JP2003268217A - ポリエステル樹脂組成物及びそのシート - Google Patents

ポリエステル樹脂組成物及びそのシート

Info

Publication number
JP2003268217A
JP2003268217A JP2002076996A JP2002076996A JP2003268217A JP 2003268217 A JP2003268217 A JP 2003268217A JP 2002076996 A JP2002076996 A JP 2002076996A JP 2002076996 A JP2002076996 A JP 2002076996A JP 2003268217 A JP2003268217 A JP 2003268217A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin composition
polyester resin
polyester
sheet
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002076996A
Other languages
English (en)
Inventor
Osamu Iritani
治 入谷
Mitsuo Nishida
光生 西田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyobo Co Ltd filed Critical Toyobo Co Ltd
Priority to JP2002076996A priority Critical patent/JP2003268217A/ja
Publication of JP2003268217A publication Critical patent/JP2003268217A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性と耐衝撃性を両立させ、衝撃を加えた
ときにストレス白化を起こさないポリエステル樹脂組成
物を提供する。 【解決手段】 ガラス転移温度50℃以上のポリエステ
ル100重量部に対し、アクリル系高分子を40重量部
以下含むポリエステル樹脂組成物において、該組成物の
厚さ200μmシートでのヘイズ値が10%以下であ
り、かつ厚さ200μmシートの引っ張り試験後、その
引っ張り部ヘイズ値が15%以下であることを特徴とす
るポリエステル樹脂組成物に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主にシート、化粧
板、ブリスターパック等に使用される耐衝撃性、耐スト
レス白化性に優れた透明な樹脂組成物及びそのシートに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、シートや化粧板、ブリスターパッ
ク等には主に塩化ビニルが使用されてきた。しかし、燃
焼時に猛毒のダイオキシンを発生したり、それに用いる
可塑剤に環境ホルモンの疑いがあると一部で指摘される
ようになり、最近はあらゆる用途で脱塩化ビニルの動き
がある。
【0003】これらシートや化粧板、ブリスターパック
の用途においても例外ではなく、ポリエステル系が代替
素材の一つとして注目されている。
【0004】上記用途のポリエステルとしては、例えば
ポリエチレンテレフタレート(PET)のテレフタル
酸、エチレングリコール以外に他の1〜2成分を共重合
し、PETの有する結晶性を低下させることにより、出
来上がったシートの透明性を向上させ、かつその折り曲
げやエンボスのような加工性を向上させる技術が良く知
られている。具体的には、テレフタル酸//エチレング
リコール/シクロヘキサンジメタノール=100//7
0/30mol%の樹脂が知られている。
【0005】しかしながら、このような組成の共重合ポ
リエステルは、塩化ビニルと較べるとシートや化粧板、
ブリスターパックとして実際使用される際に簡単な衝撃
が加わったり、あるいは折り曲げ加工を行うと白化を起
こしたり、割れが生じ、またストレス白化が起こるとい
う問題があった。つまり、透明性を必要とするシート、
化粧板、ブリスターパックなどに使用される非晶性ポリ
エステルのシートに何らかの衝撃が加わると、衝撃部が
白化し、透明性が失われる、あるいは衝撃部が割れる、
また、ストレス白化という問題が多数生じている。特に
顔料などを添加しない透明分野では、わずかな白化が製
品の質を損なわせる。
【0006】従来、非晶性ポリエステル樹脂の耐衝撃性
を改良する手段として、ゴム状重合体粒子を非晶性ポリ
エステル樹脂に添加し耐衝撃性を改良する試みが多くみ
られる。例えば特開平6−65331号公報、特開平1
0−101917号公報、特開2001−40188号
公報では、コアシェル型グラフト共重合体を用いて透明
性、耐衝撃性の向上を試みられている。しかし、これら
組成物は、耐衝撃性は若干向上されてはいるが、ストレ
ス白化は起こるため、未だ充分に解決されているとはい
えないのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は透明性
と耐衝撃性を両立させ、ストレス白化を起こさないポリ
エステル樹脂組成物及びそのシートを提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、テレフタ
ル酸とエチレングリコールを主成分とするポリエステル
樹脂の透明性を保持したまま耐衝撃性を有し、ストレス
白化を起こさないシートを得るべく鋭意研究をかさねた
結果、本発明に到達した。
【0009】樹脂組成物に衝撃を加えるとクレーズが発
生することが知られているが、そのクレーズの大きさに
よって、巨視的に白化を起こす。ストレスによってでき
るクレーズの大きさを小さくすることで白化を抑制し、
ストレス白化を起こさない樹脂組成物を得ることができ
た。すなわち本発明は以下のポリエステル樹脂組成物及
びそのシートである。
【0010】(1)ガラス転移温度50℃以上のポリエ
ステル100重量部に対し、アクリル系高分子を40重
量部以下含むポリエステル樹脂組成物において、該組成
物の厚さ200μmシートでのヘイズ値が10%以下で
あり、かつ厚さ200μmシートの引っ張り試験後、そ
の引っ張り部ヘイズ値が15%以下であることを特徴と
するポリエステル樹脂組成物。
【0011】(2)ポリエステルの全二塩基酸成分、グ
リコール成分を100モル%としたとき、該ポリエステ
ルが非晶性であり、且つジカルボン酸成分としてテレフ
タル酸を60mol%以上、グリコール成分としてエチ
レングリコールを50mol%以上含むことを特徴とす
る(1)記載のポリエステル樹脂組成物。
【0012】(3)アクリル系高分子が、ポリエステル
と反応し得る官能基を有すると共に、その配合量が0.
5重量部以上であることを特徴とする(1)または
(2)記載のポリエステル樹脂組成物。
【0013】(4)アクリル系高分子が、グリシジル基
を含有していることを特徴とする(3)記載の樹脂組成
物。
【0014】(5)アクリル系高分子が、グリシジルメ
タクリレートとスチレンの共重合体であることを特徴と
する(4)記載のポリエステル樹脂組成物。
【0015】(6)(1)〜(5)記載のポリエステル
樹脂組成物を用いて成型したシート。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明のポリエステル樹脂組成物
は組成物の厚さ200μmシートでのヘイズ値が10%
以下であることが必要である。ここで言う厚さ200μ
mシートでのヘイズ値が10%以下とは次のようなもの
を指す。まずポリエステル樹脂組成物を200μmの厚
みに成型する。シート成型方法は特に限定されるもので
はなく、熱可塑性樹脂について一般に用いられる成形
法、すなわち、射出成形法、ブロー成形法、押出成形
法、カレンダー成形法、シート成形法、ロール成形法、
プレス成形法、積層成形、溶融キャスト法によるフィル
ム成形、紡糸等の各種成型方法が適用できる。もし20
0μmより厚いフィルムや薄いフィルムがある場合は、
50μmのポリイミドフィルム2枚の間にポリエステル
樹脂組成物フィルムを挟んで、テスター産業株式会社製
卓上型ヒートプレスを用い、220℃×30秒間ヒート
プレスし、200μmに再度調整することにより測定サ
ンプルとする。その際、プレス終了後は1秒以内にポリ
イミドフィルムごと水浴に入れてとにかく急冷すること
が大切である。これは樹脂結晶化による白化を極力抑え
るために大切な作業である。そのようにして作成したサ
ンプルから4cm×6cmのサンプルを切り出し試験片
とする。日本電色社製NDN2000型ヘイズメータを
用いてヘイズ値を測定する。測定はJIS K7136
規格に則り行う。試験片は5個用いて行い、ヘイズ値は
その平均値とする。組成物の厚さ200μmシートでの
ヘイズ値はより好ましくは8%以下、最も好ましくは6
%以下である。10%を越えると白化が目で見てわかる
ようになってくるため、透明性を要求される用途には使
用しにくくなる。
【0017】本発明のポリエステル樹脂組成物は厚さ2
00μmシートの引っ張り試験後、その引っ張り部ヘイ
ズ値が15以下である必要がある。ここで言う厚さ20
0μmシートの引っ張り試験後、その引っ張り部ヘイズ
値が15%以下とは以下のようなものを指す。すなわ
ち、上述したように作成した4cm×6cmの試験片に
おいて6cmの方向を引っ張り方向として、その両端各
々1.5cmを掴みしろとし、株式会社島津製作所製オ
ートグラフAG−10kNE型引っ張り試験器を用い
て、温度23℃、引っ張り速度15mm/minで引っ
張り試験を行う。その際、引っ張り試験は50%の伸度
が出た時点で(具体的には1.5cm引っ張ったとき)
停止する。もしここで50%の伸度が出ず、破断してし
まうものは耐衝撃性が低く、本特許請求の範囲外であ
る。引っ張り試験が終了後のサンプルを用いて日本電色
社製NDN2000型ヘイズメータを用いてヘイズ値を
測定する。測定はJIS K7136規格に則り行う。
試験片は5個用いて行い、ヘイズ値はその平均値とす
る。引っ張り部ヘイズ値は10%以下がより好ましい。
引っ張り部ヘイズ値が15%を越えると言うことはスト
レス白化しているということになる。
【0018】本発明に用いるポリエステル樹脂のガラス
転移温度は50℃以上である必要がある。好ましくは6
0℃以上、さらに好ましくは70℃以上である。もしガ
ラス転移温度が50℃未満になるとブロッキングが生じ
るおそれがある。上限は特に限定されないが加工工程上
の点から100℃以下が好ましい。
【0019】本発明に用いられるポリエステル樹脂とし
ては、全二塩基酸成分、グリコール成分を100モル%
としたとき、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を全
二塩基酸成分の60mol%以上かつグリコール成分と
してエチレングリコールを全グリコール成分の50mo
l%以上含むことが望ましい。テレフタル酸含有量のよ
り好ましい下限は65mol%、さらに好ましい下限は
70mol%、エチレングリコール含有量のより好まし
い下限は60mol%、さらに好ましい下限は70mo
l%であり、テレフタル酸の含有量が60mol%未満
またはエチレングリコールの含有量が50mol%未満
であると、耐衝撃性に劣ることがある。
【0020】本発明に用いるポリエステル樹脂は非晶性
であることが望ましい。なお、ここで言う非晶性とは示
差走査熱量計(DSC)を用いて−100℃から300
℃まで20℃/分の速度で昇温した際に明確な融解ピー
クを持たないことを意味する。結晶性を持つ場合にはシ
ートを加工する際の加熱やストレスにより結晶化し白化
することがある。
【0021】非晶性ポリエステル樹脂は、非晶性を達成
するために、テレフタル酸、エチレングリコール以外の
第三成分が二塩基酸成分またはグリコール成分の少なく
ともいずれかに5mol%以上共重合されているもので
あることが好ましい。第三成分が5mol%未満である
と、結晶性が高くなり、シートを加工する際の加熱やス
トレスにより結晶化し白化することがある。
【0022】第三成分は二塩基酸成分とグリコール成分
の合計で60mol%以下(全二塩基酸成分と全グリコ
ール成分の合計で200mol%とする)であることが
好ましく、さらに好ましくは50mol%以下、特に好
ましくは40mol%以下である。同様に二塩基酸成分
とグリコール成分の合計で10モル%以上であることが
好ましく、さらには20mol%以上であることが好ま
しい。また、第三成分は二塩基酸成分のみであってもジ
オール成分のみであっても、両方であっても良い。な
お、第三成分の共重合割合は、モノマーの種類により耐
衝撃性と非晶性を満足する範囲内に適宜調整されるもの
である。
【0023】第三成分のうち、二塩基酸成分としては、
イソフタル酸、オルソフタル酸、1,5−ナフタル酸、
2,6−ナフタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン
酸、2,2’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジ
フェニルエーテルジカルボン酸等の芳香族二塩基酸、ア
ジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,4−シクロ
ヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカル
ボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、4−メ
チル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、ダイマー
酸等の脂肪族や脂環族二塩基酸が挙げられ、これらの中
でも、イソフタル酸、オルソフタル酸、2,6−ナフタ
ル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,4
−シクロヘキサンジカルボン酸が好ましく、特にはイソ
フタル酸、オルソフタル酸、2,6−ナフタル酸、1,
4−シクロヘキサンジカルボン酸が好ましい。
【0024】第三成分のうち、グリコール成分として
は、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオー
ル、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2−
ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブ
タンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘ
キサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、
ジプロピレングリコール、2,2,4−トリメチル−
1,3−ペンタンジオール、シクロヘキサンジメタノー
ル、ネオペンチルヒドロキシピバリン酸エステル、ビス
フェノールAのエチレンオキサイド付加物およびプロピ
レンオキサイド付加物、水素化ビスフェノールAのエチ
レンオキサイド付加物およびプロピレンオキサイド付加
物、1,9−ノナンジオール、2−メチルオクタンジオ
ール、1,10−ドデカンジオール、2−ブチル−2−
エチル−1,3−プロパンジオール、トリシクロデカン
ジメタノール等が挙げられ、これらの中でもプロピレン
グリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリ
コール、シクロヘキサンジメタノールが好ましく、挙げ
られる。これらの中でも、ネオペンチルグリコール、ジ
エチレングリコール、シクロヘキサンジメタノールが汎
用性の面でさらに好ましい。
【0025】本発明に用いるポリエステルの組成を具体
的に例示すると、テレフタル酸//エチレングリコール
/ネオペンチルグリコール=100//80〜60/2
0〜40mo1%、テレフタル酸//エチレングリコー
ル/シクロヘキサンジメタノール=100//80〜6
0/20〜40mol%等を挙げることができる。
【0026】本発明の樹脂組成物の構成成分として、ポ
リエステルと反応し得る官能基を有するアクリル系高分
子が含まれることが望ましい。
【0027】ポリエステルと反応し得る官能基とは、ポ
リエステル分子末端に存在するヒドロキシル基あるいは
カルボキシル基と反応するものであり、例えば、イソシ
アネート基、カルボキシル基、カルボン酸金属塩、エス
テル基、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボジイミド
基、グリシジル基等が挙げられる。さらにはラクトン、
ラクチド、ラクタム等ポリエステル末端と開環付加する
構造を分子内に有する化合物でも良い。
【0028】これらのポリエステルと反応する官能基を
有するアクリル系高分子として、本発明における透明性
および耐衝撃性に対し、効果の大きいものは、グリシジ
ル基含有アクリル樹脂であり、より効果の大きいものは
グリシジルメタクリレートとスチレンの共重合体高分子
である。
【0029】ポリエステル樹脂との相溶性を考慮した場
合や目的に応じた所望の硬度を達成させるため等にグリ
シジルメタクリレートとスチレンに他のモノマーを共重
合しても良い。
【0030】他の共重合成分としは、アクリル酸、メタ
クリル酸のエステル類としてアクリル酸メチル、アクリ
ル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸−n
−ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル
酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキプロピ
ル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸イソプロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタ
クリル酸イソブチル、メタクリル酸−n−ヘキシル、メ
タクリル酸ラウリル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエ
チル、メタクリル酸ヒドロキシルプロピルなど、更には
良く知られた単量体としてはアクリロニトリル、メタク
リロニトリル、アクリルアミド、N−メチロ−ルアクリ
ルアミド、ジアセトンアクリルアミド、酢酸ビニル、ビ
ニルエーテル類、N−ビニルピロリドン、α−メチルス
チレン、t−ブチルスチレン、ビニルトルエン、エチレ
ンなど、を例示することができ、これらの中から一種ま
たは複数種を選んで用いることができる。
【0031】本発明に用いられるポリエステルと反応し
得る官能基を有するアクリル系高分子の配合量は非晶性
ポリエステル樹脂100重量部に対して0.5重量部以
上、好ましくは3重量部以上、さらに好ましくは5重量
部以上である。上限は40重量部以下が好ましく、さら
に好ましくは30重量部、最も好ましくは25重量部で
ある。この配合量が0.5重量部より少ないところで
は、本発明の目的である耐衝撃性向上効果がないことが
ある。また、40重量部を越える場合には、組成物の溶
融状態における流動性や組成物の機械特性が劣ってくる
ことがある。
【0032】さらに本発明の樹脂組成物には、その目的
に応じた所望の特性を付与するために、種々の樹脂を配
合することが可能である。また、一般に熱可塑性樹脂お
よび熱硬化性樹脂に添加される公知の物質、すなわち酸
化防止剤や紫外線吸収剤などの安定剤、耐電防止剤、染
料や顔料などの着色剤、蛍光増白剤、潤滑剤、離型剤な
どを配合することが可能である。
【0033】本発明の樹脂組成物は、これらの配合成分
が均一に分散されていることが好ましく、その配合方法
は任意の方法を用いることができる。例えば配合成分の
全部または一部を加熱した単軸、二軸等の押出機に一括
または分割して供給し、溶融混練により均質化された後
に針金状に押出された溶融樹脂を冷却固化させ、次いで
所望の長さに切断する方法があるが、ブレンダー、ニー
ダー、ロール等他の混練機を用いた方法でも良い。ま
た、これらを組み合わせて用いることや、複数回繰り返
すことにより配合成分を順次加える方法等もとることが
できる。
【0034】
【実施例】以下、実施配合例により本発明を具体的に例
示するが、これは単なる例示であり、本発明はこれに限
定されるものではない。
【0035】ポリエステル樹脂(A−1)の合成例 温度計、攪拌機、流出用冷却器を具備した反応容器にテ
レフタル酸ジメチル194重量部、エチレングリコール
86.8重量部、ネオペンチルグリコール62.4重量
部、テトラブチルチタネート0.1重量部を仕込み、4
時間かけて220℃まで徐々に昇温し、留出するメタノ
ールを系外に除きつつエステル交換反応を行った。続い
てこれを30分かけて500Paまで減圧初期重合を行
うとともに、温度を250℃まで昇温し、さらに130
Pa以下で60分間後期重合を行い樹脂(A−1)を得
た。(A−1)組成はテレフタル酸//エチレングリコ
ール/ネオペンチルグリコール=100//70/30
mol%であり、ガラス転移温度78℃、数平均分子
量20000、酸価15当量/106gであった。
【0036】ここで組成は、樹脂を重クロロホルムに溶
解し、1H−NMRにより定量した。数平均分子量は、
クロロホルム溶媒、ポリスチレン標準にて、ゲル浸透ク
ロマトグラフィーにより測定した。酸価は、樹脂をクロ
ロホルムに溶解し、水酸化カリウムのエタノール溶液に
よる中和滴定から求めた。ガラス転移温度は昇温速度2
0℃/分の条件で示差走査熱量計(セイコー電子工業株
式会社製DSC220)により測定した。
【0037】ポリエステル樹脂(A−2)の合成例 温度計、攪拌機、流出用冷却器を具備した反応容器にテ
レフタル酸ジメチル194重量部、エチレングリコール
105.4重量部、シクロヘキサンジメタノール43.
2重量部、テトラブチルチタネート0.1重量部を仕込
み、4時間かけて220℃まで徐々に昇温し、留出する
メタノールを系外に除きつつエステル交換反応を行っ
た。続いてこれを30分かけて500Paまで減圧初期
重合を行うとともに、温度を250℃まで昇温し、さら
に130Pa以下で60分間後期重合を行い樹脂(A−
2)を得た。(A−2)の組成は、テレフタル酸//エ
チレングリコール/シクロヘキサンジメタノール=10
0//70/30mol%、ガラス転移温度85℃、数
平均分子量25000、酸価15当量/106gであっ
た。
【0038】アクリル樹脂(B−1)の合成例 撹拌機、温度計、還流装置と定量滴下装置を備えた反応
器にメチルエチルケトン50部をいれ70℃に昇温した
後、スチレン36.4重量部、グリシジルメタクリレー
ト37.3重量部、メチルメタクリレート26.3重量
部の混合物と、アゾビスジメチルバレロニトリル2部を
50部のメチルエチルケトンに溶解した溶液を1.2
ml/minで反応器中のメチルエチルケトンに滴下
し、さらに2時間撹拌を続けた。その後、減圧すること
により、メチルエチルケトンを反応器中から除去し、樹
脂(B−1)を得た。(B−1)はグリシジル基含有ア
クリル系高分子であり、組成はスチレン/グリシジルメ
タクリレート/メチルメタクリレート=40/30/3
0mol%、ガラス転移温度50℃、数平均分子量10
000であった。
【0039】アクリル樹脂(B−2)の合成例 撹拌機、温度計、還流装置と定量滴下装置を備えた反応
器にメチルエチルケトン50部をいれ70℃に昇温した
後、スチレン60.9重量部、メチルメタクリレート3
9.1重量部の混合物と、アゾビスジメチルバレロニト
リル2部を 50部のメチルエチルケトンに溶解した溶
液を1.2ml/minで反応器中のメチルエチルケト
ンに滴下し、さらに2時間撹拌を続けた。その後、減圧
することにより、メチルエチルケトンを反応器中から除
去し、樹脂(B−2)を得た。(B−2)の組成はスチ
レン/メチルメタクリレート=60/40mol% であ
り、ガラス転移温度55℃、数平均分子量10500で
あった。
【0040】実施例1 ポリエステル樹脂(A−1)100重量部、アクリル樹
脂(B−1)10重量部を予めタンブラーで均一に混合
した後、二軸押出機を用い溶融混練、冷却切断し、50
℃×8時間の条件にて乾燥してペレットを得た。得られ
たペレットを用いて、以下のように評価を行った。
【0041】(1)透明性 ポリエステル樹脂組成物を200μmの厚みに成型し、
JIS K7136規格に則り、日本電色社製NDN2
000型ヘイズメーターでヘイズを測定した。
【0042】(2)引っ張り後の透明性 ポリエステル樹脂組成物を200μmの厚みに成型し、
4cm×6cmのサンプルを切り出し試験片とした。試
験片の6cmの方を引っ張り方向としてセットし、両端
各々1.5cmを掴みしろとして、株式会社島津製作所
製オートグラフAG−10kNE型引っ張り試験機を用
いて、温度23℃、引っ張り速度15mm/minで引
っ張り試験を行った。その際、引っ張り試験は50%の
伸度が出た時点で(具体的には1.5cm引っ張ったと
き)停止した。引っ張り試験が終了後のサンプルを用い
て日本電色社製NDN2000型ヘイズメータを用いて
JIS K7136規格に則りヘイズ値を測定した。
【0043】(3)衝撃強度 型締圧100tの射出成型機(東芝株式会社製、IS−
100)を用い、シリンダー温度200−220℃、金
型温度40℃にて射出成形を行い、ASTMD256法
に則り、23℃でのノッチ付きアイゾット衝撃強度を測
定した。結果を表2に示す。
【0044】実施例2、比較例1〜4 表1に示した原料を用いて、実施例1と同様に行った。
結果を表2に示す。尚、表1の単位は重量部である。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】評価結果表2から分かるように、本発明の
樹脂組成物は、ポリエステル樹脂の透明性を保持したま
ま耐衝撃性を付与させ、ストレス白化を起こさない、と
いう点で優れていることがわかる。
【0048】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物を用いて作成したシ
ート、化粧板、ブリスターパック等はポリエステル樹脂
の優れた透明性を保持したまま、耐衝撃性、耐ストレス
白化性を向上させることが可能であり、さらなる用途拡
大が期待できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F071 AA22X AA23X AA31 AA33 AA33X AA44 AA46 AA76 AA86 AF23 AF30 AH04 BA01 BB06 BC01 4J002 BG042 BG052 BG092 BG122 BG132 CF031 CF041 CF051 CF081 GC00 GG00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス転移温度50℃以上のポリエステ
    ル100重量部に対し、アクリル系高分子を40重量部
    以下含むポリエステル樹脂組成物において、該組成物の
    厚さ200μmシートでのヘイズ値が10%以下であ
    り、かつ厚さ200μmシートの引っ張り試験後、その
    引っ張り部ヘイズ値が15%以下であることを特徴とす
    るポリエステル樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 ポリエステルの全二塩基酸成分、グリコ
    ール成分を100モル%としたとき、該ポリエステルが
    非晶性であり、且つジカルボン酸成分としてテレフタル
    酸を60mol%以上、グリコール成分としてエチレン
    グリコールを50mol%以上含むことを特徴とする請
    求項1記載のポリエステル樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 アクリル系高分子が、ポリエステルと反
    応し得る官能基を有すると共に、その配合量が0.5重
    量部以上であることを特徴とする請求項1または2記載
    のポリエステル樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 アクリル系高分子が、グリシジル基を含
    有していることを特徴とする請求項3記載の樹脂組成
    物。
  5. 【請求項5】 アクリル系高分子が、グリシジルメタク
    リレートとスチレンの共重合体であることを特徴とする
    請求項4記載のポリエステル樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5記載のポリエステル樹脂組
    成物を用いて成型したシート。
JP2002076996A 2002-03-19 2002-03-19 ポリエステル樹脂組成物及びそのシート Pending JP2003268217A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002076996A JP2003268217A (ja) 2002-03-19 2002-03-19 ポリエステル樹脂組成物及びそのシート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002076996A JP2003268217A (ja) 2002-03-19 2002-03-19 ポリエステル樹脂組成物及びそのシート

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003268217A true JP2003268217A (ja) 2003-09-25

Family

ID=29205554

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002076996A Pending JP2003268217A (ja) 2002-03-19 2002-03-19 ポリエステル樹脂組成物及びそのシート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003268217A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005132995A (ja) * 2003-10-31 2005-05-26 Toyobo Co Ltd コーティング用ポリエステル系樹脂組成物

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005132995A (ja) * 2003-10-31 2005-05-26 Toyobo Co Ltd コーティング用ポリエステル系樹脂組成物
JP4613486B2 (ja) * 2003-10-31 2011-01-19 東洋紡績株式会社 コーティング用ポリエステル系樹脂組成物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6234269B2 (ja) 耐衝撃性が改良された生分解性ポリマー組成物
EP2500382B1 (en) Resin composition, and molded article produced from the same
US8816008B2 (en) Impact modifier and impact modified thermoplastic composition
EP3015507B1 (en) Chemical resistant polymer composition for a center fascia
JP5105692B2 (ja) ポリ乳酸系延伸フィルム
JP4605084B2 (ja) ポリ乳酸系成形品
JP4811925B2 (ja) 熱可塑性樹脂シート
JPS63215765A (ja) 耐衝撃性の向上した樹脂ブレンド
JP2003268217A (ja) ポリエステル樹脂組成物及びそのシート
JP2004211039A (ja) 耐衝撃性ポリエステル系樹脂シート
JP2001214044A (ja) ポリエステル系樹脂組成物およびシ―トの製造方法
WO1998017725A1 (en) 1,4-cyclohexanedimethanol based polyester blends
JPWO2020158903A1 (ja) 粉末積層造形法用の樹脂組成物、ペレット、粉末、造形物の製造方法および造形物
JP4006622B2 (ja) 非晶性ポリエステル樹脂組成物
JP4332282B2 (ja) ポリエステルシート
JP2583231B2 (ja) 耐衝撃性ポリエステル樹脂組成物
JPH07188531A (ja) プラスチック容器
JPH07188525A (ja) プラスチック容器
JP2003138140A (ja) 軟質化剤
JP4934310B2 (ja) 樹脂組成物、これを用いたカレンダー成形用樹脂組成物およびシート
JP4614761B2 (ja) 混合樹脂組成物並びにこれを用いてなるシート及び成形品
JPS61264045A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP3047298B2 (ja) 熱可塑性重合体組成物
JP2010106088A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP2005247970A (ja) ポリエステル系ポリマーアロイおよびそれから得られる異形押出し成形体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050307

A977 Report on retrieval

Effective date: 20070313

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070405

A02 Decision of refusal

Effective date: 20071108

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02