JP3570255B2 - 地盤掘削機用カッターティースホルダ - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、地盤掘削機用カッターティースホルダに関し、特に、掘削対象地盤の種類に応じてカッターティースを取替える形式の地盤掘削機用カッターティースホルダに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
基礎構造物やシールド掘進機の発進立坑などの地下構造物を構築する際には、一般に、土留め壁が構築され、このような土留め壁の構築工法として、地中連続壁工法が知られている。
【0003】
地中連続壁工法では、通常、矩形溝状の掘削孔を掘削形成することになるが、このような掘削孔の形成手段として、下端に回転駆動自在に設けられた回転ドラムを有する、いわゆるハイドロフレーズ式の地盤掘削機を用いる場合がある。
【0004】
この種の地盤掘削機の回転ドラムには、外周にブレードが突設され、このブレードには、ティースホルダが固設されていて、このティースホルダに地盤掘削用のカッターティースが着脱可能に装着される。
【0005】
ところで、この種の地盤掘削機に用いられるカッターティースには、一般地層掘削用と硬岩掘削用のものとがあって、これを掘削対象地盤の種類に応じて使い分けている。
【0006】
しかしながら、このような従来の地盤掘削機用カッターティースホルダには、以下に説明する課題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち、地盤掘削機で掘削しようとする地盤は、均一な場合が極めて少なく、例えば、地中の数10mを掘削しようとする場合には、一般地層(砂質,シルト質,礫質など)と、硬岩層とが互層になっているケースが殆どである。
【0008】
このような地盤を掘削する際には、一般地層掘削用カッターティースで掘削していて、途中で硬岩層に遭遇すると、硬岩掘削用のカッターティースに取替える必要がある。
【0009】
この場合、従来の地盤掘削機では、テーィスホルダが一般地層掘削用と硬岩掘削用との双方に対応できるようになっていないので、回転ドラム毎の交換となり、4個の回転ドラムを交換するのに1日要するなど、手間と時間がかかり、作業能率も低下する。
【0010】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、カッターティースを掘削対象地盤に応じて変更する際に、ティースホルダへの装着で対応することにより、手間がかからず作業能率を向上することができる地盤掘削機用カッターティースホルダを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、回転駆動されるドラムの外周に突設固定されたブレードと、前記ブレードに固設されたティースホルダと、前記ティースホルダに脱着可能に挿入支持され、掘削対象地盤に対応して選択される硬岩掘削用および一般地層掘削用カッターティースとを備えた地盤掘削機において、前記ティースホルダの装着孔は、前記硬岩掘削用カッターティースの円形断面の挿入部が挿通可能な円形孔部と、一般地層掘削用カッターティースの角形断面の挿入部が挿通可能な長方形状孔部とを備え、前記円形孔部と前記長方形状孔部との中心を同じ位置に設けて重合させた断面形状とし、かつ、前記円形孔部の直径は、前記長方形孔部の短辺よりも大きく、長辺よりも小さく設定して、双方の挿入が可能な形状にした。
このように構成した地盤掘削機用カッターティースホルダによれば、ティースホルダの装着孔は、硬岩掘削用カッターティースの円形断面の挿入部が挿通可能な円形孔部と、一般地層掘削用カッターティースの角形断面の挿入部が挿通可能な長方形状孔部とを備え、円形孔部と長方形状孔部との中心を同じ位置に設けて重合させた断面形状とし、かつ、長方形孔部の幅は、円形孔部の直径よりも小さくするとともに、長方形状孔部の長さを円形孔部の直径よりも大きくして、双方の挿入が可能な形状にしているので、カッターティースを掘削対象地盤に応じて変更する際に、ティースホルダへの装着で対応することができる。
また、上記構成によれば、回転させることが必要な硬岩掘削用カッターティースと、回転させることが不要な一般地層掘削用カッターティースの双方に対応することができる。前記硬岩掘削用カッターティースには、前記挿通部の後端にスナップリングの係止用突起を設けることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について、添付図面を参照にして詳細に説明する。図1から図7は、本発明にかかる地盤掘削機用カッターティースホルダの一実施例を示している。
【0013】
同図に示したティースホルダ10は、図1に示すように、ハイドロフレーズ式地盤掘削機12に使用されるものであって、地盤掘削機12の本体14の下端に回転駆動自在に設置されている回転ドラム16の外周に設置される。
【0014】
図2は、回転ドラム16に設けられたティースホルダ10に硬岩掘削用カッターティース18を取付けた状態の側面図であり、図4は、同ティースホルダ10に一般地層掘削用カッターティース20を取付けた状態の側面図である。
【0015】
これらの図に示したティースホルダ10は、回転ドラム16の外周面に突設固定されたブレード22に固設されている。本実施例のティースホルダ10は、角形の鋼製ブロックからなる本体10aと、この本体10aの外周縁に所定の間隔を隔てて突設された取付脚部10bとを有している。
【0016】
このティースホルダ10は、ブレード22の表面との間に空間23を形成するようにして取付脚部10bが、ブレード22の傾斜面に固設されていて、この固設状態においては、ホルダ中心軸Cがブレード22の傾斜面と直交するようになっている。
【0017】
この空間23は、ティースホルダ10にカッターティース18を装着した際に、カッターティース18の後端に、外れ止め用スナップリング24を取付けることができるように設けられている。
【0018】
図2に示した硬岩掘削用カッターティース18は、カッター本体18aと、挿入部18bとを有し、挿入部18bは、円形断面のロッド状に形成されている。
【0019】
一方、図4に示した一般地層掘削用カッターティース20は、カッター本体20aと、挿入部20bとを有し、挿入部20bは、角形断面の平板状に形成されている。
【0020】
そこで、本実施例の場合には、ティースホルダ10の装着孔26aを、硬岩掘削用および一般地層掘削用カッターティース18,20の挿入部18b,20bを重合させた断面形状とし、双方の挿入が可能な形状にしている。
【0021】
すなわち、本実施例の装着孔26aは、図3,5に断面形状を示すように、硬岩掘削用カッターティース18の挿入部18bの挿通が可能な円形孔部260aと、一般地層掘削用カッターティース20の挿入部20bの挿通が可能な長方形孔部261aとを有し、これらの円形孔部260aと長方形孔部261aの中心Cを同じ位置に設け、重合した形状としている。図3,5に示したように、本実施例の場合、円形孔部260aの直径は、長方形孔部261aの短辺よりも大きく、長辺よりも小さく設定している。
【0022】
なお、一般地層掘削用カッターティース20の挿入部20bの上端には、半円状孔20dを設けるとともに、ティースホルダー10の本体10aの側面には、この半円状孔20dと一致する突起付き貫通孔30が設けられている。
【0023】
この突起付き貫通孔30内には、硬岩掘削用カッターティース18をホルダ10に装着した際には、これを回転可能に支持するために何も挿入されないが、一般地層掘削用カッターティース20をホルダ10に装着した場合には、これを回転不能に固定するために、同一断面形状のストッパボルトが装着される。
なお、本実施例の場合には、一般地層掘削用カッターティース20は、ストッパボルトで固定するので、ティース20の後端には、スナップリング24の係止突起は、設けられていない。
【0024】
以上のように構成されたカッターティースホルダにおいては、まず、硬岩を掘削する際には、図2,3に示すように、ティースホルダ10のホルダ本体10aの装着孔26aに硬岩掘削用カッターティース18が取付けられる。
【0025】
硬岩掘削用カッターティース18のカッター本体18aは、硬岩の掘削が行えるように、先端が尖った段付きの円錐状に形成されている。なお、一般地層掘削用カッターティース20のカッター本体20aは、硬岩掘削用と異なり、側方に刃部が設けられている。
【0026】
この硬岩掘削用カッターティース18を取付ける際には、カッターティース18の挿入部18bを装着孔26a内に挿入して、その後端側にスナップリング24を装着して、係止突起18cに掛け止めて外れ止めとする。
【0027】
このようにして、硬岩掘削用カッターティース18をティースホルダ10に取付けると、硬岩掘削用カッターティース18の回転が可能になるので、硬岩を掘削する際にカッター本体18aの偏摩耗を防止することができる。
【0028】
そして、掘削が進行して、一般地層の掘削をする際には、掘削を一旦停止して掘削機12を地上側に引上げてカッターティース18を取替える。
【0029】
この取替えは、回転ドラム16を取替える必要はなく、ティースホルダ10に装着されている硬岩掘削用カッターティース18を、スナップリング24を脱着して取り外し、その後、ティースホルダ10に一般地層掘削用カッターティース20を装着して、貫通孔30内に、同一断面形状のストッパボルトを装着して,これを固定する。
【0030】
なお、当然のことながら、一般地層を掘削している状態から硬岩を掘削する際には、上記作業と逆の作業を行えば良く、このような取替え作業が複数回に亘る
こともある。
【0031】
さて、以上のように構成した地盤掘削機用カッターティースホルダによれば、ティースホルダ10の装着孔26aを、硬岩掘削用および一般地層掘削用カッターティース18,20の挿入部18b,20bを重合させた断面形状とし、双方の挿入が可能な形状にしているので、カッターティース18,20を掘削対象地盤に応じて変更する際に、ティースホルダ10への装着で対応することができ、従来のこの種の掘削機のように回転ドラム16を交換する必要がなくなり、交換に費やす手間と時間が低減され、作業能率が向上する。
【0032】
また、本実施例では、ティースホルダ10は、装着孔26aが、図3,5に断面形状を示すように、硬岩掘削用カッターティース18の挿入部18bの挿通が可能な円形孔部260aと、一般地層掘削用カッターティース20の挿入部20bの挿通が可能な長方形孔部261aとを有し、これらの円形孔部260aと長方形孔部261aの中心Cを同じ位置に設け、重合した形状としているので、硬岩掘削用カッターティース18を円形孔部260aで回転可能に支持するとともに、一般地層掘削用カッターティース20の挿入部20bを長方形孔部261a挿通すると、その回転が不能になり、回転させることが必要な硬岩掘削用カッターティース18と、回転させることが不要な一般地層掘削用カッターティース20の双方に対応することができる。なお、本実施例の場合、一般地層掘削用カッターティース20の挿入部20bの外周縁に開口した半円状孔20cを設け、ティースホルダ10の側面に、半円状孔20cと一致し、固定用ストッパボルトが挿通される貫通孔30を設けているので、ストッパボルトを装着すると、一般地層掘削用カッターティース20の強固に固定することができる。
【0033】
【発明の効果】
以上、実施例で詳細に説明したように、本発明にかかる地盤掘削機用カッターティースホルダによれば、カッターティースを掘削対象地盤に応じて変更する際に、ティースホルダへの装着で対応することにより、ティース交換の手間がかからず作業能率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるカッターティースホルダが適用される地盤掘削機の要部説明図である。
【図2】本発明にかかるカッターティースホルダの一実施例を示す硬岩掘削用カッターティースを装着した状態の側面図である。
【図3】図2の要部断面図である。
【図4】図2に示したティースホルダに一般地層用カッターティースを装着した状態の側面図である。
【図5】図4の要部断面図である。
【符号の簡単な説明】
10 ティースホルダ
12 掘削機
16 回転ドラム
18 硬岩掘削要カッターティース
18a カッター本体
18b 挿入部
20 一般地層掘削用カッターティース
20a カッター本体
20b 挿入部
22 ブレード
24 スナップリング
26a 装着孔
28 ストッパボルト
【発明の属する技術分野】
この発明は、地盤掘削機用カッターティースホルダに関し、特に、掘削対象地盤の種類に応じてカッターティースを取替える形式の地盤掘削機用カッターティースホルダに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
基礎構造物やシールド掘進機の発進立坑などの地下構造物を構築する際には、一般に、土留め壁が構築され、このような土留め壁の構築工法として、地中連続壁工法が知られている。
【0003】
地中連続壁工法では、通常、矩形溝状の掘削孔を掘削形成することになるが、このような掘削孔の形成手段として、下端に回転駆動自在に設けられた回転ドラムを有する、いわゆるハイドロフレーズ式の地盤掘削機を用いる場合がある。
【0004】
この種の地盤掘削機の回転ドラムには、外周にブレードが突設され、このブレードには、ティースホルダが固設されていて、このティースホルダに地盤掘削用のカッターティースが着脱可能に装着される。
【0005】
ところで、この種の地盤掘削機に用いられるカッターティースには、一般地層掘削用と硬岩掘削用のものとがあって、これを掘削対象地盤の種類に応じて使い分けている。
【0006】
しかしながら、このような従来の地盤掘削機用カッターティースホルダには、以下に説明する課題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち、地盤掘削機で掘削しようとする地盤は、均一な場合が極めて少なく、例えば、地中の数10mを掘削しようとする場合には、一般地層(砂質,シルト質,礫質など)と、硬岩層とが互層になっているケースが殆どである。
【0008】
このような地盤を掘削する際には、一般地層掘削用カッターティースで掘削していて、途中で硬岩層に遭遇すると、硬岩掘削用のカッターティースに取替える必要がある。
【0009】
この場合、従来の地盤掘削機では、テーィスホルダが一般地層掘削用と硬岩掘削用との双方に対応できるようになっていないので、回転ドラム毎の交換となり、4個の回転ドラムを交換するのに1日要するなど、手間と時間がかかり、作業能率も低下する。
【0010】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、カッターティースを掘削対象地盤に応じて変更する際に、ティースホルダへの装着で対応することにより、手間がかからず作業能率を向上することができる地盤掘削機用カッターティースホルダを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、回転駆動されるドラムの外周に突設固定されたブレードと、前記ブレードに固設されたティースホルダと、前記ティースホルダに脱着可能に挿入支持され、掘削対象地盤に対応して選択される硬岩掘削用および一般地層掘削用カッターティースとを備えた地盤掘削機において、前記ティースホルダの装着孔は、前記硬岩掘削用カッターティースの円形断面の挿入部が挿通可能な円形孔部と、一般地層掘削用カッターティースの角形断面の挿入部が挿通可能な長方形状孔部とを備え、前記円形孔部と前記長方形状孔部との中心を同じ位置に設けて重合させた断面形状とし、かつ、前記円形孔部の直径は、前記長方形孔部の短辺よりも大きく、長辺よりも小さく設定して、双方の挿入が可能な形状にした。
このように構成した地盤掘削機用カッターティースホルダによれば、ティースホルダの装着孔は、硬岩掘削用カッターティースの円形断面の挿入部が挿通可能な円形孔部と、一般地層掘削用カッターティースの角形断面の挿入部が挿通可能な長方形状孔部とを備え、円形孔部と長方形状孔部との中心を同じ位置に設けて重合させた断面形状とし、かつ、長方形孔部の幅は、円形孔部の直径よりも小さくするとともに、長方形状孔部の長さを円形孔部の直径よりも大きくして、双方の挿入が可能な形状にしているので、カッターティースを掘削対象地盤に応じて変更する際に、ティースホルダへの装着で対応することができる。
また、上記構成によれば、回転させることが必要な硬岩掘削用カッターティースと、回転させることが不要な一般地層掘削用カッターティースの双方に対応することができる。前記硬岩掘削用カッターティースには、前記挿通部の後端にスナップリングの係止用突起を設けることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について、添付図面を参照にして詳細に説明する。図1から図7は、本発明にかかる地盤掘削機用カッターティースホルダの一実施例を示している。
【0013】
同図に示したティースホルダ10は、図1に示すように、ハイドロフレーズ式地盤掘削機12に使用されるものであって、地盤掘削機12の本体14の下端に回転駆動自在に設置されている回転ドラム16の外周に設置される。
【0014】
図2は、回転ドラム16に設けられたティースホルダ10に硬岩掘削用カッターティース18を取付けた状態の側面図であり、図4は、同ティースホルダ10に一般地層掘削用カッターティース20を取付けた状態の側面図である。
【0015】
これらの図に示したティースホルダ10は、回転ドラム16の外周面に突設固定されたブレード22に固設されている。本実施例のティースホルダ10は、角形の鋼製ブロックからなる本体10aと、この本体10aの外周縁に所定の間隔を隔てて突設された取付脚部10bとを有している。
【0016】
このティースホルダ10は、ブレード22の表面との間に空間23を形成するようにして取付脚部10bが、ブレード22の傾斜面に固設されていて、この固設状態においては、ホルダ中心軸Cがブレード22の傾斜面と直交するようになっている。
【0017】
この空間23は、ティースホルダ10にカッターティース18を装着した際に、カッターティース18の後端に、外れ止め用スナップリング24を取付けることができるように設けられている。
【0018】
図2に示した硬岩掘削用カッターティース18は、カッター本体18aと、挿入部18bとを有し、挿入部18bは、円形断面のロッド状に形成されている。
【0019】
一方、図4に示した一般地層掘削用カッターティース20は、カッター本体20aと、挿入部20bとを有し、挿入部20bは、角形断面の平板状に形成されている。
【0020】
そこで、本実施例の場合には、ティースホルダ10の装着孔26aを、硬岩掘削用および一般地層掘削用カッターティース18,20の挿入部18b,20bを重合させた断面形状とし、双方の挿入が可能な形状にしている。
【0021】
すなわち、本実施例の装着孔26aは、図3,5に断面形状を示すように、硬岩掘削用カッターティース18の挿入部18bの挿通が可能な円形孔部260aと、一般地層掘削用カッターティース20の挿入部20bの挿通が可能な長方形孔部261aとを有し、これらの円形孔部260aと長方形孔部261aの中心Cを同じ位置に設け、重合した形状としている。図3,5に示したように、本実施例の場合、円形孔部260aの直径は、長方形孔部261aの短辺よりも大きく、長辺よりも小さく設定している。
【0022】
なお、一般地層掘削用カッターティース20の挿入部20bの上端には、半円状孔20dを設けるとともに、ティースホルダー10の本体10aの側面には、この半円状孔20dと一致する突起付き貫通孔30が設けられている。
【0023】
この突起付き貫通孔30内には、硬岩掘削用カッターティース18をホルダ10に装着した際には、これを回転可能に支持するために何も挿入されないが、一般地層掘削用カッターティース20をホルダ10に装着した場合には、これを回転不能に固定するために、同一断面形状のストッパボルトが装着される。
なお、本実施例の場合には、一般地層掘削用カッターティース20は、ストッパボルトで固定するので、ティース20の後端には、スナップリング24の係止突起は、設けられていない。
【0024】
以上のように構成されたカッターティースホルダにおいては、まず、硬岩を掘削する際には、図2,3に示すように、ティースホルダ10のホルダ本体10aの装着孔26aに硬岩掘削用カッターティース18が取付けられる。
【0025】
硬岩掘削用カッターティース18のカッター本体18aは、硬岩の掘削が行えるように、先端が尖った段付きの円錐状に形成されている。なお、一般地層掘削用カッターティース20のカッター本体20aは、硬岩掘削用と異なり、側方に刃部が設けられている。
【0026】
この硬岩掘削用カッターティース18を取付ける際には、カッターティース18の挿入部18bを装着孔26a内に挿入して、その後端側にスナップリング24を装着して、係止突起18cに掛け止めて外れ止めとする。
【0027】
このようにして、硬岩掘削用カッターティース18をティースホルダ10に取付けると、硬岩掘削用カッターティース18の回転が可能になるので、硬岩を掘削する際にカッター本体18aの偏摩耗を防止することができる。
【0028】
そして、掘削が進行して、一般地層の掘削をする際には、掘削を一旦停止して掘削機12を地上側に引上げてカッターティース18を取替える。
【0029】
この取替えは、回転ドラム16を取替える必要はなく、ティースホルダ10に装着されている硬岩掘削用カッターティース18を、スナップリング24を脱着して取り外し、その後、ティースホルダ10に一般地層掘削用カッターティース20を装着して、貫通孔30内に、同一断面形状のストッパボルトを装着して,これを固定する。
【0030】
なお、当然のことながら、一般地層を掘削している状態から硬岩を掘削する際には、上記作業と逆の作業を行えば良く、このような取替え作業が複数回に亘る
こともある。
【0031】
さて、以上のように構成した地盤掘削機用カッターティースホルダによれば、ティースホルダ10の装着孔26aを、硬岩掘削用および一般地層掘削用カッターティース18,20の挿入部18b,20bを重合させた断面形状とし、双方の挿入が可能な形状にしているので、カッターティース18,20を掘削対象地盤に応じて変更する際に、ティースホルダ10への装着で対応することができ、従来のこの種の掘削機のように回転ドラム16を交換する必要がなくなり、交換に費やす手間と時間が低減され、作業能率が向上する。
【0032】
また、本実施例では、ティースホルダ10は、装着孔26aが、図3,5に断面形状を示すように、硬岩掘削用カッターティース18の挿入部18bの挿通が可能な円形孔部260aと、一般地層掘削用カッターティース20の挿入部20bの挿通が可能な長方形孔部261aとを有し、これらの円形孔部260aと長方形孔部261aの中心Cを同じ位置に設け、重合した形状としているので、硬岩掘削用カッターティース18を円形孔部260aで回転可能に支持するとともに、一般地層掘削用カッターティース20の挿入部20bを長方形孔部261a挿通すると、その回転が不能になり、回転させることが必要な硬岩掘削用カッターティース18と、回転させることが不要な一般地層掘削用カッターティース20の双方に対応することができる。なお、本実施例の場合、一般地層掘削用カッターティース20の挿入部20bの外周縁に開口した半円状孔20cを設け、ティースホルダ10の側面に、半円状孔20cと一致し、固定用ストッパボルトが挿通される貫通孔30を設けているので、ストッパボルトを装着すると、一般地層掘削用カッターティース20の強固に固定することができる。
【0033】
【発明の効果】
以上、実施例で詳細に説明したように、本発明にかかる地盤掘削機用カッターティースホルダによれば、カッターティースを掘削対象地盤に応じて変更する際に、ティースホルダへの装着で対応することにより、ティース交換の手間がかからず作業能率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるカッターティースホルダが適用される地盤掘削機の要部説明図である。
【図2】本発明にかかるカッターティースホルダの一実施例を示す硬岩掘削用カッターティースを装着した状態の側面図である。
【図3】図2の要部断面図である。
【図4】図2に示したティースホルダに一般地層用カッターティースを装着した状態の側面図である。
【図5】図4の要部断面図である。
【符号の簡単な説明】
10 ティースホルダ
12 掘削機
16 回転ドラム
18 硬岩掘削要カッターティース
18a カッター本体
18b 挿入部
20 一般地層掘削用カッターティース
20a カッター本体
20b 挿入部
22 ブレード
24 スナップリング
26a 装着孔
28 ストッパボルト
Claims (2)
- 回転駆動されるドラムの外周に突設固定されたブレードと、
前記ブレードに固設されたティースホルダと、
前記ティースホルダに脱着可能に挿入支持され、掘削対象地盤に対応して選択される硬岩掘削用および一般地層掘削用カッターティースとを備えた地盤掘削機において、
前記ティースホルダの装着孔は、前記硬岩掘削用カッターティースの円形断面の挿入部が挿通可能な円形孔部と、一般地層掘削用カッターティースの角形断面の挿入部が挿通可能な長方形状孔部とを備え、
前記円形孔部と前記長方形状孔部との中心を同じ位置に設けて重合させた断面形状とし、かつ、前記円形孔部の直径は、前記長方形孔部の短辺よりも大きく、長辺よりも小さく設定して、双方の挿入が可能な形状にしたことを特徴とする地盤掘削機用カッターティースホルダ。 - 前記硬岩掘削用カッターティースは、前記挿通部の後端にスナップリングの係止用突起を有することを特徴とする請求項1記載の地盤掘削機用カッターティースホルダ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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