JP2005127306A - 車載用ロータリ圧縮機 - Google Patents

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Masanori Takeso
當範 武曽
Yoshinori Fukasaku
良範 深作
Isao Hayase
功 早瀬
Hirokatsu Kosokabe
弘勝 香曽我部
Kiyomi Komatsuzaki
清美 小松崎
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Abstract

【課題】
高速回転が可能な車載用ロータリ圧縮機を提供する。
【解決手段】
上記課題を解決するために、圧縮機112は、フロント回転ピストン30a及びリア回転ピストン30bが、その外周に設けられたフロントローラ32及びリアローラ33がクランクシャフト31からの回転力をフロント側ニードル軸受34及びリア側ニードル軸受35を介して受け、これによってフロントローラ32及びリアローラ33がフロントシリンダ21及びリアシリンダ22に対して偏心して回転運動するように構成されている。これにより、圧縮機112は、フロントローラ32の外周面とフロントシリンダ21の内周面との間及びリアローラ33の外周面とリアシリンダ22の内周面との間の機械損失を低減することができ、高速回転による圧縮効率を向上させることができる。
【選択図】図1


Description

本発明は、自動車の空調装置に用いられる車載用ロータリ圧縮機に関する。
ロータリ圧縮機には、特許文献1に記載されたスライディングベーン型ロータリ圧縮機と、特許文献2に記載されたローリングピストン型ロータリ圧縮機がある。自動車の空調装置には前者のロータリ圧縮機を用いるのが一般的である。後者のロータリ圧縮機は家庭用のルームエアコンなどに用いられている。
特開平11−351173号公報 特開2001−165065号公報
近年、自動車の省燃費化に伴って空調装置の省動力化が要求されている。特にそれに用いられる圧縮機の省動力化が望まれている。圧縮機の省動力化を図るためには圧縮効率をこれまで以上に向上させる必要がある。圧縮効率の向上にあたっては低コストで実現できることが好ましい。
ところが、自動車の空調装置に用いられてきた前者の圧縮機においてこれまで以上に回転速度を上げると、ロータからシリンダの内部に出没してシリンダの内周面に摺動接触する5つのベーンとシリンダとの間の滑り速度が大きくなり、摩擦による機械損失が大きくなる。前者の圧縮機において機械損失を低減するためには、潤滑油の給油回路の改良などによって潤滑性能を向上させることが考えられるが、コストアップの要因になり得る。この点、後者の圧縮機は前者の圧縮機よりも機械損失が小さい。このため、前者の圧縮機に替えて後者の圧縮機を自動車に搭載することが考えられる。
しかしながら、後者の圧縮機では、回転ピストンの外周に設けられたローラが回転軸の回転力をすべりによって受けている(すべり軸受を介して受けている)ので、高速回転に対して限界がある。本願発明者らの実験によれば、圧縮機の回転数が7000rpm で限界に達することが確認された。従って、後者の圧縮機を自動車の空調装置に適用する場合には高速回転への対応が必須となる。
本発明は、高速回転が可能な車載用ロータリ圧縮機を提供する。
本発明の特徴は、回転ピストンが、その外周に設けられたローラが回転軸からの回転力を転がり軸受を介して受け、これによってローラがシリンダに対して偏心して回転運動するように構成されていることにある。
本発明によれば、回転軸とローラとの間に転がり軸受を介在させているので、回転軸とローラとの間の摩擦による機械損失及びベーンとローラの外周面との間の摩擦による機械損失を低減しながら、ローラをシリンダに対して偏心して回転運動させることができる。従って、本発明によれば、圧縮機を高速(前述した従来技術の限界である回転数よりも大きい回転数)で回転させることができる。
本発明によれば、圧縮機を高速で回転させることができるので、圧縮機の圧縮効率を向上させて、圧縮機の省動力化を図ることができる。従って、本発明によれば、自動車の省燃費化に貢献することができる。
本発明の最も代表的な最良の実施形態は、回転軸に対して偏心して設けられた回転ピストンが、内部に出没可能なベーンが設けられたシリンダの内部で、シリンダの内周面及びベーンに接しながらシリンダに対して偏心して回転運動し、シリンダの内部に導かれた媒体を圧縮する車載用ロータリ圧縮機であって、シリンダが軸方向に複数並設されて筐体内に収納されており、回転ピストンが、その外周に設けられたローラが回転軸からの回転力を転がり軸受を介して受け、これによってローラがシリンダに対して偏心して回転運動するように構成されている車載用ロータリ圧縮機にある。
本発明の実施例を図1乃至図7に基づいて説明する。
図7は、本実施例の自動車に搭載された空調装置(カーエアコンシステム)の概略構成を示す。図において100は自動車の車体である。車体100の前部にはエンジンルーム110が設けられている。エンジンルーム110の後部には、エンジンルーム110とは仕切られた車室120が設けられている。エンジンルーム110は、自動車を駆動するために必要な機器及び空調装置を構成する一部の機器などを収納するための部屋である。車室120は、運転席125に座ってハンドル124を操作する運転者、助手席126や後部座席(図示省略)に座る同乗者が乗車するための部屋である。車室120の内部(具体的にはエンジンルーム110側でダッシュボード(図示省略)の下部)には、空調装置を構成する一部の機器が収納されている。
エンジンルーム110の内部において111は、変速機(図示省略)を介して車輪(前輪)の駆動軸に回転駆動力を出力する内燃機関(エンジン)である。内燃機関111のクランクシャフトにはプーリー111aが取り付けられている。内燃機関111には、空調装置の空調用冷媒を圧縮する圧縮機112が取り付けられている。圧縮機112のクランクシャフトにはクラッチ付きのプーリー112aが取り付けられている。内燃機関111のプーリー111aと圧縮機112のプーリー112aは互いに駆動用ベルト116によって機械的に連結されている。これにより、内燃機関111の出力である回転駆動力が圧縮機112に供給(伝達)され、圧縮機112が回転駆動される。プーリー111aの直径(外径)はプーリー112aの直径(外径)よりも大きい。これにより、圧縮機112の回転速度は内燃機関111の回転速度よりも大きくなる。圧縮機112で圧縮された空調用冷媒は吐出配管119を介して凝縮器113に供給される。凝縮器113は、圧縮機112で圧縮した高温・高圧のガス状(気体状)の空調用冷媒を外気で冷やして液化するものであり、コンデンサとも呼ばれている。凝縮器113の後部にはラジェータ114が設けられている。ラジェータ114は、内燃機関111の冷却水を外気又はファンモータ115によって冷却する冷却器である。
車室120の内部において121は、クーリングユニットを構成するエバポレータである。エバポレータ121は空気流路の内部に配置されており、配管117を介して凝縮器113から供給された空調用冷媒を気化し、空気を冷却する。空気流路内でエバポレータ121の上流側にはインテークブロワ122が配置されている。インテークブロワ122は外気或いは内気を空気流路に送風する。空気流路内でエバポレータ121の下流側にはヒータユニット123が配置されている。ヒータユニット123は、エバポレータ121によって冷却された空気を暖める。インテークブロワ122によって空気流路に空気(外気或いは内気)が送風されると、その空気はエバポレータ121によって冷却される。冷却された空気は空気流路をヒータユニット123側に流れる。エバポレータ121とヒータユニット123との間の空気流路内にはエアミックスドワ(図示省略)が設けられている。エアミックスドアは、ヒータユニット123に流れる空気量とヒータユニット123をバイパスする空気量を制御するものであり、エバポレータ121によって冷却された空気を分流させる。ヒータユニット123側に分流した空気はヒータユニット123によって暖められ、ヒータユニット123をバイパスした空気と混合される。これにより、車室120内に送風される空気温度が制御される。混合した空気は、車室120内に設けられた複数の吹出し口のいずれかから車室120内に吹出される。これにより、車室120内の温度が設定温度に制御される。
エバポレータ121で気化された空調用冷媒は吸入配管118を介して圧縮機112に供給されて圧縮される。圧縮された空調用冷媒は吐出配管119を介して凝縮器113に供給されて液化される。液化された空調用冷媒は配管117を介してエバポレータ121に供給されて気化される。空調装置においてはその冷凍サイクルが繰り返される。吐出配管119,配管117及び吸入配管118は金属製の配管或いはフレキシブルホースで構成されている。
次に、本実施例の圧縮機112の構成について説明する。図1乃至図5は本実施例の圧縮機112の構成を示す。本実施例の圧縮機112は、2シリンダを備えたローリングピストン型圧縮機である。図1において、10は筐体(ハウジング)であり、内燃機関111の筐体に固定されている。筐体10は、蓋状のフロントカバー11と、器状のリアカバー12からなる密閉容器である。リアカバー12のフロントカバー11との軸方向対向面(軸方向接触面)には、環状の溝12aと、この溝12aに収納されたOリング12bから構成されたシール機構が設けられている。このシール機構によって筐体10の内部は気密に保持されている。リアカバー12の外周部の一部分(具体的にはリアカバー12の水平方向の一方側の側部)には、吸入配管118(図7)が接続される吸入配管接続口13が設けられている。リアカバー12の外周部の一部分(具体的にはリアカバー12の上部)には吐出配管119が接続される吐出配管接続口14が形成されている。筐体10の内部には、固定部20及び回転部30から構成された圧縮機構が収納されている。筐体10の内側と圧縮機構との間は、圧縮機構部の内部よりも高い圧力の圧力室になっており、高圧チャンバ51と呼ばれる。高圧チャンバ51の底部には、後述する潤滑油50(冷凍機油)が貯留されている。
固定部20は圧縮機構のシリンダ部を構成するもので、その構成要素としてフロントシリンダ21,リアシリンダ22,仕切り板24,フロントベア23,リアベア25及びリアベアカバー27を備えている。フロントシリンダ21及びリアシリンダ22は、内周面が円形で軸方向両端部が開口した短筒体であり、仕切り板24を介して軸方向に並設されている。仕切り板24は、内周面が円形で軸方向両端部が開口した環状板部材である。フロントベア23は、内周面が円形で軸方向両端部が開口した環状板部材であり、フロントシリンダ21の軸方向一端部(フロントカバー11側端部)の開口部を塞いでいる。リアベア25は、内周面が円形で軸方向両端部が開口しかつ軸方向リアカバー12側に突出した環状部材であり、リアシリンダ22の軸方向一端部(リアカバー12の側端部)の開口部を塞いでいる。
フロントベア23及びリアベア25は、フロントシリンダ21,リアシリンダ22及び仕切り板24と共にフロントカバー11に一体にシリンダ用締付けボルト26で締め付け固定されている。フロントカバー11のフロントベア23との軸方向対向面(軸方向接触面)には、環状の溝11bと、この溝11bに収納されたOリング11cから構成されたシール機構が設けられている。このシール機構によってシリンダの内部は気密に保持されている。リアベアカバー27は、内周面が円形で軸方向一端部(リアベア25側端部)が開口し軸方向他端部(リアカバー12側端部)が閉塞された環状部材であり、リアベア25の軸方向一端部(リアカバー12側端部)の開口部を塞いでいる。リアカバー27の周壁には内部と外部とを連通するための孔が設けられており、その孔には潤滑油50を吸い上げるための吸上げ管18が接続されている。
回転部30は圧縮機構の回転ピストン部を構成するもので、その構成要素としてクランクシャフト31,フロント回転ピストン30a,リア回転ピスト30b,フロントベーン36,リアベーン37,フロントバネ38及びリアバネ39を備えている。クランクシャフト31はクロムモリブデン鋼製のものであって、筐体10の軸方向一方端部側(フロントカバー11側端部側)の外部からフロントカバー11,フロントベア23,フロントシリンダ21,仕切り板24,リアシリンダ22を貫通してリアベア25の内周部に至るように、筐体10の軸方向他方端側(リアカバー12側端部側)に延びている。そして、クランクシャフト31は、フロントシリンダ21とリアシリンダ22が並設されて構成されたシリンダ部の軸方向両端側においてその軸方向両端部側が、フロントカバー11の内周部に保持されたフロント側ニードル軸受15と、リアベア25の内周部に保持されたリア側ニードル軸受16によって回転可能に軸支されている。
クランクシャフト31の一部分でフロントシリンダ21の内部に位置する部位には、フロント側ニードル軸受15によって回転可能に軸支された軸受支持部31cに偏心するように、短円柱状の偏心カム部31aが設けられている。クランクシャフト31の一部分でリアシリンダ22の内部に位置する部位には、リア側ニードル軸受16によって回転可能に軸支された軸受支持部31dに偏心するように、短円柱状の偏心カム部31bが設けられている。軸受支持部31c,31dと、フロントシリンダ21と、リアシリンダ22は同心円状に配置されており、それぞれの中心軸は同一軸上にある。偏心カム部31aと偏心カム部31bはクランクシャフト31と一体成形されたものであり、材質もクランクシャフト31と同質である。偏心カム部31aは偏心カム部31bに対して180度の位相で偏心している。これによって、フロント回転ピストン30aはリア回転ピスト30bに対して180度の位相で回転運動する。
図4に示すように、偏心カム部31aの外周面上にはフロント側ニードル軸受34が嵌合されている。フロント側ニードル軸受34は、図3に示すように円柱状のコロ34aが同一円周上に複数配置され、保持器34bによって回転可能に軸支されて構成されている。偏心カム部31aとコロ34aと保持器34bとは一体的に組み上げられた後、フロントローラ32の内部に圧入若しくは焼きばめにより固定される。リア側ニードル軸受35も同様の構成になっており、偏心カム部31bの外周面上にはリア側ニードル軸受35が嵌合されている。そして、図2に示すように円柱状のコロ35aが同一円周上に複数配置され、保持器35bによって回転可能に軸支されて構成されている。コロ34a,35aは高炭素クロム鋼製である。ニードル軸受は玉軸受と共に転がり軸受と呼ばれている。転がり軸受は、コロの内周側に内輪、コロの外周側に外輪を設けているが、本実施例では省略し、偏心カム部31a,31bが内輪、フロントローラ32及びリアローラ33が外輪を兼ねている。尚、内輪と外輪はあっても構わない。
フロント側ニードル軸受34の外周面上には円筒状のフロントローラ32が嵌合されている。これにより、フロントローラ32はクランクシャフト31(偏心カム部31a)に回転可能に軸支されている。リア側ニードル軸受35の外周面上には円筒状のリアローラ33が嵌合されている。これにより、リアローラ33はクランクシャフト31(偏心カム部31b)に回転可能に軸支されている。フロントローラ32及びリアローラ33は鋳鉄製或いはクロムモリブデン鋼製である。
図3に示すように、フロントベーン36はフロントシリンダ21の底部に内蔵されており、フロントシリンダ21の径方向外側から内側に向かうフロントバネ38の付勢力、フロントローラ32の回転運動による押圧力を受けて、フロントシリンダ21の内部に出没可能に(フロントシリンダ21の径方向(上下方向)に直線運動(揺動運動)ができるように)構成されている。図2に示すように、リアベーン37は、リアシリンダ22の底部に内蔵されており、リアシリンダ22の径方向外側から内側に向うリアバネ39の付勢力、リアローラ33の回転運動による押圧力を受けて、リアシリンダ22の内部に出没可能に(リアシリンダ22の径方向(上下方向)に直線運動(揺動運動)ができるように)構成されている。フロントベーン36及びリアベーン37は高速度工具鋼製である。
図1に示すように、フロントカバー11から軸方向外方に延びるクランクシャフト31の軸方向先端部にはクラッチ40が設けられている。クラッチ40は、軸方向をリアカバー12側とは反対側に延びるフロントカバー11の突起環状部の外周部に固定された円筒状の電磁コイル43と、電磁コイル43の内周側と外周側を挟み込むように、フロントカバー11の突起環状部の外周部に軸受45を介して回転可能に軸支された円筒状の回転子41と、クランクシャフト31の先端部に固定されると共に、回転子41に対して空隙を介して軸方向に対向配置されたアーマチャ44から構成されている。回転子41の外周部にはプーリー42が回転子41と一体に設けられている。プーリー42は、図7のプーリー112aに相当するものであり、内燃機関111のプーリー111aに掛けられた駆動用ベールト116が掛けられている。フロントカバー11の突起環状部と、これに対向するクランクシャフト31との間には、筐体10の内部を気密に保持するためのシール部材46が設けられている。シール部材46は、NBR(アクリロニトル・ブタジエン・ラバー)を主体として形成されたNBR系ポリマー製のすだれ状部材であり、その一方がフロントカバー11の突起環状部の内周面に固定され、他方がクランクシャフト31の外周面上に摺動接触するように設けられている。
電磁コイル43は、空調装置の制御装置(図示省略)から出力された制御信号を受けたクラッチ駆動回路(図示省略)によって通電が制御され、回転子41とアーマチャ44の締結,切り離し動作を制御する。クラッチ駆動回路を介して電磁コイル43に供給される電流は、自動車に搭載されたバッテリ(図示省略)からのものである。空調装置の制御装置は、エバポレータ121の設定温度(目標温度)とエバポレータ121の実際の温度(検出値)との比較に応じてクラッチ駆動回路に制御信号(設定温度に対して検出温度が高い場合にはオン信号、設定温度に対して検出温度が低い場合にはオフ信号)を出力する。クラッチ駆動回路は、空調装置の制御装置からオン信号を受けた場合には電磁コイル43への通電をオンする。これにより、電磁コイル43は励磁され、その電磁力(吸引力)によって回転子41とアーマチャ44とが締結される。オフ信号を受けた場合にはクラッチ駆動回路は電磁クラッチ43への通電をオフする。これにより、電磁コイル43は無励磁となり、回転子41とアーマチャ44は切り離される。
次に、本実施例の圧縮機112の動作について説明する。回転子41はプーリー42を介して内燃機関111の回転駆動力を常時受けて回転している。空調装置がオフの場合或いは空調装置がオンで空調用媒体の圧縮が不要な場合、回転子41は空回りしている。空調装置がオンで空調用媒体の圧縮が必要な場合、電磁コイル43にはバッテリから電力が供給される。これにより、電磁コイル43は励磁され、軸方向の空隙を介して回転子41とアーマチャ44とを周回する磁束の流れが発生する。これにより、回転子41とアーマチャ44との間の軸方向の空隙には電磁力(吸引力)が作用し、回転子41とアーマチャ44が締結される。これにより、回転子41の回転力はアーマチャ44を介してクランクシャフト31に伝達される。
図2及び図3に示すように、クランクシャフト31が回転すると、その回転力を受けて偏心カム部31a,31bが軸受支持部31c,31dに対して偏心して同一方向(図中、矢印R1方向)に回転運動する。偏心カム部31aの回転力はフロント側ニードル軸受34に、偏心カム部31bの回転力はリア側ニードル軸受35にそれぞれ伝達される。これにより、フロント側ニードル軸受34とリア側ニードル軸受35は、矢印R2方向に回転運動する。すなわちフロント側ニードル軸受34とリア側ニードル軸受35の全体は軸受支持部31c,31dを回転軸として、その回転軸に対して偏心して公転或いは旋回する。コロ34a,35aは偏心カム部31a,31bの回転方向(矢印R1方向)とは逆方向に自転する。フロントローラ32の外周部とフロントシリンダ21の内周面との間には僅かな隙間(例えば、30μm)があるが、この隙間には潤滑油が充填されており、フロントローラ32の外周部とフロントシリンダ21の内周面とは潤滑油を介して接している。また、リアローラ33の外周部とリアシリンダ22の内周面との間には僅かな隙間(例えば、30μm)があるが、この隙間には潤滑油が充填されており、リアローラ33の外周部とリアシリンダ22の内周面とは潤滑油を介して接している。したがって、フロントローラ32は、フロントシリンダ21の内部でフロントシリンダ21の内周面に沿って、かつフロントベーン36に摺動接触しながらフロントシリンダ21に対して偏心して矢印R3方向に旋回運動する。リアローラ33は、リアシリンダ22の内部でリアシリンダ22の内周面に沿って、かつリアベーン37に摺動接触しながらリアシリンダ22に対して偏心して矢印R3方向に旋回運動する。従って、フロントシリンダ21の内部には、フロントローラ32の旋回運動とフロントベーン36の直線運動によって高圧及び低圧の2つの圧縮室が形成される。これにより、吸入口21aを介してフロントシリンダ21の内部に導かれた空調用冷媒は圧縮される。そして、圧縮された空調用冷媒は吐出口21bを介してフロントシリンダ21の内部から送出される。一方、リアシリンダ22の内部には、リアローラ33の旋回運動とリアベーン37の直線運動によって高圧室RH及び低圧室RLの2つの圧縮室が形成される。これにより、吸入口22aを介してリアシリンダ22の内部に導かれた空調用冷媒は圧縮される。そして、圧縮された空調用冷媒は吐出口22bを介してリアリンダ22の内部から送出される。
以上説明したように、本実施例では、フロントローラ32は、フロント側ニードル軸受34を介して偏心カム部31aによりシリンダ21と微小隙間(30μm)を保ちながらシリンダ21の内周面に沿って移動する。この移動の時、フロントローラ32とシリンダ21の摺動抵抗により、フロントローラ32はクランクシャフト31の回転方向と逆方向に回転しながら移動する。これにより、本実施例では、フロントローラ32の外周面とフロントシリンダ21の内周面との間の滑り速度が、リアローラ33の外周面とリアシリンダ22の内周面との間の滑り速度がそれぞれ、ローラを自転させずにその外周面をシリンダの内周面に摺動接触させた時のローラの外周面とシリンダの内周面との間の滑り速度よりも大幅に低減される。従って、本実施例では、ローラの外周面とシリンダの内周面との間の摩擦による機械損失を大幅に低減することができ、フロント回転ピストン30aとリア回転ピストン30bの回転速度を上げることができる。従来の構成では、7000rpmが限界であったが、本実施例では10000rpmまで回転速度を上げることができる。回転速度を上げることより、本実施例では、圧縮効率を向上させることができる。この圧縮効率の向上は、圧縮機112の省動力化に大きく貢献することができる。さらに、圧縮機112の省動力化は自動車の省燃費化に大きく貢献することができる。
また、本実施例によれば、ローラの外周面とシリンダの内周面との間の摩擦による機械損失を大幅に低減することができるので、潤滑油50による潤滑性能を向上させるための複雑な給油回路を設ける必要がない。
さらに、本実施例によれば、偏心カム部31aとフロントローラ32との間にフロント側ニードル軸受34を介在させ、偏心カム部31bとリアローラ33との間にリア側ニードル軸受35を介在させているので、内燃機関111からクランクシャフト31に伝達された振動のフロントローラ32とリアローラ33への伝達を抑制することができ、圧縮機112の耐振性を向上させることができる。
さらにまた、本実施例によれば、2つのシリンダを軸方向に並設した圧縮機構、すなわち対向バランス型の圧縮機構を備えているので、圧縮動作における振動を低減することができる。
次に、潤滑油20の給油回路について、図5及び図6に基づいて説明する。図5は、本実施例の圧縮機112の油量調整機構の構成を示す。図6は、本実施例の圧縮機112の給油回路構成を示す。図中矢印が潤滑油50の流れを示している。尚、圧縮機112の構成は図1と全く同じである。
本実施例の給油回路は、高圧チャンバ51の内部の圧力と圧縮機構の内部の圧力との差圧によって、潤滑油50を圧縮機構内に潤滑させるようにしたものである。そして、本実施例の給油回路において、潤滑油50は、次のように循環する。
潤滑油50は高圧チャンバ51とシリンダ部との圧力差によってまず、吸上げ管18を介してリアべアカバー27の内部に吸上げられる。吸上げられた潤滑油50はリア側ニードル軸受16に循環され、リア側ニードル軸受16を潤滑する。リア側ニードル軸受16を潤滑した潤滑油50はリアシリンダ22側に循環され、リアシリンダ22のリアベア25側端面をシールすると共に、リア側ニードル軸受35を潤滑し、かつリアシリンダ22の仕切り板24側端面をシールする。リア側圧縮機構を潤滑及びシールした潤滑油50は仕切り板24の開口部を介してフロントシリンダ21側に循環され、フロントシリンダ21の仕切り板24側端面をシールすると共に、フロント側ニードル軸受34を潤滑し、かつフロントシリンダ21のフロントベア23側端面をシールする。フロント側圧縮機構を潤滑及びシールした潤滑油50は、フロントベア23の開口部を介してフロント側ニードル軸受15側に循環され、フロント側ニードル軸受15を潤滑する。この時、潤滑油50は、フロントベア23及びフロントベア23の内周部でフロント側ニードル軸受15側に設けられた油量調整機構23bによってその油量が調節され、必要とされる油量がフロント側ニードル軸受15側に循環される。フロント側ニードル軸受15を潤滑した潤滑油50は、シール部材46と、フロント側ニードル軸受15のシール部材46側軸方向端部と、フロントカバー11の内周面と、ドライブシャフトの外周面の間に形成された中間圧部17に循環され、フロントカバー11に形成された油通路11aとフロントベア23に形成された貫通孔23aから構成された油戻り通路19を介してフロントシリンダ21側に戻される。フロントシリンダ21及びリアシリンダ22に循環されてシリンダ端面のシール及び潤滑に不必要な潤滑油50や、油戻り通路19を介してフロントシリンダ21側に戻された潤滑油50は、フロントシリンダ21及びリアシリンダ22の側面を内周側から外周側に沿って径方向に押出され、高圧チャンバ51の底部に自重で落下して貯留され、再び吸上げ管18から吸上げられる。
また、本実施例では、上記給油回路が構成されるように、各部の圧力を次の関係となるように設定している。すなわち高圧チャンバ51の内部の圧力をPd,リアシリンダ22の内部の圧力をPm1、中間圧部17の圧力をPm2、フロントシリンダ21の内部に開口したもので油戻り通路19の戻り口(フロントシリンダ21側開口部)の圧力をPsとしたとき、Pd>Pm1>Pm2>Psとなるように設定している。これにより、潤滑油50は上記の通り循環する。
本実施例では、以上説明した給油回路を備えているので、潤滑油50を安定して圧縮機構内部の摺動部に供給することができる。
図5に示すように、油量調整機構23bは、フロントベア23の内周部でフロント側ニードル軸受15側に設けられた溝と、その溝に収納されたオリフイスから構成されている。オリフィスは環状部材である。本実施例では、オリフィスの内周面とクランクシャフト31の外周面との間の隙間を35μ程度に絞っている。また、本実施例では、オリフイスの外径とそれを包み込んでいるフロントベア23の内径とのクリアランスは0.5μ 以上確保し、組立性を容易にしている。
本実施例によれば、油量調整機構23bを備えているので、シリンダ部に導かれる潤滑油50の油量を最小限に抑えて圧縮機構に供給することができる。
もし、シリンダ部に導かれる潤滑油50の油量が必要以上に多いと、高圧チャンバ51に貯留している潤滑油50が全て吸い上げられて過剰供給となる。これにより、シリンダ部の内部の潤滑油の油量が多くなり、圧縮性能が急激に低下する。また、吸上げる潤滑油50がなくなると、給油回路の中を圧縮された高圧冷媒が通過し、シール用の潤滑油50を取り去り、シール性を急激に低下させてしまう。これにより、シリンダ部から高圧の冷媒が漏洩し、圧縮性能が急激に低下する。一方、シリンダ部に導かれる潤滑油50の油量が必要以上に少ないと、シール性の低下及び軸受の潤滑不足によるカジリや焼き付きが生じ、故障の原因となる。尚、必要最少の潤滑油50の油量は圧縮機112の回転数,容量によって決まり、これに応じて油量調整機構23bのクリアランス及び寸法精度を調整する。
図6に示すように、フロントカバー11に形成された油通路11aは、中間圧部17と貫通孔23aとを連通する連通孔である。フロントベア23に形成された貫通孔23aは軸方向に貫通しているもので、油通路11aとフロントシリンダ21側とを連通する連通孔であり、フロントベア23の開口部よりも径方向外側の部位(フロントシリンダ21のフロントベア23側軸方向端面と対向する部位)に設けられている。このため、油通路11aは中間圧部17から軸方向リアカバー12側に向かって延びかつ径方向外側に向かって延びた傾斜孔になっている。
次に、図8及び図9を用いて、ローラと転がり軸受の取付構造の他の構造例について説明する。
図8は、他の第1の構造例を示し、フロント側ニードル軸受34(リア側ニードル軸受35)をフロントローラ32(リアローラ33)の内部に滑合配置した構成を示したものである。フロント側ニードル軸受34とリア側ニードル軸受35は、止め輪52A,52Bをフロント側ニードル軸受34(リア側ニードル軸受35)の設置場所の両側に設けることにより軸方向の移動を阻止されている。フロント側ニードル軸受34(リア側ニードル軸受35)と止め輪52A,52Bの間には間座53A,53Bを備えている。止め輪52A,52Bは、フロントローラ32とリアローラ33の内側にフロント側ニードル軸受34(リア側ニードル軸受35)の設置場所の両側に設けた止め輪溝32a,33aにそれぞれに組込まれて構成されている。本実施例によれば、フロントローラ32(リアローラ33)にフロント側ニードル軸受34(リア側ニードル軸受35)を圧入していないため、フロントローラ32とリアローラ33の変形が無くなり、信頼性の高い製品にできる。また、フロントローラ32とリアローラ33は、高強度のクロムモリブデン鋼製を使用しているので薄肉化できるため、フロントローラ32とリアローラ33の外径を小さくでき、フロントシリンダ21とリアシリンダ22の容積拡大や、圧縮機の小形化に貢献することができる。更に、間座53A,53Bを採用することにより、摩擦抵抗削減に貢献することができる。
図9は、他の第2の構造例を示し、フロントローラ32(リアローラ33)を2重構造にし、フロント側ニードル軸受34(リア側ニードル軸受35)を内部に滑合配置した構成を示したものである。フロントローラ32(リアローラ33)の内側には剛性の強い金属クロムモリブデン鋼製を使用し、外側には鋳鉄製を使用している。フロントローラ32(リアローラ33)の外側に鋳鉄製を採用したのは、フロントべーン36(リアベーン37)との相性を損なわないよう現行材質にしてある。フロント側ニードル軸受34(リア側ニードル軸受35)は、止め輪52A,52Bをフロント側ニードル軸受34(リア側ニードル軸受35)の設置場所の両側に設けることにより軸方向の移動を阻止されている。フロント側ニードル軸受34(リア側ニードル軸受35)と止め輪52A,52Bの間には間座53A,53Bを備えている。止め輪52A,52Bは、フロントローラ32(リアローラ33)の内側にフロント側ニードル軸受34(リア側ニードル軸受35)の設置場所の両側に設けた止め輪溝32a,33aにそれぞれに組込まれて構成されている。本実施例によれば、フロントローラ32(リアローラ33)にフロント側ニードル軸受34(リア側ニードル軸受35)を圧入していないため、フロントローラ32(リアローラ33)の変形が無くなり、信頼性の高い製品にできる。また、間座53A,53Bを採用することにより、摩擦抵抗削減に貢献することができる。
本発明の実施例である圧縮機の内部構成を示す断面図である。 図1のII−II矢視断面図である。 図1のIII−III矢視断面図である。 図1の圧縮機の一部分の構成を拡大して示した拡大断面図であり、回転ピストンの構成を示す。 図1の圧縮機の一部分の構成を拡大して示した拡大断面図であり、潤滑油の給油回路に設けられた油量調整機構の構成を示す。 図1の圧縮機の潤滑油の給油回路の構成を示す断面図である。 本発明の実施例である自動車用空調装置(カーエアコンシステム)の概略構成を示す平面図。 本発明の実施例である圧縮機に用いる回転ピストンの転がり軸受の他の第1の構成図を示す。 本発明の実施例である圧縮機に用いる回転ピストンの転がり軸受の他の第2の構成図を示す。
符号の説明
10…筐体、21…フロントシリンダ、22…リアシリンダ、30a…フロント回転ピストン、30b…リア回転ピストン、31…クランクシャフト、32…フロントローラ、33…リアローラ、34…フロント側ニードル軸受、35…リア側ニードル軸受、36…フロントベーン、37…リアベーン、112…圧縮機。

Claims (13)

  1. 回転軸に対して偏心して設けられた回転ピストンが、内部に出没可能なベーンが設けられたシリンダの内周面に沿って、かつ前記ベーンに接しながら前記シリンダに対して偏心して回転運動し、前記シリンダの内部に導かれた媒体を圧縮する車載用ロータリ圧縮機であって、
    前記シリンダは軸方向に複数並設されて筐体内に収納されており、
    前記回転ピストンは、その外周に設けられたローラが前記回転軸からの回転力を転がり軸受を介して受け、これによって前記ローラが前記シリンダに対して偏心して回転運動するように構成されていることを特徴とする車載用ロータリ圧縮機。
  2. 筐体と、
    回転駆動力を受けると共に、前記筐体の内部に軸支された回転軸と、
    内部に出没可能なベーンを有すると共に、軸方向に並んで前記筐体の内部に設けられた複数のシリンダと、
    該シリンダの内部で回転運動すると共に、前記回転軸に対して偏心して設けられた回転ピストンとを有し、
    前記回転ピストンは、
    前記回転軸の中心軸に対して偏心するように前記回転軸に形成された偏心部と、
    該偏心部の外周側に設けられたローラと、
    該ローラと前記偏心部との間に設けられると共に、前記偏心部に対して前記ローラを回転可能に支持する転がり軸受とを備えてなると共に、
    前記シリンダの内周面にに沿って、かつ前記ベーンに接して前記ベーンを前記シリンダの内部に出没させながら前記シリンダに対して偏心して回転運動し、前記シリンダの内部に圧縮室を形成し、前記シリンダの内部に導かれた媒体を圧縮して前記シリンダの内部から送り出すことを特徴とする車載用ロータリ圧縮機。
  3. 車両の空調装置用として前記車両に搭載されて前記空調装置の空調用媒体を圧縮する車両用ロータリ圧縮機であって、
    前記車両に固定された筐体と、
    回転駆動力を受けると共に、前記筐体の内部に軸支された回転軸と、前記空調用媒体を圧縮すると共に、前記筐体の内部に設けられた圧縮機構とを有し、
    前記圧縮機構は、
    軸方向に並んで前記筐体の内部に設けられた複数のシリンダと、
    該シリンダの内部で回転運動すると共に、前記回転軸に対して偏心して設けられた回転ピストンとを備えてなり、
    前記シリンダは、
    前記シリンダの内部に前記空調用媒体を導入する吸込み口と、
    前記シリンダの内部において圧縮された前記空調用媒体を前記シリンダの内部から送り出す吐出口と、
    前記シリンダの内部に出没可能なベーンとを備えてなり、
    前記回転ピストンは、
    前記回転軸の中心軸に対して偏心するように前記回転軸に形成された偏心部と、
    該偏心部の外周側に設けられたローラと、
    該ローラと前記偏心部との間に設けられると共に、前記偏心部に対して前記ローラを回転可能に支持する転がり軸受とを備えてなると共に、
    前記シリンダの内周面に沿って、かつ前記ベーンに接して前記ベーンを前記シリンダの内部に出没させながら前記シリンダに対して偏心して回転運動し、前記シリンダの内部に圧縮室を形成し、前記吸込み口を介して前
    記シリンダの内部に導入された前記空調用媒体を圧縮し、圧縮された前記空調用媒体を前記吐出口を介して前記シリンダの内部から送り出すことを特徴とする車載用ロータリ圧縮機。
  4. 車両に搭載された空調装置に用いられると共に、前記車両に搭載された内燃機関の回転駆動力を受けて駆動され、前記空調装置の空調用媒体を圧縮する車両用ロータリ圧縮機であって、
    前記車両に固定された筐体と、
    前記内燃機関からの回転駆動力を受ける受動手段と、
    該受動手段からの回転駆動力を受けると共に、前記筐体の内部に軸支された回転軸と、
    前記受動手段から前記クランクシャフトへの回転駆動力の伝達を制御するクラッチと、
    前記空調用媒体を圧縮すると共に、前記筐体の内部に設けられた圧縮機構とを有し、
    前記圧縮機構は、
    軸方向に並んで前記筐体の内部に設けられた複数のシリンダと、
    該シリンダの内部で回転運動すると共に、前記回転軸に対して偏心して設けられた回転ピストンとを備えてなり、
    前記シリンダは、
    前記シリンダの内部に前記空調用媒体を導入する吸込み口と、
    前記シリンダの内部において圧縮された前記空調用媒体を前記シリンダの内部から送り出す吐出口と、
    前記シリンダの内部に出没可能なベーンとを備えてなり、
    前記回転ピストンは、
    前記回転軸の中心軸に対して偏心するように前記回転軸に形成された偏心部と、
    該偏心部の外周側に設けられたローラと、
    該ローラと前記偏心部との間に設けられると共に、前記偏心部に対して前記ローラを回転可能に支持する転がり軸受とを備えてなると共に、
    前記シリンダの内周面に沿って、かつ前記ベーンに接して前記ベーンを前記シリンダの内部に出没させながら前記シリンダに対して偏心して回転運動し、前記シリンダの内部に圧縮室を形成し、前記吸込み口を介して前記シリンダの内部に導入された前記空調用媒体を圧縮し、圧縮された前記空調用媒体を前記吐出口を介して前記シリンダの内部から送り出すことを特徴とする車載用ロータリ圧縮機。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の車載用ロータリ圧縮機において、
    前記筐体は、フロントカバー及びリアカバーから構成された密閉容器であり、
    前記複数のシリンダは、前記フロントカバー側の軸方向端部がフロントベアによって塞がれ、前記リアカバー側の軸方向端部がリアベアによって塞がれており、
    前記複数のシリンダ,前記フロントベア及び前記リアベアは、前記フロントカバーに一体に締め付け固定されていることを特徴とする車載用ロータリ圧縮機。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の車載用ロータリ圧縮機において、
    前記複数のシリンダが並設されてなるシリンダ部の軸方向両端側には、前記回転軸の軸方向両端を支承する軸受が設けられており、
    前記筐体の内部には潤滑油が封入されていると共に、前記潤滑油を前記軸受及び前記シリンダ内部に強制循環する給油回路が構成されており、
    前記給油回路は、前記シリンダと前記筐体の内部との圧力差によって前記潤滑油を前記軸受及び前記シリンダ内に強制循環するようになっていることを特徴とする車載用ロータリ圧縮機。
  7. 請求項6に記載の車載用ロータリ圧縮機において、
    前記給油回路は、前記潤滑油を吸い上げて前記軸受の一方に供給し、前記軸受の一方から前記シリンダの内部に、前記シリンダの内部から前記軸受の他方に循環し、前記軸受の他方から再び前記シリンダの内部に戻すように構成されていることを特徴とする車載用ロータリ圧縮機。
  8. 請求項7に記載の車載用ロータリ圧縮機において、
    前記給油回路は、前記筐体の内部の圧力に対して、前記軸受の一方から前記潤滑油が循環される前記シリンダの内部の圧力、前記軸受の他方の潤滑油排出側の圧力、前記軸受の他方を循環した前記潤滑油が戻される前記シリンダの潤滑油戻り口の圧力の順に圧力の大きさが小さくなっていることを特徴とする車載用ロータリ圧縮機。
  9. 請求項7に記載の車載用ロータリ圧縮機において、
    前記給油回路は、前記シリンダから前記軸受の他方に前記潤滑油を循環する回路部分に前記潤滑油の油量調整機構を具備していることを特徴とする車載用ロータリ圧縮機。
  10. 請求項9に記載の車載用ロータリ圧縮機において、
    前記油量調整機構オリフィスであることを特徴とする車載用ロータリ圧縮機。
  11. 請求項2に記載の車載用ロータリ圧縮機において、
    前記転がり軸受は、前記ローラの内部に滑合配置され、該転がり軸受の両面を前記ローラの内周面に係止される止め輪によって軸方向の移動を阻止していることを特徴とする車載用ロータリ圧縮機。
  12. 請求項11に記載の車載用ロータリ圧縮機において、
    前記転がり軸受は、間座を介して止め輪に保持されていることを特徴とする車載用ロータリ圧縮機。
  13. 請求項11に記載の車載用ロータリ圧縮機において、
    前記ローラは2重構造であって、内側に剛性の強い金属を配置したことを特徴とする車載用ロータリ圧縮機。
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