JP2005129325A - 接続キャップ及びそれを用いた電線接続方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】キャップ本体を圧縮する際に、導電性スリーブがキャップ本体から抜け出すことを防止することができ、しかもキャップ本体を電線に容易に取り付けることができる接続キャップ及びそれを用いた電線接続方法を提供する。
【解決手段】先端側に半球状の奥壁14aを有し、後端側に電線27の芯線部27aを挿入させるための開口16を有するキャップ本体14と、キャップ本体14の内側に内装され、芯線部27aに接続する導電性スリーブ17とを備え、キャップ本体14の開口16側寄りの内面に、導電性スリーブ17の抜けを防止するためのリング状の係止突起15を突設する。キャップ本体を、先端に向かって細くなるテーパ状に形成する。導電性スリーブの内面に、電線27の挿入方向に交差する凹部を設ける。キャップ本体14の開口16側に、電線27の絶縁被覆部27bを圧着する被覆圧着部14bを設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、芯線部同士を電気的に接続するとともに、芯線部を一括して絶縁保護する接続キャップ及びそれを用いた電線接続方法に関するものである。
従来、この種の接続キャップの一例として、図6及び図7に開示されているものがある(例えば、特許文献1,2)。
図6に示される接続キャップ40(特許文献1)は、同心状の大径部41aと小径部41bとから成るキャップ本体41と、小径部41bに内装された導電性スリーブ43とから構成されている。キャップ本体41は、熱収縮性の合成樹脂材で成形され、先端側に閉塞された奥壁41cを有し、後端側に電線45端部を挿入させるための開口42を有している。導電性スリーブ43は、銅等の導電性材料を構成材料とし、小径部41bに嵌入されている。
接続キャップ40に、2本の電線45端部が後端側の開口42から奥側に挿入されると、皮剥ぎして露出された芯線部45aが小径部41bに位置し、絶縁被覆部45bが大径部41aに位置する。そして、小径部41bの外周を図示しない加圧工具で加圧すると、キャップ本体41とともに導電性スリーブ43が縮径され、芯線部45aが圧着される。さらに、ホットガン等の加熱器でキャップ本体41の大径部41aを加熱すると、電線45の絶縁被覆部45bが大径部41aの内面に密着状態に圧着される。
図7に示される接続キャップ50(特許文献2)は、キャップ本体51に電線固定用の舌片51bが一体形成されたものである。キャップ本体51は、第1の従来例に示されたキャップ本体41と同様に、絶縁性の合成樹脂材から成形され、先端側に閉塞された奥壁51aを有し、後端側に開口52を有している。
ワイヤハーネス幹線55からは、分岐線56が引き出されており、分岐線56の絶縁被覆部56bを皮剥ぎして露出された芯線部56aは、超音波溶接等の方法で溶接されて、スプライス部56cを形成している。このスプライス部56cはキャップ本体51の開口52から挿入され、絶縁被覆部56bが電線固定用の舌片51bに重ねられ、外周にテープ57が巻回されて、接続キャップ50が取り付けられるようになっている。そして、接続キャップ50は、ワイヤハーネス幹線55に沿うように曲げられ、幹線55とともにテープ57巻きされて、保持されるようになっている。
しかしながら、上記従来の接続キャップ40,50では、解決すべき以下の問題点がある。
第1の従来例では、キャップ本体41及び導電性スリーブ43が周方向から均一に加圧されて、圧縮成形されるものでないため、電線45の芯線部45aの潰れ方が不均一となって、接触抵抗が大きくなり、安定した電気的性能が得られないことがある。加圧力を強くし過ぎると、キャップ本体が不均一に変形して、割れが生じることもある。また、キャップ本体41の大径部41aと電線45との隙間から水が浸入する心配がある。
また、小径部41bの外周を加圧工具で加圧した際に、導電性スリーブ43がキャップ本体41の外側に押し出される心配もある。このため、加圧力を加減しながら加圧しなければならず、接続作業性が良いものではなかった。
第2の従来例は、分岐線56の芯線部56aを超音波溶接等の方法で溶接し、スプライス部56cを形成したものであるから、接触面積が増加して、接触抵抗が小さくなり、電気的性能が高まる効果がある。しかし、別途溶接作業が必要になるため、作業工程数が増えてコスト高になるという問題がある。
また、接続キャップ50を分岐線56に固定するためのテープ巻き作業と、接続キャップ50をワイヤハーネス幹線55に保持するためのテープ巻き作業の2回のテープ巻きが必要になり、手数がかかるという問題がある。
実開平5−50662号公報(第4−5頁、第2図) 特開平9−137881号公報(第3−4頁、第8図)
本発明は、上記した点に鑑み、キャップ本体に割れ等が生ずることなく、安定した電気的性能及び高い絶縁性能を得ることができ、また、作業工程数の低減等を図ることにより、接続性を向上することができる接続キャップ及びそれを用いた電線接続方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、一方に奥壁を有し、他方に開口を有する絶縁性のキャップ本体の内側に、該開口から挿入された複数の電線に接続される芯線接続部材が内装された接続キャップであって、前記キャップ本体が、小径部と、該小径部に続く大径部とからなり、該小径部に前記芯線接続部材が圧力を加えて押し込まれたことを特徴とする。
上記構成によれば、複数の電線端部を絶縁性のキャップ本体の開口から奥側に挿入し、絶縁被覆部が取り除かれた芯線部を芯線接続部材内に挿通させた後、キャップ本体を半径方向に圧縮することで、キャップ本体と導電性スリーブとが同時に縮径し、芯線部と芯線接続部材とが電気的に接続するとともに、キャップ本体が電線に固定される。芯線接続部材は、圧入されているため、キャップ本体が圧縮されてもキャップ本体の開口側に押し出されることが防止される。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の接続キャップにおいて、前記小径部が筒状に形成されたことを特徴とする。
上記構成によれば、例えば小径部をロータリスエージング装置のダイス内に根本側まで挿入した状態で、小径部の外周を均一に圧縮加工することができる。また、圧縮加工中に芯線接続部材がキャップ本体の開口側に押し出されることを防止することができる。
また、請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の接続キャップにおいて、
前記大径部がラッパ状に形成されたことを特徴とする。
上記構成によれば、大径部の開口が広くなり、複数の電線をキャップ本体に引っかかりなくスムーズに挿入することが可能となる。
また、請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の接続キャップに前記複数の電線を挿入し、前記芯線部を前記芯線接続部材に挿通させた後、ロータリスエージング装置により前記小径部の外周壁のみを半径方向に均一に圧縮して、該芯線部と該芯線接続部材とを圧着させ、該複数の電線の芯線部同士を相互に接続させることを特徴とする。
上記構成によれば、キャップ本体と芯線接続部材とが同時に圧縮されるため、芯線部同士の圧着と、キャップ本体の固定を一工程で行うことができる。また、キャップ本体が均一に圧縮されることで、芯線接続部材も均一に圧縮され、接触面積が増加し、芯線部同士の電気抵抗にばらつきが生じ難くなる。キャップ本体に局部的な応力集中が発生せず、キャップ本体の割れも防止される。さらに、導電性スリーブが位置する小径部のみが打撃されることで、強い加圧力で小径部を圧縮することができ、接続キャップの加工性が向上する。
以上の如く、請求項1記載の発明によれば、キャップ本体を半径方向に圧縮することで、キャップ本体と芯線接続部材が同時に縮径し、芯線部と芯線接続部材とが電気的に接続するとともに、キャップ本体が電線に固定される。芯線接続部材は、キャップ本体の小径部に圧力を加えて押し込まれているから、圧縮加工中に、芯線接続部材がキャップ本体の開口側に押し出されることが防止される。したがって、安定した電気的性能及び高い絶縁性能を得ることができることに加え、接続キャップの接続性が向上し、接続キャップの取付工程における歩留まりの発生を防止することができる。
また、請求項2記載の発明によれば、小径部が筒状に形成されているから、例えば小径部をロータリスエージング装置のダイス内に根本側まで挿入した状態で、小径部の外周を半径方向に均一に圧縮成形することができる。したがって、局部的な応力の集中による割れなどを防止することができ、安定した電気的性能及び高い絶縁性能を維持することができる。
また、請求項3記載の発明によれば、大径部がラッパ状に形成されているから、大径部の開口が広くなり、複数の電線をキャップ本体に引っかかりなくスムーズに挿入することができる。したがって、電線接続作業中において、電線が散けることを防止することができ、キャップ本体の接続性を向上することができる。また、適用される電線サイズを広げることが可能となる。
また、請求項4記載の発明によれば、キャップ本体と芯線接続部材とが同時に圧縮されるため、芯線部同士の圧着と、キャップ本体の固定を一工程で行うことができ、作業工程数の低減を図ることができる。また、キャップ本体が均一に圧縮されることで、芯線接続部材も均一に圧縮され、接触面積が増加し、芯線部同士の電気抵抗にばらつきが生じなくなる。芯線接続部材が位置する小径部のみが打撃されることで、強い加圧力で小径部を圧縮することができる。したがって、接続キャップの接続性が向上するとともに、安定した電気的性能を得ることができる。
以下に本発明の実施の形態の具体例を図面を用いて説明する。
図1及び図2は、本発明に係る接続キャップの一実施形態を示すものである。
接続キャップ10は、電気回路を構成する回路要素から引き出された電線とバッテリ等に接続された電線との集結された芯線部を絶縁保護するとともに、芯線部同士を電気的に接続するための絶縁性の接続部品である。接続される電線は、例えば、モータやソレノイド等の複数のアクチュエータ類から引き出された電線や、ワイヤハーネスの幹線から分岐された分岐線や、電気接続箱内に収容される電子部品に接続された電線等である。接続される電線数は、回路形態に応じて増減し、本実施形態では、7本の電線27が接続キャップ10により相互接続されるようになっている。
接続される各電線27は、電線27端部において絶縁被覆部27bが皮剥ぎされ、所望の長さに芯線部27aが露出される。芯線部27aの露出長さは、接続キャップ10の深さよりやや短い長さに形成される。接続キャップ10は、その開口16側において、電線27の絶縁被覆部27bを保護するための大径部13を有しているためである。各電線27の芯線部27aは、同一方向に向きを揃えられ、素線27cが散けないように、適宜撚り合わされて、接続キャップ10の開口16側から奥側に挿入されるようになっている。
本実施形態の接続キャップ10は、安定した電気的性能及び高い絶縁性能を得ることができることに加え、作業工程数を少なくし、導電性スリーブ(芯線接続部材)17の後抜けを防止することにより、接続性を向上することができるものであり、先端側に閉塞された半球状の奥壁14aを有し、後端側に電線27を挿入させるための開口16を有する絶縁性のキャップ本体12と、キャップ本体12の内側に内装され、電線の芯線部27aに接続する導電性スリーブ17とを備えた接続キャップ10であって、キャップ本体12が、加工部とされる筒状の小径部14と、小径部14に続くラッパ状の大径部13とから構成され、小径部14に導電性スリーブ17が圧力を加えて押し込まれたことを特徴とするものである。
このような構成によれば、キャップ本体12をスエージングにより半径方向に圧縮すると、キャップ本体12と導電性スリーブ17とが同時に縮径され、芯線部27aと導電性スリーブ17とが電気的に接続するとともに、キャップ本体12が電線27に固定される。また、キャップ本体12を圧縮しても、導電性スリーブ17がキャップ本体12の開口16側に押し出されることが防止され、芯線部27a同士の電気的接続と接続キャップ10の固定を確実に行うことができる。
以下に、本実施形態の接続キャップ10の主要構成部分について詳細に説明する。
図1に示すように、接続キャップ10は、キャップ本体12と導電性スリーブ17とからなっている。キャップ本体12は、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド系樹脂等の絶縁性の合成樹脂材料を構成材料とし、射出成形法にて成形されたものである。キャップ本体12の先端側は、閉塞端となっており、奥壁14aが半球状に形成されていて、キャップ本体12内への水等の浸入が防止されている。奥壁14aが半球状に形成されているから、後述するロータリスエージング装置20の相対向する二対のダイス21,21,21,21間に接続キャップ10をスムーズに挿入できるようになっている。キャップ本体12の後端側は、開口端となっており、電線27の端部が挿入されるようになっている。
キャップ本体12は、小径部14と大径部13とが同心に形成されている。小径部14には、電線27の芯線部27aが挿入される断面円形状の小穴部14bが形成され、大径部13には、電線27の絶縁被覆部27bが挿入される断面円形状の大穴部13bが形成されている。小穴部14bは止まり穴になっていて、小穴部14bに挿入された芯線部27aの先端側が露出せず、絶縁保護されるようになっている。小穴部14bの内径寸法は、導電性スリーブ17が密に嵌るように、はめあい方式により寸法公差が定められている。これにより、導電性スリーブ17は、圧縮加工中にキャップ本体12の開口側から押し出されることが防止されている。
図2に示すように、小径部14は筒状に形成されているため、小径部14がロータリスエージング装置20のダイス21内にその根本側(段部13a)まで挿入された状態で、ダイス21を小径部14の半径方向に往復移動させることにより、小径部14の周壁が圧縮されるようになっている。これにより、小径部14は、半径方向に均一に圧縮成形され、ばりや割れなどを生ずることが防止されている。
大径部13は、ラッパ状をなし、前後に開口が形成されている。前側の開口は小径部14の開口に連通している。後側の開口16は広口に形成されているため、複数の電線27端部が引っかかりなくスムーズに挿入されるようになっている。これにより、接続キャップ10を用いた電線接続作業中において、電線27が散けることが防止され、キャップ本体12の接続性が向上するようになっている。また、適用される電線サイズを広げることが可能となっている。
大穴部13bと電線27との間に形成された隙間19には、キャップ本体12のシール性を向上させ、水や塵埃の浸入を防止するために、シリコンやホットメルト接着剤などのシール材を充填することもできる。シール材が充填されることで、電気的性能と絶縁性能が維持されるようになっている。
小径部14と大径部13は、段部13aを介して連続している。段部13aは、導電性スリーブ17の後端部に対応する位置に形成されている。言い換えると、導電性スリーブ17は、段部13aの位置から前側に押し込まれている。段部13aは、ダイス21の面取部21bに当接し、小径部14とともに圧縮されるようになっている。
導電性スリーブ17は、銅等の導電性金属材料からなる筒体であり、電線27の芯線部27aが一方から他方へ挿通されるように、貫通形成されている。導電性スリーブ17の挿通孔18の内径は、複数の素線27cが撚り合わされた芯線部27aの外径より大きい寸法に形成され、芯線部27aが引っかからないように挿通されるようになっている。
本実施形態の導電性スリーブ17は、上述したようにキャップ本体12の開口16から挿入され、奥側に圧力を加えて押し込まれるものである。このため、導電性スリーブ17は、スエージング中にキャップ本体12から抜け出さないようになっている。導電性スリーブ17の抜け出しをより一層確実に防止するために、以下のように構成することもできる。
導電性スリーブ17をキャップ本体12に挿入する前に、キャップ本体12の内面に接着剤を塗布しておき、導電性スリーブ17をキャップ本体12に接着固定することも可能である。また、キャップ本体12を熱収縮性の合成樹脂材料で成形し、導電性スリーブ17を押し込んだ後に、キャップ本体12の外周を熱して縮径させることで、導電性スリーブ17を固定することもできる。
次に、接続キャップを用いた電線接続方法について説明する。
本実施形態の電線接続方法は、芯線部27aを導電性スリーブ17に挿通させた後、接続キャップ10の小径部14をロータリスエージング装置20の相対向する二対のダイス21,21,21,21間に挿入し、スエージングにより小径部14の周壁のみを半径方向に打撃して、小径部14を縮径させながら芯線部27aと導電性スリーブ17とを圧着させ、複数の電線27の芯線部27a同士を相互に接続させることを特徴とするものである。
導電性スリーブ17が位置する小径部14のみが打撃されることで、強い加圧力で小径部14を圧縮することができ、接続キャップ10の加工性を向上することができる。また、内面21aが一様に湾曲形成された既存のダイス21を用いることができ、ダイス21の変更や新設に伴う投資額を抑制することもできる。
図3には、ロータリスエージング装置20の主要構成部分が示されている。
図示されるように、ロータリスエージング装置20のスピンドル24内には、ダイス21及びバッカ22が当接した状態で、可動的に保持されている。本実施形態においては、4つのダイス21,21,21,21が配置されている。スピンドル24の中心には、ダイス21内面21aに挟まれるような格好で加工素材としての接続キャップ10が配置される。このように、スピンドル24の回転中心に、接続キャップ10を配置することで、接続キャップ10の外周を全周に渡って均一に打撃することができるようになっている。
ダイス21の後端側端部には、テーパ状の面取部21bが形成されていて(図2)、接続キャップ10が相対向する二対のダイス21,21,21,21間にスムーズに挿入されるようになっている。
ダイス21の半径方向外側に配置されたバッカ22は、ダイス21とは別体であるが、ダイス21と協動して旋回し、かつ半径方向(中心方向)に移動できるようになっている。旋回は、図示しないモータでスピンドル24を回転させることによって行われる。半径方向への移動は、バッカ22とローラ23との回転接触によって行われる。
バッカ22の外周面は、カム面22aになっている。このカム面22aは、一定の曲率半径に形成されているのではなく、幅方向中央部が半径方向外側に突出している。このため、バッカ22がローラ23に回転接触した際に、中央部の突出量に等しい分だけバッカ22がローラ23によって半径方向に押し込まれ、ダイス21が半径方向内側に移動するようになっている。
スピンドル24の外周とアウタリング25との間には、球状の前記ローラ23が等間隔で配置され、自転自在に軸支されている。本実施形態では、ローラ23の数が8個のロータリスエージング装置が用いられているが、ローラ23の数は任意であり4個であってもよい。なお、ローラ23の数が多いほど、スピンドル1回転当たりの打撃回数が増加して、接続キャップ10の加工率が向上するようになっている。
上記のロータリスエージング装置20は以下のように動作する。スピンドル24を回転させることにより、ダイス21及びバッカ22が旋回するとともに、ローラ23が自転する。バッカ22は、ダイス21の半径方向外側に位置しているため、旋回するバッカ22とローラ23とが接触し、バッカ22のカム面22aがローラ23に乗り上がることで、バッカ22の内面がダイス21を半径方向内側に押し込み、接続キャップ10の外周をダイス21が打撃するようになっている。
バッカ22とローラ23とが非接触状態となると、遠心力でバッカ22が半径方向外側に僅かに飛び出して、ダイス21が接続キャップ10から離れた状態となり、ダイス21による打撃が一旦停止する。再び、バッカ22とローラ23とが接触して上記動作が繰り返し行われる。このようにして、接続キャップ10の周壁が均一に圧縮成形されることとなる。
このような電線接続方法によれば、キャップ本体12と導電性スリーブ17とが同時に圧縮され、芯線部27a同士の相互接続と、キャップ本体12の固定を一工程で行うことができ、接続キャップ10の接続性が向上する。また、図4及び図5に示されるように、小径部14が均一に圧縮されることで、導電性スリーブ17も均一に圧縮され、接触面積が増加して、芯線部27a同士の電気抵抗にばらつきが生じなくなり、安定した電気的性能を得ることができる。さらに、キャップ本体12に大きな加圧力が一度に作用せず、キャップ本体12に割れ等の損傷を生ずることが防止される。熱圧着や超音波溶接と比べると、装置費用も安価であり、低コストで加工を行うこともできる。
なお、本発明は、発明の骨子を逸脱しない範囲で以下のようにして実施することも可能である。
(1)筒体の導電性スリーブ17を、一対の圧着片を両側に有する断面視U字状の芯線接続部材に変更して構成する。このようにすれば、芯線接続部材が変形し易くなり、圧着性などが向上する。
(2)導電性スリーブ17の内面に、錫めっき等の表面処理を施す。このようにすれば、接触抵抗の低減により電気的接続性を高めることができる。
(3)導電性スリーブ17の外面にシボ面を形成する。このようにすれば、導電性スリーブ17とキャップ本体12内面との摩擦係数が大きくなり、スエージング中に、導電性スリーブ17がキャップ本体12から抜け出すことをより一層確実に防止することができる。
本発明に係る接続キャップの一実施形態を示す断面図である。 図1に示す接続キャップのスエージング前の状態を示す断面図である。 ロータリスエージング装置の主要部の正面図である。 図1に示す接続キャップのスエージング後の状態を示す断面図である。 図4のA−A線に沿って切断した断面図である。 従来の接続キャップの一例を示す断面図である。 従来の接続キャップの他の一例を示し、(a)はスプライス部と接続キャップを示す分解斜視図、(b)はスプライス部を接続キャップにより絶縁保護した状態を示す側面図である。
符号の説明
10 接続キャップ
12 キャップ本体
13 大径部
14 小径部
14a 奥壁
16 開口
17 導電性スリーブ(芯線接続部材)
20 ロータリスエージング装置
21 ダイス
27 電線
27a 芯線部

Claims (4)

  1. 一方に奥壁を有し、他方に開口を有する絶縁性のキャップ本体の内側に、該開口から挿入された複数の電線に接続される芯線接続部材が内装された接続キャップであって、前記キャップ本体が、小径部と、該小径部に続く大径部とからなり、該小径部に前記芯線接続部材が圧力を加えて押し込まれたことを特徴とする接続キャップ。
  2. 前記小径部が筒状に形成されたことを特徴とする請求項1記載の接続キャップ。
  3. 前記大径部がラッパ状に形成されたことを特徴とする請求項1又は2記載の接続キャップ。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の接続キャップに前記複数の電線を挿入し、前記芯線部を前記芯線接続部材に挿通させた後、ロータリスエージング装置により前記小径部の外周壁のみを半径方向に均一に圧縮して、該芯線部と該芯線接続部材とを圧着させ、該複数の電線の芯線部同士を相互に接続させることを特徴とする接続キャップを用いた電線接続方法。
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