JP2005163229A - カーボンナノファイバーとその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 構造制御可能に、良好な機械的性質や電気的、熱的等の性質を有する結晶性のカーボンナノファイバーを安価に製造する。
【解決手段】 次の工程を含むものとする。
(A)カーボン前駆体ポリマーとしての芳香族メソフェーズピッチのマトリックスポリマー中への分散によるポリマーブレンドの調製
(B)ポリマーブレンドの溶融紡糸
(C)紡糸繊維の不融化処理
(D)炭素化加熱、そして(E)黒鉛化。
【選択図】 図3

Description

この出願の発明は複合材用ナノ補強材、プラスチック等への導電性賦与材、各種電池の電極添加材等の多様な利用分野において有用な、カーボンナノマテリアルとして注目されているカーボンナノファイバーとその製造方法に関するものである。
ナノカーボン材料として注目されているカーボンナノファイバーについてはすでに化学気相蒸着(CVD)法により製造する方法が実用化されている。しかしながらこの方法は物質濃度の薄い気相反応によるため量産性に乏しく、しかも反応が瞬時に完結するために生成されるカーボンナノファイバーの構造制御が難しいという問題がある。また、この気相法による製造では、製品のカーボンナノファイバー中に金属触媒や不純物炭素質が共存することから、その利用分野によっては精製が必要になり、この精製のための負担が大きいという問題点もあった。
一方、このような問題点を解消することのできる方法として、この出願の発明者らによって、ポリマーブレンド紡糸法を用いることが提案されている(特許文献1、非特許文献1−3)。この方法は、フェノール樹脂とポリエチレンとを用いて、フェノール系カーボンナノチューブを製造することを特徴としている。だが、この方法の場合には、フェノール樹脂を用いているために、生成されたカーボンナノファイバーは低結晶性で、機械的特性や電気的性質、熱伝導性等の性質が満足できるものではないという問題があった。
特開2001−73226号公報 工業材料、Vol.51,No.9,p.42−45(2003年9月) Carbon,38,1141−1144(2000) 機能材料、Vol.20,No.4,p.20−26(2000年4月)
そこで、この出願の発明は、以上のような背景から、量産化やファイバーの構造制御をしやすいというポリマーブレンド紡糸法の特徴を生かして、良好な機械的特性や電気的、熱的な性質等を有する結晶性のカーボンナノファイバーを安価に製造することのできる新しい方法と、この方法により得られるカーボンナノファイバーを提供することを特徴としている。
この出願の発明は、上記の課題を解決するものとして、第1には、カーボン前駆体ポリマーとしての芳香族メソフェーズピッチからのカーボンナノファイバーの製造方法であって、次の工程を含むことを特徴とするカーボンナノファイバーの製造方法を提供する。
(A)前記メソフェーズピッチのマトリックスポリマー中への分散によるポリマーブレンドの調製
(B)ポリマーブレンドの溶融紡糸
(C)紡糸繊維の不融化処理
(D)不融化処理後の炭素化加熱
また、この出願の発明は、第2には、上記方法において、炭素化加熱の後に、(E)黒鉛化処理することを特徴とするカーボンナノファイバーの製造方法を提供する。
そして、この出願の発明は、上記第1または第2の発明の方法について、第3には、芳香族メソフェーズピッチは、その軟化点が200℃以上であることを特徴とするカーボンナノファイバーの製造方法を、第4には、マトリックスポリマーは、芳香族メソフェーズピッチの軟化点よりも30℃以上低い軟化点を有していることを特徴とするカーボンナノファイバーの製造方法を、第5には、マトリックスポリマーはアルケンポリマーであることを特徴とするカーボンナノファイバーの製造方法を提供する。
第6には、遊星型ボールミルによる混練で(A)ポリマーブレンドの調製を行うカーボンナノファイバーの製造方法を、第7には、メルトブロー法により(B)溶融紡糸することを特徴とするカーボンナノファイバーの製造方法を提供する。
さらに、この出願の発明は、第8には、黒鉛の積層構造を有し、ファイバーの径が1μm以下であることを特徴とするカーボンナノファイバーを提供し、第9には、ファイバーの径が150〜300nmの範囲であることを特徴とするカーボンナノファイバーを、第10には、これらのカーボンナノファイバーが集束されていることを特徴とするカーボンナノファイバーを提供する。
この出願の第1の発明によれば、従来のCVDによる方法に比べてカーボンナノファイバーは量産化しやすく、低コストによる製造が可能とされる。またファイバーの構造も制御しやすく、特にアスペクト比の大きなカーボンナノファイバーの製造が可能とされる。しかも、結晶性の制御も容易である。そして第2の発明によれば、顕著に高結晶性の黒鉛積層構造を有するカーボンナノファイバーが製造可能とされる。
また、第3ないし第5の発明によれば、より具体的に以上の効果をさらに向上させることができる。
第6の発明によれば、メソフェーズピッチをマトリックスポリマー中に微小分散が容易とされ、また、第7の発明によれば、高延伸紡糸が可能とされ、上記の作用効果はより一層顕著なものとなる。
第8ないし第10の発明によれば、これまでに知られていない高結晶性のカーボンナノファイバーが提供されることになる。
この出願の発明は上記のとおりの特徴をもつものであるが以下にその実施の形態について説明する。
なによりもまず特徴的なことは、この出願の発明においては、すでに発明者らが提案しているポリマーブレンド紡糸法におるカーボンナノファイバーの製造の特徴を生かし、カーボン前駆体ポリマーとして芳香族メソフェーズピッチを原料としたことである。ここで芳香族メソフェーズピッチとは、一般にアスファルトやタールボトムに含まれている多環芳香族化合物が加熱等により重縮合反応を起こして形成され、均一な層状の異方性相を有する炭素質として定義される。
そして、また、多環芳香族化合物のHFやBF等の存在下での重縮合反応によって生成される合成芳香族メソフェーズピッチも好適に用いることができる。
そして、この出願の発明において特徴的なことは、紡糸繊維の加熱炭素化だけでなく、黒鉛処理によって高度な結晶性を有するカーボンナノファイバーをも実現していることである。
この出願の発明の製造方法における前記工程(A)においては、芳香族メソフェーズピッチの種類については各種のものであってよいが、高結晶性のものを得るためには、その軟化点が200℃以上のものが好適であり、より実際的には、軟化点が200℃以上300℃以下のものが好ましい。たとえば、軟化点が220〜240℃のナフタレンメソフェーズピッチ等が例示される。このようなメソフェーズピッチを分散させてポリマーブレンドを調製するためのマトリックスポリマーとしては、軟化点がメソフェーズピッチの軟化点よりも30℃以上低いものを用いることが好ましく、なかでも、アルケンのポリマーが好ましく、さらには、分枝状アルケンのポリマー、特に、たとえば軟化点が170〜190℃の範囲のポリメチルペンテン等が好適なものとして例示される。
メソフェーズピッチとマトリックスポリマーとの混合割合については、製造工程での操作条件や生成されるカーボンナノファイバーの形状や性質を考慮して定めることができる。一般的には、両者の重量比としては1:10〜5:5程度の範囲を目安とすることが考慮される。
ポリマーブレンドの調製(A)において、メソフェーズピッチをより微小分散させるためには遊星型ボールミルを用いることも有効である。
工程(B)の溶融紡糸は、上記のメソフェーズピッチおよびマトリックスポリマーの軟化点以上の温度において実施することができ、たとえば延伸度を向上させるためにはメルトブロー法による紡糸も好適である。
工程(C)の不融化処理は、通常、マトリックスポリマーの軟化点以下の温度において、酸素気流中で加熱処理することが考慮される。もちろん、これ以外の各種の方法によってもよい。
そして、工程(D)での炭素化は、不活性雰囲気下にマトリックスポリマーを熱分解消失させることができる温度に加熱することで可能とされる。黒鉛化についても、これが可能とされる温度、たとえば2000℃以上、さらには2700℃以上に加熱することが考慮される。
そして、上記の炭素化や黒鉛化の際の加熱温度の変更によって、カーボンナノファイバーの結晶性の制御が可能となる。
そこで以下に実施例を示し、さらに詳しく説明する。もちろん以下の例によって発明が限定されることはない。
軟化点230℃のナフタレン系合成メソフェーズピッチと軟化点176℃のポリメチルペンテンを重量比3:7で秤量し、少量のメタノールを加えた後に遊星型ボールミルで1時間混合した。ついで窒素中250℃で機械的に混練してポリマーブレンドを調製した。機械混練の主要目的はポリマーブレンド中の空気を除去して紡糸性を上げるための操作である。
ポリマーブレンドを単穴メルトブロー紡糸機を用いてアルゴン下360℃で紡糸した。
紡糸したポリマー繊維をステンレスメッシュに乗せ、予め160℃に設定した電気炉中に導入し、酸素気流中で24時間不融化処理した。
不融化処理した繊維を窒素気流中、5℃/分で900℃に昇温、1時間保持して炭素化した。この段階でカーボンナノファイバが生成する。
最後に炭素化カーボンナノファイバの一部をアルゴン中、3000℃で1時間黒鉛化処理した。
X線回折による黒鉛化品の層面間隔は3.368Åで、市販品カタログ(昭和電工)に記載されているCVD法カーボンナノファイバの3.39Åよりも可成り小さく、極めて高結晶性である。炭素化後、そして黒鉛化後のファイバーの径はほぼ同程度であった。図1は、炭素化後のカーボンナノファイバーのSEM写真であり、図2は、黒鉛化後のカーボンナノファイバのSEM写真である。それぞれの繊維はカーボンナノファイバの束で構成されている。
黒鉛化後の繊維を軽く粉砕した試料のTEM写真が図3である。この図3でみられるように、カーボンナノファイバの径はほぼ150−300nmの範囲内であった。
図3のカーボンナノファイバの一部の拡大TEM写真が図4である。黒鉛の積層構造が極めて良く発達している。また電子線回折像からも結晶性の高いことがわかる。
炭素化後のSEM写真である。 黒鉛化後のSEM写真である。 黒鉛化後のTEM写真である。 黒鉛化後の一部拡大TEM写真である。

Claims (10)

  1. カーボン前駆体体ポリマーとしての芳香族メソソェーズピッチからのカーボンナノファイバーの製造方法であって、次の工程を含むことを特徴とするカーボンナノファイバーの製造方法。
    (A)前記メソフェーズピッチのマトリックスポリマー中への分散によるポリマーブレンドの調製
    (B)ポリマーブレンドの溶融紡糸
    (C)紡糸繊維の不融化処理と
    (D)不融化処理後の炭素化加熱
  2. 請求項1の方法において、炭素化加熱の後に、(E)黒鉛化処理することを特徴とするカーボンナノファイバーの製造方法。
  3. 芳香族メソフェーズピッチは、その軟化点が200℃以上であることを特徴とする請求項1または2のカーボンナノファイバーの製造方法。
  4. マトリックスポリマーは、芳香族メソフェーズピッチの軟化点よりも30℃以上低い軟化点を有していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかのカーボンナノファイバーの製造方法。
  5. マトリックスポリマーは、アルケンポリマーであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかのカーボンナノファイバーの製造方法。
  6. 遊星型ボールミルによる混練でポリマーブレンドの調製を行うことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかのカーボンナノファイバーの製造方法。
  7. メルトブロー法により溶融紡糸することを特徴とする請求項1ないし6のいずれかのカーボンナノファイバーの製造方法。
  8. 黒鉛の積層構造を有し、ファイバーの径が1μm以下であることを特徴とするカーボンナノファイバー。
  9. ファイバーの径が150〜300nmの範囲であることを特徴とする請求項8のカーボンナノファイバー。
  10. 請求項8または9のカーボンナノファイバーの集束されていることを特徴とするカーボンナノファイバー。
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