JPH0547822Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、地中連続壁の施工などに使用される
建設機械の一つである水平多軸掘削機のカツター
ドラムの付着土砂除去装置に関する。

〔従来の技術〕

水平多軸掘削機は、外周に多数のカツターを突
設したドラムを先端に水平に有し、このカツター
ドラムを回転駆動することでカツターにより地盤
を掘削するものである。

そして、粘性地盤でこの水平多軸掘削機を使用
すると、粘性土がカツタードラムに付着して掘削
効率が低下するので、付着土砂の除去が必要とな
る。

このような土砂の除去装置として、例えば、掘
削刀や櫛形ブラシをカータードラムに近接させて
掘削機の本体側に取付けたり、ウオータージエツ
トのノズルをドラムに向けて複数本設けたり、あ
るいは出願人が先に実願昭63−81904号として先
に提案したようにカツタードラム軸と平行にガイ
ドローラーを設け、ワイヤー等の輪体をカツター
ドラムとガイドローラー間に掛け渡して輪体を回
転させるものがある。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、前記掘削刀や櫛型ブラシによる土砂の
除去装置では、ブラシ等を掘削機の本体に固定す
る必要があり、固定作業が面倒であるばかりか、
ブラシ等は固定状態で設けられることとなるた
め、その刷毛先に掻き落とすべき土砂が付着して
排土効果が 損なわれるという欠点がある。

また、ウオータージエツトによる方法は、高圧
ポンプなどを必要とし設備が大がかりなものとな
つてしまう。

さらに、輪体を用いる方向もガイドローラ等を
掘削機本体に固定する必要があつて固定作業が面
倒なものである。

本考案の目的は前記従来例の不都合を解消し、
掘削機本体への固定が不要で容易に取付けられ、
構造も簡単でしかもカツタードラムへの付着土砂
を確実に除去するとともに、土砂の除去装置側へ
も土砂が付着することがなく、排土効率が高いカ
ツタードラムの付着土砂除去装置を提供すること
にある。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は前記目的を達成するため、水平多軸掘
削機のカツタードラムの外周にクリアランスを設
けた付着土砂除去用のリングを遊嵌したことを要
旨とするものである。

〔作用〕

本考案によれば、カツタードラムが回転すると
これに遊嵌してあるリングは掘削土砂に固定され
るか、カツタードラムと偏心してこれよりも遅れ
てカツタードラムの周囲を回転する。この回転速
度の差により、リングがカツタードラムに付着し
ている土砂を掻き落す。

〔実施例〕

以下、図面について本考案の実施例を詳細に説
明する。

第１図は本考案のカツタードラムの付着土砂除
去装置の第１実施例を示す正面図、第２図は同上
側面図で、図中１は下部に土砂の吸込み管６を設
けた水平多軸掘削機の本体、２はドラム周面にカ
ツター３を多数枚突設させたカツタードラムであ
り、このカツタードラム２は前記本体１の先端に
水平に設けられる。

本考案は第３図の要部の正面図にも示すよう
に、カツタードラム２の外径よりも大きい内径の
綱製のリング４を、カツター３間に位置させてカ
ツタードラム２の外周にクリアランスとを設けて
遊嵌した。

このリング４はカツタードラム２への取付けが
容易になるよう、第４図、第５図に示すように複
数個（図示の例では２個）の円弧状の分割体４
ａ，４ｂに形成してこの分割体４ａ，４ｂを当て
金５を介してボルト７、ナツト８により結合して
ある。

このようにして、付着土砂除去用のリング４は
カツタードラム２のカツター３間の溝にフリーな
状態に嵌め込まれる。

次に使用法及び動作について説明する。

カツタードラム２は油圧モーター等の駆動装置
により第１図矢印方向に回転すると、地盤はカツ
ター３で切削され、掘削土砂はドラム２間の中間
部にかき寄せられてから吸込み管６で上方へ排出
される。

そして、カツタードラム２が回転すると、この
回転力が外周に遊嵌してあるリング４に働き、遠
心力によりリング４がカツタードラム２に偏心し
てこれよりも遅れて回転する。

このようにしてリング４がカツタードラム２よ
りも遅れてその外周を回転することで生じる回転
速度の時間差により、リング４がカツタードラム
２のカツター３間に付着しようとする土砂を除去
する。

本考案の第２実施例として第６図、第７図に示
すように、リング４の外周面にフランジ９を設
け、該フランジ９に外側に向けて適宜間隔で複数
個の食い込み用の刃１０を取付けることもでき
る。

この場合は、この食い込み用の刃１０が掘削土
中に食い込んで、この掘削土によつてリング４の
回転が阻止される。その結果、回転するカツター
ドラム２の外周に停止して動かないリング４が存
することとなつて、これによりカツタードラム２
周面の土砂がドラム４によつて除去される。

また、第３実施例として第８図、第９図に示す
ように、リング４の内周面にフランジ１１を設
け、該フランジ１１に内側に向けて適宜間隔で複
数個の土砂落とし用の刃１２を取付けてもよい。
この場合は、リング４がカツタードラム２に偏心
しながら遅れて回転すると、リング４内周面のフ
ランジ１１の面でカツタードラム２外周面に付着
する土砂を除去すると同時に、土砂落し用の刃１
２でも土砂を除去でき、効果的である。

〔考案の効果〕

以上述べたように、本考案のカツタードラムの
付着土砂除去装置は、カツタードラムの回転力を
利用して土砂を除去するものであるから粘性地盤
においてカツタードラムへの粘性土の付着を確実
に防止し、また付着した粘性土を効果的に除去で
きる。

しかもこれはカツタードラムの外周にリングを
遊嵌するだけの簡単な構造で行えるので除去装置
の面倒な固定作業が不要となり取付容易で、か
つ、安価に製作できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のカツタードラムの付着土砂除
去装置の第１実施例を示す正面図、第２図は同上
側面図、第３図は同上要部のリング取付部分の正
面図、第４図は同上リングの正面図、第５図は第
４図のＡ−Ａ線断面図、第６図は第２実施例を示
すリングの正面図、第７図は同上縦断側面図、第
８図は第３実施例を示すリングの正面図、第９図
は第８図のＢ−Ｂ線断面図である。 １……水平多軸掘削機の本体、２……カツター
ドラム、３……カツター、４……リング、４ａ，
４ｂ……分割体、５……当て金、６……吸込み
管、７……ボルト、８……ナツト、９，１１……
フランジ、１０……食い込み用の刃、１２……土
砂落し用の刃。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 水平多軸掘削機のカツタードラムの外周にクリ
   アランスを設けて付着土砂除去用のリングを遊嵌
   したことを特徴とするカツタードラムの付着土砂
   除去装置。