以下、本発明に係る遊技機について、添付図面に従って詳細に説明する。なお、本実施形態では、遊技機としてスロットマシンを例示して説明する。
図1は、本実施形態に係るスロットマシンの一例を示した斜視図であり、図2は遊技領域を拡大して示す図である。
本実施形態に係るスロットマシン1は、前面に開閉可能なドア(前面扉)2を有する箱体3を備えている。ドア2には、その前面のほぼ中央より上部に、パネル表示部2a、各種の演出画像の表示を行なう演出手段としての画像表示装置を構成する液晶表示部2b、及び固定表示部2cが設けられている。ドア2の内部(液晶表示部2b背面)には、3個の変動表示装置(ここでは、機械的に回転する3個の回転リールで構成されている;以下、リールと称する)3L,3C,3Rが回転自在に横一列に配設されており、これら各リールの外周表面には、複数種類の図柄によって構成される図柄列が描かれている。各リールに形成された図柄は、矩形の図柄表示領域21L,21C,21Rを通して視認できるようになっており、各リールは、定速回転(例えば、80回転/分)可能に構成されている。
パネル表示部2a、液晶表示部2b、及び固定表示部2cの下方には、略水平面の台座部4が形成されている。この台座部4の左側には、押しボタン操作によりクレジットされている遊技媒体としてのメダル(以下、単にメダルと称する)を賭けるためのBETボタン5が設けられている。なお、本実施形態のスロットマシンでは、一度に3枚のメダルを賭ける3枚賭け専用機として構成されている。
前記座部4の右側には、前記メダルを投入する投入口6が設けられており、その前面部左寄りには、遊技者がゲームで獲得したメダルのクレジット(貯留)/払出しを押しボタン操作で切り換えるC/Pボタン7が設けられている。このC/Pボタンの切り換えにより、正面下部のメダル払出し口8からメダルが払い出され、払い出されたメダルはメダル受け部9に溜められる。また、貯留されたメダルは、上記BETボタン5を押圧操作することで、1ゲーム毎に3枚づつ減算されると共に、貯留メダル枚数は、後述する制御手段において記憶、管理される。
前記C/Pボタン7の右側には、遊技者の操作により上記リールを回転させ、図柄表示領域21L,21C,21R内での図柄の変動を開始(ゲームを開始)するためのスタートレバー(遊技者による操作が可能な遊技開始指令手段)10が所定の角度範囲で回動自在に取り付けられている。また、台座部4の前面中央部で、スタートレバー10の右側には、上記した3個のリール3L,3C,3Rの回転をそれぞれ停止させるための3個のストップボタン(遊技者による操作によって各リールの変動を停止させる変動表示停止手段)11L,11C,11Rが設けられている。
前記ドア2の上方の左右には、スピーカ12L,12Rが設けられ、その2台のスピーカ12L,12Rの問には、入賞図柄の組み合せ及びメダルの配当枚数等を表示する配当表パネル13が設けられている。
上記したパネル表示部2aは、ボーナス遊技情報表示部16、BETランプ17a〜17c、払出表示部18、及びクレジット表示部19等によって構成される。ボーナス遊技情報表示部16は、7セグメントLEDから成り、ボーナスゲーム中の遊技情報を表示する。BETランプは、ゲームを行なうために賭けられたメダルの数に応じて点灯するものであり、本実施形態では、3枚賭け専用であることから、遊技毎に全てのBETランプ17a〜17cが点灯する。また、払出表示部18及びクレジット表示部19は、それぞれ7セグメントLEDから構成されており、入賞成立時のメダルの払出枚数及び貯留(クレジット)されているメダルの枚数を表示する。なお、それ以外にも、例えば、遊技動作を表示する各種のランプ(WINランプ、遊技メダル投入ランプ、遊技動作表示ランプ等)や、役物作動回数を表示する表示部(役物作動回数表示部)等が設けられていても良い。
上記した液晶表示部2bは、図柄表示領域21L,21C,21R、これらを囲むようにして設けられた窓枠表示領域22L,22C,22R、及び演出表示領域23を備えており、前記窓枠表示領域22L,22C,22Rは、リール3L,3C,3R上に配置された図柄の表示窓の枠を表している。また、液晶表示部2bの内、図柄表示領域21L,21C,21Rでは、後述するように、内部抽選手段の抽選処理後に、各種の演出画像が表示されると共に、遊技状況に応じて、複数のゲームに亘って関連性のある演出画像(1ゲーム進行する毎にストーリ性を持たせた演出画像;連続演出)が表示される。
なお、本実施形態では、このような連続演出は、内部抽選手段の抽選処理において、ボーナスゲーム(ビッグボーナスやレギュラーボーナス)に当選した状態で、かつその遊技を含めて、後の所定回数の遊技では、ボーナスゲームの入賞状態に停止図柄を揃えられないようにリールの停止制御がされる際に実行される。また、図柄表示領域21L,21C,21Rや演出表示領域23では、上記した演出以外にも、遊技者が遊技を有利に進めるために必要な情報の表示等を行なっても良い。
上記した固定表示部2cは、予め定めた画像を表示する領域であり、この固定表示部2cに表示された画像と、演出表示領域23に表示された画像により一つの静止画像又は動画像を表示できるようになっている。
前記液晶表示部2bは、保護ガラス、表示板、液晶パネル、導光板、反射フィルム、蛍光ランプ、及び液晶パネル駆動用のICを搭載したテーブルキャリアパッケージ(TCP)からなり液晶パネルの端子部に接続されるフレキシブル基板、等を備えた透過型の液晶表示装置(前面液晶表示装置)で構成されている。
液晶パネルの表示モードは、ノーマリーホワイトに設定されており、液晶を駆動できない事態が生じても、図柄表示領域21L,21C,21Rを通して、各リール3L,3C,3R上に配置された図柄を視認でき、遊技を継続できるようになっている。そして、図柄表示領域21L,21C,21Rにある液晶を駆動しない場合には、前記リール3L,3C,3Rの図柄が視認できると共に、図柄表示領域21L,21C,21Rにある液晶を駆動すると、その部分での表示される画像を視認することが可能となる。
上記した各リール3L,3C,3R上に配置された図柄は、例えば、図3に示すような構成となっている。この図では、各リール3L,3C,3Rに表された複数種類の図柄が21個配列された図柄列を示している。各図柄には「00」〜「20」のコードナンバーが付され、データテーブルとして、後述するROMに格納されている。また、これらの図柄列は、各リールが回転駆動された際、矢印方向に移動するように回転駆動される。
次に、スロットマシンの遊技の進行、及び演出の制御を行なう制御手段について説明する。
上記したように、本実施形態のスロットマシンは、各種の演出画像を表示する画像表示装置(透過型の液晶表示装置)を備えており、膨大な画像データに基づいて、前記液晶表示装置における画像表示を制御すると共に、それに応じて複雑な効果音を発生するための音声データを制御する必要がある。このため、本実施形態では、遊技全体の進行を制御する制御手段を、もっぱら遊技処理動作を制御するための基板(メイン制御基板)上に設けておき、それ以外の処理を制御する制御手段(画像表示制御や音声制御等を行なう演出制御手段)を、前記メイン制御基板とは分割され、メイン制御基板から各種のコマンドを受けて実行するサブ制御基板上に設けている。
図4は、上記した制御手段の内、メイン制御基板の一構成例を示すブロック図である。
メイン制御基板100は、スロットマシン1における遊技処理動作を制御する主制御回路81を備えている。この主制御回路81は、回路基板上に配置されたマイクロコンピュータ40を主たる構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路を加えて構成されている。マイクロコンピュータ40は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行なうメインCPU(以下、CPU)41と、記憶手段であるプログラムROM(以下、ROM)42及び制御RAM(以下、RAM)43を含む。
CPU41には、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路44及び分周器45と、内部抽選手段を構成するサンプリングされる乱数を発生する乱数発生器46及びサンプリング回路47とが接続されている。なお、乱数サンプリングのための手段として、マイクロコンピュータ40内で、すなわちCPU41の動作プログラム上で乱数サンプリングを実行するように構成しても良い。その場合、乱数発生器46及びサンプリング回路47は省略可能であり、或いは乱数サンプリング動作のバックアップ用として残しておくことも可能である。
マイクロコンピュータ40のROM42には、スタートレバー10を操作(スタート操作)する毎に行われる乱数サンプリングの判定に用いられる確率抽選テーブル、ストップボタンの操作に応じてリールの停止態様を決定するための停止制御テーブル、後述するサブ制御基板200の副制御回路82へ送信するための各種の情報、制御指令(コマンド)が格納されている。このコマンドには、例えば、「メダル投入コマンド」、「メダルの貯留枚数コマンド」、「成立フラグコマンド」、「リール停止コマンド」、「入賞役コマンド」等がある。なお、副制御回路82が主制御回路81ヘコマンド、情報等を入力することはなく、主制御回路81から副制御回路82への一方向で通信が行われる。
主制御回路81には、周辺装置(アクチュエータ)が電気的に接続されている。これらの周辺装置は、マイクロコンピュータ40からの制御信号により動作が制御されるようになっており、主要な周辺装置としては、各種ランプ(例えば、図1に示したBETランプ17a〜17cや、それ以外にも、WINランプ17、遊技メダル投入ランプ24、遊技開始表示ランプ25、遊技動作表示ランプ26等)と、各種表示部(図1に示した払出表示部18、クレジット表示部19や、それ以外にも、役物作動回数表示部20等)と、メダルを収納し、ホッパ駆動回路51の命令により所定枚数のメダルを払い出す遊技価値付与手段としてのホッパ(払い出しのための駆動部を含む)50と、リール3L,3C,3Rを回転駆動するステッピングモータ59L,59C,59Rなどがある。
更に、ステッピングモータ59L,59C,59Rを駆動制御するモータ駆動回路49、ホッパ50を駆動制御するホッパ駆動回路51、各種ランプを駆動制御するランプ駆動回路55、及び各種表示部を駆動制御する表示部駆動回路58がI/Oポート48を介してCPU41の出力部に接続されている。これらの駆動回路は、それぞれCPU41から出力される駆動指令などの制御信号を受けて各アクチュエータの動作を制御する。
また、マイクロコンピュータ40が制御指令を発生するために必要な入力信号を発生する主な入力信号発生手段としては、前記スタートレバー10の操作を検出するスタートスイッチ10a、前記BETボタン5の押圧操作を検出するBETスイッチ5a、前記C/Pボタン7の押圧操作を検出する貯留メダル精算スイッチ7a、投入口6に投入されるメダルを検出する投入メダルセンサ6S、リール停止信号回路56、リール位置検出回路60、払出完了信号回路61などがある。これらもI/Oポート48を介してCPU41に接続されている。
前記リール位置検出回路60は、リール回転センサからのパルス信号を受けて各リール3L,3C,3Rの位置を検出するための信号をCPU41へ供給する。また、払出完了信号回路61は、メダル検出部50Sの計数値(ホッパ50から払い出されたメダルの枚数)が指定された枚数データに達したとき、メダル払い出し完了を検知するための信号を発生する。
前記乱数発生器46は、一定の数値範囲に属する乱数を発生し、サンプリング回路47は、スタートレバー10が操作された後の適宜のタイミングで1個の乱数をサンプリングする。こうしてサンプリングされた乱数、及びROM42内に格納されている確率抽選テーブルに基づいて内部当選役(成立フラグ)が決定される。内部当選役が決定された後、「停止制御テーブル」を選択するために再び乱数のサンプリングが行われる。
リール3L,3C,3Rの回転が開始された後、ステッピングモータ59L,59C,59Rの各々に供給される駆動パルスの数が計数され、その計数値はRAM43の所定エリアに書き込まれる。リール3L,3C,3Rからは一回転毎にリセットパルスが得られ、これらのパルスはリール位置検出回路60を介してCPU41に入力される。こうして得られたリセットパルスにより、RAM43で計数されている駆動パルスの計数値が「0」にクリアされる。これにより、RAM43内には、各リール3L,3C,3Rについて一回転の範囲内における回転位置に対応した計数値が格納される。上記のようなリール3L,3C,3Rの回転位置とリール外周面上に描かれた図柄とを対応づけるために、上述した図柄テーブルがROM42内に格納されている。この図柄テーブルでは、前述したリセットパルスが発生する回転位置を基準として、各リール3L,3C,3Rの一定の回転ピッチ毎に順次付与されるコードナンバー(図3参照)と、それぞれのコードナンバー毎に対応して設けられた図柄を示す図柄コードとが対応づけられている。
さらに、上記したROM42内には、入賞図柄組み合わせテーブルが格納されている。この入賞図柄組み合わせテーブルでは、入賞となる図柄の組み合わせと、入賞のメダル配当枚数と、その入賞を表す入賞判定コードとが対応づけられている。上記の入賞図柄組み合わせテーブルは、左のリール3L、中央のリール3C、右のリール3Rの停止制御時、及び全リール停止後の入賞確認を行なうときに参照される。
上記乱数サンプリングに基づく抽選処理(確率抽選処理)により内部当選した場合には、CPU41は、遊技者がストップボタン11L,11C,11Rを操作したタイミングでリール停止信号回路56から送られる操作信号、及び停止制御テーブルで選択された停止情報に基づいて、リール3L,3C,3Rを停止制御する信号をモータ駆動回路49に送る。このとき、CPU41は、操作信号を受信したときのリール3L,3C,3Rの位置及び成立フラグに基づいて、各リールを所定のコマ数滑らせるように制御し、所定の図柄を表示させる。なお、停止制御テーブルには、例えば、ボーナスゲームに内部当選したものの、ボーナスゲームの入賞図柄に停止図柄を揃えさせない場合もあるが、このような場合、それ以後の遊技では、ボーナス入賞の成立フラグの権利が持ち越されるように設定されている(持越役の成立)。
内部当選した役の入賞成立を示す停止態様となれば、CPU41は、払い出し指令信号をホッパ駆動回路51に供給してホッパ50から所定個数のメダルの払い出しを行なう。その際、メダル検出部50Sは、ホッパ50から払い出されるメダルの枚数を計数し、その計数値が指定された数に達したときに、メダル払い出し完了信号がCPU41に入力される。これにより、CPU41は、ホッパ駆動回路51を介してホッパ50の駆動を停止し、「メダルの払い出し処理」を終了する。
図5は、サブ制御基板の一構成例を示すブロック図である。
サブ制御基板200は、副制御回路82を備えており、副制御回路82は、主制御回路81からの制御指令(コマンド)に基づいて、液晶表示部2bにおける表示制御及びスピーカ12L,12Rからの音の出力制御を行なう。この副制御回路82は、主制御回路81を構成する回路基板とは別の回路基板上に構成されており、マイクロコンピュータ(以下「サブマイクロコンピュータ」という)83を主たる構成要素とし、液晶表示部2bの表示制御手段としての画像制御回路(画像制御マイクロコンピュータ)91、スピーカ12L,12Rにより出音される音を制御する音源IC88、及び増幅器としてのパワーアンプ89を備えている。
サブマイクロコンピュータ83は、主制御回路81から送信された制御指令に従って制御動作を行なうサブCPU84と、記憶手段としてのプログラムROM85と、ワークRAM86とを含んでいる。また、副制御回路82は、クロックパルス発生回路、分周器、乱数発生器及びサンプリング回路を備えていないが、サブCPU84の動作プログラム上で乱数サンプリングが実行するように構成されている。
サブCPU84の機能として、メイン制御基板100からのコマンドを、INポート87を介して受信する受信機能、メイン制御基板から送信される各種コマンドに基づいて演出内容を決定し、各種演出に関するパラメータを、OUTポート90を介して画像制御回路91のINポート95に送信する送信機能、及び各種効果音のシーケンス制御を行なう効果音制御機能を備えている。また、メイン制御基板側から送信されてワークRAM86で記憶されているメダルの貯留量に関し、その貯留枚数で何回の連続演出が可能かを演算する演算処理機能を有している。
プログラムROM85は、サブCPU84で実行する制御プログラムを格納している。また、プログラムROM85内には、画像制御回路91の画像制御CPU92に対し、各種の演出画像を液晶表示部2bに表示させるための制御指令(コマンド)等が格納されており、上記したワークRAM86は、上記制御プログラムをサブCPU84で実行するときの一時記億手段として機能する。
前記画像制御回路91は、画像制御CPU92、画像制御ワークRAM93、画像制御プログラムROM94、画像ROM96、ビデオRAM97及び画像制御IC98で構成される。画像制御CPU92は、サブマイクロコンピュータ83で設定されたパラメータに基づき、画像制御プログラムROM94内に格納する画像制御プログラムに従って、液晶表示部2bにおける表示画像の処理を行なう。
この画像制御プログラムROM94は、液晶表示部2bでの表示に関する画像制御プログラムや、上記したメイン制御基板側から送信されるコマンドやサブCPU84で設定されたパラメータに応じた様々な演出パターン等、各種の選択テーブルを格納する。また、画像制御ワークRAM93は、上記画像制御プログラムを画像制御CPU92で実行するときの一時記億手段として構成され、画像制御IC98は、画像制御CPU92で決定された表示内容に応じた画像を形成し、液晶表示部2bに出力する。さらに、画像ROM96は液晶表示部2bで表示される各種の画像を形成するためのドットデータを格納し、ビデオRAM97は画像制御IC98で画像を形成するときの一時記億手段として構成される。
図6は、図5に示すサブ制御基板200のワークRAM86における作業領域の一例を示す図である。サブ制御基板200では、遊技が開始された後、メイン制御基板から送信される各種コマンドに基づいて、各作業領域において所定値が書き込まれる。図に示す作業領域において、演出識別子は、サブCPU84において行なわれる演出用の乱数抽選処理によって特定されるものであり、具体的には、0〜127の範囲の乱数で抽選を行ない、例えば、図7に示すような演出決定用テーブルによって演出パターンが決定される。
なお、ここでの各演出パターンA〜Cは、夫々、複数回の遊技に亘って行なわれる連続演出であり、例えば、Aパターン演出では大当たりの期待が高い一連の演出、Bパターン演出では大当たりの期待がある程度高い一連の演出、Cパターン演出では途中の演出までは期待度を持たせるような一連の演出にするなど、期待度に応じて異なるように設定されており、通常演出では、上記したような連続演出が行なわれることはなく、単発の演出が実行される。
本実施形態では、連続演出は、最大4回行なわれるように設定されると共に、各演出パターンA〜Cは、後述するメダル演算値カウンタの設定値に基づいて、夫々4回演出シリーズ、3回演出シリーズ、2回演出シリーズ、単発演出が選択されるようになっている。この場合、各演出パターンにおける演出シリーズの選択は、後述するプログラムROM85に格納された演出シリーズ選択テーブルによって行なわれる(図8参照)。
また、図6に示す作業領域において、メダル演算値カウンタは、スタートレバー操作時における貯留枚数のメダル量と、1回の遊技に必要とされるメダル量を除算した際の整数部分が取られる。本実施形態では、3枚賭け専用機であることから、例えば、9枚以上貯留されているときは「4」が、6〜8枚貯留されているときは「3」が、3〜5枚貯留されているときは「2」が、0〜2枚貯留されているときは「1」が、それぞれセットされる。
図8は、サブ制御基板200側で行なわれる演出シリーズを選択する際に参照される演出シリーズ選択テーブルの一例を示す図である。ここでは、演算値カウンタの値に基づいて、各演出パターンA〜Cで、夫々4つの演出シリーズが準備されている。具体的には、演算値カウンタが4にセットされている場合、その回を含めた以後の4回の遊技では、シリーズとして関連のある演出A41→A42→A43→A44が選択、実行される。また、演算値カウンタが3にセットされている場合、その回を含めた以後の3回の遊技では、シリーズとして関連のある演出A31→A32→A33が選択、実行される。また、演算値カウンタが2にセットされている場合、その回を含めた以後の2回の遊技では、シリーズとして関連のある演出A21→A22が選択、実行される。そして、演算値カウンタが1にセットされている場合、その遊技で1回の演出A11が選択、実行される。同様に、Bパターン、Cパターンが選択された場合も、演算値カウンタに基づいて、それに応じたシリーズ演出(連続演出)が行なわれる。
次に、メイン制御基板100の主制御回路81におけるCPU41の制御動作例(1回の遊技の全体動作例)について、図9〜図12のフローチャートを参照して説明する。
まず、CPU41は、遊技開始時の初期化処理を行ない遊技終了時のRAM43をクリアする(ST1)。続いて、メダルの自動投入の要求があるか否かを判断する(ST2)。自動投入の要求がある場合とは、前の遊技において再遊技の入賞が成立した場合である。メダルの自動投入の要求があるときは、投入要求分のメダルを自動投入し(ST3)、副制御回路82に遊技メダル投入コマンドを送信した後(ST4)、ST6の処理に移る。メダルの自動投入の要求がないときは、メダル投入口及びBETボタン5からのメダルの投入を受け付け(ST5)、ST6の処理に移る。
ST6の処理では、スタートレバー10が「オン」か否かを判断し、スタートレバーが「オン」のときは、前遊技から4.1秒経過しているか否かを判断する(ST7)。具体的には、後述のST10の処理でセットされる一遊技監視用タイマの値に基づいて判断する。前遊技から4.1秒経過していないときは、遊技開始待ち時間を消化し(ST8)、ST9の処理に移る。
ST9の処理では、CPU41は、抽選用の乱数を抽出する。具体的には、0〜16383の範囲から乱数を抽出する。続いて、一遊技監視用タイマをセットし(ST10)、確率抽選処理を行なう(ST11)。この確率抽選処理では、ST9の処理で抽出された乱数値、及び遊技状態監視処理で判断した現在の遊技状態に対応した確率抽選テーブルに基づいて内部当選役(成立フラグ)を決定する。確率抽選テーブルでは、入賞役毎に内部当選となる乱数値が予め定められている。
次に、CPU41は、告知ランプ点灯抽選処理を行ない(ST12)、内部当選役によって停止制御テーブル選択処理を行なう(ST13)。そして、遊技開始時の送信処理として各種のスタートコマンドを副制御回路に送信し(ST14)、リール回転開始用に初期化する(ST15)。なお、遊技開始時における連続演出のパターンを決定する処理手順については、後述するフローチャート(図13,図14)を参照して、別途説明する。
次に、CPU41は、停止ボタンが「オン」であるか否かを判断し(ST16)、停止ボタンが「オン」のときは、ST18の処理に移り、停止ボタンが「オフ」のときは、ST17の処理に移る。ST17の処理では、自動停止タイマの値が「0」であるか否かを判断し、自動停止タイマの値が「0」のときは、ST18の処理に移り、自動停止タイマの値が「0」でないときは、ST16の処理に移る。ST18の処理では、当選要求(内部当選役のこと)、図柄位置(停止操作時におけるリールの回転位置)、選択されている停止制御テーブルなどから滑りコマ数を決定する。
そして、ST18の処理で決定された滑りコマ数分、リールを回転させる(ST19)。次に、そのリールの停止要求をセットし(ST20)、副制御回路に対してリール停止コマンドを送信する(ST21)。その後、全てのリールが停止したか否かを判断する(ST22)が、全てのリールが停止したときは、遊技終了時の演出処理に移り、全てのリールが停止していないときは、ST16の処理に移る。そして、全てのリールが停止された後に入賞検索を行なう(ST23)。
入賞検索後、入賞フラグが正常であるか否かを判断し(ST24)、入賞フラグが正常な場合には、メダルのクレジット又は実際の払出し処理が行なわれ(ST26)、入賞フラグが正常でない場合には、イリーガルエラーの表示を行ない(ST25)、処理を中断する。入賞フラグが正常の場合、続いて、それに応じたWINランプの点灯処理が行なわれる(ST27)。次に、今回のゲームが、BBもしくはRB作動中であるか否を判断する(ST28)。BBもしくはRB作動中でない場合は、CPU41による遊技処理は、上記のST1に戻り、次の新たな遊技制御を開始する。また、BBもしくはRB作動中である場合、次にBBもしくはRBの遊技数をCPU41によってチェックする(ST29)。
続いて、CPU41によって現在の遊技状態がBB終了時か否かが判定される(ST30)。BB終了時であれば、BB終了時のRAMクリア処理がRAM43に対して行なわれ(ST31)、CPU41による遊技処理は、上記のST1に戻り、次の新たな遊技制御を開始する。また、上記ST30において、BBが終了時でなければ、遊技処理は上記のST1に戻り、次の新たな遊技処理を開始する。
次に、図13、及び図14を参照して、遊技開始時における連続演出パターンを決定する際の処理手順について説明する。この処理は、スタートレバーを操作することを契機として、サブ制御基板側で実行される。
最初に、副制御回路82は、主制御回路81から送信されるスタートコマンドに含まれる遊技状態識別子、当選役識別子、持越役識別子をセットする(ST51)。
遊技状態識別子は、遊技状態を示すものであり、例えば、図6に示したように、「0」である場合には、一般遊技状態を示し、「1」である場合には、BB持越状態を示し、「2」である場合には、RB持越状態を示し、「3」である場合には、BB一般遊技状態を示し、「4」である場合には、RB状態を示す。
また、当選役識別子は、上述したST11における乱数抽選処理によって決定された当選役を示すものであり、例えば、bit0がオンである場合には、小役(1)が当選役となり、bit1がオンである場合には小役(2)が、bit2がオンである場合には小役(3)が、bit3がオンである場合にはリプレイ・BB中のRBが、bit4がオンである場合にはRBが、bit5がオンである場合にはBBが、夫々当選であることを示す。また、持越役識別子は、主制御回路によって決定された持越役を示すものであり、上記の当選役識別子と同様な値が取られる(ここでの持越役は、実際には、ボーナスゲームのみに設定されている)。
続いて、副制御回路82は、残り演出遊技数カウンタが「0」であるか否かを判定し(ST52)、その判定の結果が「0」であると判定された場合、ST53の処理を行なう。このST53では、図7に示す演出決定用テーブルに基づいて、その時点でセットされている持越役識別子、当選役識別子、及び抽出した乱数値から、演出種別パターンが決定され、引き続き、ここで決定された演出種別パターンの演出識別子がセットされる(ST54)。そして、演出識別子A〜Cが選択された場合、残り演出遊技数を決定する抽選を行なう。演出識別子A〜Cの中にも連続ゲーム数が異なる演出が用意されているので、どれだけ連続して演出するかを抽選で決定し、この抽選結果を、残り演出遊技数カウンタとしてセットする(ST55)。なお、ST52において、残り演出遊技数カウンタが「0」でない場合、つまり既に連続演出を行なっている場合、後述するST59の処理に進む。
そして、次に、貯留メダルに関する演算処理が行なわれ、この演算結果に基づくメダル演算値カウンタがセットされる(ST56)。ここでの演算処理は、そのゲームがされる前に貯留されているメダルによって、以後、何回の連続演出が行なえるかを決定するものであり、上述したように、9枚以上貯留されているときは、そのゲームを含めて「4」が、6〜8枚貯留されているときはそのゲームを含めて「3」が、3〜5枚貯留されているときはそのゲームを含めて「2」が、0〜2枚貯留されているときはそのゲームを含めて「1」が、それぞれセットされる。
引き続き、残りクレジット枚数で、残り演出遊技を行なえるか否かが判断され(ST57)、クレジット枚数が多い(抽選された残り演出遊技数カウンタよりも演算値が大きい)と判断された場合、ST59の処理が行なわれる。
一方、クレジット枚数が少ない場合、演算値に応じた値で残り演出遊技カウンタの書換処理が行なわれ(ST58)、その後、上記したST59の処理が行なわれる。
ST59の処理では、演出識別子が通常演出であるか否かが判断され、そうでない場合は、連続演出が実行されていることから、次ゲームで続きの演出が成されるよう、残り演出遊技カウンタを1減算する(ST60)。次に、残り演出遊技カウンタが1以上あるか否かが判断され(ST61)、1以上ある場合は、次ゲームで引き続き連続演出を行なうべく、上記したST51に戻る。
また、上記ST59において、通常演出が行なわれていると判断された場合、メダル演算値カウンタのクリア処理(ST62)が行なわれ、次ゲームのスタートレバーの操作を待つべく、上記したST51に戻る。
具体的に、演出パターンAが選択されたものとして説明すると、メダルの演算値カウンタが「4」である場合、その回の遊技を含めた以後の4回のゲームでは、貯留メダルの範囲内で4回の連続演出(4回のストーリ性のある演出;A41→A42→A43→A44)が実行される。また、メダルの演算値カウンタが「3」である場合(3回の連続演出しかできない場合)、その回の遊技を含めた以後の3回のゲームでは、貯留メダルの範囲内で3回の連続演出(3回のストーリ性のある演出;A31→A32→A33)が実行される。また、メダルの演算値カウンタが「2」である場合(2回の連続演出しかできない場合)、その回の遊技を含めた以後の2回のゲームでは、貯留メダルの範囲内で2回の連続演出(2回のストーリ性のある演出;A21→A22)が実行される。また、メダルの演算値カウンタが「1」である場合(メダルの貯留枚数が少なく、連続演出ができない場合)、その回のゲームで、演出パターンA11による期待度の高い演出が実行される。
以上のような実施形態の構成によれば、メダルの貯留量に応じて、最適な連続演出パターンが実行されるため、連続演出が行なわれている途中で貯留されているメダルの不足によって演出が中止されるようなことがなくなり、遊技者は完結する連続演出を楽しむことができる。しかも、この場合、連続演出可能な回数に応じて、その回数に適切な演出パターンを準備しているので、各演出間に、関連性やストーリ性を持たせることができ、遊技者に違和感無く、演出を見せることが可能になる。もちろん、図8に示した演出シリーズ選択テーブルにおいて、例えば、Aパターンのとき、演算値カウンタが3のときは、A42→A43→A44を順に演出し、演算値カウンタが2のときは、A43→A44を順に演出し、演算値カウンタが2のときは、A44を演出するように制御しても良い。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。
例えば、演出手段は、上記した実施形態では、画像表示装置によって行われるものを説明したが、点灯装置によって光を点滅させる連続演出や、音源装置によって音(音楽、メッセージなど)による連続演出を行なう構成であっても良いし、これらを複合的に組み合わせたものであっても良い。また、上記した演出手段における画像表示装置は、視認できる位置に配置されたものであれば、その構成等については、特定のものに限定されることはない。
上記した実施形態では、連続演出は、遊技者にとって有利となる遊技状態(ボーナスゲーム)になったことを契機として発生するようにしたが、このような連続演出が行なわれる契機は、それ以外の遊技状態(例えば、スロットマシンでは、アシストタイム(AT)、チャレンジタイム(CT)、シングルボーナスの集中等)になったときであっても良く、更には、その契機については、特別な遊技状態以外のときであっても良い。また、連続演出の回数については、4回に限られず、更に多数回連続演出を行なうような構成であっても良い。
また、上記した実施形態では、3枚賭け専用機を例示して説明したが、一度の遊技で賭けられるメダルの枚数については限定されることはなく、例えば、一般的な1−BET、2−BET、3−BETを行なうスロットマシンについても、同様に適用しても良い。すなわち、貯留枚数、及び、そのときのBET数に応じて、最適な連続演出パターンを選択できるようにしても良い。
上述した実施形態におけるメイン制御基板とサブ制御基板との間で行われる演出の制御処理手段は、一例を示したに過ぎず、適宜変形することが可能である。例えば、上述した実施形態では、メイン制御基板側で演出に関連するコマンドを送信し、サブ制御基板側でそのコマンドに応じて演出パターンを選択するように構成したが、メイン制御基板側で、演出パターンを決定しても良い。また、連続演出が行なわれるタイミングについても、全てのリールが停止した後、少なくとも1つのリールが停止した後、スタートレバーが操作された後にする等、適宜変形することができ、また、連続演出が開始される時期についても、その遊技から連続演出を開始したり、或いは、その遊技の後の遊技から行なうように制御しても良い。また、上記した実施形態では、制御手段は、メイン制御基板とサブ制御基板で分けて構成したが、制御全体を1つの制御基板上で行なうようにしても良い。