JP2005132941A - ポリアミド発泡体およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 低吸水性であり、耐熱性、耐薬品性、摺動性、耐クリープ性、剛性、靱性に優れるポリアミドから構成される各種の成形品であって、より軽量化が図られた成形品を提供する。
【解決手段】 ナフタレンジカルボン酸単位を50〜100モル%含有するジカルボン酸単位(a)と、1,9−ノナンジアミン単位および/または2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位を50〜100モル%含有するジアミン単位(b)とからなるポリアミドから構成され、発泡倍率が1.01〜1.25、気泡サイズが200μm以下であるポリアミド発泡体。
【選択図】 なし

Description

本発明は、特定の半芳香族ポリアミドからなる発泡体に関する。
ナイロン6、ナイロン66に代表される汎用ポリアミドは、耐熱性、耐薬品性、剛性、摺動性、成形性などの優れた性質を有し、かつ吸湿状態では極めて高い靭性を示すことから、自動車部品、電気電子部品、摺動部品など、広範な用途に使用されてきた。
しかし、自動車分野においては、エンジンの高効率化追求によるエンジンルーム内の温度上昇に伴い、自動車に使用される樹脂部品に対する耐熱性向上の要求が高まりつつある。また、自動車に使用される樹脂部品には、ガソリン、エンジンオイル、塩化カルシウム水溶液、LLC水溶液(冷却水)等の薬品に対する耐久性が必須であり、かつ剛性、強度、靱性、耐クリープ性等の性能に対する要求も年々高度化していることから、従来のポリアミドでは対応できなくなりつつある。
また、電気電子分野においては、表面実装技術(SMT)の拡がりに伴い、コネクタ等に使用される樹脂にはリフロー半田耐熱性が要求されている。特に近年、鉛フリー半田の急速な進展から、リフロー半田温度は更に上昇する傾向にあり、従来のポリアミドではもはや対応できなくなりつつある。また、リフロー半田時のブリスター抑制の観点から、耐熱性と共に、低吸水性を併せ持つ樹脂への要求が高まっている。
さらに、摺動部品においては、その使用環境が、高面圧、高温雰囲気下へと拡がりつつあり、従来のポリアミドでは耐摩耗性や耐久性が不十分である。また、摺動部品には、寸法精度が極めて重要であるが、従来のポリアミドでは、吸水による寸法変化が大きく、ギアの噛み合い不良に起因するトラブルが発生するという問題があった。
上記した様々な問題に対応可能なポリアミドとして、テレフタル酸およびイソフタル酸をジカルボン酸成分とし、1,6−ヘキサンジアミンをジアミン成分とするポリアミドが提案されている〔特開平3−7761号公報(特許文献1)、特開平3−72565号公報(特許文献2)、特開昭60−158220号公報(特許文献3)公報などを参照〕。
また、本発明者らは、耐熱性、低吸水性および耐クリープ性においてさらに優れた性能を有する半芳香族ポリアミドとして、テレフタル酸をジカルボン酸単位とし、1,9−ノナンジアミンおよび/または2−メチル−1,8−オクタンジアミンをジアミン単位とするポリアミド〔特開平7−228769号公報(特許文献4)、特開平7−228772号公報(特許文献5)、特開平7−228774号公報(特許文献6)などを参照〕、2,6−ナフタレンジカルボン酸をジカルボン酸単位とし、1,9−ノナンジアミンおよび/または2−メチル−1,8−オクタンジアミンをジアミン単位とするポリアミド〔特開平9−12715号公報(特許文献7)を参照〕を見出し、特許出願を行っている。
特開平3−7761号公報 特開平3−72565号公報 特開昭60−158220号公報 特開平7−228769号公報 特開平7−228772号公報 特開平7−228774号公報 特開平9−12715号公報
近年では、特に自動車分野を始めとして、各種分野において軽量化の要望が高くなっている。
本発明は、このような要望に鑑みてなされたものであって、低吸水性であり、耐熱性、耐薬品性、摺動性、耐クリープ性、剛性、靱性に優れるポリアミドから構成される各種の成形品であって、より軽量化が図られた成形品を提供することを課題とする。
上記目的を達成すべく検討を重ねた結果、本発明者らは、超臨界流体を溶解させた特定のポリアミドを射出成形するとともに発泡させることにより、ポリアミドが有する各種特性を損なうことなく、軽量化された成形品が得られることを見出した。そして、本発明者らが検討を進めた結果、超臨界流体を溶解させた特定のポリアミドを押出成形するとともに発泡させることによっても、また、特定のポリアミドからなる成形体に超臨界流体を溶解させた後に発泡させることによっても目的とする成形体が得られることを見出し、さらに検討した結果、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、ナフタレンジカルボン酸単位を50〜100モル%含有するジカルボン酸単位(a)と、1,9−ノナンジアミン単位および/または2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位を50〜100モル%含有するジアミン単位(b)とからなるポリアミドから構成され、発泡倍率が1.01〜1.25、気泡サイズが200μm以下であるポリアミド発泡体およびその製造方法を提供する。
なお、熱可塑性樹脂の成形体に超臨界状態の気体を飽和量溶解させ、次いで該成形体を発泡させることからなる発泡体の製造方法は公知である(特開平6−322168号公報や米国特許第4473665号明細書などを参照)が、半芳香族ポリアミドに対してかかる方法を適用した例はこれまで知られていない。
また、超臨界流体を利用した射出成形によってポリアミド樹脂の発泡成形品を製造することも、既に公知である(特開2002−363326号公報;プラスチックエージ、2001年、1月号、123〜130ページなどを参照)。しかし、得られる発泡体の詳細についてはほとんど開示がなく、ナイロン6、ナイロン66の発泡体について、比重、気泡径、引張特性、曲げ特性が記載されている程度である(特開2002−363326号公報参照)。
超臨界流体を利用した射出成形においては、超臨界流体の溶解量が発泡体の構造を決定する上で重要な要素である。本発明者らの検討によれば、超臨界流体の溶解量は、溶解時のポリアミドの粘度に大きく影響を受けることが判明した。すなわち、半芳香族ポリアミドを使用する場合と、上記したナイロン6、ナイロン66などの脂肪族ポリアミドを使用する場合とでは、様相が異なるものであることが分かった。そして、射出成形時の条件を調整することで、所望とするポリアミド発泡体を、工業的に有利に製造できることを見出して、本発明を完成させるに至った。
本発明によれば、低吸水性であり、耐熱性、耐薬品性、摺動性、耐クリープ性、剛性、靱性に優れるポリアミドから構成される各種の成形品であって、より軽量化が図られた成形品を提供することができる。
本発明において使用されるポリアミドを構成するジカルボン酸単位(a)は、ナフタレンジカルボン酸単位を50〜100モル%含有する。ジカルボン酸単位(a)におけるナフタレンジカルボン酸単位の含有量は、60〜100モル%の範囲内であることが好ましく、75〜100モル%の範囲内であることがより好ましく、90〜100モル%の範囲内であることがさらに好ましい。ナフタレンジカルボン酸単位の含有量が50モル%未満の場合には、得られる発泡体の耐熱性、耐水性、耐薬品性などが低下する。
ナフタレンジカルボン酸単位としては、2,6−ナフタレンジカルボン酸単位、2,7−ナフタレンジカルボン酸単位、1,4−ナフタレンジカルボン酸単位などが挙げられるが、2,6−ナフタレンジカルボン酸単位が好ましい。
上記のジカルボン酸単位(a)は、50モル%以下であれば、ナフタレンジカルボン酸単位以外の他のジカルボン酸単位を含んでいてもよい。該他のジカルボン酸単位としては、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、2−メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、2,2−ジメチルグルタル酸、3,3−ジエチルコハク酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸等の脂肪族ジカルボン酸;1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、1,4−フェニレンジオキシジ酢酸、1,3−フェニレンジオキシジ酢酸、ジフェン酸、4,4’−オキシジ安息香酸、ジフェニルメタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−4,4’−ジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸から誘導される単位を挙げることができ、これらのうち1種または2種以上を用いることができる。これらの中でも芳香族ジカルボン酸から誘導される単位を用いることが好ましい。これらの他のジカルボン酸単位の含有量は、40モル%以下であることが好ましく、25モル%以下であることがより好ましく、10モル%以下であることがさらに好ましい。さらに、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸などの多価カルボン酸から誘導される単位を、溶融成形が可能な範囲内で含んでいてもよい。
また、本発明において使用されるポリアミドを構成するジアミン単位(b)は、1,9−ノナンジアミン単位および/または2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位を50〜100モル%含有する。ジアミン単位(b)における、これらの単位の合計の含有量が50モル%未満の場合には、得られる発泡体の耐熱性、耐水性、耐薬品性などが低下する。ジアミン単位(b)における、1,9−ノナンジアミン単位および/または2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位の含有量は、60〜100モル%の範囲内であることが好ましく、75〜100モル%の範囲内であることがより好ましく、90〜100モル%の範囲内であることがさらに好ましい。
1,9−ノナンジアミン単位と2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位を併用する場合、1,9−ノナンジアミン単位と2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位のモル比は、1,9−ノナンジアミン単位:2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位=90:10〜50:50であることが、発泡成形に適した特性を有するポリアミドとなり、発泡体の製造が容易であり、かつ得られる発泡体の品質のバラツキも少ないことから好ましい。1,9−ノナンジアミン単位と2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位のモル比は1,9−ノナンジアミン単位:2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位=85:15〜50:50であることがより好ましい。
ジアミン単位(b)は、50モル%以下であれば、1,9−ノナンジアミン単位および2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位以外の他のジアミン単位を含有していてもよい。該他のジアミン単位としては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、1,7−ヘプタンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,11−ウンデカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン等の直鎖状脂肪族ジアミン;1−ブチル−1,2−エタンジアミン、1,1−ジメチル−1,4−ブタンジアミン、1−エチル−1,4−ブタンジアミン、1,2−ジメチル−1,4−ブタンジアミン、1,3−ジメチル−1,4−ブタンジアミン、1,4−ジメチル−1,4−ブタンジアミン、2,3−ジメチル−1,4−ブタンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、3−メチル−1,5−ペンタンジアミン、2,5−ジメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,4−ジメチル−1,6−ヘキサンジアミン、3,3−ジメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,2−ジメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,4−ジエチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,2−ジメチル−1,7−ヘプタンジアミン、2,3−ジメチル−1,7−ヘプタンジアミン、2,4−ジメチル−1,7−ヘプタンジアミン、2,5−ジメチル−1,7−ヘプタンジアミン、3−メチル−1,8−オクタンジアミン、4−メチル−1,8−オクタンジアミン、1,3−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、1,4−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、2,4−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、3,4−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、4,5−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、2,2−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、3,3−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、4,4−ジメチル−1,8−オクタンジアミン、5−メチル−1,9−ノナンジアミン等の分岐鎖状脂肪族ジアミン;シクロヘキサンジアミン、メチルシクロヘキサンジアミン、イソホロンジアミン、ノルボルナンジメチルアミン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、トリシクロデカンジメチルアミン等の脂環式ジアミン;p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−キシリレンジアミン、m−キシリレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル等の芳香族ジアミンなどから誘導される単位を挙げることができ、これらのうち1種または2種以上を用いることができる。これらの他のジアミン単位の含有量は、40モル%以下であることが好ましく、25モル%以下であることがより好ましく、10モル%以下であることがさらに好ましい。
また、本発明で使用するポリアミドには、発明の主旨を損なわない範囲で、アミノカルボン酸単位を含ませることもできる。該アミノカルボン酸単位としては、例えば、カプロラクタム、ラウリルラクタム等のラクタム;1−アミノラウリン酸、1−アミノドデシル酸等のアミノカルボン酸などから誘導される単位を挙げることができる。アミノカルボン酸単位の含有率は、ポリアミドの全ジカルボン酸単位に基づいて40モル%以下であることが好ましく、20モル%以下であることがより好ましい。
本発明において使用されるポリアミドは、その分子鎖の末端基の10%以上が末端封止剤により封止されていることが好ましい。分子鎖の末端基が末端封止剤により封止されている割合(末端封止率)は、40%以上であることがより好ましく、60%以上であることがさらに好ましい。末端封止率が10%以上のポリアミドを用いると、耐熱性などがより優れた発泡体が得られる。
ポリアミドの末端封止率は、ポリアミドに存在している末端のカルボキシル基、末端のアミノ基および末端封止剤によって封止された末端基の数をそれぞれ測定し、下記の式(1)に従って求めることができる。各末端基の数は、1H−NMRにより、各末端基に対応する特性シグナルの積分値より求めるのが精度、簡便さの点から好ましい。
末端封止率(%)=[(A−B)/A]×100 (1)
〔式中、Aは分子鎖の末端基の総数(これは通常、ポリアミド分子の数の2倍に等しい)を表し、Bは封止されずに残った末端カルボキシル基および末端アミノ基の合計数を表す。〕
末端封止剤としては、ポリアミド末端のアミノ基またはカルボキシル基との反応性を有する単官能性の化合物であれば特に制限はないが、反応性および封止末端の安定性などの点から、モノカルボン酸またはモノアミンが好ましく、取扱いの容易さなどの点から、モノカルボン酸がより好ましい。その他、酸無水物、モノイソシアネート、モノ酸ハロゲン化物、モノエステル類、モノアルコール類などを使用することもできる。
末端封止剤として使用されるモノカルボン酸としては、アミノ基との反応性を有するものであれば特に制限はなく、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ピバリン酸、イソ酪酸等の脂肪族モノカルボン酸;シクロヘキサンカルボン酸等の脂環式モノカルボン酸;安息香酸、トルイル酸、α−ナフタレンカルボン酸、β−ナフタレンカルボン酸、メチルナフタレンカルボン酸、フェニル酢酸等の芳香族モノカルボン酸;これらの任意の混合物などを挙げることができる。これらの中でも、反応性、封止末端の安定性、価格などの点から、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、安息香酸が好ましい。
また、末端封止剤として使用されるモノアミンとしては、カルボキシル基との反応性を有するものであれば特に制限はなく、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ステアリルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン等の脂肪族モノアミン;シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン等の脂環式モノアミン;アニリン、トルイジン、ジフェニルアミン、ナフチルアミン等の芳香族モノアミン;これらの任意の混合物などを挙げることができる。これらの中でも、反応性、高沸点、封止末端の安定性および価格などの点から、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ステアリルアミン、シクロヘキシルアミン、アニリンが好ましい。
本発明において使用されるポリアミドは、結晶性ポリアミドを製造する方法として知られている任意の方法を用いて製造することができる。例えば、酸クロライドとジアミンを原料とする溶液重合法または界面重合法、ジカルボン酸とジアミンを原料とする溶融重合法、固相重合法などの方法により製造することができる。
ポリアミドは、例えば、最初にジアミン、ジカルボン酸、触媒および必要に応じて末端封止剤を一括して添加してナイロン塩を製造した後、200〜250℃の温度において加熱重合して濃硫酸中30℃における極限粘度〔η〕が0.1〜0.6dl/gのプレポリマーとし、さらに固相重合するか、または溶融押出機を用いて重合することにより製造することができる。重合の最終段階を固相重合により行う場合、減圧下または不活性ガス流通下に行うことが好ましい。このときの重合温度としては、200〜280℃の範囲内が好ましい。また、重合の最終段階を溶融押出機により行う場合の重合温度としては、370℃以下であることが好ましい。
ポリアミドを製造するに際して、前記の末端封止剤の他に、例えば、触媒として、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、それらの塩またはエステルなどを添加することができる。上記の塩またはエステルとしては、リン酸、亜リン酸または次亜リン酸とカリウム、ナトリウム、マグネシウム、バナジウム、カルシウム、亜鉛、コバルト、マンガン、錫、タングステン、ゲルマニウム、チタン、アンチモン等の金属との塩;リン酸、亜リン酸または次亜リン酸のアンモニウム塩;リン酸、亜リン酸または次亜リン酸のエチルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、ヘキシルエステル、イソデシルエステル、オクタデシルエステル、デシルエステル、ステアリルエステル、フェニルエステルなどが挙げられる。
本発明に用いられるポリアミドは、濃硫酸中30℃の条件下で測定した極限粘度〔η〕が、0.4〜3.0dl/gであることが好ましく、0.6〜2.0dl/gであることがより好ましく、0.8〜1.8dl/gであることがさらに好ましい。
上記のポリアミドは、必要に応じて結晶核剤を含んでいてもよい。結晶核剤としては、ポリアミドの結晶核剤として一般的に使用されるものであれば特に制限されず、例えば、タルク、シリカ、グラファイト、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、これらの任意の混合物などが挙げられる。これらのうちでも、タルクがポリアミドの結晶化速度を増大させる効果が大きいことから好ましい。結晶核剤はポリアミドとの相溶性を向上させる目的で、シランカップラー、チタンカップラーなどで処理されていてもよい。結晶核剤の含有量は、ポリアミドの100重量部に対して、0.01〜10重量部であることが好ましく、0.1〜1重量部であることがより好ましい。
また、上記のポリアミドは、必要に応じて、充填材を含有していてもよい。充填材の含有量は、ポリアミドの100重量部に対して5〜100重量部であることが好ましく、10〜50重量部であることがより好ましい。
充填材としては、無機充填材、有機充填材のいずれを使用してもよい。
無機充填材としては、例えば、ガラス繊維、ホウ素繊維等の繊維状充填材;チタン酸カリウムウィスカー、ホウ酸アルミニウムウィスカー、珪酸カルシウムウィスカー、硫酸マグネシウムウィスカー、炭酸カルシウムウィスカー、酸化亜鉛ウィスカー、ワラストナイト、セピオライト、黒鉛ウィスカー、ゾノトライトウィスカー等の針状充填材;炭酸カルシウム、シリカ、シリカアルミナ、アルミナ、グラファイト、二酸化チタン、二硫化モリブデン、ポリテトラフルオロエチレン等の粉末状充填材;ハイドロタルサイト、ガラスフレーク、マイカ、クレー、モンモリロナイト、カオリン、タルクなどのフレーク状充填材を挙げることができる。無機充填材としては、耐熱性、剛性がより優れたポリアミド発泡体が得られることから、繊維状または針状の無機充填材が好ましく、ガラス繊維、ゾノトライトウィスカ、ワラストナイトウィスカ、ホウ酸アルミニウムウィスカがより好ましい。
有機充填材としては、例えば、炭素繊維、アラミド繊維、グラファイト、液晶ポリエステル繊維などを挙げることができるが、これらの中でも炭素繊維および/またはアラミド繊維が、耐熱性、剛性がより優れた発泡体が得られることから好ましい。
さらに、ポリアミドには、必要に応じて、従来から公知の銅系安定剤、ヒンダ−ドフェノ−ル系酸化防止剤、ヒンダ−ドアミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、チオ系酸化防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、可塑剤、滑剤、難燃剤、難燃助剤などを添加することができる。
このような、結晶核剤、充填材や各種添加剤をポリアミドに配合する方法は特に制限されず、これらを均一に混合させ得る方法であればよく、通常、ポリアミドと結晶核剤、充填材や各種添加剤を溶融混練する方法が採用される。その際に使用する装置の種類や溶融混練条件などは特に限定されないが、概ね300℃〜350℃の範囲の温度で1〜30分間混練することにより、結晶核剤、充填材や各種添加剤を配合したポリアミドを得ることができる。混練によって調製された、結晶核剤、充填材や各種添加剤を配合したポリアミドは、一旦ペレット等の形状とした後に各種成形品としてもよいし、溶融状態のまま直接各種成形品としてもよい。
本発明のポリアミド発泡体は、必要に応じて結晶核剤、充填材や各種添加剤などを含有する、上記で説明したポリアミドを発泡させることにより得られ、発泡倍率が1.01〜1.25、気泡サイズが200μm以下であることを満足する。
発泡倍率が1.01より小さいと、軽量化の効果が小さい。一方、発泡倍率が1.25より大きいと、気泡サイズが大きくなり、機械的強度が著しく低下するばかりか、気泡サイズのバラツキも大きくなり、均質な発泡体を得ることが困難になる。ポリアミド発泡体の発泡倍率は、1.03〜1.2の範囲内であることが好ましい。
また、気泡サイズが200μmより大きいと発泡体の機械的強度が低下する。ポリアミド発泡体の気泡サイズは、発泡体の機械的物性の点から0.01〜100μmであることが好ましく、0.1〜100μmであることがより好ましく、1〜50μmであることがさらに好ましい。
本発明においては、ポリアミドを発泡させるために超臨界流体を使用する。超臨界流体としては、種々のものが使用可能であるが、ポリアミドと反応しないものが好ましく、そのようなものとして、窒素、二酸化炭素、アルゴン、ヘリウム等が挙げられる。これらのうちでも、ポリアミドへの溶解性および発泡体の製造コストの点から、窒素または二酸化炭素が好ましい。
本発明のポリアミド発泡体は、上記したポリアミドの成形体に上記の超臨界流体を溶解した後、該超臨界流体を溶解した成形体を発泡させることにより製造することができる〔製造方法1〕。
超臨界流体を溶解する成形体は、シート状、フィルム状、繊維状、異形形状等種々の形態のものが使用可能であるが、シート状成形体を用いると、均一な発泡構造を有する発泡体の製造が容易である。該シート状成形体としては、ポリアミドを一軸押出成形機、二軸押出成形機等の押出成形機または射出成形機を用いて成形したものが好ましい。
また、成形体としては、上記したポリアミドと他の材料との複合成形体を使用することもできる。他の材料としては、ポリアミド(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、MXD6ナイロンなど)、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、無水マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリプロピレンなどの各種熱可塑性樹脂、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、ブタジエン−スチレンゴム、ブタジエン−アクリロニトリルゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、アクリロニトリルゴム、無水マレイン酸変性エチレン−プロピレンゴムなどの各種の合成ゴムまたはそれらの組成物;熱硬化性樹脂、紙、布帛、金属、木材、セラミックスなどを挙げることができる。このような他の材料との複合成形体は、二色成形法、共押出成形法、ラミネート法などの公知の方法で製造することができる。
超臨界流体の溶解量は、使用する超臨界流体の種類によって最適となる範囲が異なるので一概に規定することは困難であるが、均一な発泡構造を有する発泡体を得る観点からは、超臨界流体として窒素を使用する場合には、上記したポリアミド100重量部に対して0.01〜1重量部であることが好ましく、超臨界流体として二酸化炭素を使用する場合には、上記したポリアミド100重量部に対して0.1〜15重量部であることが好ましい。
なお、上記において、ポリアミドが、結晶核剤、充填材や各種添加剤などを含有する場合には、こうした結晶核剤、充填材や各種添加剤の重量を除外して、超臨界流体の溶解量を計算する。
超臨界流体の溶解量は溶解時の圧力および温度により調整できる。
超臨界流体の溶解は、80℃〜200℃で実施することが好ましい。超臨界流体の溶解時の温度が80℃未満の場合は、所定量の超臨界流体をポリアミド成形体に溶解するのに長時間を要する。一方、超臨界流体の溶解時の温度が200℃を越える場合は、圧力開放時に部分的に発泡を生じたり、超臨界流体の溶解量が著しく少なくなって、発泡倍率が充分にならない場合がある。超臨界流体の溶解時の温度は、100〜180℃の範囲内であることが好ましい。
また、超臨界流体の溶解は、5〜40MPaの範囲内の圧力下で実施することが好ましく、10〜30MPaの範囲内の圧力下で実施することがより好ましい。超臨界流体を溶解させる時の圧力が5MPaに満たない場合は、ポリアミド成形体への超臨界流体の溶解量が少なくなり、実質的に発泡体を得ることが難しくなる傾向がある。一方、超臨界流体を溶解させる時の圧力が40MPaを越える場合には、超臨界流体の溶解量の調節が難しくなる。
超臨界流体を溶解したポリアミド成形体の発泡を行う温度は、生成する気泡のサイズおよび発泡体の強度の点から、200〜280℃の範囲内であることが好ましい。
超臨界流体を溶解したポリアミド成形体の発泡は、超臨界流体を溶解したポリアミド成形体を、発泡が生じない温度にまで冷却した上で圧力を開放して、未発泡状態の成形体とし、次いで該超臨界流体を溶解した未発泡状態の成形体を、上記の温度に加熱することによって実施することができる。また、超臨界流体の溶解時の温度が十分に高い場合には、単に圧力を開放することによって発泡させることもできる。
未発泡状態のポリアミド成形体を加熱する場合、その方法には制限はないが、成形体に熱が均一にかかる方法が、発泡構造の均一性確保の点で好ましい。加熱方法としては、例えば、熱オイルバス、熱風、水蒸気等の熱媒中を通過させる方法などが挙げられる。
また、本発明のポリアミド発泡体は、溶融状態にある上記したポリアミドに上記の超臨界流体を溶解した後、発泡が可能な圧力下に押出成形または射出成形を行うことにより製造することができる〔製造方法2〕。
超臨界流体の溶解量は、使用する超臨界流体の種類によって最適となる範囲が異なるので一概に規定することは困難であるが、均一な発泡構造を有する発泡体を得る観点からは、超臨界流体として窒素を使用する場合には、上記したポリアミド100重量部に対して0.01〜0.5重量部であることが好ましく、超臨界流体として二酸化炭素を使用する場合には、上記したポリアミド100重量部に対して0.1〜5重量部であることが好ましい。
なお、上記において、ポリアミドが、結晶核剤、充填材や各種添加剤などを含有する場合には、こうした結晶核剤、充填材や各種添加剤の重量を除外して、超臨界流体の溶解量を計算する。
超臨界流体の溶解に際し、ポリアミドを溶融させる温度は270〜340℃の範囲内であることが好ましい。ポリアミドを溶融させる温度が270℃に満たない場合は、実質的な可塑性が得られず、射出成形機のシリンダー内部におけるスクリュー混練によるポリアミドの融液化が困難となる場合がある。一方、ポリアミドを溶融させる温度が340℃を越える場合は、分解ガスが発生し、均一な発泡構造を有する発泡体が得られ難くなる場合がある。ポリアミドを溶融させる温度は300〜330℃の範囲内であることがより好ましい。
また、超臨界流体の溶解は、5〜40MPaの範囲内の圧力下で実施することが好ましく、10〜30MPaの範囲内の圧力下で実施することがより好ましい。超臨界流体を溶解させる時の圧力が5MPaに満たない場合は、溶融状態のポリアミド中への超臨界流体の溶解量が少なくなり、実質的に発泡体を得ることが難しくなる傾向がある。一方、超臨界流体を溶解させる時の圧力が40MPaを越える場合には、超臨界流体の溶解量の調節が難しくなる。
ポリアミド発泡体を押出成形により製造する場合、押出シリンダー内部で溶融状態のポリアミドと超臨界流体が混合され、押出シリンダー内部およびダイ内部では未発泡状態が保持されており、ダイ出口から大気圧中に押出されることにより発泡が生じるようにすることが重要である。押出シリンダー内部またはダイ内部で発泡すると、気泡サイズが大きくなり、均一で微細な発泡体を製造することが困難となる。したがって、超臨界流体押出シリンダー中、好ましくは押出シリンダー中央部から注入され、注入された部分からダイ出口でポリアミドが大気中に押出されるまでの行程においては、発泡の生じない圧力が保たれていることが重要である。超臨界流体ガスが注入された部分からダイ出口までの圧力は、5〜40MPaの範囲内に保たれることが好ましい。
ポリアミド発泡体はT−ダイ法、インフレーション法、異形押出法、チューブ押出法などの一般的な押出成形法により製造することができる。
また、本発明においては、超臨界流体を溶解した溶融状態のポリアミドを、金型内において発泡が可能な圧力となるような速度で射出成形を行って発泡体を製造することもきる。
超臨界流体を溶解させたポリアミドの射出成形を行うに際し、射出シリンダー内部で発泡が生じると、気泡サイズが大きくなり、均一で微細な発泡体を製造することが困難となる。従って、超臨界流体は射出シリンダー中、好ましくは射出シリンダー中央部から注入され、注入された部分から射出ノズルまでの行程においては、発泡を生じない圧力に保たれることが重要である。超臨界流体が注入された部分から射出ノズルまでの圧力は、5〜40MPaの範囲内に保たれることが好ましい。
超臨界流体を溶解したポリアミドは溶融状態で金型内に射出、充填されるが、その際、成形機のシリンダー温度は、通常270〜340℃、好ましくは300〜330℃に設定される。そして、ポリアミドの射出速度は、通常10〜200mm/秒、好ましくは20〜100mm/秒の範囲内である。
また、射出成形時の金型温度は、通常80〜160℃、好ましくは、110〜150℃の範囲に設定される。
また、金型内に予め他の材料からなる部材を配置し、そこに上記のポリアミドを射出成形することによって、他の材料からなる部材と、本発明のポリアミド発泡体が複合化された複合成形体を製造することができる。他の材料としては、前記したものと同様のもの、すなわち、ポリアミド(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、MXD6ナイロンなど)、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、無水マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリプロピレンなどの各種熱可塑性樹脂、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、ブタジエン−スチレンゴム、ブタジエン−アクリロニトリルゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、アクリロニトリルゴム、無水マレイン酸変性エチレン−プロピレンゴムなどの各種の合成ゴムまたはそれらの組成物;熱硬化性樹脂、紙、布帛、金属、木材、セラミックスなどを挙げることができる。
また、他の材料が熱可塑性の材料である場合には、二台以上の射出装置を用いて、金型内に他の材料を射出成形した後に、金型の回転や移動などによって金型キャビティーを交換し、最初の射出成形によって形成した他の材料からなる成形品と第2の金型壁との間に形成された空隙部に、上記した超臨界流体を溶解させた溶融状態のポリアミドを発泡が可能な圧力下で射出成形して、他の材料からなる部材と本発明のポリアミド発泡体からなる複合成形体を製造することもできる。この場合、材料の射出順序を逆にして、金型に上記した超臨界流体を溶解した溶融状態のポリアミドを最初に射出してポリアミド発泡体をつくり、次いで他の材料を射出成形して複合成形体を製造してもよい。
本発明のポリアミド発泡体は、所望により、熱処理、サンドブラスト処理、研削などの公知の二次加工を施すこともできる。
本発明のポリアミド発泡体は、軽量であるとともに低吸水性であり、耐熱性、耐薬品性、摺動性、剛性、靱性に優れる。また、射出発泡成形によって製造されたものでは、反り、ヒケなどの点においても品質が改良されている。
本発明のポリアミド発泡体は、上記した物性を生かして、インタークーラータンク、ラジエータータンク、エンジンカバー、エンジンマウント、燃料容器、スロットルボディ、エアーフローメーター、フェンダー等の自動車部品;EPSギア、チェーンガイド、ベルトテンショナー、ベアリングリテーナー、各種小型ギア等の摺動部品;コネクタ、スイッチ、フレキシブルプリント回路基板、フレキシブルフラットケーブル等の電気電子部品;チューブ、ホース、フィルム等の工業部品;衣料用ワイヤー、衣料用補強材等の衣料製品;O−リング、パッキン等の封止材;モーター、トランス、ケーブル等の電気絶縁材料;コンデンサ用途等の誘電体材料など、広範な用途に使用することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。なお、実施例に記したポリアミド発泡体の物性評価は次の方法で実施した。
《発泡倍率》
JIS K 7112に準拠して、発泡体の密度を測定した。この測定値と、射出成形に供したポリアミドの密度に基づいて、発泡倍率を算出した。
《発泡体の気泡サイズ》
発泡体の断面を走査型電子顕微鏡により写真撮影し、写真上で測定されたサイズと撮影時の倍率から計算して平均気泡サイズを計算した。
また、以下の実施例および比較例においては、ポリアミドとして下記のものを使用した。
PA−1
特開平9−12715号公報の実施例2に記載された方法に準じて製造した、2,6−ナフタレンジカルボン酸単位と、1,9−ノナンジアミン単位および2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位〔1,9−ノナンジアミン単位:2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位=80:20(モル比)〕からなる、極限粘度〔η〕(濃硫酸中、30℃で測定)1.10dl/g、融点302℃、末端封止率92%(末端封止剤:安息香酸)、密度1.13g/cmのポリアミド。
ポリアミド(PA−1)を射出成形機に仕込み、シリンダー温度310〜330℃、金型温度140℃で、厚さ2mmのシートを成形した。次に得られたシート(5cm×10cm)を耐圧容器に入れ、温度150℃、圧力15MPaの条件下で10時間二酸化炭素を溶解させ、二酸化炭素を溶解させてなるガス溶解シートを得た。室温まで冷却した後、圧力を常圧とし、ガス溶解シートを耐圧容器から取り出した。次に、得られたガス溶解シートを240℃のシリコンオイル中に3分間浸漬した後に取り出し、室温まで冷却して発泡体を得た。得られた発泡体の密度は0.96g/cm、気泡サイズは20〜60μmであった。発泡倍率は1.18倍であった。
ポリアミド(PA−1)を射出成形機に供給し、シリンダー温度310〜330℃で溶融するのと同時にシリンダー中間部より超臨界状態の窒素を圧力20MPaで注入し、混練した後、140℃に調温された金型中に50mm/秒の射出速度(充填時間:0.80秒)で充填し、金型内で冷却した後、厚さ4mmのダンベル状発泡体(ISOの多目的試験片A形)を製造した。得られた発泡体の密度は0.98g/cm、気泡サイズは30〜80μmであった。発泡倍率は1.15であった。
本発明によれば、低吸水性であり、耐熱性、耐薬品性、摺動性、耐クリープ性、剛性、靱性に優れるポリアミドから構成される各種の成形品であって、より軽量化が図られた成形品を提供することができる。
本発明のポリアミド発泡体は、自動車部品、摺動部品、電気電子部品、工業部品、衣料製品、封止材、電気絶縁材料、誘電体材料などの広範な用途に使用することができる。

Claims (13)

  1. ナフタレンジカルボン酸単位を50〜100モル%含有するジカルボン酸単位(a)と、1,9−ノナンジアミン単位および/または2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位を50〜100モル%含有するジアミン単位(b)とからなるポリアミドから構成され、発泡倍率が1.01〜1.25、気泡サイズが200μm以下であるポリアミド発泡体。
  2. ポリアミドを構成する1,9−ノナンジアミン単位と2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位のモル比が
    1,9−ノナンジアミン単位:2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位=90:10〜50:50
    である、請求項1に記載のポリアミド発泡体。
  3. 該ポリアミドが、ポリアミド100重量部に対し、結晶核剤を0.01〜10重量部の割合で含有するポリアミドである、請求項1または2に記載のポリアミド発泡体。
  4. 該ポリアミドが、ポリアミド100重量部に対し、充填材を5〜100重量部の割合で含有するポリアミドである、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリアミド発泡体。
  5. ナフタレンジカルボン酸単位を50〜100モル%含有するジカルボン酸単位(a)と、1,9−ノナンジアミン単位および/または2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位を50〜100モル%含有するジアミン単位(b)とからなるポリアミドの成形体に超臨界流体を溶解させる工程並びに上記超臨界流体を溶解したポリアミド成形体を発泡させる工程を含むポリアミド発泡体の製造方法。
  6. ナフタレンジカルボン酸単位を50〜100モル%含有するジカルボン酸単位(a)と、1,9−ノナンジアミン単位および/または2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位を50〜100モル%含有するジアミン単位(b)とからなる溶融状態のポリアミドに超臨界流体を溶解させる工程並びに上記超臨界流体を溶解したポリアミドを発泡が可能な圧力下に押出成形または射出成形して発泡体を得る工程を含むポリアミド発泡体の製造方法。
  7. 射出成形時のシリンダー温度が270〜340℃であり、射出速度が10〜200mm/秒である請求項6に記載のポリアミド発泡体の製造方法。
  8. 射出成形時の金型温度が80〜160℃である請求項6または7に記載のポリアミド発泡体の製造方法。
  9. 超臨界流体が二酸化炭素または窒素である請求項5〜8のいずれか1項に記載のポリアミド発泡体の製造方法。
  10. 得られる発泡体の発泡倍率が1.01〜1.25、気泡サイズが200μm以下である、請求項5〜9のいずれか1項に記載のポリアミド発泡体の製造方法。
  11. ポリアミドを構成する1,9−ノナンジアミン単位と2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位のモル比が
    1,9−ノナンジアミン単位:2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位=90:10〜50:50
    である、請求項5〜10のいずれか1項に記載のポリアミド発泡体の製造方法。
  12. 該ポリアミドが、ポリアミド100重量部に対し、結晶核剤を0.01〜10重量部の割合で含有するポリアミドである、請求項5〜11のいずれか1項に記載のポリアミド発泡体の製造方法。
  13. 該ポリアミドが、ポリアミド100重量部に対し、充填材を5〜100重量部の割合で含有するポリアミドである、請求項5〜12のいずれか1項に記載のポリアミド発泡体の製造方法。
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