JP2005127313A - 車両の燃料供給システム用ノズル及びこのノズルを利用した燃料リターンバルブ - Google Patents

車両の燃料供給システム用ノズル及びこのノズルを利用した燃料リターンバルブ Download PDF

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Abstract

【課題】ＬＰＩエンジン（Ｌｉｑｕｅｆｉｅｄ Ｐｅｔｒｏｌｅｕｍ Ｉｎｊｅｃｔｉｏｎ Ｅｎｇｉｎｅ）において、燃料のリターン時にボンベ内部にリターンされる燃料によって発生する騒音を低減できる車両の燃料供給システム用ノズル及びこのノズルを利用した燃料リターンバルブを提供する。
【解決手段】本発明に係る燃料リターンバルブに用いる車両の燃料供給システム用ノズルは、リターンされる燃料の流動断面積に比べて４０％以下の断面積を有する貫通孔を複数形成したノズルボディと、前記貫通孔から排出される燃料の進行方向を変更できるように前記ノズルボディに一体に形成されたガイド部とを含んで構成され、リターンされる燃料が落下しながら発生させる騒音及びリターンされる燃料の中に含まれた気泡が破裂しながら発生させる騒音を低減する。
【選択図】図３

Description

本発明は、車両の燃料供給システムに使用されるノズル及びこのノズルを利用した燃料リターンバルブに関し、より詳しくはＬＰＩエンジン（Ｌｉｑｕｅｆｉｅｄ Ｐｅｔｒｏｌｅｕｍ Ｉｎｊｅｃｔｉｏｎ Ｅｎｇｉｎｅ）において燃料のリターン時にボンベ内部で燃料の気泡が破裂することによって発生する騒音と、燃料の落下による騒音を低減する技術に関する。
ＬＰＩエンジンは液化石油（Ｌｉｑｕｅｆｉｅｄ Ｐｅｔｒｏｌｅｕｍ）をインジェクタで噴射するエンジンであり、噴射されて残った燃料はリターンラインを通じてボンベにリターンされる（例えば、特許文献１参照）。
液化石油は簡単に気化する性質があり、ボンベにリターンされる燃料には複数の気泡が形成される。
上記のような気泡は、ボンベ内部で破裂して騒音を発生させ、また、燃料リターンバルブのノズルが閉じられていない状態では、リターンされる燃料がボンベ内部の燃料に落ちる時に騒音が発生する。
特開２００３−２６９２５６号公報
本発明は、ボンベ内部にリターンされる燃料によって発生する騒音を低減するためのものであり、リターンされる燃料が落下する時に発生する騒音、及びリターンされる燃料の中に含まれた気泡が破裂して発生する騒音を低減する車両の燃料供給システム用ノズル及びこのノズルを利用した燃料リターンバルブを提供することにその目的がある。
上記のような目的を達成するための本発明に係る燃料供給システム用ノズルは、リターンされる燃料の流動断面積に比べて４０％以下の断面積を有する貫通孔を複数形成したノズルボディと、前記貫通孔から排出される燃料の進行方向を変更できるように前記ノズルボディに一体に形成されたガイド部とを含んで構成されたことを特徴とする。
また、本発明に係る燃料供給システム用燃料リターンバルブは、バルブボディと、前記バルブボディに一体に設けられてリターンされる燃料を供給されるリターンニップルと、前記リターンニップルを通じてリターンされる燃料の流動断面積に比べて４０％以下の断面積を有する貫通孔を複数形成したノズルボディと、前記貫通孔から排出される燃料の進行方向を変更できるように前記ノズルボディに一体に形成されたガイド部とを備えたノズルと、前記バルブボディ内で直線スライド可能に設けられたバルブスプールと、前記バルブスプールに弾性力を印加して前記リターンニップルから前記ノズル側へ流れる燃料の流動のみを許容するように設けられたスプリングと、前記スプリングの弾性力を前記バルブスプールに伝達して前記バルブスプールの直線スライド運動をガイドするプランジャと、を含んで構成されたことを特徴とする。
本発明により、リターンされる燃料の流動断面積より著しく小さな断面積に形成された複数の貫通孔と、貫通孔を通過した燃料の進行方向を変更させるように設けられたガイド部を備えたノズル及びノズルを採用した燃料リターンバルブを提供し、リターンされる燃料が落下して発生する騒音、及びリターンされる燃料の中に含まれた気泡が破裂しなて発生する騒音を低減する。
以下、本発明の実施例を添付図によって詳述する。
図１と図２に示すように、本発明のノズル１はリターンされる燃料の流動断面積に比べて４０％以下の断面積を有する貫通孔３を複数形成したノズルボディ５と、貫通孔３から排出される燃料の進行方向を変更できるようにノズルボディ５に一体に形成されたガイド部７とを備えている。
ここで、リターンされる燃料の流動断面積とは、燃料がインジェクタ側からボンベにリターンされる時に経由する通路の平均的な断面積を言い、貫通孔３の断面積がリターンされる燃料の流動断面積の４０％以下であるということは、貫通孔３が流動断面積に比べて非常に小さなサイズで形成されるという意味である。
もちろん、貫通孔３の個数は、貫通孔３の断面積の総和がリターンされる燃料の流動断面積以上になるように形成され、本実施例では４個の貫通孔３が形成されたことが示されている。
本実施例において、貫通孔３はその長手方向が互いに平行に配置され、ガイド部７は円周状に配置された４個の貫通孔３の中央に位置し、ガイド部７は貫通孔３を通過して排出される燃料の直線進行方向に対して傾いた傾斜面９を備える。
即ち、本実施例ではノズルボディ５から貫通孔３を通過して排出される燃料の直線進行方向に沿って断面積が拡大するコーン状のガイド部７を備えることによって、傾斜面９が形成される。
リターンされる燃料の中に含まれている気相燃料の塊はノズルの貫通孔３を通過しながらサイズが小さくなる。従って、ノズル１が液相燃料内に浸かっている時、ノズル１から排出される気相燃料の塊は、比較的サイズが小さな気泡となる。
上記のようにサイズの小さな気泡は破裂してもその騒音が非常に小さいため、本発明のノズル１を使用すれば、リターンされる燃料の中に含まれた気相燃料の塊のサイズを小さくしないままで排出させた時に生ずる大きい気泡が破裂する場合よりも、ボンベで発生する騒音を大きく低減できる。
一方、ノズル１が液相燃料内に浸かっていない場合には、上記のように気泡が破裂しながら発生させる騒音よりは、燃料がボンベ内の液相燃料に落ちる時に発生する落下音が問題になる。
この問題に対して、ノズル１はリターンされる燃料が貫通孔３を通過するようにし、燃料の塊のサイズを小さくしてボンベ内の液相燃料に落ちる時の騒音が低減すると同時に、ガイド部７によって燃料が貫通孔３から直接液相燃料に落ちることを防止する。
即ち、貫通孔３を通過した燃料は、コーン状のガイド部７が提供する傾斜面９によって運動方向が変更されながら運動エネルギーが低減された状態で落ちるようになり、燃料が貫通孔３から直接液相燃料の上に落ちる場合より落下騒音がさらに小さくなる。
特に、上記のようにコーン状に形成されたガイド部７は、貫通孔３から出る燃料の運動方向を単純に変更させるものではなく、燃料がコーン状に広がるようにして落下騒音をさらに低減できるようにする。
次に、上記のノズルを用いたリターンバルブの構造を説明する。
図３ないし図５に示すように、燃料リターンバルブ１１は、バルブボディ１３と、バルブボディ１３に一体に設けられてリターンされる燃料が供給されるリターンニップル１５と、リターンニップル１５を通じてリターンされる燃料の流動断面積に比べて４０％以下の断面積を有する貫通孔３を複数形成したノズルボディ５と、貫通孔３から排出される燃料の方向を変更できるようにノズルボディ５に一体に形成されたガイド部７とを備えたノズル１と、バルブボディ１３内で直線スライド可能に設けられたバルブスプール１７と、バルブスプール１７に弾性力を印加してリターンニップル１５からノズル１側に流れる燃料の流動のみを許容するように設けられたスプリング１９と、スプリング１９の弾性力をバルブスプール１７に伝達してバルブスプール１７の直線スライド運動をガイドするプランジャ２１と、を含んで構成される。
燃料リターンバルブ１１は、インジェクタ側からリターンニップル１５を通じてリターンされる燃料の圧力がスプリング１９の力に勝ってバルブスプール１７及びプランジャ２１を押せば、燃料がノズル１を通じてボンベ内部に排出されるようにする。
もちろん、ノズル１の貫通孔３及びガイド部７は上記したノズル１の説明のように作用し、ノズル１がボンベ内の液相燃料内に浸かっている時には気泡によって発生する騒音の低減に大きく寄与し、ノズル１がボンベ内の液相燃料に浸かっていない状態では燃料の上に落ちる燃料の落下騒音を大きく低減させる。
本発明による車両の燃料供給システム用ノズルの斜視図である。 図１のノズルの断面を示した断面図である。 図１のノズルを使用した燃料リターンバルブの構造を示した断面図である。 図３の燃料リターンバルブの外観図である。 図４の燃料リターンバルブの構成部品を示した分解斜視図である。
符号の説明
１ ノズル
３ 貫通孔
５ ノズルボディ
７ ガイド部
９ 傾斜面
１１ 燃料リターンバルブ
１３ バルブボディ
１５ リターンニップル
１７ バルブスプール
１９ スプリング
２１ プランジャ

Claims (8)

  1. リターンされる燃料の流動断面積に比べて４０％以下の断面積を有する貫通孔を複数形成したノズルボディと、
    前記貫通孔から排出される燃料の進行方向を変更できるように前記ノズルボディに一体に形成されたガイド部と、
    を含んで構成されたことを特徴とする車両の燃料供給システム用ノズル。
  2. 前記貫通孔は、長手方向が互いに平行に配置され、
    前記ガイド部は、配置された前記貫通孔の中央に位置することを特徴とする請求項１に記載の車両の燃料供給システム用ノズル。
  3. 前記ガイド部は、前記貫通孔を通過して排出される燃料の直線進行方向に対して傾いた傾斜面を備えることを特徴とする請求項２に記載の車両の燃料供給システム用ノズル。
  4. 前記ガイド部は、前記ノズルボディから前記貫通孔を通過して排出される燃料の直線進行方向に沿って断面積が拡大するコーン状に形成されることを特徴とする請求項２に記載の車両の燃料供給システム用ノズル。
  5. バルブボディと、
    前記バルブボディに一体に設けられてリターンされる燃料を供給されるリターンニップルと、
    前記リターンニップルを通じてリターンされる燃料の流動断面積に比べて４０％以下の断面積を有する貫通孔を複数形成したノズルボディと、前記貫通孔から排出される燃料の進行方向を変更できるように前記ノズルボディに一体に形成されたガイド部とを備えたノズルと、
    前記バルブボディ内で直線スライド可能に設けられたバルブスプールと、
    前記バルブスプールに弾性力を印加して前記リターンニップルから前記ノズル側へ流れる燃料の流動のみを許容するように設けられたスプリングと、
    前記スプリングの弾性力を前記バルブスプールに伝達して前記バルブスプールの直線スライド運動をガイドするプランジャと、
    を含んで構成されたことを特徴とする車両の燃料供給システム用燃料リターンバルブ。
  6. 前記ノズルの貫通孔は、長手方向が互いに平行に配置され、
    前記ノズルのガイド部は前記配置された貫通孔の中央に位置することを特徴とする請求項５に記載の車両の燃料供給システム用燃料リターンバルブ。
  7. 前記ガイド部は、前記貫通孔を通過して排出される燃料の直線進行方向に対して傾いた傾斜面を備えることを特徴とする請求項６に記載の車両の燃料供給システム用燃料リターンバルブ。
  8. 前記ガイド部は、前記ノズルボディから前記貫通孔を通過して排出される燃料の直線進行方向に沿って断面積が拡大するコーン状に形成されることを特徴とする請求項６に記載の車両の燃料供給システム用燃料リターンバルブ。
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