JP2005134367A - 半導体加速度センサ - Google Patents
半導体加速度センサ Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005134367A JP2005134367A JP2004152764A JP2004152764A JP2005134367A JP 2005134367 A JP2005134367 A JP 2005134367A JP 2004152764 A JP2004152764 A JP 2004152764A JP 2004152764 A JP2004152764 A JP 2004152764A JP 2005134367 A JP2005134367 A JP 2005134367A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- frame
- acceleration sensor
- substrate
- braking
- weight
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Pressure Sensors (AREA)
Abstract
【課題】 ストッパの破壊限界を向上させて、耐衝撃性の優れた半導体加速度センサを提供する。
【解決手段】 内方に開口部21を有するフレーム2と、フレーム2から開口部21内に延設されて弾性を有するビーム3と、ビーム3により吊り下げ支持されて遊動自在に可動する重り部5と、ビーム3に設けられて作用する加速度に応じて抵抗値の変化するピエゾ抵抗4と、を有する半導体加速度センサ。フレーム2は、その隣接する2辺の隅角部に設けられて開口部21を一部覆い、重り部5の隅角部22に対面する角部53と当接して重り部5の変位を制限する制動部6を有し、かつ隅角部22又は重り部5の隅角部22と相対する角部53の少なくともどちらか一方を複数の平面又は曲面にて構成してなる。
【選択図】 図1
【解決手段】 内方に開口部21を有するフレーム2と、フレーム2から開口部21内に延設されて弾性を有するビーム3と、ビーム3により吊り下げ支持されて遊動自在に可動する重り部5と、ビーム3に設けられて作用する加速度に応じて抵抗値の変化するピエゾ抵抗4と、を有する半導体加速度センサ。フレーム2は、その隣接する2辺の隅角部に設けられて開口部21を一部覆い、重り部5の隅角部22に対面する角部53と当接して重り部5の変位を制限する制動部6を有し、かつ隅角部22又は重り部5の隅角部22と相対する角部53の少なくともどちらか一方を複数の平面又は曲面にて構成してなる。
【選択図】 図1
Description
本発明は半導体加速度センサに関し、特に耐衝撃性を備えた半導体加速度センサに関するものである。
この種の背景技術として、例えば、特開平8−327656号公報(特許文献1)に提案されているものがあり、これを図7に示す。図7は全体概略斜視図である。このものは、フレーム101と、ビーム102と、重り部103と、当接部104及び台座105とを備えている。
フレーム101は、例えば、シリコンからなる半導体基板にて形成されており、内方に開口部21を有して平面視略四角形状をなしている。
ビーム102は、フレーム101を構成する4辺の上面(図7の上側)からその内方にそれぞれ突設されており、フレーム101の内方の中央付近で交差して交差部102aを形成している。また、このビーム102は、弾性を有するように薄肉状に形成されている。
また、ビーム102の交差部102a近傍及び4つの基端部102bの表面には、それぞれ複数のピエゾ抵抗(図示せず)が配設されている。これらのピエゾ抵抗は、フレーム101の任意の一辺と平行な方向にX軸、そのX軸と90°の角度で交差する他の一辺と平行な方向にY軸、X軸とY軸の両方と90°の角度で交差する方向をZ軸と規定したときに、それぞれの軸方向に作用する加速度を検出するためにX軸、Y軸、Z軸に対応する4つを一組としてホイートストンブリッジを構成している。また、これらのピエゾ抵抗は、フレーム101上に形成された電極(図示せず)に接続されている。
重り部103は、ビーム102の交差部102aの下面(図7の下側)に吊り下げられた状態に接合されることにより、ビーム102は弾性を有するので遊動自在にフレーム101に支持されている。また、その断面形状は、シリコン基板から台座105に向かうZ軸方向に向かって幅が狭くなる台形状をしている。さらに、作用する加速度に応じて遊動できるような空間を設けるために、重り部103は、フレーム101より厚みが小さくなっている。
当接部104及び台座105は、重り部103の遊動量を制限する機能を有するものである。
ここにおいて、当接部104は、二辺方向をフレーム101に支持された略三角状である。また、フレーム101及び隣り合うビーム102で囲まれた領域において基端部102bを結ぶ対角線に対して交差部102aと反対側に位置する角部分に延設されている。
また、台座105は、平面視においてフレーム101の外形と略同じ大きさをした四角形状である。
したがって、上記構成の半導体加速度センサによれば、加速度が半導体加速度センサに作用すると、重り部103は、フレーム101とビーム102により遊動自在に支持されているため作用した加速度の方向と大きさに応じて前後左右及び上下に移動する。このとき、ビーム102に撓みが生じて複数のピエゾ抵抗に応力がかかりその抵抗値が変化する。その結果、ホイートストンブリッジの平衡がくずれ、各軸に対応するホイートストンブリッジから作用した加速度に応じた電気信号が出力される。この電気信号を電極から取り出すことにより加速度を検出することができるのである。また、ビーム102に過度の加速度が作用した場合には、当接部104及び台座105が重り部103の遊動を制限するのでその破壊を抑制することができるのである。
特開平8−327656号公報(第3頁、図3)
しかしながら、このような半導体加速度センサは、重り部103が当接部104に当接したときの衝撃が局所的に集中してしまう恐れがあり、その影響により当接部104の耐破壊性能を向上することが比較的困難であった。
本発明は、上記の点に鑑みてなしたものであり、その目的とするところは、ストッパの破壊限界を向上させて、耐衝撃性の優れた半導体加速度センサを提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明の半導体加速度センサは、内方に開口部を有するフレームと、フレームから開口部内に延設されて弾性を有するビームと、ビームにより吊り下げ支持されて遊動自在に可動する重り部と、ビームに設けられて作用する加速度に応じて抵抗値の変化するピエゾ抵抗と、を有する半導体加速度センサにおいて、前記フレームは、その隣接する2辺の隅角部に設けられて前記開口部を一部覆い、前記重り部の前記隅角部に対面する角部と当接して前記重り部の変位を制限する制動部を有してなり、かつ前記隅角部又は前記重り部の前記隅角部と相対する角部の少なくともどちらか一方を複数の平面又は曲面にて構成してなることを特徴とするものである。
このものによれば、制動部により、ビームに向かうフレームの厚み方向に重り部が変位した際にフレームの隅角部と相対する重り部の角部とその近傍が制動部と当接してビームの過度の変位、すなわち、半導体加速度センサの加速度の検出領域を超えて破壊に至るような重り部の変位を制限することができる。さらに、フレームの隅角部の形状又はフレームの隅角部と相対する重り部の角部を複数の平面又は曲面で形成したことにより、重り部が制動部に当接した際に、制動部が重り部から受ける衝撃又は重り部が制動部に与える衝撃の局部集中を抑制することができる。
請求項2に係る発明の半導体加速度センサは、請求項1記載の構成において、前記制動部は、その前記開口部に臨む稜線と前記フレームとの交差部を複数の平面又は曲面にて構成してなるものとしている。
このものによれば、制動部が重り部から受ける衝撃又は重り部が制動部に与える衝撃の局部集中を抑制することができ、重り部が制動部に当接した際に、制動部の開口部に臨む稜線とフレームとの交差部に集中する応力を分散することができる。
請求項3に係る発明の半導体加速度センサは、請求項1又は2に記載の構成において、前記制動部は、その厚み方向に貫通する貫通孔を有してなるものとしている。
このものによれば、制動部の下面に存在する第2基板のエッチングを行う際に、貫通孔を介して第2基板にエッチング液を流入させることができる
請求項4に係る発明の半導体加速度センサは、請求項3記載の構成において、前記貫通孔を前記制動部に複数設けるとともに、隣り合う貫通孔の中心間の距離を等距離に配置し、貫通孔の中心と前記フレームとの交差部の距離を前記中心間の距離の半分に配置してなるものとしている。
請求項4に係る発明の半導体加速度センサは、請求項3記載の構成において、前記貫通孔を前記制動部に複数設けるとともに、隣り合う貫通孔の中心間の距離を等距離に配置し、貫通孔の中心と前記フレームとの交差部の距離を前記中心間の距離の半分に配置してなるものとしている。
このものによれば、第2基板のエッチング除去の際に、それぞれの貫通孔を基点としたエッチング領域の重なる領域を少なくできる。
請求項5に係る発明の半導体加速度センサは、請求項1乃至4いずれかに記載の構成において、前記制動部は、少なくとも前記フレームとの接合領域を覆う膜状の補強部を設けてなるものとしている。
このものによれば、制動部とフレームとの接合領域の膜厚を増加できる。
請求項6に係る発明の半導体加速度センサの製造方法は、第1の基板にこのものとはエッチングレートの異なる第2の基板を介して半導体基板を積層した基板からなり、内方に開口部を有するフレームと、フレームから開口部内に延設されて弾性を有するビームと、ビームにより吊り下げ支持されて遊動自在に可動する重り部と、ビームに設けられて作用する加速度に応じて抵抗値の変化するピエゾ抵抗と、を有する半導体加速度センサの製造方法であって、前記第1の基板の露出面をエッチングして凹部を形成する工程と、前記凹部の底面の周縁部と前記底面の各辺の略中央から内方に向かう略長四角形状の領域を前記第2の基板までエッチングして前記フレーム及び前記重り部を形成する工程と、前記半導体基板の前記開口部の領域を前記第2の基板までエッチングして前記制動部及び前記ビームを形成する工程と、前記制動部の少なくとも前記重り部と当接する領域にエッチング剤の貫通孔を形成する工程と、前記フレーム及び前記ビームの交差部に位置する前記第2の基板を残して前記第2の基板を除去する工程と、を含むことを特徴としている。
請求項1に係る発明の半導体加速度センサによれば、制動部により、別部材で形成したストッパを設けなくても、加速度の検出領域を超えてビームの破壊に至るような重り部の変位を制限することができる。
また、フレームの隅角部の形状又はフレームの隅角部と相対する重り部の角部を複数の平面又は曲面で形成したことにより、重り部が制動部に当接した際に、制動部が重り部から受ける衝撃又は重り部が制動部に与える衝撃の局部集中を抑制することができるので、制動部の破壊強度を増加して耐衝撃性を向上することができる。
請求項2に係る発明の半導体加速度センサによれば、請求項1記載の効果に加えて、重り部が制動部に当接した際に、制動部とフレームとの交差部に集中する応力を分散することができるので、より制動部の破壊強度を増加して耐衝撃性を高めることができる。
請求項3に係る発明の半導体加速度センサによれば、請求項1記載の効果に加えて、制動部の下面に存在する第2基板のエッチングを行う際に、貫通孔を介して第2基板にエッチング液を流入させることができるので、第2基板とエッチング液との接触面積を増加させて効率よくエッチングすることが可能となる。
請求項4に係る発明の半導体加速度センサによれば、請求項1記載の効果に加えて、第2基板のエッチング除去の際に、エッチングが終了するまでの時間内におけるそれぞれの貫通孔を基点としたエッチング領域の重なる領域を少なくしているので、一定時間内でのエッチング残りとなる領域を減少させ、フレーム及び重り部に介在する第2の基板のオーバーエッチングを抑制して半導体加速度センサの剛性を向上することができる。
請求項5に係る発明の半導体加速度センサによれば、請求項1記載の効果に加えて、制動部とフレームとの接合領域の膜厚を増加できるので、耐衝撃性が向上して制動部の破損を抑制することができる。
請求項6に係る発明の半導体加速度センサの製造方法によれば、制動部に形成した貫通孔により、制動部と重り部との間に介在する第2の基板のエッチング剤と触れる領域を増大することができるので、第2基板のエッチング時間を短縮することができる。
[第1の実施形態]
第1の実施形態に係る半導体加速度センサについて図1に基づき説明する。図1(a)はその概略平面図、図1(b)はA−A線で切断したときの概略断面図である。
第1の実施形態に係る半導体加速度センサについて図1に基づき説明する。図1(a)はその概略平面図、図1(b)はA−A線で切断したときの概略断面図である。
この実施形態の半導体加速度センサは、例えば、シリコン(Si)からなる支持層11上に、例えば、二酸化シリコン(SiO2)からなる絶縁層12を介してシリコン(Si)からなる活性層13を積層したSOI基板1を加工することにより形成しており、フレーム2と、ビーム3と、ピエゾ抵抗4と、重り部5と、制動部6と、を主要構成要素としている。
フレーム2は、半導体加速度センサの基体となるものであり、ビーム3を介して重り部5を支持するものである。このものは、SOI基板1の内方を穿設した枠体に形成しており、平面視において略四角形状をなしている。また、このフレーム2は、支持層11、絶縁層12、活性層13の3層で構成してあり、その支持層11の表面にはピエゾ抵抗4と接続した、例えば、アルミニウム(Al)からなる電極(図示せず)を形成している。そして、その電極から電気信号に変換された加速度を取り出している。さらに、隣接するフレーム2の2辺が構成する開口部21側の隅角部22は、例えば、曲面に形成している。
ビーム3は、作用する加速度に応じて重り部5が遊動自在に動くことができるように吊り下げ支持するものである。このものは、活性層13のみで構成しており、フレーム2の各辺の略中央から内方に向かって突設してその中央付近で交差部23を介して互いに結合している。また、このビーム3は、その形状を平面視において短冊状に形成しており、活性層13と略同等の厚みを有して作用する加速度の大きさに応じた撓みを可能にする弾性体としている。そして、このビーム3とフレーム2とにより4つの開口部21を構成している。
ピエゾ抵抗4は、作用した加速度によりビーム3が変形した際にその部分に発生する応力を電気信号に変換するものである。このものは、ビーム3の表面に形成しており、ビーム3とフレーム2との接合部近傍及びビーム3と交差部23との接合部近傍に配置している。このうち、交差部23の近傍にあるピエゾ抵抗4は、フレーム2の辺と平行な方向のベクトル成分を有する加速度に対して反応し、例えば、フレーム2の辺と平行な一方向をX軸とし、同じくフレーム2の辺と平行でかつX軸と直交する方向をY軸と仮に定義すると、X軸と平行なビーム3上にある4つのピエゾ抵抗で1組のホイートストンブリッジを構成し、また、Y軸と平行なビーム3上にある4つのピエゾ抵抗4で1組のホイートストンブリッジを構成している。さらに、フレーム2の近傍にあるピエゾ抵抗4は、X軸及びY軸に直交する方向のベクトル成分を有する加速度に対して反応し、例えば、この方向をZ軸と仮に定義すると、4つのビーム3上にある4つのピエゾ抵抗4で1組のホイートストンブリッジを構成している。
重り部5は、作用する加速度の大きさに応じて遊動してビーム3の撓み量を変化させるものであり、言い換えると、重り部5が受けた加速度をニュートンの運動方程式(F=mα、Fは力、mは質量、αは加速度)で導き出される力に変換してビーム3を撓ませるものである。このものは、フレーム2の内方の空間に位置してビーム3により吊り下げ支持している。
さらに詳しくは、重り部5は、支持層11から形成されており、主重り部51及び4つの補助重り部52を有している。
このうち、主重り部51は、平面視において略四角形状であり、その厚みはフレーム2の厚みよりビーム3のZ軸に対する許容変位量分だけ短く形成している。また、このものは、交差部23にSOI基板1の絶縁層12を介して結合されている。
補助重り部52は、平面視において略四角形状であり、主重り部51の支持層11で構成された部分と同等の厚みを有している。また、このものは、主重り部51の4つの隅角にそれぞれ結合されており、加速度が作用していない状態で活性層13側から見たときに開口部21内に位置している。さらに、フレーム2の隅角部22と相対する補助重り部52の角部53には面取りを施しており、フレーム2の隅角部22と同様に曲面に形成されている。また、このときの角部53の曲率は、フレーム2と補助重り部52との間の距離が略均等となるように形成している。
制動部6は、重り部5の補助重り部52と当接してZ軸方向の過剰変位を制限するものである。このものは、フレーム2の隣接する2辺で構成された開口部21側の隅角部22から開口部21に向かって形成している。また、制動部6は、SOI基板1の活性層13で構成してビーム3と同一平面上に形成しており、その形状を平面視において略三角形状にしている。
ここにおいて、制動部6の補助重り部52と当接する領域にその厚み方向に貫通する貫通孔61を複数形成しており、平面視における形状は略円形状としている。
この貫通孔61は、製造過程において重り部5を制動部6から分離する際にエッチング剤の導入経路として主に使用している。また、この貫通孔61は、それぞれの間隔が等距離になるように、すなわち、隣り合う貫通孔61の中心間の距離が同等となるように配置し、さらに、開口部21に臨む制動部6の周縁部62に近接する貫通孔61及びフレーム2に近接する貫通孔61は、その周縁部62との距離が貫通孔61の中心間の距離の半分となるよう配置している。
次に、本実施形態に係る半導体加速度センサの製造工程について図2に基づき説明する。(a)〜(d)は図1のA−A線で切断した箇所の製造工程を示す概略断面図である。
まず、支持層11が400〜600μm、絶縁層12が0.3〜1.5μm、活性層13が4〜6μmの膜厚を有し、支持層11の導電型がn型であるSOI基板1の表面に、例えば、パイロジェニック酸化法により二酸化シリコン(SiO2)からなる酸化膜(図示せず)を形成する。
次いで、支持層11側の酸化膜を所定形状にパターニングし、平面視おいて略四角形状の領域の酸化膜を除去する。続いて、例えば、水酸化カリウム水溶液(KOH)又はテトラメチルアンモニウム水溶液(TMAH)等のアルカリ性溶液を用いた湿式エッチング、或いは反応性イオンエッチング(RIE)等を用いた乾式エッチングにより露出した支持層11からエッチングを施して支持層11に凹部14を形成する(図2(a))。
次いで、活性層13にピエゾ抵抗4と電極及び両者を電気的に接続する配線(図示せず)を形成する。
このうち、ピエゾ抵抗4及び配線の形成は、活性層13側の酸化膜を所定形状にパターニングし、導電型がp型となる不純物、例えば、ボロン(B)等をイオン注入法又はデポジット拡散法等を用いて支持層11に注入する。続いて、1100℃程度にした水蒸気と酸素との混合気体中で30分程度不純物を熱拡散して処理を終える。
一方、電極の形成は、ピエゾ抵抗4及び配線の形成後、配線上の酸化膜の所定位置にコンタクトホール(図示せず)を形成し、活性層13側の酸化膜上に、例えば、アルミニウム(Al)をスパッタ法により積層する。続いて、フォトレジスト(図示せず)を塗布後、所定形状にパターニングして処理を終える。
次いで、支持層11にフォトレジストを塗布し、所定形状にパターニングして凹部14の底面の周縁部及び底面における各辺の略中央から内方に向かう略長四角形状の領域のフォトレジストを除去する。続いて、誘導結合型プラズマエッチング(ICP)を用いて凹部14の露出した部分から絶縁層12に至るまでの支持層11をエッチング除去する(図2(b))。
そして、活性層13にフォトレジストを塗布し、所定形状にパターニングして開口部21と貫通孔61のフォトレジストを除去する。続いて、露出した活性層13から絶縁層12に至るまでを前述した湿式エッチング、或いは誘導結合型プラズマエッチング(ICP)を用いて活性層13を除去する(図2(C))。
最後に、例えば、フッ化水素酸(HF)の溶液を霧状にして噴霧し、フレーム2及び主重り部51以外の絶縁層12をエッチング除去して重り部5を遊動自在にし、半導体加速度センサを完成する(図2(d))。
このあと、半導体加速度センサをパッケージ(図示せず)に実装したり、或いは台座105を介してパッケージに実装し、電極とパッケージとを電気的に配線することにより加速度センサ装置として使用可能になる。
本実施形態の半導体加速度センサにおいて、その制動部6は、半導体加速度センサがZ軸方向に許容範囲以上の加速度を受けたとき、補助重り部52を自分自身に当接させて許容範囲以上のビーム3の変位を制限させる。また、フレーム2の隅角部22及び補助重り部52の角部53に形成した曲面は、補助重り部52が制動部6に当接した際の衝撃を分散させて局部集中を抑制させる。
また、貫通孔61は、制動部6と補助重り部52との間に介在する絶縁層12がエッチング剤と接触する領域を増大させ、さらに、その配置を隣り合う貫通孔61の中心距離が略等間隔となるように、さらに、貫通孔の中心と前記フレームとの交差部の距離を前記中心間の距離の半分となるようにすることにより、それぞれの貫通孔61を基点としたエッチング領域の重なる領域を少なくしている。
したがって、以上説明した半導体加速度センサによると、重り部5のZ方向の変位を制限することができ、また、重り部5が当接した際の制動部6に与える衝撃の局部集中を抑制することができるので、制動部6の破壊強度を増加して耐衝撃性を向上することができる。
さらに、制動部61下の絶縁層12を完全に除去する際に、それぞれの貫通孔61を基点としたエッチング領域の重なる領域を少なくしているので、絶縁層12のエッチング時間を短縮することができるのとともに、フレーム2の絶縁層12のオーバーエッチングを抑制してフレーム2及び主重り部51に介在する半導体加速度センサの剛性を向上することができる。
なお、フレーム2の隅角部22及び補助重り部52の角部53は、曲面に限定されるものではなく、例えば、フレーム2の隣接する2辺及び補助重り部52の隣接する外周縁とそれぞれ45度の角度で交叉する平面にて形成してもよい。これを図3に示す。また、複数の面を用いて略曲面となるように形成してもよい。また、フレーム2の隅角部22及び補助重り部52の角部53は、そのどちらか一方を複数の面又は曲面で形成することも可能である。
また、貫通孔61の平面視における形状は、略円形状に限定されるものでもない。また、制動部6の耐衝撃性の程度に応じて制動部6と補助重り部52との当接領域のみに貫通孔61を設けてもよい。
[第2の実施形態]
第2の実施形態に係る半導体加速度センサを図4に基づき説明する。図4は、制動部7の拡大図である。
第2の実施形態に係る半導体加速度センサを図4に基づき説明する。図4は、制動部7の拡大図である。
この実施形態の半導体加速度センサは、制動部7が第1の実施形態と異なるものであり、他の構成要素は第1の実施形態のものと実質的に同一であるので、同一部材には同一の番号を付して説明を省略する。
本実施形態の制動部7は、半導体加速度センサがZ軸方向に許容範囲以上の加速度を受けたとき、補助重り部52を自分自身に当接させて許容範囲以上のビーム3の変位を制限するものである。このものは、フレーム2の隣接する2辺で構成された開口部21側の隅角部22から開口部21に向かって形成している。また、制動部7は、SOI基板1の活性層13で構成してビーム3と同一平面上に形成しており、その形状を平面視において略三角形状にしている。
ここにおいて、その開口部21に臨む稜線は、フレーム2との交差部71においてその形状を曲面に形成している。これにより、重り部5が制動部7に当接した際に交差部71に集中する応力を分散させている。
したがって、以上説明した半導体加速度センサによると、重り部5が制動部7に当接した際に、制動部7とフレーム2との交差部71に集中する応力を分散することができるので、より制動部7の破壊強度を向上させて耐衝撃性を高めることができる。
なお、交差部71は、曲面に限定されるものではなく、例えば、周縁部72とフレーム2とがそれぞれ45度の角度で交叉する平面にて形成してもよい。また、複数の面を用いて略曲面となるように形成してもよい。
[第3の実施形態]
第3の実施形態に係る半導体加速度センサを図5に基づき説明する。図5は、制動部7の拡大図である。
第3の実施形態に係る半導体加速度センサを図5に基づき説明する。図5は、制動部7の拡大図である。
この実施形態の半導体加速度センサは、制動部7に補強部8を設けたことが第1の実施形態と異なるものであり、他の構成要素は第1の実施形態のものと実質的に同一であるので、同一部材には同一の番号を付して説明を省略する。
本実施形態の補強部8は、制動部7とフレーム2との接合領域において制動部7の厚みを増加させるためのものである。このものは、例えば、アルミニウムからなり、制動部7とフレーム2との接合領域上に設けており、例えば、スパッタを用いて膜状に形成している。
したがって、以上説明した半導体加速度センサによると、制動部7とフレーム2との接合領域の膜厚を増加できるので、より制動部7の破損を抑制することができ、制動部7の破壊強度を向上させて耐衝撃性を高めることができる。
なお、補強部8は、アルミニウムに限定されるものではなく、他の金属膜であったり、あるいは有機樹脂でもよい。
1 SOI基板
11 支持層
12 絶縁層
13 活性層
14 凹部
2 フレーム
21 開口部
22 隅角部
3 ビーム
4 ピエゾ抵抗
5 重り部
53 角部
6 制動部
61 貫通孔
62 周縁部
7 制動部
8 補強部
11 支持層
12 絶縁層
13 活性層
14 凹部
2 フレーム
21 開口部
22 隅角部
3 ビーム
4 ピエゾ抵抗
5 重り部
53 角部
6 制動部
61 貫通孔
62 周縁部
7 制動部
8 補強部
Claims (6)
- 内方に開口部を有するフレームと、フレームから開口部内に延設されて弾性を有するビームと、ビームにより吊り下げ支持されて遊動自在に可動する重り部と、ビームに設けられて作用する加速度に応じて抵抗値の変化するピエゾ抵抗と、を有する半導体加速度センサにおいて、
前記フレームは、その隣接する2辺の隅角部に設けられて前記開口部を一部覆い、前記重り部の前記隅角部に対面する角部と当接して前記重り部の変位を制限する制動部を有してなり、かつ前記隅角部又は前記重り部の前記隅角部と相対する角部の少なくともどちらか一方を複数の平面又は曲面にて構成してなることを特徴とする半導体加速度センサ。 - 前記制動部は、その前記開口部に臨む稜線と前記フレームとの交差部を複数の平面又は曲面にて構成してなる請求項1記載の半導体加速度センサ。
- 前記制動部は、その厚み方向に貫通する貫通孔を有してなる請求項1又は2に記載の半導体加速度センサ。
- 前記貫通孔は、前記制動部に複数設けるとともに、隣り合う貫通孔の中心間の距離を等距離に配置し、貫通孔の中心と前記フレームとの交差部の距離を前記中心間の距離の半分に配置した請求項3記載の半導体加速度センサの製造方法。
- 前記制動部は、少なくとも前記フレームとの接合領域を覆う膜状の補強部を設けてなる請求項1乃至4いずれかに記載の半導体加速度センサ。
- 第1の基板にこのものとはエッチングレートの異なる第2の基板を介して半導体基板を積層した基板からなり、内方に開口部を有するフレームと、フレームから開口部内に延設されて弾性を有するビームと、ビームにより吊り下げ支持されて遊動自在に可動する重り部と、ビームに設けられて作用する加速度に応じて抵抗値の変化するピエゾ抵抗と、を有する半導体加速度センサの製造方法であって、
前記第1の基板の露出面をエッチングして凹部を形成する工程と、
前記凹部の底面の周縁部と前記底面における各辺の略中央から内方に向かう略長四角形状の領域を前記第2の基板までエッチングして前記フレーム及び前記重り部を形成する工程と、
前記半導体基板の前記開口部の領域を前記第2の基板までエッチングして前記制動部及び前記ビームを形成する工程と、
前記制動部の少なくとも前記重り部と当接する領域にエッチング剤の貫通孔を形成する工程と、
前記フレーム及び前記ビームの交差部に位置する前記第2の基板を残して前記第2の基板を除去する工程と、を含む半導体加速度センサの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004152764A JP2005134367A (ja) | 2003-10-06 | 2004-05-24 | 半導体加速度センサ |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003347220 | 2003-10-06 | ||
JP2004152764A JP2005134367A (ja) | 2003-10-06 | 2004-05-24 | 半導体加速度センサ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005134367A true JP2005134367A (ja) | 2005-05-26 |
Family
ID=34655928
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004152764A Pending JP2005134367A (ja) | 2003-10-06 | 2004-05-24 | 半導体加速度センサ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005134367A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009020001A (ja) * | 2007-07-12 | 2009-01-29 | Oki Electric Ind Co Ltd | 加速度センサ |
JP2009236824A (ja) * | 2008-03-28 | 2009-10-15 | Oki Semiconductor Co Ltd | 加速度センサの構造及びその製造方法 |
-
2004
- 2004-05-24 JP JP2004152764A patent/JP2005134367A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009020001A (ja) * | 2007-07-12 | 2009-01-29 | Oki Electric Ind Co Ltd | 加速度センサ |
JP2009236824A (ja) * | 2008-03-28 | 2009-10-15 | Oki Semiconductor Co Ltd | 加速度センサの構造及びその製造方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7107847B2 (en) | Semiconductor acceleration sensor and method of manufacturing the same | |
JP4343965B2 (ja) | 慣性センサ | |
US6105428A (en) | Sensor and method of use | |
JP2006029827A (ja) | 慣性センサ | |
US20030217597A1 (en) | Inertia force sensor | |
JP2005283402A (ja) | 慣性センサ | |
JP2008224254A (ja) | センサ装置、センサ装置の製造方法 | |
JP2005134367A (ja) | 半導体加速度センサ | |
JP4540983B2 (ja) | 電極構造、薄膜構造体の製造方法 | |
JP4134881B2 (ja) | 半導体加速度センサ | |
US9146254B2 (en) | Dynamic sensor | |
JP3597806B2 (ja) | 可動構造部を有する微小構造体及びその製造方法 | |
JP2006208272A (ja) | 半導体多軸加速度センサ | |
JP2004233080A (ja) | 半導体加速度センサ | |
JP2005083972A (ja) | 静電容量式センサおよびその製造方法 | |
JP4179070B2 (ja) | 半導体加速度センサおよびその製造方法 | |
JP2003156511A (ja) | 可動構造部を有する微小構造体 | |
JP5929645B2 (ja) | 物理量センサ | |
JP2004294230A (ja) | 半導体多軸加速度センサおよびその製造方法 | |
JP2004069405A5 (ja) | ||
JP2006064532A (ja) | 半導体加速度センサ | |
JP5046240B2 (ja) | 加速度センサの製造方法 | |
JP2010048700A (ja) | Memsおよびmems製造方法 | |
JP4020875B2 (ja) | 可動構造部を有する微小構造体及びその製造方法 | |
JP2000065854A (ja) | 半導体加速度センサ素子及びその製造方法 |