511)へは(Iout1+Iout2+Iout3)の電流が流れることになる。また、この状態でスイッチ2SW2(153)をOFFにすると、(Iout1+Iout2)の電流が、またスイッチ1SW1(151)をOFFにすると、Iout1の電流が半導体レーザダイオード(1511)へ流れることになる。
(実施例3)
青紫LDを使用して第一の駆動電流と第二の駆動電流を、それぞれ本発明の高速立ち上がり光出力を得られる駆動電流作成方法にて実現した例を示す。使用したLDは、しきい値電流(Ith)47.79mA、5mW光出力時駆動電流値(Iop5)52.17mA、30mW光出力時駆動電流値(Iop30)75.3mA、5mW光出力時駆動電圧値(Vop5)4.21V、30mW光出力時駆動電圧値(Vop30)4.49V、5mW光出力時駆動抵抗値(Rd5)14.1Ω、30mW光出力時駆動抵抗値(Rd30)11.1Ωである。
図11にはそれぞれ、第一の駆動電流値は半導体LDのI−L特性曲線において4mW光出力相当の駆動電流値で第二の駆動電流値は50mW定格相当の駆動電流となる駆動電流波形ならびに光出力波形を示す。
図11a)、b)、c)は第一の光出力波形と第二の光出力波形の相対時間間隔が違うのみで、その他の駆動条件は全く同一である。
図11a)は、第一の駆動電流と第二の駆動電流が充分に時間間隔が空けられているので、それぞれ対応する第一の光出力と第二の光出力も時間的に間隔が隔たっている。緩和振動も非常に大きいものが発生していることがわかる。図11b)では、a)よりもやや第一の駆動電流と第二の駆動電流の時間間隔を短くしているので、相応する各々の光出力も近づいているが、緩和振動が発生し本件発明のようなスムースな高速立ち上がりを実現していない。
図11c)では、独立型の第一の駆動電流と独立型の第二の駆動電流が時間的にちょうど接合している状態の駆動電流を発生し、LD駆動している。この図からもわかるように、図11c)ではLD光出力立ち上がり時間(Tr)が0.97nsとなり非常に早いだけでなく、緩和振動も実質的に殆ど観測されておらず、現在までに得られているもっとも早い立ち上がりを実現する一つであり、理想的な超高速パルス光出力波形を実現したものである。
ここに示す超高速パルス光出力を得るための手順は、以下に示すとおりである。
1、第一の駆動電流として、I−Lカーブ特性より、3〜6mWが光る程度の駆動電流を設定値として、LDに印加する設定とする。この実施例においては、4mW光出力相当に対応する51mAの駆動電流値を印加している。
2、第一の駆動電流を流す期間(Width)は、緩和振動が一発出力されるようにパルスジェネレータと光オシロスコープ等を使用して調整する。この実施例では約6nsの設定としている。
3、次に第二の駆動電流として所望の光出力が得られるような電流を注入する。実施例においては、I−L特性曲線の光出力50mW相当にあたる駆動電流として100mAを印加している。
4、第二の駆動電流の立ち上がりエッジ部を第一の駆動電流の立ち下りエッジ部に近づくよう時間調整し、第一の駆動電流によって得られた第一の光出力のピーク値近傍から、第二の光出力が立ち上がるようにオシロスコープにて光出力形状を確認しながら調整する。
5、また、この実施例では第二の駆動電流の立ち下げ部は0mA近傍バイアスまで急峻に立ち下げることにより、駆動回路とLD間のインピーダンス不整合等による電流反射の影響(消光遅延)を、光出力へは及ぼさなくすることができる。
これによって、窒化物半導体レーザダイオードでは実現不可能とされていた、光出力立ち上がり、光出力立ち下りを共に1nsecより小さくするパルス駆動が可能になった。
この駆動方法においては、第一の駆動電流によって緩和振動を誘発させ、その後第二の駆動電流(所望のパルス電流)によってレーザダイオードを駆動することにより、重畳された第一の光出力と第二の光出力が緩和振動と従来公知の立ち上がりの中間レベルで立ち上がることにより、超高速の発光立ち上がり特性を備えるパルス駆動を実現できる。
ここで、この実施例に関わる駆動回路の具体的典型を示す。回路概念図を図16に、動作タイミングチャートを図17に示す。図16において、スイッチ1SW1(161)はパルスPULSE(1615)からの信号がLOWレベル(例えば0V)であればOPENとなり、一回目のパルス入力(例えば5V)が入れば、定電流源I2(162)側にスイッチが入り、二回目のパルス入力が入れば、定電流源I3(163)側にスイッチが入るものとする。また、一回目と二回目のパルスの間のLOWレベル期間中は、前記のとおりOPENとなる。
パルスPULSEの入力がLOWレベルであるとき、外部からの定電流源I1(164)から抵抗R1(165)に電流を流して発生した電圧を、オペアンプ1OPAMP1(166)、トランジスタ1Tr1(167)、抵抗2R2(168)からなる電圧−電流変換回路へ入力し、それによってトランジスタ3Tr3(169)を経由して電流が流れる。ここで、トランジスタ3Tr3(169)とトランジスタ4Tr4(1610)はカレントミラー回路になっているため、トランジスタ3Tr3(169)で流れた電流と同じ電流がトランジスタ4Tr4(1610)へも流れ、最終的にはその電流が半導体レーザダイオードLD(1611)へも流れる(Iout1とする)。
ここで、パルスPULSE(1615)にHIGHレベルの電圧を入力すると、スイッチ1SW1(161)が定電流源I2(162)側へ入り、I2(162)の電流量に応じた電流が、オペアンプ2OPAMP2(1612)、トランジスタ2Tr2(1613)、抵抗6R6(1614)からなる電圧−電流回路によって発生する。この電流もまた、トランジスタ3Tr3(169)を介してトランジスタ4Tr4(1610)へ流れるため(この電流をIout2とする)、先述のIout1と重畳され、レーザへはIout1+Iout2の電流が流れることになる。
次に、パルスPULSE(1615)がLOWレベルになり、スイッチSW1(161)はいったんOPENとなった後、再度HIGHレベルの電圧が入力されると、スイッチ1SW1(161)が定電流源I3(163)側へ入り、電流I3(163)の電流量に応じた電流が、オペアンプOPAMP2(1612)、トランジスタ2Tr2(1613)、抵抗6R6(1614)からなる電圧−電流回路によって発生する。この電流もまた、トランジスタTr3(169)を介してトランジスタTr4(1610)へ流れるため(この電流をIout3とする)、前記Iout1と重畳され、半導体レ−ザダイオードへはIout1+Iout3の電流が流れることになる。この上記動作のタイミングチャート概念図を図17に示す。
(実施例4)
図12に、実施例3に示す青紫レーザダイオードにおいて、第一の駆動電流の駆動電流レベルをa)49mA、b)51mA、c)53mAと上げていった場合のそれぞれの光出力波形を示すものである。この実施例4ではステップ状の駆動電流波形として実施した。第一の駆動電流の駆動電流レベル以外の電流駆動条件は全く同一であり、バイアス電流は1mAである。
a)では第一の駆動電流がしきい値電流(47.79mA)より大きい49mA設定ではあるが、この駆動電流値はI−L曲線における4mW光出力相当の駆動電流値であるb)より低いI−L曲線にて2mW光出力相当電流値である。
b)では、a)より第一の駆動電流値を上げている51mAであり、これはI−L曲線の4mW光出力相当電流値にあたる。オシロスコープによる光出力波形において確認できるように、光出力立ち上がり時間が0.97nsでありまた、光出力立ち下り時間も0.84nsといずれもこれまでに知られている半導体LDの光出力立ち上がり立ち下り時間の最速レベルを実現できている。本発明においては、パルス駆動光出力波形も非常にきれいな波形であることも特徴であり光出力波形のオーバーシュートやアンダーシュートは観測されない。
c)においては、第一の駆動電流の値は、さらにb)よりも上げた6mW光出力相当の駆動電流値であり、その他の駆動電流条件は同じである。オシロスコープの光出力波形において確認できるように、第一の光出力の緩和振動の一発目が小さな盛り上がりとして見えている。第二の光出力は第一の光出力の一発目の緩和振動立ち下がり部より立ち上がるような調整結果となっているが、光出力の立ち上がり時間は1.17nsであり、立ち下がり時間も0.89nsでありいずれも非常に速い値を実現できており、かつ緩和振動やオーバーシュート、アンダーシュートの影響は実質的に無視できる程度の非常にきれいな光出力応答波形である。
(実施例5)
図13には第一の駆動電流を、半導体レーザダイオードのI−L曲線において4mW光出力相当の駆動電流値として設定し、第一の駆動電流の駆動時間幅をa)b)c)の順に広げた場合の駆動電流と光出力応答波形の例を実施例5として示す。駆動時間の時間幅は、a)が約5nsであり、b)が約6nsであり第一の駆動電流と第二の駆動電流が時間的にちょうど独立状態で接合している状態でありa)より第一の駆動電流の駆動時間幅を増大させている。また、c)が約7nsであり、b)よりさらに第一の駆動電流の駆動時間幅を増大させている。c)の駆動電流においては、模式図からもわかるように第一の駆動電流供給時間の後半部分が第二の駆動電流の供給開始時間後まで重なって、重畳(オーバーラップ)されており、重畳されている時間は第一の駆動電流と第二の駆動電流の合計値が供給されている。すなわち、時間軸で順に、バイアス電流値→第一の駆動電流→第一と第二の合計駆動電流値→第二の駆動電流値→バイアス電流値なる電流が半導体LDに順次供給されている。
この実施例における光出力応答波形を示すように、a)では大きな緩和振動が発生し、c)では立ち上がり時に大きなオーバーシュートが観測されており、いずれも光出力応答波形はパルス状の矩形波となっていない。一方、b)においては、立ち上がり時間は0.97nsであり、立ち下り時間も0.84nsと高速駆動に充分な速度を保っており、かつ光出力波形も緩和振動やオーバーシュート、アンダーシュートも観測されず良好な方形波が得られている。
このように、本発明の調整方法としては第一の駆動電流と第二の駆動電流の相対供給時間を近づける(すなわち、第一駆動電流から第二の駆動電流を供給するディレイを小さくする)以外にも、この実施例のように第一の駆動電流の駆動供給時間を増大させ、結果的に、第一の駆動電流の駆動供給終了時間と第二の駆動電流の駆動供給開始時間の間隔が小さくなり、あるいは一致するようにして、第一の光出力から第二の光出力が立ち上がるように調整することが可能である。a)の第一の光出力が観測されていないのは、第一の駆動電流の供給時間が短いためであると考えられる。
ここで、本発明の別の典型的一実施形態に関わる構成ブロック概念図について図21に基づいて説明する。パソコン(Personal Computer以下PC)(211)からの指令(LD駆動電流値、パルス周波数等)を、シリアル・コミュニケーション・インターフェース(Serial Communication Interface:以下SCI)(212)を経由して中央演算装置(Central Processing Unit:以下CPU)(213)へ伝えられ、CPU(213)からの指令は以下のように伝達される。
半導体レーザダイオード(2113)に供給されるLD駆動の電流値は、PC(211)からの指示値(バイアス電流、第一駆動電流、第二駆動電流)をディジタル・アナログ・コンバータ(Digital Analog Converter:以下DAC)(214)を通してLD駆動用IC(215)へ伝える。また、パルス周波数及びパルス幅はPC(211)からの指示値(周波数、パルス幅)を可変周波数オシレータ(2)(216)へ伝える。また可変周波数オシレータ(1)(217)の周波数とパルス幅は、あらかじめOOS−1(186)等を使って最適な値を調べておき、その値をPC(211)からSCI(212)とCPU(213)経由で、可変周波数オシレータ(1)(217)へ伝える。
また、ピークホールド回路(1)(218)はコンデンサ容量がピークホールド回路(2)(219)に比べて小さく、第一の駆動電流による光応答のパルスピーク値を検出するために用いる。ピークホールド回路(2)(219)はコンデンサ容量を大きくしているので、第二の駆動電流による光応答のパルスピーク値を検出するために用いる。これらの2つのピークホールド回路は立ち上がりエッジ検出器(2111)によってトリガーされ、ピークホールドされた2つの信号がアナログ・ディジタル・コンバータ(Analog Digital Converter:ADC)(2110)を経由してCPU(213)へ入力される。CPU(213)はピークホールド回路(1)(218)とピークホールド回路(2)(219)の出力値を絶えず比較し、2つの値が等しくなるように可変周波数オシレータ(1)(217)を増減させ、超速立ち上がり(1nsec以下)を有する光パルス応答を実現した。
また、ROM(2112)には、図21に示すシステム全体を制御する制御プログラムが格納されている。
(比較例1)
図14に比較例1として、ステップ型パルス電流を駆動する場合、すなわち第一の駆動電流と第二の駆動電流がちょうど時間的に接合している状態の駆動電流において、第一の駆動電流値レベルを変化させた場合の例を示す。a)の第一の駆動電流値はしきい値以下で約47mAである。b)は第一の駆動電流値を約51mAとし、c)は約53mAと設定した場合を示し、その他の駆動条件はすべて同一である。a)b)c)それぞれに対応する光出力応答波形からわかるように、まずa)では第一の駆動電流がしきい値以下の低い設定なので第一の光出力は微小であり殆ど観測されず、実質的に第二の駆動電流における第二の光出力が最初のパルスとして緩和振動を伴いながらの応答立ち上がりとなる。続いてb)では、I−L曲線における4mW光出力相当である約51mAの第一の駆動電流設定としているが、第一の光出力が第二の光出力とは別に独立して観測されており、第一の光出力から第二の光出力が立ち上がるように調整されていないので、光出力立ち上がりは約1.45nsであり、やや遅れている。
また、c)においてはさらに第一の駆動電流が増大されているので、対応する第一の光出力もより明確に観測されている。しかし、b)と同じくこの場合の光出力立ち上がりは1.75nsであり、高速化の点で見劣りする結果となっている。
上記の、実施例や比較例に示すように本発明においては、最も好ましい実施態様としては第一の駆動電流値を半導体レーザダイオードのI−L特性曲線の3〜6mW光出力相当値又は定格光出力の10%から20%程度の光出力に相当する駆動電流値に設定するとともに、第一の駆動電流と第二の駆動電流の相対供給タイミング時間を適宜調整することで高速立ち上がりかつオーバーシュートやアンダーシュートや緩和振動のないパルス光出力波形を実現できるものであり、この調整された最適タイミング時間等は個々の半導体LD種類ごとに異なるものであるが、LDの周波数応答特性が良好になれば、第一の駆動電流の供給時間は短くなる傾向があると考えている。
さらには、図15に示すパルス駆動回路において、まずカレントミラー回路の左側に注目すると、実施例4駆動時には第二の駆動電流を供給する際にはIout1バイアス電流とIout3第二の電流が重畳されIout2第一の電流が停止されるので、実施例4においては、トランジスタ1(Tr1)157、トランジスタ3(Tr3)1519、トランジスタ4(Tr4)159の3つのトランジスタがONして稼動状態となり、トランジスタ2(Tr2)1514はOFF状態である。
一方、比較例1においては、第二の駆動電流の供給時には、Iout1バイアス電流とIout2第一の駆動電流とIout3第二の駆動電流が重畳されるので、トランジスタ1(Tr1)157、トランジスタ2(Tr2)1514、トランジスタ3(Tr3)1519、トランジスタ4(Tr4)159の4つのトランジスタがONして稼動状態となっている。これにより、上記実施例4と比較例1駆動時の電流経路における寄生容量や浮遊容量などのコンデンサ成分を比較すると、比較例1のほうがトランジスタ個数が多いのでコンデンサ容量も大きくなり、パルスに応答する駆動電流の応答速度が実施例4の方が寄生容量等が小さい分速くなると考えられる。
これに対応して、カレントミラー回路の右側のトランジスタ5(Tr5)1510のパルスに対応する応答駆動速度も実施例4の方が比較例1に対して早くなることが考えられ、結果的に半導体レーザダイオードの超高速駆動をするにはコンデンサ成分の少ない、典型的には寄生容量を形成するトランジスタの稼動個数が少ない駆動回路を用いる実施例4の方が、より好ましい駆動形態であると考えている。
また、出力段のトランジスタ(レーザダイオードを直接駆動する側のトランジスタ(図15の回路例においてはトランジスタ(Tr5)1510に相当))は、NPNトランジスタあるいはNチャネルトランジスタによって駆動する回路であればより好ましい。すなわち、NPNトランジスタやNチャネルトランジスタはキャリアが電子なのでキャリアがホールのPNPトランジスタあるいはPチャネルトランジスタよりも移動度が大きく、また、遮断周波数(カットオフ周波数)も大きいので、パルス駆動電流の立ち上がり及び立ち下がり応答速度を更に早くでき、パルス発光応答立ち上がり及び立ち下がりも早くできるので、更に高速にレーザダイオードを駆動することが可能になり、より好ましい結果を得られる。
さらに、本件発明の駆動方法や駆動回路は通信系等で用いられている周波数応答特性の極めて良好な発光立ち上がり速度の速い半導体レーザダイオード(発光色は問わない)に適用することも可能であり、半導体レーザダイオードの発光立ち上がり特性の点でより好ましい結果を得られる。
従来の半導体レーザに駆動電流を供給する装置 (a)従来の半導体レーザ駆動電流である矩形状のパルス電流(b)従来の半導体レーザ光出力の緩和振動 半導体レーザのI−L特性曲線と閾値電流(Ith) 駆動電流波形の一実施態様に関わる概略図 半導体レーザ光出力のなまりを示す模式的概念図 本発明の一実施態様に関わるレーザ駆動電流波形模式図 第2の実施例に関わる回路構成図 半導体レーザの等価回路 本発明に関わる駆動電流と光出力波形の関係を示す典型的一例 本発明の第一の駆動電流と第二の駆動電流の調整法概略図 実施例3に関わる駆動電流波形概念図と光出力応答波形 実施例4に関わる駆動電流波形概念図と光出力応答波形 実施例5に関わる駆動電流波形概念図と光出力応答波形 比較例1に関わる光出力応答波形 実施例2に関わる回路説明図 実施例3に関わる回路説明図 図16の回路概略図に関わる動作タイミングチャート概念図 実施例1に関わる本発明の実施の形態回路接続模式構造図 図18に示す実施例1に関わる本発明の動作タイミングチャート概念図 実施例1に関わる本発明の別の動作タイミングチャート概念図典型例 本発明の一実施形態に関わる回路ブロック概念図
符号の説明
151・・・スイッチ1
152・・・パルス1
153・・・スイッチ2
154・・・定電流源I1
155・・・抵抗R1
156・・・オペアンプ1
157・・・トランジスタ1
158・・・抵抗2
159・・・トランジスタ4
1510・・・トランジスタ5
1511・・・半導体レーザダイオード
1512・・・電流I2
1513・・・オペアンプ2
1514・・・トランジスタ2
1515・・・抵抗4
1516・・・パルス2
1517・・・電流I3
1518・・・オペアンプ3
1519・・・トランジスタ3
1520・・・抵抗6
161・・・スイッチ1
162・・・定電流源I2
163・・・定電流源I3
164・・・定電流源I1
165・・・抵抗R1
166・・・オペアンプ1OPAMP1
167・・・トランジスタ1Tr1
168・・・抵抗R2
169・・・トランジスタ3Tr3
1610・・・トランジスタ4Tr4
1611・・・半導体レーザダイオード
1612・・・オペアンプ2OPAMP2
1613・・・トランジスタ2Tr2
1614・・・抵抗R6
1615・・・パルスPULSE
180・・・パルス発生器
181・・・パルスPulse1
182・・・パルスPulse2
183・・・定電流源1(I1)
184・・・定電流源2(I2)
185・・・定電流源3(I3)
186・・・パルス発光波形測定器
187・・・半導体レーザダイオード電流駆動用IC
188・・・IC電流出力Iout
1811・・・半導体レーザダイオード
211・・・パソコン(PC)
212・・・シリアルコミュニケーションインターフェース(Serial Communications Interface:SCI)
213・・・中央演算装置(Central Processing Unit:CPU)
214・・・ディジタル・アナログ・コンバータ(Digital Analog Converter:DAC)
215・・・半導体レーザダイオード電流駆動用IC
216・・・可変周波数オシレータ(2)
217・・・可変周波数オシレータ(1)
218・・・ピークホールド回路(1)
219・・・ピークホールド回路(2)
2110・・・アナログ・ディジタル・コンバータ(Analog Digital Converter:ADC)
2111・・・立ち上がりエッジ検出器
2112・・・記憶装置(ROMなど)

Claims (12)

  1. 半導体レーザダイオードを駆動回路を介して発光させる半導体レーザダイオードの駆動方法であって、
    前記半導体レーザダイオードの駆動方法は、
    前記駆動回路から前記半導体レーザダイオードに第一の駆動電流を印加する第1の工程と、
    前記第一の駆動電流に引き続いて前記駆動回路から前記半導体レーザダイオードに第二の駆動電流を印加する第2の工程と、を含み、
    前記第一の駆動電流に対応する第一の光出力と前記第二の駆動電流に対応する第二の光出力が重畳されて1パルス状光出力として出力され、
    前記第一の光出力の立ち上がり部、ピーク部、又は立ち下がり部から、前記第二の光出力が立ち上がることを特徴とする半導体レーザダイオードの駆動方法。
  2. 前記第二の光出力は、前記第一の光出力の極大値から立ち上がる請求項1に記載の半導体レーザダイオードの駆動方法。
  3. 前記第二の光出力は、前記第一の光出力の最大値から立ち上がる請求項1に記載の半導体レーザダイオードの駆動方法。
  4. 前記第一の駆動電流の電流値が前記第二の駆動電流の電流値より小さい請求項1乃至請求項3に記載の半導体レーザダイオードの駆動方法。
  5. 前記第一の駆動電流と前記第二の駆動電流に重畳してバイアス電流を供給する請求項1乃至請求項4に記載の半導体レーザダイオードの駆動方法。
  6. 前記第一の駆動電流の供給時間と前記第二の駆動電流の供給時間が互いに独立した供給時間である請求項1乃至請求項5に記載の半導体レーザダイオードの駆動方法。
  7. 半導体レーザダイオードと、前記半導体レーザダイオードを駆動する駆動回路と、を備える半導体レーザダイオードの発光装置であって、
    前記半導体レーザダイオードの発光装置は、
    前記駆動回路から前記半導体レーザダイオードに第一の駆動電流を印加する第1の電流印加手段と、
    前記第一の駆動電流に引き続いて前記駆動回路から前記半導体レーザダイオードに第二の駆動電流を印加する第2の電流印加手段と、
    前記第一の駆動電流に対応する第一の光出力と前記第二の駆動電流に対応する第二の光出力が重畳されて1パルス状光出力として出力される所望のデータを記憶する記憶手段と、を有し、
    前記第一の光出力の立ち上がり部、ピーク部、又は立ち下がり部から、前記第二の光出力が立ち上がることを特徴とする半導体レーザダイオードの発光装置。
  8. 前記第二の光出力は、前記第一の光出力の極大値から立ち上がる請求項7に記載の半導体レーザダイオードの発光装置。
  9. 前記第二の光出力は、前記第一の光出力の最大値から立ち上がる請求項7に記載の半導体レーザダイオードの発光装置。
  10. 前記第一の駆動電流の電流値が前記第二の駆動電流の電流値より小さい請求項7乃至請求項9に記載の半導体レーザダイオードの発光装置。
  11. 前記第一の駆動電流と前記第二の駆動電流に重畳してバイアス電流を供給するバイアス電流供給回路を備える請求項7乃至請求項10に記載の半導体レーザダイオードの発光装置。
  12. 前記第一の駆動電流の供給時間と前記第二の駆動電流の供給時間が互いに独立した供給時間である請求項7乃至請求項11に記載の半導体レーザダイオードの発光装置。

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