JP2005131567A - ホルムアルデヒド除去剤及び除去方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ホルムアルデヒドの分解除去性能が長期間低下しないホルムアルデヒド除去剤を提供する。
【解決手段】 このホルムアルデヒド除去剤は、表面をアミノ基で修飾した担体に、ホルムアルデヒド分解酵素を含む酵素を固定化したものである。担体としては、シリカゲルなどをを用いうる。アミノ基で担体表面を修飾するには、担体表面に、アミノプロピルトリエトキシシランなどを反応させて、これを結合させればよい。固定化する酵素としては、アルコール酸化酵素などのホルムアルデヒド分解酵素を少なくとも用い、その他に、過酸化水素分解酵素(カタラーゼ)や蟻酸分解酵素を併用してもよい。このホルムアルデヒド除去剤は、室内などの空間に据え置くことによって、住環境に存在するホルムアルデヒドを良好に分解除去する。また、このホルムアルデヒド除去剤を、濾過材本体に含有させて空気清浄用フィルターとしてもよい。
【選択図】 図2
Description
(1)ペシロマイセス(Paecilomyces)属に属し、ホルムアルデヒド分解能力を有する微生物[寄託番号FERMP−18289(菌株IRI017)]由来のホルムアルデヒド分解酵素
(2)ボトリチス(Botrytis)属に属し、ホルムアルデヒド分解能力を有する微生物[寄託番号FERMP−18288(菌株IRI013)]由来のホルムアルデヒド分解酵素
(3)アスペルギルス(Aspergillus )属に属し、ホルムアルデヒド分解能力を有する微生物[寄託番号FERMP−18287(菌株IRI004)]由来のホルムアルデヒド分解酵素
寄託番号FERMP−18289(菌株IRI017)由来のアルコール酸化酵素遺伝子を麹菌に組み込んだ。アルコール酸化酵素を十分に発現させた後、この麹菌211g(湿重量)を、乳鉢で破砕し、450mlの0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)を加え、遠心分離した。その上清を菌体破砕液とし、これをホルムアルデヒド分解酵素(アルコール酸化酵素)とした。菌体破砕液のアルコール酸化酵素活性は、0.326U/mlであり、カタラーゼ活性をも確認された。
直径約2〜4mmで、平均細孔径10〜100nmのシリカゲル5gを、γ−アミノプロピルトリエトキシシランのトルエン溶液(濃度10質量%)10mlに、1時間浸漬した。この結果、γ−アミノプロピルトリエトキシシランは、シリカゲル表面と反応し、シリカゲル表面に結合した。その後、充分量のメタノールでトルエンを除去した後、120℃で約6時間加熱してメタノールを揮発させた。以上のようにして、表面がアミノ基で修飾されたシリカゲルを得た。
上記のとおり準備した、ホルムアルデヒド分解酵素と、表面をアミノ基で修飾したシリカゲル(アミノ基修飾シリカゲル)とを用いて、ホルムアルデヒド除去剤を得た。すなわち、菌体破砕液にアミノ基修飾シリカゲルを浸漬して(菌体破砕液に対するアミノ基修飾シリカゲルの浸漬量は、前者1mlに対して後者を1gとした。)、菌体破砕液をアミノ基修飾シリカゲルに固定化したホルムアルデヒド除去剤を得た。
上記で得られたホルムアルデヒド除去剤225gを、市販のハニカム状ペーパーコアの空隙に充填し、その両側面を合成繊維製不織布で覆って、空気清浄用フィルター(縦300mm×横160mm×厚さ20mm)を作製した。そして、この空気清浄用フィルターを、市販の空気清浄機に装着し、空気清浄機を1m3容量のチャンバー内に入れた。チャンバー内で2〜4ppmのホルムアルデヒドを発生させた後、空気清浄機を約3.2m3/minの風量で運転し、チャンバー内のホルムアルデヒド濃度の変化を調べた。なお、試験は室温で行った。この結果を、図1に示した。
ホルムアルデヒド除去剤に代えて、菌体破砕液が固定化されていないアミノ基修飾シリカゲルを用いる他は、使用例1と同一の方法で、チャンバー内のホルムアルデヒド濃度の変化を調べ、この結果を図1に示した。
ホルムアルデヒド除去剤に代えて、アミノ基で修飾されていないシリカゲル(直径約2〜4mm、平均細孔径10〜100nm)を用いる他は、使用例1と同一の方法で、チャンバー内のホルムアルデヒド濃度の変化を調べ、この結果を図1に示した。
上記で得られたホルムアルデヒド除去剤を、円筒形カラム(内径18mm、長さ50mm)に充填した。そして、ホルムアルデヒド濃度が0.2〜0.4ppmで湿度が98〜99%の空気を、この円筒形カラムに、約0.5L/minの流速で連続的に通気し、ホルムアルデヒドの分解除去性能を測定した。具体的には、円筒形カラムの空気の入口のホルムアルデヒド濃度と、出口でのホルムアルデヒド濃度を測定し、[1−(出口のホルムアルデヒド濃度/入口のホルムアルデヒド濃度)]×100なる式で、ホルムアルデヒド分解率(%)を計算した。その結果を図2に示した。なお、この試験も室温で行った。
ホルムアルデヒド除去剤に代えて、アミノ基で修飾されていないシリカゲル(直径約2〜4mm、平均細孔径10〜100nm)を用いる他は、使用例2と同一の方法で、ホルムアルデヒド分解率を測定し、この結果を図2に示した。
ホルムアルデヒド除去剤に代えて、以下のような除去剤を用いる他は、使用例2と同一の方法で、ホルムアルデヒド分解率を測定し、この結果を図2に示した。ここで、使用した除去剤は、ホルムアルデヒド分解酵素と、アミノ基で修飾されていないシリカゲル(直径約2〜4mm、平均細孔径10〜100nm)を用いて得られたものである。すなわち、菌体破砕液に、前記のアミノ基で修飾されていないシリカゲルを浸漬して(菌体破砕液に対するシリカゲルの浸漬量は、前者1mlに対して後者を1gとした。)、菌体破砕液をシリカゲルに固定化した除去剤である。
ホルムアルデヒド除去剤に代えて、菌体破砕液が固定化されていないアミノ基修飾シリカゲルを用いる他は、使用例2と同一の方法で、ホルムアルデヒド分解率を測定し、この結果を図2に示した。
Claims (8)
- 表面をアミノ基で修飾した担体に、ホルムアルデヒド分解酵素を含む酵素を固定化したホルムアルデヒド除去剤。
- ホルムアルデヒド分解酵素としてアルコール酸化酵素を用いる請求項1記載のホルムアルデヒド除去剤。
- 表面をアミノ基で修飾した担体に、アルコール酸化酵素及び過酸化水素分解酵素を含む酵素を固定化したホルムアルデヒド除去剤。
- 担体がシリカゲルである請求項1乃至3のいずれか一項に記載のホルムアルデヒド除去剤。
- 請求項1乃至4のいずれか一項に記載のホルムアルデヒド除去剤を、室内、家具の引き出し又は家具の保管乃至輸送中の包装容器内などの空間に据え置くことを特徴とするホルムアルデヒドの除去方法。
- 濾過材本体に、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のホルムアルデヒド除去剤が含まれてなる空気清浄用フィルター。
- 請求項6記載の空気清浄用フィルターを具えてなる空気清浄機
- 請求項6記載の空気清浄用フィルターを具えてなるエアーコンディショナー。
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