JP2005135994A - 受光素子及び光受信器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 APDのアバランシェ増倍率を適切に制御することが可能な光受信器を提供する。
【解決手段】 受光素子は、第1の面12a及び第2の面12bを有する基板12と、基板12の第1の面12a上に設けられた受光層13v及び拡散領域13pを有するPINフォトダイオード部13と、基板12の第2の面12b上に設けられた受光層11p、増倍層11y及び拡散領域11pを有するアバランシェフォトダイオード部11と、を備えており、基板12は、受けた信号光が透過する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、受光素子及び光受信器に関するものである。
従来より、光通信システムにおいては、受光素子としてアバランシェフォトダイオード(以下、APDという)を用いた光受信器が用いられる。APDは、信号光電流の増幅作用を有しており、微弱な光信号を用いる光ファイバ通信システムの受光素子として好適である。
ところで、APDは、温度変動などによってそのアバランシェ増倍率が変化するという特性を有している。この特性は、アバランシェ増倍作用を生じさせる際に、比較的高い逆バイアス電圧がAPDへ印加されることに由来する。すなわち、APDは、PN接合のブレークダウン電圧付近で動作することとなるので、その動作特性が環境温度などの変化に対して非常に敏感になる。従って、温度変動などが生じても一定の増倍率が得られるように、APDのアバランシェ増倍率を制御することが好ましい。
特許文献1には、増倍率を制御する構成を備える受光素子が記載されている。この光受信器の構成を図9に示す。この受光素子は、同一基板上に信号受光用領域101及び受光用モニター領域102を有しており、光ファイバ103からの信号光をこれらの領域において受光する。なお、信号受光用領域101には、APDが構成されている。そして、受光用モニター領域102における出力電流値に基づいて、信号受光用領域101における増倍率が制御される。
特開昭63−77171号公報
しかしながら、特許文献1に開示された光受信器では、信号受光用領域101及び受光用モニター領域102が同一基板の同一面上に設けられている。このため、信号受光用領域101と受光用モニター領域102との間でクロストークが発生する可能性が高い。クロストークが発生すると、受光用モニター領域102における信号光の検出精度が悪化するので、信号受光用領域101における増倍率を適切に制御することが困難となる。
本発明は、上記の問題点を鑑みてなされたものであり、APDのアバランシェ増倍率を適切に制御することが可能な受光素子及び光受信器を提供することを目的とする。
上記した課題を解決するため、本発明の受光素子は、第1の面及び第2の面を有する基板と、基板の第1の面上に設けられた受光層及び拡散領域を有するPINフォトダイオード部と、基板の第2の面上に設けられた受光層、増倍層及び拡散領域を有するアバランシェフォトダイオード部と、を備え、基板は、受けた信号光を透過させることを特徴とする。
上記受光素子は、基板の第1の面に形成されたPINフォトダイオード部(以下、PIN−PD部という)と、第2の面に形成されたアバランシェフォトダイオード部(以下、APD部という)とを備えている。受光素子のPIN−PD部に入射した信号光は、一部がPIN−PD部で検出される。基板は信号光を透過させるので、入射した信号光の一部はAPD部へ透過し、APD部で検出される。上記受光素子によれば、PIN−PD部で検出された光の光量に対応する電気信号を用いてAPD部のアバランシェ増倍率が制御される。PIN−PD部とAPD部とは基板によって隔てられているので、PIN−PD部とAPD部との間のクロストークの発生を抑制することができる。よって、PIN−PD部及びAPD部での信号光の検出が適切になされ、アバランシェ増倍率の制御を適切に行うことができる。
本発明の受光素子は、PINフォトダイオード部には、基板の第1の面を露出させるように貫通した開口が設けられていることを特徴としてもよい。
上記受光素子に第1の面の方向から入射した信号光の一部はPIN−PD部で検出される。PIN−PD部には開口が設けられているので、信号光の別の一部は開口を通過して基板へ入射する。開口を通過した信号光は基板を透過してAPD部で検出される。上記受光素子によれば、第1の面の方向から入射した信号光の一部をPIN−PD部で、別の一部をAPD部で検出することができ、PIN−PD部で検出された光の光量を用いてAPD部のアバランシェ増倍率を制御することができる。
本発明の受光素子は、基板に接触して設けられた電極を更に有し、電極はPINフォトダイオード部及びアバランシェフォトダイオード部へ電圧を印加するための電極として機能することを特徴としてもよい。上記受光素子では、PIN−PD部の電流とAPD部の電流とを分離することができるので、PIN−PD部とAPD部との間のクロストークの発生をより抑制することができる。
本発明の光受信器は、上記何れかの受光素子と、受光素子を搭載するステムと、受光素子に光学的に結合されたレンズを保持し、受光素子を覆うようにステム上に搭載されたレンズ保持部材とを備えたことを特徴とする。
本発明の光受信器は、上記何れかの受光素子と、受光素子を搭載する主面と、主面に設けられた溝と、溝の一端に設けられた反射面とを有する台座と、溝内に設けられた光伝送媒体と、を備え、受光素子は、反射面を介して光伝送媒体からの信号光を受けることを特徴とする。
上記光受信器では、受光素子が反射面を介して光伝送媒体からの光を受けるように構成されており、反射面が台座の溝内に設けられている。よって、光受信器の小型化が容易になる。
本発明の光受信器は、アバランシェフォトダイオード部が所定のアバランシェ増倍率を維持するように、アバランシェフォトダイオード部への電源電圧をPINフォトダイオード部からの出力電流値に基づいて制御する制御手段をさらに備えることを特徴としてもよい。これによって、APD部のアバランシェ増倍率を良好に制御することができる。
本発明の光受信器は、或る光量の光が入射したときのアバランシェフォトダイオード部のPINモードにおける出力電流値及びそのときのPINフォトダイオード部の出力電流値をそれぞれIava2及びIpin2として、信号光が入射したときのアバランシェフォトダイオード部の平均出力電流値が以下の値
m・Ipin1・(Iava2/Ipin2
(m:所望のアバランシェ増倍率、Ipin1:PINフォトダイオード部からの出力電流値)に近づくように、制御手段が、アバランシェフォトダイオード部への電源電圧を制御することを特徴としてもよい。
本発明の光受信器は、制御手段が、PINフォトダイオード部からの出力電流値を電圧信号に変換する変換回路と、入力、第1の出力、及び第2の出力を有し、第2の出力における電流量と第1の出力における電流量との比が所定の比になるよう構成され、第1の出力がアバランシェフォトダイオード部に接続されたカレントミラー回路と、カレントミラー回路の入力に電源電圧を供給する電源回路と、変換回路からの電圧信号とカレントミラー回路の第2の出力における電流量とに基づいて、電源電圧を制御する電圧制御回路と を備えることを特徴としてもよい。これによって、APD部のアバランシェ増倍率をさらに良好に制御することができる。
上記光受信器では、カレントミラー回路の第2の出力における電流量が第1の出力からAPD部に供給される電流量に略等しくなることを利用して、第1の出力における電流量を制御し、第2の出力からAPD部に供給される電流量を制御している。
本発明の光受信器によれば、PIN−PD部の出力電流に基づいてAPD部のアバランシェ増倍率を適切に制御することが可能となる。
以下、添付図面を参照しながら本発明の光受信器の実施の形態を詳細に説明する。図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明の光受信器1の実施形態を示すブロック図である。図1を参照すると、本実施形態の光受信器1は、光モジュール3、制御部5、及び増幅器9を備えている。光モジュール3は、受光素子10を備えている。受光素子10は、APD部11、及びPIN−PD部13、基板部12を備えている。
受光素子10はPIN−PD部13、基板部12及びAPD部11を有している。光モジュール3において、光受信器1の外部から光伝送媒体53を介して入射した信号光L1は受光素子10のPIN−PD部13へ入射する。受光素子10において、PIN−PD部13、基板部12及びAPD部11は信号光L1の光路上に配列されている。PIN−PD部13に信号光L1が入射した場合、信号光L1のうち一部(信号光L3とする)はPIN−PD部13で出力電流I2へと変換される。信号光L1のうち一部(信号光L2とする)はPIN−PD部13及び基板部12を透過し、APD部11へ入射する。このとき、例えば信号光L1の光量のうちの90〜99%が透過して信号光L2となるようにするとよい。
PIN−PD部13は、信号光L3を出力電流I2に変換する部分である。PIN−PD部13は信号光L2を透過させる。PIN−PD部13は、生成した出力電流I2を制御部5へ提供する。PIN−PD部13を透過した信号光L2は基板部12へ入射する。基板部12は入射した信号光L2を透過させる。基板部12を透過した信号光L2はAPD部11に入射する。
APD部11は、信号光L2を出力電流I1に変換するための部分である。APD部11は、制御部5から電源電圧P1を受けることによって作動し、入射面11aに信号光L2が入射すると出力電流I1を生成する。このとき、APD部11では、信号光L2の入射によって発生した光電流がアバランシェ増倍作用により所定の増倍率で増倍されることにより、出力電流I1が生成される。APD部11は、生成した出力電流I1を増幅器9へ提供する。増幅器9は、APD部11からの出力電流I1を電圧信号に変換及び増幅することにより受信信号S1を生成する。該受信信号S1は光受信器1の外部へ提供される。
制御部5は、制御手段として用いることができる。制御部5は、APD部11が所定のアバランシェ増倍率を維持するように、APD部11への電源電圧P1をPIN−PD部13からの出力電流値に基づいて制御する。制御部5は、PIN−PD部13からの出力電流I2によって、信号光L3の光量を検出する。制御部5は、APD部11が信号光L2の光量に応じて発生する光電流を所望の増倍率でアバランシェ増倍するように、信号光L3の光量に基づいてAPD部11への電源電圧P1を生成する。制御部5は、例えばCPU等を搭載した演算装置や電気回路などによって構成されることができる。
ここで、制御部5の上記した機能について、さらに詳細に説明する。図2は、APD部11の電源電圧に対する出力電流の特性を示すグラフである。なお、図2に示すグラフでは、APD部11の入射面11aに入射する光の光量を一定としている。図2を参照すると、APD部11に或る電圧Vよりも小さい電源電圧が印加されている場合には、APD部11は入射光量に応じた光電流Iを発生する(この状態を、APD部11におけるPINモードと称する)。また、APD部11に電圧Vよりも大きな電源電圧が印加されている場合には、APD部11においてアバランシェ増倍作用が生じ、APD部11からの出力電流値は光電流Iに所定の増倍率を掛けた値となる。
アバランシェ増倍作用は、比較的高い逆バイアス電圧がAPD部11に印加されることにより生じる。このとき、APD部11は、pn接合のブレークダウン電圧付近で動作することとなるので、その動作特性はAPD部11の温度に依存する。例えば、図2のグラフにおいて、曲線A、B、CはそれぞれAPD部11の温度T、T、T(T<T<T)における動作特性を示している。このように、一定の光量下で且つAPD部11への電源電圧が同じ値(例えばV)であっても、温度に応じてAPD部11からの出力電流値がI、I、Iと変化することとなる。
図2に示したグラフにおいて、例えば所定の入射光量に対して出力電流I(=m・I、m:所望のアバランシェ増倍率)を得ようとすれば、APD部11の特性の変動に応じて電源電圧値をV、V、Vなどのように変化させるとよい。従来、サーミスタ等を用いてAPD部の温度を測定し、APD部の温度に基づいて電源電圧を変化させる方法が主に用いられているが、APD部の温度特性にも個体差があるため、この方法では所望のアバランシェ増倍率mを精度良く得ることが難しい。
これに対し、本実施形態の制御部5では、PIN−PD部13からの出力電流I2に基づいてAPD部11のアバランシェ増倍率を制御する。光受信器1に或る光量の光を入射させ、このときのAPD部11のPINモードにおける出力電流I1の値及びPIN−PD部13の出力電流I2の値をそれぞれIava2(A)及びIpin2(A)とする。制御部5は、APD部11に信号光L2が入射したときのAPD部11の出力電流I1の平均値が以下の式
m・Ipin1・(Iava2/Ipin2
(m:所望のアバランシェ増倍率、Ipin1:信号光L3に対するPIN−PD部13からの出力電流I2の電流値(A))に近づくように、電源電圧P1を制御する。これにより、温度変化などの影響を受けることなくAPD部11において所望のアバランシェ増倍率mが得られる。なお、出力電流I2の平均値とは、パルス化されている信号光L1(L2)に応じた出力電流I2における、複数のパルスにわたる充分な時間の時間平均値を意味する。出力電流I2の平均値は、例えば積分回路などによって生成されることができる。
次に、光モジュール3について詳細に説明する。図3は、本実施形態の光モジュール3を示す断面図である。光モジュール3は、いわゆる同軸型CANパッケージの構成を有しており、ステム41、キャップ43、レンズ45、受光素子10を備えている。光モジュール3は、スリーブ71に保持されている。スリーブ71はスリーブ73を保持し、スリーブ73はフェルール54を保持し、フェルール54は光伝送媒体53を保持している。光モジュール3は光伝送媒体53を介して外部から入射する信号光を受光する。光伝送媒体53、レンズ45、受光素子10は、所定の軸に沿って配置されている。受光素子10の入射面10aは当該所定の軸にほぼ垂直に交差している。光伝送媒体53からレンズ45へ向けて信号光L1が出射され、レンズ45を通過した信号光L1は入射面10aにほぼ垂直に入射する。
ステム41は、例えば直径5.6mmといった大きさの円盤状の部材である。ステム41は、複数のリードピン47を有し、リードピン47はステム41を貫通している。ステム41は例えばステンレス、銅、鉄等の金属材料から成る。
キャップ43は、上記した受光素子10を覆うための部材である。キャップ43は、一端が塞がれた円筒形状をしており、例えばステンレス、鉄、鉄ニッケル合金、真鍮等の金属材料からなる。キャップ43は、その他端がステム41の主面41aに接するようにステム41に固定されている。キャップ43の一端には、受光素子10の入射面10aと光学的に結合されたレンズ45が設けられている。信号光L1は、レンズ45によって集光され、入射面10aへ入射する。
受光素子10は、前述のとおり、PIN−PD部13、基板部12及びAPD部11を備えている。PIN−PD部13、基板部12及びAPD部11は、上記所定の軸に沿ってこの順に配列されている。
基板部12は例えば厚さ100〜300マイクロメートルのn+−InPからなる。基板部12はPIN−PD部13(後述)が形成された第1の面12a及びAPD部11(後述)が形成された第2の面12bを有している。基板部12は第1の面12aから入射した信号光を第2の面12bへ透過させ、第2の面12bから入射した信号光を第1の面12aへ透過させるように、信号光に対して所定の透過率を有している。
PIN−PD部13は、バッファ層13u、受光層13v、窓層13w及び拡散領域13pを有している。バッファ層13u、受光層13v、窓層13wは基板部12の第1の面12a上にこの順に積層されている。拡散領域13pは窓層13w及び受光層13vに不純物が拡散されて形成されている。バッファ層13uは例えば厚さ1〜2マイクロメートルのn−InPからなり、基板部12の欠陥を遮断することができる。受光層13vは例えばn−InGaAsからなる。窓層13wは受光層13vよりもバンドギャップが広くなるように、例えば厚さ1.0〜3.0マイクロメートルのn−InPからなる。拡散領域13pは例えば窓層13wを介して受光層13vにZnの不純物を拡散させ、窓層13wの表面より1.5〜4.5マイクロメートルの厚さに形成されている。PIN−PD部13の透過率は、受光層13vの厚さに依存するので、受光層13vの厚さを調製することによってPIN−PD部13の透過率を所望の値に設定することができる。ここで、PIN−PD部13の透過率とは、信号光L1に対する信号光L2の光量比をいう。
拡散領域13pの表面には拡散領域13pに接触するようにPIN−PD部のアノード電極13cが設けられており、PIN−PD部のアノード電極13cは導線W1を介してリードピン47cに電気的に接続されている。
受光層13vがn−InGaAsからなる場合を例に、受光層13vの厚さdの設定について説明する。n−InGaAsの吸収係数をαとすれば、PIN−PD部13の透過率Tと厚さdとの関係は式(1)で表される。
d=−lnT/α …(1)
ここでn−InGaAsの吸収係数αはα=1.3・10cm−1であるので、
d(マイクロメートル)=−lnT/1.3 …(2)
である。例えばPIN−PD部13の透過率Tを90%に設定したい場合には、式(2)より、dが0.081マイクロメートルになるように受光層13vを調製すればよい。また、PIN−PD部13の透過率Tを99%に設定したい場合には、式(2)より、dが0.0077マイクロメートルになるように受光層13vを調製すればよい。
APD部11は、バッファ層11u、受光層11v、増倍層11y及び拡散領域11pを有している。バッファ層11u、受光層11v、増倍層11yは基板部12の第2の面12b上にこの順に積層されている。拡散領域11pは増倍層11yに不純物が拡散されて形成されている。バッファ層11uは例えば厚さ1.0〜2.0マイクロメートルのn−InPからなる。受光層11vは例えば厚さ2.0〜3.0マイクロメートルのn−InGaAsからなる。増幅層11yは例えば厚さ2.0〜4.0マイクロメートルのn−InPからなる。拡散領域11pは例えば受光層11vにZnの不純物を拡散させ、1.0〜2.0マイクロメートルの厚さに形成されている。
拡散領域11pの表面には拡散領域11pに接触するようにAPD部のアノード電極11cが設けられており、APD部のアノード電極11cはステム41と電気的に接続されている。ステム41はリードピン47bと電気的に接続されている。APD部のアノード電極11cと増倍層11yとの間にはパッシベーション層11qが設けられており、APD部のアノード電極11cと増倍層11yとは電気的に絶縁されている。
受光素子10は、共通電極10eを有している。共通電極10eはPIN−PD部13の窓層13wに接触するように窓層13w上に設けられており、窓層13wと電気的に接続されている。共通電極10eと拡散領域13pとの間にはパッシベーション層13qが設けられており、共通電極10eと拡散領域13pとは電気的に絶縁されている。共通電極10eは導線W2を介してリードピン47aに接続されている。共通電極10eとPIN−PD部のアノード電極13cとの間に電位差を生じせしめることによってPIN−PD部13にバイアス電圧を印加することができる。共通電極10eとAPD部のアノード電極11cとの間に電位差を生じせしめることによってAPD部11にバイアス電圧を印加することができる。また、信号光L3の作用でPIN−PD部13に電流が発生したときには共通電極10eとPIN−PD部のアノード電極13cとの間に電流I2が流れ、信号光L2の作用でAPD部11に電流が発生したときには共通電極10eとAPD部のアノード電極11cとの間に電流I1が流れる。
図4に受光素子10の平面図を示す。PIN−PD部13の拡散領域13p及びAPD部11の拡散領域11pは、平面図上での形状が互いに同心円であるように配置されている。すなわちPIN−PD部13の拡散領域13p及びAPD部11の拡散領域11pの平面図上における形状は、双方ともに点10zを中心とする円形になるように形成されている。点10zはPIN−PD部13全体の平面図における中心であり、信号光L1の光軸とPIN−PD部13とが交差する点である。このように配置することにより、信号光L1が拡散領域13pにほぼ垂直に入射した場合に、PIN−PD部13を透過した光が適切に拡散領域11pに入射することとなる。
次に、制御部5について詳細に説明する。図5は、制御部5の内部回路を示す回路図である。制御部5は、DC−DCコンバータ7と、変換回路17と、カレントミラー回路21と、電圧制御回路19とを備えている。DC−DCコンバータ7は、電源回路として使用される。DC−DCコンバータ7は入力7a及び7b、並びに出力7cを有している。入力7aは、所定電圧(例えば3.3V)の電源端に電気的に接続されている。出力7cは、カレントミラー回路21に電気的に接続されている。入力7bは電圧制御回路19に電気的に接続されており、DC−DCコンバータ7は制御信号S3(後述)を電圧制御回路19から受ける。DC−DCコンバータ7は、電源端からの電源電圧を制御信号S3に基づいて変圧し、電源電圧P1を生成する。そして、DC−DCコンバータ7は、出力7cからカレントミラー回路21へ電源電圧P1を供給する。
カレントミラー回路21は、抵抗素子211及び213、並びにpnp型のトランジスタ215及び217を含んでいる。また、カレントミラー回路21は、入力21a、出力21b(第2の出力)、出力21c(第1の出力)及び出力21dを有している。そして、カレントミラー回路21は、出力21bにおける電流量が出力21cにおける電流量と所定の電流比になるように構成されている。本実施形態での電流比は1である。トランジスタ215のエミッタ端子は、抵抗素子211を介して入力21aに電気的に接続されている。トランジスタ217のエミッタ端子は、抵抗素子213を介して入力21aに電気的に接続されている。カレントミラー回路21の入力21aは、DC−DCコンバータ7の出力7cに電気的に接続されており、DC−DCコンバータ7から電源電圧P1が供給される。トランジスタ215のベース端子とトランジスタ217のベース端子とは、ノード219を介して互いに電気的に接続されている。ノード219は、トランジスタ217のコレクタ端子に電気的に接続されている。トランジスタ215のコレクタ端子は、カレントミラー回路21の出力21bに電気的に接続されている。トランジスタ217のコレクタ端子は、カレントミラー回路21の出力21cを介して受光素子10の共通電極10eに電気的に接続されている。APD部のアノード電極11cは、前述したように増幅器9に電気的に接続されている。PIN−PD部のアノード電極13cは後述する変換回路17の入力17aに電気的に接続されている。
変換回路17は、バッファアンプ171を含んでいる。また、変換回路17は、入力17a、出力17b及び17dを有している。また、変換回路17は、カレントミラー回路C1、C2、C3を有している。カレントミラー回路C1は、抵抗素子311及び313、並びにpnp型のトランジスタ315及び317を含んでおり、出力C1bにおける電流量が出力C1cにおける電流量と所定の電流比になるように構成されている。本実施形態での電流比は1である。カレントミラー回路C2は、抵抗素子351、353及び355、並びにnpn型のトランジスタ357、359及び361を含んでおり、入力C2a、入力C2b、入力C2cにおける電流量が所定の電流比になるように構成されている。入力C2cは抵抗素子363を解して所定電圧(例えば、2.5V)の電源端に電気的に接続されている。本実施形態では入力C2a、入力C2b、入力C2cにおける電流量がすべて等しくなるように構成されている。カレントミラー回路C3は、抵抗素子371及び173、並びにnpn型のトランジスタ375及び377を含んでおり、入力C3aにおける電流量が入力C3bにおける電流量と所定の電流比になるように構成されている。本実施形態での電流比は1である。
カレントミラー回路C3の抵抗素子173の一端は、基準電位線に電気的に接続されている。抵抗素子173の他端はノード175に電気的に接続されている。バッファアンプ171の+側入力端子はノード175に電気的に接続されており、バッファアンプ171の−側入力端子はバッファアンプ171の出力端子に電気的に接続されている。バッファアンプ171の出力端子はモニタ用端子に電気的に接続されるとともに、出力17bを介して抵抗素子25の一端に電気的に接続されている。抵抗素子25の他端は、ノード27及びダイオード23を介して基準電位線に電気的に接続されている。
電圧制御回路19は、OPアンプ191、抵抗素子193及び195を含んでいる。また、電圧制御回路19は、入力19a、19c及び19d、並びに出力19bを有している。OPアンプ191の−側入力端子は、入力19aを介してノード27に電気的に接続されているとともに、抵抗素子195を介してOPアンプ191の出力端子に電気的に接続されている。OPアンプ191の出力端子は、電圧制御回路19の出力19bを介してDC−DCコンバータ7の入力7bに電気的に接続されている。OPアンプ191の+側入力端子は、ノード197に電気的に接続されている。ノード197は、抵抗素子193を介して基準電位線に電気的に接続されている。また、ノード197は、電圧制御回路19の入力19cを介してカレントミラー回路21の出力21bに電気的に接続されている。また、ノード197は、電圧制御回路19の入力19dを介して変換回路17の出力17dに電気的に接続されている。
光受信器1の動作を説明する。再び図3を参照すると、レンズ45で集光された信号光L1が、入射面10aに入射する。信号光L3は、PIN−PD部13で出力電流I2へ変換される。また、信号光L2は、PIN−PD部13及び基板部12を透過する。透過した信号光L2は、APD部11の受光層11vに入射する。受光層11vに入射した信号光L2は受光層11v及び増倍層11yにおいてアバランシェ増倍作用により出力電流I2へ変換される。
図5を参照する。共通電極10eとPIN−PD部のアノード電極13cとの間には逆バイアス電圧が印加されており、PIN−PD部13に信号光L3が入射することによって該信号光L3の光量に応じた出力電流I2が発生し、PIN−PD部のアノード電極13cと共通電極10eとの間に電流I2が流れる。この電流は、入力17aを介して変換回路17に入力される。
抵抗素子363は、一端が電源端に電気的に接続され、他端は入力C2cを介してカレントミラー回路C2に電気的に接続されている。抵抗素子363に流れる電流の電流量をiとすると、カレントミラー回路C2の作用により、入力C2a、C2bに流れる電流の電流量もiとなる。入力C2bはカレントミラー回路C1の出力C1cに電気的に接続されているので、出力C1cを流れる電流の電流量はiとなる。さらに、カレントミラー回路C1の作用によりC1bを流れる電流の電流量もまたiとなる。
出力C1bから出力された電流iと、入力17aを介して変換回路17へ入力された電流I2とはノード319で合流する。よって、抵抗素子321には電流量I2+iの電流が流れる。また、ノード323から入力C2aへ電流iが流れるので、ノード323から入力C3bへ流れる電流はI2となる。カレントミラー回路C3の作用により、入力C3aからカレントミラー回路C3に入力される電流もI2となる。このとき、抵抗素子173に電流I2が流れることよってノード175の電位及びバッファアンプ171の+側入力端子の電位がV1となる。そして、バッファアンプ171の出力端子から電圧信号S2が出力される。
変換回路17から出力された電圧信号S2は、変換回路17の出力17bから出力され、抵抗素子25、ノード27及び入力19aを介して電圧制御回路19に入力される。なお、この回路においては、PIN−PD部13に過大な光量の光が入力されて電圧信号S2の電圧値が規定値を超えると、ダイオード23が作動してOPアンプ191に過大な電流が流れない。
一方、共通電極10eとAPD部のアノード電極11cとの間には、DC−DCコンバータ7からカレントミラー回路21を介して電源電圧P1が逆バイアス電圧として印加されている。そして、APD部11に信号光L2が入射すると、APD部11において該信号光L2の光量に応じた出力電流I1が発生し、APD部のアノード電極11cと共通電極10eとの間に電流I1が流れる。出力電流I1は、増幅器9によって電圧信号に変換されて受信信号S1となり、該受信信号S1が光受信器1の外部へ提供される。
結局、共通電極10eに流れる電流の電流量はAPD部11に流れる電流I1とPIN−PD部13に流れる電流I2との和、I1+I2となる。そして、カレントミラー回路21の作用により、抵抗素子211及びトランジスタ215を流れる電流量は、抵抗素子213及びトランジスタ217を流れる電流の電流量、すなわち共通電極10eに流れる電流量I1+I2とほぼ等しくなる。よって、カレントミラー回路21の出力21bから出力される電流量はI1+I2であり、この電流は電圧制御回路19の入力19cへ入力される。ノード197から入力17dを介して変換回路17へ入力される電流量は、上述したようにI2であるので、ノード197、及び抵抗素子193を順に通って基準電位線へ流れる電流量はI1である。電圧制御回路19の抵抗素子193に電流I1が流れることよってノード197の電位及びOPアンプ191の+側入力端子の電位がV2となる。
また、電圧制御回路19へ入力された電圧信号S2は、OPアンプ191の−側端子に入力される。そして、OPアンプ191の出力端子は抵抗素子195を介して負帰還されているので、電圧信号S2と電位V2との差が所定倍率で増幅され、制御信号S3が生成される。すなわち、制御信号S3の値は、APD部11の出力電流I1の電流値と、PIN−PD部13の出力電流I2の電流値とが所定の比率から乖離したときに大きくなる。DC−DCコンバータ7は、電圧制御回路19から制御信号S3を受けると、この制御信号S3の値が所定値に近づくように電源電圧P1の電圧値を調整する。
以上に説明した動作によって、APD部11への電源電圧P1が制御され、APD部11は所望のアバランシェ増倍率mを維持することができる。なお、本実施形態においては、或る光量の光が入射したときのAPD部11のPINモードにおける出力電流I1の電流値(=Iava2)及びPIN−PD部13の出力電流I2の電流値(=Ipin2)をまず測定し、それらの比と所望のアバランシェ増倍率mとの積m(Iava2/Ipin2)に基づいて、抵抗素子193の抵抗値を定めるとよい。また、アバランシェ増倍率mを変更する場合は、抵抗素子193の抵抗値を変更するとよい。抵抗素子193をデジタルポテンショメータとすれば、外部信号によってアバランシェ増倍率mを変化させることが可能になる。以下に、図5に示した回路図における数値例を記しておく。
出力電流I1:10μA(信号光L2の光量:0.95μW)
出力電流I2:50nA(信号光L3の光量:0.05μW)
抵抗素子173:100kΩ
抵抗素子193:2kΩ
抵抗素子195:OPアンプ191に関する閉ループが発振しない程度に大きいことが好ましい
抵抗素子211:1kΩ
抵抗素子213:1kΩ
抵抗素子311:1kΩ
抵抗素子313:1kΩ
抵抗素子351:1kΩ
抵抗素子353:1kΩ
抵抗素子355:1kΩ
抵抗素子371:100kΩ
電源電圧P1:50V
電位V1:5mV
電位V2:5mV
上記光受信器1は、以下の効果を有する。すなわち、光受信器1では、受光素子10が受けた信号光L1の一部である信号光L3がPIN−PD部13で検出され、PIN−PD部13及び基板部12を透過した信号光L2がAPD部11で検出される。PIN−PD部13とAPD部11とは基板部12を挟んで設けられているので、PIN−PD部13とAPD部11との間のクロストークが発生する可能性が小さい。従って、本実施形態の光受信器1によれば、PIN−PD部13の出力電流I2に基づいてAPD部11のアバランシェ増倍率を適切に制御することが可能となる。また、温度センサによる補償回路等も不要であるので、光モジュール3の特性が安定し、また、製造工程を単純化することができる。
また、上記光受信器1では、APD部11が所定のアバランシェ増倍率mを維持するように、APD部11への電源電圧P1をPIN−PD部13からの出力電流I2の電流値に基づいて制御する制御部5を備えている。光受信器1はこのような制御部5を備えることが好ましく、これによって、APD部11のアバランシェ増倍率mを適切に制御することができる。
また、上記光受信器1では、受光素子10のPIN−PD部13が窓層13w、バッファ層13uによって受光素子の特性が安定し、APD部11のアバランシェ増倍率mを適切に制御することができる。
(第1の変形例)
上記光受信器1の第1の変形例について説明する。図6は、上記光受信器1の第1変形例として、光モジュール3Aを示す断面図、図7はその平面図である。光モジュール3Aは、台座52、光伝送媒体53及び受光素子10Aを備えている。また、本変形例の光受信器1は上記実施形態と同様の制御部5を備えている。
例えばシリコンベンチといった台座52は、主面52aに形成された溝52bを有している。溝52b内に例えば光ファイバといった光伝送媒体53が配置されている。溝52bの端部には反射面52cが形成されている。光伝送媒体53は端面53aから反射面52cの方向へ信号光L0を出射する。反射面52cは、信号光L0を反射する。反射面52cは主面52aに対して傾けて設けられており、信号光L0を受光素子10Aの方向に反射する。反射面52cは例えば溝52bの端部にAuメッキすることによって形成される。
受光素子10Aは台座52上に入射面10aを接するように設置されている。受光素子10は、入射面10aが反射面52cに対向するように位置合わせされており、入射面10aは反射面52cからの信号光L1を受ける。
受光素子10Aは、APD部11、基板部12及びPIN−PD部13を有している。基板部12の第1の面12a上にPIN−PD部13が設けられ、第2の面12b上にAPD部11が設けられている。基板部12上に接触するように共通電極10eが設けられている。基板部12は第1の面12a又は第2の面12bのうち一方の面が縁部において露出しており、共通電極10eは、露出した領域に設けられる。本変形例の場合、受光素子10Aの基板部12の第2の面12bの縁部に、共通電極10eがAPD部11を囲むように基板部12に接して設けられている。共通電極10eは、APD部11の縁部を基板部12に達する深さまでエッチングして基板部12の第2の面12bを露出させ、露出した領域にAuをメタライズすることにより形成されている。共通電極10eはPIN−PD部13のカソード電極として機能し、また、APD部11のカソード電極としても機能する。共通電極10eはPIN−PD部13を囲むように基板部12の第1の面12aの縁部に設けてもよい。その場合は、共通電極10eは、PIN−PD部13の縁部を基板部12に達する深さまでエッチングして基板部12の第1の面12aを露出させ、露出した領域にAuをメタライズすることにより形成する。
共通電極10eは導線W43を介して電極56aに電気的に接続されている。APD部11に設けられたAPD部のアノード電極11cは導線W41を介して電極56cに電気的に接続されている。PIN−PD部13に設けられたPIN−PD部13のアノード電極13cは台座52の主面52a上に設けられたパターン電極52eに接触しており、パターン電極52eは導線W44を介して電極56bに電気的に接続されている。
受光素子10Aにおいては、入射面10aから入射した信号光L1の一部である信号光L3がPIN−PD部13で電流I2へ変換され、PIN−PD部のアノード電極13cと共通電極10eとの間に電流I2が流れる。また、信号光L1の一部である信号光L2は基板部12を透過しAPD部11へ入射し、電流I1へ変換される。この時、APD部のアノード電極11cと共通電極10eとの間に電流I1が流れる。
上記のように接続されることによってPIN−PD部13は電極56a及び電極56bを介して光モジュール3の外部へ出力電流I2を提供する。電極56a及び電極56bは制御部5及び所定の電源に電気的に接続されている。電極56cは増幅器9(図1参照)に電気的に接続されている。本変形例の光受信器1は上記実施例と同様の制御部5を備えており、実施例と同様にAPD部11のアバランシェ増倍率を制御することができる。
光受信器1は、図3に示した光モジュール3に代えて、本変形例による光モジュール3Aを備えることによっても、上記した実施形態の効果と同様の効果を得ることができる。また、本変形例では、受光素子10Aの入射面13aが反射面52cに対向するように設置され、反射面52cからの光を受ける。よって、信号光を入力するための反射面52cを主面52aに設けることができるので、樹脂モールド化することも可能となり、光モジュール3Aの小型化が可能になる。また、反射面52cは主面52aに形成されているので、入射面13aに近接させることが可能である。よって、信号光L1を集光する必要がなく、信号光L1を直接入射面13aに入射させることができる。
また、受光素子10Aは、基板部12の入射面と反対側の面上に共通電極10eが設けられているので、APD部11側からの実装が可能である。また、PIN−PD部13の電流とAPD部11の電流とを分離することができるので、PIN−PD部とAPD部との間のクロストークの発生をより抑制することができる。
(第2の変形例)
上記光受信器1の第1の変形例について説明する。図8(a)は、上記光受信器1の第2変形例として、受光素子10Bを示す断面図、図8(b)はその平面図である。受光素子10BはPIN−PD部13、基板部12及びAPD部11を有している。受光素子10Bと受光素子10との相違点はPIN−PD部13にある。
受光素子10BのPIN−PD部13には開口13hが設けられており、PIN−PD部13の平面図における形状は円環状をなしている。開口13hはPIN−PD部13を厚み方向に貫通しており、基板部12の第1の面12aが露出している。PIN−PD部13は円環状の受光層13v及び円環状の拡散領域13pを有している。拡散領域13pは受光層13vに不純物を拡散することにより形成されている。拡散領域13pに接触するようにPIN−PD部のアノード電極13cが設けられている。
受光素子10Bに入射した信号光L1の一部である信号光L3はPIN−PD部13で検出される。PIN−PD部13には開口13hが設けられているので、信号光L1の一部である信号光L2は開口13hを通過して露出した基板部12へ入射する。開口13hを通過した信号光L2は基板部12を透過してAPD部11で検出される。受光素子10Bに入射した信号光L1の一部L3をPIN−PD部13で、信号光L1の一部である信号光L2をAPD部11で検出することができ、PIN−PD部13で検出された信号光L2の光量を用いてAPD部11のアバランシェ増倍率を制御することができる。
光受信器1は、図3に示した受光素子10に代えて、本変形例による受光素子10Bを備えることによっても、上記した実施形態の効果と同様の効果を得ることができる。また、PIN−PD部13の開口13hの大きさを適当に調製することによって信号光L3とL2との光量比を所望の値とすることができる。
本発明の光受信器は、上記した実施形態及び変形例に限られるものではなく、他にも様々な変形が可能である。例えば、上記した実施形態及び各変形例では、APD部11への信号光の光量とPIN−PD部13への信号光の光量との比が9:1〜99:1となるようにPIN−PD部13の受光層13vの透過率を設定しているが、これらの光量の比を他の所望の比率とすることも可能である。また、上記した実施形態では制御部がAPD部11への電源電圧を制御しているが、制御手段がAPD部11を流れる電流量を制御してもよく、電源電圧及び電流の双方を同時に制御してもよい。
また、上記した実施形態及び変形例においては、受光素子のPIN−PD部側から信号光が入射し、PIN−PD部及びAPD部でそれぞれ信号光の一部を検出しているが、本発明においては、受光素子のAPD部側から信号光が入射するようにしてもよい。この場合、APD部側から入射した信号光L1の一部である信号光L2がAPD部で検出され、APD部及び基板部を透過した信号光L3がPIN−PD部で検出される。
光受信器の実施形態を示すブロック図である。 APDの電源電圧に対する出力電流の特性を示すグラフである。 受光モジュールを示す断面図である。 受光素子の平面図である。 制御部の内部回路を示す回路図である。 光モジュールの変形例を示す断面図である。 光モジュールの変形例を示す平面図である。 (a)は受光素子の変形例を示す断面図、(b)はその平面図である。 従来の光受信器を示す図である。
符号の説明
1…光受信器、3…光モジュール、3A…光モジュール、5…制御部、10e…共通電極、10、10A、10B…受光素子、11…APD部、11c…アノード電極、11p…拡散領域、11v…受光層、11y…増倍層、12…基板部、13…PIN−PD部、13c…アノード電極、13u…バッファ層、13v…受光層、13p…拡散領域、13w…窓層、13h…開口、17…変換回路、19…電圧制御回路、21…カレントミラー回路、41…ステム、43…キャップ、45…レンズ、52a…主面、52c…反射面、52…台座、52b…溝、53…光伝送媒体、101…信号受光用領域、102…受光用モニター領域、103…光ファイバ。

Claims (8)

  1. 第1の面及び第2の面を有する基板と、
    前記基板の前記第1の面上に設けられた受光層及び拡散領域を有するPINフォトダイオード部と、
    前記基板の前記第2の面上に設けられた受光層、増倍層及び拡散領域を有するアバランシェフォトダイオード部と、
    を備え、
    前記基板は、受けた信号光を透過させることを特徴とする受光素子。
  2. 前記PINフォトダイオード部には、前記基板の前記第1の面を露出させるように貫通した開口が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の受光素子。
  3. 前記基板に接触して設けられた電極を更に有し、前記電極は前記PINフォトダイオード部及び前記アバランシェフォトダイオード部へ電圧を印加するための電極として機能することを特徴とする請求項1〜2の何れか1項に記載の受光素子。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載の受光素子と、
    前記受光素子を搭載するステムと、
    前記受光素子に光学的に結合されたレンズを保持し、前記受光素子を覆うように前記ステム上に搭載されたレンズ保持部材と
    を備えたことを特徴とする光受信器。
  5. 請求項1〜3の何れか1項に記載の受光素子と、
    前記受光素子を搭載する主面と、前記主面に設けられた溝と、前記溝の一端に設けられた反射面とを有する台座と、
    前記溝内に設けられた光伝送媒体と、
    を備え、
    前記受光素子は、前記反射面を介して前記光伝送媒体からの信号光を受けることを特徴とする光受信器。
  6. 前記アバランシェフォトダイオード部が所定のアバランシェ増倍率を維持するように、前記アバランシェフォトダイオード部への電源電圧を前記PINフォトダイオード部からの出力電流値に基づいて制御する制御手段をさらに備えることを特徴とする請求項4〜5の何れか1項に記載の光受信器。
  7. 或る光量の光が入射したときのアバランシェフォトダイオード部のPINモードにおける出力電流値及びそのときのPINフォトダイオード部の出力電流値をそれぞれIava2及びIpin2として、前記信号光が入射したときの前記アバランシェフォトダイオード部の平均出力電流値が以下の値
    m・Ipin1・(Iava2/Ipin2
    (m:所望のアバランシェ増倍率、Ipin1:PINフォトダイオード部からの出力電流値)に近づくように、前記制御手段が、前記アバランシェフォトダイオード部への電源電圧を制御することを特徴とする請求項6に記載の光受信器。
  8. 前記制御手段が、
    前記PINフォトダイオード部からの出力電流値を電圧信号に変換する変換回路と、
    入力、第1の出力、及び第2の出力を有し、前記第2の出力における電流量と前記第1の出力における電流量との比が所定の比になるよう構成され、前記第1の出力が前記アバランシェフォトダイオード部に接続されたカレントミラー回路と、
    前記カレントミラー回路の前記入力に前記電源電圧を供給する電源回路と、
    前記変換回路からの前記電圧信号と前記カレントミラー回路の前記第2の出力における電流量とに基づいて、前記電源電圧を制御する電圧制御回路と
    を備えることを特徴とする請求項6または7に記載の光受信器。
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