JP2005126911A - 地盤掘削機の粘性土付着防止装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 カッタードラムのブレード間に掘削した粘性土が付着堆積することを防止して清浄作業を不要となし、もって掘削能率と作業効率との向上を可及的に図れる地盤掘削機の粘性土付着防止装置を提供する。
【解決手段】 下端に回転駆動自在に設けられたカッタードラム9を備え、該カッタードラム9の外周面には、先端にカッターティース12を有する多数のブレード10が放射状に突設されて複数列に整列固定されている地盤掘削機1において、該ブレード列間のカッタードラム外周面に相対回転可能な環状部材13を装着する。この環状部材13とては、例えばカッタードラム外周面に緩く巻回装着したロープ14またはチェーンで構成し得る。
【選択図】 図4
【解決手段】 下端に回転駆動自在に設けられたカッタードラム9を備え、該カッタードラム9の外周面には、先端にカッターティース12を有する多数のブレード10が放射状に突設されて複数列に整列固定されている地盤掘削機1において、該ブレード列間のカッタードラム外周面に相対回転可能な環状部材13を装着する。この環状部材13とては、例えばカッタードラム外周面に緩く巻回装着したロープ14またはチェーンで構成し得る。
【選択図】 図4
Description
この発明は地盤掘削機の粘性土付着防止装置にかかわり、特に、ハイドロフレーズ等の回転駆動されるカッタードラムを有した地盤掘削機において、当該カッタードラムのブレード間に粘性の高い掘削土が付着滞留して詰まるのを防止できるようにした技術に関する。
基礎構造物や地下構造物等を構築する際には、一般に、土留め壁が構築されるが、このような土留め壁の構築工法として、地中連続壁工法が知られている。この地中連続壁工法では、通常、矩形溝状の掘削孔を掘削形成することになるが、このような掘削孔の形成手段として、例えば下記特許文献に示されているような、下端に回転駆動自在に設けられたカッタードラムを有する、いわゆるハイドロフレーズ式と称される水平多軸回転式の地盤掘削機が多用されている。そして、この種の地盤掘削機のカッタードラムには、外周にブレードが周方向に沿って多数複数列に整列突設されており、これらの各ブレードの先端には、ティースホルダを介して地盤掘削用のカッターティースが着脱可能に装着されている。
特開平10−102484号公報
特開2001−11887号公報
しかしながら、上記従来の地盤掘削機にあっては、シルト層や粘土層等の粘性土を掘削した場合に、カッタードラムのブレード間に掘削土が付着して目詰まりを生じ易いという問題があった。そして、このような目詰まりが生じると掘削能率が大幅に低下するため、掘削機を地上に引き上げてブレード間に詰まった掘削土をスコップで掻き取ったり、若しくは水で洗浄するなどしてクリーニングを行っていた。これ故、手間と時間がかかり、工程にタイムロスを招いて作業能率も低下してしまう。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、カッタードラムのブレード間への掘削土の付着を防止しでき、もって掘削能率の向上が図れる地盤掘削機の粘性土付着防止装置を提供することにある。
本発明は上記の目的を達成するために、地盤掘削機の粘性土付着防止装置を以下のように構成する。
請求項1に係る発明では、下端に回転駆動自在に設けられたカッタードラムを備え、該カッタードラムの外周面には、先端にカッターティースを有する多数のブレードが放射状に突設されて複数列に整列固定されている地盤掘削機において、該ブレード列間のカッタードラム外周面に相対回転可能な環状部材を装着したことを特徴とする。
請求項2に係る地盤掘削機における粘性土付着防止装置の発明は、前記環状部材が、カッタードラム外周面に緩く巻回装着されたロープまたはチェーンでなることを特徴とする。
請求項3に係る地盤掘削機の粘性土付着防止装置の発明は、前記環状部材が、側面に凹凸部有する円盤でなることを特徴とする。
請求項1に示す地盤掘削機の粘性土付着防止装置の発明によれば、カッタードラムを回転させるとブレード間に装着した環状部材はカッタードラムとは一体に回転せずに供回りして相対回転するので、掘削時にあってはブレード間に入り込む掘削土を掻き落とすように機能する。このため、粘性土を掘削した場合にも、ブレードに粘性土が付着して当該ブレード間に溜まって詰まってしまうことを可及的に防止することができる。これ故、掘削機を引き上げてカッタードラムを清掃するといった作業を行わずに済むようになり、もっても、掘削能率及び作業効率の可及的な向上を図ることができるようになる。
ここで、請求項2に示す発明のように、環状部材はロープまたはチェーンを緩く巻回させて構成することができ、このようにロープまたはチェーンを用いることによって、既存の掘削機に対しても、簡易にかつ廉価に装着することができる。
また、請求項3に示す発明のように、環状部材は円盤とすることもでき、当該円盤の側面に凹凸部を形成しておくことで、効果的に粘性土を掻き落とすことができる。
以下に、本発明に係る地盤掘削機の粘性土付着防止装置の好適な実施の形態について、添付図面に基づき詳述する。
図1は本発明に係る粘性土付着防止装置が取り付けられた水平多軸回転式地盤掘削機をクレーンで吊り下げた状態を示す概略図であり、図2は図1に示す地盤掘削機の概要を示す側面図、図3は本発明に係る粘性土付着防止装置が装着された地盤掘削機のカッタードラム部を示す側面図、図4は図3中のIV−IV線矢視断面図、図5はカッタードラムの外周面の展開図である。
図1、図2に示すように、本実施形態の水平多軸回転式掘削機1は、本体フレーム2の下端に互いに逆方向に回転駆動自在に一対の油圧式ロータリカッタ3,3が設けられている。この掘削機1は、クレーン4により本体フレーム2をトレンチ5内に徐々に吊り降ろしながら、ロータリーカッター3,3を矢印方向に回転させることによって、トレンチ5底面を掘削するとともに、ロータリーカッター3、3に挟まれた領域において掘削土砂を安定液とともに吸い上げ、当該掘削土砂を本体フレーム2内に配設された揚泥管6を介して地上に搬出するものである。
図3〜図5に示すように、ロータリーカッター3,3はT型フレーム7を介して回転自在に本体フレーム2取り付けられており、カッタードラム9の外周面に、周方向に沿って多数のブレード10が放射状に突設されて複数列に整列固定されて構成されている。また、これらのブレード10の先端には、ティースホルダ11を介してカッターティース12が取り付けられている。
図示例ではカッタードラム9の円周方向に沿って7枚のブレード10が放射状に4列で突設されており、T型フレーム7のウエブ8に最も近接した最内側の列のブレード10aは平板状に形成されている一方、これより外側の列のブレード10bは回転方向後方側がT型フレーム7のウエブ8に向けて若干折り曲げられていて、掘削した土砂を内側に送り込むようになっている。
即ち、最内側の列のブレード10aを除いてその外側に位置するブレード10bは、概ねカッタードラム9の回転方向に沿って配置されているものの、その回転方向後方部が若干内側にねじられており、掘削された土砂をブレード10bでT型フレーム7のウェブ8側に押し出すことができるようになっている。また、各列のブレード10a,10bは最内側のブレード10aを基準にして外側の列ほど回転方向の後方に所定量ずつ、づらされて取り付けられている。なお、同図3〜図5では、T型フレーム7を構成するウェブ8の一方側のロータリーカッター3のみが示されているが、ウェブ8の反対側にも同様のロータリーカッター3が対称に設置してある。また、図5においては、ブレード10a,10bの配置状況がわかるように、各カッターティースおよびティースホルダーは省略してブレード10a,10bのみを概略的に示してある。
ところで、上記4列のブレード列間には、それらのブレード10(10a,10b) の側面に付着する掘削土を掻き落とすための環状部材13がカッタードラム9の外周面に相対回転可能に装着されている。図示例では、当該環状部材13には無端のリング状に接合されたロープ14が用いられており、当該ロープ14はカッタードラム9の外周面に緩く巻回されて、カッタードラム9の回転に伴って供回りして相対回転可能に取り付けられている。ここで、相隣り合うブレード列間の幅は約10cm前後となっており、ロープ14にはその列間幅の約1/4の太さとなる直径が25mm程度のものを使用している。なお、ブレード列間の幅が20cm以上となっている場合には、列間幅10cmに対して1本の割合でロープ14を取り付けるようにするのが望ましい。
即ち、上記各ロープ14はカッタードラム9に緩く巻回されているので、その回転駆動に伴って供回りして、あるいは回転せずにカッタードラムに対して相対回転するから、シルト層や粘土層等の粘性土を掘削した場合でも、ブレード10(10a,10b)に付着する掘削した粘性土をロープ14の外周表面の凹凸で掻き落とす作用を発揮することになり、よって粘性土の付着防止装置として機能することになる。
従って、掘削した粘性土がブレード10(10a,10b)に付着してブレード列間の隙間に詰まって溜まることが無く、ブレード列間に目詰まりが生じることが可及的に防止されるようになる。これ故、掘削機1を引き上げてカッタードラム9のブレード間を清掃するといった作業を行わずに済むようになり、もって、掘削能率及び作業効率の可及的な向上を図ることができるようになり、工程にタイムロスを起こすことがなくなる。
また、環状部材13には上記のロープ14に限らず、チェーンを用いても良い。この場合も、チェーンは緩く巻回して無端のリング状に接続して取り付けることになる。そして、環状部材13にこれらロープ14やチェーン等を用いるようにすれば、既存の掘削機1に対してもそのカッタードラム9外周面に簡易に、しかも廉価に粘性土の付着防止装置を後付で装着することができる。
またさらに、前記環状部材13には、可撓性のある上記ロープ14やチェーン等に限らず、図6に示すような、側面に鉄片16などを溶接して凹凸部17を形成したドーナツ状の円盤15を用いてカッタードラム9の外周面に相対回転可能に遊嵌状態で装着するようにすることもできる。なお、当該円盤15を装着するにあたっては、これを半割等の複数に分割して、それら分割片15a,15bを接続プレート18で環状に繋ぐようにすれば、既存の掘削機1のカッタードラム9にも容易に、しかも廉価に装着することができ、上記ロープ14の場合と同様に、カッタードラム9のブレード10に対して相対回転を起こさせることで粘性土を掻き落として、ブレード10への付着を防止することができる。
1 水平多軸回転式掘削機 2 本体フレーム
3 ロータリーカッター 4 クレーン
5 トレンチ 6 揚泥管
7 T型フレーム 8 ウエブ
9 カッタードラム 10(10a,10b) ブレード
11 ティースホルダー 12 カッターティース
13 環状部材 14 ロープ
15 円盤 16 鉄片
17 凹凸部 18 接続板
3 ロータリーカッター 4 クレーン
5 トレンチ 6 揚泥管
7 T型フレーム 8 ウエブ
9 カッタードラム 10(10a,10b) ブレード
11 ティースホルダー 12 カッターティース
13 環状部材 14 ロープ
15 円盤 16 鉄片
17 凹凸部 18 接続板
Claims (3)
- 下端に回転駆動自在に設けられたカッタードラムを備え、該カッタードラムの外周面には、先端にカッターティースを有する多数のブレードが放射状に突設されて複数列に整列固定されている地盤掘削機において、
該ブレード列間のカッタードラム外周面に相対回転可能な環状部材を装着したことを特徴とする地盤掘削機の粘性土付着防止装置。 - 前記環状部材が、カッタードラム外周面に緩く巻回装着されたロープまたはチェーンでなることを特徴とする請求項1に記載の地盤掘削機の粘性土付着防止装置。
- 前記環状部材が、側面に凹凸部有する円盤でなることを特徴とする請求項1記載の地盤掘削機の粘性土付着防止装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003360573A JP2005126911A (ja) | 2003-10-21 | 2003-10-21 | 地盤掘削機の粘性土付着防止装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003360573A JP2005126911A (ja) | 2003-10-21 | 2003-10-21 | 地盤掘削機の粘性土付着防止装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005126911A true JP2005126911A (ja) | 2005-05-19 |
Family
ID=34640846
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003360573A Pending JP2005126911A (ja) | 2003-10-21 | 2003-10-21 | 地盤掘削機の粘性土付着防止装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2005126911A (ja) |
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2003
- 2003-10-21 JP JP2003360573A patent/JP2005126911A/ja active Pending
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