JPH0240928B2 - Sekieigarasuseibaana - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、主として半導体製造用の各種治具等
を加工する為の石英ガラス製バーナに係り、特に
小物部品又は狭域部分を加工するのに好適な石英
ガラス製バーナに関する。

「従来の技術」 従来より半導体熱処理システムに用いられる、
ウエハ支持ボートや引き出し棒等の各種半導体製
造用治具においては、該治具等より遊離した不純
物がウエハ表面に付着するのを防止する為に、耐
熱性と化学的安定性の高い石英ガラス材を用いる
のが一般的である。

そしてこの種の石英ガラス材は、従来より金属
で形成された酸水素バーナを用いて加工を行つて
いたが、金属製のバーナを用いると、該金属より
遊離した金属蒸気又はその酸化物が、ガス流や火
炎とともに前記石英ガラス表面に噴出―付着し、
該金属酸化物等が付着した半導体製造治具をその
まま熱処理工程に使用すると、熱処理中に前記治
具等より遊離した金属酸化物が、ウエハ表面に付
着して製品不良の原因になるという問題を生じ
る。

この為、前記金属バーナの代わりに、石英ガラ
ス製のバーナを用いて加工を行う方法が種々検討
されているが、石英ガラスの場合は金属と異な
り、精密な切削加工等が因難であり又例え可能で
あるにしてもその加工工数が大である故に、石英
ガラス製バーナを製作する場合は切削加工を極力
少なくし、バーナ形成用石英ガラス材をあぶりな
がら引き延ばし、曲げ、拡径や縮径、又は溶着等
の熱加工手段を多く採用する方が好ましい事は言
うまでもない。

この為、従来の石英ガラス製バーナにおいて
は、外管内に内管を同心状に貫通させ、該同心状
に形成された複数の流路より夫々酸素と水素を個
別に吹き出させ、該吹出し口より加工位置に達す
るまでの間に両者を混合させながら火炎流を発生
させる、いわゆる外部混合方式のガスバーナが多
く採用されている。（特開昭60−22812号他） 「発明が解決しようとする問題点」 しかしながらこのような外部混合方式のガスバ
ーナにおいては、複数の管路を同心上に吹出し口
まで延設させる為に吹出し口を小径化するのが困
難であるとともに、該吹出し口より加工位置に達
するまでの間に両ガスを混合させる必要上必然的
に吹出し口より加工位置までの距離を長く採らざ
るを得ず、操作性が低下し易い。

この為小物部品のように狭域部分を精度よく高
温加熱させるには、吹き出し口の上流側に位置す
る混合室内で酸素と水素を混合させる、内部混合
方式のガスバーナを用いる必要がある。

しかしながら内部混合式のガスバーナで、均一
且つ安定したな混合流を得るには、外管と内管を
同心状に配置する事が必須の構成要件であるが、
石英ガラス管同士を同心上に中空保持するには一
般にリング状のスペーサを用いなければならず、
このようなスペーサを管路内に固着保持するには
熱加工手段のみでは中々困難であるとともに、水
素ガス導入口より一体的に延設する外管内に混合
室が存在する事は、前記外管内に沿つて容易に混
合室の上流側にまで火炎が逆火してしまい、安全
性の面で問題を有す。

本発明はかかる従来技術の欠点に鑑み、安全性
を確保しつつ容易にバーナの小口径化と操作性の
向上を達成し得る石英ガラス製バーナを提供する
事を目的とする。

「問題点を解決しようとする手段」 本発明は、かかる技術的課題を達成する為に、 水素管路１（外管）の内部に酸素管路２（内
管）を挿設して形成される握り部３を有する
点、 前記握り部３の先端側の水素管路１を封止し
て逆流防止壁１１を設けた点 前記逆流防止壁１１の前方に水／酸素混合を
行う内部混合室４を設けた点 前記握り部３側の水素管路１と混合室４間が
逆流防止壁１１を迂回する水素管路（以下迂回
路５という）を介して連接させた点 を必須構成要件とする石英ガラス製バーナを提案
する。

「作用」 かかる技術手段によれば、酸素管路２が、握り
部３の水素管路１先端壁と混合室４の基端側を利
用して容易に位置決め保持させる事が出来る為
に、該保持用の特別なスペーサ等が不要であり、
而も前記保持位置は混合室４近傍である為に、精
度よく混合室４内に同心状に位置決め保持出来
る。

即ち前記酸素管路２はフリーの状態で混合室４
内に中空保持されるのではなく、逆流防止壁１１
に位置決め保持されてる為に、芯ずれ等が生じる
事なく精度よく同心状に保持する事が出来、これ
により該混合室４内で均一且つ安定した内部混合
流が得られるとともに、特に好ましい実施例にお
いては内部混合室内に位置する酸素管路ノズル部
２１を、迂回させた水素管路５先端開口の先側に
位置させる事により一層均一な内部混合が可能と
なる。

又本技術手段によれば、握り部３の水素管路１
が直接混合室４側に導かれるのではなく、前記混
合室４と握り部３間に逆流防止壁１１を介在させ
ている為に、前記混合室４内の火炎流が上流側の
握り部３まで逆火する恐れがなくなり、安全性が
極めて向上する。

更に前記迂回路５と酸素管路２との間に形成さ
れる閉鎖空間６を利用して、該バーナを所定の吊
部材に容易に係止させる事が出来、使用上極めて
便利である。

更に本発明の好ましい実施例によれば、該混合
室４を形成する管路７先側を延設する事によりバ
ーナ先端より溶接部位までの見掛け上の焦点距離
が短くなり、操作が一層向上する。（第１図参照） 「実施例」 以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を
例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載
されている構成部品の寸法、材質、形状、その相
対配置などは特に特定的な記載がない限りは、こ
の発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではな
く、単なる説明例に過ぎない。

第２図及び第１図は本発明の実施例に係る石英
ガラスバーナで、特に吹出し口径の小径化を達成
したバーナの外観正面図とその一部欠切き正面図
である。

１は握り部３として機能する中空円筒状の石英
ガラス製水素管路で、基側近傍に水素ガス供給管
１２を連接させた基端側を丸封するとともに、そ
の軸方向先側を逆流防止壁１１を介して円錐状に
縮径させて混合室４を形成した後、該混合室４先
側より更に細径の管路７を延設させその先端部を
小径の吹出口７ａとなすとともに、該細径管路７
の途中位置を所定角度折曲させて操作容易化を図
る。

一方２は先端にテーパ状ノズル部２１を設けた
石英ガラス製酸素管路で、基側２２を水素ガス供
給管１２と並列配置した後、握り部３０基端封止
壁３１より水素管路１内に同心状に挿設させ、そ
の先端ノズル部２１を混合室４内先側に位置させ
るとともに、該ノズル部２１テーパ周面をその縮
径した逆流防止壁１１内壁面により位置決め保持
させるとともに、テーパ周面と逆流防止壁１１内
壁面とを熱溶着させる事により握り部３と混合室
４間を遮閉する。

そして前記遮閉した握り部３と混合室４間をＲ
状に彎曲させた石英ガラス製ガラス管により連接
し迂回路５を形成する。尚迂回路５先端開口５ａ
はノズル部２１の基側の逆流防止壁１１近傍の内
部混合室４基側に位置させている。

第３図は前記実施例の変形例で、握り部３と混
合室４間を縮径させるとともに、該縮径部１５に
握り部３内に挿設した酸素管路２先端を溶着して
封止するとともに、混合室４側の縮径部１５内壁
にノズル部２１基端を溶着して封止している。

かかる変形例によればノズル部２１基端１１ａ
が逆流防止壁として機能し、前記実施例と同様な
効果を上げる事が出来るとともに、前記縮径部１
５が酸素管路２口径より大に設定してある為に、
膨出部として機能し、該縮径部１５で一旦膨出さ
れ流体圧を均一化した酸素流がノズル部２１に導
入される為に、一層好ましい内部混合が可能とな
る。

かかる実施例によれば、酸素ガスが酸素管路２
の先端ノズル部２１より混合室４内に噴出させる
事により、該握り部３及び迂回路５を介して混合
室４内に導入された水素ガスを巻き込みながら内
部混合され、先端吹出口７ａより夫々火炎流が噴
出される。そして前記実施例においては混合室４
より更に細管７が延設されている為に、吹出口７
ａの一層の小口径化と、該吹出口７ａより加工位
置までの見掛け上の焦点距離を短縮出来る。

「発明の効果」 以上記載した如く本発明によれば、石英ガラス
管を用いて容易に且つ精度よく、内部混合方式の
石英ガラス製バーナが形成される為に、強い火力
で且つ適切な火炎口径で被加工物たる石英ガラス
材を加工する事が出来るバーナを提供する事が可
能となり、これにより小物又は狭域部分の加工を
容易に行う事が出来る。等の種々の著効を有す。

【図面の簡単な説明】

第２図及び第１図は本発明の実施例に係る石英
ガラスバーナで、特に吹出し口径の小径化を達成
したバーナの外観正面図とその一部切欠き正面図
である。第３図は前記実施例の変形例を示す一部
切欠き要部正面図である。 １：水素管路、２：酸素管路、３：握り部、
４：内部混合室、５：引出し管路。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 水素管路の内部に同心状に酸素管路を挿設し
   て形成された握り部先端側の水素管路を封止して
   逆流防止壁を設けるとともに、該逆流防止壁より
   迂回させた水素管路の先端開口側に前記酸素管路
   と混合される内部混合室を設けた事を特徴とする
   石英ガラス製バーナ。 ２ 前記混合室を形成する管路先側を延設し、バ
   ーナ吹出し口より熱加工位置までの見掛け上の焦
   点距離を短縮した特許請求の範囲第１項記載の石
   英ガラス製バーナ。 ３ 内部混合室内に位置する酸素管路ノズル部
   が、迂回させた水素管路先端開口の先側に位置し
   ている特許請求の範囲第１項記載の石英ガラス製
   バーナ。