JP2005132860A - ノンハロゲン難燃接着樹脂混和物、フレキシブルプリント配線板用金属張積層板、カバーレイフィルム及びフレキシブルプリント配線板 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、ノンハロゲンで、難燃性、接着性及び耐マイグレーション性に優れた難燃接着樹脂混和物に係り、FPC用の接着剤として用いて有用なものである。
【解決手段】 かゝる本発明は、少なくともエポキシ樹脂、硬化剤、ゴム成分からなるベース樹脂89〜45vol%と窒素含有化合物10〜50vol%とケイ酸アルミニウム1〜5vol%とからなることを特徴とするノンハロゲン難燃接着樹脂混和物にあり、ノンハロゲン性の難燃剤である窒素含有化合物とケイ酸アルミニウムの配合により、優れた難燃性、接着性及び耐マイグレーション性が得られる。
【選択図】 なし
【解決手段】 かゝる本発明は、少なくともエポキシ樹脂、硬化剤、ゴム成分からなるベース樹脂89〜45vol%と窒素含有化合物10〜50vol%とケイ酸アルミニウム1〜5vol%とからなることを特徴とするノンハロゲン難燃接着樹脂混和物にあり、ノンハロゲン性の難燃剤である窒素含有化合物とケイ酸アルミニウムの配合により、優れた難燃性、接着性及び耐マイグレーション性が得られる。
【選択図】 なし
Description
本発明は、ノンハロゲンで、難燃性、接着性及び耐マイグレーション性に優れた難燃接着樹脂混和物、これを用いたフレキシブルプリント配線板用金属張積層板、カバーレイフィルム、及びフレキシブルプリント配線板に関するものである。
近年環境重視の観点から、プリント配線板の分野においてもノンハロゲン化が推進されてきている。プリント配線板、特にフレキシブルプリント配線板(FPC)関連のものを例に取ってみると、ベースフィルムとなる金属張積層板側は、勿論のこと、そのカバーとなるカバーレイフィルム側の接着剤についても、ノンハロゲン化する一方、これらの製造に用いる接着剤側にあっても、ノンハロゲン化が要求されている。
FPC用の金属張積層板にあっては、通常ポリイミドフィルムなどのベースフィルムの片面(両面も可)に接着剤により金属箔、即ち銅箔を貼り付けて作り、この金属張積層板に所定の化学的処理を施して回路パターンを形成し、目的とするFPCを得ている。このFPC上には、必要により保護層として、接着剤によりカバーレイフィルムを被覆させている。
このようなFPCは、例えば、小型のハードデスクなどの電子機器の狭小な可動部分に高密度で組み込まれたり、携帯電話や,PDAなどの電子機器の狭小部分に可撓性に富むものとして湾曲させたりして組み込まれ、多用されている。
このため、FPCにおいて、層間が剥離したりすることなく、長期に渡って安定した性能を発揮するためには、使用する接着剤、即ち、接着剤層の構成が極めて重要であり、従来から種々の組成のものが提案されているが、その一つとして、エポキシ樹脂を主成分とするものが広く用いられている(特許文献1、特許文献2)。
実際の使用にあたっては、エポキシ樹脂に対して、適量の硬化剤や硬化促進剤、特性改善用のゴム成分、難燃剤などを適宜配合して用いている。勿論、これらの各配合成分にあっても、ノンハロゲン性のものが用いられ、特にノンハロゲン性の難燃剤としては、通常リン系(リン酸エステルやリン化合物)の材料が用いられることが多い。
特開平10−112576号公報
特開2003−27028号公報
ところが、このようにして得られたFPCの場合、本発明者等の研究によると、FPCにおいて、金属、特に銅のマイグレーション現象が起こり易いことが判った。
ここで、マイグレーション現象とは、隣接した回路パターン同士(狭い間隔で隣り合った銅導体同士)の間に銅が溶出し析出して、即ち銅のデンドライトが発生して、遂には両回路パターン同士が短絡に至るという現象である。この現象の詳細は不明であるが、高温、高湿度下でのストレスにより、構成材料中に含まれる種々のイオン性の不純物が溶出したり、構成材料の部分的な分解などによりイオンが発生し、これらに起因して、銅が溶出し析出するものと考えられる。
ここで、マイグレーション現象とは、隣接した回路パターン同士(狭い間隔で隣り合った銅導体同士)の間に銅が溶出し析出して、即ち銅のデンドライトが発生して、遂には両回路パターン同士が短絡に至るという現象である。この現象の詳細は不明であるが、高温、高湿度下でのストレスにより、構成材料中に含まれる種々のイオン性の不純物が溶出したり、構成材料の部分的な分解などによりイオンが発生し、これらに起因して、銅が溶出し析出するものと考えられる。
実際、使用する材料成分によっては、イオン性不純物が含まれている恐れが十分あり、製造工程中の分解などにより不要なイオンが発生する恐れも十分にある。例えば、エポキシ樹脂自体にも含まれている恐れがあり、配合用のゴム成分にも含まれている恐れがある。特にゴム成分としてNBRの場合、イオン性不純物が含まれていることが報告されている(特許文献3)。
特開2002−80812号公報
この観点から、本発明者等は、ノンハロゲン性の難燃剤であるリン系材料に着眼し、リン系材料自体が、高温、高湿度下では分解するなどして、不要な不純物やイオンの供給源となっているのではないかと考え、ノンハロゲン性の難燃剤として、窒素含有化合物を用いたところ、難燃性及び接着性は勿論のこと、耐マイグレーション性にあっても良好な結果が得られることを見い出した。そして、さらに、窒素含有化合物と一緒にケイ酸アルミニウムを加えると、特性の改善、特に耐マイグレーション性の改善がさらに促進されることを見い出した。
今後、電子機器の小型化はさらに進むため、当然組み込まれるFPCにあってもより一層の小型化が要求され、隣接した回路パターン同士の間隔は益々狭小化され、マイグレーション現象がより起こり易くなるため、このような耐マイグレーション性の向上・改善は、益々重要となってくる。
本発明は、このような経過を経てなされたもので、基本的には、エポキシ樹脂、硬化剤、ゴム成分からなるベース樹脂に所定量の窒素含有化合物とケイ酸アルミニウムを配合したノンハロゲン難燃接着樹脂混和物であって、これと、これを用いたフレキシブルプリント配線板用金属張積層板、カバーレイフィルム及びフレキシブルプリント配線板を提供するものである。
請求項1記載の本発明は、少なくともエポキシ樹脂、硬化剤、ゴム成分からなるベース樹脂89〜45vol%と窒素含有化合物10〜50vol%とケイ酸アルミニウム1〜5vol%とからなることを特徴とするノンハロゲン難燃接着樹脂混和物にある。
請求項2記載の本発明は、前記ゴム成分がアクリル系ゴムからなることを特徴とする請求項1記載のノンハロゲン難燃接着樹脂混和物にある。
請求項3記載の本発明は、前記アクリル系ゴムがカルボキシル基を含有するものであることを特徴とする請求項1又は2記載のノンハロゲン難燃接着樹脂混和物にある。
請求項4記載の本発明は、前記窒素含有化合物の粒径が10μm以下であることを特徴とする請求項1、2又は3記載のノンハロゲン難燃接着樹脂混和物にある。
請求項5記載の本発明は、前記窒素含有化合物がメラミンシアヌレートであることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のノンハロゲン難燃接着樹脂混和物にある。
請求項6記載の本発明は、前記ケイ酸アルミニウムのグレードが粒径0.5〜10μm、比表面積1〜100m2 /g、吸油量10〜100g/100gであることを特徴とする請求項1、2、3、又は5記載のノンハロゲン難燃接着樹脂混和物にある。
請求項7記載の本発明は、前記請求項1〜6のいずれかに記載のノンハロゲン難燃接着樹脂混和物を接着剤層に用いたことを特徴とするフレキシブルプリント配線板用金属張積層板にある。
請求項8記載の本発明は、前記請求項1〜6のいずれかに記載のノンハロゲン難燃接着樹脂混和物を接着剤層に用いたことを特徴とするカバーレイフィルムにある。
請求項9記載の本発明は、前記請求項1〜6のいずれかに記載のノンハロゲン難燃接着樹脂混和物を接着剤層に用いたことを特徴とするフレキシブルプリント配線板にある。
先ず、本発明のノンハロゲン難燃接着樹脂混和物によると、少なくともエポキシ樹脂、硬化剤、ゴム成分からなるベース樹脂89〜45vol%に対して、窒素含有化合物10〜50vol%とケイ酸アルミニウム1〜5vol%とを配合するものであるため、優れた難燃性及び接着性と共に、優れた耐マイグレーション性が得られる。
また、本発明のノンハロゲン難燃接着樹脂混和物を接着剤として用いれば、優れたプリント配線板、特にフレキシブルプリント配線板用金属張積層板、カバーレイフィルム及びフレキシブルプリント配線板(FPC)を得ることができる。
本発明で用いるベース樹脂のエポキシ樹脂としては、特に限定されないが、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、多官能性グリシジルアミン樹脂、多官能性フェノールジグリシジルエーテル化物、脂環式エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン環含有エポキシ樹脂などが単独或いは併用して使用することができる。中でもビスフェノール型エポキシ樹脂の使用が好ましい。
エポキシ樹脂に配合される硬化剤や硬化促進剤としては、通常使用されるものであれば、特に限定されない。具体的な硬化剤としては、例えば、酸無水物系硬化剤(無水フタル酸、無水マレイン酸など)、硬化成分としてのフェノール樹脂、イミダゾール系硬化剤、芳香族アミン系硬化剤(4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、4,4′−ジアミノジフェニルメタンなど)、脂肪族アミン系硬化剤、脂環族アミン系硬化剤などが挙げられる。また、具体的な硬化促進剤としては、三級アミン、硼弗化物、オクチル酸塩などが挙げられる。勿論、これらの添加量については、使用するエポキシ樹脂の種類などに応じて通常添加する量とする。
エポキシ樹脂に配合されるゴム成分としても、アクリル系ゴム、例えばブタジエンアクリロニトリルゴム、エチレンアクリル共重合体、エチレンアクリロニトリル共重合体が好ましく、カルボキシル基を含有しているものがより好ましい。このゴム成分が配合されると、FPCなどの製造中にゴム粒子が適度にエポキシ樹脂中に分散されるため、そのクッション機能により、エポキシ樹脂の耐衝撃強度の増強が図られる。また、適度の柔軟性も得られる。しかし、ゴム成分中にはイオン性の不純物などが含まれている恐れがあるため、なるべく高純度のものを使用するのが望ましい。
本発明では、これらのエポキシ樹脂、硬化剤や硬化促進剤、ゴム成分などにより、ベース樹脂を構成し、このベース樹脂89〜45vol%に対して、ノンハロゲン性の難燃剤である窒素含有化合物を10〜50vol%配合する。
この窒素含有化合物としては、例えば、メラミンシアヌレート、硼酸メラミンなどの使用が望ましい。ノンハロゲン性の難燃剤であるリン系材料に替えて、この窒素含有化合物を使用するのは、FPCなどの製造工程中における高温、高湿度下でも安定で、不要な不純物やイオンの供給が少ないと考えられるからである。そして、その配合量をベース樹脂89〜45vol%に対して10〜50vol%としたのは、次の理由による。先ず、配合量が10vol%未満では、目的とするノンハロゲン難燃接着樹脂混和物の所望の難燃性が得られないからである。また、配合量が50vol%を越えるようになると、接着剤として接着性が低下するようになるからである。
また、この窒素含有化合物の粒径(平均粒径)としては、10μm以下、好ましくは5μm以下のものの使用が望ましい。その理由は、難燃剤として粒径が10μm以下であると、膜厚を薄く塗布した際に表面性に優れるため具合がよく、一方、粒径が10μmを越えるようになると、膜厚を薄く塗布した際に表面性が低下して具合が悪いからである。
窒素含有化合物と一緒に配合されるケイ酸アルミニウムは、所謂無機充填剤のクレーのことで、特に焼成した焼成クレーの使用が望ましい。このケイ酸アルミニウムを配合するのは、上述したように、FPC製造工程中における高温、高湿度下でのストレスにより、構成材料中に含まれる種々のイオン性の不純物が溶出したり、構成材料の部分的な分解などによりイオンが発生したりするわけであるが、これらの不純物やイオンがケイ酸アルミニウムによって捕捉されるからと推測している。勿論、不純物やイオンの捕捉により、銅の溶出や析出も抑制されることになる。この点から、通常のクレーよりも、焼成により水分などの捕捉力が増強された焼成クレーの方がよい。このクレーの具体的な特性グレードとしては、粒径が0.5〜10μm、比表面積が1〜100m2 /g、吸油量が10〜100g/100gのものが好ましい。
本発明のベース樹脂には、さらに、必要により、他の材料をその特性が変わらない範囲で、適宜配合することができる。例えば、腐食防止剤のベンゾトリアゾール(BTA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、2−アミノエタノール、その他には、レベリング剤、粘度調整剤などを配合することができる。BTAを配合すると、後述する実施例から明らかなように、銅箔部分の腐食が抑えられ、耐マイグレーション性のより一層の向上が図られる。
図1〜図3は、上記ノンハロゲン難燃接着樹脂混和物を用いた、本発明のフレキシブルプリント配線板用金属張積層板、カバーレイフィルム及びフレキシブルプリント配線板を示したものである。
図1のフレキシブルプリント配線板用金属張積層板10Aは、FPC製造前のものであって、ポリイミドフィルムなどのベースフィルム11の片面(両面も可)に、上記本発明のノンハロゲン難燃接着樹脂混和物からなる接着剤12により金属箔、即ち銅箔13を貼り付けてなる。図2のFPC10Bは、上記積層板10Aに対して、所定の化学的処理を施して銅箔13部分に回路パターンを形成したものである。なお、FPC10Bの上面側に、保護層として、ポリイミドフィルムなどのベースフィルム14の片面(下面)に、やはり上記本発明のノンハロゲン難燃接着樹脂混和物からなる接着剤12の層を施した図3のカバーレイフィルム10Cを被覆させてある。また、両ベースフィルム11,14もポリイミドフィルムに限定されず、通常用いられる他のフィルムも使用できる。
いずれにしても、これらの物品の場合、難燃性、接着性及び耐マイグレーション性に優れた本発明のノンハロゲン難燃接着樹脂混和物からなる接着剤12を用いてあるため、層間剥離が起き難く、また、マイグレーション現象による短絡が発生し難く、特性的に安定した信頼性が得られる。勿論、ノンハロゲン性の難燃剤により燃焼破棄や投棄時において有毒ガスや有毒物質の発生はない。
表1〜表7に示すように、本発明の要件を満たすノンハロゲン難燃接着樹脂混和物の配合のものと(実施例1〜20)と、本発明の要件を欠く同様の配合のもの(比較例1〜15)を用い、サンプルの接着剤を作り、これを厚さ25μmのポリイミドフィルム上に乾燥時厚さ30μmで塗布して試験用のサンプルシートを作成した。そして、各サンプルシートについて、特性評価のため、下記の各試験と検査を行った。つまり、難燃性試験、接着性評価のための接着強度試験、及び耐マイグレーション性を評価するための絶縁抵抗試験を行い、デンドライト発生の有無も調べ、また、塗膜表面性試験により表面状態を調べた。なお、各表1〜7中における各材料の配合量の数値はvol%を表す。
各表において、ベース樹脂Aの配合は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂37.1wt%、酸無水物系硬化剤34.8wt%、ゴム成分のカルボキシル基含有NBR27.0wt%、硬化促進剤の三級アミン04.0wt%である。ベース樹脂Bの配合は、ノボラック型エポキシ樹脂14.1wt%、ビスフェノールA型エポキシ樹脂43.6wt%、硬化成分のフェノール樹脂23.4wt%、ゴム成分のカルボキシル基含有NBR18.7wt%、硬化剤のイミダゾール0.2wt%である。ベース樹脂Cの配合は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂64.5wt%、芳香族アミン系硬化剤(4,4′−ジアミノジフェニルスルホン)22.5wt%、ゴム成分のカルボキシル基含有NBR13.0wt%である。
窒素含有化合物は、表面処理なしのメラミンシアヌレートで、平均粒径にあっては、5μm、10μm、20μmのものを用いた。ケイ酸アルミニウムは、焼成クレーで、その特性グレードは、粒径が0.5〜10μm、比表面積が1〜100m2 /g、吸油量が10〜100g/100gである。実施例15〜20の添加剤は、腐食防止剤のベンゾトリアゾール(BTA)である。比較例15の難燃剤であるリン系化合物はリン酸トリキシレニルである。
〈難燃性試験〉
上記サンプルシートについて、UL94VTM試験を行い、VTM−0 に合格したものを○で表示し、不合格のものを×で表示する。
上記サンプルシートについて、UL94VTM試験を行い、VTM−0 に合格したものを○で表示し、不合格のものを×で表示する。
〈接着強度試験〉
上記サンプルシートの接着剤面側を、35μm厚さの銅箔に貼り合わせ、170℃、40Kg/cm2 で40分間プレスした貼り合わせサンプルを作り、180°剥離強度の測定を行った。測定数値はN/cm単位で表し、FPCの値としては通常7N/cm程度あれば、ほぼ合格である。
上記サンプルシートの接着剤面側を、35μm厚さの銅箔に貼り合わせ、170℃、40Kg/cm2 で40分間プレスした貼り合わせサンプルを作り、180°剥離強度の測定を行った。測定数値はN/cm単位で表し、FPCの値としては通常7N/cm程度あれば、ほぼ合格である。
〈絶縁抵抗試験〉
先ず、上記サンプルの接着剤を乾燥時厚さが10μmとなるように25μmポリイミドフィルムに塗布し、この接着剤面側に18μm圧延銅箔を貼り合わせた後、160℃程度で5時間加熱硬化させ、片面タイプの金属張積層板を作った。この積層板の銅箔上に互いに対向するくし型の回路パターンを形成した。くし型の歯部分の隣接する間隔は、ランド部L/シー部S=100μm/100μmで100μmとした。
先ず、上記サンプルの接着剤を乾燥時厚さが10μmとなるように25μmポリイミドフィルムに塗布し、この接着剤面側に18μm圧延銅箔を貼り合わせた後、160℃程度で5時間加熱硬化させ、片面タイプの金属張積層板を作った。この積層板の銅箔上に互いに対向するくし型の回路パターンを形成した。くし型の歯部分の隣接する間隔は、ランド部L/シー部S=100μm/100μmで100μmとした。
次に、この回路パターン上に、上記サンプルの接着剤を乾燥時厚さが30μmとなるように塗布した25μmポリイミドフィルムを、170℃、40Kg/cm2 で40分間プレスしてサンプルFPCを作った。この各サンプルFPCを、85℃、85%RH(湿度)の雰囲気下におき、DC50Vで対向するくし型の回路パターンに印加し、240時間保持した。その後、絶縁抵抗の測定を行った。測定数値はΩ単位で表し、表中では10nをE+nで示してある。FPCの値として好ましくは108 Ω以上であれば、十分な値と言える。また、顕微鏡によりサンプルFPC中のデンドライト発生の有無を調べた。
そして、デンドライトが発生している場合を×で表示し、殆ど発生してはいない場合を○で表示する。
そして、デンドライトが発生している場合を×で表示し、殆ど発生してはいない場合を○で表示する。
先ず、上記表1〜表7から、本発明の実施例1〜14では、いずれの物性においても、良好な結果が得られていることが判る。また、実施例15〜20において、添加剤として腐食防止剤のBTAを配合した場合、絶縁抵抗が向上し、デンドライトの発生も抑えられていることが判る。特に全般的に絶縁抵抗値が大きく、良好な耐マイグレーション性が確保されていることが判る。これに対して、比較例1〜3では、窒素含有化合物が10vol%未満と少なく、難燃性が不十分であることが判る。比較例4〜6では、窒素含有化合物が50vol%を越えて多すぎるため、接着性が低下することが判る。比較例7〜8では、窒素含有化合物の粒径が大きすぎるため、塗膜表面性が悪いことが判る。比較例9〜11では、ケイ酸アルミニウムが無配合のため、耐マイグレーション性の大きな改善がないことが判る。比較例12〜14では、ケイ酸アルミニウムの配合量が多すぎるため、接着性が低下することが判る。また、耐マイグレーション性改善効果もあまり見られなった。比較例15では、難燃剤がリン系化合物であるため、絶縁抵抗が低く、デンドライト発生により短絡することが判る。
10A・・・フレキシブルプリント配線板用金属張積層板
10B・・・フレキシブルプリント配線板
10C・・・カバーレイフィルム
11・・・ベースフィルム
12・・・ノンハロゲン難燃接着樹脂混和物の接着剤
13・・・銅箔
14・・・ベースフィルム
10B・・・フレキシブルプリント配線板
10C・・・カバーレイフィルム
11・・・ベースフィルム
12・・・ノンハロゲン難燃接着樹脂混和物の接着剤
13・・・銅箔
14・・・ベースフィルム
Claims (9)
- 少なくともエポキシ樹脂、硬化剤、ゴム成分からなるベース樹脂89〜45vol%と窒素含有化合物10〜50vol%とケイ酸アルミニウム1〜5vol%とからなることを特徴とするノンハロゲン難燃接着樹脂混和物。
- 前記ゴム成分がアクリル系ゴムからなることを特徴とする請求項1記載のノンハロゲン難燃接着樹脂混和物。
- 前記アクリル系ゴムがカルボキシル基を含有するものであることを特徴とする請求項1又は2記載のノンハロゲン難燃接着樹脂混和物。
- 前記窒素含有化合物の粒径が10μm以下であることを特徴とする請求項1、2又は3記載のノンハロゲン難燃接着樹脂混和物。
- 前記窒素含有化合物がメラミンシアヌレートであることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のノンハロゲン難燃接着樹脂混和物。
- 前記ケイ酸アルミニウムのグレードが粒径0.5〜10μm、比表面積1〜100m2 /g、吸油量10〜100g/100gであることを特徴とする請求項1、2、3、又は5記載のノンハロゲン難燃接着樹脂混和物。
- 前記請求項1〜6のいずれかに記載のノンハロゲン難燃接着樹脂混和物を接着剤層に用いたことを特徴とするフレキシブルプリント配線板用金属張積層板。
- 前記請求項1〜6のいずれかに記載のノンハロゲン難燃接着樹脂混和物を接着剤層に用いたことを特徴とするカバーレイフィルム。
- 前記請求項1〜6のいずれかに記載のノンハロゲン難燃接着樹脂混和物を接着剤層に用いたことを特徴とするフレキシブルプリント配線板。
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