JP2005131788A - スローアウェイ式ボールエンドミル - Google Patents

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Abstract

【課題】 切削抵抗を低減でき、かつ、切刃強度を不用意に低めることなく、切屑を安定して分断できるチップを装着したスローアウェイ式ボールエンドミルを提供する。
【解決手段】 工具本体21の先端部に、切刃17を有するスローアウェイチップ10が装着されたスローアウェイ式ボールエンドミル20であって、スローアウェイチップ10は、上面12と側面との稜線部に略円弧状の切刃17が形成されてなり、工具本体21に装着されたときに、切刃17の回転軌跡が略球面の一部をなすように形成され、上面12に、複数の溝部14と山部15とが交互に配列されてなるセレーション16が切刃17に交差するように形成されて、切刃17が波形状をなし、かつ、溝部14のうちの少なくとも一つが、他の溝部14B、14Cよりも深く形成された深溝部14A、14Dとされていることを特徴とする。
【選択図】 図6

Description

本発明は、スローアウェイチップ(以下、チップと称する。)を着脱可能に装着するスローアウェイ式ボールエンドミルに関するものである。
このようなスローアウェイ式ボールエンドミルに装着されるチップの一例として、特許文献1に開示されたようなものがある。
このチップは、上面と側面との稜線部に形成された略1/4円弧状をなす切刃が、複数の正弦波形を含み、切削抵抗を低減させ、ワークから生成される切屑の破断及び除去を向上させるようにしたものである。
また、この波形状をなす切刃は、波形を構成する溝部の深さ(山部の高さ)が、すべての溝(山)について同一となっている、すなわち、切刃がその全長に亘って同一の振幅を有する波形状をなしている。
特表平11−500670号公報
上記のような波形状をなす切刃を有するチップを用いて、ダウンカット(切屑厚みが厚いところから薄くなるようにワークを切削していく下向き削り)でワークを切削していく場合には、その切削のしやすさゆえに、切削抵抗を低減するとともに、切屑を分断して切屑排出性を良好に保つという効果を発揮することができる。
しかしながら、アップカット(切屑厚みが薄いところから厚くなるようにワークを切削していく上向き削り)でワークを切削していく場合には、最後に厚みの厚い切屑が圧縮されるので、この切屑が分断されずに連なって生成されてしまうことがあり、切屑排出性を良好に保つことが困難となるおそれがあった。
なお、アップカットの場合でも切屑を確実に分断することができるように、セレーションを構成する溝部の深さを深く設定したならば、切屑の分断には効果があるものの、この切刃の波形がすべての溝部と山部について同一の振幅を有するように形成されていることから、必然的に振幅の非常に大きい波形状をなす切刃とならざるを得ず、切刃強度を不用意に低めてしまうので、効果的な解決手段とは成り得なかった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、切削抵抗を低減でき、かつ、切刃強度を不用意に低めることなく、切屑を安定して分断できるチップを装着したスローアウェイ式ボールエンドミルを提供することを目的とする。
上記の課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は、軸状に形成された工具本体の先端部に、切刃を有するスローアウェイチップが着脱可能に装着されたスローアウェイ式ボールエンドミルであって、前記スローアウェイチップは、着座面とされる下面に対向する上面と側面との稜線部に略円弧状の切刃が形成されてなり、前記工具本体に装着されたときに、該切刃の回転軌跡が略球面の一部をなすように形成され、前記上面に、複数の溝部と山部とが交互に配列されてなるセレーションが前記切刃に交差するように形成されて、該切刃が波形状をなし、かつ、前記溝部のうちの少なくとも一つが、他の溝部よりも深く形成された深溝部とされていることを特徴とする。
上記の構成のスローアウェイ式ボールエンドミルでは、チップの上面と側面との稜線部に形成された切刃が波形状をなすことになるため、この切刃の波形における溝部と山部とでワークへの食い付きのタイミングがずらされるので、切削抵抗の低減を図ることができる。
そして、セレーションを構成する溝部のうちの少なくとも一つが、他の溝部よりも深く形成された深溝部とされているため、この深溝部の存在によって、切削抵抗を低減するだけでなく、切屑の安定した分断効果を確実に得ることができる。このように、他の溝部よりも深さの深い深溝部によって、切屑分断効果を得るようにしていることから、アップカットのように切屑を分断しづらい状況であったとしても、深溝部のみの深さを設定することによって確実な切屑分断効果を得ることができ、他の溝部までを深く形成する必要がなくなるので、切刃強度を必要以上に低下させてしまうことがない。
また、チップの前記溝部と山部とが曲面によって構成することにより、チップの上面と側面との稜線部に形成された切刃も曲線によって構成された波形状をなすので、切刃の強度を確保できることとなる。
また、チップの前記溝部と山部とがそれぞれ前記切刃に略直交する方向に延びて該切刃に交差させるようにすることにより、切刃のほぼ全長に亘って安定した形状の波形を維持することが可能となり、上面と側面との稜線部に形成された波形状をなす切刃におけるいかなる位置が切削に供される場合であっても、安定した切削抵抗の低減効果と切屑の分断効果とを期待できる。
また、チップの前記深溝部が、前記切刃におけるワークの切削に供される切刃部分が複数に略等分割する位置に配置されるようにすることにより、ワークの切削に供される切刃部分によって生成される切屑が、深溝部によって複数に略等分割されて分断されることとなり、切屑排出性をより良好に維持することができる。
また、チップの前記深溝部が、複数形成されるとともに、これら深溝部の深さを前記切刃の先端から遠ざかるにしたがい順次深くなるように設定することにより、略円弧状をなす切刃によって生成される切屑は、工具本体の軸線に直交する方向への送りを考慮すると、切刃の先端から遠ざかるにしたがって漸次厚みが厚くなっていくが、このような構成とすると、生成される切屑の厚みにあわせて、各深溝部に対して必要十分な溝深さが与えられることとなるので、切刃強度を維持しつつ、確実な切屑分断効果を得ることができる。
また、チップの前記切刃を、前記溝部と山部とが延びる方向に沿って前記側面に対向して見たとき、前記切刃上における前記深溝部の深さを、1.2〜3.0mmの範囲に設定することにより、切刃強度の低下を必要以上に生じさせることなく、安定して切屑を分断することができる。
ここで、深溝部の溝深さが1.2mmより浅すぎると、深溝部による切屑の確実な分断効果を得ることができなくなってしまうおそれがあり、一方、深溝部の溝深さが3.0mmより深すぎても、この深溝部周辺の切刃強度を必要以上に低下させてしまうおそれがある。
それゆえ、本発明では、深溝部の深さを1.2〜3.0mmの適切な範囲に設定している。
また、チップの前記切刃を、前記溝部と山部とが延びる方向に沿って前記側面に対向して見たとき、前記切刃上における前記深溝部を除く他の溝部の深さを、0.3〜1.2mmの範囲に設定することにより、切刃強度の低下を生じさせることなく、安定して切削抵抗の低減を図ることができる。
ここで、深溝部を除く他の溝部(浅溝部)の深さが0.3mmより浅すぎると、浅溝部による切削抵抗低減の効果が得られにくくなってしまうおそれがあり、一方、浅溝部の深さが1.2mmより深すぎても、この浅溝部周辺の切刃強度の低下を招いてしまうおそれがある。
それゆえ、本発明では、浅溝部の深さを、0.3〜1.2mmの適切な範囲に設定している。
また、チップの前記切刃を、前記溝部と山部とが延びる方向に沿って前記側面に対向して見たとき、前記切刃上における隣接する前記溝部の底同士の間の距離を、2.0〜10.0mmの範囲に設定することにより、安定して、切削抵抗の低減を図るとともに、切屑を分断することができる。
ここで、隣接する溝部の底同士の間の距離が2.0mmより小さすぎると、上面の辺綾部に形成される切刃が非常に細かい波形状を呈し、一方、隣接する溝部の底同士の間の距離が10.0mmより大きすぎても、上面の辺綾部に形成される切刃が非常に緩やかな波形状を呈することとなるので、切削抵抗の低減を図ったり、切屑を分断することができなくなってしまうおそれが生じてしまう。
それゆえ、本発明では、切刃上における隣接する溝部の底同士の間の距離を、2.0〜10.0mmの適切な範囲に設定している。
また、チップの前記切刃を、前記溝部と山部とが延びる方向に沿って対向して見たとき、前記切刃上における隣接する前記溝部の底同士の間の距離を、略等間隔になるように設定することにより、例えばチップを2枚装着した場合、一のチップの切刃における溝部の回転軌跡が通過する位置と、他のチップにおける山部の回転軌跡が通過する位置とを略同一にし、かつ、一のチップの切刃における山部の回転軌跡が通過する位置と、他のチップにおける溝部の回転軌跡が通過する位置とを略同一にするように、2枚のチップを配置することができる。
つまり、切刃によって切削されたワークの加工面に、この切刃の波形が反映されてしまうときに、上記のように例えば2枚のチップを配置することで、ワークの加工面の面粗さの低下を抑制することができる。
また、チップの前記切刃の先端部分に連なる前記上面を、該切刃の先端に向かうにしたがい前記下面に近づく傾斜面とし、この傾斜面を除く前記上面に前記セレーションを形成することにより、周速が小さく、多大な切削負荷を受ける切刃の先端部分の刃先角を大きくできるとともに、傾斜面によってチップの厚みが薄くなった部分の上面にセレーションが形成されておらず、チップの剛性を低めてしまうことがない。
本発明によれば、チップの上面に、複数の溝部と山部とが交互に配列されたセレーションが、切刃に交差するように形成されていて、切刃が波形状をなしていることから、この切刃の波形における溝部と山部とでワークへの食い付きのタイミングをずらして、切削抵抗の低減を図ることができる。
そして、セレーションを構成する溝部のうちの少なくとも一つが、他の溝部よりも深く形成された深溝部とされているため、この深溝部の存在によって、切削抵抗を低減するだけでなく、切屑を安定した分断効果を確実に得ることができる。このように、他の溝部よりも深さの深い深溝部によって、切屑分断効果を得るようにしていることから、アップカットのように切屑を分断しづらい状況であったとしても、深溝部のみの深さを適宜設定することによって、他の溝部までを深く形成する必要がなくなり、これにより、切刃強度を低下させることなく、確実な切屑分断効果を得ることができる。
以下、本発明の実施形態であるスローアウェイ式ボールエンドミルを添付した図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の実施形態であるスローアウェイ式ボールエンドミルに装着されるチップの斜視図、図2は同チップの上面図、図3は同チップのA方向矢視図、図4は同チップのB方向矢視図、図5は同チップの切刃を平面に展開して見たときの仮想の説明図である。
本実施形態であるスローアウェイ式ボールエンドミルに装着されるチップ10は、例えば超硬合金等の硬質材料から形成されて、図1乃至図4に示すように、略木の葉形板状を呈しており、工具本体に装着される際の着座面をなす下面11に対向してすくい面とされる上面12が設けられ、逃げ面とされる側面13は下面11から上面12に向けて漸次外方側に傾斜して設けられていて、ポジチップとされている。
この逃げ面とされる側面13は、チップ10の上面12側に位置する第一逃げ面13Aと、第一逃げ面13Aに段差部13Cを介して連なるとともに下面11側に位置する第二逃げ面13Bとから構成されており、これら第一逃げ面13Aと第二逃げ面13Bとは互いに平行で、第二逃げ面13Bが第一逃げ面13Aよりも一段内方側に位置するようになっている。
また、チップ10には、上面12の中央部から下面11まで貫通してクランプねじ止め用の挿通孔19が形成されており、下面11には、その長手方向に交差して挿通孔19の前後に例えば2つのキー溝18,18が形成されている。
上面12の辺稜部(上面12と側面13との交差稜線部)には、図1及び図2に示すように、平面視において略1/4円弧状をなす一対の切刃17,17が、挿通孔19を挟んで互いに反対側に位置するように形成されている。これらの切刃17,17は平面視においてチップ10の中心に対して点対称となるように形成されていて、一つのチップで2回の使い回しができるように図られている。
なお、これら略1/4円弧状をなす一対の切刃17,17は、詳しくは、平面視において、各切刃17の先端側部分を構成してワークの主たる切削に供されることになる略1/4円弧状をなす円弧部分と、この略円弧部分に接線の関係で滑らかに連なり、各切刃17の後端側部分を構成する略直線状をなす直線部分とから構成されている。
また、上面12のその長手方向の両端側部分には、一方の切刃17の先端のコーナー部17A、後端のコーナー部17B側のそれぞれに向かうにしたがい漸次チップ10の下面11に近づくように傾斜した2つの傾斜面12A,12Bが形成されている。
上面12に傾斜面12A,12Bが形成されていることで、一方の切刃17の先端側部分を構成する円弧部分の先端側一部分が、傾斜面12A上に形成されているとともに、一方の切刃17の後端側部分を構成する直線部分が、傾斜面12B上に形成されている。
これにより、一方の切刃17において、その先端のコーナー部17A側に、コーナー部17Aから離れるにしたがい下面11との距離が増大するように傾斜した略円弧状の第一傾斜切刃17Cが形成されるとともに、後端のコーナー部17B側に、コーナー部17Bから離れるにしたがい下面11との距離が増大するように傾斜した略直線状の第二傾斜切刃17Dが形成されている。
また、他方の切刃17にも、略円弧状の第一傾斜切刃17Cと略直線状の第二傾斜切刃17Dとが形成されていて、一方の切刃17と同様の構成とされている。
そして、上記傾斜面12A,12Bを除く上面12において、この上面12の中央部の挿通孔19の周囲は、下面11と平行な平坦面12Cとされるとともに、平坦面12Cの周囲、すなわち、上面12の辺稜部に形成された一対の切刃17,17付近には、複数の溝部14と山部15とが略等間隔に交互に配列されたセレーション16,16がそれぞれ形成されている。
このセレーション16を構成する複数の溝部14と山部15は、それぞれ滑らかな曲面によって構成されて互いに滑らかに接続されており、さらに、このセレーション16における複数の溝部14と山部15が、それぞれ上面12の辺稜部に形成された略円弧状をなす一対の切刃17,17に対して、略直交する方向に下面11と平行に延びて、切刃17,17の任意の位置で略直交して交差し、切刃17,17の略全長(第一傾斜切刃17C,第二傾斜切刃17Dを除く切刃17)が、側面視において、図3及び図4に示すように、滑らかな曲線によって構成された波形状を呈している。
一方の切刃17に交差しているセレーション16における複数の山部15については、それぞれの高さが互いに略同一とされ、かつ、その山部15の頂点部分が上面12における平坦面12Cと略同一平面状に位置させられている。
なお、一方の切刃17の長手方向(延在方向)の両端に位置する山部15は、その一部が上面12に形成された傾斜面12A,12Bにさしかかっているために、他の山部15よりもわずかに低い高さとなっている。
これに対し、一方の切刃17に交差しているセレーション16における複数の溝部14(例えば4つ)については、そのうちの少なくとも一つ、本実施形態では例えば2つの溝部14が他の2つの溝部14よりも深く形成されており、一方の切刃17の先端のコーナー部17Aに近い方から、第一深溝部14A,第一浅溝部14B,第二深溝部14C,第二浅溝部14Dと順次配列されて、深溝部と浅溝部が交互に配列された状態となっている。
第一浅溝部14Bと第二浅溝部14Dとは、その深さが互いに略同一とされているのに対し、第一深溝部14Aと第二深溝部14Cとは、その深さが互いに異なっており、一方の切刃17の先端のコーナー部17Aから遠い位置にある深溝部、すなわち、第二深溝部14Cの方が、第一深溝部14Aよりも深くなるように形成されている。
そして、これら第一深溝部14Aと第二深溝部14Cとは、一方の切刃17における略1/4円弧状をなす円弧部分(第二傾斜切刃17Dを除く切刃17)を複数(3つ)に略等分割する位置に交差するようにそれぞれ配置されている。
また、他方の切刃17に交差しているセレーション16についても、その溝部14が、他方の切刃17の先端のコーナー部(一方の切刃17の後端のコーナー部17B)に近い方から、第一深溝部14A,第一浅溝部14B,第二深溝部14C,第二浅溝部14Dと順次配列されてなる構成とされていて、一方の切刃17と同様の構成とされている。
なお、上面12には、挿通孔19の周囲に位置する平坦面12Cと、傾斜面12A,12B及びセレーション16,16とを接続するために、平坦面12Cからチップ10の外方側に向かうにしたがい(一対の切刃17,17に向かうにしたがい)下面11側に近づくように傾斜したブレーカ傾斜面12Dが形成されている。
このブレーカ傾斜面12Dは、一対の切刃17,17に至る手前で、傾斜面12A,12B及びセレーション16,16に接続されているが、セレーション16の溝部14について、第一深溝部14A,第二深溝部14Cが第一浅溝部14B,第二浅溝部14Dよりも深く形成されているため、このブレーカ傾斜面12Dも、第一深溝部14A,第二深溝部14Cに接続される部分の方が、第一浅溝部14B,第二浅溝部14Dに接続される部分よりも切刃17に近づくように張り出している。
さらには、第一深溝部14A,第二深溝部14Cのうちでも、第二深溝部14Cが第一深溝部14Aよりも深く形成されているため、このブレーカ傾斜面12Dも、第二深溝部14Cに接続される部分の方(切刃17の先端のコーナー部17Aから遠ざかった位置に配置された深溝部に接続される部分の方)が、第一深溝部14Aに接続される部分よりも切刃17に近づくように張り出している。
ここで、セレーション16の溝部14及び山部15によって波形状を呈する切刃17の形状を詳しく説明すると、図5に示すように、切刃17を、溝部14と山部15とが延びる方向に沿って側面13に対向して見たとき、すなわち、略円弧状をなす切刃17を、一つの平面に展開して見たときの仮想の説明図において、この切刃17は、異なる曲率半径の曲線が互いに滑らかに接続されたような波形状をなしている。
また、図5に示すように、切刃17上における溝部14のうちの、第一浅溝部14Bの深さHB(山部15の頂点15X(互いに略同一高さで平坦面12Cと略同一平面状に位置する山部15の頂点15X)と溝部14の底14Xとのチップ10の厚み方向、すなわち、下面11に直交する方向での距離)と、第二浅溝部14Dの深さHDとが、略同一とされているとともに、0.3〜1.2mmの範囲となるように設定されており、本実施形態においては、(第一浅溝部14Bの深さHB)=(第二浅溝部14Dの深さHD)=0.8mmに設定されている。
同じく図5に示すように、切刃17上における溝部14のうちの、第一深溝部14Aの深さHAと、第二深溝部14Cの深さHCとが、1.2〜3.0mmの範囲に設定されているとともに、第二深溝部14Cの深さHCが、第一深溝部14Aの深さHAよりも深くなるように設定されており、本実施形態においては、(第一深溝部14Aの深さHA)=2.0mm、(第二深溝部14Cの深さHC)=2.4mmに設定されている。
すなわち、この切刃17上における溝部14の深さの関係が、(第一浅溝部14Bの深さHB)=(第二浅溝部14Dの深さHD)<(第一深溝部14Aの深さHA)<(第二深溝部14Cの深さHC)、となっているのである。
さらに同じく図5に示すように、切刃17上において、隣接する溝部14の底14X同士の間の距離P、すなわち、溝部14間のピッチが、略等間隔になるように設定され、かつ、2.0〜10.0mmの範囲に設定されている。
また、切刃17上における隣接する山部15の頂点15X同士の間の距離(山部15間ピッチ)も、略等間隔になるように設定され、かつ、隣接する溝部14の底14X同士の間の距離Pと略同一となっている。加えて、隣接する溝部14の底14Xと山部15の頂点15Xとの間の距離(溝部14と山部15間のピッチ)も略等間隔になるように設定されている。
次に、このチップ10を2枚装着した、本実施形態であるスローアウェイ式ボールエンドミルについて図6乃至図8を参照しながら説明する。
図6は本実施形態であるスローアウェイ式ボールエンドミルの平面図、図7は同ボールエンドミルの側面図、図8は同ボールエンドミルの先端面図である。
このスローアウェイ式ボールエンドミル20は、軸線O回りに回転される略円柱状をなす工具本体21の先端部が、軸線O方向の先端側に凸となる略半球状を呈しており、この先端部に軸線Oを挟むようにして互いに反対側に、軸線O方向の先端側から見て図8に示すごとく、直角に切り欠かれるようにして一対のチップポケット22A,22Bが形成されている。
これらのチップポケット22A,22Bの工具回転方向T前方側を向く壁面には、それぞれの工具本体先端側に第一のチップ取付座23,23が形成されているとともに、それぞれの工具本体後端側に第二のチップ取付座24,24が形成されている。
チップポケット22A,22Bの工具本体先端側に設けられた第一のチップ取付座23,23はチップポケット22A,22Bの壁面から工具回転方向T後方側に一段後退して先端部の外周面に交差し、それぞれ2つのキー23C,23Cが形成された平面状の底面23Aと、この底面23Aから屹立する壁面23Bとから構成されている。
また、この第一のチップ取付座23,23の底面23A,23Aは、図7に示すように工具本体後端側に向かうにしたがい工具回転方向T後方側に傾斜するように形成されている。
ここで、チップ10は、一方のチップポケット22Aの工具本体先端側の第一のチップ取付座23において、上面12を工具回転方向T前方側に向けて、他方の切刃17に連なる側面13における第一逃げ面13Aを壁面23Bに当接させ、さらに、一方の切刃17の先端のコーナー部17Aを軸線O上に位置させて、そこから一方の切刃17が工具本体後端外周側に延びるように配置されるとともに、チップ10の一方の切刃17の軸線O回りの回転軌跡が略半球状になるようにクランプねじ25により装着されている。
また、第一のチップ取付座23の底面23Aに形成されたキー23C,23Cがチップ10のキー溝18,18に係合しており、チップ10のズレが防止されている。
このとき、チップ10の上面12の一方の切刃17付近に形成されたセレーション16の溝部14と山部15は、この一方の切刃17がなす回転軌跡の略半球の中心から放射状に延びる方向にそれぞれ配置されるように、チップ10が装着されている。
また、切刃17における第一傾斜切刃17Cは、そのアキシャルレーキ角が負角のネガに設定される一方、切刃17における第二傾斜切刃17Dは、そのアキシャルレーキ角が正角のポジに設定される。
さらに、切刃17上において、山部15とその工具本体先端側に隣接する溝部14との間の部分が、アキシャルレーキをネガに設定され、山部15とその工具本体後端側に隣接する溝部14との間の部分が、アキシャルレーキをポジに設定されることになる。すなわち、波形状を呈する切刃17は、工具本体先端側から後端側に向けて、順次、ネガとポジとが繰り返されるアキシャルレーキを有するように形成されていることになる。
また、他方のチップポケット22Bの工具本体先端側の第一のチップ取付座23に装着されるチップ10′は、本実施形態によるチップ10のセレーション16のピッチを維持したまま、チップ10の長さをわずかに小さくしたような略同形状をなしているものであり、チップ10と同様の部分には同一の符号を用いてその説明を省略する。
このチップ10′は、図6及び図8に示すように、チップ10′の切刃17の先端のコーナー部17Aが、チップ10の切刃17の先端のコーナー部17Aよりもわずかに工具本体外周側に位置させられ、そこからチップ10′の切刃17が工具本体後端外周側に延びており、チップ10′の切刃17の軸線O回りの回転軌跡が、チップ10の切刃17の回転軌跡とオーバーラップするように配置されている。
このとき、チップ10の切刃17がなす各溝部14の軸線O回りの回転軌跡が通過する位置と、チップ10′の切刃17がなす各山部15の軸線O回りの回転軌跡が通過する位置とが同一となり、かつ、チップ10の切刃17がなす各山部15の軸線O回りの回転軌跡が通過する位置と、チップ10′の切刃17がなす各溝部14の軸線O回りの回転軌跡が通過する位置とが同一となっている。
そして、他方のチップポケット22Bの工具本体後端側の第二のチップ取付座24には、略四角形平板状をなすチップ30が、その上面の辺稜部に形成された略直線状をなす切刃31の回転軌跡を、一方のチップポケット22Aの第一のチップ取付座23に装着されたチップ10の切刃17における第二傾斜切刃17Dの回転軌跡とオーバーラップさせるように装着されている。
さらに、一方のチップポケット22Aの工具本体後端側の第二のチップ取付座24には、略四角形平板状をなすチップ40が、その上面の辺稜部に形成された略直線状をなす切刃41の回転軌跡を、他方のチップポケット22Bの第二のチップ取付座24に装着されたチップ30の切刃31の回転軌跡とオーバーラップさせるように装着されている。
上記の構成のスローアウェイ式ボールエンドミル20は、チップ10の上面12に複数の溝部14と山部15とが交互に配列されてなるセレーション16が切刃17に交差するように形成されていて、波形状の切刃17を有していることから、この切刃17の波形における溝部14と山部15とで、ワークへの食い付きのタイミングがずらされることとなり、切削抵抗の低減を図ることができる。
そして、セレーション16を構成する溝部14として、第一浅溝部14B,第二浅溝部14Dよりも深い第一深溝部14A,第二深溝部14Cが形成されているため、これら第一深溝部14A,第二深溝部14Cの存在により、切削抵抗低減の効果を得ることができるのに加えて、確実に切屑を分断することができるのである。
このように、深さの深い第一深溝部14Aと第二深溝部14Cとによって、切屑を分断する効果を得るようにしたことから、アップカットの場合のように、生成される切屑が分断しづらくなっている状況であったとしても、これら第一深溝部14Aと第二深溝部14Cとの深さを適宜設定することによって確実に切屑を分断することが可能となり、他の第一浅溝部14B,第二浅溝部14Dまでを深く形成する必要がなくなるので、溝部14と山部15とが曲面によって構成されていることとも相俟って、切刃17の強度を必要以上に低下させることがなくなる。
また、溝部14と山部15が切刃17に対して略直交する方向に延びて、この切刃17に任意の位置で略直交して交差することで切刃17の波形を形成しているから、切刃17のほぼ全長に亘って安定した形状の波形を維持することが可能となり、上面12の辺稜部に形成された波形状をなす切刃17におけるいかなる位置が切削に供される場合でも、安定して、切削抵抗の低減を図り、切屑の分断効果を得ることができる。
さらに、第一深溝部14Aと第二深溝部14Cとが、一方の切刃17におけるワークの切削に供される切刃部分、すなわち、略1/4円弧状をなす円弧部分を3つに略等分割する位置に交差するようにそれぞれ配置されていることから、この円弧部分から生成される切屑が、第一深溝部14A,第二深溝部14Cによって、3つに略等分割されることになり、切屑排出性をより良好に維持することができる。
ここで、チップ10の切刃17は、略1/4円弧状をなしているため、この切刃17によって生成される切屑について、工具本体21の軸線Oに直交する方向への送りを考慮すると、切刃17の先端のコーナー部17Aから遠ざかるにしたがって漸次厚みが厚くなってゆき、切屑を分断しづらくなっていく。
これに対し、本実施形態では、第一深溝部14Aと第二深溝部14Cとについて、その深さが互いに異なっていて、第二深溝部14Cの方が第一深溝部14Aよりも深く形成されて、一方の切刃17の先端のコーナー部17Aから遠ざかるにしたがい順次深くなるように設定されていることから、厚みの厚い切屑が生成される切刃部分には、深さのより深い第二深溝部14Cが配置され、かつ、それほど厚みの厚い切屑が生成されない切刃部分には、第二深溝部14Cよりも浅い第一深溝部14Aが配置される。
これにより、略1/4円弧状をなす切刃17から生成される切屑の厚みにあわせて、必要十分な深さをもった第一深溝部14A及び第二深溝部14Cを配置できることとなり、切屑を確実に分断しつつも、必要以上の切刃強度の低下を招くことがなくなるのである。
また、切刃17を溝部14と山部15とが延びる方向に沿って側面13に対向して見たとき、切刃17上における第一深溝部14A及び第二深溝部14Cの深さHA,HCが浅すぎると、これら第一深溝部14A及び第二深溝部14Cによる確実な切屑分断効果を得ることができなくなってしまうおそれがあり、一方、第一深溝部14A及び第二深溝部14Cの深さHA,HCが深すぎても、これら第一深溝部14A及び第二深溝部14Cの周辺の切刃17の強度を不用意に低めてしまうおそれがある。
それゆえ、本実施形態では、切刃17上における第一深溝部14Aと第二深溝部14Cとの深さHA,HCを、1.2〜3.0mmの適切な範囲に設定したことにより、切刃強度の低下を必要以上に生じさせることなく、安定して切屑を分断することができる。
なお、これら第一深溝部14Aと第二深溝部14Cについて、個別には、第一深溝部14Aの深さHAは、1.2〜2.4mmの範囲に設定されるのが好ましく、第二深溝部14Cの深さHCは、1.8〜3.0mmの範囲に設定されるのが好ましい。
また、同じく、切刃17を溝部14と山部15とが延びる方向に沿って側面13に対向して見たとき、切刃17上における第一浅溝部14B及び第二浅溝部14Dの深さHB,HDが浅すぎると、これら第一浅溝部14B,第二浅溝部14Dによる切削抵抗の低減効果を得ることができにくくなってしまうおそれがあり、一方、第一浅溝部14B及び第二浅溝部14Dの深さHB,HDが深すぎても、切刃強度の低下につながってしまうおそれがある。
それゆえ、本実施形態では、切刃17上における第一浅溝部14Bと第二浅溝部14Dとの深さHB,HDを、0.3〜1.2mmの適切な範囲に設定したことにより、切刃強度の低下を招くことなく、安定して切削抵抗の低減を図ることができる。
さらに、同じく、切刃17を溝部14と山部15とが延びる方向に沿って側面13に対向して見たとき、切刃17上における隣接する溝部14の底14X同士の間の距離Pが小さすぎると、切刃17が非常に細かい波形状を呈してしまい、一方、距離Pが大きすぎても、切刃17が非常に緩やかな波形状を呈することとなって、切削抵抗の低減を図ったり、切屑を分断することができないおそれが生じてしまうことになる。
それゆえ、本実施形態では、距離Pを、2.0mm〜10.0mmと適切な範囲に設定したことにより、波形状の切刃17による切削抵抗の低減効果と、切屑の分断効果を安定して得ることができる。
ここで、チップ10,10′に関しては、その側面13が上面12から下面11側に向かうにしたがい漸次内側に傾斜するポジチップであるために、上面12に対向する方向から切刃17を見ると、切刃17が緩やかな波形状を呈することになってしまい、ワークの加工面にもこの波形が反映されてしまう。
これに対して、本実施形態では、チップ10の切刃17がなす各溝部14の回転軌跡が通過する位置及び各山部15の回転軌跡が通過する位置が、それぞれ、チップ10′の切刃17がなす各山部15の回転軌跡が通過する位置及び各溝部14の回転軌跡が通過する位置と略同一になるように、チップ10,10′が装着されている。
このため、チップ10の緩やかな波形状を呈する切刃17の溝部14と山部15によって切削されて、同じく溝部と山部とからなる緩やかな波形状の加工面が形成されるワークに対し、このチップ10に続いて、チップ10′の切刃37で切削すると、ワークの加工面における山部が、チップ10′の切刃17の山部15によって切削されることになり、ワークの加工面の面粗さを低下させてしまうことがなくなる。
また、上面12に傾斜面12A,12Bが形成されていることから、切刃17の先端のコーナー部17Aに位置する第一傾斜切刃17Cを有することになり、周速が小さく、多大な切削負荷を受ける切刃17の先端部分の刃先角を大きく確保できるとともに、傾斜面12Aによってチップ10の厚みが薄くなった部分の上面12にセレーション16が形成されず、チップ10の剛性を高く保つことができる。
ただし、本実施形態においては、チップ10の上面12の長手方向の両端側部分に、傾斜面12A,12Bが形成されているが、チップ10の厚みが十分に大きく確保できる場合などには、この傾斜面12A,12Bは形成されていなくてもよい。
さらに、上面12におけるブレーカ傾斜面12Dにおいて、とくに第一深溝部14Aと第二深溝部14Cとに接続される部分が、第一浅溝部14B,第二浅溝部14Dに接続される部分よりも切刃17に近い位置にまで張り出していることから、切屑の分断効果を奏する切刃17上における第一深溝部14Aと第二深溝部14Cとから生成される切屑が、生成された後すぐに、ブレーカ傾斜面12Dに接触することとなって、切屑の分断効果をより高めることができる。
加えて、チップ10では、その逃げ面とされる側面13を構成する第一逃げ面13Aと第二逃げ面13Bとが段差部13Cを介して連なるとともに、第二逃げ面13Bが第一逃げ面13Aよりも一段内方側に位置させられており、チップ10の工具本体21への装着の際には、第一逃げ面13Aのみを第一のチップ取付座23の壁面23Bに当接させるようにしている。
このため、側面13における第二逃げ面13Bについては、チップ10の第一のチップ取付座23への固定に使用されないことから、厳密な精度管理が必要とならず、その研磨加工を必ずしも必要としないのである。
それゆえ、側面13については、その第一逃げ面13Aのみを研磨加工によって精度良く仕上げればよく、加工時間の大幅な短縮を図ることができる。
なお、本実施形態においては、セレーション16における溝部14と山部15とを、下面11に対して平行に形成しているが、これに限定されることなく、これら溝部14と山部15とを、切刃17から離間するにしたがい下面11に近づく方向、あるいは、離れる方向に傾斜するように形成してもよい。
例えば、セレーション16を構成する溝部14と山部15とが、切刃17から離間するにしたがい、下面11に近づく方向に傾斜していて、切刃17に対してポジのすくい角が与えられているようにしてもよいし、切刃17から離間するにしたがい下面11から離れる方向に傾斜していて、切刃17に対してネガのすくい角が与えられているようにしてもよい。
この傾斜角は、切刃強度や切れ味を考慮すると、−15゜〜15゜の範囲に設定されることが好ましい(切刃17にポジのすくい角が与えられる方向を正とし、ネガのすくい角が与えられる方向を負とする)。
また、セレーション16の複数の溝部14と山部15の形状は、上記の実施形態において説明したような波形状に限定されず、切刃17の波形によってワークへの食い付きのタイミングをずらして切削抵抗を低減でき、かつ、切屑を分断できるような形状であれば任意に設定してよい。
さらに、一対の切刃17,17が形成されて略木の葉型状とされたチップ10を用いているが、これに限定されることなく、チップの片側のみに切刃が形成されているようなチップを用いてもよい。
本発明の実施形態におけるチップの斜視図である。 本発明の実施形態におけるチップの上面図である。 図2におけるA方向矢視図である。 図2におけるB方向矢視図である。 本発明の実施形態におけるチップの切刃の形状を示す説明図である。 本発明の実施形態であるスローアウェイ式エンドミルの平面図である。 本発明の実施形態であるスローアウェイ式ボールエンドミルの側面図である。 本発明の実施形態であるスローアウェイ式ボールエンドミルの先端面図である。
符号の説明
10 チップ
11 下面
12 上面
12A,12B 傾斜面
13 側面
14 溝部
14A 第一深溝部
14B 第一浅溝部
14C 第二深溝部
14D 第二浅溝部
15 山部
16 セレーション
17 切刃
17A,17B コーナー部
17C 第一傾斜切刃
17D 第二傾斜切刃
20 スローアウェイ式ボールエンドミル
21 工具本体
HA 第一深溝部の深さ
HB 第一浅溝部の深さ
HC 第二深溝部の深さ
HD 第二浅溝部の深さ
O 軸線
P 隣接する溝部の底同士の距離

Claims (11)

  1. 工具本体の先端部に、切刃を有するスローアウェイチップが装着されたスローアウェイ式ボールエンドミルであって、
    前記スローアウェイチップは、着座面とされる下面に対向する上面と側面との稜線部に略円弧状の切刃が形成されてなり、前記工具本体に装着されたときに、該切刃の回転軌跡が略球面の一部をなすように形成され、前記上面に、複数の溝部と山部とが交互に配列されてなるセレーションが前記切刃に交差するように形成されて、該切刃が波形状をなし、かつ、前記溝部のうちの少なくとも一つが、他の溝部よりも深く形成された深溝部とされていることを特徴とするスローアウェイ式ボールエンドミル。
  2. 請求項1に記載のスローアウェイ式ボールエンドミルにおいて、
    前記スローアウェイチップの前記溝部と山部とが曲面によって構成されていることを特徴とするスローアウェイ式ボールエンドミル。
  3. 請求項1または請求項2に記載のスローアウェイ式ボールエンドミルにおいて、
    前記スローアウェイチップの前記溝部と山部とがそれぞれ前記切刃に略直交する方向に延びて該切刃に交差していることを特徴とするスローアウェイ式ボールエンドミル。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のスローアウェイ式ボールエンドミルにおいて、
    前記スローアウェイチップの前記深溝部が、前記切刃におけるワークの切削に供される切刃部分を複数に略等分割する位置に配置されていることを特徴とするスローアウェイ式ボールエンドミル。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のスローアウェイ式ボールエンドミルにおいて、
    前記スローアウェイチップの前記深溝部が複数形成されているとともに、これら深溝部の深さが前記切刃の先端から遠ざかるにしたがい順次深くなるように設定されていることを特徴とするスローアウェイ式ボールエンドミル。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のスローアウェイ式ボールエンドミルにおいて、
    前記スローアウェイチップの前記切刃を、前記溝部と山部とが延びる方向に沿って前記側面に対向して見たとき、
    前記切刃上における前記深溝部の深さが、1.2〜3.0mmの範囲に設定されていることを特徴とするスローアウェイ式ボールエンドミル。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のスローアウェイ式ボールエンドミルにおいて、
    前記スローアウェイチップの前記切刃を、前記溝部と山部とが延びる方向に沿って前記側面に対向して見たとき、
    前記切刃上における前記深溝部を除く他の溝部の深さが、0.3〜1.2mmの範囲に設定されていることを特徴とするスローアウェイ式ボールエンドミル。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のスローアウェイ式ボールエンドミルにおいて、
    前記スローアウェイチップの前記切刃を、前記溝部と山部とが延びる方向に沿って前記側面に対向して見たとき、
    前記切刃上における隣接する前記溝部の底同士の間の距離が、2.0〜10.0mmの範囲に設定されていることを特徴とするスローアウェイ式ボールエンドミル。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれかに記載のスローアウェイ式ボールエンドミルにおいて、
    前記スローアウェイチップの前記切刃を、前記溝部と山部とが延びる方向に沿って前記側面に対向して見たとき、
    前記切刃上における隣接する前記溝部の底同士の間の距離が、略等間隔になるように設定されていることを特徴とするスローアウェイ式ボールエンドミル。
  10. 請求項9に記載のスローアウェイ式ボールエンドミルにおいて、
    前記スローアウェイチップが2枚装着されるとともに、
    前記スローアウェイチップが、一方の前記スローアウェイチップの前記切刃における前記溝部の回転軌跡が通過する位置と、他の前記スローアウェイチップの前記切刃における前記山部の回転軌跡が通過する位置とが略同一になるように配置されたことを特徴とするスローアウェイ式ボールエンドミル。
  11. 請求項1乃至請求項10のいずれかに記載のスローアウェイ式ボールエンドミルにおいて、
    前記スローアウェイチップの前記切刃の先端部分に連なる前記上面が、該切刃の先端に向かうにしたがい前記下面に近づく傾斜面とされていて、この傾斜面を除く前記上面に前記セレーションが形成されていることを特徴とするスローアウェイ式ボールエンドミル。
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