JP2005129743A - ダイシング方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】粘着シートに貼付された極薄のウェーハに対し、良好なダイシングを行うことができるダイシング方法を提供すること。
【解決手段】外周部先端がV形状をなすとともに、外周部に複数のV字型切欠き10Bが形成された第1のダイシングブレード10を用いて、少量切り残しの不完全切断を行い、次に、砥粒の粒度が#4000〜#6000で、砥粒の集中度が60〜90であり、刃厚10μm〜30μmの極薄で外周部に複数のV字型切欠き11Bが形成された第2のダイシングブレード11を用いて、前記切り残し部を完全切断するようにした。
【選択図】 図2

Description

本発明はダイシング方法に関し、特に半導体装置や電子部品等のウェーハで極薄のウェーハを個々のチップに分割するダイシング方法に関する。
半導体製造工程等において、表面に半導体装置や電子部品等が形成されたウェーハは、プロービング工程で電気試験が行われた後、ダイシング工程で個々のチップ(ダイ、又はペレットとも言われる)に分割され、次に個々のチップはダイボンディング工程で部品基台にダイボンディングされる。ダイボンディングされた後はワイヤボンディングされ、ワイヤボンディングされた後は、樹脂モールドされて、半導体装置や電子部品等の完成品となる。
プロービング工程の後ウェーハは、図10に示すように、片面に粘着層が形成された厚さ100μm程度の粘着シート(ダイシングシート又はダイシングテープとも呼ばれる)Sに裏面を貼り付けられ、剛性のあるリング状のフレームFにマウントされる。ウェーハWはこの状態でダイシング工程内、ダイシング工程ダイボンディング工程間、及びダイボンディング工程内を搬送される。
ダイシング工程では、ダイシングブレードと呼ばれる薄型砥石でウェーハWに研削溝を入れてウェーハをカットするダイシング装置が用いられている。ダイシングブレードは、微細なダイヤモンド砥粒をNiで電着したもので、厚さ10μm〜30μm程度の極薄のものが用いられる。
このダイシングブレードを30,000〜60,000rpmで高速回転させてウェーハWに切込み、ウェーハWを完全切断(フルカット)する。このときウェーハWの裏面に貼られた粘着シートSは、表面から10μm程度しか切り込まれていないので、ウェーハWは個々のチップTに切断されてはいるものの、個々のチップTがバラバラにはならず、チップT同士の配列が崩れていないので全体としてウェーハ状態が保たれている。
しかし、このダイシングブレードによる研削加工の場合、ウェーハWが高脆性材料であるため脆性モード加工となり、ウェーハWの表面や裏面にチッピングが生じ、このチッピングが分割されたチップTの性能を低下させる要因になっていた。また、粘着シートSには樹脂材料が使用されているため、この樹脂材料や粘着材がダイシングブレードの先端に付着して目詰まりを起こし、切れ味が低下して研削性能が損なわれるという問題があった。
一方、ダイシングブレードの一般的な機能向上を図るために、ダイシングブレードの表裏両面に複数の溝を放射状に形成し、加工部への切削水の供給と切粉の排除の改善を狙ったダイシングブレードが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平6−188308号公報
前述の樹脂材料や粘着材がダイシングブレードの先端に付着して目詰まりを起こす現象は、ウェーハがある程度厚い場合にはウェーハの大部分を構成するSiが高脆性材料であるためブレード先端の付着物がこのSiの研削中にほとんど取り除かれるので、ブレードの目詰まりは緩慢に進行するのみであった。
しかし、近年スマートカードや薄型ICカードに組込まれる極薄のICチップが要求されるようになってきた。この極薄のICチップを製造するウェーハも30μm〜100μmと極度に薄いものになってきた。
従って、ブレード先端の付着物がウェーハ研削中に取り除かれ難くなり、ブレードの目詰まりが顕著に現れるようになってきた。また、このような極薄のウェーハの場合、裏面にチッピングが発生しやすく、裏面チッピング対策も重要になってきた。
このように、極薄のウェーハの場合は通常の厚さのウェーハに比べて粘着シート材料によるダイシングブレードの目詰まりや、裏面チッピングがより生じやすく、前出の特許文献1に記載されたダイシングブレードを用いても良好なダイシングを行うことができなかった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、粘着シートに貼付された極薄のウェーハに対し、良好なダイシングを行うことができるダイシング方法を提供することを目的とする。
本発明は前記目的を達成するために、裏面が粘着シートに貼付され、該粘着シートを介してリング状のフレームにマウントされたウェーハのダイシング方法であって、厚さ100μm以下の極薄ウェーハのダイシング方法において、外周部先端がV形状をなすとともに、外周部に複数のV字型切欠きが形成された第1のダイシングブレードを用い、前記ウェーハの表面側からV溝を形成して前記ウェーハを5μm〜30μmの厚さだけ切り残した不完全切断(第1の加工)を行い、次に、砥粒の粒度が#4000〜#6000で、砥粒の集中度が60〜90であり、刃厚10μm〜30μmで、外周部に複数のV字型切欠きが形成された第2のダイシングブレードを用い、前記不完全切断で切り残された部分を切断(第2の加工)することによって、前記ウェーハを完全切断することを特徴とする。
本発明によれば、外周部先端がV形状をなすとともに、外周部に複数のV字型切欠きが形成された第1のダイシングブレードで少量切り残しの不完全切断を行い、次に、高粒度低集中度の極薄で外周部に複数のV字型切欠きが形成された第2のダイシングブレードで前記切り残し部を完全切断するので、ウェーハ表面側の膜はがれやチッピングが抑えられるとともに、粘着シート切断による第2のダイシングブレードの目詰まりとウェーハ裏面チッピングの抑制効果が大きい。
この第1のダイシングブレード及び第2のダイシングブレードの外周部に形成された複数のV字型切欠きは、チッピングをより低減し、ブレード先端部への切り屑の付着を低減し、切れ味持続効果を持たすとともに、加工部への切削水の供給を促進して切削負荷を低減し、併せて切粉排除機能を向上させる。
また、本発明は、前記第1のダイシングブレードのV形状をなす外周部の先端角度が30°〜50°であることを付加的要件とし、更に前記第1のダイシングブレード及び第2のダイシングブレードに形成されたV字型切欠きの底部の角度が80°〜100°であることを付加的要件としている。
これによれば、ブレードの先端が鋭角なので、ダイシング時の表面チッピングの低減や積層されている各種膜材のめくれが防止され、また、V字型切欠きの肩部がブレード外周部と広角で交わるので、V字型切欠きの肩部によってウェーハに生じるチッピングが更に減少する。
更に本発明は、前記第1のダイシングブレードを取り付けるスピンドルと、前記第2のダイシングブレードを取り付けるスピンドルとの2本のスピンドルを有するダイシング装置を用い、前記第2の加工を前記第1の加工に対して僅かな時間差で、又は1ライン或いは複数ライン遅れで、同時に行うことを付加的要件として特徴付けられている。
この付加的要件によれば、ウェーハの表面側のV溝加工とV溝の底部に行う切断加工とを所定の時間差で同時進行するので、ダイシング時間が大幅に短縮される。
以上説明したように本発明のダイシング方法によれば、ウェーハ表面側の膜はがれやチッピングが抑えられるとともに、粘着シート切断によるダイシングブレードの目詰まりとウェーハ裏面チッピングの抑制効果が大きい。
以下添付図面に従って本発明に係るダイシング方法の好ましい実施の形態について詳説する。尚、各図において同一部材には同一の番号または記号を付している。
先ず最初に、本発明に係るダイシング方法で使用するダイシング装置について説明する。図1は、ダイシング装置の外観を示す斜視図である。ダイシング装置100は、複数のウェーハWが収納されたカセットを外部装置との間で受渡すロードポート60と、吸着部51を有しウェーハWを装置各部に搬送する搬送手段50と、ウェーハWの表面を撮像する撮像手段81と、加工部20と、加工後のウェーハWを洗浄し、乾燥させるスピンナ40、及び装置各部の動作を制御するコントローラ90等とから構成されている。
加工部20には、2本対向して配置され、先端に第1のダイシングブレード10が取付けられる高周波モータ内臓型のエアーベアリング式スピンドル22Aと、第2のダイシングブレード11が取付けられる高周波モータ内臓型のエアーベアリング式スピンドル22Bとが設けられており、30,000rpm〜60,000rpmで高速回転されるとともに、互いに独立して図のY方向のインデックス送りとZ方向の切込み送りとがなされる。また、ウェーハWを吸着載置するワークテーブル23がXテーブル30の移動によって図のX方向に研削送りされるように構成されている。
ウェーハWは厚さ100μm以下の極薄で、図10に示すように、粘着シートSを介してフレームFにマウントされ、ダイシング装置に供給される。
図2は、本発明のダイシング方法に用いられる第1のダイシングブレードを表わす平面図で、図3は側断面図であり、図4は要部を表わす斜視図である。第1のダイシングブレード10は、図2、図3、及び図4に示すように、アルミニューム(Al )製のフランジ10Cと切断刃10Aとから成っている。
切断刃10Aは、フランジ10Cの一方の端面にダイヤモンド砥粒を、ニッケル(Ni )と銅(Cu)等のニッケルよりも軟質の金属との合金を結合材として、電気メッキ技術を用いた電鋳法で固着させたもので、ダイヤモンド砥粒を固着させた後フランジ10Cの鍔部10D(図3の2点鎖線で示す部分)をエッチングで取り除くことにより刃部が形成される。
結合材に通常のニッケルよりも軟質の金属を用いることにより、砥粒の自生作用が活発化し切れ味が持続する効果がある。
ダイヤモンド砥粒は粒度#4000〜#6000の細かい砥粒が用いられ、ウェーハ切断時のチッピングを減少させるようになっている。また、切断刃10A中に占める砥粒の割合を表わす集中度は、ダイヤモンドの重量単位を基準としており、4.4ct/cm3 を100とすることから、体積%の4倍の値となっているが、本実施の形態では60〜90とした。
集中度が60よりも小さいと、砥粒の数が不足して切れ味が低下し、90よりも大きいと砥粒間に形成されるポケットが小さすぎて切削水の供給と切り粉の排除が悪くなり、同じく切れ味が低下する。本実施の形態では、集中度は60〜90が好ましいが、70〜80が更に好適である。
切断刃10Aの外径は約50mmで、厚さは30μm〜100μm程度のものがウェーハWのストリートKの幅に対応して用いられる。
この切断刃10Aの刃部先端にダイヤモンドドレッサーによるツルーイング、又はエッチングを施して、図3に示すように、先端部(外周部)全周に渡り先端角40°のV形状に形成してある。
V形状の先端角は、30°〜50°の範囲が好ましいが、本実施の形態では40°とした。先端角が30°よりも鋭角だと切断時のV字効果によるチッピングの減少効果が乏しく、また、先端角が50°よりも鈍角だと所定ストリート幅内のV溝加工において切り残し量を少なくすることができない。
また、切断刃10Aの先端部(外周部)には、図2、及び図4に示すように、複数のV字型切欠き10B、10B、…が円周上等間隔に形成されている。V字型切欠き10Bの底部、及びV字型切欠き10Bの肩部と外周円との接続部は夫々円弧で緩やかに連結されている。
V字型切欠き10Bの底部の角度即ちV字角度θは80°〜100°が好ましく、更に好ましいのは85°〜95°である。V字角度θが80°よりも小さいと、V字型切欠き10Bと外周部との接続部の角度がきつくなり、切断時にチッピングが生じやすい。また、V字角度θが100°よりも大きいと、切削水の搬送効果と切削屑排出効果が低下する。
V字型切欠き10Bの開口幅Lは200μm程度、深さHは100μm程度である。また、V字型切欠き10Bの形成数は多過ぎてもまた少な過ぎても良好な切断結果が得られず、12個〜20個が好ましい。
V字型切欠き10Bの形成方法は、切断刃10Aの刃部形成後、外周部にエッチングでV字型切欠き10Bを形成してもよいが、ダイシングブレード10のフランジ10Cの鍔部10D(図3の2点鎖線で示す部分)の外周部に予めV字型の切欠きを形成しておき、このフランジ10Cの端面にダイヤモンド砥粒を電着することによりV字型切欠き10Bを有する切断刃10Aが形成される。この後切断刃10Aの突出し量だけフランジ10Cの鍔部10Dをエッチングで取り除き、更に全周に渡り先端角40°のV形状を形成すればよい。
図5は、本発明のダイシング方法に用いられる第2のダイシングブレードを表わす平面図で、図6は側断面図である。第2のダイシングブレード11も、図5、及び図6に示すように、アルミニューム(Al )製のフランジ11Cと切断刃11Aとから成っている。
第2のダイシングブレード11も第1のダイシングブレード10同様、切断刃11Aは、フランジ11Cの一方の端面にダイヤモンド砥粒を、ニッケル(Ni )と銅(Cu)等のニッケルよりも軟質の金属との合金を結合材として、電気メッキ技術を用いた電鋳法で固着させたもので、ダイヤモンド砥粒を固着させた後フランジ11Cの鍔部11D(図6の2点鎖線で示す部分)をエッチングで取り除くことにより刃部が形成される。
結合材に通常のニッケルよりも軟質の金属を用いているので、砥粒の自生作用が活発化し切れ味が持続する効果がある。
ダイヤモンド砥粒も第1のダイシングブレード10同様、粒度#4000〜#6000(好ましくは♯5000)の細かい砥粒が用いられ、ウェーハ切断時のチッピングを減少させるようになっている。♯4000より粗いとウェーハWの裏面チッピングが許容値以上に発生し、♯6000より細かいと研削負荷が大き過ぎてダイシングできない。また、切断刃11A中に占める砥粒の割合を表わす集中度も、60〜90とした。
集中度が60よりも小さいと、砥粒の数が不足して切れ味が低下し、90よりも大きいと砥粒間に形成されるポケットが小さすぎて切削水の供給と切り粉の排除が悪くなり、同じく切れ味が低下する。本実施の形態では、集中度を60〜90としたが、70〜80が更に好適である。
切断刃11Aの外径は約50mmで、厚さは10μm〜30μm程度(好ましくは15μm〜20μm)である。この第2のダイシングブレード11の方は、先端部にV形状は形成してない。また、刃厚が10μmより薄いと剛性が弱くてすぐに破損してしまい実用的でなく、30μmより厚いと後述するダイシング方法においてV溝からはみ出す場合があり適さない。
また、切断刃11Aの先端部(外周部)には、第1のダイシングブレード10同様、図5、及び図6に示すように、複数のV字型切欠き11B、11B、…が円周上等間隔に形成されている。また、V字型切欠き11Bの底部、及びV字型切欠き11Bの肩部と外周円との接続部は夫々円弧で緩やかに連結されている。
V字型切欠き11Bの底部の角度即ちV字角度θは80°〜100°が好ましく、更に好ましいのは85°〜95°である。V字角度θが80°よりも小さいと、V字型切欠き11Bと外周部との接続部の角度がきつくなり、切断時にチッピングが生じやすい。また、100°よりも大きいと、切削水の搬送効果と切削屑排出効果が低下する。
V字型切欠き11Bの開口幅Lも200μm程度、深さHも100μm程度である。また、V字型切欠き11Bの形成数は12個〜20個が好ましい。
V字型切欠き11Bの形成方法も、第1のダイシングブレード10同様、ダイシングブレード11のフランジ11Cの鍔部11D(図6の2点鎖線で示す部分)の外周部に予めV字型の切欠きを形成しておき、このフランジ11Cの端面にダイヤモンド砥粒を電着することによりV字型切欠き11Bを有する切断刃11Aが形成される。
この後切断刃11Aの突出し量だけフランジ11Cの鍔部11Dをエッチングで取り除く。本実施の形態では、突出し量を300μmとした。
図7は、本発明のダイシング方法に係る実施の形態を説明する概念図である。ダイシング装置100の対向配置された2本のスピンドル22A、22Bの内、手前側(図7では左側)のスピンドル22Aには先端V形状の第1のダイシングブレード10が取り付けられ、奥側(図7では右側)のスピンドル22Bには極薄の第2のダイシングブレード11が取り付けられている。
先端V形状の第1のダイシングブレード10は、50,000〜55,000rpmで回転される。また、極薄の第2のダイシングブレード11も50,000rpm〜55,000rpmで回転される。
本発明のダイシング方法では、先ず図7(a)に示すように、ウェーハWの裏面を粘着シートSに貼付した状態で、ウェーハWの主表面に形成された複数のパターン面のストリートkに先端V形状の第1のダイシングブレード10でV溝Gを形成する。
図8は、このV溝Gを形成する状態を表わしている。V溝研削にあたっては図8に示すように、先端V形状の第1のダイシングブレード10を挟んで設けられたノズル24、24から研削液を供給しながら、ウェーハWの表面側から切り込み、不完全切断を行う。研削液としては純水にCО2 をバブリングしたものを使用している。
形成されたV溝Gは、図7(b)のA部に示すようになっている。図9はこのA部の拡大図である。同図に示すように、V溝GはウェーハWの裏面からDの肉厚だけ切り残してある。この切残し量Dは5μm〜30μmで、好ましくは10μm〜25μmであり、更に15μm〜20μmがより好適である。この時の研削速度は、ウェーハWがSiの場合は40mm/secとした。
このV溝形成を数ライン行った後、図7(b)に示すように、最初のV溝Gの底を極薄の第2のダイシングブレード11を用いて、粘着シートSに10μm程度切り込む形でフルカットダイシング(完全切断)を行う。この時の研削速度も40mm/secとした。
なお、切残し量Dが5μm以下の場合、V溝形成時にウェーハWの所々に裏面まで達するクラックが生じる。また、切残し量Dが30μm以上の場合は、V溝形成に続いて行われる粒度♯5000の極薄ブレードによるフルカットダイシング時に、研削負荷が大き過ぎ、研削速度を極度に低速にしないとダイシングできず、スループット上から見て実用的でない。
前述したように、V溝形成とフルカットダイシングとの研削速度が同じため、先行するV溝形成と後に続くフルカットダイシングとを同時に行うことができる。このように図7(c)に示すように順次V溝形成とフルカットダイシングとが同時進行し、全てのストリートKの加工が終了すると、ウェーハWを90°回転させ、先程のストリートKと直行するストリートKのV溝形成とフルカットダイシングとを行う。このようにしてウェーハWから多数のチップT、T、…が分割される。
このように、先ずウェーハWのパターン面側を先端V形状の第1のダイシングブレード10でV溝Gを形成するため、多種のデバイス膜に対応できる。例えば、Lo w−k膜のようなメクレの発生し易い膜や、ポリイミド系の10μm〜20μmの厚膜デバイスの場合においても、チッピングや膜のメクレが軽減され、デバイスの膜厚や膜質に左右されないダイシングが可能である。
また、V溝Gの底を極薄の第2のダイシングブレード11を用いてフルカットダイシングを行う時は、深いV溝Gに研削水が回り込み易いので研削ポイントへの研削水の供給が良好になり、ウェーハWの裏面チッピング低減、及び第2のダイシングブレード11の先端部への粘着シートSの付着による目詰まり低減等の効果がもたらされる。
なお、通常♯5000の極薄ブレードでSiウェーハをダイシングする場合、研削速度は20mm/secが最高であるが、本発明の実施形態の場合は切残し量Dが5μm〜30μmと極度に少ないので、40mm/secの速度でダイシングすることができ、裏面のチッピングも減少する。
このようにして、厚さ100μm以下の極薄のウェーハWを、先端V形状でV字型切欠き付の第1のダイシングブレード10を用いて微小切り残しのハーフカットダイシングをすることにより、ウェーハWの表面側に積層された膜のめくれ防止やチッピング低減が図られる。
また、V溝底部の微小切り残し部を高粒度、軟ボンド、極薄の電鋳ブレードでV字型切欠き付の第2のダイシングブレード11を用いてフルカットすることにより、裏面チッピングの減少、粘着シートSによる切断刃11Aの目詰まり防止とともに、V溝加工との等速加工が可能になり、所定時間遅れでV溝加工との同時加工ができるので、ダイシング時間の増加を抑制することができる。
このように、本発明のダイシング方法は、スマートカードや薄型ICカード等に用いられる厚さ100μm以下の極薄のウェーハWであって、粘着シートに貼付されたウェーハWであっても粘着シート材料がダイシングブレードの先端に付着して目詰まりを起こす現象が軽減され、良好なダイシングを行うことができる。
なお、前述の実施の形態では、第1のダイシングブレード10及び第2のダイシングブレード11はフランジ付タイプで説明したが、本発明はこれに限らず、フランジと一体になっていないワッシャタイプのブレードであってもよい。また、使用砥粒もダイヤモンド砥粒に限らず、CBN(キュービック・ ボロン・ナイトライド)砥粒等を用いてもよく、更に電鋳ブレードに限らず、通常のメタルボンドブレードやレジンボンドブレードに適用してもよい。
ダイシング装置を表わす斜視図 第1のダイシングブレードを表わす平面図 第1のダイシングブレードを表わす側断面図 第1のダイシングブレードの要部斜視図 第2のダイシングブレードを表わす平面図 第2のダイシングブレードを表わす側断面図 本発明の実施の形態に係るダイシング方法を表わす概念図 加工状態を表わす断面図 加工されたV溝を示す断面図 フレームにマウントされたウェーハを表わす斜視図
符号の説明
10…第1のダイシングブレード、11…第2のダイシングブレード、10A、11A…切断刃、10B、11B…V字型切欠き、10C、11C…フランジ、22A、22B…スピンドル、100…ダイシング装置、F…フレーム、S…粘着シート、T…チップ、W…ウェーハ

Claims (4)

  1. 裏面が粘着シートに貼付され、該粘着シートを介してリング状のフレームにマウントされたウェーハのダイシング方法であって、厚さ100μm以下の極薄ウェーハのダイシング方法において、
    外周部先端がV形状をなすとともに、外周部に複数のV字型切欠きが形成された第1のダイシングブレードを用い、前記ウェーハの表面側からV溝を形成して前記ウェーハを5μm〜30μmの厚さだけ切り残した不完全切断(第1の加工)を行い、
    次に、砥粒の粒度が#4000〜#6000で、砥粒の集中度が60〜90であり、刃厚10μm〜30μmで、外周部に複数のV字型切欠きが形成された第2のダイシングブレードを用い、前記不完全切断で切り残された部分を切断(第2の加工)することによって、前記ウェーハを完全切断することを特徴とするダイシング方法。
  2. 前記第1のダイシングブレードのV形状をなす外周部の先端角度が30°〜50°であることを特徴とする、請求項1に記載のダイシング方法。
  3. 前記第1のダイシングブレード及び第2のダイシングブレードに形成されたV字型切欠きの底部の角度が80°〜100°であることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載のダイシング方法。
  4. 前記第1のダイシングブレードを取り付けるスピンドルと、前記第2のダイシングブレードを取り付けるスピンドルとの2本のスピンドルを有するダイシング装置を用い、
    前記第2の加工を前記第1の加工に対して僅かな時間差で、又は1ライン或いは複数ライン遅れで、同時に行うことを特徴とする、請求項1、2、又は3のうちいずれか1項に記載のダイシング方法。
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