JP2005126855A - 炭素繊維の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】熱可塑性炭素前駆体から製造した前駆体繊維を、125〜135ppmと136〜146ppmをピークトップとする半値幅7〜15ppmの二つのガウス曲線から13C・DD/MASスペクトルの合成波形を作成した際、その面積比([140.5ppmのガウス曲線の面積]/[131ppmのガウス曲線の面積])が0.22以上になるまで熱処理して安定化前駆体繊維を製造し、ついで炭素化もしくは黒鉛化する。
【選択図】なし
Description
(1)ピッチ、ポリアクリロニトリル、ポリカルボジイミド、ポリイミド、ポリベンゾアゾールおよびアラミドよりなる群から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性炭素前駆体から前駆体繊維を製造する工程、(2)工程(1)で製造した前駆体繊維を、125〜135ppmと136〜146ppmをピークトップとする半値幅7〜15ppmの二つのガウス曲線から13C・DD/MASスペクトルの合成波形を作成した際、その面積比([140.5ppmのガウス曲線の面積]/[131ppmのガウス曲線の面積])が0.22以上になるまで熱処理して安定化前駆体繊維を製造する工程、ついで(3)工程(2)で製造した安定化前駆体繊維を炭素化もしくは黒鉛化する工程を経て、炭素繊維を製造する方法によって達成することができる。
(a)熱可塑性炭素前駆体
本発明に用いられる熱可塑性炭素前駆体は、酸素または酸素/ハロゲンの混合ガス雰囲気下、200℃以上350℃未満で2〜30時間保持した後、次いで350℃以上500℃未満の温度で5時間保持することで、初期重量の80wt%以上が残存する熱可塑性炭素前駆体を用いるのが好ましい。
(1)熱可塑性炭素前駆体から前駆体繊維を形成する工程
本発明の炭素繊維は、上述熱可塑性炭素前駆体から製造することができる。本発明の炭素繊維は、溶融状態にある上記の熱可塑性炭素前駆体を例えばメルトブローまたは溶融紡糸することにより前駆体繊維として形成するのが好ましい。
本発明の製造方法では、次いで前駆体繊維を安定化処理に付して熱可塑性炭素前駆体を安定化して安定化前駆体繊維を形成する。熱可塑性炭素前駆体の安定化は炭素化もしくは黒鉛化された炭素繊維を得るために必要な工程であり、これを実施せず次工程である炭素化もしくは黒鉛化を行った場合、熱可塑性炭素前駆体が熱分解したり融着したりするなどの問題を生じる。
本発明の製造方法では最後に、上記工程で得た安定化前駆体繊維を不活性ガス雰囲気中で炭素化もしくは黒鉛化し炭素繊維を製造するものである。本発明において安定化前駆体繊維は不活性ガス雰囲気下での高温処理により炭素化もしくは黒鉛化し、所望の炭素繊維となる。得られる炭素繊維の繊維径としては0.1μm〜50μmであることが好ましい。
熱可塑性炭素前駆体としてメソフェーズピッチAR−HP(三菱ガス化学(株)製)を330℃で紡糸口金より紡糸し、300m/分で紡糸することで前駆体繊維を作成した。なお、前駆体繊維の13C・DD/MASスペクトルを130ppmと141ppmをピークトップとする半値幅12ppmの二つのガウス曲線により合成波形を作成した。その面積比([140.5ppmのガウス曲線の面積]/[131ppmのガウス曲線の面積])は0.20であった。
熱可塑性炭素前駆体としてメソフェーズピッチAR−HP(三菱ガス化学(株)製)を330℃で紡糸口金より紡糸し、300m/分で紡糸することで前駆体繊維を作成した。なお、前駆体繊維の13C・DD/MASスペクトルを130ppmと141ppmをピークトップとする半値幅12ppmの二つのガウス曲線から合成波形を作成した際、その面積比([140.5ppmのガウス曲線の面積]/[131ppmのガウス曲線の面積])は0.20であった。
Claims (7)
- (1)ピッチ、ポリアクリロニトリル、ポリカルボジイミド、ポリイミド、ポリベンゾアゾールおよびアラミドよりなる群から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性炭素前駆体から前駆体繊維を製造する工程、
(2)工程(1)で製造した前駆体繊維を、125〜135ppmと136〜146ppmをピークトップとする半値幅7〜15ppmの二つのガウス曲線から13C・DD/MASスペクトルの合成波形を作成した際、その面積比([140.5ppmのガウス曲線の面積]/[131ppmのガウス曲線の面積])が0.22以上になるまで熱処理して安定化前駆体繊維を製造する工程、ついで
(3)工程(2)で製造した安定化前駆体繊維を炭素化もしくは黒鉛化する工程を経て、炭素繊維を製造する方法。 - 工程(2)における熱処理を、安定化前駆体繊維の13C・DD/MASスペクトルのガウス曲線の面積比([140.5ppmのガウス曲線の面積]/[131ppmのガウス曲線の面積])が0.22〜0.50に到達するまで行う、請求項1記載の炭素繊維の製造方法。
- 工程(2)における熱処理を酸素存在雰囲気下で行う、請求項1または2記載の炭素繊維の製造方法。
- 熱可塑性炭素前駆体にピッチを用いる、請求項1記載の炭素繊維の製造方法。
- ピッチがメソフェーズピッチである、請求項4記載の炭素繊維の製造方法。
- メソフェーズピッチが多環芳香族化合物から合成されてなる請求項5記載の炭素繊維の製造方法。
- 多環芳香族化合物がナフタレンおよび/またはナフタレン誘導体である請求項6記載の炭素繊維の製造方法。
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CN111801451A (zh) * | 2018-04-27 | 2020-10-20 | 株式会社Lg化学 | 使用于制备碳纤维的前体纤维稳定化的方法和使用其制备碳纤维的方法 |
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- 2003-10-24 JP JP2003364362A patent/JP2005126855A/ja active Pending
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