JP2005128201A - 高分子分散型液晶表示素子及び液晶デバイス - Google Patents
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Abstract
分散液晶の応答速度の速い高分子分散型液晶表示素子を提供する。前記素子を用いて、コンストラストが高く、低電圧で駆動が可能な液晶デバイスを提供する。さらに、分散液晶の応答速度の速い高分子分散型液晶表示素子をラジカル重合反応にて製造できる原料の混合液を提供する。
【解決手段】
高分子マトリクス中に液晶が分散しドメインを形成した高分子分散型液晶表示素子において、該高分子マトリクスが1−位にメソーゲン基を有するイタコネートに基づく単位を含む高分子マトリクスであることを特徴とする高分子分散型液晶表示素子。
【選択図】 なし
Description
これらの問題点に対して、液晶相のドメイン粒径やその分布に基づく分散構造を制御するという観点から、マトリクス高分子の分子に液晶分子と親和性のある分子単位を導入する方法で改善が試みられている。
特許文献4においては、液晶類似の分子単位を有する高分子マトリクスが液晶分子に及ぼすアンカリング(配向規制力)エネルギーを緩衝するという観点から、市販の汎用高分子分散剤の一部として液晶類似の分子単位を配合した高分子マトリクスを利用して、ヒステリシス特性を改善させている。
高分子分散型液晶には、高機能化した種々の液晶デバイスに用いるため、応答速度が速く、駆動電圧が低く、コントラストが十分であり、かつ、ヒステリシス性が低いこと、これらの要求を同時に満たすことが求められているのである。
さらに、分散液晶の応答速度の速い高分子分散型液晶表示素子をラジカル重合反応にて製造できる原料の混合液を提供することにある。
また、高分子分散型液晶表示素子の原料に適したイタコネートを提供することにある。
〔1〕 高分子マトリクス中に液晶が分散しドメインを形成した高分子分散型液晶表示素子において、該高分子マトリクスが1−位にメソーゲン基を有するイタコネートに基づく単位を含む高分子マトリクスであることを特徴とする高分子分散型液晶表示素子。
〔2〕 1−位にメソーゲン基を有するイタコネートが、下記式(1)〜(3)から選択されるイタコネートの1種または2種以上である前記の〔1〕に記載の高分子分散型液晶表示素子。
〔4〕 液晶材料、1−位にメソーゲン基を有するイタコネート、ラジカル重合性化合物、光重合開始剤を含む高分子分散型液晶表示素子用組成物。
〔5〕 下記式(1)の構造である1−位にメソーゲン基を有するイタコネート。
〔3〕の発明によれば、〔1〕及び〔2〕の発明の高分子分散型表示素子を使用することにより、(1)コントラストが十分高く;(2)低電圧駆動性と高速応答性の両方を満足させ;(3)電圧印加のオン/オフに対する光線の透過特性にヒステリシスが生ぜず中間調表示が可能なデバイスが提供される。
〔4〕の発明によれば、〔1〕及び〔2〕の発明の高分子分散型表示素子の製造に適した原料組成物が提供される。
〔5〕の発明によれば、〔1〕及び〔2〕の発明の高分子分散型表示素子の製造に適した原料のイタコネートが提供される。
1−位にメソーゲン基を有するイタコネートは、液晶物質と構造的には類似しているが、本発明の高分子分散型液晶表示素子に用いた場合には、高分子マトリクスに取り込まれており、液晶ドメインの液晶材料の分子配向性に影響を及ぼさない。しかも、液晶と高分子マトリクス界面において、秩序を乱してメソーゲン基を配向できるので、液晶材料と高分子マトリクスとの相互作用を最小限にし、界面における液晶ドメインの分子配向性を低下させることができる。したがって、本発明において、高分子マトリクスを1−位にメソーゲン基を有するイタコネートに基づく単位を含む高分子マトリクスとすることにより、液晶と高分子マトリクスの相分離性を高め(光の散乱性を高め)、液晶の応答速度を向上させることができる。
さらに、本発明の高分子分散型液晶表示素子を用いる液晶デバイスにおいて、液晶の駆動電圧を下げ、コントラストを向上させ、ヒステリシス性を低減することができる。
1−位にメソーゲン基を有するイタコネートは、メソーゲン基がスペーサー基を介して、あるいは直接にイタコン酸の1−位のカルボニル基にエステル結合した化合物である。
メソーゲン基は、剛直さによる液晶形成能と、外場の変化に応答する機能の担い手としての役割を合わせ持つ基である。外場の変化に応答する機能を付与するため、例えば、電場応答性を上げるには誘電異方性の大きな構造、または大きな永久双極子を持つ構造が、光応答性を付与するためにはフォトクロミック基が分子設計されている。
電場応答性を有するメソーゲン基としては、具体的には、例えば、アゾベンゼン、アゾキシベンゼン、ベンジリデンアニリン、ベンジルベンゾエート、ベンゾイルアニリン、シクロヘキシルエステル、ターフェニル、ピリジン、ピリミジン、トラン、シアノトラン等に由来する基や、コレステリル基、ビフェニル基、シアノビフェニル基、フェニルベンゾエート基等の基を例示することが出来る。
本発明において、メソーゲン基種が、現行の液晶表示素子の多くに用いられている液晶材料の基本骨格の典型であり、化合物の安定性が高く、原料の入手が容易で、低価格等であることから式(1)〜(3)に示される1−位にメソーゲン基を有するイタコネートが、高分子分散型液晶表示素子の原料として好ましい。
次に、下記の式(1)に示される1−位にメソーゲン基を有するイタコネートについて詳しく述べる。
式(1)中のメソーゲン基とイタコネートの結合基であるメチレン鎖については、なくても(k=0)、あっても(k=1〜6)良いが、kの値が小さくゼロに近いほど、イタコネートのラジカル重合性が高くなるが、イタコネートの融点および液晶転移温度も高くなる。したがって、メチレン鎖を導入することにより、融点および液晶の転移温度を下げてハンドリングを容易にすることができるので好ましい。メチレン鎖長としてkが6を越えると、モノマーのラジカル重合性の低下と共にモノマー粘度が急激に高くなるため、液晶ドメイン中に未反応のモノマーが残留して液晶表示素子のコントラストの低下および高分子マトリクスの耐熱性低下の原因となるので、メチレン鎖長としてkは6以下が好ましい。また、kが6を越えると、液晶との相互作用も強くなるために液晶表示素子の駆動電圧を高める方向に作用するだけでなく、液晶表示素子の応答速度が遅くなる。
R7は炭素数3〜6の直鎖状アルキル基を示し、具体的には、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基のいずれかであり、R6との位置関係については特に制限はないが、混合する液晶との混合性、液晶転移温度、粘度等の観点からプロピル基およびブチル基が好ましい。
式(2)中のトラン基とイタコネートの結合基であるメチレン鎖については、なくても(m=0)あっても(m=1〜6)良いが、m=0の場合にはイタコネートのラジカル重合性が高くなるが、イタコネートの融点および液晶転移温度も高くなる。したがって、メチレン鎖を導入することにより、融点および液晶の転移温度を下げてハンドリングを容易にすることができるので好ましい。メチレン鎖長としてmが6を越えると、モノマーのラジカル重合性の低下と共にモノマー粘度が急激に高くなるため、液晶ドメイン中に未反応のモノマーが残留して液晶表示素子のコントラストの低下および高分子マトリクスの耐熱性低下の原因となるので、メチレン鎖長としてmは6以下が好ましい。また、mが6を越えると、液晶との相互作用も強くなるために液晶表示素子の駆動電圧を高める方向に作用するだけでなく、液晶表示素子の応答速度が遅くなる。
R10は炭素数6の直鎖状アルキル基を示し、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基のいずれかで、混合する液晶との混合性、液晶転移温度、粘度等の観点からプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基が好ましい。
前記の式(3)中のシクロヘキシルフェニル基とイタコネートの結合基であるメチレン鎖については、なくても(n=0)あっても(n=1〜6)良いが、n=0の場合にはイタコネートのラジカル重合性が高くなるが、イタコネートの融点および液晶転移温度も高くなる。したがって、メチレン鎖を導入することにより、融点および液晶の転移温度を下げてハンドリングを容易にすることができるので好ましい。メチレン鎖長としてnが6を越えると、モノマーのラジカル重合性の低下と共にモノマー粘度が急激に高くなるため、液晶ドメイン中に未反応のモノマーが残留して液晶表示素子のコントラストの低下および高分子マトリクスの耐熱性低下の原因となるので、メチレン鎖長としてnは6以下が好ましい。また、nが6を越えると、液晶との相互作用も強くなるために液晶表示素子の駆動電圧を高める方向に作用するだけでなく、液晶表示素子の応答速度が遅くなる。
また、メソーゲン基としての4’−シアノ−4−ヒドロキシアルキル−ビフェニルの代わりに、4’−n−プロピル−シクロヘキシル−1−ヒドロキシメチル−ベンゼンを用いると、前記の式(3)におけるR8がエチル基、R9、R10が水素原子、R11がn−プロピル基で、n=0の場合のイタコネートを製造できる。
一方、イタコン酸モノエステル(モノ−4−エステル)の1−位のカルボン酸は、塩化チオニル、三塩化リン、オキシ塩化リン等のいわゆる通常の有機酸を酸ハライド化する試剤(以下、酸ハライド化剤と便宜上略す)と簡単にしかも効率よく反応することは知られているので、一旦イタコン酸のモノハライドを合成した上で、水酸基を有するメソーゲン化合物と反応させて目的物を合成する方法(以下、酸ハライド法と便宜上略す)が好ましい。
酸クロリドは、アルコール性もしくはフェノール性の水酸基を有するメソーゲン化合物であれば比較的簡単に反応するため、エステル化法より高収率で目的物が得られるので、本発明ではこの方法を選択している。
具体的には、前述したようにイタコン酸モノエステル(モノ−4−エステル)と酸ハライド化剤とを反応させてイタコン酸モノハライドを一旦合成。酸ハライド化剤としては種々の物を利用することができるが、ハンドリングのし易さ、得られる酸ハライドの純度、反応副生物等の観点から、塩化チオニルまたは三塩化リンが好ましい。
塩化チオニルで酸ハライド化を行う場合、モノ−4−エステルにほぼ等モル量の塩化チオニルを添加して軽く、過熱攪拌すれば亜硫酸ガスの発生を伴ないながらイタコン酸モノクロリドが生成するので、亜硫酸ガスの発生が終われば反応は終了である。反応終了後、軽く減圧にして未反応の塩化チオニルおよび溶解している亜硫酸ガスを除去すれば、次のメソーゲン化合物との反応に利用できるので好ましい。
しかしながら、亜硫酸ガスの発生および塩化チオニルの取り扱いが困難な場合は、三塩化リンを用いて酸ハライド化する方法を選択することができる。すなわち、モノ−4−エステルに1/3モル量以上の三塩化リンを添加して軽く過熱・攪拌することにより、イタコン酸モノクロリドを合成することができるが、副生するオキシ塩化リンやポリ燐酸との分離性が悪いので、低沸点のイタコン酸モノクロリド誘導体であれば蒸留により純度の高いものが得られるが、沸点の高いイタコン酸モノクロリド誘導体では高純度化が困難であるため好ましくない。
次に、イタコン酸モノクロリドと水酸基を含有するメソーゲン化合物との反応による1−位にメソーゲン基を有するイタコネートの合成は、所定量のメソーゲン化合物を溶解させて反応させるためには適当な有機溶剤を使用する必要がある。例えば、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶剤、アセトンやメチルイソブチルケトンのようなケトン系溶剤、塩化メチレンやクロロホルムのようなハロゲン系の有機溶剤を挙げることができる。溶剤としては、イタコン酸モノクロリドと反応しないことは勿論であるが、最終段階での洗浄等による精製工程を考慮して、水との親和性の低い溶媒を選択して反応に用いることが重要で、好ましい溶剤としてはトルエン、あるいはクロロホルムを挙げることができる。
次にイタコン酸モノクロリドと水酸基との反応で生成する塩酸を除去する脱塩酸剤も必要であるが、通常使用されている脱塩酸剤、例えば、ピリジン、アニリン等の芳香族系のアミン類、N−メチルモルホリン、トリエチルアミンのような脂肪属系のアミン類が使用できるが、取り扱いのし易さ、臭気等の点でトリエチルアミンあるいはN−メチルモルホリンが好ましい。
反応器に所定量の水酸基を含有するメソーゲン化合物を秤取り、それを溶かすだけの十分な量の有機溶剤、例えばクロロホルム、さらにメソーゲン化合物と同モル量の脱塩酸剤、例えば、トリエチルアミンを添加する。この混合物を零度付近の温度に冷却・攪拌しながら、滴下ロートから溶剤希釈した若干過剰モル量のイタコン酸モノクロリド溶液を徐々に加えて反応させる。このとき、反応液温度が室温以下に保たれるように冷却・攪拌を続け、イタコン酸クロリドの滴下終了後もさらに攪拌を継続する。反応に伴って、脱塩酸剤のアミン類と生成した塩酸が反応してアミン塩酸塩が溶剤から析出してくるが、そのまま攪拌を継続して未反応原料を極力少なくなるようにするが、反応終了の目安としてはイタコン酸クロリド滴下終了後5時間程度が適当である。
反応終了後、析出したアミン塩酸塩をろ過して取り除いた後、反応溶液を塩酸酸性水溶液で洗浄した後、蒸留水を用いて中性になるまで洗浄を繰り返した後、過剰の有機溶剤を減圧除去して目的物を取り出し、必要に応じて再結晶またはカラム処理により精製を行うことにより、高分子分散型液晶表示素子用のイタコネートが得られる。
また、前記の共重合可能な多官能性モノマーとしては、具体的に例えば、テトラエチレングリコールビスマレイミド、コハク酸、アジピン酸等の脂肪族二塩基酸類のビニルまたはアリルエステル類;フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸等の芳香族多価塩基酸のビニルまたはアリルエステル類;シアヌル酸トリアリルまたはトリビニルエステル;フマル酸、マレイン酸、イタコン酸などの不飽和二塩基酸のアリルまたはビニルエステル類;トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロ−ルプロパンジ(メタ)アクリレート等の多官能性(メタ)アクリレートが挙げられる。ここで、取り扱いの容易さ、ラジカル重合性、さらにはイタコネートとの共重合性の良さ、液晶物質との相分離にし易さ等の観点から多官能性(メタ)アクリレート系が好ましい。
前記の共重合可能なラジカル重合性モノマーと共重合可能な多官能モノマーは、1種単独で、または2種以上を混合して用いてもよい。
本発明で用いられる液晶は、単独で用いても混合物を用いてもよいが、動作温度範囲、動作電圧など種々の要求性能を満たすには液晶混合物を用いた方が有利である。
本発明の高分子分散型液晶表示素子用組成物において、液晶材料の含有量は60〜85質量%が好ましく、65〜80質量%がより好ましい。60質量%未満では得られる表示素子の光散乱性も高くてコントラストも良いが、液晶を駆動させるための電圧は高くなりしかも応答性も悪くなる。一方で液晶の含有量が85質量%を超えると、駆動電圧は十分低く応答性良くなるが、光散乱性の低下および表示素子の機械的強度および耐熱性も低下する。
本発明の組成物において、メソーゲン基を有するイタコネートの含有量は0.1〜10質量%が好ましく、0.3〜5質量%がより好ましい。0.1質量%未満では、メソーゲン基を有するイタコネートの添加によるコントラストや応答性の改良効果が認められず、10質量%を超えると駆動電圧が高くなり応答性も低下するので好ましくない。
本発明の組成物において、ラジカル重合性化合物の含有量は、15〜40質量%が好ましく、20〜35質量%がより好ましい。15質量%未満では、表示素子の機械的強度や耐熱性の点で不十分となり、40質量%を超えると駆動電圧が高くなり、応答性も低下するの好ましくない。さらに、ラジカル重合性化合物中に多官能性モノマーが1〜10質量%含まれるラジカル重合性化合物を使用することが好ましい。10質量%以下の多官能性モノマーを添加することにより、重合の進行と共に液晶と高分子が相分離して表示素子を形成するが、その際の相分離性を高める(液晶のマトリクス高分子の溶解性を低める)働きをするだけでなく、表示素子の機械的強度および耐熱性を向上させる効果を発揮するが、1質量%未満ではこれらの効果は得られず、一方、10質量%より多く添加すると表示素子が固くなって機械的脆くなるばかりでなく、高電圧駆動を必要とするだけでなく応答性も低下するという欠点がある。
本発明の組成物は、必要に応じて、連鎖異動剤、光重合促進剤、重合遅延剤、光吸収性物質、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、滑剤、界面活性剤、無機充填剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。
すなわち、一定間隔を保った2枚の基板間に本発明の高分子分散型液晶表示素子を挟持させて、液晶デバイスとすることができる。
例えば、少なくとも一方が透明な電極を有する基板と透明基板からなる液晶セルの液晶封入孔から、液晶材料、メソーゲン基を有するイタコネート、ラジカル重合性化合物、及び重合開始剤を含む混合物を流し込んで、十分減圧した後、液晶封入孔を閉じる。この液晶セルを高圧水銀ランプにより紫外線を照射することにより、重合性組成物の重合反応と液晶物質の相分離を同時に進行させ、高分子マトリクスの三次元網目構造の中に液晶の均一なドメインを分散させ、本発明の高分子分散型液晶表示を使用する液晶デバイスを製造できる。
間隔の調整は、ギャップ材を介して行ってもよい。ギャップ材としては、例えば、ガラス粒子、プラスチック粒子、アルミナ粒子、フォトレジスト材料等が使用できる。
本発明の高分子分散型液晶素子用組成物を、透明電極を有するガラスまたはプラスチック基板に均一に塗布し、透明電極を有する基板または単なる透明板を気泡が入らないように重ね合わせて、二枚の基版の外周を低温硬化性エポキシ等の接着剤で張り合わせる。組成物が漏れないようにして紫外線等のエネルギー線の照射を行って重合硬化させることによって液晶デバイスを製造する。基板に連続プラスチックフィルムを使用した場合、長尺の液晶デバイスも容易に製造できる。
さらに、液晶デバイス上に、薄膜トランジスタ(TFT)、薄膜ダイオード、金属絶縁体金属比抵抗素子等の能動素子を設けた画素電極を設置してもよい。
回路等が形成された透明電極を用い、駆動素子、カラーフィルター等と組み合わせて、液晶デバイスを製造することもできる。
[実施例1]エチル−ω−(4−シアノビフェニル)イタコネートの合成
4−シアノ−4’−ヒドロキシビフェニル10.0g(0.051mol)とトリエチルアミン7.3g(0.072mol)を180mLのアセトンに溶解させたものに、モノエチルイタコン酸クロライド10.8g(0.062mol)を氷浴下で30分かけて滴下させて反応させ、滴下終了後も室温にて20時間静置した。静置後、反応液をろ過してトリエチルアミン塩酸塩を取り除いた後、アセトンを減圧除去して固体を取り出し、クロロホルム150mLに溶かして5質量%の塩酸水溶液300mLを用いて洗浄し、中性になるまで水洗を繰り返して粗エチル−ω−(4−シアノビフェニル)イタコネートのクロロホルム溶液を得た。この溶液を、アルミナを充填したカラムに注ぎ込み、塩化メチレンを展開溶媒としてカラム分離により、目的物11.51g(収率67.0%)を得た。
得られた化合物の融点、元素分析値、スペクトルデータは以下の通りである。
融点(m.p.) 68℃の固体
元素分析値:C20H17NO4 = 335.12
測定値 C 71.79%、H 5.09%、N 4.19%、O 18.93%
(理論値 C 71.63%、H 5.11%、N 4.18%、O 19.08%)
1H−NMR (CDCl3) δ(ppm)データ:
1.2[t, 3H, -CH 3], 3.4[s, 2H, C-CH 2-COO], 4.2[m, 2H, -COO-CH 2-CH3],
5.9, 6.6[s, 2H, CH2=], 7.2〜7.7[m, 8H, -(C6H4)2-]
13C−NMR (CDCl3) δ(ppm)データ:
13.6[-CH3], 36.6[C-CH2-COO], 59.6[-COO-CH2-CH3], 116.5[-C≡],
111.4, 128.1, 132.5, 140.9[C-C 6H4-], 120.6[CH2=],
121.9, 127.8, 133.4, 152.0[O-C 6H4-],
144.4[=C<], 162.0[C-COO-], 172.0[CH2-COO-]
IR(KBrペレット法) ν(cm−1)データ:
1740, 1655 [CH2=C], 1620, 1500, 810 [-C6H4-], 1200, 1120 [-COO-]
2220 [-CN], 1420 [-CH2-CO-]
下記式(4)で示されるエチル−ω−(4−シアノビフェニル)イタコネートが合成されたことが確認できた。
4−プロピル−4’−ヒドロキシトラン10.0g(0.042mol)とトリエチルアミン6.0g(0.059mol)を180mLのクロロホルムに溶解させたものに、モノエチルイタコン酸クロライド8.9g(0.051mol)を氷浴下で30分かけて滴下させた。滴下終了後、室温にて20時間攪拌する。攪拌後、ろ過してトリエチルアミン塩酸塩を取り除いた後このクロロホルム溶液を、5質量%の塩酸水溶液300mLを用いて洗浄し、中性になるまで水洗を繰り返した。この粗エチル−ω−(4−プロピル−トラノキシ)イタコネートのクロロホルム溶液、アルミナを充填したカラムに注ぎ込み、塩化メチレンを展開溶媒としてカラム分離により目的物6.58g(収率41.3%)を得た。
得られた化合物の融点、元素分析値、スペクトルデータは以下の通りである。
融点(m.p.)は 75℃。
測定値 C 76.58%、H 6.41%、O 17.01%
(理論値 C 76.57%、H 6.43%、O 17.00%)
1H−NMR (CDCl3) δ(ppm)データ:
0.9[t, 3H, -C2H4-CH 3], 1.2[t, 3H, -CH2-CH 3], 1.6[m, 2H, -CH 2-C2H5],
2.6[t, 2H, -CH2-CH 2-CH3], 3.4[s, 2H, C-CH 2-COO], 4.2[m, 2H, -COO-CH 2-CH3],
5.9, 6.6[s, 2H, CH2=] , 7.1〜7.5[m, 8H, -C6H4-CC-C6H4-]
13C−NMR (CDCl3) δ(ppm)データ
13.6[-CH3], 36.6[C-CH2-COO], 59.6[-COO-CH2-CH3], 116.5[-C≡],
111.4, 128.1, 132.5, 140.9[C-C 6H4-], 120.6[CH2=],
121.9, 127.8, 133.4, 152.0[O-C 6H4-],
144.4[=C<], 162.0[C-COO-], 172.0[CH2-COO-]
IR(KBrペレット法) ν(cm−1)データ:
1740, 1655 [CH2=C], 1620, 1500, 810 [-C6H4-], 1200, 1120 [-COO-]
2220 [-CN], 1420 [-CH2-CO-]
下記式(5)で示されるエチル−ω−(4−プロピル−トラノキシ)イタコネートが合成されたことが確認できた。
p−(trans−4−プロピルシクロヘキシル)フェノール10.0g(0.046mol)とトリエチルアミン6.5g(0.064mol)を180mLのクロロホルムに溶解させたものに、モノエチルイタコン酸クロライド9.7g(0.055mol)を氷浴下で30分かけて滴下させた。滴下終了後、室温にて20時間攪拌した。反応終了後、ろ過してトリエチルアミン塩酸塩を取り除いた後このクロロホルム溶液を、5質量%の塩酸水溶液300mLを用いて洗浄し、中性になるまで水洗を繰り返した。この粗エチル−ω−[4−(4−プロピルシクロヘキシル)フェノキシ]イタコネートのクロロホルム溶液、アルミナを充填したカラムに注ぎ込み、塩化メチレンを展開溶媒としてカラム分離して目的物12.27g(収率74.7%)を得た。
得られた化合物の融点、元素分析値、スペクトルデータは以下の通りである。
常温で液体。
元素分析値:C22H30O4 = 358.21 として
測定値 C 73.73%、H 8.41%、O 17.86%
(理論値 C 73.71%、H 8.44%、O 17.85%)
1H−NMR (CDCl3) δ(ppm) データ:
0.89[t, 3H, -CH2-CH2-CH 3], 0.98〜1.08, 1.1〜1.4, 2.4〜2.5[m, 10H, C6H10],
1.2[t, 3H, -O-CH2-CH 3], 1.8[t, 4H, -CH 2-CH 2-CH3], 3.4[s, 2H, C-CH 2-COO],
4.2[m, 2H, -COO-CH 2-CH3], 5.9, 6.5[s, 2H, CH2=],7.0〜7.2[m, 4H, -C6H4-]
13C−NMR (CDCl3) δ(ppm) データ:
13.6[-O-CH2-CH3], 14.3[-CH2-CH2-CH3], 20.9[-CH2-CH2-CH3],
32.3, 33.7, 35.8, 39.2[-C6H10-], 36.6[C-CH2-COO], 59.6[-COO-CH2-CH3],
120.6[CH2=],
121.1, 127.1, 141.6, 150.3[-C 6H4-], 144.4[=C<], 162.0[C-COO-], 172.0[CH2-COO-]
IR(液膜法)ν(cm−1) データ:
1740, 1655 [CH2=C] , 1620, 1500, 810 [-C6H4-], 1200, 1120 [-COO-]
2960 [-CH3], 2925 [-CH2-], 1420 [-CH2-CO-]
下記式(6)で示されるエチル−ω−[4−(4−プロピルシクロヘキシル)フェノキシ]イタコネートが合成されたことが確認できた。
4−シアノ−4’−ヒドロキシビフェニル10.0g(0.051mol)とトリエチルアミン7.3g(0.072mol)を180mLのアセトンに溶解させたものに、アクリル酸クロライド5.6g(0.062mol)を氷浴下で30分かけて滴下させて反応させ、滴下終了後も室温にて20時間静置した。静置後、反応液をろ過してトリエチルアミン塩酸塩を取り除いた後、アセトンを減圧除去して固体を取り出し、クロロホルム150mLに溶かして5質量%の塩酸水溶液300mLを用いて洗浄し、中性になるまで水洗を繰り返して粗4−シアノビフェニルアクリレートのクロロホルム溶液を得た。この溶液を、アルミナを充填したカラムに注ぎ込み、塩化メチレンを展開溶媒としてカラム分離により目的物8.1g(収率67.4%)を得た。
この化合物のスペクトルデータおよび融点等の値が文献値と一致しており、4−シアノビフェニルアクリレートの構造を確認した。
[高分子分散型液晶表示素子の誘電分散測定による評価]
[実施例4、5]
実施例1で合成した1−位に液晶基を有するイタコネート(I−CNと表示)および参考例1で合成した4−シアノビフェニルアクリレート(A−CNと表示)、と架橋性モノマー、エチレングリコールジメタクリレート(EDMA)、4,4’−ジアクリロイルオキシ−ビフェニル(BDA)と、典型的なネマチック液晶として知られている4−ペンチルオキシ−4’−シアノビフェニル(5CB)を液晶とを下記の表1に示す配合組成で混合し、光重合開始剤として2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン1質量部を添加し、加温して均一な組成物を作製した。次に、厚さが1.0mmで一辺が40mmの正方形の清浄な2枚のガラス板の一方に、同サイズで厚さ75μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを貼り付け、中央部の30mm×30mm角フィルムを切り取って口型のギャップ剤を有するセルを作成した。このセルに前述の混合液を流し込んで、気泡がはいらないように注意してもう一枚のガラス板でカバーし、さらに液が漏れないようにクリップで周囲を抑えた。このガラスセル全体に、25mW/cm2の紫外線を10分間照射して高分子分散型液晶表示素子サンプルを作成した。
紫外線重合によってガラスセルは、実施例4、5のいずれの場合も白濁状になった。紫外線重合の終了後、ガラスセルを分解して白濁状の高分子分散型液晶表示素子フィルムを取り外して、セイコー電子(株)製の誘電緩和測定装置を用いて、誘電分散の周波数依存性を測定した。結果を図1に示す。
I−CN: 実施例1で合成した1−位に液晶基を有するイタコネート
EDMA: エチレングリコールジメタクリレート
BDA : 4,4'−ジアクリロイルオキシ−ビフェニル
5CB : 4−ペンチルオキシ−4’−シアノビフェニル
A−CN: 参考例で合成した4,4’−ジアクリロイルオキシ−ビフェニル
実施例4、5において用いた1−位に液晶基を有するイタコネートを用いる替わりに、参考例1で合成した4−シアノビフェニルアクリレートを同じmol分率(実施例4、5に比較例1、2がそれぞれ同順で対応する)に相当するだけ追加して用いた以外は、実施例4、5とと全く同様にして、高分子分散型液晶表示素子を作製した。紫外線重合によってガラスセルは、比較例1、2のいずれの場合も白濁状になった。実施例4、5と同様にして、誘電分散の周波数依存性を測定した。結果を図1に示す。
実施例4、5の本発明のイタコネートを添加した高分子分散型液晶表示素子では、誘電分散(ε’)の値が、20MHzから増加するのに対して、本発明のイタコネートを添加していない比較例1、2においては、ε’の増加は、1Hz付近の低い周波数から始まることがわかる。これは、本発明のイタコネートを用いることにより、高分子分散型液晶表示素子の応答速度が飛躍的に向上することを示すものである。
下記の実施例6〜10、比較例3〜5において、液晶デバイスの評価は下記の方法で行った。
高分子分散型液晶表示素子の特性は、一辺20mmの液晶評価用セルを作製して、集光角6度の光学系を使用して、1000Hzの矩形波を0Vから20Vまで2V/秒の速度で昇圧または降圧しながら液晶セルの光線透過率測定による評価方法を採用した。光線透過率を昇圧時、印加電圧が0Vの透過率をT0とし、透過率が飽和したときの透過率をT100と定義する。
V10は透過率がT10=((T100−T0)×0.1+T0)のときの印加電圧であり、
V50は透過率がT50=((T100−T0)×0.5+T0)のときの印加電圧であり、
V90は透過率がT90=((T100−T0)×0.9+T0)のときの印加電圧である。
V90/V10を、電圧−透過率曲線の急峻性を示す指標であるシャープネスとする。この値が小さいほど、デバイスの画像境界部の立ち上がりが強くなり、コントラストが高くなる。
降圧時、透過率が((T100−T0)×0.5+T0)であるときの電圧をV’50とする。ヒステリシス(v)はV50−V’ 50と定義する。この値が小さいほど、ヒステリシス性が低いことを表す。
ハロゲン化ビフェニル系液晶混合物TL213(商品名;メルク社製、Δn=0.239)76質量部に、実施例1で合成したイタコネート2質量部を配合し、3,5,5−トリメチルヘキシルアクリレート14質量部、ヘキサンジオールジアクリレート4質量部を加え、光重合開始剤2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン4質量部を添加して、均一混合組成物を作製した。一辺が20mmの2枚の透明(ITO)電極付のガラス板の電極面を対向させ15.8μmの球状のギャップ材を挟んで作製した評価用の液晶セルに、混合組成物を自然注入した。この液晶セル全体に、25mW/cm2の紫外線光を36秒間照射してイタコネートおよびラジカル重合性化合物を重合させて液晶デバイスを作製した。
得られた液晶デバイスの評価結果を、配合組成とともに、表2に示す。
ハロゲン化ビフェニル系液晶混合物TL213(商品名;メルク社製、Δn=0.239)76質量部に、実施例2で合成したイタコネート2質量部を配合し、3,5,5−トリメチルヘキシルアクリレート14質量部、ヘキサンジオールジアクリレート4質量部を加え、光重合開始剤2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン4質量部を添加して、均一混合組成物を作製した。一辺が20mmの2枚の透明(ITO)電極付のガラス板の電極面を対向させ15.8μmの球状のギャップ材を挟んで作製した評価用の液晶セルに、混合組成物を自然注入した。この液晶セル全体に、25mW/cm2の紫外線光を36秒間照射してイタコネートおよびラジカル重合性化合物を重合させて液晶表示素子を作製した。
得られた液晶デバイスの評価結果を、配合組成とともに、表2に示す。
ハロゲン化ビフェニル系液晶混合物TL213(商品名;メルク社製、Δn=0.239)76質量部に、実施例3で合成したイタコネート2質量部を配合し、3,5,5−トリメチルヘキシルアクリレート14質量部、ヘキサンジオールジアクリレート4質量部を加え、光重合開始剤2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン4質量部を添加して、均一混合組成物を作製した。一辺が20mmの2枚の透明(ITO)電極付のガラス板の電極面を対向させ15.8μmの球状のギャップ材を挟んで作製した評価用の液晶セルに、混合組成物を自然注入した。この液晶セル全体に、25mW/cm2の紫外線光を36秒間照射してイタコネートおよびラジカル重合性化合物を重合させて液晶表示素子を作製した。
得られた液晶デバイスの評価結果を、配合組成とともに、表2に示す。
ハロゲン化ビフェニル系液晶混合物TL213(商品名;メルク社製、Δn=0.239)76質量部に、実施例1で合成したイタコネート4質量部を配合し、3,5,5−トリメチルヘキシルアクリレート13質量部、ヘキサンジオールジアクリレート3質量部を加え、光重合開始剤2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン4質量部を添加して、均一混合組成物を作製した。一辺が20mmの2枚の透明(ITO)電極付のガラス板の電極面を対向させ、15.8μmの球状のギャップ材を挟んで作製した評価用の液晶セルに、混合組成物を自然注入した。この液晶セル全体に、25mW/cm2の紫外線光を36秒間照射してイタコネートおよびラジカル重合性化合物を重合させて液晶表示素子を作製した。
得られた液晶デバイスの評価結果を、配合組成とともに、表2に示す。
ハロゲン化ビフェニル系液晶混合物TL213(商品名;メルク社製、Δn=0.239)76質量部に、実施例3で合成したイタコネート4質量部を配合し、3,5,5−トリメチルヘキシルアクリレート13質量部、ヘキサンジオールジアクリレート3質量部を加え、光重合開始剤2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン4質量部を添加して、均一混合組成物を作製した。一辺が20mmの2枚の透明(ITO)電極付のガラス板の電極面を対向させ15.8μmの球状のギャップ材を挟んで作製した評価用の液晶セルに、混合組成物を自然注入した。この液晶セル全体に、25mW/cm2の紫外線光を36秒間照射してイタコネートおよびラジカル重合性化合物を重合させて液晶表示素子を作製した。
得られた液晶デバイスの評価結果を、配合組成とともに、表2に示す。
実施例6の液晶組成物におけるイタコネート2質量部を、参考例で合成した液晶基を有するアクリレート2質量部に替えて用いた以外は、実施例6と全く同様にして、液晶表示素子を作製した。
得られた液晶デバイスの評価結果を、配合組成とともに、表2に示す。
比較例4
実施例9の液晶組成物におけるイタコネート4質量部を、参考例で合成した液晶基を有するアクリレート4質量部に替えて用いた以外は、実施例9と全く同様にして、液晶表示素子を作製した。
得られた液晶デバイスの評価結果を、配合組成とともに、表2に示す。
比較例5
実施例6の液晶組成物におけるイタコネート2質量部を用いず、その替わりに、3,5,5−トリメチルヘキシルアクリレートを16質量部に増量して用いた以外は、実施例6と全く同様にして、液晶表示素子を作製した。
得られた液晶デバイスの評価結果を、配合組成とともに、表2に示す。
これに対して、本発明のイタコネートを用いない比較例3〜5においては、液晶基を有するアクリレートの存在、不在にかかわらず、前記の優れたデバイス特性が得られないことがわかる。
以上に示したように、本発明によれば、シャープネスが優れているので視認性の高い画素から構成された液晶デバイスが得られる。本発明の液晶デバイスは、シャープネスが優れているので単純マトリクス法による駆動が可能であるばかりか、比較的低電圧でも駆動させることが出来るため、TFT駆動にも適しており、ディスプレイ駆動法の適応範囲が広く順応性に富む。本発明に従えば、電極基板間で原料組成物を保持して紫外線などの光を照射するという簡単な工程で、以上のような特性を有する液晶デバイスが生産性良く製造でき、特に、大面積(長尺)の液晶デバイスを得ることも可能となる。また、本発明の高分子分散型液晶表示素子は、応答速度が速く、コントラストが高く、ヒステリシス性が低いので、光ファイバー等による光学情報伝送における液晶変調器としても用いることができる。
Claims (7)
- 高分子マトリクス中に液晶が分散しドメインを形成した高分子分散型液晶表示素子において、該高分子マトリクスが1−位にメソーゲン基を有するイタコネートに基づく単位を含む高分子マトリクスであることを特徴とする高分子分散型液晶表示素子。
- 1−位にメソーゲン基を有するイタコネートが、下記式(1)〜(3)から選択されるイタコネートの1種または2種以上である請求項1記載の高分子分散型液晶表示素子。
- 請求項1または2に記載の高分子分散型液晶表示素子を使用した液晶デバイス。
- 液晶材料、1−位にメソーゲン基を有するイタコネート、ラジカル重合性化合物、光重合開始剤を含む高分子分散型液晶表示素子用組成物。
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