JP3962998B2 - 結晶性ポリエステル樹脂用改質剤、およびこれを用いた成形品の製造方法 - Google Patents

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本発明は、結晶性ポリエステルに適した改質剤に関する。詳しくは、結晶性ポリエステル樹脂、特に使用済みポリエチレンテレフタレート(PET)ボトルから再生されたPETフレーク用いた射出成型、押出し成形、異形押出し成形、Tダイ押出し成形、ダイレクトブロー成型、カレンダー加工成型における成形性の改良、および透明性を維持した機械的物性の改良を実現する改質剤、これを用いた結晶性ポリエステル成形品に関する。
近年、PETボトルはミネラルウォーター等の各種清涼飲料分野で急成長している。一方、これに伴うPETボトルの廃棄問題が注目され、PETボトルスクラップ処理は環境問題として社会問題となった。このような背景から使用済みPETボトルの再資源化が鋭意検討されている。
PETボトルの再資源化にあたっては、使用済みPETボトルを回収後、粉砕、洗浄工程を経て再生PETフレークとし、これを原料として、製品を製造する場合と、溶融押出し工程からペレット化して、このペレットから溶融成形を経て製品を製造する場合がある。
この再生PETフレークは熱履歴等によって低分子化していること、洗浄工程によって多量の水分を含んでいること、フレーク状であるため成形機への食込みが悪いことなどから成形が難しく、再生PETフレークのみでは、品質的に不安定で脆い製品しか得られない。また、PETは通常加水分解を受けやすく、未乾燥状態で成形する場合、加水分解が促進され、溶融時に分子量低下が発生して、耐衝撃性などの機械的物性が大幅に低下するため、通常のプラスチック製品に必要とされる性能を満足しない。
これまでの検討として、熱履歴を経て低分子化した再生PETフレークから耐衝撃性のある製品を得る手法として、ポリエステルに有効な耐衝撃性改良剤を配合して溶融成形する方法が行われている。ポリエステルに有効な耐衝撃性改良剤は、特許文献1で示されている。ポリエステルと化学反応を伴うような化合物をグラフト、あるいは共重合したゴム状ポリマーが用いられている。特に効果あるものとしては、オレフィン系、並びにスチレン系ブロックポリマーをベースとした重合体である。
また、特許文献2では、ポリエステル樹脂に対して、ポリテトラフルオロエチレンと有機重合体とからなるポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体を配合することにより成形時のドローダウンを改良することが示されている。特許文献3では、ゴム系成分からなる多層構造体粒子を配合することにより再生PETフレークの耐衝撃性を向上させることが示されている。特許文献4では、ポリプロピレンと不飽和カルボン酸変性のエチレン系、またはスチレン系重合体をブレンドすることにより耐衝撃性を改良することが示されている。特許文献5および特許文献6では、増粘剤としてゴム系樹脂と高分子化剤としてエチレン系または、スチレン系エラストマーを配合することにより耐衝撃性を改良していることが示されている。
上述のような耐衝撃性改良剤と再生PETフレークとの混練は、再押出しによる分子量低下が起こり、少量の耐衝撃改良剤の添加では耐衝撃性が十分ではない。また、異種ポリマーの添加のため屈折率の違いからPETが本来持っている透明性を阻害し、耐衝撃性を向上させるために透明性を犠牲にする処方となっている。
特許文献7では、熱可塑性樹脂、特にポリエステル樹脂に対してビニル重合体から構成されるポリマーを配合することにより、透明性を保持して、流動性を向上させることが示されている。
しかし、この技術の場合、特に再生PETフレークに対して適用しても、透明性は維持できるが、分子量低下を抑えることが難しく、耐衝撃性を向上させることができないという問題が残る。
このため、結晶性ポリエステル樹脂、特に再生PETフレークに対して、分子量低下による物性低下を抑え、特に耐衝撃性を向上させながら、同時に透明性を維持できる改質剤が求められてきたが、まだ提案されていない。
特公昭59−28223号公報(第2〜4頁) 特開平11−269360号公報(第1〜2頁) 特開2001−2903号公報(第2〜7頁) 特開2001−114995号公報(第2〜3頁) 特開2002−146167号公報(第2〜3頁) 特開2002−249649号公報(第2〜4頁) 特開2000−355657号公報(第2〜5頁)
本発明の目的は、結晶性ポリエステル樹脂、特に使用済みポリエチレンテレフタレート(PET)ボトルから再生されたPETフレーク用いた溶融成形、特に射出成型、押出し成形、異形押出し成形、Tダイ押出し成形、(ダイレクト)ブロー成型、カレンダー加工成型における成形性の改良、および透明性を維持した機械的物性の改良を実現する改質剤、これを用いた結晶性ポリエステル成形品を提供することにある。
本発明者らは上記問題を達成すべく鋭意研究した結果、非晶性ポリエステル(I)とグリシジル基および/またはイソシアネート基を1分子あたり2個以上含有し、重量平均分子量200以上50万以下である反応性化合物(II)を含むことを特徴とする改質剤を結晶性ポリエステル樹脂、特に再生PETフレークに配合させても上記課題を全て解決できることを見出し、本発明を完成させた。すなわち本発明は、以下の結晶性ポリエステル樹脂用改質剤、およびこれを用いた成形品である。
(1)非晶性ポリエステル樹脂(I)と、グリシジル基および/またはイソシアネート基を1分子あたり2個以上含有し重量平均分子量200以上50万以下である反応性化合物(II)を含むことを特徴とする結晶性ポリエステル樹脂用改質剤。
(2)結晶性ポリエステル樹脂が、ポリエチレンテレフタレート(PET)またはポリブチレンテレフタレート(PBT)であることを特徴とする(1)に記載の結晶性ポリエステル樹脂用改質剤。
(3)結晶性ポリエステル樹脂が、再生ポリエチレンテレフタレートであることを特徴とする(1)に記載の結晶性ポリエステル樹脂用改質剤。
(4)反応性化合物(II)が、(X)20〜99重量%のビニル芳香族モノマー、(Y)1〜80重量%のグリシジルアルキル(メタ)アクリレート、および(Z)0〜70重量%のアルキル(メタ)アクリレートからなる共重合体であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の結晶性ポリエステル樹脂用改質剤。
(5)非晶性ポリエステル樹脂(I)が、炭素数8〜14の芳香族ジカルボン酸を酸成分の50モル%以上、炭素数2〜10の脂肪族または脂環族グリコールをグリコール成分の50モル%以上含むことを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の結晶性ポリエステル樹脂用改質剤。
(6)炭素数8〜14の芳香族ジカルボン酸がテレフタル酸および/またはイソフタル酸であることを特徴とする(5)に記載の結晶性ポリエステル樹脂用改質剤。
(7)炭素数2〜10の脂肪族または脂環族グリコールがエチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオールおよび2−メチル−1,3−プロパンジオールからなる群より選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とする(5)に記載の結晶性ポリエステル樹脂用改質剤。
(8)非晶性ポリエステル樹脂(I)が、カルボキシル基、ヒドロキシル基またはそれらのエステル形成性基を3個以上有する多官能化合物単位をポリエステルの酸成分および/またはグリコール成分の0.001〜5モル%含有することを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載の結晶性ポリエステル樹脂用改質剤。
)非晶性ポリエステル樹脂(I)とエポキシ濃度が800〜3000当量/10gであるグリシジル基含有化合物を含むことを特徴とする結晶性ポリエステル樹脂用改質剤。
(1)グリシジル基含有化合物の重量平均分子量が7000〜40000であることを特徴とする()に記載の結晶性ポリエステル樹脂用改質剤。
(1)結晶性ポリエステル樹脂が、ポリエチレンテレフタレート(PET)。ポリブチレンテレフタレート(PBT)または、ポリ乳酸であることを特徴とする()または(1)に記載の結晶性ポリエステル樹脂用改質剤。
(1)結晶性ポリエステル樹脂が、再生ポリエチレンテレフタレートであることを特徴とする()または(1)に記載の結晶性ポリエステル樹脂用改質剤。
(1)反応性化合物(II)が、(X)20〜99重量%のビニル芳香族モノマー、(Y)1〜80重量%のグリシジルアルキル(メタ)アクリレート、および(Z)0〜70重量%のアルキル(メタ)アクリレートからなる共重合体であることを特徴とする()〜(1)のいずれかに記載の結晶性ポリエステル樹脂用改質剤。
(1)非晶性ポリエステル樹脂(I)が、炭素数8〜14の芳香族ジカルボン酸を酸成分の50モル%以上、炭素数2〜10の脂肪族または脂環族グリコールをグリコール成分の50モル%以上含むことを特徴とする()〜(1)のいずれかに記載の結晶性ポリエステル樹脂用改質剤。
(1)炭素数8〜14の芳香族ジカルボン酸がテレフタル酸および/またはイソフタル酸であることを特徴とする(1)に記載の結晶性ポリエステル樹脂用改質剤。
(1)炭素数2〜10の脂肪族または脂環族グリコールがエチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオールおよび2−メチル−1,3−プロパンジオールからなる群より選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とする(1)に記載の結晶性ポリエステル樹脂用改質剤。
17)非晶性ポリエステル樹脂(I)が、カルボキシル基、ヒドロキシル基またはそれらのエステル形成性基を3個以上有する多官能化合物単位をポリエステルの酸成分および/またはグリコール成分の0.001〜5モル%含有することを特徴とする()〜(1)のいずれかに記載の結晶性ポリエステル樹脂用改質剤。
(18)(1)〜(8)のいずれかに記載の改質剤を結晶性ポリエステル樹脂に混合して溶融成形する成形品の製造方法。
19)()〜(17)のいずれかに記載の改質剤を結晶性ポリエステル樹脂に混合して溶融成形する成形品の製造方法。
本発明の改質剤を結晶性ポリエステル樹脂、特に再生PETフレークに配合させることにより溶融成形、特に射出成型、押出し成形、異形押出し成形、Tダイ押出し成形、(ダイレクト)ブロー成型、カレンダー加工成型における成形性の改良、および透明性を維持し優れた機械的物性を発現することができる。
本発明の結晶性ポリエステル樹脂用改質剤、およびこれを用いた成形品は、結晶性ポリエステル樹脂、特に再生PETフレークに対して、非晶性ポリエステル(I)とグリシジル基および/またはイソシアネート基を1分子あたり2個以上含有し、重量平均分子量200以上50万以下である反応性化合物(II)を含むことが望ましい。
この処方は、再生PETフレークに上述の改質剤を添加した場合、成型前と成型後の還元粘度を比較した場合、成型後に還元粘度が増加し、溶融成形時の分子量低下が防止でき、さらに非晶性ポリエステル樹脂の添加によってマトリックスが非晶化に進行し柔軟な素材になり、耐衝撃性などの機械的物性を向上させる。同時に、同種のポリエステル系素材配合であることから元来の再生PETフレークの透明性を保持することができる。また、異形押出し成形の場合、金型から吐出される樹脂のドローダウンを防止すると共に、「押出し工程、異形金型工程を経た吐出樹脂がサイジング金型に付着し、樹脂詰まり発生して連続生産を停止させる問題」、「サイジング工程で製品形状の寸法精度を悪化させる問題」、「サイジング金型での樹脂溶融特性が原因となり成形品表面にビビリ(進行方法に平行な筋)を発生させる問題」、「異形押出し成形進行方向に対して製品反りが発生する問題」等を改良することができる。
ここで言う結晶性ポリエステルとは示差走査型熱量計(DSC)を用いて、−100℃〜300℃まで20℃/minで昇温し、次に−100℃まで50℃/minで降温し、続いて−100℃〜300℃まで20℃/minで昇温する二度の昇温過程において、どちらかの昇温過程に明確な融解ピークを示すものを指す。逆に非晶性ポリエステルとは、どちらにも融解ピークを示さないものを指す。
本発明で言う結晶性ポリエステル樹脂は、ジカルボン酸成分とグリコール成分よりなるものであればあらゆるものが使用可能である。特に、本発明における結晶性ポリエステル改質剤が好適に用いられるものとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)またはポリ乳酸であり、最も効果的な結晶性ポリエステルは、再生ポリエチレンテレフタレート(PET)である。
上記ポリ乳酸樹脂の原料として用いる乳酸としては、L−乳酸、D−乳酸のいずれを用いることができる。また、L−ラクチド、D−ラクチド、DL−ラクチドを用いても良い。分子量は該ポリエステルの重合時間、温度、重合時の減圧の程度(減圧重合の場合)を変化させたり、後述する共重合するポリアルコール成分の使用量を変化させたりすることで任意に調整することができる。
本発明に用いるポリ乳酸樹脂には、その他の特性制御のため、乳酸の他に、グリコール酸、リンゴ酸、クエン酸、グルコン酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸等のオキシ酸、カプロラクトン、バレロラクトン、ブチロラクトン等のラクトン類、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸などの脂肪族二塩基酸、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール等の脂肪族グリコール類、グリセリン、ポリグリセリン等を共重合することが出来るが、これらの共重合成分に限定されるものではない。なお、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、ビスフェノールA、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物などの芳香族ジオール等は少量であれば共重合されていても良いが生分解性の面からは含まれないことが好ましい。共重合する他のモノマー量としては乳酸と他のモノマーの合計量を100モル%とした場合、30モル%未満であることが好ましい。
本発明に用いられる非晶性ポリエステル樹脂(I)はジカルボン酸成分とグリコール成分よりなるものであればあらゆるものが使用可能である。
本発明に用いる非晶性ポリエステル樹脂(I)としては、炭素数8〜14の芳香族ジカルボン酸と炭素数2〜10の脂肪族または脂環族グリコールを主成分とすることが望ましい。ここでいう主成分とは全酸成分及びグリコール成分をそれぞれ100モル%としたとき、両成分それぞれが50モル%以上、好ましくは60モル%、さらに好ましくは65モル%以上である。両成分が50モル%未満になると成形品の伸度及び機械的物性が低下することがある。
さらには非晶性ポリエステル樹脂(I)のうち炭素数8〜14の芳香族ジカルボン酸はテレフタル酸および/またはイソフタル酸であることが望ましい。これらのジカルボン酸を使用すると成形品の伸度及び機械的物性がさらに向上する。好ましくはテレフタル酸を50モル%以上、さらには60モル%以上含むものであることが好ましく、テレフタル酸とイソフタル酸の両方をふくむものも好ましい。
ポリエステル樹脂は、上記のテレフタル酸、イソフタル酸以外の他の多価カルボン酸を共重合しても良く、例えばオルソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカン酸、ダイマー酸、シクロヘキサンジカルボン酸、トリメリット酸等の公知のものが使用できる。
本発明に用いる非晶性ポリエステル樹脂(I)には炭素数2〜10の脂肪族または脂環族グリコールを主成分とすることが、さらには該炭素数2〜10の脂肪族または脂環族グリコールがエチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオールからなる群より選ばれる少なくとも1種以上であることが原料入手の汎用性やコストの面で好ましい。
この中でもエチレングリコールとネオペンチルグリコール(60/40〜90/10(モル比))、エチレングリコールと1,4−シクロヘキサンジメタノール(60/40〜90/10(モル比))、エチレングリコールと1,2−プロパンジオール(90/10〜10/90(モル比))、の組み合わせは、溶融成形加工性と成形品の透明性を両立させやすい。
非晶性樹脂ポリエステル樹脂(I)は、上記のエチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール以外の他の多価アルコール成分が共重合されていても良く、例えば1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ノナンジオール、ダイマージオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物やプロピレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、トリシクロデカンジメタノール、ネオペンチルヒドロキシピバリン酸エステル、2,2,4−トリメチル−1,5−ペンタンジオール、トリメチロールプロパン等が使用できる。
本発明に用いられる非晶性ポリエステル樹脂(I)にはカルボキシル基、ヒドロキシル基またはそれらのエステル形成性基を3個以上有する多官能化合物(例えばトリメリット酸、ピロメリット酸、グリセリン、トリメチロールプロパン等)をポリエステルの酸成分および/またはグリコール成分の0.001〜5モル%含有することが成形性を高める上で好ましい。
本発明に用いられる非晶性ポリエステル樹脂(I)の還元粘度は、好ましくは0.4〜1.50dl/g、より好ましくは0.50〜1.20dl/g、さらに好ましくは0.60〜1.00dl/gである。還元粘度が0.40dl/g未満であると、樹脂凝集力不足のために成形品の強伸度が不足し、脆くなって使用できないことがある。一方、1.50dl/gを越えると溶融粘度が上がり過ぎるために、成形するのに最適な温度も上がってしまい、結果的に成形加工性を悪くしてしまう虞がある。
本発明に用いられる非晶性ポリエステル樹脂(I)の酸価は、好ましくは100当量/106g以下、より好ましくは50当量/106g以下、さらに好ましくは40当量/106g以下である。一方下限は低ければ低いほど好ましい。酸価が100当量/106gを越えると、溶融加工時に樹脂を加熱する際、加水分解がより促進され、できあがった成形品の機械的強度が低下する。
非晶性ポリエステル樹脂(I)の添加量は、非晶性ポリエステル(I)、反応性化合物(II)、結晶性ポリエステルの組成物全体を100重量部としたときに0.1重量%以上60重量%以下が好ましく、下限は0.5重量%以上、上限は50重量%以下がより好ましい。0.1重量%未満であると耐衝撃性などの機械的物性が発現しないことがあり、また60重量%を超えて添加すると結晶性ポリエステルの持つ耐熱性を低下させることがある。
本発明で用いられる反応性化合物(II)は、ポリエステル樹脂と反応して分子量増加し、「溶融強度増強効果」を発現させることにより、加工条件管理幅を広げ、溶融強度調整が可能であるように制御し、さらに製品の耐折り曲げ白化性及び未反応物の製品表層へのブリードアウト抑制を満足するために、重量平均分子量が200以上50万以下が望ましい。好ましい下限は500以上、より好ましくは700以上、最も好ましくは1000以上である。一方好ましい上限は30万以下、より好ましくは10万以下、最も好ましくは5万以下である。反応性化合物の重量平均分子量が200未満であると未反応の反応性化合物が製品の表面にブリードアウトし、製品の接着性低下、表面の汚染をひきおこす可能性がある。一方50万を越えると折り曲げでも、反応性化合物と非晶性ポリエステル間の相溶性が悪いためかボイドが発生し、折り曲げ白化する可能性が大きくなる。
本発明に用いられる反応性化合物(II)は、ポリエステルの持つヒドロキシル基あるいはカルボキシル基と反応し得る官能基が分子内1分子あたり2個以上持つことが樹脂全体に一部架橋を導入する点で好ましい。反応性化合物の効果により、溶融押出時においてポリエステルの持つヒドロキシル基あるいはカルボキシル基と反応性化合物の反応物が生成する際、一部が架橋生成物となることによって溶融強度向上効果を得ることができるのである。
反応性化合物(II)が持つ官能基の具体例としては、例えば、イソシアネート基、グリシジル基、カルボキシル基、カルボン酸金属塩、エステル基、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボジイミド基、グリシジル基等の官能基、さらにはラクトン、ラクチド、ラクタム等ポリエステル末端と開環付加する官能基が挙げられるが、溶融押出時にヒドロキシル基あるいはカルボキシル基と反応するものであればいかなるものでも良い。また、1分子中に異なった種類の官能基を持つことも差し支えない。このうち、好ましい官能基としては、反応の速さよりグリシジル基あるいはイソシアネート基が挙げられる。
反応性化合物中(II)の官能基の形態はいかなるものでも可能である。例えばポリマーの主鎖に官能基が存在するもの、側鎖に存在するもの、末端に存在するもの全てが可能である。
具体例としては、スチレン/メチルメタクリレート/グリシジルメタクリレート共重合体、ビスフェノールA型やクレゾールノボラック、フェノールノボラック型のエポキシ系化合物、イソシアネート系化合物等があるがこれらのいかなるものでもよく、またこれらを混合して使用することももちろん可能である。
特に、上述の反応性化合物(II)としては、(X)20〜99重量%のビニル芳香族モノマー、(Y)1〜80重量%のグリシジルアルキル(メタ)アクリレート、および(Z)0〜70重量%のアルキル(メタ)アクリレートからなる共重合体が好ましい。好ましくは(X)が20〜99重量%、(Y)が1〜80重量%、(Z)が0〜40重量%からなる樹脂で、さらに好ましくは、(X)が25〜90重量%、(Y)が10〜75重量%、(Z)が0〜35重量%からなる樹脂で、最も好ましくは、(X)が30〜85重量%、(Y)が15〜70重量%、(Z)が0〜30重量%からなる樹脂である。これらの組成は、ポリエステル樹脂系との反応に寄与する官能基濃度に影響する為、上述のように適切に制御する必要がある。上述の組成から外れる場合、ポリエステル樹脂との反応性が低下し、成形加工性の低下する虞がある。なお、(Z)の下限は5重量%以上のものが好ましい。
また、本発明では、グリシジル基含有化合物(III)を用いることも好ましい。その場合、エポキシ価は800当量/106g〜3000当量/106gであることが好ましく、さらに好ましくは、1000当量/106g〜2800当量/106gであり、最も好ましくは、1200当量/106g〜2500当量/106gである。エポキシ価が800当量/106g未満であると目標とした樹脂ダレ抑制効果が発現しないことがあり、また3000当量/106gであると増粘効果が過剰となり成形性に悪影響を与えることがある。
上述のグリシジル基含有化合物(III)の重量平均分子量は、7000〜40000であることが好ましく、さらに好ましくは、8000〜30000であり、最も好ましくは、9000〜20000である。数平均分子量が7000未満であると目標とした樹脂ダレ抑制効果が発現しないことがあり、また40000を超えると増粘効果が過剰となり成形性に悪影響を与えることがある。
本発明において、反応性化合物(II)(またはグリシジル基含有化合物(III))の添加量は分子量及び官能基の導入数により個々に選定できるが、非晶性ポリエステル(I)、反応性化合物(II)(またはグリシジル基含有化合物(III))、結晶性ポリエステルの組成物全体を100重量部としたときに0.1重量%以上20重量%以下が好ましく、下限は0.5重量%以上、上限は15重量%以下がより好ましい。0.1重量%未満であると目標とした樹脂ダレ抑制効果が発現しないことがあり、また20重量%を超えて添加すると製品の機械的特性に影響を与えることがある。
反応性化合物(II)(またはグリシジル基含有化合物(III))の添加法に関しては溶融押出し時にポリエステル樹脂(I)中に圧入する方法、押出し前にポリエステル樹脂(I)のペレットに添加してブレンドして溶融混練する方法、一度ポリエステル樹脂(I)に添加混練しておき、再度押出す方法等が考えられるが、特に加工前にポリエステル樹脂(I)のペレットに添加してブレンドして溶融混練する方法が好ましい。改質剤は後の工程で結晶性ポリエステル樹脂と溶融成型する際の利便性からペレット化することが好ましい。
本発明の改質剤と結晶性ポリエステルの樹脂組成物には、加工時のポリエステル樹脂の熱劣化を抑制する(熱劣化による樹脂の着色や樹脂ダレの発生を防止する)ために酸化防止剤を配合して使用するのが望ましい。当該酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、有機亜リン酸エステル系化合物等が好適である。
本発明で使用するフェノール系酸化防止剤の具体例としては、例えば、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル4−エチルフェノール、2−tert−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノール、2−tert−ブチル−4−メトキシフェノール、3−メチル−4−イソプロピルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシメチルフェノール、2,2−ビス(4−ヒドロキジフェニル)プロパン、ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)スルフィド、2,5−ジ−tert−アミルヒドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、1,1−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ブタン、ビス(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)メタン、2,6−ビス(2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−5−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)スルフィド、ビス(3−tert−ブチル5−エチル−2−ヒドロキジフェニル)メタン、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル4−ヒドロキジフェニル)メタン、ビス(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)スルフィド、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、エチレンビス[3,3−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブチラ−ト]、ビス[2−(2−ヒドロキシ−3−tert−ブチル5−メチルベンジル)−4−メチル−6−tert−ブチルフェニル]テレフタレート、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−2−メチルプロパン、4−メトキシフェノール、シクロヘキシルフェノール、p−フェニルフェノール、カテコール、ハイドロキノン、4−tert−ブチルピロカテコール、エチルガレート、プロピルガレート、オクチルガレート、ラウリルガレート、セチルガレート、β−ナフトール、2,4,5−トリヒドロキシブチロフェノン、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)イソシアネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキジベンジル)ベンゼン、1,6−ビス[2−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]ヘキサン、テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキジフェニル)プロピオニルオキシメチル]メタン、ビス(3−シクロヘキシル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)メタン、ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル]スルフィド、n−オタタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート、ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル4−ヒドロキジフェニル)プロピオニルアミノ]ヘキサン、2,6−ビス(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−4−メチルフェノール、ビス[S−(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)]チオテレフタレート、トリス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル]イソシアヌレート、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,1,3−トリス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)ブタン等が挙げられる。なお、これらの化合物は1種でも2種以上を併用して用いてもよい。
該フェノール系酸化防止剤の配合量は、好ましい上限は1.0重量部以下、特に好ましくは0.8重量部以下、一方好ましい下限は0.01重量部以上、特に好ましくは0.02重量部以上である。配合量が0.01重量部未満では、加工時の熱劣化を抑制する効果が得られ難く、また、1.0重量部を越えると熱劣化を抑制する効果は飽和し経済的でない。
本発明で使用する有機亜リン酸エステル系化合物の具体例としては、例えば、トリフェニルホスファイト、トリス(メチルフェニル)ホスファイト、トリイソオクチルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリス(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(オクチルフェニル)ホスファイト、トリス[デシルポリ(オキシエチレン)]ホスファイト、トリス(シクロヘキシルフェニル)ホスファイト、トリシクロヘキシルホスファイト、トリ(デシル)チオホスファイト、トリイソデシルチオホスファイト、フェニル・ビス(2−エチルヘキシル)ホスファイト、フェニル・ジイソデシルホスファイト、テトラデシルポリ(オキシエチレン)・ビス(エチルフェニル)ホスファト、フェニル・ジシクロヘキシルホスファイト、フェニル・ジイソオクチルホスファイト、フェニル・ジ(トリデシル)ホスファイト、ジフェニル・シクロヘキシルホスファイト、ジフェニル・イソオクチルホスファイト、ジフェニル・2−エチルヘキシルホスファイト、ジフェニル・イソデシルホスファイト、ジフェニル・シクロヘキシルフェニルホスファイト、ジフェニル・(トリデシル)チオホスファイト、ノニルフェニル・ジトリデシルホスファイト、フェニル・p−tert−ブチルフェニル・ドデシルホスファイト、ジイソプロピルホスファイト、ビス[オタデシルポリ(オキシエチレン)]ホスファイト,オクチルポリ(オキシプロピレン)・トリデシルポリ(オキシプロピレン)ホスファイト、モノイソプロピルホスファイト、ジイソデシルホスファイト、ジイソオクチルホスファイト、モノイソオクチルホスファイト、ジドデシルホスファイト、モノドデシルホスファイト、ジシクロヘキシルホスファイト、モノシクロヘキシルホスファイト、モノドデシルポリ(オキシエチレン)ホスファイト、ビス(シクロヘキシルフェニル)ホスファイト、モノシクロヘキシル・フェニルホスファイト、ビス(p−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、テトラトリデシル・4,4’−イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、テトラトリデシル・4,4’−ブチリデンビス(2−tert−ブチル−5−メチルフェニル)ジホスファイト、テトライソオクチル・4,4’−チオビス(2−tert−ブチル−5−メチルフェニル)ジホスファイト、テトラキス(ノニルフェニル)・ポリ(プロピレンオキシ)イソプロピルジホスファイト、テトラトリデシル・プロピレンオキシプロピルジホスファイト、テトラトリデシル・4,4’−イソプロピリデンジシクロヘキシルジホスファイト、ペンタキス(ノニルフェニル)・ビス[ポリ(プロピレンオキシ)イソプロピル]トリホスファイト、ヘプタキス(ノニルフェニル)・テトラキス[ポリ(プロピレンオキシ)イソプロピル]ペンタホスファイト、ヘプタキス(ノニルフェニル)・テトラキス(4,4’−イソプロピリデンジフェニル)ペンタホスファイト、デカキス(ノニルフェニル)・ヘプタキス(プロピレンオキシイソプロピル)オクタホスファイト、デカフェニル・ヘプタキス(プロピレンオキシイソプロピル)オクタホスファイト、ビス(ブトキシカルボエチル)・2,2−ジメチレン−トリメチレンジチオホスファイト、ビス(イソオクトキシカルボメチル)・2,2−ジメチレントリメチレンジチオホスファイト、テトラドデシル・エチレンジチオホスファイト、テトラドデシル・ヘキサメチレンジチオホスファイト、テトラドデシル・2,2’−オキシジエチレンジチオホスファイト、ペンタドデシル・ジ(ヘキサメチレン)トリチオホスファイト、ジフェニルホスファイト、4,4’−イソプロピリデン−ジシクロヘキシルホスファイト、4,4’−イソプロピリデンジフェニル・アルキル(C12〜C15)ホスファイト、2−tert−ブチル−4−[1−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキジフェニル)イソプロピル]フェニルジ(p−ノニルフェニル)ホスファイト、ジトリデシル・4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ジオクタデシル・2,2−ジメチレントリメチレンジホスファイト、トリス(シクロヘキシルフェニル)ホスファイト、ヘキサトリデシル・4,4’,4”−1,1,3−ブタントリイル−トリス(2−tert−ブチル−5−メチルフェニル)トリホスファイト、トリドデシルチオホスファイト、デカフェニル・ヘプタキス(プロピレンオキシイソプロピル)オクタボスファイト、ジブチル・ペンタキス(2,2−ジメチレントリメチレン)ジホスファイト、ジオクチル・ペンタキス(2,2−ジメチレントリメチレン)ジホスファイト、ジデシル・2,2−ジメチレントリメチレンジホスファイト並びにこれらのリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルジウム、バリウム、亜鉛及びアルミニウムの金属塩が挙げられる。なお、これらの化合物は1種でも2種以上を併用して用いてもよい。
有機亜リン酸エステル系化合物の配合量は、好ましい上限は3.0重量部以下、特に好ましくは2.0重量部以下であり、好ましい下限は0.01重量部以上、特に好ましくは0.02重量部以上である。配合量が0.01重量部未満では、加工時の熱劣化を抑制する効果が得られ難く、また、3.0重量部を越えると熱劣化を抑制する効果は飽和し経済的でない。
なお、フェノール系酸化防止剤と有機亜リン酸エステル系化合物とを併用すると熱劣化の抑制効果がより向上し、好ましい。
本発明においては、さらに結晶性ポリエステル、非晶性ポリエステル(I)、および反応性化合物(II)(またはグリシジル基含有化合物(III))の樹脂組成物の耐熱性、耐衝撃性、寸法安定性、表面平滑性、剛性、その他機械特性等を改良する為に、以下のような樹脂を添加することができる。例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)等のポリオレフィン系樹脂、または、エラストマー、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエン−ポリイソプレン共重合体、アクリロニトリル−イソプレン共重合体、アクリル酸エステル−ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリル酸エステル−イソプレン共重合体などの共役ジエン系重合体;該共役ジエン系重合体の水素添加物;エチレン−プロピレン共重合体などのオレフィン系ゴム;ポリアクリル酸エステルなどのアクリル酸ゴム;ポリオルガノシロキサン;熱可塑性エラストマー;エポキシ基、カルボキシル基、イソシアネート基等を有する熱可塑性エラストマー;エチレン系アイオノマー共重合体などが挙げられ、これらは1種または、2種以上で使用される。中でも、アクリル系ゴム、共役ジエン系共重合体または共役ジエン系共重合体の水素添加物が好ましい。さらには、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−プロピレン−エチルデンノルボルネン共重合体、エチレン−プロピレン−ジシクロペンタジエン共重合体、エチレン−プロピレン−1,4ヘキサジエン共重合体、エチレン−ブテン−1−ジシクロペンタジエン共重合体、エチレン−ブテン−1−1,4ヘキサジエン共重合体、アクリロニトリル−クロロプレン共重合体(NCR)、スチレン−クロロプレン共重合体(SCR)、ブタジエン−スチレン共重合体(BS)、エチレン−プロピレンエチリデン共重合体、スチレン−イソプレンゴム、スチレン−エチレン共重合体、ポリ(α−メチルスチレン)−ポリブタジエン−ポリ(α−メチルスチレン)共重合体(α−MES−B−α−MES)、ポリ(α−メチルスチレン)−ポリイソプレン−ポリ(α−メチルスチレン)共重合体等の樹脂または、エラストマーをポリエステル樹脂組成物に添加することもできる。
本発明において、改質剤と結晶性ポリエステルの樹脂組成物には、用途に応じて他の成分も適宜添加することができる。例えば、耐衝撃性向上剤、充填剤、紫外線吸収剤、表面処理剤、滑剤、光安定剤、顔料、帯電防止剤、抗菌剤、架橋剤、イオウ系酸化防止剤、難燃剤、可塑剤、加工助剤、発泡剤等があげられる。
結晶性ポリエステル樹脂、非晶性ポリエステル樹脂(I)、および反応性化合物(II)(またはグリシジル基含有化合物(III))の樹脂組成物を溶融成形する条件としては、結晶性ポリエステル樹脂と非晶性ポリエステル樹脂(I)を含み、場合によっては反応性化合物(II)(またはグリシジル基含有化合物(III))を溶融状態下で混合する必要があるため、溶融体の混合効果があるものが必要である。具体的には一軸式の押出機、二軸式の押出機等があるが、これらの樹脂が充分混合されていれば良い。さらに、まず結晶性ポリエステル樹脂と非晶性ポリエステル樹脂(I)、場合によっては、反応性化合物(II)(またはグリシジル基含有化合物(III))を添加混練しておき、混練後のポリマーを再度溶融成形加工する手段も問題なく使用できる。また、温度条件としては、押出に用いる結晶性ポリエステル樹脂と非晶性ポリエステル樹脂(I)が溶融流動できる範囲であればいかなる温度でも問題ないが、ポリエステル樹脂の性質上、100℃以上350℃以下と考えられ、より好ましくは150℃以上300℃以下が好適である。温度が低すぎるとポリマーを送り出しできないかまたは押出機に過大な負荷がかかり、逆に温度が高すぎるとポリマーが熱劣化を起こすため、好ましくない。吐出量、その他の条件に関しては、機台の適正条件に適宜調整することで設定可能である。
結晶性ポリエステル樹脂、非晶性ポリエステル樹脂(I)、および反応性化合物(II)(またはグリシジル基含有化合物(III))の樹脂組成物の加工法としては、上述した射出成型、押出し成形、異形押出し成形以外の方法においても特に制限はなく、インジェクションブロー成形、(ダイレクト)ブロー成形、ブローコンプレッション成形、延伸ブロー成形、カレンダー成形、熱成形(真空・圧空成形を含む)、反応射出成形、発泡成形、圧縮成形、粉末成形(回転・延伸成形を含む)、積層成形、注型、溶融紡糸等を挙げることができる。
本発明を更に詳細に説明するために以下に実施例を挙げるが、本発明は実施例に何ら限定されるものではない。合成例に記載された測定値は以下の方法によって測定したものである。
重量平均分子量:溶剤としてテトラヒドロフランおよび検定標準としてポリスチレンを用いるウオーターズ(Waters)ゲル透過クロマトグラフィーによって測定した。
樹脂組成:非晶性ポリエステル樹脂の組成は、重クロロホルム溶媒中でヴァリアン社製核磁気共鳴分析計(NMR)ジェミニ−200を用いて、1H−NMR分析を行なってその積分比より決定した。
ガラス転移温度、融点:セイコーインスツルメンツ(株)製示差走査熱量分析計(DSC)DSC−220を用いて、昇温速度20℃/分にて測定することにより求めた。
酸価:クロロホルム30mlに樹脂1gを溶解し、0.1N水酸化カリウムエタノール溶液で滴定して求めた。指示薬はフェノールフタレインを用いた。
還元粘度:測定用サンプル0.1gをフェノール/テトラクロロエタン(重量比6/4)混合溶媒25mlに溶解し、ウベローデ粘度管を用いて30℃にて測定した。単位をdl/gで示す。
エポキシ価:100mlのエレンマイヤーフラスコにサンプルを秤量し、10〜15mlのメチレンクロライドを加えて、マグネチックスターラーにて攪拌溶解した。10mlのテトラエチルアンモニウムブロマイド試薬を加え、さらに6〜8滴のクリスタルバイオレット指示薬を加え、0.1規定パークロリック酸で滴定した。終点は青から緑に変色して2分間安定な点とした。滴定に要したパークロリック酸の量(ml)を読み取った。
W:サンプルの重量(g)
A:滴定に要したパークロリック酸の量(ml)
N:パークロリック酸試薬の規定度
エポキシ価(当量/106g) = (N×A×1000)/W
<再生PETフレーク>
よのPETボトルリサイクル(株)製YPRフレークを用いた。
<ポリ乳酸>
三井化学(株)製LACIA H―400を用いた。
<結晶性ポリエステル樹脂(A)の合成例>
撹拌機、温度計、流出用冷却器を装備した反応缶内にテレフタル酸530重量部、イソフタル酸85重量部、アジピン酸203重量部、1,4−ブタンジオール928重量部、テトラブチルチタネート0.34重量部加え、170〜220℃で2時間エステル化反応を行った。エステル化反応終了後、反応系を220℃から250℃まで昇温する一方、系内をゆっくり減圧してゆき、60分かけて500Paとした。そしてさらに130Pa以下で55分間重縮合反応を行い、ポリエステル樹脂(A)を得た。
結晶性ポリエステル樹脂(A)はNMR分析の結果、ジカルボン酸成分はテレフタル酸63モル%、イソフタル酸10モル%、アジピン酸27モル%、ジオール成分は1,4−ブタンジオール100モル%の組成を有していた。またガラス転移温度は−6℃、数平均分子量は35000、酸価28当量/106gであった。
結晶性ポリエステル樹脂(B)、(C)は、結晶性ポリエステル樹脂(A)と同様にして製造を行った。組成、及び測定結果を表1に示す。(数値は樹脂中のモル%)
<非晶性ポリエステル(D)の合成例>
撹拌機、温度計、流出用冷却器を装備した反応缶内にテレフタル酸ジメチル960重量部、エチレングリコール527重量部、ネオペンチルグリコール156重量部、テトラブチルチタネート0.34重量部加え、170〜220℃で2時間エステル交換反応を行った。エステル交換反応終了後、反応系を220℃から270℃まで昇温する一方、系内をゆっくり減圧してゆき、60分かけて500Paとした。そしてさらに130Pa以下で55分間重縮合反応を行い、非晶性ポリエステル(D)を得た。
非晶性ポリエステル樹脂(D)はNMR分析の結果、ジカルボン酸成分はテレフタル酸100モル%、ジオール成分はエチレングリコール70モル%、ネオペンチルグリコール30モル%の組成を有していた。またガラス転移温度は78℃、数平均分子量は28000、酸価30当量/106gであった。
非晶性ポリエステル樹脂(E)〜(I)は、非晶性ポリエステル(D)と同様にして製造を行った。組成、及び測定結果を表1に示す。(数値は樹脂中のモル%)
Figure 0003962998
<反応性化合物(J)の合成例>
撹拌機、温度計、還流装置と定量滴下装置を備えた反応器にメチルエチルケトン50部を入れ70℃に昇温した後、スチレン36.4重量部、グリシジルメタクリレート37.3重量部、メチルメタクリレート 26.3重量部の混合物と、アゾビスジメチルバレロニトリル2部を 50部のメチルエチルケトンに溶解した溶液を 1.2ml/minで反応器中のメチルエチルケトンに滴下し、さらに2時間撹拌を続けた。その後、減圧することにより、メチルエチルケトンを反応器中から除去し、反応性化合物(J)を得た。
この反応性化合物(J)はNMR分析の結果、モノマー成分はスチレン36重量%、グリシジルメタクリレート38重量%、メチルメタクリレート26重量%の組成を有していた。またガラス転移温度は50℃、重量平均分子量は25000であった。エポキシ価は2627当量/106gであった。
<反応性化合物(K)の合成例>
撹拌機、冷却器および加熱マントルを具備した1.5リットル丸底フラスコ中で乳化重合によって製造した。フラスコには最初に脱イオン水900部、酢酸0.2部、FeSO40.005部、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム塩二水和物0.06部からなる溶液を仕込んだ。溶液に窒素ガスを散布して75℃に加熱した。75℃において、水75部中でドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2.7部を用いて乳化させたスチレン182部、グリシジルメタクリレート48.4部、およびブチルメタクリレートモノマー25.8部をフラスコに加え、次に過硫酸ナトリウム0.22部を開始剤として加えた。次に反応をそのまま約2時間、または固形物含有量の調査によってモノマーの99.9%以上が置換されるまで進行させた。反応遂行後にエマルジョンを室温に冷却し次いで噴霧乾燥して白色の粉末を得た。
この反応性化合物(K)はNMR分析の結果、モノマー成分はスチレン71重量%、グリシジルメタクリレート19重量%、ブチルメタクリレート10重量%の組成を有していた。またガラス転移温度は55℃、重量平均分子量は10000であった。エポキシ価は1330当量/106gであった。
<反応性化合物(L)の合成例>
反応性化合物(J)と同様の方法によって合成し、NMR分析の結果、モノマー成分は、スチレン69重量%、グリシジルメタクリレート5重量%、ブチルメタクリレート26重量%の組成を有していた。また、重量平均分子量は30万であった。
<実施例1>
結晶性ポリエステル(A)を70重量部、非晶性ポリエステル樹脂(D)25重量部、反応性化合物(J)5重量部、安定剤としてビス[S−(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)]チオテレフタレート0.3重量部、グリセリンモノステアリン酸エステル0.1重量部を混合し、該混合物を、回転数30rpm、全バレル温度200℃に設定した押出機(L/D=30、スクリュー径=20mm、フルフライト、圧縮比2.0)で混練した。
なお、得られた樹脂組成物の組成は、結晶性ポリエステル(A)を70重量部、非晶性ポリエステル樹脂(D)25重量部、反応性化合物(J)5重量部、安定剤としてビス[S−(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)]チオテレフタレート0.3重量部、グリセリンモノステアリン酸エステル0.1重量部となる。
上記で得られた樹脂組成物について、各種成型を行い、以下に示す評価を実施した。
[射出成型による評価]
射出成形機(東芝IS−100E:型締力100トン)にてシリンダ温度200℃、金型温度30℃、背圧20kg/cm2の条件で物性試験用の試験片を作製した。これを用いて、還元粘度測定、耐衝撃試験、透明性評価を行った。
還元粘度増減傾向:
◎:還元粘度15%以上増加
○:還元粘度増減無し
×:還元粘度低下
耐衝撃性試験:ノッチ付きアイゾット衝撃強度(ASTM D−256)
試験温度23℃
○:50J/m以上
△:30J/m以上50J/m未満
×:30J/m未満
透明性評価:1mm厚み平板にプレス成形し、その透明性を目視で判断した。
○:透明
×:不透明
[異形押出し成形による評価]
また、シリンダ温度を200℃に設定し、単軸押出し機(L/D=25、フルフライトスクリュー、スクリュー径65mm)に図1に示す成形品を製造するダイリップを取り付け、次に冷却水槽の先端に異形押出し製品の最終寸法を決定するサイジング金型を取り付け、水槽を経由して、引取機を装備した異形押出し成形設備により成形し、その成形品のサイジング金型加工状況、製品寸法精度、表面平滑性、製品反りの有無を評価した。
なお、サイジング金型加工状況と製品精度、表面平滑性の評価基準は以下に従った。
サイジング金型加工状況(連続生産性):
○:「サイジング金型内での樹脂の付着性もなく加工性はスムーズなものであり、ダイ〜サイジング間での成形品のエッジ形状精度が高いものであった。」、
×:「サイジング金型内での樹脂付着が生じ、サイジング工程へ移ることができなかった。または、サイジング工程で加工性が悪く、成形品のエッジ精度が低く、連続生産性を悪化させる」とした。
製品寸法精度:図1に示す成形品を製造するダイリップを取り付けた異形押出し成形し、その成形品の製品寸法精度を評価した。
○:製品の寸法が設計通りである
△:製品の寸法が設計値から0.3mm未満でズレる
×:製品の寸法が設計値より0.5mm以上ズレる
表面平滑性:成形品の外側表面凹凸状態を超深度表面形状測定顕微鏡(キーエンス製VK−8500)を用いて測定し、以下の評価を行なった。
○:凹凸面最大高さが100μm未満
△:凹凸面最大高さが100μm以上200μm未満
×:凹凸面最大高さが200μm以上
製品反り評価:異形押出し製品の押出し成形方向に対して、上下・左右の反りの有無について以下のように評価した。
有:押出し成形方向に対して、上下・左右の反りの有
無:押出し成形方向に対して、上下・左右の反りの無
[Tダイ押出しシート成形による評価]
全バレル温度200℃に設定した押出機(L/D=30、スクリュー径=20mm、フルフライト、圧縮比2.0)、回転数30rpm、で混練した。次に混練した樹脂組成物を、Tダイ押出し成形機(単軸押出し機:L/D=25、フルフライトスクリュー、スクリュー径65mm)のシリンダ温度を200℃に設定し、幅30cm、厚さ400μmシートを製造した。その際の巻き取りロールまでの樹脂のたれを目視で観察することにより、シートの引取り性を評価した。また、その際のロールからのシート剥離性も評価した。なお、評価基準は以下の通りである。
シート剥離性:
○:ロールからの剥離性良好
△:ロールへの粘着性が強く、時折剥離困難となる為、安定して量産できない
×:ロールへの粘着性が強く、剥離が困難で、正常なシートが採取できない
シート引き取り性
◎:たれ全く生じない
○:わずかにたれが生じるが実用上差し支えない
△:ロール温度条件等の調整によりシート生産できるが、安定して量産できない
×:溶融シートが自重でたれてしまい、正常なシートが採取できない
[ダイレクトブロー成型による評価]
ダイレクトブロー成型機(単軸押出し機:L/D=25、フルフライトスクリュー、スクリュー径65mm)のシリンダ温度を180〜230℃に設定し、図2に示すダイレクトブロー成型ボトルを製造した。シリンダ先端には、パリソン形成用ダイリップを取り付け、金型内でブローエアーを封入し、ボトルを連続生産した。このときの、パリソン保持状態、製品寸法精度、透明性を以下の基準により評価した。
パリソン保持状態:
○:ドローダウン非常に小さく、形状保持している
△:ドローダウン大きく、形状崩れ気味だがなんとかブローできる
×:ドローダウン大きく、形状が崩れブローできない。
製品精度:
○:バリが小さく、肉厚が均一
×:バリが大きく、肉厚ムラが生じる
透明性:
○:極めて透明
×:透明性に劣る
[カレンダー成型による評価]
180〜230℃の範囲に設定した2本の6インチテストロール上で混練した。時折ヘラでテストロールに付着した樹脂を剥がしながら混合し、5分混練後、ロール間隔を0.3mmに設定(シート厚み0.3mm設定)し、溶融シートをロールから30cmの距離まで引取り、その際のたれを目視で観察することにより、シートの引取り性を評価した。また、その際のロールからのシート剥離性も評価した。なお、評価基準は以下の通りである。
シート剥離性:
○:ロールからの剥離性良好
△:ロールへの粘着性が強く、時折剥離困難となる為、安定して量産できない
×:ロールへの粘着性が強く、剥離が困難で、正常なシートが採取できない
シート引取り性
◎:たれ全く生じない
○:わずかにたれが生じるが実用上差し支えない
△:ロール温度条件等の調整によりシート生産できるが、安定して量産できない
×:溶融シートが自重でたれてしまい、正常なシートが採取できない
透明性:
○:極めて透明
×:透明性に劣る
<実施例2>
非晶性ポリエステル樹脂(G)90重量部、反応性化合物(K)10重量部を混合し、該混合物を、回転数30rpm、全バレル温度190℃に設定した押出機(L/D=30、スクリュー径=20mm、フルフライト、圧縮比2.0)で 溶融混練し、ノズルから紐状に押出し、水中でカッターによって切断してペレット化した結晶性ポリエステル樹脂用改質剤を得た。次に得られた結晶性ポリエステル樹脂用改質剤20重量部と、再生ポリエチレンテレフタレート(再生PET:YPRフレーク)80重量部をドライブレンドして、射出成形機(東芝IS−100E:型締力100トン)にてシリンダ温度275℃、金型温度30℃、背圧20kg/cm2の条件で物性試験用の試験片を作製した。これを用いて、還元粘度測定、耐衝撃試験、透明性評価を、実施例1と同様に行った。
また、その他の成型についても実施例1と同様に行い、各項目の評価を行った。
なお、得られた樹脂組成物の組成は、再生PET80重量部、非晶性ポリエステル樹脂(G)18重量部、反応性化合物(K)2重量部となる。
<実施例3>
非晶性ポリエステル樹脂(F)75重量部、反応性化合物(K)25重量部、安定剤としてビス[S−(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)]チオテレフタレート1.2重量部、グリセリンモノステアリン酸エステル0.4重量部を混合し、該混合物を、回転数30rpm、全バレル温度190℃に設定した押出機(L/D=30、スクリュー径=20mm、フルフライト、圧縮比2.0)で 溶融混練し、ノズルから紐状に押出し、水中でカッターによって切断してペレット化した結晶性ポリエステル樹脂用改質剤を得た。次に得られた結晶性ポリエステル樹脂用改質剤40重量部と、ポリブチレンテレフタレート(PBT)60重量部をドライブレンドして、射出成形機(東芝IS−100E:型締力100トン)にてシリンダ温度275℃、金型温度30℃、背圧20kg/cm2の条件で物性試験用の試験片を作製した。これを用いて、還元粘度測定、耐衝撃試験、透明性評価を、実施例1と同様に行った。また、その他の成型についても実施例1と同様に行い、各項目の評価を行った。
<実施例4〜15、比較例1〜11>
表2、3に記載した原料を用いて、それぞれの表に記載した条件で成形を行った。具体的には、実施例5、9、10、11、および比較例1、4、5、8、9、10、11は、実施例1と同様に、結晶性ポリエステルと非晶性ポリエステルと反応性化合物と安定剤M、Nを、融点より20℃高い温度下で、一括溶融混練し、得られた樹脂組成物を用いて、融点より20℃高い温度下で、射出成型、異形押出し成形、Tダイ押出しシート成形、ダイレクトブロー成型、カレンダー成型して各種評価を行った。
また、実施例6、7、12、13、14、15、および比較例2、3、6、7、8、12は、実施例3と同様に、非晶性ポリエステルと反応性化合物と安定剤M、Nを、予め200〜250℃にて溶融混練し、得られた結晶性ポリエステル樹脂改質剤と結晶性ポリエステル(A)〜(C)、PET、PBT、再生PETポリ乳酸、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PBN(ポリブチレンナフタレート)をドライブレンドして、融点より20℃高い温度下で、射出成型、異形押出し成形、Tダイ押出しシート成形、ダイレクトブロー成型、カレンダー成型して各種評価を行った。
実施例4、8は実施例2と同様に、非晶性ポリエステルと反応性化合物を、予め200〜250℃にて溶融混練し、得られた結晶性ポリエステル樹脂改質剤と結晶性ポリエステル(B)、PETをドライブレンドして、融点より20℃高い温度下で、射出成型、異形押出し成形、Tダイ押出しシート成形、ダイレクトブロー成型、カレンダー成型して各種評価を行った。
尚、表2、3に記載された安定剤、滑剤は以下の化合物を意味する。
M:ビス[S−(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)]チオテレフタレート
N:グリセリンモノステアリン酸エステル
また表中の配合比については{結晶性ポリエステル樹脂+非晶性ポリエステル樹脂(I)+反応性化合物(II)}を100重量部とし、安定剤、添加剤はその100重量部に対する添加量として表した。
Figure 0003962998
Figure 0003962998
表2、3から分かるように、実施例1〜15は射出成形性の改良、および透明性を維持した機械的物性の改良が実現しており、異形押出し加工性については連続生産性の改良、異形押出し製品の寸法精度向上・表面平滑性向上(ビビリの除去)、連続生産中の製品反り改良、および異形押出し加工時の樹脂ダレ改良によるダイ〜サイジング間での製品のコーナー、エッジ部の形状精度を向上させることに優れている。Tダイ押出し成型では、結晶性ポリエステル樹脂組成物の溶融強度が大幅に向上するため、ロールからのシート剥離性、およびシート引取り性が改善され、寸法精度、表面性に優れたシートを安定して生産する事ができる。ダイレクトブロー成型では、透明性を保持した状態で、パリソンの保持が優れており、さらに製品精度が良好となるため、連続生産時の安定性、および良品生産率が大幅に向上する。カレンダー加工成型では、非晶性ポリエステル樹脂組成物の溶融強度が大幅に向上するため、ロールからのシート剥離性、およびシート引取り性が改善され、寸法精度、表面性に優れたシートを安定して生産する事ができる。
一方、比較例1〜6は、非晶性ポリエステル樹脂(I)と反応性化合物(II)を含んでいないため、本発明の範囲外である。比較例7は、非晶性ポリエステル樹脂(I)のみが配合されており、本発明の範囲外である。また、比較例8〜11は反応性化合物の添加により樹脂ダレ防止、製品寸法精度がやや改良され、耐衝撃性改良剤の添加の為、耐衝撃性が改良されるが、透明性が悪くなる。その他の比較例では、耐衝撃性が改良されるが、透明性が悪化した。また、サイジング金型での樹脂流動性がやや改善されるが、安定しないため、異形押出し製品の寸法精度・表面平滑性が悪化し、さらには製品反りの問題が発生し、異形押出し製品として不適切な状態となった。ダイレクトブロー成型では、パリソン保持がやや改良されるが、溶融特性が安定しない為、製品精度が低下する。Tダイ押出し成形、およびカレンダー成型では、シート成形性がやや改良されるが、透明性が悪化した。
本発明の改質剤を用いて結晶性ポリエステル樹脂、特に再生PETフレークに配合させることにより溶融成形、特に射出成型、押出し成形、異形押出し成形、Tダイ押出し成形、ダイレクトブロー成型、カレンダー加工成型における成形性の改良、および透明性を維持し優れた機械的物性を発現することが可能となり、産業界への寄与が大である。
異形押出成形品の断面図である。 ダイレクトブロー成型品の図である。

Claims (19)

  1. 非晶性ポリエステル樹脂(I)と、グリシジル基および/またはイソシアネート基を1分子あたり2個以上含有し重量平均分子量200以上50万以下である反応性化合物(II)を含むことを特徴とする結晶性ポリエステル樹脂用改質剤。
  2. 結晶性ポリエステル樹脂が、ポリエチレンテレフタレート(PET)またはポリブチレンテレフタレート(PBT)であることを特徴とする請求項1に記載の結晶性ポリエステル樹脂用改質剤。
  3. 結晶性ポリエステル樹脂が、再生ポリエチレンテレフタレートであることを特徴とする請求項1に記載の結晶性ポリエステル樹脂用改質剤。
  4. 反応性化合物(II)が、(X)20〜99重量%のビニル芳香族モノマー、(Y)1〜80重量%のグリシジルアルキル(メタ)アクリレート、および(Z)0〜70重量%のアルキル(メタ)アクリレートからなる共重合体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の結晶性ポリエステル樹脂用改質剤。
  5. 非晶性ポリエステル樹脂(I)が、炭素数8〜14の芳香族ジカルボン酸を酸成分の50モル%以上、炭素数2〜10の脂肪族または脂環族グリコールをグリコール成分の50モル%以上含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の結晶性ポリエステル樹脂用改質剤。
  6. 炭素数8〜14の芳香族ジカルボン酸がテレフタル酸および/またはイソフタル酸であることを特徴とする請求項5に記載の結晶性ポリエステル樹脂用改質剤。
  7. 炭素数2〜10の脂肪族または脂環族グリコールがエチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオールおよび2−メチル−1,3−プロパンジオールからなる群より選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項5に記載の結晶性ポリエステル樹脂用改質剤。
  8. 非晶性ポリエステル樹脂(I)が、カルボキシル基、ヒドロキシル基またはそれらのエステル形成性基を3個以上有する多官能化合物単位をポリエステルの酸成分および/またはグリコール成分の0.001〜5モル%含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の結晶性ポリエステル樹脂用改質剤。
  9. 非晶性ポリエステル樹脂(I)とエポキシ価が800〜3000当量/10gであるグリシジル基含有化合物(III)を含むことを特徴とする結晶性ポリエステル樹脂用改質剤。
  10. グリシジル基含有化合物(III)の重量平均分子量が7000〜40000であることを特徴とする請求項に記載の結晶性ポリエステル樹脂用改質剤。
  11. 結晶性ポリエステル樹脂が、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)またはポリ乳酸であることを特徴とする請求項または1に記載の結晶性ポリエステル樹脂用改質剤
  12. 結晶性ポリエステル樹脂が、再生ポリエチレンテレフタレートであることを特徴とする請求項または1に記載の結晶性ポリエステル樹脂用改質剤。
  13. グリシジル基含有化合物(III)が、(X)20〜99重量%のビニル芳香族モノマー、(Y)1〜80重量%のグリシジルアルキル(メタ)アクリレート、および(Z)0〜70重量%のアルキル(メタ)アクリレートからなる共重合体であることを特徴とする請求項〜1のいずれかに記載の結晶性ポリエステル樹脂用改質剤。
  14. 非晶性ポリエステル樹脂(I)が、炭素数8〜14の芳香族ジカルボン酸を酸成分の50モル%以上、炭素数2〜10の脂肪族または脂環族グリコールをグリコール成分の50モル%以上含むことを特徴とする請求項〜1のいずれかに記載の結晶性ポリエステル樹脂用改質剤。
  15. 炭素数8〜14の芳香族ジカルボン酸がテレフタル酸および/またはイソフタル酸であることを特徴とする請求項1に記載の結晶性ポリエステル樹脂用改質剤。
  16. 炭素数2〜10の脂肪族または脂環族グリコールがエチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオールおよび2−メチル−1,3−プロパンジオールからなる群より選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項1に記載の結晶性ポリエステル樹脂用改質剤。
  17. 非晶性ポリエステル樹脂(I)が、カルボキシル基、ヒドロキシル基またはそれらのエステル形成性基を3個以上有する多官能化合物単位をポリエステルの酸成分および/またはグリコール成分の0.001〜5モル%含有することを特徴とする請求項〜1のいずれかに記載の結晶性ポリエステル樹脂用改質剤。
  18. 請求項1〜8のいずれかに記載の改質剤を結晶性ポリエステル樹脂に混合して溶融成形する成形品の製造方法。
  19. 請求項17のいずれかに記載の改質剤を結晶性ポリエステル樹脂に混合して溶融成形する成形品の製造方法。
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