WO2022181123A1 - 切削インサートおよび刃先交換式切削工具 - Google Patents

切削インサートおよび刃先交換式切削工具 Download PDF

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Abstract

この切削インサート(1)は、すくい面(2)と逃げ面(4)との交差稜線部に、平面視において円弧状に延びる円弧状切刃部(5a,6a)と、直線状切刃部(5b,6b)とをそれぞれ備えた2つの切刃(5,6)が形成されている。切刃(5,6)は、少なくとも円弧状切刃部(5a,6a)が直線状切刃部(5b,6b)から離れるに従い、着座面(3)から離れた後に着座面(3)に近づく凸曲線部(17)を有し、側面視において、円弧状切刃部(5a,6a)は、着座面(3)から最も離れた最凸点(S1,S2)と円弧状切刃部の刃先先端(2a,2b)との間に曲率変化点(Q1,Q2)を有する。

Description

切削インサートおよび刃先交換式切削工具
 本発明は、切削インサートおよび刃先交換式切削工具に関する。
 本願は、2021年2月26日に、日本に出願された特願2021-030531号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
 刃先交換式切削工具に取り付けられる切削インサートとして、例えば、特許文献1には、工具本体の回転方向に向けられるすくい面と、このすくい面とは反対側を向いてインサート取付座の底面に着座される着座面と、これらすくい面と着座面との周囲に延びる逃げ面とを備えた切削インサートが開示されている。前記すくい面と逃げ面との交差稜線部には、すくい面に対向する方向から見た平面視において円弧状に延びる円弧状切刃部と、この円弧状切刃部に接するように延びる直線状切刃部とをそれぞれ備えた2つの切刃が、円弧状切刃部と直線状切刃部をすくい面の周方向に交互に位置させて形成されている。さらに、前記主切刃の円弧状切刃部や副切刃の円弧状切刃部が、直線状切刃部から離れるに従い着座面側から離れた後に再び着座面側に近づく凸曲線状に形成されている。これにより、前記円弧状切刃部は、切削の際に着座面に対して最も離れて凸となる上記最凸点から徐々に被削材に食い付いて切り込むことになるので、切削抵抗を低減することができると特許文献1には記載されている。
特許第6540928号公報
 しかし、特許文献1に記載の切削インサートを、最凸点設計位置と適合しない切込み量で切削すると、切刃の強度不足により切削インサートが短寿命になり易いという課題がある。特許文献1は、最凸点の位置を、第1の交差角や第2の交差角を用いて円弧状切刃上の広い範囲に設定することが可能であることが記載されているが、実際には、最凸点を、切り込み深さが大きい加工に対応する位置に設けるか、切り込み深さが小さい加工に対応する位置に設けるかを選択しなくてはならない。
 例えば、切り込み深さが大きい加工に対応する位置に最凸点を設けた場合、その切削インサートを切込み深さの小さいに加工に用いると、切削インサートの先端部に応力集中に起因する欠損が生じ、短寿命となってしまう。
 一方で、高硬度材や難削材といった切り込み深さが小さい加工に対応する位置に最凸点を設けた場合、その切削インサートは、切り込み深さが変動する加工において、最凸点を超える切込み量で加工を施した場合にも応力集中による破損(き裂)等が生じ、短寿命となってしまう。
 例えば、複雑な金型形状部の加工にボールエンドミルを用いた場合は、切り込み深さが加工箇所ごとに変動する。切込み深さに応じた切削工具を、部分的に適用するのは現実的ではない。
 また、肉盛溶接材を加工する場合にも切り込み深さが変動するが、その場合においても切り込み深さに応じて工具を交換するのは現実的ではない。肉盛溶接材は金型の補修や部分的な強度確保を目的として使用されており、上記のような加工箇所ごとに加工面の凹凸が生じることから、これら凹凸に起因する切り込み深さの変動が生じる場合が多い。
 本発明は、このような背景の下になされたもので、従来よりも幅広い切り込み深さにおいて、切削時の応力を分散して刃先先端側の強度を高めることで切刃部にき裂が発生するのを抑制できる、切削インサート及び刃先交換式切削工具を提供することを目的としている。
 本発明の一態様における切削インサートは、軸線の回りに回転される刃先交換式切削工具における工具本体の先端に形成されたインサート取付座に着脱可能に取り付けられる切削インサートであって、前記工具本体の回転方向に向けられるすくい面と、前記すくい面とは反対側を向いて前記インサート取付座の底面に着座される着座面と、前記すくい面と前記着座面との周囲に延びる逃げ面とを備える。前記すくい面と前記逃げ面との交差稜線部には、前記すくい面に対向する方向から見た平面視において円弧状に延びる円弧状切刃部と、前記円弧状切刃部に接するように延びる直線状切刃部と、をそれぞれ備えた2つの切刃が、前記円弧状切刃部と直線状切刃部を前記すくい面の周方向に交互に位置させて形成されている。前記切刃においては、少なくとも前記円弧状切刃部が前記直線状切刃部から離れるに従い、前記着座面から離れた後に前記着座面に近づく凸曲線部を有しているとともに、前記逃げ面に対向する方向から見た側面視において、前記円弧状切刃部は、前記凸曲線部上の前記着座面から最も離れた点を最凸点とすると、前記最凸点と前記円弧状切刃部の刃先先端との間に曲率変化点を有する。
 この構成によれば、切刃の逃げ面に対向する方向から見た側面視において、円弧状切刃部は、凸曲線部上のうち、着座面から最も離れた最凸点と円弧状切刃部の刃先先端との間に曲率変化点を有していることにより、曲率変化点を境にして曲率が異なる形状となり、従来よりも幅広い切り込み深さの切削加工時において、前記円弧状切刃部の広い範囲にわたって切削時の応力が分散される。これにより、切削インサートの欠損や破損(き裂)等の発生を回避し、前記円弧状切刃部全体の強度を高めることができ、切刃部にき裂が発生するのを抑制できる。さらに、最凸点と刃先先端の間に曲率変化点を設けることで、切削インサートが被削材に食い込む初期の段階における切刃形状が滑らかになるため、切りくず形状も捻じれが小さくなる。そのため、捻じれた切りくずが切削インサートや被削材へ不規則な力をかけることを回避できる。
 本発明の一態様における切削インサートは、前記最凸点を通る前記円弧状切刃部の接線に対する法線方向から見た前記側面視において、前記切刃は、少なくとも異なる2つの曲率の円弧を含み、前記刃先先端側の円弧半径をR1、前記最凸点側の円弧半径をR2とすると、R1<R2の関係を満たしてもよい。
 この構成によれば、切刃の一部を構成する異なる2つの曲率の円弧半径R1,R2のうち、刃先先端側の円弧半径R1の方が最凸点側の円弧半径R2よりも小さく、刃先先端側の円弧のカーブが急な形状とされているので、切刃が被削材に対して滑らかに接触することになり、刃先に作用する衝撃が小さくなって、応力が分散されるとともに切削抵抗を低減する効果が得られる。
 なお、この構成によれば、異なる2つの曲率の円弧を刃先先端側から前記最凸点側の切刃に含んでいればよく、例えば異なる2つの曲率の円弧の間や最凸点側の円弧と最凸点の間を曲線や直線で繋いでもよい。また、異なる2つの曲率の円弧の内、最凸点側の円弧と最凸点の間を曲線や直線で繋いでもよい。このような場合、直線は円弧の接線であってもなくてもよい。一方で、本発明は切削時に前記円弧状切刃部が被削材に徐々に接することで加工時に刃先に作用する衝撃を緩和させる形状としているため、直線は着座面に対して平行または刃先先端から最凸点に向かうに従い着座面から離れるよう形成される。同様に、曲線も常に刃先先端から最凸点に向かうに従い着座面から離れるよう形成される。
 本発明の一態様における切削インサートは、前記円弧半径R1は、前記円弧半径R2の1/2以下の大きさで形成される構成としてもよく、好ましくは1/3以下、より好ましくは1/4倍以下である。
 この構成によれば、前記円弧半径R1は少なくとも前記円弧半径R2の1/2以下の大きさで形成されることで、刃先先端側の円弧切刃が急なカーブを形成し、切刃への衝撃を十分に小さくできる。さらに円弧半径R1を円弧半径R2の1/3以下、1/4以下で形成することで、よりカーブは急になり、刃先先端への衝撃が緩和される。R1/R2の下限は限定されないが、現実的には1/100程度である。
 本発明の一態様における切削インサートは、前記側面視において、前記切刃は前記曲率変化点を境に、前記刃先先端側が前記着座面に対して上に凸の曲線状の第1切刃と、前記最凸点側が前記着座面に対して上に凸の第2切刃からなり、前記第2切刃が前記第1切刃よりも曲率の小さい曲線状あるいは直線状の第2切刃で形成され、前記第1切刃と前記第2切刃との交点が前記曲率変化点である構成としてもよい。
 この構成によれば、曲率の異なる2つの第1切刃と第2切刃との交点となる曲率変化点を境にして、最凸点側に位置する第2切刃よりも刃先先端側に位置する第1切刃の方が急なカーブ形状とされているので、切刃が被削材に対して滑らかに接触することになり、刃先に作用する衝撃が小さくなって、応力が分散されるとともに、切削抵抗を低減する効果が得られる。
 なお、直線の曲率は「0」である。したがって、第2切刃が直線の場合においても第1切刃の曲率よりも第2切刃の曲率は小さくなるので、第2切刃が第1切刃よりも小さな曲率の曲線で形成されている場合と同様の効果が得られる。
 本発明の一態様における切削インサートは、前記第1切刃の曲率が前記第2切刃の曲率の2倍以上ある構成としてもよく、好ましくは3倍以上、より好ましくは4倍以上である。
 この構成によれば、前記第1切刃の曲率よりも前記第2切刃の曲率が2倍以上のときに、刃先に作用する衝撃が十分に小さくなる。一方で、前記第1切刃の曲率に対する前記第2切刃の曲率が2倍を下回ると、前記第1切刃の曲率は十分に大きいとは言えず、切削加工時に切刃に応力が集中しやすくなってしまう。
 本発明の一態様における切削インサートは、前記側面視における円弧状切刃部において、着座面と垂直な方向における前記刃先先端から前記最凸点までの高さに対する前記刃先先端から任意の切刃稜線までの高さの割合が、90%以上となる部分を前記第2切刃としてもよい。
 この構成によれば、着座面に対して垂直な方向において、曲率変化点から最凸点までの高さに対して、刃先先端から曲率変化点までの高さが90%以上であり、曲率変化点を境にして最凸点側よりも刃先先端側の方が急なカーブ形状とされているので、切刃が被削材に対して滑らかに接触することになり、刃先に作用する衝撃が小さくすることができる。前記曲率変化点から最凸点までの高さに対して、刃先先端から曲率変化点までの高さの上限は限定されないが、現実的には98%程度である。
 本発明の一態様における切削インサートは、前記インサート取付座の前記底面から突出する凸部に当接可能な壁面を有する溝部が形成されており、前記溝部は、前記切削インサートを取り付けるための取付孔を挟んで2つ形成されており、前記曲率変化点は、2つの前記溝部のうち前記円弧状切刃部に近い一方の前記溝部よりも刃先先端側に形成されている構成としてもよい。
 この構成によれば、前記円弧状切刃部に近い一方の前記溝部よりも刃先先端側に曲率変化点が形成されていることにより、曲率変化点における肉厚を確保して、刃先強度を高めることが可能である。
 本発明の一態様の切削インサートでは、前記円弧状切刃部は、工具先端側に対応する位置から順に、少なくとも2以上の互いに円弧半径が異なる円弧状の第1切刃、第2切刃~第N切刃(Nは2以上の整数)から構成され、前記先端側の前記第1切刃は、それ以外の前記第2切刃~第N切刃よりも円弧半径が小さく、前記第1切刃においては、前記第2切刃側から前記工具先端側へ向けて、前記逃げ面と前記すくい面の成す角である刃物角が徐々に小さくなっていてもよい。
 この構成によれば、前記円弧状切刃部の前記第1切刃の後端から先端へ向けて切刃部の刃物角を漸次小さくすることにより、刃先先端部による切削時に切刃の逃げ角を大きくすることができ、刃先先端部の逃げ面摩耗の進行を抑制できる。
 なお、一般にこの種の工具では、円弧状切刃部の先端部は、切削時にZ軸方向からの突き上げる力がかかるため、欠損するおそれが高い。また、一般に、切刃の刃物角が大きいほうが肉厚となり切刃強度は増すが、高硬度鋼などの被削材を切削加工する際は、逃げ角が小さいと肉厚が大きくても、切刃の寿命にばらつきが生じることがある。これに対し、上記態様においては、前記第1切刃の後端側から先端側へ刃先先端部の逃げ角を徐々に大きくし、切削加工時に円弧状切刃部の先端部での逃げ角をある程度確保することにより、円弧状切刃部の先端部の寿命を安定させることが可能である。
 本発明の一態様における刃先交換式切削工具は、前記軸線上に位置した前記円弧状切刃部の中心点をPと定義した場合、前記中心点と前記最凸点とを結んだ線と前記軸線との成す角度をθ1とし、前記中心点と前記曲率変化点とを結んだ線と前記軸線との成す角度をθ2とすると、θ2<θ1、30°≦θ1≦50°、15°≦θ2≦40°である構成としてもよく、好ましくは40°≦θ1≦50°、17°≦θ2≦37°の範囲である。
 この構成によれば、最凸点よりも刃先先端側に曲率変化点を形成することとなり、切刃の広い範囲に切削応力を分散させることができるので、応力集中に起因した応力集中に伴う欠損や破損(き裂)等の発生を回避することが可能である。これにより、刃先先端側の強度を高めることができ、切刃部にき裂が発生するのを抑制できる。さらに、切削時の抵抗を低減する効果も得られる。
 本発明の一態様における刃先交換式切削工具は、軸線に沿う方向において、前記切削インサートにおける切刃の刃先先端から曲率変化点までの距離をHとし、工具本体の直径をDとすると、D/30≦H≦D/10の関係を満たす構成としてもよい。
 この構成によれば、工具径に応じて変化する切り込み深さに関わらず、切刃への応力集中の回避と切刃先端への切削時の衝撃を緩和できるという効果が得られる。
 また、本発明の一態様における刃先交換式切削工具は、前記円弧状切刃部は、工具先端側に対応する位置から順に、少なくとも2以上の互いに円弧半径が異なる円弧状の第1切刃、第2切刃~第N切刃(Nは2以上の整数)から構成され、前記先端側の前記第1切刃は、それ以外の前記第2切刃~第N切刃よりも円弧半径が小さく、前記第1切刃においては、前記第2切刃側から前記工具先端側へ向けて、前記切削インサートの前記逃げ面と被削材面の成す逃げ角が徐々に大きくなっていてもよい。
 この構成によれば、前記円弧状切刃部の前記第1切刃において、前記第2切刃側から前記工具先端側へ向けて、前記切削インサートの逃げ角が徐々に大きくなっていることにより、刃先先端部による切削時に切刃の逃げ角を相対的に大きくすることができ、刃先先端部の逃げ面摩耗の進行を抑制できる。
 また、前記第2切刃側から前記工具先端側へ向けて、前記切削インサートの前記第1切刃の逃げ角が徐々に大きくなっていることにより、切削加工時に逃げ角をある程度確保することができ、円弧状切刃部の先端部の寿命を安定させることができる。
 本発明の一態様における刃先交換式切削工具は、前記切削インサートを、前記工具本体に複数取り付けた状態において、いずれか一つの前記切削インサートの最下点と、他の切削インサートの最下点の差をHとすると、前記工具本体直径Dとの関係は、H/Dが0.025以下であってもよい。
 この構成では、H/Dが0.025以下とされることにより、工具直径Dに対する切削インサートの刃先段差を十分に小さくすることができる。その結果、最下点が低い方の切削インサート(後述する実施形態での切削インサート1A、すなわち親刃)のみで切削加工をする範囲が小さくなり、最下点が低い方の切削インサート(親刃)の先端部における摩耗が抑制され、切削インサートの寿命を延ばすことができる。H/Dは好ましくは0.020以下であり、より好ましくは0.017以下である。H/Dの下限は限定はされないが、現実的には0.010程度である。
 本発明の一態様における刃先交換式切削工具は、前記工具本体の先端部に、互いに180°隔てた位置に二つのインサート取付座が形成され、これらの二つのインサート取付座のそれぞれに、前述したいずれかの切削インサートが着脱可能に取り付けられていてもよい。ただし、本発明では、前記工具本体の先端部に互いに120°隔てて3つのインサート取付座が形成されていてもよいし、同様に、周方向等間隔に4以上のインサート取付座が形成されていてもよい。
 本発明によれば、円弧状切刃部に発生する応力を分散させることで切刃部にき裂が発生するのを抑制できる切削インサート及び刃先交換式切削工具を提供することができる。
図1は、本発明の刃先交換式ボールエンドミルの一実施形態の先端側を示す図(図9における矢印I方向視)であって、本発明の一実施形態の切削インサートが工具本体に対して着脱可能に複数取り付けられた構成を示す図である。 図2は、本発明の一実施形態の切削インサートの構成を示す正面図である。 図3は、本発明の一実施形態の切削インサートの構成を示す背面図である。 図4は、図2における矢印IVの方向から見た側面図である。 図5は、図2における矢印Vの方向から見た側面図である。 図6は、図2における矢印VIの方向から見た側面図である。 図7は、図2における矢印VIIの方向から見た側面図である。 図8は、本発明の一実施形態の切削インサートを示す斜視図である。 図9は、本発明の一実施形態の刃先交換式ボールエンドミルの正面図である。 図10は、工具本体に取り付けられた際の位置関係で配置された2つの切削インサートを、主切刃が切削に使用される第1の切削インサート(図10における右側の切削インサート)のすくい面に対向する方向から見た平面図である。 図11Aは、円弧状切刃部5a上の任意の位置における刃先先端2bからの距離と高さとの関係示すグラフである。 図11Bは、円弧状切刃部5a上の任意の位置における着座面と平行な方向における刃先先端から刃先先端2bから最凸点までの割合と、着座面と垂直な方向における刃先先端から最凸点の高さに対する円弧状切刃部上の任意の点の高さとの割合の関係を示すグラフである。 図12Aは、軸線から最凸点までの角度が16.5°をなす従来の切削インサートによる切削時のシミュレーション解析による切りくず形状と切削インサートおよび切りくずにかかる最大主応力を示す図である。 図12Bは、軸線から最凸点までの角度が16.5°をなす従来の切削インサートによる切削時のシミュレーション解析による切削インサートへかかる最大主応力を示す図である。 図13Aは、軸線から最凸点までの角度が22.5°をなす従来の切削インサートによる切削時のシミュレーション解析による切りくず形状と切削インサートおよび切りくずにかかる最大主応力を示す図である。 図13Bは、軸線から最凸点までの角度が22.5°をなす従来の切削インサートによる切削時のシミュレーション解析による切削インサートへかかる最大主応力を示す図である。 図14Aは、軸線Oから最凸点S1までの角度が45°をなし、かつ軸線から曲率変化点までの角度が22.5°をなす本発明の一実施形態の切削インサート1による切削時のシミュレーション解析による切りくず形状と切削インサートおよび切りくずにかかる最大主応力を示す図である。 図14Bは、軸線から最凸点までの角度が45°をなし、かつ軸線から曲率変化点までの角度が22.5°をなす本発明の一実施形態の切削インサートによる切削時のシミュレーション解析による切削インサートへかかる最大主応力を示す図である。 図15は、軸線から最凸点までの角度θ1が16.5°をなす従来の切削インサートによる切削時のシミュレーション解析による切削インサートへかかる最大主応力を示す図である。 図16は、軸線から最凸点までの角度θ1が45°をなし、かつ軸線から切刃変化点までの角度θ2が22.5°をなす本発明の一実施形態の切削インサートによる切削時のシミュレーション解析による切削インサートへかかる最大主応力を示す図である。
 以下、本発明における一実施形態の切削インサート、刃先交換式切削工具の構成について、図1から図11Bを用いて説明する。
 図1は、本発明の刃先交換式ボールエンドミルの一実施形態の先端側を示す図(図9における矢印I方向視)であって、本発明の一実施形態の切削インサート1が工具本体11に対して着脱可能に複数(この実施形態では2個)取り付けられた構成を示す図である。図9は、本発明の一実施形態の刃先交換式ボールエンドミルの正面図である。
<刃先交換式切削工具>
 本発明の一実施形態における刃先交換式ボールエンドミル(刃先交換式切削工具)100は、図1及び図9に示すように、複数の切削インサート1と、これら複数の切削インサート1を保持する工具本体11と、を備えている。工具本体11は、軸線Oの回りに回転される。
 複数の切削インサート1は、工具本体11の先端側に形成された複数(この実施形態では2個)のインサート取付座12に対して、それぞれが着脱可能に取り付けられている。本実施形態では、エンドミル本体に設けられた2つのインサート取付座12(12A,12B)に対して2つの切削インサート1(1A,1B)が取り付けられている。これら2つの切削インサート1(1A,1B)は、互いに同形同大である。本発明では、切削インサート1およびインサート取付座12の個数は2個に限定されず、軸線O回りの周方向等間隔に3以上のインサート取付座12が設けられていてもよい。この実施形態では、切削インサート1Aは切削インサート1Bよりも下方に位置し、この場合、切削インサート1Aを親刃、切削インサート1Bを子刃と称する。
(エンドミル本体)
 工具本体11は、鋼材等の金属材料により形成され、その後端側は軸線Oを中心とした円柱状のチャンク部とされるとともに、先端側は軸線O上に中心を有する凸半球形状とされている。
 本実施形態の刃先交換式ボールエンドミル100は、上記工具本体11が軸線Oの回りに工具本体11の回転方向へ回転させられつつ、軸線Oに交差する方向に送り出されることにより、インサート取付座12に取り付けられた切削インサート1によって被削材に切削加工を施す。
 なお、本実施形態においては、軸線Oが延びる方向のうち、工具本体11のシャンク部からインサート取付座12へ向かう方向を先端側(図1の下端側)といい、インサート取付座12からシャンク部へ向かう方向を後端側(図1の上端側)という。また、軸線Oに直交する方向を径方向という。径方向のうち軸線Oに接近する方向を内周側といい、軸線Oから離間する方向を外周側という。
 本実施形態では、工具本体11の先端部の外周を切り欠くようにして2つのチップポケット13が形成されており、これら2つのチップポケット13のエンドミル回転方向Tを向く底面12aに、それぞれインサート取付座12が周方向に間隔をあけて互いに反対側に形成されている。
 本実施形態では、工具本体11の2つのインサート取付座12(12A,12B)に対して、同形同大の1種で、2つの切削インサート1(1A,1B)が着脱可能に取り付けられる。工具本体11に対して1種2つの切削インサート1(1A,1B)を取り付けることによって、工具本体11の先端の軸線O付近から外周にかけての切削と、軸線Oから離れた位置から外周にかけての切削を行うことができる。これにより、切削インサート1の管理を容易にすることができるとともに、切削インサート1(1A,1B)を製造するための金型も1種で済む。
 切削インサート1(1A,1B)は、円弧状切刃部と直線状切刃部とをそれぞれ有する主切刃5と副切刃6を備えている。切削インサート1(1A,1B)をそれぞれ工具本体11に取り付けた際の位置関係においては、図10に示すように、一方の切削インサート1Aの主切刃5の先端と、他方の切削インサート1Bの副切刃6の先端との間で、軸方向に段差H3を有する。具体的には、図10に示すように、一方の切削インサート1Aの刃先先端2bの方が、他方の切削インサート1Bの刃先先端2aよりも前方に位置している。また、一方の切削インサート1Aの主切刃5と、他方の切削インサート1Bの副切刃6とは、前記段差H3に相当する領域を除いて切削時の回転軌跡が重なるよう取り付けられる。
 インサート取付座12(12A,12B)に対して、切削インサート1(1A,1B)が取り付けられた際、第1の切削インサート1Aは、主切刃5の円弧状切刃部5aが、工具本体11における先端側の軸線Oの付近から後端側へ延びるように配置される。また、第2の切削インサート1Bは、副切刃6の円弧状切刃部6aが、工具本体11における先端側の軸線Oから外周側へ離れた位置から後端側へ延びるようにして配置されている。
 これに伴い、図1に示した本実施形態の刃先交換式ボールエンドミル100においても、第1のインサート取付座12Aは、工具本体11の先端側を、先端側で軸線Oを含む範囲まで切り欠くように形成されているのに対して、第2のインサート取付座12Bは、軸線Oから外周側に僅かに離れた位置から形成されている。
 これら2つの切削インサート1(1A,1B)は、互いに、工具本体11の先端側における同一の凸半球面状に位置している。
 第1の切削インサート1Aの主切刃5と、第2の切削インサート1Bの副切刃6とに、切削によって摩耗等が生じた場合には、これらの切削インサート1を反対側のインサート取付座12に取り付け直すことによって、第1の切削インサート1Aを第2の切削インサート1Bとして、また第2の切削インサート1Bを第1の切削インサート1Aとして再使用することができるので、経済的である。
(切削インサート)
 次に、本発明の一実施形態における切削インサート1の構成について詳述する。
 図2は、本発明の一実施形態の切削インサート1の構成を示す正面図である。図3は、本発明の一実施形態の切削インサート1の構成を示す背面図である。図4は、図2における矢印IVの方向から見た側面図である。図5は、図2における矢印Vの方向から見た側面図である。図6は、図2における矢印VIの方向から見た側面図である。図7は、図2における矢印VIIの方向から見た側面図である。図8は、本発明の一実施形態の切削インサート1の構成を示す斜視図である。図10は、工具本体11に取り付けられた際の位置関係で配置された2つの切削インサート1(1A,1B)を、主切刃5が切削に使用される第1の切削インサート1A(図10における右側の切削インサート)のすくい面に対向する方向から見た平面図である。
 図2~図8に示すように、本発明の一実施形態の切削インサート1(1A,1B)は、図1に示す工具本体11に取り付けられることで、上述した本発明の刃先交換式ボールエンドミル100の一実施形態を構成する。
 図2に示すように、本実施形態における切削インサート1(1A,1B)は、図1に示した工具本体11の回転方向Tに向けられるすくい面2と、すくい面2とは反対側を向いて上記インサート取付座12の底面12aに着座される着座面3と、すくい面2と着座面3との周囲に延びる逃げ面4と、を備えている。
 すくい面2と逃げ面4とが交差する位置においてこれらによって形成される稜線(以下、交差稜線部と言う)に、2つの主切刃(切刃)5及び副切刃(切刃)6が形成されている。
 主切刃5及び副切刃6は、図2に示すように、すくい面2に対向する軸方向から見た切削インサート1の正面視において、円弧状に延びる円弧状切刃部5a,6aと、各円弧状切刃部5a,6aに接するように延びる直線状切刃部5b,6bと、をそれぞれ備えている。これら2つの主切刃5及び副切刃6が、円弧状切刃部5a,6aと直線状切刃部5b,6bとをすくい面2の周方向に交互に位置させて形成される。
 図4、図5及び図6に示すように、本実施形態の主切刃5及び副切刃6においては、少なくとも円弧状切刃部5a,6aが直線状切刃部5b,6bから離れるにしたがって、着座面3から離れた後に着座面3に近づく凸曲線部17をそれぞれ有する。これら円弧状切刃部5a,6aがなす凸曲線部17が着座面3に対して最も離れて凸となる点(着座面3から最も突出した最凸点)が、それぞれ主切刃最凸点S1、副切刃最凸点S2となる。
 図4及び図5に示すように、逃げ面4に対向する方向から見た側面視において、円弧状切刃部5aは、凸曲線部17上の着座面3から最も離れた主切刃最凸点S1と、円弧状切刃部5aの刃先先端2bとの間に、主切刃曲率変化点Q1を有する。また、図6に示すように、副切刃6の円弧状切刃部6aにおいても、凸曲線部17上の着座面3から最も離れた副切刃最凸点S2と、円弧状切刃部6aの刃先先端2aとの間に、曲率変化点Q2を有する。
 曲率変化点Q1(Q2)は、刃先先端2b(2a)から主切刃最凸点S1(副切刃最凸点S2)までの円弧状切刃部5a(6a)が、異なる2つの曲率の円弧または曲線から構成されている場合は、2つの円弧または曲線の曲率が互いに異なる点で特定できる。また、異なる2つの円弧の間に直線または曲線を有する場合は、最凸点S1(S2)に最も近い円弧の刃先先端2b(2a)側の端点で特定できる。さらに、刃先先端2b(2a)側が曲線で、最凸点S1(S2)側が直線で構成されている場合は、曲線と直線の交わる点で特定することが可能である。
 また、曲率変化点Q1(Q2)を境に刃先先端2b(2a)側の曲率に対して最凸点S1(S2)側の曲率が2倍以上となることが好ましい。つまり、刃先先端2b(2a)から最凸点S1(S2)までの曲率を測定することにより、曲率変化点Q1(Q2)を特定することが可能である。
 逃げ面4に対向する方向、すなわち主切刃最凸点S1を通る円弧状切刃部5aの接線N1に対する法線方向(図2の矢印VII方向)から見た側面視(図7)において、円弧状切刃部5aは、少なくとも異なる2つの曲率の円弧を含む。具体的に、円弧状切刃部5aは、主切刃曲率変化点Q1を境にして、刃先先端2b側に位置する曲線状の第1切刃51と、主切刃最凸点S1側に位置するとともに第1切刃51よりも曲率の小さい曲線状(あるいは直線状)の第2切刃52と、で形成されている。このように、本実施形態における円弧状切刃部5aは、主切刃曲率変化点Q1を境に、刃先先端2b側が着座面3に対して上に凸の曲線状の第1切刃51と、主切刃最凸点S1側が着座面3に対して上に凸の第2切刃52とからなる。これら第1切刃51と第2切刃52との交点が主切刃曲率変化点Q1となる。
 また、円弧状切刃部6aにおいても、逃げ面4に対向する方向、すなわち副切刃最凸点S2を通る円弧状切刃部6aの接線N2に対する法線方向から見た側面視において、円弧状切刃部6aは、少なくとも異なる2つの曲率の円弧を含む。具体的に、円弧状切刃部6aは、副切刃曲率変化点Q2を境に、刃先先端2a側に位置する曲線状の第1切刃61と、副切刃最凸点S2側に位置するとともに第1切刃61よりも曲率の小さい曲線状(あるいは直線状)の第2切刃62とで形成されている。このように、本実施形態における円弧状切刃部6aは、副切刃曲率変化点Q2を境に、刃先先端2a側が着座面3に対して上に突の曲線状の第1切刃61と、副切刃最凸点S2側が着座面3に対して上に凸の第2切刃62とからなる。これら第1切刃61と第2切刃62との交点が副切刃曲率変化点Q2となっている。
 円弧状切刃部5aは、上述した異なる2つの曲率の円弧をなす第1切刃51と第2切刃52とで形成されている。円弧状切刃部5aのうち、刃先先端2b側の第1切刃51の円弧の半径を円弧半径R1、主切刃最凸点S1側の第2切刃52の円弧の半径を円弧半径R2とすると、R1<R2の関係をなし、円弧半径R1は、円弧半径R2の1/2以下の大きさで形成される。この実施形態では、具体的に、これら2つの円弧半径R1,R2の大きさは、R1=6.8mm、R2=56.4mmであり、円弧半径R2が円弧半径R2の2倍以上となる関係を満たしている。
 また、円弧状切刃部6aにおいても、上述した異なる2つの曲率の円弧をなす第1切刃61と第2切刃62とで形成されていてもよく、その場合は第1切刃61の円弧半径R1よりも、第2切刃62の円弧半径R2の方が大きい形状とされている。すなわち、円弧状切刃部6aにおいても、R1<R2の関係をなし、円弧半径R1は、円弧半径R2の1/2以下の大きさで形成される。この実施形態では、具体的に、これら2つの円弧半径R1,R2の大きさは、R1=2.7mm、R2=56.4mmであり、円弧半径R2が円弧半径R2の2倍以上となる関係を満たしている。


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 表1は本実施形態の、主切刃最凸点S1を通る円弧状切刃部5aの接線N1に対する法線方向(図2の矢印VII方向)から見た側面視(図7)における刃先プロファイルである。刃先先端2bを原点とし、主切刃最凸点S1へ向かって着座面3に平行な方向に向かって1mmずつ切刃位置を測定すると、「着座面3に垂直な方向における着座面3からの高さ[mm]」は(1)、「着座面3に垂直な方向における刃先先端2bからの高さ[mm]」は(2)のように変化する。また、「着座面3に垂直な方向における刃先先端2bから主切刃最凸点S1までの高さを100%としたとき(各測定点における刃先の高さ)の割合[%]」は(3)となる。
 図11Aは、表1の「着座面3に平行な方向における刃先先端2bからの距離[mm]」を横軸に、上記(1)を縦軸にとることで、円弧状切刃部5a上の任意の位置における刃先先端2bからの着座面3に平行な方向における距離と、着座面3に垂直な方向における着座面3からの高さとの関係を示したグラフである。ここで、着座面3から円弧状切刃部5aまでの高さは、いわゆる「肉厚」を意味する。
 円弧状切刃部5aの接線N1に対する法線方向から見た図7に示す側面視において、例えば、図13Aに示すように、着座面3から刃先先端2bまでの高さが4.571mm、着座面3から主切刃曲率変化点Q1までの高さが7.250mm、着座面3から主切刃最凸点S1までの高さが7.498mmである。
 本実施形態では、円弧状切刃部5aの接線N1に対する法線方向から見た図7に示す側面視において、刃先先端2bから主切刃曲率変化点Q1までの着座面3からの高さT1は、主切刃曲率変化点Q1から主切刃最凸点S1までの着座面3からの高さT2の10倍以上である。
 具体的な一例としては、刃先先端2bから主切刃曲率変化点Q1までの着座面3からの高さT1が2.679mm、主切刃曲率変化点Q1から主切刃最凸点S1までの着座面3からの高さT2が0.248mmであり、高さT1は、高さT2の10倍以上となっている。
 図11Bは、表1の「着座面3に平行な方向における刃先先端2bからの距離[mm]」を横軸に、「刃先先端2bから最凸点S1までを100%としたときの割合[%]」を縦軸に示したグラフである。
 図11Bに示すように、刃先先端2bから主切刃最凸点S1までの高さを基準(100%)としたとき、刃先先端2bから主切刃曲率変化点Q1までの高さが基準の約92%程度である。本実施形態では、主切刃曲率変化点Q1から主切刃最凸点S1までの任意の複数の点における高さは、基準の90%以上を満たしており、主切刃曲率変化点Q1から主切刃最凸点S1までは高低差が小さい。一方、主切刃曲率変化点Q1から刃先先端2bまでの任意の複数の点における高さは、基準の90%から0%に至っており、隣り合う点との間で高さが大きく変化している。よって、主切刃曲率変化点Q1を境にして、主切刃最凸点S1側よりも刃先先端2b側は高低差が大きく、刃先先端2bから主切刃曲率変化点Q1にかけて着座面3へと急激に近づく曲線形状とされている。
 本実施形態においては、第1切刃51及び第2切刃R52を含む円弧状切刃部5aのうち、刃先先端2b側に位置する第1切刃51の方が、主切刃最凸点S1側に位置する第2切刃52よりも円弧のカーブが急な形状とされている。また、円弧状切刃部6aにおいても同様のことが言える。
 このように本実施形態では、円弧状切刃部5a,6aのうち、主切刃曲率変化点Q1を含む主切刃最凸点S1側において主切刃最凸点S1の9割以上の肉厚を確保することで耐久性を確保できる。また、主切刃曲率変化点Q1よりも刃先先端2b、2a側の円弧カーブを急な形状にしておくことで、円弧状切刃部5a、6aが被削材に対して滑らかに接触することになり、刃先に作用する衝撃が小さくなって切削抵抗を低減する効果が得られる。
 本実施形態のすくい面2においては、図2及び図8に示すように、交差稜線部(円弧状切刃部5a,6a)の各近傍に着座面3から離れる方向へ凸曲線状にブレーカー21がそれぞれ形成されている。主切刃5及び副切刃6に直交する断面において、各ブレーカー21の頂点(稜線)21aは、円弧状切刃部5a,6aよりも着座面3からの距離(高さ)が大きい。ブレーカー21は、軸線O上に位置する円弧状切刃部5a,6aの中心点Pを中心として、軸線Oから0°<θ3<50°の範囲内に形成されていることが好ましい。
 切削インサート1の着座面3側には、図3に示すように、第1のインサート取付座12Aの底面12aから突出する凸部に係合可能な溝部8が形成されている。溝部8は、切削インサート1を取り付けるための取付孔7の径方向両側に2つ形成されている。主切刃曲率変化点Q1は、これら2つの溝部8A,8Bのうち、円弧状切刃部5aに近い一方の溝部8Bよりも刃先先端2b側に形成されている。副切刃曲率変化点Q2は、円弧状切刃部6aに近い他方の溝部8Aよりも刃先先端2a側に形成されている。
 刃先先端2bに近い側の溝部8Bは、長さ方向一端側が副切刃6側の側面に開口するとともに他端側が主切刃5側の側面に開口する溝であって、主切刃5側の幅よりも副切刃6側の幅の方が狭い。副切刃6における副切刃最凸点S2及び副切刃曲率変化点Q2は、溝部8Bによる肉厚減少の影響を受けない位置に形成されており、副切刃最凸点S2及び副切刃曲率変化点Q2における肉厚は十分に確保されている。そのため、切削インサート1の強度の向上を図ることができ、切削加工時の負荷による切削インサート1の損傷を防止することができる。
 一方、刃先先端2aに近い側の溝部8Aは、長さ方向の一端側が副切刃6側の側面に開口するが、他端側は主切刃5側の側面には開口していない止まり溝形状とされている。このため、主切刃5における主切刃最凸点S1及び主切刃曲率変化点Q1は、溝部8Aによる肉厚減少の影響を受けない位置に形成されており、主切刃最凸点S1及び主切刃曲率変化点Q1における肉厚は十分に確保されている。よって、主切刃5においても円弧状切刃部5aの強度の向上を図って損傷を防止することができる。
 また、図10に示すように、切削インサート1を工具本体11に取り付けた状態において、軸線O上にある工具本体11(切削インサート1)の半球面の中心点をP、中心点Pと主切刃最凸点S1とを結んだ線L1と軸線Oとの成す角度をθ1、中心点Pと主切刃曲率変化点Q1とを結んだ線L2と軸線Oとの成す角度をθ2と定義した場合、角度θ2は、角度θ1よりも小さい関係(θ2<θ1)となる。
 ここで、中心点Pと主切刃最凸点S1とを結んだ線L1と軸線Oとの成す角度θ1は、30°≦θ1≦50°の範囲内であり、40°≦θ1≦50°の範囲内がより好ましい。本実施形態において、軸線Oから主切刃最凸点S1までの角度θ1は、45°である。
 上記角度θ1が30°未満となる角度位置に主切刃最凸点S1が存在する場合、荒加工工程など切り込み深さを大きくした場合において、引張応力が集中する部分が切削インサートに生じてしまうという問題が生じる一方、上記角度θ1が50°を超えた角度位置に主切刃最凸点S1が存在する場合、被削材と切削インサートの接する箇所から工具後端側へ離れた位置に主切刃最凸点S1を設けることとなり、応力集中を分散させる効果が小さくなってしまう。よって、軸線Oから主切刃最凸点S1までの角度θ1を上記範囲内とすることが好ましい。
 また、中心点Pと主切刃曲率変化点Q1とを結んだ線L2と軸線Oとの成す角度θ2は、15°≦θ2≦40°の範囲内であり、17°≦θ2≦37°の範囲内がより好ましい。本実施形態において、軸線Oから曲率変化点までの角度θ2は、22.5°である。
 上記角度θ2が15°未満となる角度位置に主切刃曲率変化点Q1を設けてしまうと、主切刃曲率変化点Q1よりも切り込み深さを大きくした条件において、主切刃5と被削材との境界で応力集中が発生し欠損により早期寿命となる。一方、上記角度θ2が40°を超えた角度位置に主切刃曲率変化点Q1が存在する場合、円弧状切刃部5aの先端に応力が集中する部分が生じてしまうという問題が生じる。よって、軸線Oから主切刃曲率変化点Q1までの角度θ2を上記範囲内とすることが好ましい。
 図12A~図16は、従来の切削インサート又は本発明の切削インサートによる被削材の切削時のシミュレーション解析の結果である。
 図12A~図14Bのシミュレーション解析の条件は、主軸回転速度n=2122[min-1]、1刃あたりの送り量fz=0.4[mm/tооth]、切り込み深さap×切り込み幅ae=3×3[mm]、工具径30[mm]、被削材SKD61(44HRC)、最大主応力で評価した。
 一方、図15および図16のシミュレーション解析の条件は、主軸回転速度n=2122[min-1]、1刃あたりの送り量fz=0.4[mm/tооth]、切り込み深さap×切り込み幅ae=3×3[mm]、工具径30[mm]、被削材SKD61(44HRC)、最小主応力で評価した。
 図12Aは、軸線Oから主切刃最凸点S1までの角度θ1が16.5°をなす従来の切削インサート90による切削時のシミュレーション解析による切削応力を示す図であり、切削によって切削インサート90と被削材91(切りくず91aを含む)へかかる最大主応力を示している。図12Bは、軸線Oから主切刃最凸点S1までの角度が16.5°をなす従来の切削インサート90による切削時のシミュレーション解析による切削インサート90へかかる最大主応力を示す図である。
 図13Aは、軸線Oから主切刃最凸点S1までの角度θ1が22.5°をなす従来の切削インサート92による切削時のシミュレーション解析による切削応力を示す図であり、切削によって切削インサート92と被削材91(切りくず91aを含む)へかかる最大主応力を示している。図13Bは、軸線Oから主切刃最凸点S1までの角度θ1が22.5°をなす従来の切削インサート92による切削時のシミュレーション解析による切削インサート92へかかる最大主応力を示す図である。図13Bは、図13Aから切削インサート92のみを示した図である。
 図14Aは、軸線Oから主切刃最凸点S1までの角度θ1が45°、軸線Oから主切刃曲率変化点Q1までの角度θ2が22.5°をなす本発明の一実施形態の切削インサート1による切削時のシミュレーション解析による切削応力を示す図であり、切削によって切削インサート1と被削材91(切りくず91aを含む)へかかる最大主応力を示している。図14Bは、軸線Oから主切刃最凸点S1までの角度θ1が45°をなし、かつ軸線Oから主切刃曲率変化点Q1までの角度θ2が22.5°をなす本発明の一実施形態の切削インサート1による切削時のシミュレーション解析による切削インサート1へかかる最大主応力を示す図である。図14Bは、図14Aから切削インサート1のみを示した図である。
 図15は、軸線Oから主切刃最凸点S1までの角度θ1が16.5をなす従来の切削インサート94による切削時のシミュレーション解析による切削応力を示す図であり、切削によって切削インサート94へかかる最小主応力を示している。
 図16は、軸線Oから主切刃最凸点S1までの角度θ1が45°、軸線Oから主切刃曲率変化点Q1までの角度θ2が22.5°をなす本発明例の一実施形態の切削インサート1による切削時のシミュレーション解析による切削応力を示す図であり、切削によって切削インサート1へかかる最小主応力を示している。
 図12Bからは、主切刃最凸点S1が、軸線Oからの角度θ1が16.5°の位置にあるとき、主切刃最凸点S1近傍で切削時に最大主応力、つまり引張応力が集中してしまうことがわかる。さらに、図15からは、図12Bと同じ位置に主切刃最凸点S1を設けた場合には、主切刃最凸点S1の前後に最小主応力、つまり圧縮応力が集中する部分があることがわかる。図12Bおよび図15より、従来の円弧状切刃形状においては、切削時に円弧状切刃部5aへ引張応力集中部と圧縮応力集中部の両方が発生してしまうため、切削インサートの欠損や破損(き裂)等が生じやすくなってしまう。
 また、本実施形態の曲率変化点Q1と同じ位置(軸線Oからの角度θ1が16.5°に最凸点S1を設け、主切刃最凸点S1と刃先先端2bとの間に主切刃曲率変化点Q1が存在しない切刃形状をなす場合においても、図13A及び図13Bに示すように、主切刃最凸点S1近傍で切削時に引張応力集中部が発生してしまうことがわかる。
 これに対して、本実施形態の主切刃5のように、主切刃最凸点S1が軸線Oから45°の位置にあり、主切刃最凸点S1と刃先先端2bとの間(軸線Oからの角度θ2が22.5°の位置)に主切刃曲率変化点Q1が存在する切刃形状をなす場合は、図14Bに示すように、円弧状切刃部5aの広い範囲に切削時の応力が分散されている。同様に、圧縮応力においても、図16に示すように円弧状切刃部5aの広い領域に分散されている。つまり、主切刃最凸点S1側から主切刃曲率変化点Q1にかけて徐々に被削材を切り込むことになるので、応力が集中することを回避でき、主切刃5の強度の向上を図ることが可能である。
 また、図12Aおよび図13Aにおいては、切りくず91aが大きく捻じれていることが示されている。一方、本実施形態である図14Aにおいては、切りくず91aの捻じれが従来例よりも小さいことが示されている。切りくず91aは円弧状切刃部5aに沿って形成される。つまり、主切刃最凸点S1と刃先先端2bとの間に主切刃曲率変化点Q1を設けることで、捻じれの小さい切りくず91aを形成することが可能となる。
 このような本実施形態の切削インサート1(1A,1B)が、図1に示す工具本体11の先端部に形成されたインサート取付座12(12A,12B)にそれぞれ取り付けられた状態において、図10に示すように、軸線Oに対する第1の切削インサート1Aの主切刃最凸点S1までの角度θ1と、軸線Oに対する第2の切削インサート1Bの副切刃最凸点S2までの角度θ3とは互いに等しい。そのため、本実施形態では、角度θ1と同様に、角度θ3は45°とされている。
 本実施形態の切削インサート1(1A,1B)は、主切刃5と副切刃6とが非対称な形状となっていることから、これに伴って、2つのインサート取付座12A,12Bのうち、第1のインサート取付座12Aは、工具本体11の先端部を、先端側で軸線Oを含む範囲まで切り欠くように形成されている。一方、第2のインサート取付座12Bは、図1に示すように、工具本体11の先端側で軸線Oから外周側に僅かに離れた位置から形成されている。
 第1の切削インサート1A及び第2の切削インサート1Bは、図1に示すように、それぞれの取付孔7(図10)に挿通されたクランプネジ9によって、第1のインサート取付座12Aあるいは第2のインサート取付座12Bに対して各々取り付けられる。
 第1の切削インサート1Aは、第1のインサート取付座12Aに対して、主切刃5の円弧状切刃部5aを、軸線Oの近傍から延びて軸線O上に中心を有する凸半球上に位置させる。また、第1の切削インサート1Aは、主切刃5の直線状切刃部5bをこの凸半球に接する軸線Oを中心とした円筒面上に位置させるようにして取り付けられる。
 第2の切削インサート1Bは、第2のインサート取付座12Bに対して、副切刃6の円弧状切刃部6aを、軸線Oから離れた位置から第1の切削インサート1Aの主切刃5の円弧状切刃部5aが位置する上記凸半球上に位置させるようにして取り付けられている。また、第2の切削インサート1Bは、副切刃6の直線状切刃部6bを第1の切削インサート1Aの主切刃5の直線状切刃部5bが位置する上記円筒面上に位置させるようにして取り付けられる。
 このようにして第1の切削インサート1A及び第2の切削インサート1Bが工具本体11にそれぞれ取り付けられた状態のとき、図10に示すように、工具本体11の直径をDとすると、軸線Oに沿う方向において、主切刃5における刃先先端2bから主切刃曲率変化点Q1までの距離をHとすると、D/30≦H≦D/10の関係を満たし、例えば、H≧D/20であることが好ましい。
 軸線Oに沿う方向において、主切刃曲率変化点Q1の下限の位置及び主切刃最凸点S1の上限の位置は、最大切り込み深さ(最大切り込み量)にそれぞれ関係する。また、一般に最大切り込み深さは工具径Dが大きくなるほど大きくなる。例えば、工具径Dが30mmのとき、主切刃曲率変化点Q1と刃先先端2bとの間に曲率が異なる複数の円弧が存在していたとしても、最大切り込み深さが1.0mm以下となる部分は、本実施形態における主切刃曲率変化点Q1にはならない。すなわち、軸線Oに沿う方向において、刃先先端2bから主切刃曲率変化点Q1までの距離H(主切刃曲率変化点Q1の下限位置)は、工具径Dが30mmのときは、1.0mm以上であることが好ましい。
 例えば、工具径Dが30mmのとき、刃先先端2bから主切刃曲率変化点Q1までの上記距離Hは、最大切り込み深さ3.0mmよりも小さい。具体的に、本実施形態において刃先先端2bから主切刃曲率変化点Q1までの距離Hは約1.4mmである。
 また、軸線Oに沿う方向において、主切刃最凸点S1の上限の位置は、最大切り込み深さ以上であることが好ましい。工具径Dが30mmのとき、刃先先端2bから主切刃最凸点S1までの距離H1は、最大切り込み深さ3.0mmよりも大きい。具体的に、本実施形態では、刃先先端2bから主切刃最凸点S1までの距離H1は約4.6mmである。
 主切刃5における円弧状切刃部5aを、最大切り込み深さよりも刃先先端2bから主切刃最凸点S1までの距離H1が大きい形状とすることで、主切刃最凸点S1側から主切刃曲率変化点Q1にかけて徐々に被削材を切り込むことになるので、応力集中を回避できると同時に切削抵抗を低減できて、主切刃5の強度の向上を図ることが可能である。
 最大切り込み深さよりも刃先先端2bから主切刃最凸点S1までの距離H1が小さい形状の場合、最初に主切刃最凸点S1から被削材を切り込むことになるので、主切刃最凸点S1において切削応力が集中しやすく、主切刃最凸点S1よりも工具後端側においてき裂が発生しやすくなる。そのため、最大切り込み深さよりも刃先先端2bから主切刃最凸点S1までの距離H1が大きくなる形状とすることが好ましい。
 以上述べたように、本実施形態では、主切刃5の円弧状切刃部5aや副切刃6の円弧状切刃部6aが、直線状切刃部5b、6bから離れるに従って着座面3側から離れた後に再び着座面3側に近づく凸曲線状に形成されており、円弧状切刃部5a,6aのうち上記着座面3に対して最も凸となる最凸点S1,S2から刃先先端2b,2aまでの間に、曲率変化点Q1,Q2を有する。最凸点S1,S2だけでなく曲率変化点Q1,Q2を設けることによって、切削時に、円弧状切刃部5a、6aは、着座面3に対して最も離れて凸となる上記最凸点S1,S2側から曲率変化点Q1,Q2にかけて、徐々に被削材に食い付いて切り込むことになるので、切削加工時の応力を最凸点S1,S2から曲率変化点Q1,Q2までの範囲を含む広い範囲に分散させることができる。
 このように、最凸点S1,S2を設けることで切削インサート1の肉厚を確保して強度の向上を図るとともに、最凸点S1,S2と刃先先端2b,2aとの間に曲率変化点Q1,Q2を設けることで切削抵抗を低減することができるので、切削加工時の負荷による切削インサート1の損傷を防止することができる。
 また、切削加工時に切りくずが生成されるが、円弧状切刃部5aのうち、最凸点Sから刃先先端2bとの間に曲率変化点Qがない従来の形状の場合は、切りくずが曲がって引っ張られてしまう。
 これに対して本実施形態では、最凸点Sから刃先先端2bまでの間に曲率変化点Qが存在するため、切削によって生成される切りくずが曲がりにくくなり、切削時の応力が分散される。これにより、切りくずの排出性が改善されて、円弧状切刃部5aに欠損や破損(き裂)等が発生するのを防ぐことができる。その結果、切削インサート1の寿命を延ばすことが可能である。
 また、図3に示すように、最凸点S1,S2及び曲率変化点Q1,Q2は、溝部8の逃げ面4への開口部とは重ならない位置に配置されているので、着座面3から最凸点S1,S2及び曲率変化点Q1,Q2までの肉厚を十分に確保して、切削インサート1に大きな切削不可が作用しても主切刃5及び副切刃6に損傷が生じるのを防ぐことができる。
 このように、本実施形態の切削インサート1は、従来よりも幅広い切り込み深さにおいて、切削時の応力を分散して刃先先端側の強度を高めることで切刃部にき裂が発生するのを抑制できる。
 以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得る。それらについても本発明の技術的範囲に属する。上述した各実施形態の構成を適宜組み合わせてもよい。
 また、本発明に係る切削インサートは、炭化タングステン-コバルト基(WC-Co基)を主原料とした超硬合金で製作することが望ましいが、炭化タングステン-コバルト基の他に、炭窒化系のサーメットを含む超硬合金製の他に、高速度鋼、炭化チタン、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、及びこれらの混合体からなるセラミックス、立方晶窒化硼素焼結体、ダイヤモンド焼結体、多結晶ダイヤモンドあるいは立方晶窒化硼素からなる硬質相と、セラミックスや鉄族金属などの結合相とを超高圧下で焼成する超高圧焼成体など、を用いることも可能である。
 なお、上記実施形態の切削インサートにおいて、前記円弧状切刃部(5a,6a)は、工具先端側に対応する位置から順に、少なくとも2以上の互いに円弧半径が異なる円弧状の第1切刃(51、61)、第2切刃(52、62)~第N切刃(Nは2以上の整数、上述した実施形態ではN=2)から構成されていてもよい。また、前記先端側の前記第1切刃(51、61)は、それ以外の前記第2切刃(52、62)~第N切刃よりも円弧半径が小さく、前記第1切刃(51、61)においては、前記第2切刃(52、62)側から、前記工具先端側へ向けて、前記逃げ面(4)と前記すくい面(2)の成す角である刃物角が徐々に小さくされていてもよい。
 この場合、前記円弧状切刃部(5a,6a)の前記第1切刃(51、61)において、第2切刃(52、62)側から先端部へ向けて、切刃部の刃物角を漸次小さくすることにより、刃先先端部による切削時に切刃の逃げ角を大きくすることができ、刃先先端部の逃げ面摩耗の進行を抑制できる。
 なお、一般に、円弧状切刃部の先端部は、切削時にZ軸方向からの突き上げる力がかかり、欠損するおそれが高い。また、一般には、刃物角が大きいほうが肉厚となり切刃強度は増すが、高硬度鋼などの被削材を切削加工する際は、逃げ角が小さいと肉厚が大きくても寿命にばらつきが生じることがある。これに対し、上記の構成においては、第1切刃(51、61)の後端側から先端側へ刃先先端部の逃げ角を徐々に小さくし、切削加工時に円弧状切刃部の先端部での逃げ角をある程度確保することにより、円弧状切刃部の先端部の寿命を安定させることができる。前記第1切刃(51、61)の逃げ角は、前記工具先端側では10~25°程度、前記第2切刃(52、62)側では5~20°程度、両者の差は5~15°程度であると好適である。より好ましくは、前記第1切刃(51、61)の刃物角は、前記工具先端側では15~25°程度、前記第2切刃(52、62)側では8~18°程度、両者の差は10~15°程度とされる。
 また、前記実施形態において、切削インサート1Aの最下点と、他の切削インサート1Bの最下点の差H3は、工具本体11の直径Dとの関係で、H3/Dが0.025以下であってもよい。この場合、H3/Dが0.025以下とされることにより、工具直径Dに対する切削インサートの刃先段差を十分に小さくすることができる。その結果、最下点が低い方の切削インサート1A(すなわち親刃)のみで切削加工をする範囲が小さくなり、最下点が低い方の切削インサート1Aの先端部における摩耗が抑制され、切削インサート1Aの寿命を延ばすことができる。H3/Dは好ましくは0.020以下であり、より好ましくは0.017以下である。H3/Dの下限は限定はされないが、現実的には0.010程度である。
 本発明の切削インサート及び刃先交換式切削工具によれば、円弧状切刃部に発生する応力を分散させることで、切刃部にき裂が発生するのを抑制できるから、本発明は産業上の利用が可能である。
 1…切削インサート
 2…すくい面
 2a,2b…刃先先端
 3…着座面
 4…逃げ面
 5…主切刃(切刃)
 5a,6a…円弧状切刃部
 5b,6b…直線状切刃部
 6…副切刃(切刃)
 7…取付孔
 8(8A,8B)…溝部
 11…工具本体
 12,12A…インサート取付座
 12a…底面
 17…凸曲線部
 21…ブレーカー
 21a…頂点(稜線)
  51,61…第1切刃
 52,62…第2切刃
 100…刃先交換式ボールエンドミル(刃先交換式切削工具)
 H,H1,H3…距離
 L1,L2…線
 N1,N2…接線
 O…軸線
 P…中心点
 Q(Q1,Q2)…曲率変化点
 R1,R2…円弧半径
 S(S1,S2)…最凸点
 T…エンドミル本体の回転方向
 T1…刃先先端から曲率変化点までの着座面からの高さ(肉厚)
 T2…曲率変化点から最凸点までの着座面からの高さ(肉厚)
 θ1,θ2,θ3…角度
 

Claims (13)

  1.  軸線の回りに回転される刃先交換式切削工具における工具本体の先端に形成されたインサート取付座に着脱可能に取り付けられる切削インサートであって、
     前記工具本体の回転方向に向けられるすくい面と、
     前記すくい面とは反対側を向いて前記インサート取付座の底面に着座される着座面と、
     前記すくい面と前記着座面との周囲に延びる逃げ面とを備え、
     前記すくい面と前記逃げ面との交差稜線部には、前記すくい面に対向する方向から見た平面視において円弧状に延びる円弧状切刃部と、前記円弧状切刃部に接するように延びる直線状切刃部と、をそれぞれ備えた2つの切刃が、前記円弧状切刃部と直線状切刃部を前記すくい面の周方向に交互に位置させて形成され、
     前記各切刃においては、少なくとも前記円弧状切刃部が前記直線状切刃部から離れるに従い、前記着座面から離れた後に前記着座面に近づく凸曲線部を有しているとともに、前記逃げ面に対向する方向から見た側面視において、前記円弧状切刃部は、前記凸曲線部上の前記着座面から最も離れた点を最凸点とすると、前記最凸点と前記円弧状切刃部の刃先先端との間に曲率変化点を有する、切削インサート。
  2.  前記最凸点を通る前記円弧状切刃部の接線に対する法線方向から見た前記側面視において、
     前記各切刃は、少なくとも異なる2つの曲率の円弧を含み、
     前記刃先先端側の円弧半径をR1、前記最凸点側の円弧半径をR2とすると、R1<R2の関係を満たす、請求項1に記載の切削インサート。
  3.  前記円弧半径R1は、前記円弧半径R2の1/2以下である請求項2に記載の切削インサート。
  4.  前記側面視において、
     前記切刃は、前記曲率変化点を境に、前記刃先先端側が前記着座面に対して上に凸の曲線状の第1切刃と、前記最凸点側が前記着座面に対して上に凸の第2切刃からなり、
     前記第2切刃が前記第1切刃よりも曲率の小さい曲線状あるいは直線状の前記第2切刃で形成され、
     前記第1切刃と前記第2切刃との交点が前記曲率変化点である、請求項1又は2に記載の切削インサート。
  5.  前記第1切刃の曲率が前記第2切刃の曲率の2倍以上である、請求項4に記載の切削インサート。
  6.  前記側面視における前記円弧状切刃部において、
     前記着座面と垂直な方向における前記刃先先端から前記最凸点までの高さに対する前記刃先先端から任意の切刃稜線までの高さの割合が90%以上となる部分が前記第2切刃である、請求項5に記載の切削インサート。
  7.  前記切削インサートは、前記インサート取付座の前記底面から突出する凸部に当接可能な壁面を有する溝部が形成されており、
     前記溝部は、前記切削インサートを取り付けるための取付孔を挟んで2つ形成されており、
     前記曲率変化点は、2つの前記溝部のうち前記円弧状切刃部に近い一方の前記溝部よりも刃先先端側に形成されている、請求項1から6のいずれか1項に記載の切削インサート。
  8.  前記円弧状切刃部は、工具先端側に対応する位置から順に、少なくとも2以上の互いに円弧半径が異なる円弧状の第1切刃、第2切刃~第N切刃(Nは2以上の整数)から構成され、
     前記先端側の前記第1切刃は、それ以外の前記第2切刃~第N切刃よりも円弧半径が小さく、
     前記第1切刃においては、前記第2切刃側から前記工具先端側へ向けて、前記逃げ面と前記すくい面の成す角である刃物角が徐々に小さくなる、請求項1から7のいずれか1項に記載の切削インサート。
  9.  請求項1から8のいずれか1項に記載の切削インサートと、
     前記切削インサートを複数取り付けることができる工具本体とを有する刃先交換式切削工具であって、
     前記工具本体の前記軸線上に位置した前記円弧状切刃部の中心点をPと定義した場合、
     前記中心点Pと前記最凸点とを結んだ線と前記軸線との成す角度をθ1とし、
     前記中心点と前記曲率変化点とを結んだ線と前記軸線との成す角度をθ2とすると、θ2<θ1、30°≦θ1≦50°、15°≦θ2≦40°である、刃先交換式切削工具。
  10.  前記軸線に沿う方向において、前記切削インサートにおける切刃の刃先先端から曲率変化点までの距離をHとし、前記工具本体の直径をDとすると、D/30≦H≦D/10の関係を満たす、請求項9に記載の刃先交換式切削工具。
  11.  請求項1から8のいずれか1項に記載の切削インサートを前記工具本体に取り付けた状態において、
     前記円弧状切刃部は、工具先端側に対応する位置から順に、少なくとも2以上の互いに円弧半径が異なる円弧状の第1切刃、第2切刃~第N切刃(Nは2以上の整数)から構成され、
     前記先端側の前記第1切刃は、それ以外の前記第2切刃~第N切刃よりも円弧半径が小さく、
     前記第1切刃においては、前記第2切刃側から前記工具先端側へ向けて、前記切削インサートの前記逃げ面と被削材面の成す角である逃げ角が徐々に大きくなる、請求項9または10に記載の刃先交換式切削工具。
  12.  請求項1から8のいずれか1項に記載の前記切削インサートを、前記工具本体に複数取り付けた状態において、
     いずれか一つの前記切削インサートの最下点と、他の切削インサートの最下点の差をHとすると、前記工具本体直径Dとの関係は、H/Dが0.025以下である、請求項9から11のいずれか1項に記載の刃先交換式切削工具。
  13.  前記工具本体の先端部には、互いに180°隔てた位置に二つのインサート取付座が形成され、
     これらの二つのインサート取付座のそれぞれに、請求項1から8のいずれか1項に記載の前記切削インサートが着脱可能に取り付けられている、請求項9から12のいずれか1項に記載の刃先交換式切削工具。
     
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