JP2005132995A - コーティング用ポリエステル系樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ポリエチレンテレフタレート(PET)等のプラスチックフィルム基材や金属との密着性に優れ、かつ耐熱性、加工性の良好なコーティング用ポリエステル樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 ポリエステル樹脂(A)と、グリシジル基および/またはイソシアネート基を1分子あたり2個以上含有し、重量平均分子量200以上50万以下であるアクリル樹脂系反応性化合物(B)を含むことを特徴とするコーティング用ポリエステル系樹脂組成物に関する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリエステル樹脂を主成分としたコーティング用組成物に関し、更に詳しくは、ポリエチレンテレフタレート(以下PETとする)等のプラスチックフィルム基材や金属との密着性に優れ、かつ耐熱性、加工性の良好なコーティング用ポリエステル樹脂組成物に関する。
最近PETがシートやボトル等の成型方面で多用され、それに伴い成型物の表面改質、又はPET同士あるいは他の樹脂とのラミネートや該成型物への印刷等の需要が多くなってきている。通常、PETの複合フイルムやPET容器への印刷等の用途において、PET表面の接着剤との接着性やインクとの密着性、ガスバリア性を向上させるためのアルミなどの蒸着処理された金属への密着性(以下、まとめて接着性と呼ぶ)を向上させることが必要であるために、表面処理が行われている。例えば、(1)PET表面をコロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理等で活性化する方法、(2)PET表面を種々の薬品を用いて処理する方法、(3)PET表面にプライマー層やコーティング層を設ける方法等がある。しかし、(1)の方法は、初期の接着性は向上するが、経時的に接着性が低下する。(2)の方法は、薬品の処理手順等の取り扱いが煩雑である。また(3)の方法では、従来、水系のものや溶剤系のものが用いられており、前者は無公害であり、後者は塗工後の乾燥性が良好であるという長所をそれぞれ備えているが、耐熱性という点ではまだまだ改善の必要がある。即ち、コーティングされたPET基材等を夏場に保存する場合コーティング表面がブロッキングを起こさないためには、少なくとも60〜80℃の耐熱性(耐ブロッキング性)が必要である。
また、包装用袋を構成する包装用材料としてPETなどのプラスチックフィルムが使用される場合、ガスバリア性、遮光性等を付与するために、アルミニウム等の金属蒸着膜を設けたプラスチックフィルム等を積層してなる積層体が広く使用されている。しかし、このような積層体を袋状に製袋してヒートシールすると、そのヒートシール部およびその近傍においてアルミニウム等の金属蒸着膜にクラック等が生じ、そのガスバリア性が低下するという問題点もある(例えば特許文献1参照)。
そこで、その金属薄膜層との密接着性が高め、その密接着強度を強固にし、その層間剥離等を防止し、該金属薄膜層によるガスバリア性、防湿性、遮光性等を向上させるプライマーコ−ト層を開発する必要ある。
特開2003−251734(特許請求の範囲)
本発明は、ポリエステル樹脂を主成分としたコーティング用組成物に関し、更に詳しくは、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のプラスチックフィルム基材や金属との密着性に優れ、かつ耐熱性、加工性の良好なコーティング用ポリエステル樹脂組成物に関する。
本発明者らは上記問題を達成すべく鋭意研究した結果、以下のコーティング用ポリエステル系樹脂組成物を発明するに到った。
(1) ポリエステル樹脂(A)と、グリシジル基および/またはイソシアネート基を1分子あたり2個以上含有し、重量平均分子量200以上50万以下であるアクリル樹脂系反応性化合物(B)を含むコーティング用ポリエステル系樹脂組成物。
(2) 反応性化合物(B)が、(X)20〜99重量%のビニル芳香族モノマーと(Y)1.0〜80重量%のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートまたはグリシジルアルキル(メタ)アクリレート、および(Z)1.0〜70重量%のアルキル(メタ)アクリレートからなる(1)記載のコーティング用ポリエステル系樹脂組成物。
(3) ポリエステル樹脂(A)が非晶性であることを特徴とする(1)または(2)に記載のコーティング用ポリエステル系樹脂組成物。
(4) ポリエステル樹脂(A)が、カルボキシル基、ヒドロキシル基またはそれらのエステル形成性基を分子内に3個以上有する多官能化合物単位をポリエステルの酸成分および/またはグリコール成分の0.001〜5モル%含有する(1)〜(3)のいずれかに記載のコーティング用ポリエステル系樹脂組成物。
(5) ポリエステル樹脂(A)が、炭素数8〜14の芳香族ジカルボン酸と炭素数2〜10の脂肪族または脂環族グリコールを酸成分とグリコール成分それぞれの50モル%以上含むことを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載のコーティング用ポリエステル系樹脂組成物。
(6) 炭素数8〜14の芳香族ジカルボン酸がテレフタル酸および/またはイソフタル酸であることを特徴とする(5)に記載のコーティング用ポリエステル系樹脂組成物。
(7) 炭素数2〜10の脂肪族または脂環族グリコールがエチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオールおよび2−メチル−1,3−プロパンジオールからなる群より選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とする(5)に記載のコーティング用ポリエステル系樹脂組成物。
(8) ポリエステル樹脂(A)のガラス転移温度が40℃以上120℃未満である(1)〜(7)のいずれかに記載のコーティング用ポリエステル系樹脂組成物
(9) ポリエステル樹脂(A)の還元粘度が0.4dl/g以上である(1)〜(8)のいずれかに記載のコーティング用ポリエステル系樹脂組成物。
(10) (1)〜(9)のいずれかに記載のコーティング用ポリエステル系樹脂組成物において、固形物分と混合溶媒の配合割合が5/95〜50/50(重量比)であることを特徴とするコーティング用ポリエステル樹脂組成物。
本発明のポリエステル樹脂を主成分としたコーティング用組成物は、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のプラスチックフィルム基材や金属との密着性に優れ、かつ耐熱性、加工性の良好であるため、接着剤、塗料、アンカーコート材、各種バインダー等のコーティング剤として有用である。
本発明に用いられるポリエステル樹脂(A)はジカルボン酸成分とグリコール成分よりなるものであればあらゆるものが使用可能である。
本発明に用いるポリエステル樹脂としては非晶性であることが好ましい。ポリエステル樹脂が非晶性であれば、結晶に由来する白化がないために製品に透明性を発現させることができる。尚ここで言う非晶性とは示差走査型熱量計(DSC)を用いて、−100℃〜300℃まで20℃/minで昇温し、次に−100℃まで50℃/minで降温し、続いて−100℃〜300℃まで20℃/minで昇温する二度の昇温過程においてどちらにも融解ピークを示さないものを指す。逆に結晶性とはどちらかの昇温過程に明確な融解ピークを示すものを指す。
本発明に用いるポリエステル樹脂は、炭素数8〜14の芳香族ジカルボン酸と炭素数2〜10の脂肪族または脂環族グリコールを主成分とすることが望ましい。ここでいう主成分とは全酸成分およびグリコール成分をそれぞれ100モル%としたとき、両成分それぞれが50モル%以上、好ましくは60モル%、さらに好ましくは65モル%以上である。両成分が50モル%未満になるとコーティング皮膜の伸度および機械的物性が低下することがある。
さらにはポリエステル樹脂のうち炭素数8〜14の芳香族ジカルボン酸はテレフタル酸および/またはイソフタル酸であることが望ましい。これらのジカルボン酸を使用するとコーティング皮膜の伸度および機械的物性がさらに向上する。好ましくはテレフタル酸を50モル%以上、さらには60モル%以上含むものであることが好ましく、テレフタル酸とイソフタル酸の両方をふくむものも好ましい。
ポリエステル樹脂(A)は、上記のテレフタル酸、イソフタル酸以外の他の多価カルボン酸を共重合しても良く、例えばオルソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカン酸、ダイマー酸、シクロヘキサンジカルボン酸、トリメリット酸等の公知のものが使用できる。
本発明に用いるポリエステル樹脂には炭素数2〜10の脂肪族または脂環族グリコールを主成分とすることが、さらには該炭素数2〜10の脂肪族または脂環族グリコールがエチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオールから選ばれる少なくとも1種以上であることが原料入手の汎用性やコストの面で好ましい。
ポリエステル樹脂(A)は、上記のエチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール以外の他の多価アルコール成分が共重合されていても良く、例えば1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ノナンジオール、ダイマージオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物やプロピレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、トリシクロデカンジメタノール、ネオペンチルヒドロキシピバリン酸エステル、2,2,4−トリメチル−1,5−ペンタンジオール、トリメチロールプロパン等が使用できる。
本発明に用いられるポリエステル樹脂(A)にはカルボキシル基、ヒドロキシル基またはそれらのエステル形成性基を分子内に3個以上有する多官能化合物(例えばトリメリット酸、ピロメリット酸、グリセリン、トリメチロールプロパン等)をポリエステルの酸成分、グリコール成分それぞれの0.001〜5モル%含有することが耐ブロッキング性を高める上で好ましい。
本発明に用いられるポリエステル樹脂の還元粘度は、好ましくは0.40〜1.50dl/g、より好ましくは0.50〜1.20dl/g、さらに好ましくは0.60〜1.00dl/gである。数平均分子量が0.40dl/g未満であると、樹脂凝集力不足のためにコーティング皮膜の強伸度が不足し、脆くなって使用できないことがある。一方、1.50dl/gを越えると溶融粘度が上がり過ぎるために、コーティングするのに最適な温度も上がってしまい、コーティング作業性を悪くしてしまう虞がある。
本発明に用いられるポリエステル樹脂の酸価は、好ましくは100当量/106g以下、より好ましくは50当量/106g以下、さらに好ましくは40当量/106g以下である。一方下限は低ければ低いほど好ましく、0当量/106gに近いものほど好ましい。酸価が100当量/106gを越えると、反応性化合物との混練時に樹脂を加熱する際、加水分解がより促進され、できあがった分子量が低下する虞がある。また、樹脂の分解が進むことにより、コーティング時のワニスダレも悪化する虞がある。
本発明に用いられるポリエステル樹脂のガラス転移温度は40℃以上120℃未満であることが好ましい。好ましい下限は50℃、より好ましくは60℃である。一方上限は110℃が好ましく、100℃がより好ましい。ガラス転移温度が40℃未満であるとブロッキング性が低下することがあり、120℃を超えるとコーティング液の溶液粘度が上昇し、コーティング適性に悪影響のある場合があるからである。
本発明に用いられるアクリル樹脂系反応性化合物(B)は、ポリエステルの持つヒドロキシル基あるいはカルボキシル基と反応し得る官能基が分子内1分子あたり2個以上持つことが樹脂全体に一部架橋を導入する点で好ましい。反応性化合物の効果により、溶融押出時においてポリエステルの持つヒドロキシル基あるいはカルボキシル基と反応性化合物の反応物が生成する際、一部が架橋生成物となることによってコーティング皮膜物性向上効果を得ることができるのである。
本発明に用いる反応性化合物の重量平均分子量は、ポリエステル樹脂との反応による分子量増加に依存するコーティング皮膜の耐折り曲げ白化性および未反応物の製品表層へのブリードアウト抑制を満足するために、200以上50万以下が望ましく、好ましい下限は500以上、より好ましくは700以上、最も好ましくは1000以上である。一方好ましい上限は30万以下、より好ましくは10万以下、最も好ましくは5万以下である。反応性化合物の重量平均分子量が200未満であると未反応の反応性化合物がコーティング皮膜の表面にブリードアウトし、コーティング皮膜とプラスチック基材、金属等への接着性低下、表面の汚染をひきおこす可能性がある。一方50万を越えると折り曲げでも、反応性化合物と非晶性ポリエステル間の相溶性が悪いためかボイドが発生し、コーティング皮膜は、折り曲げ白化する可能性が大きくなる。
アクリル樹脂系反応性化合物の持つ官能基の具体例としては、反応の速さよりグリシジル基あるいはイソシアネート基が好ましい。
アクリル樹脂系反応性化合物中の官能基の結合様式はいかなるものでも可能である。例えばポリマーの主鎖に官能基が存在するもの、側鎖に存在するもの、末端に存在するもの全てが可能である。
特に、上述のアクリル樹脂系反応性化合物としては、(X)20〜99重量%のビニル芳香族モノマー、(Y)1.0〜80重量%のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートおよび/またはグリシジルアルキル(メタ)アクリレート、および(Z)0〜40重量%のアルキル(メタ)アクリレートからなる共重合体が好ましい。さらに好ましくは、(X)が25〜90重量%、(Y)が10〜75重量%、(Z)が1.0〜70重量%からなる樹脂で、最も好ましくは、(X)が30〜85重量%、(Y)が15〜70重量%、(Z)が0〜30重量%からなる樹脂である。これらの組成は、ポリエステル樹脂系との反応に寄与する官能基濃度に影響する為、上述のように適切に制御する必要がある。上述の組成から外れる場合、ポリエステル樹脂との反応性が低下し、コーティング時にワニスダレを起こすことや、皮膜物性の低下を起こす虞がある。
反応性化合物の添加量は分子量および官能基の導入数により個々に選定できるが、ポリエステル樹脂100重量%に対して、0.1重量%以上20重量%以下が好ましく、下限は0.5重量%以上、上限は15重量%以下がより好ましい。0.1重量%未満であると目標とした樹脂ダレ抑制効果が発現しないことがあり、また20重量%を超えて添加すると製品の機械的特性に影響を与えることがある。
反応性化合物の添加法に関してはコーティング時にポリエステル樹脂中に圧入する方法、コーティング前にポリエステル樹脂のペレットに添加してブレンドする方法、一旦ポリエステル樹脂に添加混練しておき、溶剤に溶解してコーティングする方法等が考えられるが、いかなる方法で実施することも可能である。
該コーティング用ポリエステル樹脂組成物と混合溶媒の配合割合は、5/95〜50/50(重量比)が好ましく、更には10/90〜30/70が好ましい。ポリエステル樹脂組成物が多くなると、コーティング剤の溶液安定性が不良となり、逆に少なくなると、コーティング剤の塗布回数が増え効率が悪い。また、該混合溶媒には、本発明の効果を阻害しない限り、トルエン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセロソルブ、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチレングリコールモノアセテート、セロソルブアセテート等のポリエステル樹脂の溶剤を少量添加することもできる。
本発明のポリエステル樹脂組成物の、220℃、剪断速度100sec-1のときの溶融粘度は、好ましくは6000〜600000dPa・sec、より好ましくは7000〜100000dPa・sec、さらに好ましくは8000〜50000dPa・secである。溶融粘度が6000dPa・sec未満だと加工時のワニスダレが悪化する場合がある。一方600000dPa・secを越えると溶液粘度が高すぎて、生産性が低下するため実用的でないことがある。
本発明のポリエステル樹脂組成物には、少量の無機成分、有機成分、その他の樹脂等を添加することが出来る。これらの具体例としてはタルク、シリカ、グラファイト、炭素粉、ピロフェライト、石膏、中性粘土等の無機質微粒子や、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、二酸化チタン等の金属酸化物、硫酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩、シュウ酸塩、ステアリン酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、酒石酸塩、スルホン酸塩、モンタン酸ワックス塩、モンタン酸ワックスエステル塩、テレフタル酸塩、カルボン酸塩、α−オレフィンとα,β−不飽和カルボン酸とからなるイオン性共重合体等が挙げられる。
本発明に用いるポリエステル樹脂組成物には、加工時のポリエステル樹脂の熱劣化を抑制する(熱劣化による樹脂の着色や熱分解を防止する)ために酸化防止剤を配合した組成物にして使用するのが望ましい。当該酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、有機亜リン酸エステル系化合物等が好適である。
本発明で使用するフェノール系酸化防止剤の具体例としては、例えば、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル4−エチルフェノール、2−tert−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノール、2−tert−ブチル−4−メトキシフェノール、3−メチル−4−イソプロピルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシメチルフェノール、2,2−ビス(4−ヒドロキジフェニル)プロパン、ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)スルフィド、2,5−ジ−tert−アミルヒドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、1,1−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ブタン、ビス(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)メタン、2,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)スルフィド、ビス(3−tert−ブチル5−エチル−2−ヒドロキジフェニル)メタン、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル4−ヒドロキジフェニル)メタン、ビス(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)スルフィド、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、エチレンビス[3,3−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブチラ−ト]、ビス[2−(2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル5−メチルベンジル)−4−メチル−6−tert−ブチルフェニル]テレフタレート、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−2−メチルプロパン、4−メトキシフェノール、シクロヘキシルフェノール、p−フェニルフェノール、カテコール、ハイドロキノン、4−tert−ブチルピロカテコール、エチルガレート、プロピルガレート、オクチルガレート、ラウリルガレート、セチルガレート、β−ナフトール、2,4,5−トリヒドロキシブチロフェノン、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)イソシアネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキジベンジル)ベンゼン、1,6−ビス[2−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]ヘキサン、テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキジフェニル)プロピオニルオキシメチル]メタン、ビス(3−シクロヘキシル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)メタン、ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル]スルフィド、n−オタタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート、ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル4−ヒドロキジフェニル)プロピオニルアミノ]ヘキサン、2,6−ビス(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−4−メチルフェノール、ビス[S−(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)]チオテレフタレート、トリス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル]イソシアヌレート、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,1,3−トリス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)ブタン等が挙げられる。なお、これらの化合物は1種でも2種以上を併用して用いてもよい。
該フェノール系酸化防止剤の配合量は、好ましい上限は1.0重量部以下、特に好ましくは0.8重量部以下、一方好ましい下限は0.01重量部以上、特に好ましくは0.02重量部以上である。配合量が0.01重量部未満では、加工時の熱劣化を抑制する効果が得られ難く、また、1.0重量部を越えると熱劣化を抑制する効果は飽和し経済的でない。
本発明で使用する有機亜リン酸エステル系化合物の具体例としては、例えば、トリフェニルホスファイト、トリス(メチルフェニル)ホスファイト、トリイソオクチルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリス(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(オクチルフェニル)ホスファイト、トリス[デシルポリ(オキシエチレン)]ホスファイト、トリス(シクロヘキシルフェニル)ホスファイト、トリシクロヘキシルホスファイト、トリ(デシル)チオホスファイト、トリイソデシルチオホスファイト、フェニル・ビス(2−エチルヘキシル)ホスファイト、フェニル・ジイソデシルホスファイト、テトラデシルポリ(オキシエチレン)・ビス(エチルフェニル)ホスファト、フェニル・ジシクロヘキシルホスファイト、フェニル・ジイソオクチルホスファイト、フェニル・ジ(トリデシル)ホスファイト、ジフェニル・シクロヘキシルホスファイト、ジフェニル・イソオクチルホスファイト、ジフェニル・2−エチルヘキシルホスファイト、ジフェニル・イソデシルホスファイト、ジフェニル・シクロヘキシルフェニルホスファイト、ジフェニル・(トリデシル)チオホスファイト、ノニルフェニル・ジトリデシルホスファイト、フェニル・p−tert−ブチルフェニル・ドデシルホスファイト、ジイソプロピルホスファイト、ビス[オタデシルポリ(オキシエチレン)]ホスファイト,オクチルポリ(オキシプロピレン)・トリデシルポリ(オキシプロピレン)ホスファイト、モノイソプロピルホスファイト、ジイソデシルホスファイト、ジイソオクチルホスファイト、モノイソオクチルホスファイト、ジドデシルホスファイト、モノドデシルホスファイト、ジシクロヘキシルホスファイト、モノシクロヘキシルホスファイト、モノドデシルポリ(オキシエチレン)ホスファイト、ビス(シクロヘキシルフェニル)ホスファイト、モノシクロヘキシル・フェニルホスファイト、ビス(p−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、テトラトリデシル・4,4’−イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、テトラトリデシル・4,4’−ブチリデンビス(2−tert−ブチル−5−メチルフェニル)ジホスファイト、テトライソオクチル・4,4’−チオビス(2−tert−ブチル−5−メチルフェニル)ジホスファイト、テトラキス(ノニルフェニル)・ポリ(プロピレンオキシ)イソプロピルジホスファイト、テトラトリデシル・プロピレンオキシプロピルジホスファイト、テトラトリデシル・4,4’−イソプロピリデンジシクロヘキシルジホスファイト、ペンタキス(ノニルフェニル)・ビス[ポリ(プロピレンオキシ)イソプロピル]トリホスファイト、ヘプタキス(ノニルフェニル)・テトラキス[ポリ(プロピレンオキシ)イソプロピル]ペンタホスファイト、ヘプタキス(ノニルフェニル)・テトラキス(4,4’−イソプロピリデンジフェニル)ペンタホスファイト、デカキス(ノニルフェニル)・ヘプタキス(プロピレンオキシイソプロピル)オクタホスファイト、デカフェニル・ヘプタキス(プロピレンオキシイソプロピル)オクタホスファイト、ビス(ブトキシカルボエチル)・2,2−ジメチレン−トリメチレンジチオホスファイト、ビス(イソオクトキシカルボメチル)・2,2−ジメチレントリメチレンジチオホスファイト、テトラドデシル・エチレンジチオホスファイト、テトラドデシル・ヘキサメチレンジチオホスファイト、テトラドデシル・2,2’−オキシジエチレンジチオホスファイト、ペンタドデシル・ジ(ヘキサメチレン)トリチオホスファイト、ジフェニルホスファイト、4,4’−イソプロピリデン−ジシクロヘキシルホスファイト、4,4’−イソプロピリデンジフェニル・アルキル(C12〜C15)ホスファイト、2−tert−ブチル−4−[1−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキジフェニル)イソプロピル]フェニルジ(p−ノニルフェニル)ホスファイト、ジトリデシル・4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ジオクタデシル・2,2−ジメチレントリメチレンジホスファイト、トリス(シクロヘキシルフェニル)ホスファイト、ヘキサトリデシル・4,4’,4”−1,1,3−ブタントリイル−トリス(2−tert−ブチル−5−メチルフェニル)トリホスファイト、トリドデシルチオホスファイト、デカフェニル・ヘプタキス(プロピレンオキシイソプロピル)オクタボスファイト、ジブチル・ペンタキス(2,2−ジメチレントリメチレン)ジホスファイト、ジオクチル・ペンタキス(2,2−ジメチレントリメチレン)ジホスファイト、ジデシル・2,2−ジメチレントリメチレンジホスファイト並びにこれらのリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルジウム、バリウム、亜鉛およびアルミニウムの金属塩が挙げられる。なお、これらの化合物は1種でも2種以上を併用して用いてもよい。
有機亜リン酸エステル系化合物の配合量は、好ましい上限は3.0重量部以下、特に好ましくは2.0重量部以下であり、好ましい下限は0.01重量部以上、特に好ましくは0.02重量部以上である。配合量が0.01重量部未満では、加工時の熱劣化を抑制する効果が得られ難く、また、3.0重量部を越えると熱劣化を抑制する効果は飽和し経済的でない。
なお、フェノール系酸化防止剤と有機亜リン酸エステル系化合物とを併用すると熱劣化の抑制効果がより向上し、好ましい。
本発明のポリエステル樹脂組成物には、さらに硬化剤を含むことができる。硬化剤としては、一般に用いられているものを使用することができ、このようなものとしては、アミノ樹脂、イソシアネート、エポキシ化合物、アジリジン化合物、カルボジイミド化合物、オキサゾリン化合物、金属イオン等が挙げられる。
本発明のポリエステル樹脂組成物には、用途に応じて他の成分も適宜添加することができる。例えば酸化チタン、シリカなどの公知の無機顔料、表面平滑剤、消泡剤、分散剤、耐衝撃性向上剤、充填剤、紫外線吸収剤、表面処理剤、滑剤、光安定剤、顔料、帯電防止剤、抗菌剤、架橋剤、イオウ系酸化防止剤、難燃剤、可塑剤、加工助剤、発泡剤等があげられる。
本発明を更に詳細に説明するために以下に実施例を挙げるが、本発明は実施例に何ら限定されるものではない。合成例に記載された測定値は以下の方法によって測定したものである。
還元粘度:測定用サンプル0.1gをフェノール/テトラクロロエタン(重量比6/4)混合溶媒25mlに溶解し、ウベローデ粘度管を用いて30℃にて測定した。単位をdl/gで示す。
樹脂組成:非晶性共重合ポリエステル樹脂の組成は、重クロロホルム溶媒中でヴァリアン社製核磁気共鳴分析計(NMR)ジェミニ−200を用いて、1H−NMR分析を行なってその積分比より決定した。
ガラス転移温度:セイコーインスツルメンツ(株)製、示差走査熱量分析計(DSC)DSC−220を用いて、昇温速度20℃/分にて測定することにより求めた。ガラス転移温度以下のベースラインの延長線と遷移部における最大傾斜を示す接線との交点の温度で求めた。
酸価:クロロホルム30mlに樹脂1gを溶解し、0.1N水酸化カリウムエタノール溶液で滴定して求めた。指示薬はフェノールフタレインを用いた。
<ポリエステル樹脂(I)の合成例>
撹拌機、温度計、流出用冷却器を装備した反応缶内にテレフタル酸187重量部、イソフタル酸167重量部、セバシン酸53重量部、エチレングリコール193重量部、ネオペンチルグリコール175重量部、酢酸亜鉛二水和物0.16重量部、三酸化アンチモン0.12重量部、トリエチルアミン0.12重量部加え、180〜220℃、2.0kgf/cm2の加圧下で2時間エステル化反応を行った。エステル化反応終了後、反応系を220℃から240℃まで昇温する一方、系内をゆっくり減圧してゆき、60分かけて500Paとした。そしてさらに130Pa以下で55分間重縮合反応を行い、ポリエステル樹脂(I)を得た。
ポリエステル樹脂(I)はNMR分析の結果、ジカルボン酸成分はテレフタル酸47モル%、イソフタル酸42モル%、セバシン酸11モル%、ジオール成分はエチレングリコール55モル%、ネオペンチルグリコール45モル%の組成を有していた。またガラス転移温度は49℃、還元粘度は0.74dl/g、酸価38当量/106gであった。
ポリエステル樹脂(II)、(III)は、ポリエステル樹脂(I)と同様にして製造を行った。組成、および測定結果を表1に示す。(数値は樹脂中のモル%)
Figure 2005132995
<反応性化合物(L)の合成例>
撹拌機、温度計、還流装置と定量滴下装置を備えた反応器にメチルエチルケトン 50部を入れ70℃に昇温した後、スチレン36.4重量部、グリシジルメタクリレート37.3重量部、メチルメタクリレート 26.3重量部の混合物と、アゾビスジメチルバレロニトリル 2部を 50部のメチルエチルケトンに溶解した溶液を 1.2ml/minで反応器中のメチルエチルケトンに滴下し、さらに2時間撹拌を続けた。その後、減圧することにより、メチルエチルケトンを反応器中から除去し、反応性化合物(L)を得た。
この反応性化合物(L)はNMR分析の結果、モノマー成分はスチレン40モル%、グリシジルメタクリレート30モル%、メチルメタクリレート30モル%の組成を有していた。またガラス転移温度は50℃、重量平均分子量は25000であった。
<反応性化合物(M)の合成例>
撹拌機、冷却器および加熱マントルを具備した3リットル丸底フラスコ中で乳化重合によって製造した。フラスコには最初に脱イオン水1800部、酢酸0.4部、FeSO40.01部、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム塩二水和物0.12部からなる溶液を充填した。溶液に窒素ガスを散布して75℃に加熱した。75℃において、水150部中でドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5.4部を用いて乳化させたスチレン366.1部、ヒドロキシエチルメタクリレート14.4部、およびブチルメタクリレートモノマー95.5部をフラスコに加え、次に過硫酸ナトリウム0.45部を開始剤として加えた。次に反応をそのまま約2時間、または固形物含有量の調査によってモノマーの99.9%以上が置換されるまで進行させた。反応遂行後にエマルジョンを室温に冷却し次いで噴霧乾燥して白色の粉末を得た。
この反応性化合物(M)はNMR分析の結果、モノマー成分はスチレン77モル%、ヒドロキシエチルメタクリレート3モル%、ブチルメタクリレート20モル%の組成を有していた。またガラス転移温度は50℃、重量平均分子量は20万あった。
<反応性化合物(N)の合成例>
反応性化合物(L)と同様の方法によって合成し、NMR分析の結果、モノマー成分は、スチレン75モル%、グリシジルメタクリレート4モル%、ブチルメタクリレート21モル%の組成を有していた。また、重量平均分子量は30万であった。
<実施例1>
ポリエステル(I)を100重量部、反応性化合物(L)2重量部、安定剤としてビス[S−(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)]チオテレフタレート0.2重量部を混合し、該混合物を、回転数30rpm、全バレル温度180℃に設定した押出機(L/D=30、スクリュー径=20mm、フルフライト、圧縮比2.0)で混練した。この樹脂組成物の還元粘度は、0.82dl/gであった。更に該樹脂組成物100重量部をシクロヘキサノン120重量部とソルベッソ−150の120重量部とに溶解した樹脂ワニスに溶解させてコーティング用組成物を得た。
密着性
基材(PET)表面にコーティング用組成物を塗工して、120℃で30分間乾燥し、塗膜(10μ)を形成させた後、室温でJISK5400の碁盤目試験に準じて塗膜に100個/cm2の枡目をつくり上から、セロハンテープを貼り付け充分に転圧した後、セロハンテープを一気に剥離させて基材上に残った枡目の数により密着性を調べた。評価基準は、以下の通り。
○:枡目100個当たり80個以上残った。
×:枡目80個未満残った。
耐熱性(耐ブロッキング性)
上記密着性評価と同様にコーティングを施したPET基材を40℃の乾燥器の中に入れ、4時間後に室温に取り出して直ぐにコーティング面に室温養生してあったPETフイルム(100μ)を貼り合わせ(0.1kg/cm2×10sec)ブロッキング性を調べた。
評価基準は、以下の通り。
○:PETフイルムが付着しない。
×:PETフイルムが付着する。
折り曲げ加工性
基材(チンフリースチール)表面にコーティング用組成物を塗工して、120℃で30分間乾燥し、塗膜(10μ)を形成させた後、試験片に同じ厚さのチンフリースチール基材を2枚挟み180度方向に曲げた後、この折り曲げた加工部をルーペで観察し、皮膜の亀裂の有無を判定した。
○:良好
×:亀裂有り
<実施例2、3、比較例1〜4>
表2、3に記載した原料を用いて、それぞれの表に記載した条件で実施例1と同様にして成形を行った。
尚、表2、3中のポリエステル量は100重量部用い、その他の反応性化合物量、安定剤量、添加剤量における数値はポリエステル100重量部に対する重量部である。
Figure 2005132995
Figure 2005132995
表2、3から分かるように、実施例1〜3は、コーティング用ポリエステル樹脂組成物のPET基材に対する密着性、耐ブロッキング性、金属への密着性およびその試験片の折り曲げ加工性を改善することができている。
一方、比較例1は、グリシジル基および/またはイソシアネート基を1分子あたり2個以上含有し、重量平均分子量200以上50万以下であるアクリル樹脂系反応性化合物を含んでいないため、本発明の範囲外である。比較例2は、反応系化合物がアクリル樹脂系でないため、本発明の範囲外であり、さらに折り曲げ加工性が劣る。比較例3は、アクリル樹脂系反応性化合物の分子量が50万を超えており、本発明の範囲外である。さらに、ポリエステル樹脂との反応が過剰に進行して、ゲル状物が多量に発生し、コーティング皮膜の平滑性が低下し、折り曲げ加工性が悪化した。
本発明のポリエステル樹脂を主成分としたコーティング用組成物は、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のプラスチックフィルム基材や金属との密着性に優れ、かつ耐熱性、加工性の良好であるため、接着剤、塗料、アンカーコート材、各種バインダー等のコーティング剤として有用である。

Claims (10)

  1. ポリエステル樹脂(A)と、グリシジル基および/またはイソシアネート基を1分子あたり2個以上含有し、重量平均分子量200以上50万以下であるアクリル樹脂系反応性化合物(B)を含むコーティング用ポリエステル系樹脂組成物。
  2. 反応性化合物(B)が、(X)20〜99重量%のビニル芳香族モノマーと(Y)1.0〜80重量%のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートまたはグリシジルアルキル(メタ)アクリレート、および(Z)1.0〜70重量%のアルキル(メタ)アクリレートからなる請求項1記載のコーティング用ポリエステル系樹脂組成物。
  3. ポリエステル樹脂(A)が非晶性であることを特徴とする請求項1または2に記載のコーティング用ポリエステル系樹脂組成物。
  4. ポリエステル樹脂(A)が、カルボキシル基、ヒドロキシル基またはそれらのエステル形成性基を分子内に3個以上有する多官能化合物単位をポリエステルの酸成分および/またはグリコール成分の0.001〜5モル%含有する請求項1〜3のいずれかに記載のコーティング用ポリエステル系樹脂組成物。
  5. ポリエステル樹脂(A)が、炭素数8〜14の芳香族ジカルボン酸と炭素数2〜10の脂肪族または脂環族グリコールを酸成分とグリコール成分それぞれの50モル%以上含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のコーティング用ポリエステル系樹脂組成物。
  6. 炭素数8〜14の芳香族ジカルボン酸がテレフタル酸および/またはイソフタル酸であることを特徴とする請求項5に記載のコーティング用ポリエステル系樹脂組成物。
  7. 炭素数2〜10の脂肪族または脂環族グリコールがエチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオールおよび2−メチル−1,3−プロパンジオールからなる群より選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項5に記載のコーティング用ポリエステル系樹脂組成物。
  8. ポリエステル樹脂(A)のガラス転移温度が40℃以上120℃未満である請求項1〜7のいずれかに記載のコーティング用ポリエステル系樹脂組成物
  9. ポリエステル樹脂(A)の還元粘度が0.4dl/g以上である請求項1〜8のいずれかに記載のコーティング用ポリエステル系樹脂組成物。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載のコーティング用ポリエステル系樹脂組成物において、固形物分と混合溶媒の配合割合が5/95〜50/50(重量比)であることを特徴とするコーティング用ポリエステル樹脂組成物。
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